有価証券報告書-第55期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績及び財政状態の状況
当連結会計年度につきましては、米国や欧州の景気回復が着実に進むなか、中国をはじめアジア地域においても景気は底堅く、世界経済は総じて堅調に推移しました。
当社グループの参画しておりますエレクトロニクス産業におきましては、動画配信など、各種クラウドサービスを通じた大容量データ通信が増大するなか、データセンター向けの投資が引き続き活発に行われ、メモリの需要が大幅に拡大しました。加えて、自動車や産業機器向けの需要も拡大するなど、旺盛な半導体需要を背景に、半導体・電子部品の市況は好調に推移いたしました。
このような状況のもと、当連結会計年度の経営成績の状況は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度の売上高は1兆1,307億2千8百万円(前連結会計年度比41.4%増)となりました。国内売上高が1,487億6千万円(前連結会計年度比47.1%増)、海外売上高が9,819億6千7百万円(前連結会計年度比40.6%増)となり、連結売上高に占める海外売上高の比率につきましては86.8%となりました。
売上原価は6,556億9千5百万円(前連結会計年度比37.3%増)、売上総利益は4,750億3千2百万円(前連結会計年度比47.4%増)となり、売上総利益率は42.0%(前連結会計年度比1.7ポイント増)となりました。
販売費及び一般管理費は1,938億6千万円(前連結会計年度比16.4%増)となり、連結売上高に対する比率は17.1%(前連結会計年度比3.7ポイント減)となりました。
これらの結果、営業利益は2,811億7千2百万円(前連結会計年度比80.6%増)となり、営業利益率は24.9%(前連結会計年度比5.4ポイント増)となりました。経常利益は、営業外収益27億5千8百万円、営業外費用31億9千3百万円を加減し2,807億3千7百万円(前連結会計年度比78.2%増)となりました。
特別損益に関しましては、2018年4月1日付で確定給付企業年金制度の一部を確定拠出企業年金制度へ移行したことにともなう特別損失の計上等により、54億9千5百万円の損失(前連結会計年度は84億3千3百万円の損失)となりました。
税金等調整前当期純利益は2,752億4千2百万円(前連結会計年度比84.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,043億7千1百万円(前連結会計年度比77.4%増)となりました。
この結果、1株当たり当期純利益は1,245円48銭(前連結会計年度の1株当たり当期純利益は702円26銭)となりました。
当連結会計年度のセグメントごとの業績は、次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の税金等調整前当期純利益に対応しております。
・半導体製造装置
データセンター向けサーバの好調なメモリ需要にともない、とりわけDRAMの需給が逼迫したことから、DRAMメーカーによる大規模な設備投資が実施されました。また、3次元構造のNANDフラッシュメモリ向けについても、サーバへのSSD(ソリッドステートドライブ)搭載が増加したことなどを背景に、生産拡大を目的とした設備投資が伸長しました。一方、ロジック系半導体についてもサーバ向けの積極的な先端技術への開発投資が進められており、半導体製造装置市場は好調に推移しました。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は、1兆552億3千4百万円(前連結会計年度比40.7%増)、セグメント利益は、3,146億2百万円(前連結会計年度比72.2%増)となりました。
・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置
中国においてテレビ用大型液晶パネル向けの設備投資が拡大するとともに、モバイル端末用の中小型液晶パネル向け設備投資も引き続き行われており、FPD製造装置市場は好調に推移しました。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は、750億6千8百万円(前連結会計年度比52.0%増)、セグメント利益は、132億9千9百万円(前連結会計年度比187.9%増)となりました。
また、当セグメントにおきましては、当連結会計年度に高精細フラットパネルディスプレイ向けドライエッチング装置「BetelexTM 1800 PICPTM」を市場に投入いたしました。
・その他
当セグメントの当連結会計年度における売上高は、198億9千4百万円(前連結会計年度比34.3%増)、セグメント損失は5千7百万円(前連結会計年度は8千2百万円のセグメント利益)となりました。
また、当連結会計年度の財政状態の状況は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,211億6千4百万円増加し、9,971億2百万円となりました。主な内容は、たな卸資産の増加1,078億1千4百万円、有価証券に含まれる短期投資の増加420億円、受取手形及び売掛金の増加257億1千2百万円、現金及び預金の増加165億1千1百万円によるものであります。
