四半期報告書-第43期第3四半期(2022/10/01-2022/12/31)
文中の将来に関する事項は、当第3四半期末において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(注1)当該期間に決済期限を迎えた一部の契約については決済期限時に現物決済を行いました。
(注2)外部投資家持分および税金等の控除前のグロスの金額です。
(注3)公開投資先は証券取引所および店頭市場で取引される株式を、未公開投資先は公開投資先に該当しない投資先を指します。以下同じです。
(注4)保有資産に対する負債の割合で、調整後純有利子負債÷保有株式価値で算出します。保有株式価値および調整後純有利子負債は、いずれもアセットバック・ファイナンスにおける満期決済金額または借入金を除きます。調整後純有利子負債の算出からは、当社のうち、ソフトバンク㈱(Zホールディングス㈱およびPayPay㈱をはじめとする子会社を含む)、SVF1、SVF2、LatAmファンドおよびアームなど独立採算で運営される事業体、ならびにSB Northstarに帰属する有利子負債および現預金等を除きます。
為替換算レート
<連結損益計算書の表示および報告セグメントの変更>「ラテンアメリカ・ファンド事業」を「ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」へ統合
当第1四半期より、LatAmファンドについても、SVF2の運営会社であるSBGAが運営することとなったことに伴い、セグメント管理区分を見直した結果、「ラテンアメリカ・ファンド事業」を「ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」に統合しました。これに伴い、連結損益計算書において、従前「ラテンアメリカ・ファンド事業からの投資損益」に含めて表示していたLatAmファンドからの投資損益を「SVF事業からの投資損益」に、従前「その他の損益」に含めて表示していたLatAmファンドにおける外部投資家持分の増減額を「SVFにおける外部投資家持分の増減額」に、それぞれ含めて表示しています。前年同期における情報も同様に組み替えて表示しています。このほか、連結財政状態計算書および連結キャッシュ・フロー計算書においても表示方法を変更しています。詳細については「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記2.要約四半期連結財務諸表作成の基礎(4)表示方法の変更」をご参照ください。
a.連結経営成績の概況
以下、要約四半期連結損益計算書の主要な科目および特筆すべき科目に関する概要を記載します。
A 売上高
ソフトバンク事業およびアーム事業はいずれも増収となりました。
B 持株会社投資事業からの投資損益
持株会社投資事業からの投資利益は3,699,600百万円となりました。アリババ株式先渡売買契約決済関連利益4,838,251百万円(アリババが関連会社から除外された時点で保有する同社株式の再測定益3,996,668百万円を含む)を計上した一方、アリババが関連会社から除外された時点から当第3四半期末までの同社株価の下落などに伴い、投資の未実現評価損失955,478百万円を計上しました。詳細は「b. セグメントの業績概況(a)持株会社投資事業」をご参照ください。
C SVF事業からの投資損益
SVF事業からの投資損失は5,006,755百万円となりました。なお、このうち外部投資家に帰属する投資損失は1,145,779百万円です。SVF1においては、Uber Technologies, Inc.(以下「Uber」)など6銘柄の全エグジット(全株式売却)1および複数の上場銘柄の一部株式の売却などにより投資の実現益48,148百万円(純額)を計上しました。一方、当第3四半期累計期間における多数の銘柄の株価下落を反映し、公開投資先について合計1,127,711百万円の未実現評価損失(純額)を計上しました。この主なものはSenseTime Group, Inc.(以下「SenseTime」)に係る損失293,654百万円、PT GoTo Gojek Tokopedia Tbk(以下「GoTo」)に係る損失258,339百万円およびDoorDash, Inc.に係る損失188,601百万円です。未公開投資先についても、業績の低迷や公開類似企業の株価下落などを反映し多数の銘柄で公正価値が減少したことにより、合計925,125百万円の未実現評価損失(純額)を計上しました。
SVF2においては、主にKE Holdings Inc.(以下「KE Holdings」)の全エグジットおよび複数の上場銘柄の一部株式の売却により、投資の実現損失2,695百万円(純額)を計上しました。また、公開投資先については主にAutoStore Holdings Ltd.(以下「AutoStore」)およびWeWork Inc.(以下「WeWork」)の株価下落、未公開投資先については業績の低迷や公開類似企業の株価下落などを反映した結果、合計2,322,449百万円の未実現評価損失(純額)を計上しました。詳細は「b. セグメントの業績概況(b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」をご参照ください。
主にB~Cの結果、投資損益合計は1,361,166百万円の損失となりました。
D 財務費用
持株会社投資事業で支払利息が108,018百万円増加しました。前述の本早期現物決済(先渡売買契約のうち242百万ADRを対象とした契約の早期現物決済)を実行したことに伴い先渡契約金融負債に係る未償却原価を一括償却した影響で、ソフトバンクグループ㈱2の支払利息が増加したことによるものです。
E 為替差損益
主にソフトバンクグループ㈱と国内の資金調達子会社の米ドル建て債務(子会社からの借入や外貨建て普通社債など)および米ドル建て現預金・貸付金について、前者が後者を上回っていたことから、為替レートが円安となったことにより為替差損727,984百万円(純額)を計上しました。
なお、ソフトバンク・ビジョン・ファンドなど機能通貨が外貨(主に米ドル)の在外子会社・関連会社の純資産については、為替換算レートが円安となったことにより円建ての価値が増加しましたが、そのプラス影響は為替差損益には含まれず、要約四半期連結財政状態計算書の資本の部の「その他の包括利益累計額」に在外営業活動体の為替換算差額の増加額1,227,567百万円として計上されています。
F 持分法による投資損益
アリババに係る持分法投資損益は前年同期比257,795百万円悪化の25,394百万円3の損失となりました。アリババはこれまで当社の持分法適用関連会社でしたが、当第2四半期に関連会社から除外されました。これは、本早期現物決済の過程で当社のアリババに対する議決権保有割合が20%を下回り、重要な影響力を喪失したことによるものです。
G デリバティブ関連損益(投資損益を除く)
アリババ株式の株価下落に伴い、同株式を利用した先渡売買契約等に係るデリバティブ関連利益549,134百万円を計上しました。
H その他の損益
2019年10月の当社とWeWorkの合意に基づく、(a)金融機関からWeWorkへの支払保証枠に対する当社およびSVF2によるクレジットサポート、(b)WeWork担保付シニア債券のSVF2による買い受けコミットメント、および(c)当社が保有するWeWork無担保債券について、予想信用損失を見積もった結果、当第3四半期累計期間において合計250,607百万円の損失を計上しました。このうち、237,485百万円は持株会社投資事業に計上されています。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記18.その他の損益」をご参照ください。
主にA~Hの結果、税引前利益は前年同期比1,524,761百万円悪化の290,037百万円の損失となりました。
I 法人所得税
法人所得税は468,203百万円となりました。ソフトバンク㈱やヤフー㈱で法人所得税を計上したほか、ソフトバンクグループ㈱、アリババ株式を利用した資金調達子会社および関連する中間持株会社(いずれも当社100%子会社)において法人所得税299,884百万円を計上しました。
主にA~Iの結果、親会社の所有者に帰属する純利益は前年同期比1,305,130百万円悪化の912,513百万円の損失となりました。
b.セグメントの業績概況
当社の報告セグメントは、当社の経営資源の配分の決定や業績の評価を行うための区分を基礎としています。当第1四半期よりSVF2の運営会社であるSBGAがLatAmファンドを運営することとなったことに伴い、セグメント管理区分を見直した結果、「ラテンアメリカ・ファンド事業」を「ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」に統合しました。当第3四半期末現在、「持株会社投資事業」、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」、「ソフトバンク事業」、「アーム事業」の4つを報告セグメントとしています。
報告セグメントの概要は以下の通りです。
(注1)2022年10月よりPayPay㈱はソフトバンク㈱およびZホールディングス㈱の子会社となったため、当第3四半期より、PayPay㈱の業績は「その他」ではなく「ソフトバンク事業」に含めて表示し、当第3四半期累計期間および前年同期について遡及修正しています。
(a)持株会社投資事業
<事業概要>当事業においては、主にソフトバンクグループ㈱が、戦略的投資持株会社として直接または子会社を通じて投資活動を行っています。当事業は、ソフトバンクグループ㈱、SoftBank Group Capital Limited、ソフトバンクグループジャパン㈱(以下「SBGJ」)および資産運用子会社であるSB Northstarのほか、投資または資金調達を行う一部の子会社で構成されています。持株会社投資事業からの投資損益は、ソフトバンクグループ㈱が、直接または子会社を通じて保有する投資からの投資損益により構成されています。ただし、子会社からの受取配当金および子会社株式に係る減損損失などの子会社株式に関連する投資損益を含みません。
