四半期報告書-第40期第1四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当第1四半期末において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
為替換算レート
期中平均レート
期末日レート
IFRS第16号の適用について
当第1四半期からIFRS第16号「リース」を適用しています。IFRS第16号の適用に当たっては、本基準の適用開始による累積的影響額を適用開始日(2019年4月1日)の利益剰余金期首残高の修正として認識しており、前期の情報は修正再表示していません。また、無形資産のリース取引に対してはIFRS第16号を適用していません。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」をご参照ください。
IFRS第16号適用による主な影響:連結財政状態計算書
適用開始日に、資産合計が1,336,695百万円、負債合計が1,324,055百万円、資本合計が12,640百万円、それぞれ増加しました。主に、従来賃借処理していたオペレーティング・リースを使用権資産とリース負債として計上したことによるものです。
連結損益計算書
適用開始日に使用権資産とリース負債として計上したオペレーティング・リースに係る費用については、従来の賃借料ではなく、減価償却費と支払利息として計上しています。
a. 経営成績の概況
(注1)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド以外で当社が保有する投資の公正価値の変動により発生する損益です。
(注2)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドの投資損益から当社英国100%子会社で両ファンドの運営を行うSBIAに支払われる管理報酬および成功報酬、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドの営業費用ならびにその他の費用を控除した金額を、持分に応じて外部投資家に分配した固定分配額および成果分配額の合計です。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記 6.ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業(2)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家持分」をご参照ください。
以下、主要な科目ならびに増減率および増減の理由の分析について特筆すべき科目に関する概要を記載します。
A 売上高
ソフトバンク事業、スプリント事業、アーム事業がいずれも増収となりました。
B 営業利益(ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益を除く)
ソフトバンク事業で16,479百万円、ブライトスター事業で4,097百万円、それぞれのセグメント利益が改善したものの、スプリント事業で34,735百万円、アーム事業で156,763百万円、その他で14,298百万円、セグメント利益が悪化しました。なお、アーム事業の前年同期のセグメント利益には中国子会社の合弁事業化に伴い子会社の支配喪失に伴う利益161,347百万円が含まれていました。
C ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益
Oravel Stays Private Limited(以下「OYO」)およびその関係会社、Slack Technologies, Inc.(以下「Slack」)やDoordash, Inc.(以下「Doordash」)1などへの投資の公正価値の増加により未実現評価益408,514百万円を計上しました。詳細は「b. セグメントの業績概況(a)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業」をご参照ください。
B~Cの結果、営業利益は前年同期比26,177百万円(3.7%)減の688,816百万円となりました。
D 財務費用
スプリントの支払利息が主にIFRS第16号適用の影響で11,004百万円増加しました。このほか、ソフトバンク㈱の支払利息が8,094百万円増加した一方、ソフトバンクグループ㈱の支払利息2が9,786百万円減少しました。これは主に、ソフトバンク㈱の株式上場実現に向けた準備の一環として、2018年8月にソフトバンク㈱が1兆6,000億円の借入を行い、全額をソフトバンクグループ㈱からの借入金の返済に充当するとともに、ソフトバンクグループ㈱はその全額を借入金の返済に充当したことによるものです。
E 持分法による投資損益
当第1四半期の持分法による投資損益のうち、アリババの持分法投資利益は56,365百万円(172.1%)増の89,114百万円となりました。主にFVTPLの金融商品について、公正価値の上昇額を利益として計上したことによるものです。
F デリバティブ関連損益
前年同期には、アリババ株式の先渡売買契約に含まれるカラー取引に関するデリバティブ関連損失21,371百万円が計上されていました。
G アリババ株式先渡売買契約決済益
アリババ株式の一部資金化による資金調達の一環として、当社100%子会社であるWest Raptor Holdings, LLC(以下「WRH LLC」)が2016年6月にMandatory Exchangeable Trust(以下「Trust」)との間で締結したアリババ株式売却に係る先渡売買契約について、2019年6月、WRH LLCがアリババの米国預託株式73百万株をTrustへ譲渡し、本契約を決済しました。これに伴い、アリババ株式先渡売買契約決済益を計上しました。
主にB~Gの結果、税引前利益は前年同期比1,110,040百万円(194.0%)増の1,682,344百万円となりました。
H 法人所得税
WRH LLCが2019年6月にアリババ株式の先渡売買契約を決済したことに伴い、繰延税金資産361,752百万円を取り崩しました。この繰延税金資産は、当該アリババ株式の税務上の簿価と連結簿価との一時差異に対する繰延税金資産と、当該アリババ株式の先渡売買契約に含まれるカラー取引に関するデリバティブ負債に対して前期末に計上していた繰延税金資産の合計です。
主にB~Hの結果、親会社の所有者に帰属する純利益は前年同期比808,032百万円(257.6%)増の1,121,719百万円となりました。
b. セグメントの業績概況
当社の報告セグメントは、当社の経営資源の配分の決定や業績の評価を行うための区分を基礎としています。当第1四半期において、ソフトバンク㈱がヤフー㈱を子会社化したことに伴ってセグメント管理区分を見直し、「ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業」、「ソフトバンク事業」、「スプリント事業」、「アーム事業」、および「ブライトスター事業」の5つを報告セグメントとしています。
報告セグメントの概要は以下の通りです。
(注)報告セグメントの利益は、以下のように算出されます。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業:
セグメント利益=ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの投資損益-営業費用
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業以外:
セグメント利益=各セグメントの(売上高-営業費用(売上原価+販売費及び一般管理費)±その他の営業損益)
(a) ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業
(単位:百万円)
<事業概要>ソフトバンク・ビジョン・ファンドは2017年に活動を開始しました。同ファンドは、「ユニコーン(企業価値が10億米ドル以上と推定される非公開企業)」を中心に、AIを活用した成長可能性の大きな企業に対し大規模な投資を行い、中長期的視点から投資成果を最大化することを目指しています。
同ファンドは金融行為規制機構(The Financial Conduct Authority)に登録された当社の英国100%子会社SBIAが運営しています。当事業には、ソフトバンク・ビジョン・ファンドのほか、同じくSBIAが運営するデルタ・ファンドの投資および事業活動の結果が含まれています。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける分配の性質、およびSBIAが受領する管理報酬および投資の成果に応じて受領する成果報酬の性質の詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記 6.ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業(2)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家持分、および(3)SBIAの管理報酬および成功報酬」をご参照ください。
当事業におけるファンドの概要
2019年6月30日現在
(注1)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家の出資コミットメントは、両ファンドの合計額で定められているため、それぞれのファンドの出資コミットメント総額およびコミットメント残額は、もう一方のファンドにおける外部投資家の支払義務の履行状況により変動します。
(注2)ソフトバンク・ビジョン・ファンドへの当社の出資コミットメントは、Arm Limited株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(前期末までに全該当株式を拠出済み)のほか、ソフトバンク・ビジョン・ファンドに関連するインセンティブ・スキームへ活用される予定の50億米ドルを含みます。
<業績全般>(単位:百万円)
セグメント利益
セグメント利益は397,630百万円(前年同期は239,944百万円)となりました。主に、投資の未実現評価益408,514百万円を計上したことによるものです。このうち、OYOおよびその関係会社やSlack、Doordash1などへの投資の公正価値増加により、投資の未実現評価益は合計603,840百万円となり、一方、Uber1などへの投資の公正価値減少により投資の未実現評価損は合計195,326百万円となりました。
投資先の公正価値は、公開会社の場合は、取引相場価格を用いて測定しています。未公開会社の場合は、直近の第三者間取引、あるいはマーケット・アプローチやコスト・アプローチまたはインカム・アプローチを用いて公正価値を測定しています。
資金の状況
2019年6月30日現在
(単位:十億米ドル)
(注)デルタ・ファンドは、保有していたXiaoju Kuaizhi Inc.(以下「DiDi」)への投資を、前期第4四半期(2019年3月31日に終了した3カ月間)にソフトバンク・ビジョン・ファンドに売却しました。当該売却は約束手形で行われ、同手形は当第2四半期(2019年9月30日に終了する3カ月間)に決済される見込みであるため、この取引は当第1四半期末現在、上記の資金の状況に反映されていません。
(注1)ソフトバンク・ビジョン・ファンドへの当社の出資コミットメントは、Arm Limited株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(前期末までに全該当株式を拠出済み)のほか、ソフトバンク・ビジョン・ファンドに関連するインセンティブ・スキームへ活用される予定の50億米ドルを含みます。
投資の状況
2019年6月30日現在;売却した投資を除く
(単位:十億米ドル)
(注)ソフトバンク・ビジョン・ファンドの子会社である投資持株会社には、ソフトバンク・ビジョン・ファンド以外の他の株主が存在する場合があり、当該投資持株会社から行われる投資全てをソフトバンク・ビジョン・ファンドによる投資としています。当第1四半期末現在、当社100%子会社がこうした他の株主に該当します。なお、当第1四半期において、当該投資持株会社を通じて行われていた投資について、当該100%子会社の持分全てがソフトバンク・ビジョン・ファンドへ売却されたまたは売却が決定しました。上記の取得価額および公正価値には、売却が決定した持分の取得価額277百万米ドルおよび公正価値370百万米ドルが含まれています。