有形固定資産は、前連結会計年度末から255億1千1百万円増加し、1,259億5千2百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末から4億8千万円増加し、158億8千2百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末から41億1百万円増加し、697億6千8百万円となりました。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から2,512億5千8百万円増加し、1兆2,087億5百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,206億8千2百万円増加し、3,684億5千2百万円となりました。主として、未払法人税等の増加349億7千7百万円、前受金の増加322億3千2百万円、支払手形及び買掛金の増加293億9千万円、賞与引当金の増加126億1千3百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ50億6千5百万円増加し、687億4千2百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,255億9百万円増加し、7,715億9百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益2,043億7千1百万円を計上したことによる増加、前期の期末配当及び当期の中間配当822億3百万円の実施による減少によるものであります。この結果、自己資本比率は63.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ935億1千1百万円増加し、2,578億7千7百万円となりました。なお、現金及び現金同等物に含まれていない満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資を加えた残高は、前連結会計年度末に比べ585億1千1百万円増加し、3,738億7千7百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動により獲得したキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度に比べ496億3千3百万円増加の1,865億8千2百万円となりました。主な要因につきましては、税金等調整前当期純利益2,752億4千2百万円、前受金の増加316億8千4百万円、仕入債務の増加285億3千5百万円、減価償却費206億1千9百万円がそれぞれキャッシュ・フローの収入となり、たな卸資産の増加1,098億4千6百万円、法人税等の支払額497億7千1百万円、売上債権の増加259億7千1百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として有形固定資産の取得による支出417億5千万円、短期投資の減少による収入350億円により、前連結会計年度の288億9千3百万円の支出に対し118億3千3百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に配当金の支払822億3百万円により、前連結会計年度の393億8千万円の支出に対し825億4千9百万円の支出となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、市場の変化に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産の実績は販売の実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。受注の実績については、短期の受注動向が顧客の投資動向により大きく変動する傾向にあり、中長期の会社業績を予測するための指標として必ずしも適切ではないため、記載しておりません。また、販売の実績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」における各セグメントの業績に関連付けて説明しております。
なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度より、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売高を含める方法に変更したため、前連結会計年度についても必要な組替えを行っております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本「有価証券報告書」提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって採用された重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
なお、連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示情報に影響を与える見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績や状況等を勘案し合理的な判断のもと継続的に見積り及び予測を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績については、半導体製造装置市場及びFPD製造装置市場における需要が引き続き拡大したことにより、売上高は創業以降初めて1兆円を超え、1兆1,307億2千8百万円(前連結会計年度比41.4%増)となりました。主力の半導体製造装置事業においては、半導体の使用用途の広がり、IoT及び次世代技術への活発な投資により市場が大きく拡大しております。そのような状況のもと、顧客の技術課題を解決する付加価値の高い成長分野でのシェアが拡大した結果、市場成長を大きく上回る売上増となりました。
営業利益率は24.9%(前連結会計年度比5.4ポイント増)となり、過去最高を大きく更新いたしました。これは、売上高の増加により研究開発費を含む販売費及び一般管理費、売上原価に含まれる固定費の対売上高比率が低下したこと、主要な戦略プロダクトにおける収益性が向上したこと等によるものであります。なお、研究開発費の売上高に対する比率は前連結会計年度から1.9ポイント低下し8.6%となりましたが、研究開発費の総額は前連結会計年度から133億3百万円増加しており、将来の成長に向けた投資は引き続き強化しております。