当事業を構成する会社が保有する投資先は、アリババやTモバイル、Deutsche Telekom AG(以下「ドイツテレコム」)など約120社と、SB Northstarからの投資先であり、そのほとんどがFVTPLの金融資産として認識されるものです。FVTPLの金融資産に該当する投資は、四半期ごとに公正価値を測定し、その変動額を「投資損益」として連結損益計算書に計上しています。
アリババへの投資
アリババはこれまで当社の持分法適用関連会社でしたが、当第2四半期に関連会社から除外されました。これは、本早期現物決済の過程において、当社のアリババに対する議決権保有割合が20%を下回り、重要な影響力を喪失したことによるものです。
アリババが関連会社から除外された時点において当社が保有する同社株式については、FVTPLの金融資産に分類し、当該時点の株価に基づき公正価値による再測定を行いました。それ以降、四半期ごとに公正価値を測定し、その変動額を「投資損益」として連結損益計算書に計上しています。
資産運用子会社からの上場株式等への投資
SB Northstarはソフトバンクグループ㈱の余剰資金を用いて上場株式等の取得および売却、上場株式に関連するデリバティブ取引および信用取引を行っています。当第3四半期累計期間における資産運用子会社に係る投資損失は1,378億円でした(活動開始来の累計投資損失:8,841億円)。引き続き事業規模を縮小しており、その株式等保有残高は前期末の3,159億円から当第3四半期末には961億円まで減少しています。
同社における持分は、ソフトバンクグループ㈱が67%、ソフトバンクグループ㈱代表取締役 会長兼社長執行役員の孫 正義が33%をそれぞれ間接的に保有しています。孫 正義の持分は非支配持分として同社の投資損益から差し引かれるため、投資損益の67%が親会社の所有者に帰属する純利益に影響を与えます。ソフトバンクグループ㈱が同社に対しファンド存続期間(12年+延長2年)満了時に債権を保有し、その債権に返済不能分が発生した場合、持分比率に応じて孫 正義は損害額を補償します。
<業績全般>
(注1)前年同期の各項目の数値について修正し再表示しています。持株会社投資事業からの投資損益の金額に影響はありません。
(注2)当第3四半期累計期間に実現した投資に係る未実現評価損益の過年度計上額を「投資の実現損益」に振り替えています。
(注3)投資の未実現評価損益は当該評価損益が生じた四半期の平均為替レートを用いて換算する一方、投資の実現損益は当該株式を処分した四半期の平均為替レートを用いて換算します。「為替換算影響額」は、未実現評価損益と実現損益の換算に使用する為替レートの差により生じた金額です。
上表のうち、アリババ株式を利用した先渡売買契約に関連する主な損益
A 持株会社投資事業からの投資利益:3,699,716百万円
・アリババ株式を利用した先渡売買契約の一部を現物決済したことに伴い、アリババ株式先渡売買契約決済関連利益4,838,251百万円を計上しました。本関連利益には、アリババ株式の再測定益3,996,668百万円が含まれています。
・Tモバイル株式売却関連利益24,842百万円を計上しました。これは、2022年4月のドイツテレコムによるコールオプションの一部行使に伴い、当社が保有するTモバイル株式21.2百万株を同社に売却したことによるものです。
・資産運用子会社からの投資の実現損失69,904百万円、資産運用子会社からの投資の未実現評価損失62,815百万円をそれぞれ計上しました。これはSB Northstarによる上場株式等への投資の結果です。
・投資の実現損失237,859百万円を計上しました。これは主に、アリババが当社関連会社から除外された後に実行された同社株式を利用した先渡売買契約の現物決済に伴い、同社株式に係る実現損失210,919百万円を計上したことによるものです。
・投資の未実現評価損失957,296百万円を計上しました。これは主に、アリババが当社関連会社から除外された時点から当第3四半期末までの同社株価下落に伴い、当第3四半期末時点で保有するアリババ株式に係る未実現評価損失948,029百万円を計上したことによるものです。
・投資に係るデリバティブ関連利益155,534百万円を計上しました。これは主に、当社が所有する一定の条件を満たした際にTモバイル株式を無償で取得できる権利に係るデリバティブ関連利益147,567百万円を計上したことによるものです。
B 財務費用:317,202百万円(前年同期比108,018百万円増加)
ソフトバンクグループ㈱2の支払利息が前年同期比114,006百万円増の314,363百万円となりました。主に、本早期現物決済に伴い先渡契約金融負債に係る未償却原価を一括償却した影響によるものです。
C 為替差損:725,356百万円
主にソフトバンクグループ㈱と国内の資金調達子会社の米ドル建て債務(子会社からの借入や外貨建て普通社債など)および米ドル建て現預金・貸付金について、前者が後者を上回っていたことから、為替レートが円安となったことにより為替差損725,356百万円(純額)を計上しました。
D 持分法による投資損失:24,708百万円(前年同期比246,388百万円悪化)
アリババに係る持分法投資損益は前年同期比257,795百万円悪化の25,394百万円3の損失となりました。アリババはこれまで当社の持分法適用関連会社でしたが、当第2四半期に関連会社から除外されました。これは、本早期現物決済の過程で当社のアリババに対する議決権保有割合が20%を下回り、重要な影響力を喪失したことによるものです。
E デリバティブ関連利益(投資損益を除く):631,115百万円
アリババ株式の株価下落に伴い、同株式を利用した先渡売買契約等に係るデリバティブ関連利益549,134百万円を計上しました。
資産運用子会社の当社要約四半期連結財政状態計算書への影響(注1)
(注1)SB NorthstarからSB Investment Advisers (US) Inc.子会社のSPAC(特別買収目的会社)への投資の影響を除いたSB Northstarの財政状態計算書を、当社連結財政状態計算書への同社の影響を示すための参考情報として記載しています。
(注2)当社の子会社であるDelaware Project 1 L.L.C.、Delaware Project 2 L.L.C.およびDelaware Project 3 L.L.C.(以下「Delaware子会社」)から資産運用子会社であるSB Northstarへの出資額
(非支配持分の計算)
(注3)表中Bの3分の1
(純資産(上記C)に対する持分)
当事業における主な有利子負債およびリース負債
(注1)資金調達を行う100%子会社による借入はソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。
(b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業
(注1)累計リターンおよび投資損益は外部投資家持分および税金等の控除前のグロスの金額です。以下本項の累計パフォーマンスの表示において同じです。
(注2)当第3四半期中に実行した投資と売却による変動を除いた公正価値(米ドルベース)の増減率です。なお、投資先の公開/未公開の区分は、当第3四半期末時点の状態に基づいており、当第3四半期中に公開/未公開の区分が変更になった投資先については、当第2四半期末の状態を当第3四半期末時点の状態に合わせた上で比較を行っています。以下本項における四半期末に保有する投資の公正価値の増減において同じです。
(注3)公開投資先は証券取引所および店頭市場で取引される株式を、未公開投資先は公開投資先に該当しない投資先を指します。以下同じです。
(注4)「エグジットした投資」の当期損益計上額は、当該投資のエグジット金額から投資額を差し引いた金額です。過年度または当第1四半期および当第2四半期に計上した当該投資に係る未実現評価損益については、「当期にエグジットした投資の未実現評価損益過去計上額の振替」に表示しています。そのため、「エグジット前の投資」の当第1四半期および当第2四半期決算において開示した当第1四半期(4~6月)および当第2四半期(7~9月)の損益計上額と、当第3四半期(10~12月)の損益計上額との合計は、当第3四半期累計期間(4~12月)の損益計上額と一致しない場合があります。
(注5)投資額は、デリバティブについてはデリバティブ原価を表します。リターンは、エグジットした投資についてはエグジット金額を、エグジット前の投資については公正価値を、デリバティブについては既決済契約の決済額または未決済契約の公正価値を、受取利息または配当金については各受領額を指します。
<事業概要>当事業の業績には、主にソフトバンク・ビジョン・ファンド1(SVF1)、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SVF2)およびソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド(LatAmファンド)における投資および事業活動の結果が含まれています。
当事業における主なファンドの概要
2022年12月31日現在
SVF1およびSVF2
「ユニコーン4」を中心に、AIを活用した成長可能性の大きな企業へ投資し、中長期的視点から投資成果を最大化することを目指しています。SVF1の投資期間は終了しましたが、合弁会社への投資を含む既存投資先への追加投資や固定分配、ファンド運営関連費用への充当を目的に出資コミットメント総額の残額が留保されています。
(注1)SVF1への当社の出資コミットメントは、アーム株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される25億米ドルを含みます。
(注2)SVF2には当社経営陣による共同出資プログラムが導入されており、経営陣の投資エンティティであるMASA USA LLC(以下「MgmtCo」)が参画しています。当社連結財務諸表上、MgmtCoの出資持分は外部投資家持分として扱われています。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記21.関連当事者との取引(1)配当受領権制限付き共同出資プログラム a.SVF2と関連当事者との取引」をご参照ください。
LatAmファンド
急速に発展するラテンアメリカで、データとテクノロジーを活用し産業の変革を目指す企業に投資しています。