当第1四半期における新規投資
当第1四半期において、ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、合計62億米ドルの投資を行いました(既存投資先への追加投資を含みます)。
このほか、当社が保有していた投資のうち、ANI Technologies Private Limited(Ola)への投資およびWeWork Companies Inc.(以下「WeWork」)関係会社1社への投資をソフトバンク・ビジョン・ファンドに売却することが決定しています。これらの投資の当社の取得額は合計696百万米ドル、ソフトバンク・ビジョン・ファンドへの売却額は合計950百万米ドルです。
デルタ・ファンドの投資の状況
DiDiへの投資の全てをソフトバンク・ビジョン・ファンドに売却したことにより、当第1四半期末現在、デルタ・ファンドが保有する投資はありません。
(b) ソフトバンク事業(旧ヤフー事業含む)
(注)ソフトバンク㈱によるヤフー㈱の子会社化に伴い、2018年4月1日より、ヤフー㈱の業績をソフトバンク事業の一部として遡及して表示しています。
<業績全般>コンシューマ向けサービスを中心とする通信事業が牽引し増収増益を達成しました。「SoftBank」、「Y!mobile」、「LINEモバイル」の3ブランドを擁するスマートフォンの累計契約数が前期末比37万件増の2,245万件、光回線サービス「SoftBank 光」の累計契約数が前期末比13万件増の605万件となるなど顧客基盤が順調に拡大した結果、最大の収益源であるコンシューマ向けサービスの通信サービス売上が伸長し増収となりました。この通信サービス売上を中心とした増収が利益に結び付いた結果、セグメント利益は増益となりました。
なお、「ソフトバンク㈱を割当先とするヤフー㈱の第三者割当増資およびヤフー㈱による自己株式公開買付けについて」に記載の通り、2019年6月27日付でヤフー㈱はソフトバンク㈱の子会社となりました。これに伴い、2018年4月1日より、ヤフー㈱の業績をソフトバンク事業の一部として遡及して表示しています。同事業におけるヤフー㈱の営業利益は前年同期比4.1%減少しました。主に、スマートフォンアプリやコマースに係る販売促進費や、データドリブン化に向けた積極的な設備投資により減価償却費が増加したことによるものです。
(c) スプリント事業
<業績全般(米ドルベース)>売上高は前年同期からほぼ横ばい、セグメント利益は減益となりました。減益となったのは、主に、その他の営業損益が悪化したことによるものです。スプリントが保有していた本社(建物および土地など)について、セール・アンド・リースバック取引を当第1四半期に契約締結した(実行は2019年7月)ことに伴い、対象資産の帳簿価額と取引コストを控除した公正価値との差額を売却目的保有に分類された資産に対する減損損失として計上しました。
(d) アーム事業
(単位:百万円)
(注)セグメント利益には、アーム買収時に行った取得原価配分により計上した無形資産の償却費が、当第1四半期は12,868百万円、前年同期は13,578百万円含まれています。
<事業概要>アームは主に、低消費電力型マイクロプロセッサーおよび関連テクノロジーのデザインなど、半導体のIP(回路の設計情報などの知的財産)のライセンス事業を行っています。当社による買収後、アームは、技術関連人員を増強し、研究開発への投資を加速しています。技術力の強化により、既存市場でのシェア維持・獲得および新規市場の開拓に向けた新技術開発を図っています。
重点投資分野と主な進捗:
<業績全般>売上高(米ドルベース)
アームの売上は主に米ドル建てであるため、本項の売上高は米ドルベースの実績を記載しています。
(単位:百万米ドル)
当第1四半期の売上高は米ドルベースで前年同期から9.7%増加しました。これは前年同期において、中国事業の合弁化に伴い一時的にライセンスの新規契約締結に遅延が生じ、ライセンス収入が低調となったことによるものです。
今後、半導体市場は引き続き弱含みで推移し、また、現在の貿易環境や特定の半導体企業の営業活動への制限などから生じるリスクは残ることが見込まれています。当期のライセンス収入およびロイヤルティー収入、ソフトウエアおよびサービス収入は、これらを背景としたライセンシーによる新規ライセンス契約締結の延期や、OEM(受託製造会社)による在庫水準の厳正化および商品販売数の抑制による悪影響を受ける可能性があります。なお、半導体市場が回復し次第、アームの事業はさらに成長を続けていくと、アームは見込んでいます。
・テクノロジー・ライセンス収入
ライセンス収入は米ドルベースで前年同期から47.1%増加しました。これは主に、前年同期において、中国事業の合弁化に伴いライセンスの新規契約締結に一時的に遅延が生じ、ライセンス収入が低調であったことによるものです。また、前期から引き続き、半導体業界全体が弱含んで推移している影響を受けています。
・テクノロジー・ロイヤルティー収入
ロイヤルティー収入は米ドルベースで前年同期から8.0%減少しました。これは主に、中国を中心とする世界的なスマートフォン需要の鈍化と世界的なチップの出荷減速によるものです。一方、ネットワークや自動車、IoTなどの長期的成長市場におけるシェアの拡大に伴い、同収入は中長期的には成長すると見込んでいます。
・ソフトウエアおよびサービス収入
ソフトウエアおよびサービス収入は米ドルベースで前年同期から51.4%増加しました。前期の第2四半期(2018年9月30日に終了した3カ月間)にTreasure Data, Inc.を買収したことによるものです。
セグメント利益
前年同期においてアーム事業のセグメント利益にはアームの中国子会社が合弁事業化により持分法適用関連会社となったことに伴い計上した子会社の支配喪失に伴う利益161,347百万円が含まれていたことにより、セグメント利益は減益となりました。また、研究開発強化を目的としたエンジニアおよび技術支援スタッフの採用は進んでいますが、英ポンドの為替換算レートが前年同期から円高となったことにより、営業費用(売上原価と販売費及び一般管理費)は前年同期から187百万円減少しました。なおアームの従業員数は前期末から77人(1.3%)増加しています。
アームは、機械学習やIoT、自動運転などの市場に必要なテクノロジー構築のため引き続き研究開発の強化を図っていますが、同時に、ROIの最大化に向けて、収益性を考慮した研究開発プロジェクトの構成や開発拠点の最適化に取り組んでいます。
<営業概況>ライセンス
(単位:件)
(注)プロセッサー・ライセンスの累計契約数は、ロイヤルティー収入の発生が見込まれるライセンス契約のみを含みます。当第1四半期において、契約締結から10年以上が経過したライセンスを中心に棚卸を実施し、ロイヤルティー収入の発生が今後見込めないライセンス契約を除外したことなどにより、累計契約数が51契約減少しました。
当第1四半期のプロセッサー・ライセンス契約締結数は、アームの未発表の新テクノロジーに対する2件のライセンスを含め28件となり、アームの最新テクノロジーに対する底堅い需要を反映した結果となりました。当第1四半期に締結されたライセンス契約では、AIアプリケーション、コンシューマー・エレクトロニクス、ネットワーク機器、スマートフォン、仮想現実(VR)ヘッドセットなど、広範囲な最終製品市場でアームのテクノロジーの使用が予定されています。
ロイヤルティー・ユニット8
スマートフォン需要の減速などにより半導体市場全体が弱含んで推移したため、2019年1~3月期のロイヤルティー・ユニットの出荷数は前年同期比12.7%減の48億個となりました。
(e) ブライトスター事業
(単位:百万円)
(f) その他
(単位:百万円)
日本でスマートフォン決済サービスを手掛けるPayPay㈱が16,219百万円の営業損失を計上しました。主に、ユーザー獲得と利用促進を目的とした大規模なキャンペーンを実施したことや、サービス利用可能店舗の拡大に引き続き積極的に取り組んだことによるものです。
「その他」に含まれるPayPay㈱の業績
(単位:百万円)
c. 財政状態の状況
(注)IFRS第16号の適用に伴い、当期首において、資産合計が1,336,695百万円、負債合計が1,324,055百万円、
資本合計が12,640百万円、それぞれ増加しました。
(a) 資産
(単位:百万円)
主な科目別の増減理由
(注)前期末および当第1四半期末のその他の流動資産には、前期にSBGJが行ったソフトバンクグループ㈱への配当から生じた源泉所得税の還付見込み額422,648百万円が含まれています。なお、当該源泉所得税は2019年7月に還付されています。
(b) 負債
(単位:百万円)
(注1)IFRS第16号の適用に伴い、当期首において、従来賃借処理されていたオペレーティング・リースについてリース負債1,449,326百万円を新たに計上しました。また、従来有利子負債に含めていたファイナンス・リースに係るリース債務892,472百万円をリース負債に振り替えました。
(注2)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家持分の詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記6.ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業(2)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家持分」をご参照ください。
主な科目別の増減理由
(別掲) 有利子負債およびリース負債(流動負債および非流動負債の合計)
(単位:百万円)
ソフトバンクグループ㈱2
・税金などの一時的な費用への充当を目的とした借入れに伴い、短期借入金が425,816百万円増加しました。
・2019年6月および9月に満期を迎える社債のリファイナンスの一環として、国内普通社債5,000億円を発行し、3,000億円を償還しました。
ソフトバンク㈱
・ヤフー㈱株式の取得および同株式取得に伴い減少した運転資金を補うために行った借入れにより、借入金が増加しました。
・IFRS第16号適用による影響(期首時点)
―従来賃借処理されていたオペレーティング・リースについて、リース負債384,103百万円を新たに計上しまし
た。
―従来有利子負債に含めていたファイナンス・リースについて、786,174百万円をリース負債へ振り替えました。
・従来リース債務としていた通信設備に関連するソフトウエアのリース取引に係る負債について、当社は無形資産のリース取引にIFRS第16号を適用しないことから、当該負債をIFRS第9号に基づく金融負債として借入金に含めて計上し、前期末の残高について修正再表示を行っています。当第1四半期末の借入金には、当該取引にかかる借入金が266,238百万円(前期末には277,157百万円)含まれています。
スプリント
・社債17億米ドルを満期償還したほか、債権流動化による借入れを返済しました。
・IFRS第16号適用による影響(期首時点)
―従来賃借処理されていたオペレーティング・リースについて、リース負債868,200百万円を新たに計上しまし
た。
―従来有利子負債に含めていたファイナンス・リースについて、14,991百万円をリース負債へ振り替えました。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド
ソフトバンク・ビジョン・ファンドが、投資の資本効率向上などを目的とする借入れを行いました。
その他
アリババ株式の先渡売買契約の決済を完了したことにより、株式先渡契約金融負債が減少しました。
(c) 資本
(単位:百万円)
主な科目別の増減理由
(注1)消却された株式数は、2019年2月6日の取締役会決議に基づく自己株式の取得(以下「本自己株式取得」)により取得された株式数と同一ですが、消却額は本自己株式取得より前に取得され保有されていた株式も含めた帳簿価額に基づいて算出されるため、本自己株式取得の取得総額とは異なっています。
(2)キャッシュ・フローの状況