財政状態及びキャッシュ・フローについては、事業規模の拡大により、たな卸資産、売上債権等の流動資産、有形固定資産を中心に総資産が増加し、当連結会計年度末における総資産は1兆2,087億5百万円(前連結会計年度末から2,512億5千8百万円増加)となりました。また、資産効率を示す総資産回転日数(注1)は、前連結会計年度末の437日から390日へ改善しました。生産及び売上の増加に伴い、たな卸資産及び売上債権は増加しましたが、たな卸資産回転日数(注2)は前連結会計年度末の108日と同水準の111日を維持、売上債権回転日数(注3)は前連結会計年度末の61日から52日へ改善しました。固定資産については、国内製造拠点における物流棟の建設、開発用クリーンルームの改修、開発棟の着工、及び評価用機械装置の取得等により増加しましたが、これらは、中期経営計画の達成に向け、売上拡大に伴う増産への対応と先端技術開発を加速させるために必要な投資を実施した結果であります。なお、投資に必要な資金は手元資金で賄っております。
過去最高の税金等調整前当期純利益を計上するなかで、資産効率の改善についても継続して取り組み、キャッシュ・フローの拡大に努める一方、成長に必要な投資は積極的に実施しました。その結果、現金及び現金同等物に満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資を加えた残高は、前連結会計年度末から585億1千1百万円増加し、3,738億7千7百万円となりました。
なお、上述した営業利益率の改善、及び総資産回転日数等の資産効率の改善の結果として、ROE(自己資本利益率)についても前連結会計年度の19.1%から29.0%へ改善しました。
(注)1 総資産回転日数=当連結会計年度末の総資産÷当連結会計年度の売上高×365
2 たな卸資産回転日数=当連結会計年度末のたな卸資産÷当連結会計年度の売上高×365
3 売上債権回転日数=当連結会計年度末の売上債権÷当連結会計年度の売上高×365
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループでは売上高、営業利益率、ROE(自己資本利益率)を中期経営計画上の財務モデルにおける指標として使用しております。2017年5月時点において設定した2020年3月期を想定した各指標のモデルに対する、当連結会計年度の経営成績は次のとおりであり、事業展開は順調に進捗しております。
このような状況のもと、さらなる市場拡大と当社グループの高い成長機会をベースに、2021年3月期を想定した新しい財務モデルを2018年5月29日に設定しました。具体的には、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ④ 目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の税金等調整前当期純利益に対応しております。
・半導体製造装置
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比40.7%増の1兆552億3千4百万円となりました。本体装置の売上高を製品別に見ると、不揮発性メモリ・マルチパターニングによる微細化への投資を背景に、当社グループが注力するエッチング・成膜・洗浄装置の売上が拡大しました。また中古装置や改造、パーツ・サービスの売上高については、顧客の装置稼働率上昇によりパーツ販売を中心に大きく伸長しました。
セグメント利益率については、当連結会計年度は29.8%と、前連結会計年度の24.4%から大幅に改善しました。売上拡大に加え、注力分野において競争力のある高付加価値製品を投入したことが主な要因であります。
その他、当連結会計年度において、開発リソース等の効率化を目的とした東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ㈱の設立、顧客との協業によるプロセスインテグレーションのソリューション開発加速、エッチング装置を開発・製造する東京エレクトロン宮城㈱における新物流棟の稼働及び新開発棟の着工等を実施、これらの施策により、今後の事業拡大に向けた準備を進めております。
・FPD製造装置
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比52.0%増の750億6千8百万円となりました。モバイル用途の中小型パネル向け設備投資の継続、投資拡大を見せる第10.5世代製造装置市場において差別化技術によりリーディングポジションを確立したこと、高性能PICPTMエッチング装置の順調な拡販等により、売上高が増加しました。
セグメント利益率については、当連結会計年度は17.7%と、前連結会計年度の9.4%から大幅に改善しました。売上拡大に加え、複数の新製品の拡販が順調に進捗したこと、また第10.5世代向け製造装置市場において高いシェアを獲得したことが主な要因であります。
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績及び財政状態の状況
当連結会計年度につきましては、米国や欧州の景気回復が着実に進むなか、中国をはじめアジア地域においても景気は底堅く、世界経済は総じて堅調に推移しました。
当社グループの参画しておりますエレクトロニクス産業におきましては、動画配信など、各種クラウドサービスを通じた大容量データ通信が増大するなか、データセンター向けの投資が引き続き活発に行われ、メモリの需要が大幅に拡大しました。加えて、自動車や産業機器向けの需要も拡大するなど、旺盛な半導体需要を背景に、半導体・電子部品の市況は好調に推移いたしました。