(注1)LatAmファンドには当社経営陣による共同出資プログラムが導入されており、MgmtCoが参画しています。当社連結財務諸表上、MgmtCoの出資持分は外部投資家持分として扱われています。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記21.関連当事者との取引(1)配当受領権制限付き共同出資プログラム b.LatAmファンドと関連当事者との取引」をご参照ください。
SVFにおける借入
SVF1、SVF2およびLatAmファンドは、レバレッジの活用や手元流動性の確保などを目的として、ソフトバンクグループ㈱にはノンリコースの借入を独自に行うことがあります。借入の種類には、リターンの向上およびリミテッド・パートナーへの分配を目的とした保有資産を活用するアセットバック・ファイナンスや、キャピタル・コールから着金までの期間のつなぎ資金を確保し投資決定後の速やかな投資実行を可能にするリボルビングローンであるファンド・レベル・ファシリティーがあります。
投資先の公正価値評価
SVF1、SVF2およびLatAmファンドはIFRS第13号「公正価値測定」に従い、SBIA Global Valuation PolicyおよびInternational Private Equity and Venture Capital Valuation Guidelines(IPEVガイドライン)に基づいて、毎四半期末日における投資先の公正価値を算定しています。公開投資先のうち、証券取引所で取引される株式については相場価格を用いて、店頭市場で取引される株式については相場価格および観察可能なその他のインプットを単一もしくは複数用いて公正価値を算定しています。未公開投資先の公正価値算定については、公開類似企業の情報を用いたマーケット・アプローチ、予想される将来キャッシュ・フローを用いたインカム・アプローチに加えて、直近の資金調達ラウンドや類似取引の価格を用いた取引事例法などの評価手法を単一もしくは複数用いています。
<業績全般>
(注1)当社子会社(主にアーム、PayPay㈱)へのソフトバンク・ビジョン・ファンドからの投資の公正価値の変動により計上される未実現評価損益ならびに受取配当金は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業のセグメント利益において「SVF事業からの投資損益」に含まれますが、連結上消去し、連結損益計算書上の「SVF事業からの投資損益」には含まれません。
(注2)当期に実現した投資に係る未実現評価損益の過年度計上額を「投資の実現損益」に振り替えています。
SVF1およびSVF2の投資・売却実績
(注)投資・売却の実績には株式交換を含みます。投資額は、新規および既存投資先への追加投資を含みます。
セグメント利益
A SVF事業からの投資損失:5,042,699百万円
B SVFにおける外部投資家持分の増減額:1,145,779百万円
各ファンドからの投資損益から、①SBIAがSVF1から受領する管理報酬および成功報酬、②SBGAがSVF2から受領する管理報酬および業績連動型管理報酬、③SBGAがLatAmファンドから受領する管理報酬、業績連動型管理報酬および成功報酬、④各ファンドの営業費用およびその他の費用を控除した金額を、持分に応じて外部投資家に分配した成果分配額および固定分配額の合計です。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記6.ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業 (2)SVFにおける外部投資家持分」をご参照ください。
投資の状況
2022年12月31日現在
SVF1
(単位:十億米ドル)
合計(下記①+②+③+④)
(参考)
①エグジットした投資
②エグジット前の投資(当第3四半期末に保有する投資)(注5)
③デリバティブ
④投資先からの利息および配当金
(注)各項目の金額は、単位未満を四捨五入しているため、内訳の計と合計が一致しない場合があります。
(注1)外部投資家持分および税金等の控除前
(注2)累計投資パフォーマンスを純額で示すため、株式交換を行った投資について交換先の株式の取得額および当初保有株式の処分額(売却額)をそれぞれ控除しています。また、既存投資先からの現物配当として受領した投資について投資件数から控除しています。
(注3)記載されている株式交換に加えて、SVF1は過年度において既存投資先2社の株式を同じく既存投資先であるその関係会社株式に交換したため、当項目において該当する投資の取得額および処分額(売却額)をそれぞれ控除しています。
(注4)株式交換による処分(売却)を含みます。
(注5)投資先の公開/未公開の区分は、当第3四半期末時点の状態に基づいています。
(注6)公開株式には店頭市場で取引されているDiDi Global Inc.への投資を含みます。
(注7)当社からSVF1への移管が決定されていたものの実行されなかった投資について、移管の取りやめを決定するまでの期間に発生した未実現評価損益は含めていません。
SVF2
(単位:十億米ドル)
合計(下記①+②+③+④)
①エグジットした投資
②エグジット前の投資(当第3四半期末に保有する投資)(注2)
③デリバティブ
④投資先からの利息および配当金
(注)各項目の金額は、単位未満を四捨五入しているため、内訳の計と合計が一致しない場合があります。
(注1)外部投資家持分および税金等の控除前
(注2)投資先の公開/未公開の区分は、当第3四半期末時点の状態に基づいています。
(注3)公開株式には店頭市場で取引されているZhangmen Education Inc.への投資を含みます。
(注4)SVF2のエグジット前の投資の投資額および公正価値には、投資の取得対価の一部として受領した他会社の非支配持分に係るものが含まれています。
資金の状況
2022年12月31日現在
SVF1
(注)SVF1への当社の出資コミットメントは、アーム株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される25億米ドルを含みます。
SVF2
(注)コミットメント残額には再コール可能な払込資金返還額を含みます。
(参考:2022年12月31日現在 出資コミットメントの内訳)
(注)当第3四半期末現在、MgmtCoによる出資額の支払いは実施されていません。
(注1)SVF2 LLC(SVF II Investment Holdings LLC)はSVF2の傘下に設立された当社の子会社であり、共同出資プログラムの対象となる投資を間接的に保有しています。
当第3四半期末現在、ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドに対する出資コミットメント総額は76億米ドル、拠出額は72億米ドルです。
(c)ソフトバンク事業
(注)2022年10月よりPayPay㈱はソフトバンク㈱およびZホールディングス㈱の子会社となったため、当第3四半期より、PayPay㈱の業績は「その他」ではなく「ソフトバンク事業」に含めて表示し、当第3四半期累計期間および前年同期について遡及修正しています。
<事業概要>当事業の業績には、ソフトバンク㈱が主に日本国内で行っているモバイルサービスの提供や携帯端末の販売、ブロードバンドサービスやイーコマースサービスの提供などの事業活動の結果が含まれています。「Beyond Carrier」戦略の下、通信事業をさらに成長させることに加えて、従来の通信キャリアという枠組みを超え、ヤフー・LINEおよび新領域を加えた3つの領域を伸ばしていくことで収益基盤の強化に取り組んでいます。直近では、2022年10月にPayPay㈱を子会社化し、Zホールディングス㈱とともに新領域の中核を担う決済・金融サービスの拡大に注力しています。
<業績全般>セグメント利益は、主にコンシューマ事業やヤフー・LINE事業が減益となったほか、投資損益が悪化したことなどにより、前年同期比155,281百万円(22.2%)減少の545,543百万円となりました。
コンシューマ事業は、主にモバイルサービスの通信料値下げの影響により減益となりました。ヤフー・LINE事業は、コマースや広告関連サービスを中心に売上が拡大したものの、成長に向けた人員強化に伴い人件費が増加したことなどにより減益となりました。法人事業は、企業のデジタル化が加速する中でクラウドサービスなどの売上が拡大した一方、売上拡大に伴う原価の増加や訴訟に係る引当金を計上したことなどにより利益は横ばいとなりました。投資損益の悪化は、ソリューションサービスの強化を目的に出資した投資先などの公正価値減少によるものです。
なお、LINE㈱傘下でフードデリバリーサービスを展開する㈱出前館に係る持分法投資の減損損失31,304百万円をその他の損失として計上しました。この減損損失が当社の親会社の所有者に帰属する純利益に与えたマイナス影響額は2,965百万円でした。
<ソフトバンク㈱によるPayPay㈱子会社化の影響なし>ソフトバンク㈱ではPayPay㈱の子会社化を契機として、当第3四半期より、非支配株主が存在する中で行われた共通支配下の取引について、会計処理を簿価引継法(持分プーリング法)から取得法に変更しました。これに伴い、当第3四半期にPayPay㈱の子会社化に係る企業結合に伴う再測定益294,843百万円およびPayPay㈱に係る識別可能無形資産の償却費を計上しました。また、当該会計方針の変更により、2019年6月に同社が実施したヤフー㈱(現Zホールディングス㈱)の子会社化等、過去に非支配株主が存在する中で行われた共通支配下の取引についても取得法を遡及適用しました。これにより、ソフトバンク㈱の前期末の連結財政状態計算書において、資産、負債および資本が増加しました。さらに、当第3四半期累計期間および前年同期の連結損益計算書において、当該会計方針の変更に伴い認識したZホールディングス㈱に係る識別可能無形資産の償却費を計上しました。
しかし、ソフトバンクグループ㈱の連結財務諸表においては、PayPay㈱およびZホールディングス㈱は一貫して連結子会社であるため、これらの影響はありません。
(d)アーム事業
(注1)セグメント利益には、アーム買収時に行った取得原価配分により計上した無形資産の償却費が、当第3四半期累計期間は46,359百万円、前年同期は37,877百万円含まれています。