(注)IFRS第16号の適用に伴い、当期より従来のオペレーティング・リースについて新規にリース負債を計上しているため、当該取引に係るリース料(従来は営業活動によるキャッシュ・フローに計上)のうち、利息の支払に関する支出を「利息の支払額(営業活動によるキャッシュ・フロー)」、負債元本の返済に関する支出を「リース負債の返済による支出(財務活動によるキャッシュ・フロー)」に計上しています。
(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー
前期にSBGJにおいて発生したソフトバンク㈱株式売却益などに対する法人税321,290百万円およびSBGJが行ったソフトバンクグループ㈱への配当に対する源泉所得税422,648百万円を当第1四半期に納付したことにより、法人所得税等の支払額が前年同期から839,401百万円増加しました。なお、当該源泉所得税は2019年7月に還付されています。
(b) 投資活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
(c) 財務活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
(注)借入れによる収入および借入金の返済による支出には、契約上の借入期間が1年以内の借入金に係る収入が1,131,148百万円、支出が△386,734百万円、それぞれ含まれています。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期における研究開発費は35,700百万円です。
(1)財政状態及び経営成績の状況
1. 業績ハイライト ◆ 営業利益6,888億円(前年同期比3.7%減) - ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益が3,976億円 OYOおよびその関係会社、Slack、Doordash1などの投資先の公正価値増加に伴う未実現評価益4,085億円が貢献 - アーム事業において、主に前年同期の中国子会社の合弁事業化に伴う一時益計上影響により、1,568億円減益 ◆ 親会社所有者に帰属する純利益1兆1,217億円(前年同期比257.6%増) - アリババ株式先渡売買契約決済益1兆2,185億円;繰延税金資産取崩しによる法人所得税への 影響額△3,618億円*を加味した利益影響額は8,568億円 - 財務費用△1,538億円* - ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家持分の増減額 △1,845億円*:投資利益拡大に伴い増加 (*△:費用の当第1四半期計上額) 2. 事業ハイライト ◆ ソフトバンク・ビジョン・ファンド - ソフトバンク・ビジョン・ファンド、81銘柄を保有(当第1四半期末現在)。当第1四半期にUber、Slackの2社が上場。WeWork、CloudMindsが上場申請関連書類提出済み - 当第1四半期経過後の2019年7月「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2」発表 ◆ スプリントとTモバイルの合併について、当第1四半期経過後の2019年7月に米国司法省(DOJ)から条件付き承認を取得。合併の完了に向けさらに前進 ◆ ソフトバンク㈱がヤフー㈱を子会社化 |
為替換算レート
期中平均レート
2019年3月期 | 2020年3月期 | ||||
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第1四半期 | |
1米ドル | 108.71円 | 111.55円 | 112.83円 | 110.46円 | 110.00円 |
期末日レート
2019年 3月31日 | 2019年 6月30日 | ||||
1米ドル | 110.99円 | 107.79円 | |||
1英ポンド | 144.98円 | 136.57円 |
IFRS第16号の適用について
当第1四半期からIFRS第16号「リース」を適用しています。IFRS第16号の適用に当たっては、本基準の適用開始による累積的影響額を適用開始日(2019年4月1日)の利益剰余金期首残高の修正として認識しており、前期の情報は修正再表示していません。また、無形資産のリース取引に対してはIFRS第16号を適用していません。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」をご参照ください。
IFRS第16号適用による主な影響:連結財政状態計算書
適用開始日に、資産合計が1,336,695百万円、負債合計が1,324,055百万円、資本合計が12,640百万円、それぞれ増加しました。主に、従来賃借処理していたオペレーティング・リースを使用権資産とリース負債として計上したことによるものです。
連結損益計算書
適用開始日に使用権資産とリース負債として計上したオペレーティング・リースに係る費用については、従来の賃借料ではなく、減価償却費と支払利息として計上しています。
a. 経営成績の概況
(単位:百万円) | ||||||
6月30日に終了した3カ月間 | ||||||
2018年 | 2019年 | 増減 | 増減率 | |||
売上高 | 2,272,783 | 2,336,397 | 63,614 | 2.8% | A | |
営業利益(ソフトバンク・ビジョン・ ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益を除く) | 475,049 | 291,186 | △183,863 | △38.7% | B | |
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益 | 239,944 | 397,630 | 157,686 | 65.7% | C | |
営業利益 | 714,993 | 688,816 | △26,177 | △3.7% | ||
財務費用 | △148,467 | △153,846 | △5,379 | 3.6% | D | |
持分法による投資損益 | 37,705 | 90,115 | 52,410 | 139.0% | E | |
為替差損益 | 12,925 | △6,506 | △19,431 | ― | ||
デリバティブ関連損益 | △54,080 | △7,672 | 46,408 | ― | F | |
アリババ株式先渡売買契約決済益 | ― | 1,218,527 | 1,218,527 | ― | G | |
FVTPLの金融商品から生じる損益(注1) | 94,542 | 27,496 | △67,046 | △70.9% | ||
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家持分の増減額(注2) | △72,889 | △184,488 | △111,599 | 153.1% | ||
その他の営業外損益 | △12,425 | 9,902 | 22,327 | ― | ||
税引前利益 | 572,304 | 1,682,344 | 1,110,040 | 194.0% | ||
法人所得税 | △244,184 | △504,865 | △260,681 | 106.8% | H | |
純利益 | 328,120 | 1,177,479 | 849,359 | 258.9% | ||
親会社の所有者に帰属する純利益 | 313,687 | 1,121,719 | 808,032 | 257.6% | ||
包括利益合計 | 311,528 | 747,172 | 435,644 | 139.8% | ||
親会社の所有者に帰属する包括利益 | 279,616 | 706,799 | 427,183 | 152.8% |
(注1)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド以外で当社が保有する投資の公正価値の変動により発生する損益です。
(注2)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドの投資損益から当社英国100%子会社で両ファンドの運営を行うSBIAに支払われる管理報酬および成功報酬、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドの営業費用ならびにその他の費用を控除した金額を、持分に応じて外部投資家に分配した固定分配額および成果分配額の合計です。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記 6.ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業(2)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家持分」をご参照ください。
以下、主要な科目ならびに増減率および増減の理由の分析について特筆すべき科目に関する概要を記載します。
A 売上高
ソフトバンク事業、スプリント事業、アーム事業がいずれも増収となりました。
B 営業利益(ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益を除く)
ソフトバンク事業で16,479百万円、ブライトスター事業で4,097百万円、それぞれのセグメント利益が改善したものの、スプリント事業で34,735百万円、アーム事業で156,763百万円、その他で14,298百万円、セグメント利益が悪化しました。なお、アーム事業の前年同期のセグメント利益には中国子会社の合弁事業化に伴い子会社の支配喪失に伴う利益161,347百万円が含まれていました。
C ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益
Oravel Stays Private Limited(以下「OYO」)およびその関係会社、Slack Technologies, Inc.(以下「Slack」)やDoordash, Inc.(以下「Doordash」)1などへの投資の公正価値の増加により未実現評価益408,514百万円を計上しました。詳細は「b. セグメントの業績概況(a)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業」をご参照ください。
B~Cの結果、営業利益は前年同期比26,177百万円(3.7%)減の688,816百万円となりました。
D 財務費用
スプリントの支払利息が主にIFRS第16号適用の影響で11,004百万円増加しました。このほか、ソフトバンク㈱の支払利息が8,094百万円増加した一方、ソフトバンクグループ㈱の支払利息2が9,786百万円減少しました。これは主に、ソフトバンク㈱の株式上場実現に向けた準備の一環として、2018年8月にソフトバンク㈱が1兆6,000億円の借入を行い、全額をソフトバンクグループ㈱からの借入金の返済に充当するとともに、ソフトバンクグループ㈱はその全額を借入金の返済に充当したことによるものです。
E 持分法による投資損益
当第1四半期の持分法による投資損益のうち、アリババの持分法投資利益は56,365百万円(172.1%)増の89,114百万円となりました。主にFVTPLの金融商品について、公正価値の上昇額を利益として計上したことによるものです。
F デリバティブ関連損益
前年同期には、アリババ株式の先渡売買契約に含まれるカラー取引に関するデリバティブ関連損失21,371百万円が計上されていました。
G アリババ株式先渡売買契約決済益
アリババ株式の一部資金化による資金調達の一環として、当社100%子会社であるWest Raptor Holdings, LLC(以下「WRH LLC」)が2016年6月にMandatory Exchangeable Trust(以下「Trust」)との間で締結したアリババ株式売却に係る先渡売買契約について、2019年6月、WRH LLCがアリババの米国預託株式73百万株をTrustへ譲渡し、本契約を決済しました。これに伴い、アリババ株式先渡売買契約決済益を計上しました。
主にB~Gの結果、税引前利益は前年同期比1,110,040百万円(194.0%)増の1,682,344百万円となりました。