このような状況のもと、当連結会計年度の経営成績の状況は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度の売上高は1兆1,307億2千8百万円(前連結会計年度比41.4%増)となりました。国内売上高が1,487億6千万円(前連結会計年度比47.1%増)、海外売上高が9,819億6千7百万円(前連結会計年度比40.6%増)となり、連結売上高に占める海外売上高の比率につきましては86.8%となりました。
売上原価は6,556億9千5百万円(前連結会計年度比37.3%増)、売上総利益は4,750億3千2百万円(前連結会計年度比47.4%増)となり、売上総利益率は42.0%(前連結会計年度比1.7ポイント増)となりました。
販売費及び一般管理費は1,938億6千万円(前連結会計年度比16.4%増)となり、連結売上高に対する比率は17.1%(前連結会計年度比3.7ポイント減)となりました。
これらの結果、営業利益は2,811億7千2百万円(前連結会計年度比80.6%増)となり、営業利益率は24.9%(前連結会計年度比5.4ポイント増)となりました。経常利益は、営業外収益27億5千8百万円、営業外費用31億9千3百万円を加減し2,807億3千7百万円(前連結会計年度比78.2%増)となりました。
特別損益に関しましては、2018年4月1日付で確定給付企業年金制度の一部を確定拠出企業年金制度へ移行したことにともなう特別損失の計上等により、54億9千5百万円の損失(前連結会計年度は84億3千3百万円の損失)となりました。
税金等調整前当期純利益は2,752億4千2百万円(前連結会計年度比84.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,043億7千1百万円(前連結会計年度比77.4%増)となりました。
この結果、1株当たり当期純利益は1,245円48銭(前連結会計年度の1株当たり当期純利益は702円26銭)となりました。
当連結会計年度のセグメントごとの業績は、次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の税金等調整前当期純利益に対応しております。
・半導体製造装置
データセンター向けサーバの好調なメモリ需要にともない、とりわけDRAMの需給が逼迫したことから、DRAMメーカーによる大規模な設備投資が実施されました。また、3次元構造のNANDフラッシュメモリ向けについても、サーバへのSSD(ソリッドステートドライブ)搭載が増加したことなどを背景に、生産拡大を目的とした設備投資が伸長しました。一方、ロジック系半導体についてもサーバ向けの積極的な先端技術への開発投資が進められており、半導体製造装置市場は好調に推移しました。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は、1兆552億3千4百万円(前連結会計年度比40.7%増)、セグメント利益は、3,146億2百万円(前連結会計年度比72.2%増)となりました。
・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置
中国においてテレビ用大型液晶パネル向けの設備投資が拡大するとともに、モバイル端末用の中小型液晶パネル向け設備投資も引き続き行われており、FPD製造装置市場は好調に推移しました。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は、750億6千8百万円(前連結会計年度比52.0%増)、セグメント利益は、132億9千9百万円(前連結会計年度比187.9%増)となりました。
また、当セグメントにおきましては、当連結会計年度に高精細フラットパネルディスプレイ向けドライエッチング装置「BetelexTM 1800 PICPTM」を市場に投入いたしました。
・その他
当セグメントの当連結会計年度における売上高は、198億9千4百万円(前連結会計年度比34.3%増)、セグメント損失は5千7百万円(前連結会計年度は8千2百万円のセグメント利益)となりました。
また、当連結会計年度の財政状態の状況は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,211億6千4百万円増加し、9,971億2百万円となりました。主な内容は、たな卸資産の増加1,078億1千4百万円、有価証券に含まれる短期投資の増加420億円、受取手形及び売掛金の増加257億1千2百万円、現金及び預金の増加165億1千1百万円によるものであります。
有形固定資産は、前連結会計年度末から255億1千1百万円増加し、1,259億5千2百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末から4億8千万円増加し、158億8千2百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末から41億1百万円増加し、697億6千8百万円となりました。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から2,512億5千8百万円増加し、1兆2,087億5百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,206億8千2百万円増加し、3,684億5千2百万円となりました。主として、未払法人税等の増加349億7千7百万円、前受金の増加322億3千2百万円、支払手形及び買掛金の増加293億9千万円、賞与引当金の増加126億1千3百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ50億6千5百万円増加し、687億4千2百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,255億9百万円増加し、7,715億9百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益2,043億7千1百万円を計上したことによる増加、前期の期末配当及び当期の中間配当822億3百万円の実施による減少によるものであります。