<事業概要>アームは主に、低消費電力型マイクロプロセッサーおよび関連テクノロジーのデザインなど、半導体のIP(回路の設計情報などの知的財産)のライセンス事業を行っています。2016年当社による買収後、アームは技術関連人員の増強により研究開発投資を加速し技術力を強化しました。その技術力を基にアームは既存市場でのシェアを維持・獲得するとともに、新規市場への進出も果たしました。アームは株式公開に向けて、顧客の将来の技術ニーズに応えるソリューションの研究開発投資を拡大し続ける一方で、非技術関連部門の効率化にも注力しています。
マネジメント体制の強化
株式上場に向けた準備を進めるにあたり、アームではマネジメント体制のさらなる強化を図っています。新たな取締役として、XCOM Labsの会長兼CEOでありQualcomm Inc.の元CEO兼執行会長のポール・E・ジェイコブスと、Intelのデータセンター/AIセールス担当コーポレート・バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務めたローズマリー・スクーラーが2022年12月に就任しました。これにより、取締役8名のうち独立取締役が4名(2022年12月末現在)となりました。
市場の動向とその影響
アームの業績は半導体市場の動向にプラスにもマイナスにも大きく影響を受けることがあります。市場の売上高はその成長に応じて増加し、アームのロイヤルティー収入の増加をもたらします。また、市場の成長はアームの顧客による活発な製品設計活動を促す可能性があり、アームがより多くの最新テクノロジーをライセンスする機会が生まれ、非ロイヤルティー収入(ライセンス収入およびソフトウエア・サービス収入)の増加につながります。
半導体市場は、より多くの運転情報やドライブアシストが自動車で提供されたり、スマートフォンのカメラ技術が世代ごとに向上するなど、より多くの製品やサービスが組み込みインテリジェンスを用いてスマート化する長期的なトレンドを背景に、当第3四半期累計期間では前年同期から引き続き成長を示しました。しかしながら、四半期ベースの成長は、約2年にわたり高い水準で推移した後、当期前半に減速し、当第3四半期にはマイナスに転じました。アームの一部顧客は、半導体バリューチェーン全体で在庫水準が非常に高く、これが低下するまでの期間は当該顧客の収益が短期的に減少する可能性があることを示唆しています。
半導体市場は現在、在庫調整、貿易摩擦に伴う特定企業への制裁、サプライチェーンの混乱、一時的な部材不足などその他の外部要因の影響にさらされています。今後、これらの影響により、コンシューマー・エレクトロニクスなどの出荷数が弱含んだ場合にはアームのロイヤルティー収入の押し下げ要因となる可能性があるほか、収入減に直面したライセンシーが新規ライセンス契約の締結を延期する動向が生じた場合には非ロイヤルティー収入も押し下げられる可能性があります。しかしながら、このような事象がいつ発生し、半導体業界全体やアームにどのような影響を及ぼすかを見通すことは困難です。
長期的には、コンシューマーおよびエンタープライズ・エレクトロニクスの高度化が進むにつれ、アームのテクノロジーが活用される機会は拡大していくと期待しています。
<業績全般>売上高(米ドルベース)
アームの売上は主に米ドル建てであるため、本項の売上高は米ドルベースの実績を記載しています。
売上高は、前年同期に比べ75百万米ドル(3.7%)の増収となりました。非ロイヤルティー収入が減少したものの、テクノロジー・ロイヤルティー収入が好調に推移しました。
テクノロジー・ロイヤルティー収入
テクノロジー・ロイヤルティー収入は前年同期から213百万米ドル(18.6%)増加しました。アームのテクノロジーを採用したハイエンド5Gスマートフォン(より高いロイヤルティー単価が見込まれる最新アーキテクチャー「Armv9」を搭載した機種を含む)の好調な出荷や5G基地局へのネットワーク機器の導入進展に加えて、アームの顧客が自動車やIoT、サーバーなど多様な市場でシェアを拡大したことによるものです。また、アームの顧客が、高い需要を背景にコンピューター・チップの値上げを行っていることも、ロイヤルティー収入がチップ価格に基づくことの多いアームに増収効果をもたらしています。
非ロイヤルティー収入
非ロイヤルティー収入は前年同期から138百万米ドル(15.4%)減少しました。アーム史上最高の売上を記録した前年同期に比べれば減収となったものの、アームのテクノロジー・ラインアップへの需要は引き続き強く、当第3四半期では前年同期比で64.7%の増収となりました。前年同期においては、過年度に大口顧客との間で契約が締結された複数の大型案件の売上が認識されました。
当社による買収後、過去数年にわたり研究開発投資を強化した結果、アームは、サーバーや車載エレクトロニクス、AIアクセラレーションなどに最適化されたCPUを含む、幅広いテクノロジー・ポートフォリオを持つに至りました。これにより、アームがテクノロジーをライセンス供与する顧客の幅が広がるとともに、既存の顧客はより多くのアームのテクノロジーの選択が可能となり、ライセンス収入を牽引しました。これらのライセンスには、サーバーやPC向けチップ、スマートフォン、ネットワーク機器、産業用ロボットや自動運転車などの自律型操作システム用途のCPUのほか、AI対応マイクロコントローラーに関するものが含まれます。
セグメント利益
米ドルベースのセグメント利益は、増収に加え、株式上場準備に関連する専門家報酬の増加によるマイナス影響を業務効率の改善で補ったことにより増益となりました。円ベースのセグメント利益は、当社連結財務諸表の作成に使用される為替換算レートが円安に振れた影響により、前年同期比23,813百万円(76.6%)増の54,901百万円となりました。
<営業概況>ロイヤルティー・ユニット7
2022年1~9月期のロイヤルティー・ユニットの出荷数は229億個となり、前年同期比7.0%増となりました。
<技術開発>アームは以下を重点投資分野とし、モバイル事業および潜在的成長性の高い事業におけるテクノロジーの開発に取り組んでいます。
重点投資分野と主な進捗
c.財政状態の状況
(注1)SVFからの投資(FVTPL)には、当社の子会社への投資および当社から移管後引き続き持分法を適用している投資(後者は「持分法で会計処理されている投資」に計上)を含みません。
(注2)SVF1、SVF2およびLatAmファンドにおいて、期末日の対米ドルの為替換算レートが8.4%円安となったことによる帳簿価額の増加を含みます。
(a)資産
主な科目別の増減理由
(注1)米ドルに対する現地通貨安の影響を含みます。
(注2)米ドルに対するユーロ安の影響を含みます。
(別掲)エンティティ別の現金及び現金同等物
連結上の現金及び現金同等物は前期末比6,091億円増加の5兆7,781億円となり、そのうちソフトバンクグループ㈱の現金及び現金同等物は3,934億円増加の2兆8,960億円となりました。詳細については「(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(注1)2022年10月よりPayPay㈱はソフトバンク㈱およびZホールディングス㈱の子会社となったため、従前は「その他」に含まれていましたが、当第3四半期から「ソフトバンク事業」に含めて表示し、前期末についても遡及修正しています。
(注2)PayPay銀行㈱の現金及び現金同等物の当第3四半期末残高は446,037百万円です。
(b)負債
主な科目別の増減理由
(別掲)連結有利子負債およびリース負債(流動負債および非流動負債の合計)
(注1)資金調達を行う100%子会社の有利子負債はソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。
(注2)2022年10月よりPayPay㈱はソフトバンク㈱およびZホールディングス㈱の子会社となったため、従前は「その他」に含まれていましたが、当第3四半期から「ソフトバンク事業」に含めて表示し、前期末についても遡及修正しています。
(注3)PayPay銀行㈱の銀行業の預金は、有利子負債には含まれていません。
前期末からの主な会社別の増減理由
(注3)SVF1、SVF2およびLatAmファンドにおける借入については「(1)財政状態及び経営成績の状況 b.セグメントの業績概況 (b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業 <事業概要>SVFにおける借入」をご参照ください
(c)資本
主な科目別の増減理由
(ご参考)WeWorkに対する貸付、保証および貸付枠
(単位:百万円)
(注1)貸倒引当金控除後
(2)キャッシュ・フローの状況
<重要な非資金取引>当第3四半期累計期間において、アリババ株式先渡売買契約の一部を現物決済しました。当該取引は非資金取引に該当するため、連結キャッシュ・フローへの影響はありません。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記20.要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書の補足情報(7)重要な非資金取引」をご参照ください。
(a)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは724,846百万円のキャッシュ・イン・フロー(純額)となりました。前年同期からキャッシュ・イン・フロー(純額)が1,684,133百万円減少したのは、主にSB Northstarの事業規模縮小に伴う投資売却などによるキャッシュ・イン・フローが1,907,441百万円から116,071百万円に減少したことによるものです。
なお、法人所得税の支払額は584,489百万円となりました。当第3四半期には、本早期現物決済(アリババ株式を利用した先渡売買契約のうち242百万ADRを対象とした契約の早期現物決済)に関連するデリバティブ利益の実現などにより課税所得が生じた当社100%子会社が法人所得税201,792百万円を支払いました。前年同期の法人所得税の支払額には、2021年3月期にSBGJで発生したソフトバンク㈱株式売却益を含む課税所得に基づく法人税の支払いのほか、SBGJが行ったソフトバンクグループ㈱への配当に対する源泉所得税の納付が含まれていました(当該源泉所得税は前年同期において還付されています)。
(b)投資活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
(c)財務活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