H 法人所得税
WRH LLCが2019年6月にアリババ株式の先渡売買契約を決済したことに伴い、繰延税金資産361,752百万円を取り崩しました。この繰延税金資産は、当該アリババ株式の税務上の簿価と連結簿価との一時差異に対する繰延税金資産と、当該アリババ株式の先渡売買契約に含まれるカラー取引に関するデリバティブ負債に対して前期末に計上していた繰延税金資産の合計です。
主にB~Hの結果、親会社の所有者に帰属する純利益は前年同期比808,032百万円(257.6%)増の1,121,719百万円となりました。
ソフトバンク㈱を割当先とするヤフー㈱の第三者割当増資およびヤフー㈱による自己株式公開買付けについて ヤフー㈱は、2019年6月27日、ソフトバンク㈱を割当先として第三者割当により新株式1,511,478,050株を4,565億円で発行しました。また、ヤフー㈱は、2019年5月9日から6月5日にかけて自己株式の公開買付けを行い、ソフトバンクグループ㈱は、本公開買付けへの応募により、100%子会社であるソフトバンクグループジャパン㈱(以下「SBGJ」)が所有していたヤフー㈱普通株式1,792,819,200株(5,145億円相当)を2019年6月27日に同社へ売却しました。 本第三者割当増資と本公開買付け(以下、総称して「本取引」)の結果、当社におけるヤフー㈱株式の所有割合は、前期末時点の48.16%(注1)(ソフトバンク㈱が所有する12.08%を含む間接所有)から、45.52%(注2)(ソフトバンク㈱が所有する44.64%を含む間接所有)となりました。本取引とあわせて、ソフトバンク㈱が、ヤフー㈱に役員派遣を行うことで同社を実質的に支配していると判断されることから、ヤフー㈱はソフトバンク㈱の子会社となりました。また、当社連結決算上においては、ヤフー㈱は引き続き当社の子会社です。なお、当社のヤフー㈱に対する経済的持分は、非支配持分の増加に伴い44.11%から30.55%に低下しました。 (注1)ヤフー㈱の2019年3月31日現在の同社発行済株式数(5,151,629,615株)から同日現在の自己株式数(67,879,000株)を控除し た株式数(5,083,750,615株)に対する割合(小数点以下第3位を四捨五入)。以下、2019年3月31日現在のヤフー㈱株式の 所有割合の記載において同じ。 (注2)ヤフー㈱の2019年6月30日現在の同社発行済株式総数(6,663,148,165株)から同日現在の自己株式数(1,902,273,100株)を控除した株式数(4,760,875,065株)に対する割合(小数点以下第3位を四捨五入)。以下、本取引後のヤフー㈱株式の所有割合の記載において同じ。 ![]() |
b. セグメントの業績概況
当社の報告セグメントは、当社の経営資源の配分の決定や業績の評価を行うための区分を基礎としています。当第1四半期において、ソフトバンク㈱がヤフー㈱を子会社化したことに伴ってセグメント管理区分を見直し、「ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業」、「ソフトバンク事業」、「スプリント事業」、「アーム事業」、および「ブライトスター事業」の5つを報告セグメントとしています。
報告セグメントの概要は以下の通りです。
セグメント名称 | 主な事業の内容 | 主な会社 | |
報告セグメント | |||
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよび デルタ・ファンド事業 | ・ソフトバンク・ビジョン・ファンドによる投資事業 ・デルタ・ファンドによる投資事業 | SoftBank Vision Fund L.P. SB Delta Fund (Jersey) L.P. | |
ソフトバンク事業 | ・日本国内での移動通信サービスの提供、携帯端末の販売、ブロードバンドなど固定通信サービスの提供 ・インターネット広告やイーコマースサービスの提供 | ソフトバンク㈱ ヤフー㈱ | |
スプリント事業 | ・米国での移動通信サービスの提供、携帯端末の販売やリース、アクセサリーの販売、固定通信サービスの提供 | Sprint Corporation | |
アーム事業 | ・マイクロプロセッサーのIPおよび関連テクノロジーのデザイン ・ソフトウエアツールの販売、ソフトウエアサービスの提供 | Arm Limited | |
ブライトスター事業 | ・海外での携帯端末の流通事業 | Brightstar Corp. | |
その他 | ・オルタナティブ投資の資産運用事業 | Fortress Investment Group LLC | |
・福岡ソフトバンクホークス関連事業 ・スマートフォン決済事業 | 福岡ソフトバンクホークス㈱ PayPay㈱ |
(注)報告セグメントの利益は、以下のように算出されます。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業:
セグメント利益=ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの投資損益-営業費用
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業以外:
セグメント利益=各セグメントの(売上高-営業費用(売上原価+販売費及び一般管理費)±その他の営業損益)
(a) ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業
1. セグメント利益3,976億円 ◆ 投資の未実現評価益4,085億円:OYOおよびその関係会社、Slack、Doordash1などの投資先の公正価値が上昇 2. ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資進捗 ◆ 当第1四半期末現在、81銘柄を保有(エグジットした銘柄を除く):投資額663億米ドルに対し、公正価値合計822億米ドル3 ◆ 投資先のうち、当第1四半期にUber、Slackの2社が上場。WeWork、CloudMindsの2社が上場申請関連書類 提出済み 3. 当第1四半期経過後の2019年7月「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2」発表 |
(単位:百万円)
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2018年 | 2019年 | 増減 | 増減率 | |
ソフトバンク・ビジョン・ファンド およびデルタ・ファンドからの投資損益 | 247,211 | 414,419 | 167,208 | 67.6% |
営業費用 | △7,267 | △16,789 | △9,522 | 131.0% |
セグメント利益 | 239,944 | 397,630 | 157,686 | 65.7% |
<事業概要>ソフトバンク・ビジョン・ファンドは2017年に活動を開始しました。同ファンドは、「ユニコーン(企業価値が10億米ドル以上と推定される非公開企業)」を中心に、AIを活用した成長可能性の大きな企業に対し大規模な投資を行い、中長期的視点から投資成果を最大化することを目指しています。
同ファンドは金融行為規制機構(The Financial Conduct Authority)に登録された当社の英国100%子会社SBIAが運営しています。当事業には、ソフトバンク・ビジョン・ファンドのほか、同じくSBIAが運営するデルタ・ファンドの投資および事業活動の結果が含まれています。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける分配の性質、およびSBIAが受領する管理報酬および投資の成果に応じて受領する成果報酬の性質の詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記 6.ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業(2)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家持分、および(3)SBIAの管理報酬および成功報酬」をご参照ください。
当事業におけるファンドの概要
2019年6月30日現在
ソフトバンク・ビジョン・ファンド | デルタ・ファンド | |
主なリミテッド・ パートナーシップ | SoftBank Vision Fund L.P. | SB Delta Fund (Jersey) L.P. |
出資コミットメント 総額 | 970億米ドル(注1) | 60億米ドル(注1) |
当社:331億米ドル(注2) | 当社:44億米ドル | |
外部投資家:639億米ドル(注1) | 外部投資家:16億米ドル(注1) | |
ジェネラル・ パートナー | SVF GP (Jersey) Limited (当社海外100%子会社) | SB Delta Fund GP (Jersey) Limited (当社海外100%子会社) |
投資期間 | 2022年11月20日まで(原則) | 2022年11月20日まで(原則) |
存続期間 | 2029年11月20日まで(原則) | 2029年9月27日まで(原則) |
(注1)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家の出資コミットメントは、両ファンドの合計額で定められているため、それぞれのファンドの出資コミットメント総額およびコミットメント残額は、もう一方のファンドにおける外部投資家の支払義務の履行状況により変動します。
(注2)ソフトバンク・ビジョン・ファンドへの当社の出資コミットメントは、Arm Limited株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(前期末までに全該当株式を拠出済み)のほか、ソフトバンク・ビジョン・ファンドに関連するインセンティブ・スキームへ活用される予定の50億米ドルを含みます。
<業績全般>(単位:百万円)
6月30日に終了した3カ月間 | |||||
2018年 | 2019年 | 増減 | 増減率 | ||
ソフトバンク・ビジョン・ファンド およびデルタ・ファンドからの投資損益 | 247,211 | 414,419 | 167,208 | 67.6% | |
投資の未実現評価損益 | 245,802 | 408,514 | 162,712 | 66.2% | |
投資先からの利息配当収益 | 1,409 | 5,905 | 4,496 | 318.9% | |
営業費用 | △7,267 | △16,789 | △9,522 | 131.0% | |
セグメント利益 | 239,944 | 397,630 | 157,686 | 65.7% | |
財務費用(支払利息) | △5,031 | △1,668 | 3,363 | △66.8% | |
為替差損益 | △40 | 232 | 272 | ― | |
デリバティブ関連損益 | 1,197 | ― | △1,197 | ― | |
外部投資家持分の増減額 | △72,889 | △184,488 | △111,599 | 153.1% | |
その他の営業外損益 | △276 | 591 | 867 | ― | |
税引前利益 | 162,905 | 212,297 | 49,392 | 30.3% |
セグメント利益
セグメント利益は397,630百万円(前年同期は239,944百万円)となりました。主に、投資の未実現評価益408,514百万円を計上したことによるものです。このうち、OYOおよびその関係会社やSlack、Doordash1などへの投資の公正価値増加により、投資の未実現評価益は合計603,840百万円となり、一方、Uber1などへの投資の公正価値減少により投資の未実現評価損は合計195,326百万円となりました。
投資先の公正価値は、公開会社の場合は、取引相場価格を用いて測定しています。未公開会社の場合は、直近の第三者間取引、あるいはマーケット・アプローチやコスト・アプローチまたはインカム・アプローチを用いて公正価値を測定しています。
資金の状況
2019年6月30日現在
(単位:十億米ドル)
合計 | 当社 | 外部投資家 | |||