この結果、自己資本比率は63.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ935億1千1百万円増加し、2,578億7千7百万円となりました。なお、現金及び現金同等物に含まれていない満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資を加えた残高は、前連結会計年度末に比べ585億1千1百万円増加し、3,738億7千7百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動により獲得したキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度に比べ496億3千3百万円増加の1,865億8千2百万円となりました。主な要因につきましては、税金等調整前当期純利益2,752億4千2百万円、前受金の増加316億8千4百万円、仕入債務の増加285億3千5百万円、減価償却費206億1千9百万円がそれぞれキャッシュ・フローの収入となり、たな卸資産の増加1,098億4千6百万円、法人税等の支払額497億7千1百万円、売上債権の増加259億7千1百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として有形固定資産の取得による支出417億5千万円、短期投資の減少による収入350億円により、前連結会計年度の288億9千3百万円の支出に対し118億3千3百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に配当金の支払822億3百万円により、前連結会計年度の393億8千万円の支出に対し825億4千9百万円の支出となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、市場の変化に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産の実績は販売の実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。受注の実績については、短期の受注動向が顧客の投資動向により大きく変動する傾向にあり、中長期の会社業績を予測するための指標として必ずしも適切ではないため、記載しておりません。また、販売の実績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」における各セグメントの業績に関連付けて説明しております。
なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
| 相手先 | 販売高 (百万円) | 割合 (%) |
| Intel Corporation | 143,488 | 17.9 |
| Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Ltd. | 127,621 | 16.0 |
| Samsung Electronics Co., Ltd. | 112,151 | 14.0 |
| Micron Technology, Inc. | 84,111 | 10.5 |
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
| 相手先 | 販売高 (百万円) | 割合 (%) |
| Samsung Electronics Co., Ltd. | 261,544 | 23.1 |
| Intel Corporation | 181,053 | 16.0 |
| SK hynix Inc. | 132,146 | 11.7 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度より、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売高を含める方法に変更したため、前連結会計年度についても必要な組替えを行っております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本「有価証券報告書」提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって採用された重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
なお、連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示情報に影響を与える見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績や状況等を勘案し合理的な判断のもと継続的に見積り及び予測を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績については、半導体製造装置市場及びFPD製造装置市場における需要が引き続き拡大したことにより、売上高は創業以降初めて1兆円を超え、1兆1,307億2千8百万円(前連結会計年度比41.4%増)となりました。主力の半導体製造装置事業においては、半導体の使用用途の広がり、IoT及び次世代技術への活発な投資により市場が大きく拡大しております。そのような状況のもと、顧客の技術課題を解決する付加価値の高い成長分野でのシェアが拡大した結果、市場成長を大きく上回る売上増となりました。