(注1)短期有利子負債の収支には、IFRSにおける「純額によるキャッシュ・フローの報告」の要件を満たした財務活動によるキャッシュ・フローを記載しています。
(注2)借入による収入および借入金の返済による支出には、契約上の借入期間が1年以内の借入金に係る収入が1,030,211百万円、支出が1,768,068百万円、それぞれ含まれています。
当社がスポンサーとして設立したSPACに係る出資金の払戻および返還
当社がスポンサーとして設立したSPACは証券取引市場にて新規株式公開を実施し、市場投資家からの出資を引き受け、資金調達を実施します。市場投資家から払い込まれた出資金は、当該SPACが合併を完了するまで、もしくは市場投資家に償還されるまでの期間、信託口座に預託されます。しかし、当該SPACが上場から24カ月の間に事業会社との合併を完了できず運営を停止した場合、信託口座に預託されていた出資金は払い戻され、市場投資家へ全額償還されます。この際、信託口座から当該SPACに払い戻された出資金は、当社の連結キャッシュ・フロー計算書上「SPACにおける信託口座からの払戻による収入」(投資活動によるキャッシュ・フロー)に計上され、その後さらに市場投資家へ返還されると「償還オプション付非支配持分への返還による支出」(財務活動によるキャッシュ・フロー)に計上されます。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しています。この要約四半期連結財務諸表を作成するにあたり用いた重要な判断および見積りについては、「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記4.重要な判断および見積り」をご参照ください。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発費は183,920百万円です。
(1)財政状態及び経営成績の状況
1.アリババ 2022年8月から9月にかけて、アリババ株式を利用した先渡売買契約のうち242百万ADR(米国預託証券)を対象とした契約を早期現物決済(以下「本早期現物決済」、(注1))した結果、合計5兆3,716億円の利益を計上。本早期現物決済の過程でアリババに対する議決権保有割合が20%を下回ったため、同社は当社関連会社から除外
このほか、関連会社から除外された時点から当第3四半期末までの株価下落に伴い、当第3四半期末時点で保有するアリババ株式に係る投資の未実現評価損失9,480億円を計上 2.SVF 活動開始来累計損益はSVF1で110億米ドルのプラス、SVF2で167億米ドルのマイナス(注2) 3.業績ハイライト ◆ 投資損失1兆3,612億円(当第3四半期:5,116億円の損失) -持株会社投資事業からの投資利益3兆6,996億円(当第3四半期:1,749億円の利益) ・本早期現物決済に伴い、アリババ株式先渡売買契約決済関連利益4兆5,815億円を計上 ・アリババが関連会社から除外された時点から当第3四半期末までの同社株価の下落に伴い、投資の未実現評価損失9,480億円を計上 -SVF事業からの投資損失5兆68億円(当第3四半期:6,532億円の損失) ・SVF1:実現益(純額)481億円、未実現評価損失(純額)2兆528億円をそれぞれ計上 ・SVF2:実現損失(純額)27億円、未実現評価損失(純額)2兆3,224億円をそれぞれ計上 世界的な株価下落傾向を背景に多数の公開投資先(注3)の株価の下落(当第3四半期には一部銘柄で株価上昇)。未公開投資先(注3)も、業績の低迷や公開類似企業の株価下落などを反映した結果、多数の銘柄で公正価値が減少 ◆ 税引前損失2,900億円(前年同期比1兆5,248億円悪化) -財務費用4,335億円 -為替差損7,280億円:主にソフトバンクグループ㈱において米ドル建て債務が同現預金・貸付金を上回っている中、円安となった影響により損失を計上 -デリバティブ関連利益(投資損益を除く)6,196億円:アリババ株式の株価下落に伴い、同株式の先渡売買契約に係るデリバティブ関連利益を計上 -SVFにおける外部投資家持分の減少額1兆1,458億円 ◆ 親会社の所有者に帰属する純損失9,125億円(前年同期比1兆3,051億円悪化) -法人所得税4,682億円 -非支配持分に帰属する純利益1,543億円 4.「守り」の徹底――継続的な資金化と投資の縮小の結果、LTV(注4)が前期末から改善 ◆ 継続的な資金化 -当第3四半期累計期間にアリババ株式を利用した先渡売買契約により244.2億米ドルを調達 -当第1四半期にTモバイル株式21.2百万株を24.0億米ドルで売却 -当第3四半期累計期間にSVF1および2でUber、KE Holdingsを含む8銘柄の全株式および複数の上場銘柄の一部株式などを合計52.6億米ドルで売却(株式交換を含む) |
◆ 投資の縮小 当第3四半期累計期間にSVF1および2で合計27.6億米ドルを投資(新規および追加投資の合計、株式交換を含む)。前年同期の投資額合計392.4億米ドルから大幅に縮小 5.積極的な負債返済および先渡売買契約の早期現物決済により、ソフトバンクグループ㈱および資金調達子会社等の有利子負債が前期末から3兆6,740億円減少 -本早期現物決済により株式先渡契約金融負債275.7億米ドルを削減(うち134.7億米ドルは当第2四半期累計期間に締結した契約に係る金融負債) -当第1四半期にコミットメントラインを使用した借入金45.0億米ドルを返済 -当第2四半期に銀行借入(シニア・ローン)3,252億円全額を返済(うち期限前返済は2,927億円) -当第2四半期にアリババ株式を利用した借入(マージン・ローン)60.0億米ドル全額を返済 -当第2四半期累計期間にTモバイル株式を利用した借入(マージン・ローン)20.6億米ドルを返済 -当第3四半期に外貨建て普通社債合計15.1億米ドル相当(額面総額)を買入れ。なお、米ドル建ノンコール6年永久劣後社債7.5億米ドル(額面総額。IFRS上資本性金融商品に分類)の買入れも実施 6.合計1.4兆円の自社株買いを完了 -2021年11月に決議した最大1兆円の自己株式取得枠: 2022年10月17日に全額の取得完了 -2022年8月に決議した最大4,000億円の自己株式取得枠:2022年11月10日に全額の取得完了 -上記の両取締役会決議に基づき取得した自己株式の総数と同数の自己株式252,958,500株(消却前の発行済株式総数に対する割合14.68%)を2023年3月末までに消却予定 7.Zホールディングスが同社、LINEおよびヤフーを中心とした合併方針を2023年2月に決定 Zホールディングスは、今後、よりプロダクトファーストの組織体制とし、経営統合によるシナジーの拡大を加速させるため、同社と中核完全子会社であるLINE、ヤフーの3社を中心に、2024年3月期中を目処に合併を実施する旨の基本方針を決定 |
(注1)当該期間に決済期限を迎えた一部の契約については決済期限時に現物決済を行いました。
(注2)外部投資家持分および税金等の控除前のグロスの金額です。
(注3)公開投資先は証券取引所および店頭市場で取引される株式を、未公開投資先は公開投資先に該当しない投資先を指します。以下同じです。
(注4)保有資産に対する負債の割合で、調整後純有利子負債÷保有株式価値で算出します。保有株式価値および調整後純有利子負債は、いずれもアセットバック・ファイナンスにおける満期決済金額または借入金を除きます。調整後純有利子負債の算出からは、当社のうち、ソフトバンク㈱(Zホールディングス㈱およびPayPay㈱をはじめとする子会社を含む)、SVF1、SVF2、LatAmファンドおよびアームなど独立採算で運営される事業体、ならびにSB Northstarに帰属する有利子負債および現預金等を除きます。
為替換算レート
2022年3月期 | 2023年3月期 | ||||||
1米ドル | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 |
期中平均レート | 110.00円 | 110.47円 | 113.60円 | 117.10円 | 129.04円 | 138.68円 | 141.16円 |
期末日レート | 122.39円 | 132.70円 |
<連結損益計算書の表示および報告セグメントの変更>「ラテンアメリカ・ファンド事業」を「ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」へ統合
当第1四半期より、LatAmファンドについても、SVF2の運営会社であるSBGAが運営することとなったことに伴い、セグメント管理区分を見直した結果、「ラテンアメリカ・ファンド事業」を「ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」に統合しました。これに伴い、連結損益計算書において、従前「ラテンアメリカ・ファンド事業からの投資損益」に含めて表示していたLatAmファンドからの投資損益を「SVF事業からの投資損益」に、従前「その他の損益」に含めて表示していたLatAmファンドにおける外部投資家持分の増減額を「SVFにおける外部投資家持分の増減額」に、それぞれ含めて表示しています。前年同期における情報も同様に組み替えて表示しています。このほか、連結財政状態計算書および連結キャッシュ・フロー計算書においても表示方法を変更しています。詳細については「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記2.要約四半期連結財務諸表作成の基礎(4)表示方法の変更」をご参照ください。
a.連結経営成績の概況
(単位:百万円) | |||||
12月31日に終了した9カ月間 | |||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | ||
売上高 | 4,580,840 | 4,875,773 | 294,933 | 6.4% | A |
売上総利益 | 2,476,969 | 2,579,123 | 102,154 | 4.1% | |
投資損益 | |||||
持株会社投資事業からの投資損益 | 15,956 | 3,699,600 | 3,683,644 | - | B |
SVF事業からの投資損益 | △629,134 | △5,006,755 | △4,377,621 | - | C |