出資コミットメント (A) | |||||
ソフトバンク・ビジョン・ファンド | 97.0 | 33.1 | (注1) | 63.9 | |
デルタ・ファンド | 6.0 | 4.4 | 1.6 | ||
リミテッド・パートナーによる支払義務履行額合計4 (B) | |||||
ソフトバンク・ビジョン・ファンド | 56.2 | 19.6 | 36.6 | ||
デルタ・ファンド | 5.2 | 3.8 | 5 | 1.4 | |
(B)のうち投資終了に伴うリミテッド・パートナーへの返還額6 | |||||
ソフトバンク・ビジョン・ファンド | △2.5 | △0.9 | △1.6 | ||
コミットメント残額 (C)=(A)-(B) | |||||
ソフトバンク・ビジョン・ファンド | 40.8 | 13.5 | 27.3 | ||
デルタ・ファンド7 | 0.8 | 0.6 | 0.2 |
(注)デルタ・ファンドは、保有していたXiaoju Kuaizhi Inc.(以下「DiDi」)への投資を、前期第4四半期(2019年3月31日に終了した3カ月間)にソフトバンク・ビジョン・ファンドに売却しました。当該売却は約束手形で行われ、同手形は当第2四半期(2019年9月30日に終了する3カ月間)に決済される見込みであるため、この取引は当第1四半期末現在、上記の資金の状況に反映されていません。
(注1)ソフトバンク・ビジョン・ファンドへの当社の出資コミットメントは、Arm Limited株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(前期末までに全該当株式を拠出済み)のほか、ソフトバンク・ビジョン・ファンドに関連するインセンティブ・スキームへ活用される予定の50億米ドルを含みます。
投資の状況
2019年6月30日現在;売却した投資を除く
(単位:十億米ドル)
セクター | 銘柄数 | 取得価額 | 公正価値 | 増減 |
Consumer | 15 | 10.1 | 14.8 | 4.7 |
Enterprise | 8 | 2.2 | 3.6 | 1.4 |
Fintech | 9 | 3.7 | 4.2 | 0.5 |
Frontier Tech | 9 | 10.5 | 11.2 | 0.7 |
Health Tech | 9 | 2.8 | 4.7 | 1.9 |
Real Estate & Construction | 10 | 8.2 | 10.2 | 2.0 |
Transportation & Logistics | 21 | 28.8 | 33.5 | 4.7 |
合計 | 81 | 66.3 | 82.2 | 15.9 |
(注)ソフトバンク・ビジョン・ファンドの子会社である投資持株会社には、ソフトバンク・ビジョン・ファンド以外の他の株主が存在する場合があり、当該投資持株会社から行われる投資全てをソフトバンク・ビジョン・ファンドによる投資としています。当第1四半期末現在、当社100%子会社がこうした他の株主に該当します。なお、当第1四半期において、当該投資持株会社を通じて行われていた投資について、当該100%子会社の持分全てがソフトバンク・ビジョン・ファンドへ売却されたまたは売却が決定しました。上記の取得価額および公正価値には、売却が決定した持分の取得価額277百万米ドルおよび公正価値370百万米ドルが含まれています。
当第1四半期における新規投資
当第1四半期において、ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、合計62億米ドルの投資を行いました(既存投資先への追加投資を含みます)。
このほか、当社が保有していた投資のうち、ANI Technologies Private Limited(Ola)への投資およびWeWork Companies Inc.(以下「WeWork」)関係会社1社への投資をソフトバンク・ビジョン・ファンドに売却することが決定しています。これらの投資の当社の取得額は合計696百万米ドル、ソフトバンク・ビジョン・ファンドへの売却額は合計950百万米ドルです。
<当社からの売却により取得する投資について>ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資の中には、同ファンドが直接取得するもののほか、その投資対象に合致する場合に限り、当社からの売却により取得するものがあります。当社から売却されうる投資は、①当社でソフトバンク・ビジョン・ファンドへの紹介を前提として取得し、かつ、その取得時点でソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資対象に合致していた投資(以下「ブリッジ投資」)のほか、②それ以外の投資(例えば、当社による取得時点ではソフトバンク・ビジョン・ファンドへの紹介を前提としていない、または紹介を前提として取得したものの、その取得時点でソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資対象に合致していなかったため、ソフトバンク・ビジョン・ファンドへの売却には新たにリミテッド・パートナーによる合意が必要な投資を含みます。)があります。 このような投資について、当社は、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資委員会などによる合意(および必要に応じてリミテッド・パートナーからの合意)や関係規制当局の承認が得られた時点で、移管が決定されたと認識します。売却は、当社が移管の提案を機関決定した時点の公正価値を基礎とした価格で行われ、当該価格がファンドにとっての取得額となります。また、連結財務諸表上の表示においては、当該投資は、当社による移管決定の認識を起因として、ソフトバンク・ビジョン・ファンドによる投資として表示されます。 なお、期中で移管された投資について、期首帳簿価額(または当期中の取得価額)とソフトバンク・ビジョン・ファンドへの売却額との差額は連結損益計算書上の営業外利益に計上される一方、売却額(ソフトバンク・ビジョン・ファンドにとっての取得額)からの公正価値の変動はソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業のセグメント利益として計上されます。当該移管はグループ内取引のため、当社連結財務諸表上、相殺・消去されています。 |
デルタ・ファンドの投資の状況
DiDiへの投資の全てをソフトバンク・ビジョン・ファンドに売却したことにより、当第1四半期末現在、デルタ・ファンドが保有する投資はありません。
(b) ソフトバンク事業(旧ヤフー事業含む)
1.通信サービスの顧客基盤が順調に拡大し、増収増益を達成 2.2019年6月、ソフトバンク㈱がヤフー㈱を子会社化 |
(単位:百万円) | ||||
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2018年 | 2019年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 1,096,204 | 1,164,586 | 68,382 | 6.2% |
セグメント利益 | 260,170 | 276,649 | 16,479 | 6.3% |
(注)ソフトバンク㈱によるヤフー㈱の子会社化に伴い、2018年4月1日より、ヤフー㈱の業績をソフトバンク事業の一部として遡及して表示しています。
<業績全般>コンシューマ向けサービスを中心とする通信事業が牽引し増収増益を達成しました。「SoftBank」、「Y!mobile」、「LINEモバイル」の3ブランドを擁するスマートフォンの累計契約数が前期末比37万件増の2,245万件、光回線サービス「SoftBank 光」の累計契約数が前期末比13万件増の605万件となるなど顧客基盤が順調に拡大した結果、最大の収益源であるコンシューマ向けサービスの通信サービス売上が伸長し増収となりました。この通信サービス売上を中心とした増収が利益に結び付いた結果、セグメント利益は増益となりました。
なお、「ソフトバンク㈱を割当先とするヤフー㈱の第三者割当増資およびヤフー㈱による自己株式公開買付けについて」に記載の通り、2019年6月27日付でヤフー㈱はソフトバンク㈱の子会社となりました。これに伴い、2018年4月1日より、ヤフー㈱の業績をソフトバンク事業の一部として遡及して表示しています。同事業におけるヤフー㈱の営業利益は前年同期比4.1%減少しました。主に、スマートフォンアプリやコマースに係る販売促進費や、データドリブン化に向けた積極的な設備投資により減価償却費が増加したことによるものです。
(c) スプリント事業
1.Tモバイルとの合併について、当第1四半期経過後の2019年7月に米国司法省からの条件付き承認を取得 合併の完了に向けさらに前進 2.セグメント利益は、主に一時的な損失の影響で減益 |
(単位:百万円) | ||||
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2018年 | 2019年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 883,242 | 895,643 | 12,401 | 1.4% |
セグメント利益 | 98,108 | 63,373 | △34,735 | △35.4% |
米ドルベースの業績(IFRS) | (単位:百万米ドル) | |||
売上高 | 8,125 | 8,142 | 17 | 0.2% |
セグメント利益 | 902 | 576 | △326 | △36.1% |
<業績全般(米ドルベース)>売上高は前年同期からほぼ横ばい、セグメント利益は減益となりました。減益となったのは、主に、その他の営業損益が悪化したことによるものです。スプリントが保有していた本社(建物および土地など)について、セール・アンド・リースバック取引を当第1四半期に契約締結した(実行は2019年7月)ことに伴い、対象資産の帳簿価額と取引コストを控除した公正価値との差額を売却目的保有に分類された資産に対する減損損失として計上しました。
スプリントのTモバイルとの合併について |
2018年4月29日にスプリントとT-Mobile US, Inc.(以下「Tモバイル」)が合意した、スプリントとTモバイルの全ての対価を株式とする合併による取引(以下「本取引」)に関して、2019年7月26日(米国東部時間)、米国司法省(DOJ)は、同省が提出した、スプリントのプリペイド式ワイヤレス事業および800MHzの無線周波数帯の売却を含む同意判決案の内容に服することを条件として、承認する旨の表明をしました。 本取引の完了は、引き続き米国連邦通信委員会(FCC)を含む他の規制当局の承認やその他の前提条件の充足が必要です。なお、本四半期報告書提出日現在において、本取引のクロージングの時期は未定です。連邦規制当局からの最終的な承認は2019年9月までに得られ、本取引のクロージングに必要なすべての規制当局の承認は2019年下半期に得られるものと当社は見込んでいます。 当社連結業績への影響 本取引の連邦規制当局からの承認取得および完了に伴う当社連結業績への影響は以下の通りです。 ![]() |
① 米国連邦通信委員会および米国司法省の本取引に対する承認による影響 米国連邦通信委員会および米国司法省の承認が確認された日に、当社の連結損益計算書において、スプリントの純損益は、継続事業と区分して非継続事業の「非継続事業からの純損益」として表示されることとなります。2019年3月期における同社の純損益についても、遡及修正が行われ、非継続事業の「非継続事業からの純損益」として表示されます。 スプリントの資産及び負債は、当社の連結財政状態計算書において、売却目的保有に分類された資産および負債として表示されます。 ② 本取引の完了による影響 本取引完了日において、取得する統合後の会社の株式の公正価値と、本取引時点の当社におけるスプリントの連結簿価との差額を連結範囲の変更に伴う再評価損益として純損益に計上する予定です。 ③ 本取引の完了後 本取引の完了日以降、スプリントは当社の子会社ではなくなり、統合後の会社は当社が株式の約27.4%(完全希薄化ベース)を保有する持分法適用関連会社となる見込みです。 |
(d) アーム事業