営業利益率は24.9%(前連結会計年度比5.4ポイント増)となり、過去最高を大きく更新いたしました。これは、売上高の増加により研究開発費を含む販売費及び一般管理費、売上原価に含まれる固定費の対売上高比率が低下したこと、主要な戦略プロダクトにおける収益性が向上したこと等によるものであります。なお、研究開発費の売上高に対する比率は前連結会計年度から1.9ポイント低下し8.6%となりましたが、研究開発費の総額は前連結会計年度から133億3百万円増加しており、将来の成長に向けた投資は引き続き強化しております。
財政状態及びキャッシュ・フローについては、事業規模の拡大により、たな卸資産、売上債権等の流動資産、有形固定資産を中心に総資産が増加し、当連結会計年度末における総資産は1兆2,087億5百万円(前連結会計年度末から2,512億5千8百万円増加)となりました。また、資産効率を示す総資産回転日数(注1)は、前連結会計年度末の437日から390日へ改善しました。生産及び売上の増加に伴い、たな卸資産及び売上債権は増加しましたが、たな卸資産回転日数(注2)は前連結会計年度末の108日と同水準の111日を維持、売上債権回転日数(注3)は前連結会計年度末の61日から52日へ改善しました。固定資産については、国内製造拠点における物流棟の建設、開発用クリーンルームの改修、開発棟の着工、及び評価用機械装置の取得等により増加しましたが、これらは、中期経営計画の達成に向け、売上拡大に伴う増産への対応と先端技術開発を加速させるために必要な投資を実施した結果であります。なお、投資に必要な資金は手元資金で賄っております。
過去最高の税金等調整前当期純利益を計上するなかで、資産効率の改善についても継続して取り組み、キャッシュ・フローの拡大に努める一方、成長に必要な投資は積極的に実施しました。その結果、現金及び現金同等物に満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資を加えた残高は、前連結会計年度末から585億1千1百万円増加し、3,738億7千7百万円となりました。
なお、上述した営業利益率の改善、及び総資産回転日数等の資産効率の改善の結果として、ROE(自己資本利益率)についても前連結会計年度の19.1%から29.0%へ改善しました。
(注)1 総資産回転日数=当連結会計年度末の総資産÷当連結会計年度の売上高×365
2 たな卸資産回転日数=当連結会計年度末のたな卸資産÷当連結会計年度の売上高×365
3 売上債権回転日数=当連結会計年度末の売上債権÷当連結会計年度の売上高×365
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループでは売上高、営業利益率、ROE(自己資本利益率)を中期経営計画上の財務モデルにおける指標として使用しております。2017年5月時点において設定した2020年3月期を想定した各指標のモデルに対する、当連結会計年度の経営成績は次のとおりであり、事業展開は順調に進捗しております。
| 2020年3月期 財務モデル (2017年5月公表) | 2018年3月期 実績 | ||
| 半導体前工程製造装置 市場規模 | 420億米ドル | 450億米ドル | 510億米ドル |
| 売上高 | 10,500億円 | 12,000億円 | 11,307億円 |
| 営業利益率 | 24% | 26% | 24.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 20%~25% | 29.0% | |
このような状況のもと、さらなる市場拡大と当社グループの高い成長機会をベースに、2021年3月期を想定した新しい財務モデルを2018年5月29日に設定しました。具体的には、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ④ 目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の税金等調整前当期純利益に対応しております。
・半導体製造装置
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比40.7%増の1兆552億3千4百万円となりました。本体装置の売上高を製品別に見ると、不揮発性メモリ・マルチパターニングによる微細化への投資を背景に、当社グループが注力するエッチング・成膜・洗浄装置の売上が拡大しました。また中古装置や改造、パーツ・サービスの売上高については、顧客の装置稼働率上昇によりパーツ販売を中心に大きく伸長しました。
セグメント利益率については、当連結会計年度は29.8%と、前連結会計年度の24.4%から大幅に改善しました。売上拡大に加え、注力分野において競争力のある高付加価値製品を投入したことが主な要因であります。
その他、当連結会計年度において、開発リソース等の効率化を目的とした東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ㈱の設立、顧客との協業によるプロセスインテグレーションのソリューション開発加速、エッチング装置を開発・製造する東京エレクトロン宮城㈱における新物流棟の稼働及び新開発棟の着工等を実施、これらの施策により、今後の事業拡大に向けた準備を進めております。
・FPD製造装置
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比52.0%増の750億6千8百万円となりました。モバイル用途の中小型パネル向け設備投資の継続、投資拡大を見せる第10.5世代製造装置市場において差別化技術によりリーディングポジションを確立したこと、高性能PICPTMエッチング装置の順調な拡販等により、売上高が増加しました。
セグメント利益率については、当連結会計年度は17.7%と、前連結会計年度の9.4%から大幅に改善しました。売上拡大に加え、複数の新製品の拡販が順調に進捗したこと、また第10.5世代向け製造装置市場において高いシェアを獲得したことが主な要因であります。