その他の投資損益 | 61,410 | △54,011 | △115,421 | - | |
投資損益合計 | △551,768 | △1,361,166 | △809,398 | - | |
販売費及び一般管理費 | △1,849,385 | △1,921,115 | △71,730 | 3.9% | |
財務費用 | △282,764 | △433,508 | △150,744 | 53.3% | D |
為替差損益 | △277,372 | △727,984 | △450,612 | - | E |
持分法による投資損益 | 203,742 | △70,611 | △274,353 | - | F |
デリバティブ関連損益(投資損益を除く) | 1,104,221 | 619,587 | △484,634 | △43.9% | G |
SVFにおける外部投資家持分の増減額 | 170,701 | 1,145,779 | 975,078 | 571.2% | |
その他の損益 | 240,380 | △120,142 | △360,522 | - | H |
税引前利益 | 1,234,724 | △290,037 | △1,524,761 | - | |
法人所得税 | △585,430 | △468,203 | 117,227 | △20.0% | I |
純利益 | 649,294 | △758,240 | △1,407,534 | - | |
親会社の所有者に帰属する純利益 | 392,617 | △912,513 | △1,305,130 | - | |
包括利益合計 | 1,591,055 | 410,565 | △1,180,490 | △74.2% | |
親会社の所有者に帰属する包括利益 | 1,322,083 | 260,031 | △1,062,052 | △80.3% |
以下、要約四半期連結損益計算書の主要な科目および特筆すべき科目に関する概要を記載します。
A 売上高
ソフトバンク事業およびアーム事業はいずれも増収となりました。
B 持株会社投資事業からの投資損益
持株会社投資事業からの投資利益は3,699,600百万円となりました。アリババ株式先渡売買契約決済関連利益4,838,251百万円(アリババが関連会社から除外された時点で保有する同社株式の再測定益3,996,668百万円を含む)を計上した一方、アリババが関連会社から除外された時点から当第3四半期末までの同社株価の下落などに伴い、投資の未実現評価損失955,478百万円を計上しました。詳細は「b. セグメントの業績概況(a)持株会社投資事業」をご参照ください。
C SVF事業からの投資損益
SVF事業からの投資損失は5,006,755百万円となりました。なお、このうち外部投資家に帰属する投資損失は1,145,779百万円です。SVF1においては、Uber Technologies, Inc.(以下「Uber」)など6銘柄の全エグジット(全株式売却)1および複数の上場銘柄の一部株式の売却などにより投資の実現益48,148百万円(純額)を計上しました。一方、当第3四半期累計期間における多数の銘柄の株価下落を反映し、公開投資先について合計1,127,711百万円の未実現評価損失(純額)を計上しました。この主なものはSenseTime Group, Inc.(以下「SenseTime」)に係る損失293,654百万円、PT GoTo Gojek Tokopedia Tbk(以下「GoTo」)に係る損失258,339百万円およびDoorDash, Inc.に係る損失188,601百万円です。未公開投資先についても、業績の低迷や公開類似企業の株価下落などを反映し多数の銘柄で公正価値が減少したことにより、合計925,125百万円の未実現評価損失(純額)を計上しました。
SVF2においては、主にKE Holdings Inc.(以下「KE Holdings」)の全エグジットおよび複数の上場銘柄の一部株式の売却により、投資の実現損失2,695百万円(純額)を計上しました。また、公開投資先については主にAutoStore Holdings Ltd.(以下「AutoStore」)およびWeWork Inc.(以下「WeWork」)の株価下落、未公開投資先については業績の低迷や公開類似企業の株価下落などを反映した結果、合計2,322,449百万円の未実現評価損失(純額)を計上しました。詳細は「b. セグメントの業績概況(b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」をご参照ください。
主にB~Cの結果、投資損益合計は1,361,166百万円の損失となりました。
D 財務費用
持株会社投資事業で支払利息が108,018百万円増加しました。前述の本早期現物決済(先渡売買契約のうち242百万ADRを対象とした契約の早期現物決済)を実行したことに伴い先渡契約金融負債に係る未償却原価を一括償却した影響で、ソフトバンクグループ㈱2の支払利息が増加したことによるものです。
E 為替差損益
主にソフトバンクグループ㈱と国内の資金調達子会社の米ドル建て債務(子会社からの借入や外貨建て普通社債など)および米ドル建て現預金・貸付金について、前者が後者を上回っていたことから、為替レートが円安となったことにより為替差損727,984百万円(純額)を計上しました。
なお、ソフトバンク・ビジョン・ファンドなど機能通貨が外貨(主に米ドル)の在外子会社・関連会社の純資産については、為替換算レートが円安となったことにより円建ての価値が増加しましたが、そのプラス影響は為替差損益には含まれず、要約四半期連結財政状態計算書の資本の部の「その他の包括利益累計額」に在外営業活動体の為替換算差額の増加額1,227,567百万円として計上されています。
F 持分法による投資損益
アリババに係る持分法投資損益は前年同期比257,795百万円悪化の25,394百万円3の損失となりました。アリババはこれまで当社の持分法適用関連会社でしたが、当第2四半期に関連会社から除外されました。これは、本早期現物決済の過程で当社のアリババに対する議決権保有割合が20%を下回り、重要な影響力を喪失したことによるものです。
G デリバティブ関連損益(投資損益を除く)
アリババ株式の株価下落に伴い、同株式を利用した先渡売買契約等に係るデリバティブ関連利益549,134百万円を計上しました。
H その他の損益
2019年10月の当社とWeWorkの合意に基づく、(a)金融機関からWeWorkへの支払保証枠に対する当社およびSVF2によるクレジットサポート、(b)WeWork担保付シニア債券のSVF2による買い受けコミットメント、および(c)当社が保有するWeWork無担保債券について、予想信用損失を見積もった結果、当第3四半期累計期間において合計250,607百万円の損失を計上しました。このうち、237,485百万円は持株会社投資事業に計上されています。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記18.その他の損益」をご参照ください。
主にA~Hの結果、税引前利益は前年同期比1,524,761百万円悪化の290,037百万円の損失となりました。
I 法人所得税
法人所得税は468,203百万円となりました。ソフトバンク㈱やヤフー㈱で法人所得税を計上したほか、ソフトバンクグループ㈱、アリババ株式を利用した資金調達子会社および関連する中間持株会社(いずれも当社100%子会社)において法人所得税299,884百万円を計上しました。
主にA~Iの結果、親会社の所有者に帰属する純利益は前年同期比1,305,130百万円悪化の912,513百万円の損失となりました。
b.セグメントの業績概況
当社の報告セグメントは、当社の経営資源の配分の決定や業績の評価を行うための区分を基礎としています。当第1四半期よりSVF2の運営会社であるSBGAがLatAmファンドを運営することとなったことに伴い、セグメント管理区分を見直した結果、「ラテンアメリカ・ファンド事業」を「ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」に統合しました。当第3四半期末現在、「持株会社投資事業」、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」、「ソフトバンク事業」、「アーム事業」の4つを報告セグメントとしています。
報告セグメントの概要は以下の通りです。
セグメント名称 | 主な事業の内容 | 主な会社 | |
報告セグメント | |||
持株会社投資事業 | ・ソフトバンクグループ㈱およびその子会社による投資事業 | ソフトバンクグループ㈱ SoftBank Group Capital Limited ソフトバンクグループジャパン㈱ SB Northstar LP | |
ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業 | ・SVF1、SVF2およびLatAmファンドによる投資事業 | SB Investment Advisers (UK) Limited SoftBank Vision Fund L.P. SB Global Advisers Limited SoftBank Vision Fund II-2 L.P. SBLA Latin America Fund LLC | |
ソフトバンク事業 | ・コンシューマ事業:個人顧客を対象とした日本国内でのモバイルサービスの提供、携帯端末の販売、ブロードバンドサービスの提供 ・法人事業:法人顧客を対象とした日本国内でのモバイルサービスやソリューションサービスの提供 ・流通事業:法人顧客を対象としたICTサービス商材の提供、個人顧客を対象とした通信端末関連商品・IoT機器の提供 ・ヤフー・LINE事業:インターネット広告やイーコマースサービスの提供 ・金融事業:決済、金融サービスの提供 | ソフトバンク㈱ Zホールディングス㈱ ヤフー㈱ LINE㈱ PayPay㈱(注1) | |
アーム事業 | ・マイクロプロセッサーのIPおよび関連テクノロジーのデザイン ・ソフトウエアツールの販売および関連サービスの提供 | Arm Limited | |
その他 | ・オルタナティブ投資の資産運用事業 ・福岡ソフトバンクホークス関連事業 | Fortress Investment Group LLC 福岡ソフトバンクホークス㈱ |