1.売上高は前年同期比10.6%増、セグメント利益は同1,568億円減 ◆ ライセンス収入が前年同期比47.1%増(米ドルベース):前年同期は中国事業の合弁化に伴い ライセンス収入が低調 ◆ ロイヤルティー収入が前年同期比8.0%減(米ドルベース):半導体業界全体の景況悪化が継続 ◆ セグメント利益は、前年同期に中国事業の合弁化に伴い1,613億円の一時益を計上した影響により減益 2.中長期的な成長に向けた研究開発強化を着実に遂行 ◆ 次世代スマートフォン向け新プロセッサーを発表 ◆ Marvell Technology Group Ltd.との戦略的パートナーシップを発表。アームベースサーバーのテクノロジーを共同投資により開発 |
(単位:百万円)
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2018年 | 2019年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 41,534 | 45,931 | 4,397 | 10.6% |
セグメント利益 | 145,192 | △11,571 | △156,763 | ― |
(注)セグメント利益には、アーム買収時に行った取得原価配分により計上した無形資産の償却費が、当第1四半期は12,868百万円、前年同期は13,578百万円含まれています。
<事業概要>アームは主に、低消費電力型マイクロプロセッサーおよび関連テクノロジーのデザインなど、半導体のIP(回路の設計情報などの知的財産)のライセンス事業を行っています。当社による買収後、アームは、技術関連人員を増強し、研究開発への投資を加速しています。技術力の強化により、既存市場でのシェア維持・獲得および新規市場の開拓に向けた新技術開発を図っています。
重点投資分野と主な進捗:
モバイルコンピューティング | ||
オポチュニティー | : | モバイル端末用メインチップのシェアは既に95%超え。 ロイヤルティー単価が長年にわたり上昇傾向 |
当第1四半期 | : | AIや5Gなどの新技術への対応を強化した次世代スマートフォン向けプロセッサーを発表(2020年に上市予定) |
インフラ | ||
オポチュニティー | : | ネットワークインフラ市場シェアが拡大中。 データセンター用サーバー市場シェアも確立途上 |
当第1四半期 | : | クラウド分野におけるアームベースサーバーの導入に要する技術開発加速に向け、Marvell Technology Group Ltd.との戦略的パートナーシップを発表 |
自動車 | ||
オポチュニティー | : | 自動車のスマート化に伴い高度処理能力需要が上昇する中、アームのテクノロジーは省電力性で好位置に付け、多くの自動車向けチップ開発企業とライセンス契約を締結済み |
IoT | ||
オポチュニティー | : | IoTの真価発揮に不可欠な安全性や耐久性を追求し、IoT機器ネットワーク内での安全なデータ管理用テクノロジーを開発 |
当第1四半期 | : | Samsung Electronics Co., Ltd.とIoTチップの新製造プロセスのデモを実施。 |
<業績全般>売上高(米ドルベース)
アームの売上は主に米ドル建てであるため、本項の売上高は米ドルベースの実績を記載しています。
(単位:百万米ドル)
2019年3月31日に終了した1年間 | 2020年3月31日に終了する1年間 | ||||||
第1 四半期 | 第2 四半期 | 第3 四半期 | 第4 四半期 | 第1 四半期 | 前年同期比 | ||
増減 | 増減率 | ||||||
テクノロジー・ ライセンス収入 | 85 | 124 | 125 | 213 | 125 | 40 | 47.1% |
テクノロジー・ ロイヤルティー収入 | 261 | 285 | 305 | 247 | 240 | △21 | △8.0% |
ソフトウエア およびサービス収入 | 35 | 47 | 56 | 53 | 53 | 18 | 51.4% |
売上高合計 | 381 | 456 | 486 | 513 | 418 | 37 | 9.7% |
当第1四半期の売上高は米ドルベースで前年同期から9.7%増加しました。これは前年同期において、中国事業の合弁化に伴い一時的にライセンスの新規契約締結に遅延が生じ、ライセンス収入が低調となったことによるものです。
今後、半導体市場は引き続き弱含みで推移し、また、現在の貿易環境や特定の半導体企業の営業活動への制限などから生じるリスクは残ることが見込まれています。当期のライセンス収入およびロイヤルティー収入、ソフトウエアおよびサービス収入は、これらを背景としたライセンシーによる新規ライセンス契約締結の延期や、OEM(受託製造会社)による在庫水準の厳正化および商品販売数の抑制による悪影響を受ける可能性があります。なお、半導体市場が回復し次第、アームの事業はさらに成長を続けていくと、アームは見込んでいます。
・テクノロジー・ライセンス収入
ライセンス収入は米ドルベースで前年同期から47.1%増加しました。これは主に、前年同期において、中国事業の合弁化に伴いライセンスの新規契約締結に一時的に遅延が生じ、ライセンス収入が低調であったことによるものです。また、前期から引き続き、半導体業界全体が弱含んで推移している影響を受けています。
・テクノロジー・ロイヤルティー収入
ロイヤルティー収入は米ドルベースで前年同期から8.0%減少しました。これは主に、中国を中心とする世界的なスマートフォン需要の鈍化と世界的なチップの出荷減速によるものです。一方、ネットワークや自動車、IoTなどの長期的成長市場におけるシェアの拡大に伴い、同収入は中長期的には成長すると見込んでいます。
・ソフトウエアおよびサービス収入
ソフトウエアおよびサービス収入は米ドルベースで前年同期から51.4%増加しました。前期の第2四半期(2018年9月30日に終了した3カ月間)にTreasure Data, Inc.を買収したことによるものです。
セグメント利益
前年同期においてアーム事業のセグメント利益にはアームの中国子会社が合弁事業化により持分法適用関連会社となったことに伴い計上した子会社の支配喪失に伴う利益161,347百万円が含まれていたことにより、セグメント利益は減益となりました。また、研究開発強化を目的としたエンジニアおよび技術支援スタッフの採用は進んでいますが、英ポンドの為替換算レートが前年同期から円高となったことにより、営業費用(売上原価と販売費及び一般管理費)は前年同期から187百万円減少しました。なおアームの従業員数は前期末から77人(1.3%)増加しています。
アームは、機械学習やIoT、自動運転などの市場に必要なテクノロジー構築のため引き続き研究開発の強化を図っていますが、同時に、ROIの最大化に向けて、収益性を考慮した研究開発プロジェクトの構成や開発拠点の最適化に取り組んでいます。
<営業概況>ライセンス
(単位:件)
当第1四半期 | 当第1四半期末 | |
締結分 | 累計契約数 | |
プロセッサー・ファミリー別内訳 | ||
クラシック(Arm7、Arm9、Arm11) | ― | 452 |
Cortex-A | 7 | 367 |
Cortex-R | 2 | 109 |
Cortex-M | 19 | 556 |
Mali | ― | 187 |
プロセッサー・ライセンス契約数 | 28 | 1,671 |
(注)プロセッサー・ライセンスの累計契約数は、ロイヤルティー収入の発生が見込まれるライセンス契約のみを含みます。当第1四半期において、契約締結から10年以上が経過したライセンスを中心に棚卸を実施し、ロイヤルティー収入の発生が今後見込めないライセンス契約を除外したことなどにより、累計契約数が51契約減少しました。
当第1四半期のプロセッサー・ライセンス契約締結数は、アームの未発表の新テクノロジーに対する2件のライセンスを含め28件となり、アームの最新テクノロジーに対する底堅い需要を反映した結果となりました。当第1四半期に締結されたライセンス契約では、AIアプリケーション、コンシューマー・エレクトロニクス、ネットワーク機器、スマートフォン、仮想現実(VR)ヘッドセットなど、広範囲な最終製品市場でアームのテクノロジーの使用が予定されています。
ロイヤルティー・ユニット8
2018年 | 2019年 | ||||
1~3月期 | 4~6月期 | 7~9月期 | 10~12月期 | 1~3月期 |
ロイヤルティー・ユニット出荷数 (ライセンシーからの報告に基づく実績ベース) |
55億個 | 56億個 | 62億個 | 56億個 | 48億個 | |
成長率(前年同期比) | 17.0% | 9.8% | 8.8% | △3.4% | △12.7% |
スマートフォン需要の減速などにより半導体市場全体が弱含んで推移したため、2019年1~3月期のロイヤルティー・ユニットの出荷数は前年同期比12.7%減の48億個となりました。
(e) ブライトスター事業
(単位:百万円)
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2018年 | 2019年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 253,828 | 233,370 | △20,458 | △8.1% |
セグメント利益 | △5,345 | △1,248 | 4,097 | ― |
(f) その他
(単位:百万円)
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2018年 | 2019年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 53,680 | 42,898 | △10,782 | △20.1% |
セグメント利益 | △7,924 | △22,222 | △14,298 | ― |
日本でスマートフォン決済サービスを手掛けるPayPay㈱が16,219百万円の営業損失を計上しました。主に、ユーザー獲得と利用促進を目的とした大規模なキャンペーンを実施したことや、サービス利用可能店舗の拡大に引き続き積極的に取り組んだことによるものです。
「その他」に含まれるPayPay㈱の業績
(単位:百万円)
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2018年 | 2019年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | ― | 540 | 540 | ― |
営業利益 | △66 | △16,219 | △16,153 | ― |
c. 財政状態の状況
1. アリババ株式先渡売買契約の決済を完了 決済に伴い、前期末に計上した売却目的保有に分類された資産2,242億円、株式先渡契約金融負債7,306億円 およびデリバティブ金融負債7,498億円が減少 2. ソフトバンク・ビジョン・ファンドからの投資の残高は8.1兆円 3. 自己株式5,575万株(消却前の発行済株式総数の5.07%)を消却 |
(単位:百万円) | ||||
2019年 3月31日 | 2019年 6月30日 | 増減 | 増減率 | |
資産合計 | 36,096,476 | 36,586,961 | 490,485 | 1.4% |
負債合計 | 27,087,272 | 27,141,629 | 54,357 | 0.2% |
資本合計 | 9,009,204 | 9,445,332 | 436,128 | 4.8% |
(注)IFRS第16号の適用に伴い、当期首において、資産合計が1,336,695百万円、負債合計が1,324,055百万円、
資本合計が12,640百万円、それぞれ増加しました。
(a) 資産
(単位:百万円)
2019年 3月31日 | 2019年 6月30日 | 増減 | ||
現金及び現金同等物 | 3,858,518 | 2,932,541 | △925,977 | |
営業債権及びその他の債権 | 2,339,977 | 2,284,861 | △55,116 | |
その他の金融資産 | 203,476 | 191,921 | △11,555 | |
棚卸資産 | 365,260 | 318,328 | △46,932 | |
その他の流動資産(注) | 766,556 | 872,762 | 106,206 | |