(注1)2022年10月よりPayPay㈱はソフトバンク㈱およびZホールディングス㈱の子会社となったため、当第3四半期より、PayPay㈱の業績は「その他」ではなく「ソフトバンク事業」に含めて表示し、当第3四半期累計期間および前年同期について遡及修正しています。
(a)持株会社投資事業
1.本早期現物決済(アリババ株式を利用した先渡売買契約のうち242百万ADRを対象とした契約の早期現物決済)を実行した結果、合計5兆3,716億円の利益を計上。本現物決済の過程で当社のアリババに対する議決権保有割合が20%を下回ったため、同社は当社関連会社から除外
このほか、アリババが関連会社から除外された時点から当第3四半期末までの株価下落に伴い、投資の未実現評価損失9,480億円を計上 2.上記のアリババ株式に関連する損益を含めて投資利益およびデリバティブ関連利益をそれぞれ3兆6,997億円、6,311億円計上した一方で、為替差損7,254億円を計上したことにより、セグメント利益は3兆1,318億円に |
<事業概要>当事業においては、主にソフトバンクグループ㈱が、戦略的投資持株会社として直接または子会社を通じて投資活動を行っています。当事業は、ソフトバンクグループ㈱、SoftBank Group Capital Limited、ソフトバンクグループジャパン㈱(以下「SBGJ」)および資産運用子会社であるSB Northstarのほか、投資または資金調達を行う一部の子会社で構成されています。持株会社投資事業からの投資損益は、ソフトバンクグループ㈱が、直接または子会社を通じて保有する投資からの投資損益により構成されています。ただし、子会社からの受取配当金および子会社株式に係る減損損失などの子会社株式に関連する投資損益を含みません。
当事業を構成する会社が保有する投資先は、アリババやTモバイル、Deutsche Telekom AG(以下「ドイツテレコム」)など約120社と、SB Northstarからの投資先であり、そのほとんどがFVTPLの金融資産として認識されるものです。FVTPLの金融資産に該当する投資は、四半期ごとに公正価値を測定し、その変動額を「投資損益」として連結損益計算書に計上しています。
アリババへの投資
アリババはこれまで当社の持分法適用関連会社でしたが、当第2四半期に関連会社から除外されました。これは、本早期現物決済の過程において、当社のアリババに対する議決権保有割合が20%を下回り、重要な影響力を喪失したことによるものです。
アリババが関連会社から除外された時点において当社が保有する同社株式については、FVTPLの金融資産に分類し、当該時点の株価に基づき公正価値による再測定を行いました。それ以降、四半期ごとに公正価値を測定し、その変動額を「投資損益」として連結損益計算書に計上しています。
資産運用子会社からの上場株式等への投資
SB Northstarはソフトバンクグループ㈱の余剰資金を用いて上場株式等の取得および売却、上場株式に関連するデリバティブ取引および信用取引を行っています。当第3四半期累計期間における資産運用子会社に係る投資損失は1,378億円でした(活動開始来の累計投資損失:8,841億円)。引き続き事業規模を縮小しており、その株式等保有残高は前期末の3,159億円から当第3四半期末には961億円まで減少しています。
同社における持分は、ソフトバンクグループ㈱が67%、ソフトバンクグループ㈱代表取締役 会長兼社長執行役員の孫 正義が33%をそれぞれ間接的に保有しています。孫 正義の持分は非支配持分として同社の投資損益から差し引かれるため、投資損益の67%が親会社の所有者に帰属する純利益に影響を与えます。ソフトバンクグループ㈱が同社に対しファンド存続期間(12年+延長2年)満了時に債権を保有し、その債権に返済不能分が発生した場合、持分比率に応じて孫 正義は損害額を補償します。
<業績全般>
(単位:百万円) | |||||||
12月31日に終了した9カ月間 | |||||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | ||||
持株会社投資事業からの投資損益 | 15,848 | 3,699,716 | 3,683,868 | - | A | ||
アリババ株式先渡売買契約決済関連利益 | 68,050 | 4,838,251 | 4,770,201 | - | |||
Tモバイル株式売却関連損益 | 3,149 | 24,842 | 21,693 | 688.9% | |||
資産運用子会社からの投資の実現損益 | 68,315 | △69,904 | △138,219 | - | |||
資産運用子会社からの投資の未実現評価損益 | △259,294 | △62,815 | 196,479 | - | |||
資産運用子会社からの投資に係るデリバティブ関 連損益 | 123,726 | △4,996 | △128,722 | - | |||
投資の実現損益(注1) | △269,443 | △237,859 | 31,584 | - | |||
投資の未実現評価損益(注1) | 261,777 | △957,296 | △1,219,073 | - | |||
当期計上額 | △153,239 | △946,657 | △793,418 | - | |||
過年度計上額のうち実現損益への振替額(注2) | 415,016 | △10,639 | △425,655 | - | |||
投資に係るデリバティブ関連損益 | △4,211 | 155,534 | 159,745 | - | |||
為替換算影響額(注1)(注3) | 10,022 | - | △10,022 | - | |||
その他(注1) | 13,757 | 13,959 | 202 | 1.5% | |||
販売費及び一般管理費 | △62,426 | △44,199 | 18,227 | △29.2% | |||
財務費用 | △209,184 | △317,202 | △108,018 | 51.6% | B | ||
為替差損益 | △275,129 | △725,356 | △450,227 | - | C | ||
持分法による投資損益 | 221,680 | △24,708 | △246,388 | - | D | ||
デリバティブ関連損益(投資損益を除く) (主にアリババ株式の先渡売買契約の影響) | 1,106,657 | 631,115 | △475,542 | △43.0% | E | ||
その他の損益 | 175,531 | △87,599 | △263,130 | - | |||
セグメント利益(税引前利益) | 972,977 | 3,131,767 | 2,158,790 | 221.9% |
(注1)前年同期の各項目の数値について修正し再表示しています。持株会社投資事業からの投資損益の金額に影響はありません。
(注2)当第3四半期累計期間に実現した投資に係る未実現評価損益の過年度計上額を「投資の実現損益」に振り替えています。
(注3)投資の未実現評価損益は当該評価損益が生じた四半期の平均為替レートを用いて換算する一方、投資の実現損益は当該株式を処分した四半期の平均為替レートを用いて換算します。「為替換算影響額」は、未実現評価損益と実現損益の換算に使用する為替レートの差により生じた金額です。
上表のうち、アリババ株式を利用した先渡売買契約に関連する主な損益
持株会社投資事業からの投資損益 | 68,050 | 3,679,303 | ||
アリババ株式先渡売買契約決済関連利益 | 68,050 | 4,838,251 | ||
うち、当社関連会社から除外時に保有していたアリババ株式の再測定益 | - | 3,996,668 | ||
投資の実現損益(関連会社から除外後に実行された現物決済に伴う売却損) | - | △210,919 | ||
投資の未実現評価損益(当第3四半期末に引き続き保有するアリババ株式に係る関連会社除外時からの株価下落に伴う評価損) | - | △948,029 | ||
財務費用 | △9,469 | △95,747 | ||
デリバティブ関連損益(投資損益を除く) | 1,058,206 | 549,134 |
A 持株会社投資事業からの投資利益:3,699,716百万円
・アリババ株式を利用した先渡売買契約の一部を現物決済したことに伴い、アリババ株式先渡売買契約決済関連利益4,838,251百万円を計上しました。本関連利益には、アリババ株式の再測定益3,996,668百万円が含まれています。
・Tモバイル株式売却関連利益24,842百万円を計上しました。これは、2022年4月のドイツテレコムによるコールオプションの一部行使に伴い、当社が保有するTモバイル株式21.2百万株を同社に売却したことによるものです。
・資産運用子会社からの投資の実現損失69,904百万円、資産運用子会社からの投資の未実現評価損失62,815百万円をそれぞれ計上しました。これはSB Northstarによる上場株式等への投資の結果です。
・投資の実現損失237,859百万円を計上しました。これは主に、アリババが当社関連会社から除外された後に実行された同社株式を利用した先渡売買契約の現物決済に伴い、同社株式に係る実現損失210,919百万円を計上したことによるものです。
・投資の未実現評価損失957,296百万円を計上しました。これは主に、アリババが当社関連会社から除外された時点から当第3四半期末までの同社株価下落に伴い、当第3四半期末時点で保有するアリババ株式に係る未実現評価損失948,029百万円を計上したことによるものです。
・投資に係るデリバティブ関連利益155,534百万円を計上しました。これは主に、当社が所有する一定の条件を満たした際にTモバイル株式を無償で取得できる権利に係るデリバティブ関連利益147,567百万円を計上したことによるものです。
B 財務費用:317,202百万円(前年同期比108,018百万円増加)
ソフトバンクグループ㈱2の支払利息が前年同期比114,006百万円増の314,363百万円となりました。主に、本早期現物決済に伴い先渡契約金融負債に係る未償却原価を一括償却した影響によるものです。
C 為替差損:725,356百万円
主にソフトバンクグループ㈱と国内の資金調達子会社の米ドル建て債務(子会社からの借入や外貨建て普通社債など)および米ドル建て現預金・貸付金について、前者が後者を上回っていたことから、為替レートが円安となったことにより為替差損725,356百万円(純額)を計上しました。