売却目的保有に分類された資産 | 224,201 | 25,040 | △199,161 | A |
流動資産合計 | 7,757,988 | 6,625,453 | △1,132,535 | |
有形固定資産 | 4,070,704 | 2,873,267 | △1,197,437 | B |
使用権資産 | ― | 2,353,750 | 2,353,750 | C |
のれん | 4,321,467 | 4,152,753 | △168,714 | |
無形資産 | 6,892,195 | 6,661,372 | △230,823 | D |
契約獲得コスト | 384,076 | 385,794 | 1,718 | |
持分法で会計処理されている投資 | 2,641,045 | 2,504,162 | △136,883 | |
FVTPLで会計処理されているソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの投資 | 7,115,629 | 8,081,137 | 965,508 | E |
投資有価証券 | 924,614 | 1,214,948 | 290,334 | F |
その他の金融資産 | 1,185,856 | 1,326,238 | 140,382 | |
繰延税金資産 | 586,943 | 193,336 | △393,607 | G |
その他の非流動資産 | 215,959 | 214,751 | △1,208 | |
非流動資産合計 | 28,338,488 | 29,961,508 | 1,623,020 | |
資産合計 | 36,096,476 | 36,586,961 | 490,485 |
主な科目別の増減理由
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
流動資産 | |
A 売却目的保有に分類 された資産 | ・アリババ株式を活用した株式先渡売買契約を2019年6月に株式で決済した結果、224,201百万円減少しました。 ・スプリントが本社(建物および土地など)の売却に関する契約を締結したことにより、売却対象資産を有形固定資産から振り替えました。 |
非流動資産 | |
B 有形固定資産 | ・スプリントで5G向け設備投資が増加した一方、ソフトバンク㈱で通信設備の規則的な償却が進みました。 ・IFRS第16号の適用に伴い、当期首において、従来ファイナンス・リースに分類され有形固定資産として計上されていたリース資産1,157,008百万円を使用権資産へ振り替えました。これは主にソフトバンク㈱の通信設備に関するリース資産を使用権資産へ振り替えたことによるものです。 |
C 使用権資産 | ・IFRS第16号の適用に伴い、当期首において、新たに使用権資産1,368,144百万円を計上しました。これは主にスプリントおよびソフトバンクが、通信設備や事業用不動産に関する従来のオペレーティング・リースについて、新規に使用権資産を計上したことによるものです。 ・従来有形固定資産として計上されていたリース資産を有形固定資産から振り替えました。 |
D 無形資産 | 米ドルおよび英ポンドの為替換算レートが前期末から円高となったことにより、スプリントのFCCライセンスやアームのテクノロジーが減少しました。 |
E FVTPLで会計処理されているソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの投資 | 当第1四半期に62億米ドルの投資を行ったほか、保有株式の公正価値が増加しました。詳細は「b. セグメントの業績概況(a)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業」をご参照ください。 |
F 投資有価証券 | 当社100%子会社が、WeWorkなどへの投資を行いました。 |
G 繰延税金資産 | アリババ株式を活用した株式先渡売買契約を決済したことに伴い、対応する繰延税金資産を取り崩しました。 |
(注)前期末および当第1四半期末のその他の流動資産には、前期にSBGJが行ったソフトバンクグループ㈱への配当から生じた源泉所得税の還付見込み額422,648百万円が含まれています。なお、当該源泉所得税は2019年7月に還付されています。
(b) 負債
(単位:百万円)
2019年 3月31日 | 2019年 6月30日 | 増減 | ||
有利子負債(注1) | 3,480,960 | 3,277,849 | △203,111 | |
リース負債(注1) | ― | 621,022 | 621,022 | |
銀行業の預金 | 745,943 | 774,891 | 28,948 | |
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよび デルタ・ファンドにおける外部投資家持分(注2) | 29,677 | 147,625 | 117,948 | |
営業債務及びその他の債務 | 1,909,608 | 1,752,907 | △156,701 | |
デリバティブ金融負債 | 767,714 | 27,612 | △740,102 | A |
その他の金融負債 | 10,849 | 11,376 | 527 | |
未払法人所得税 | 534,906 | 77,075 | △457,831 | B |
引当金 | 43,685 | 35,674 | △8,011 | |
その他の流動負債 | 1,158,355 | 689,885 | △468,470 | C |
流動負債合計 | 8,681,697 | 7,415,916 | △1,265,781 | |
有利子負債(注1) | 12,204,146 | 11,877,719 | △326,427 | |
リース負債(注1) | ― | 1,552,972 | 1,552,972 | |
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよび デルタ・ファンドにおける外部投資家持分(注2) | 4,107,288 | 4,322,539 | 215,251 | |
デリバティブ金融負債 | 130,545 | 136,144 | 5,599 | |
その他の金融負債 | 57,115 | 65,474 | 8,359 | |
確定給付負債 | 99,351 | 95,840 | △3,511 | |
引当金 | 157,478 | 155,126 | △2,352 | |
繰延税金負債 | 1,391,072 | 1,364,942 | △26,130 | |
その他の非流動負債 | 258,580 | 154,957 | △103,623 | |
非流動負債合計 | 18,405,575 | 19,725,713 | 1,320,138 | |
負債合計 | 27,087,272 | 27,141,629 | 54,357 |
(注1)IFRS第16号の適用に伴い、当期首において、従来賃借処理されていたオペレーティング・リースについてリース負債1,449,326百万円を新たに計上しました。また、従来有利子負債に含めていたファイナンス・リースに係るリース債務892,472百万円をリース負債に振り替えました。
(注2)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家持分の詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記6.ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業(2)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家持分」をご参照ください。
主な科目別の増減理由
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
流動負債 | |
A デリバティブ金融負債 | アリババ株式を活用した株式先渡売買契約の決済の完了に伴い、当該契約に含まれていたカラー取引に関するデリバティブが金融負債749,846百万円減少しました。 |
B 未払法人所得税 | SBGJが、前期に生じたソフトバンク㈱株式売却益に対する法人税321,290百万円を納付しました。 |
C その他の流動負債 | 前期にSBGJが行ったソフトバンクグループ㈱への配当から生じた源泉所得税422,648百万円を納付しました。 |
(別掲) 有利子負債およびリース負債(流動負債および非流動負債の合計)
(単位:百万円)
2019年 3月31日 | 2019年 6月30日 | 増減 | ||||
ソフトバンクグループ㈱2 | 6,714,950 | 7,350,018 | 635,068 | |||
借入金 | 1,896,561 | 2,307,886 | 411,325 | |||
社債 | 4,776,389 | 4,943,132 | 166,743 | |||
その他 | 42,000 | 99,000 | 57,000 | |||
ソフトバンク㈱ | 3,186,618 | 4,019,274 | 832,656 | |||
借入金 | 2,392,843 | 2,931,199 | 538,356 | |||
リース債務 | 786,174 | ― | △786,174 | |||
リース負債 | ― | 1,082,886 | 1,082,886 | |||
その他 | 7,601 | 5,189 | △2,412 | |||
ヤフー㈱ | 130,099 | 226,798 | 96,699 | |||
借入金 | ― | 70,000 | 70,000 | |||
社債 | 130,000 | 130,000 | ― | |||
リース債務 | 99 | ― | △99 | |||
リース負債 | ― | 26,798 | 26,798 | |||
スプリント | 4,428,378 | 4,897,111 | 468,733 | |||
借入金 | 1,730,203 | 1,668,153 | △62,050 | |||
社債 | 2,674,649 | 2,410,659 | △263,990 | |||
リース債務 | 14,991 | ― | △14,991 | |||
リース負債 | ― | 810,347 | 810,347 | |||
その他 | 8,535 | 7,952 | △583 | |||
ソフトバンク・ビジョン・ファンド | 36,571 | 127,410 | 90,839 | |||
借入金 | 36,571 | 127,410 | 90,839 | |||
その他 | 1,188,490 | 708,951 | △479,539 | |||
株式先渡契約金融負債 | 730,601 | ― | △730,601 | |||
その他の有利子負債 | 457,889 | 454,988 | △2,901 | |||
リース負債 | ― | 253,963 | 253,963 | |||
合計 | 15,685,106 | 17,329,562 | 1,644,456 |
ソフトバンクグループ㈱2
・税金などの一時的な費用への充当を目的とした借入れに伴い、短期借入金が425,816百万円増加しました。
・2019年6月および9月に満期を迎える社債のリファイナンスの一環として、国内普通社債5,000億円を発行し、3,000億円を償還しました。
ソフトバンク㈱
・ヤフー㈱株式の取得および同株式取得に伴い減少した運転資金を補うために行った借入れにより、借入金が増加しました。
・IFRS第16号適用による影響(期首時点)
―従来賃借処理されていたオペレーティング・リースについて、リース負債384,103百万円を新たに計上しまし
た。
―従来有利子負債に含めていたファイナンス・リースについて、786,174百万円をリース負債へ振り替えました。
・従来リース債務としていた通信設備に関連するソフトウエアのリース取引に係る負債について、当社は無形資産のリース取引にIFRS第16号を適用しないことから、当該負債をIFRS第9号に基づく金融負債として借入金に含めて計上し、前期末の残高について修正再表示を行っています。当第1四半期末の借入金には、当該取引にかかる借入金が266,238百万円(前期末には277,157百万円)含まれています。
スプリント
・社債17億米ドルを満期償還したほか、債権流動化による借入れを返済しました。
・IFRS第16号適用による影響(期首時点)
―従来賃借処理されていたオペレーティング・リースについて、リース負債868,200百万円を新たに計上しまし
た。
―従来有利子負債に含めていたファイナンス・リースについて、14,991百万円をリース負債へ振り替えました。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド
ソフトバンク・ビジョン・ファンドが、投資の資本効率向上などを目的とする借入れを行いました。
その他
アリババ株式の先渡売買契約の決済を完了したことにより、株式先渡契約金融負債が減少しました。
(c) 資本
(単位:百万円)
2019年 3月31日 | 2019年 6月30日 | 増減 | ||
資本金 | 238,772 | 238,772 | ― | |
資本剰余金 | 1,467,762 | 1,547,264 | 79,502 | A |
その他の資本性金融商品 | 496,876 | 496,876 | ― | |
利益剰余金 | 5,571,285 | 6,127,093 | 555,808 | B |
自己株式 | △443,482 | △95,796 | 347,686 | C |
その他の包括利益累計額 | 290,268 | △126,646 | △416,914 | D |
親会社の所有者に帰属する持分合計 | 7,621,481 | 8,187,563 | 566,082 | |
非支配持分 | 1,387,723 | 1,257,769 | △129,954 | |
資本合計 | 9,009,204 | 9,445,332 | 436,128 |
主な科目別の増減理由
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
A 資本剰余金 | 主に当社のヤフー㈱に対する経済的持分比率が減少したことに伴い、増加しました。 |
B 利益剰余金 | 親会社の所有者に帰属する純利益1,121,719百万円を計上した一方、2019年6月に自己株式55,753,200株(消却前の発行済株式総数に対する割合5.07%)を消却したことに伴い、558,136百万円(注1)を減額しました。なお、IFRS第16号適用に伴う累積的影響額13,997百万円を利益剰余金の増加として2019年4月1日に計上しています。 |
C 自己株式 | ・取得総額6,000億円を上限とする自己株式取得に関する2019年2月6日の取締役会決議に基づき、前期に3,841億円で3,671万株を、当第1四半期に2,159億円で1,904万株を取得しました。 ・2019年6月に自己株式の消却を実施しました。 |
D その他の包括利益累計額 | 海外を拠点とする子会社・関連会社を円換算する際に生じる在外営業活動体の為替換算差額が、主要な通貨の為替換算レートが円高となったことにより、438,939百万円減少しました。 |
(注1)消却された株式数は、2019年2月6日の取締役会決議に基づく自己株式の取得(以下「本自己株式取得」)により取得された株式数と同一ですが、消却額は本自己株式取得より前に取得され保有されていた株式も含めた帳簿価額に基づいて算出されるため、本自己株式取得の取得総額とは異なっています。
(2)キャッシュ・フローの状況
1. ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資活動 ◆ 収入:外部投資家からの払込収入3,457億円(財務活動によるキャッシュ・フロー)、借入れによる収入2,244億円(財務活動によるキャッシュ・フロー) ◆ 支出:投資の取得支出6,816億円(投資活動によるキャッシュ・フロー)、借入れの返済1,306億円、外部投資家に対する分配額・返還額684億円(財務活動によるキャッシュ・フロー) 2. ソフトバンクグループ㈱の財務活動 ◆ 当期に満期となる国内債のリファイナンスの一環として社債5,000億円を新規発行;既発債のうち3,000億円を満期償還 ◆ 税金納付などの一時費用に備え4,252億円(純額)の短期借入れを実施;うち4,200億円は、税金還付に伴い2019年7月に返済済み ◆ 自己株式2,159億円を取得:総額6,000億円の自己株式取得プログラムを終了 |
(単位:百万円) | |||
6月30日に終了した3カ月間 | |||
2018年 | 2019年 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 274,419 | △547,191 | △821,610 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △892,109 | △1,367,991 | △475,882 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △48,508 | 1,026,301 | 1,074,809 |
(注)IFRS第16号の適用に伴い、当期より従来のオペレーティング・リースについて新規にリース負債を計上しているため、当該取引に係るリース料(従来は営業活動によるキャッシュ・フローに計上)のうち、利息の支払に関する支出を「利息の支払額(営業活動によるキャッシュ・フロー)」、負債元本の返済に関する支出を「リース負債の返済による支出(財務活動によるキャッシュ・フロー)」に計上しています。
(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー
前期にSBGJにおいて発生したソフトバンク㈱株式売却益などに対する法人税321,290百万円およびSBGJが行ったソフトバンクグループ㈱への配当に対する源泉所得税422,648百万円を当第1四半期に納付したことにより、法人所得税等の支払額が前年同期から839,401百万円増加しました。なお、当該源泉所得税は2019年7月に還付されています。
(b) 投資活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
科目 | 主な内容 |
有形固定資産及び無形資産の取得による支出 △319,247百万円 | スプリントがリース携帯端末および通信設備を取得したほか、ソフトバンク㈱が通信設備を取得しました。 |
投資の取得による支出 △431,742百万円 | 当社100%子会社が、WeWorkなどへの投資を行いました。 |
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドによる投資の取得による支出 △681,649百万円 | ソフトバンク・ビジョン・ファンドが投資を行いました。 |
(c) 財務活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
科目 | 主な内容 | |
短期有利子負債の収支(△支出)468,575百万円 | ソフトバンク㈱が、ヤフー㈱株式取得に伴い減少した運転資金を補うために、通信債権の流動化により280,000百万円を借入れました。 | |
有利子負債の収入 2,018,275百万円 | ||
借入れによる収入 1,518,275百万円(注) | ・ソフトバンクグループ㈱が、法人税および源泉所得税の支払への充当などを目的として合計667,800百万円の短期借入を行いました。なお、このうち420,000百万円は、源泉所得税の還付に伴い2019年7月に返済しました。 ・ソフトバンク・ビジョン・ファンドが、投資の資本効率向上などを目的として224,359百万円を借入れました。 ・ソフトバンク㈱が、ヤフー㈱株式取得を目的として150,500百万円を借入れました。また、割賦債権の流動化および通信設備のセール・アンド・リースバックにより206,977百万円を借入れました。 ・スプリントが債権流動化やタームローンによる借入れを行いました。 | |
社債発行による収入 500,000百万円 | ソフトバンクグループ㈱が、リファイナンスを目的として、国内普通社債を発行しました。 | |
有利子負債の支出 △1,206,144百万円 | ||
借入金の返済による支出 △712,884百万円(注) | ・ソフトバンクグループ㈱が短期借入金242,650百万円を返済しました。 ・ソフトバンク・ビジョン・ファンドが、投資の資本効率向上などを目的とした借入れのうち130,582百万円を返済しました。 ・ソフトバンク㈱とスプリントが借入金を返済しました。 | |
社債の償還による支出 △490,235百万円 | ・ソフトバンクグループ㈱が国内普通社債3,000億円を満期償還しました。 ・スプリントが社債17億米ドルを満期償還しました。 | |
リース負債の返済による支出 △195,149百万円 | ソフトバンク㈱およびスプリントが通信設備に関連するリース負債を返済しました。 | |
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家からの払込による収入 345,672百万円 | ソフトバンク・ビジョン・ファンドが、キャピタル・コールに対する資金を外部投資家から受領しました。 | |
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家に対する分配額・返還額 △68,409百万円 | ソフトバンク・ビジョン・ファンドが、投資元本を基にした固定分配を行いました。 | |
自己株式の取得による支出 △215,935百万円 | ソフトバンクグループ㈱が自己株式の取得を行いました。 |
(注)借入れによる収入および借入金の返済による支出には、契約上の借入期間が1年以内の借入金に係る収入が1,131,148百万円、支出が△386,734百万円、それぞれ含まれています。
「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における注記事項 1 ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先名は、別段の記載がある場合を除き、原則として業績への影響が大きいものを、その影響の大きさの順で掲載しています。 2 ソフトバンクグループ㈱の有利子負債および財務費用は、100%子会社スカイウォークファイナンス合同会社によるアリババ株式を活用した借入れによるものを含めて表示しています。なお、当該借入れにはソフトバンクグループ㈱による保証は付されておらず、ソフトバンクグループ㈱に対してはノンリコースの借入れです。 3 ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資額および保有株式の公正価値は、当社子会社による、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの子会社の投資持株会社を通じた投資を含みます。 4 ソフトバンク・ビジョン・ファンドにおけるリミテッド・パートナーによる支払義務履行額合計は、支払義務履行後に投資計画の変更等によりリミテッド・パートナーへ返還された金額を差し引いています。 5 当社のデルタ・ファンドへの支払義務履行額は、当社が取得した後デルタ・ファンドへ移管したDiDi株式への投資の移管時の対価と相殺されています。 6 ソフトバンク・ビジョン・ファンドにおける、投資終了に伴うリミテッド・パートナーへの返還額は、Flipkart Private Limited売却後リミテッド・パートナーに返還した、同社株式の投資元本です。 7 デルタ・ファンドにおける外部投資家のコミットメント残額は、ソフトバンク・ビジョン・ファンドで使用される可能性があります。 8 ロイヤルティー・ユニット(アームのテクノロジーを含んだチップ)の出荷実績は、出荷の発生から1四半期遅れでライセンシーから報告を受けるため、本項におけるロイヤルティー・ユニットは、2019年1~3月期までの出荷実績を掲載しています。一方、ロイヤルティー収入は、出荷が発生する四半期に見積りに基づいて計上しています。 |
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期における研究開発費は35,700百万円です。