D 持分法による投資損失:24,708百万円(前年同期比246,388百万円悪化)
アリババに係る持分法投資損益は前年同期比257,795百万円悪化の25,394百万円3の損失となりました。アリババはこれまで当社の持分法適用関連会社でしたが、当第2四半期に関連会社から除外されました。これは、本早期現物決済の過程で当社のアリババに対する議決権保有割合が20%を下回り、重要な影響力を喪失したことによるものです。
E デリバティブ関連利益(投資損益を除く):631,115百万円
アリババ株式の株価下落に伴い、同株式を利用した先渡売買契約等に係るデリバティブ関連利益549,134百万円を計上しました。
資産運用子会社の当社要約四半期連結財政状態計算書への影響(注1)
(単位:百万円) | |||
2022年12月31日 | |||
現金及び現金同等物 | 3,923 | ||
資産運用子会社からの投資 | 96,147 | ||
資産運用子会社におけるデリバティブ金融資産 | 129 | ||
その他 | 703 | ||
資産合計 | 100,902 | ||
営業債務及びその他の債務 | 40 | ||
負債合計 | 40 | ||
Delaware子会社からの出資(注2) | 912,989 | ||
ソフトバンクグループ㈱からDelaware子会社への現金出資相当額 | 39,786 | ||
ソフトバンクグループ㈱からDelaware子会社への貸付相当額 (ソフトバンクグループ㈱からの運用委託金) | 853,310 | ||
孫 正義からDelaware子会社への現金出資相当額 | 19,893 | A | |
利益剰余金 | △890,439 | B | |
為替換算差額 | 78,312 | ||
純資産 | 100,862 | C |
(注1)SB NorthstarからSB Investment Advisers (US) Inc.子会社のSPAC(特別買収目的会社)への投資の影響を除いたSB Northstarの財政状態計算書を、当社連結財政状態計算書への同社の影響を示すための参考情報として記載しています。
(注2)当社の子会社であるDelaware Project 1 L.L.C.、Delaware Project 2 L.L.C.およびDelaware Project 3 L.L.C.(以下「Delaware子会社」)から資産運用子会社であるSB Northstarへの出資額
(非支配持分の計算)
(単位:百万円) | ||
孫 正義からDelaware子会社への現金出資相当額 | 19,893 | A |
非支配持分損益(累計)(注3) | △296,717 | |
為替換算差額 | 30,761 | |
非支配持分(孫 正義の持分) | △246,063 | D |
(注3)表中Bの3分の1
(純資産(上記C)に対する持分)
(単位:百万円) | ||
ソフトバンクグループ㈱の持分 | 346,925 | |
非支配持分(孫 正義の持分) | △246,063 | D |
純資産 | 100,862 | C |
当事業における主な有利子負債およびリース負債
借入者 | 種別 | 当第3四半期末 要約四半期連結 財政状態計算書残高 |
ソフトバンクグループ㈱ | 借入金 | 3,690億円 |
社債 | 5兆7,212億円 | |
リース負債 | 111億円 | |
コマーシャル・ペーパー | 1,930億円 | |
資金調達を行う100%子会社 (注1) | アーム株式を利用した借入(アセットバック・ファイナンス) | 1兆1,169億円 |
アリババ株式を利用した株式先渡売買契約(フロア契約、カラー契約およびフォワード契約) | 2兆4,152億円 | |
ソフトバンク㈱株式を利用した借入(マージン・ローン) | 4,998億円 | |
Tモバイル株式を利用した株式先渡売買契約(カラー契約) | 3,727億円 | |
ドイツテレコム株式を利用したカラー取引 | 4,328億円 |
(注1)資金調達を行う100%子会社による借入はソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。
(b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業
1.活動開始来累計損益はSVF1で110億米ドルのプラス、SVF2で167億米ドルのマイナス(注1) 市場環境:2022年9月末から12月末にS&P500指数は7.1%、NASDAQ-100 Technology Sector指数は0.5%、Thomson Reuters Venture Capital指数は6.8%それぞれ上昇 SVF1:投資額896億米ドルに対しリターン(売却額等+保有投資の公正価値)1,006億米ドル、活動開始来累計利益は110億米ドル ・当第3四半期累計期間の投資損失は177億米ドル(2兆3,654億円) ・当第3四半期末に保有する投資の合計公正価値が前四半期末比4.4%減少(注2) -公開投資先(注3):前四半期末比0.4%増加。DiDi、Roivant、Grabなどの株価が上昇した一方、GoTo、Coupangなどの株価下落が影響 -未公開投資先(注3):前四半期末比6.9%減少。未公開投資先の公正価値算定に用いた評価手法に応じて業績の低迷や資本コストの上昇などを反映した結果、公正価値が減少 SVF2:投資額499億米ドルに対しリターン332億米ドル、活動開始来累計損失は167億米ドル ・当第3四半期累計期間の投資損失は168億米ドル(2兆2,400億円) ・当第3四半期末に保有する投資の合計公正価値が前四半期末比6.2%減少 -公開投資先:前四半期末比12.1%増加。AutoStoreなどの株価が上昇した一方、WeWorkなどの株価下落が影響 -未公開投資先:前四半期末比8.4%減少。未公開投資先の公正価値算定に用いた評価手法に応じて業績の低迷などを反映した結果、多数の銘柄で公正価値が減少
2.「守りの姿勢」の継続:厳しい市場環境下、大幅に投資を縮小する一方、規律あるアプローチのもと投資の資金化を継続 ◆ 当第3四半期累計期間にSVF1および2でUber、KE Holdingsを含む8銘柄の全株式および複数の上場銘柄の一部株式などを合計52.6億米ドルで売却1(SVF1:46.6億米ドル、SVF2:6.0億米ドル) ◆ 当第3四半期累計期間にSVF1および2で合計27.6億米ドルを投資(SVF1:4.2億米ドル、SVF2:23.4億米ドル、新規および追加投資の合計)1。前年同期の投資額合計392.4億米ドルから大幅に縮小 |
(注1)累計リターンおよび投資損益は外部投資家持分および税金等の控除前のグロスの金額です。以下本項の累計パフォーマンスの表示において同じです。
(注2)当第3四半期中に実行した投資と売却による変動を除いた公正価値(米ドルベース)の増減率です。なお、投資先の公開/未公開の区分は、当第3四半期末時点の状態に基づいており、当第3四半期中に公開/未公開の区分が変更になった投資先については、当第2四半期末の状態を当第3四半期末時点の状態に合わせた上で比較を行っています。以下本項における四半期末に保有する投資の公正価値の増減において同じです。
(注3)公開投資先は証券取引所および店頭市場で取引される株式を、未公開投資先は公開投資先に該当しない投資先を指します。以下同じです。
(注4)「エグジットした投資」の当期損益計上額は、当該投資のエグジット金額から投資額を差し引いた金額です。過年度または当第1四半期および当第2四半期に計上した当該投資に係る未実現評価損益については、「当期にエグジットした投資の未実現評価損益過去計上額の振替」に表示しています。そのため、「エグジット前の投資」の当第1四半期および当第2四半期決算において開示した当第1四半期(4~6月)および当第2四半期(7~9月)の損益計上額と、当第3四半期(10~12月)の損益計上額との合計は、当第3四半期累計期間(4~12月)の損益計上額と一致しない場合があります。
(注5)投資額は、デリバティブについてはデリバティブ原価を表します。リターンは、エグジットした投資についてはエグジット金額を、エグジット前の投資については公正価値を、デリバティブについては既決済契約の決済額または未決済契約の公正価値を、受取利息または配当金については各受領額を指します。
<事業概要>当事業の業績には、主にソフトバンク・ビジョン・ファンド1(SVF1)、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SVF2)およびソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド(LatAmファンド)における投資および事業活動の結果が含まれています。
当事業における主なファンドの概要
2022年12月31日現在
SVF1およびSVF2
「ユニコーン4」を中心に、AIを活用した成長可能性の大きな企業へ投資し、中長期的視点から投資成果を最大化することを目指しています。SVF1の投資期間は終了しましたが、合弁会社への投資を含む既存投資先への追加投資や固定分配、ファンド運営関連費用への充当を目的に出資コミットメント総額の残額が留保されています。
SVF1 | SVF2 | |
主なリミテッド・ パートナーシップ | SoftBank Vision Fund L.P. | SoftBank Vision Fund II-2 L.P. |
出資コミットメント総額 | 986億米ドル | 560億米ドル |
当社:331億米ドル(注1) 外部投資家:655億米ドル | 当社:534億米ドル 外部投資家(MgmtCo):26億米ドル(注2) | |
運営会社 | SBIA(当社英国100%子会社) | SBGA(当社英国100%子会社) |
投資期間 | 2019年9月12日に終了 | 運営会社の裁量により決定 |
存続期間 | 2029年11月20日まで(SBIAに最大2回の1年延長オプションあり) | 2032年10月4日まで(SBGAに最大2回の1年延長オプションあり) |
(注1)SVF1への当社の出資コミットメントは、アーム株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される25億米ドルを含みます。
(注2)SVF2には当社経営陣による共同出資プログラムが導入されており、経営陣の投資エンティティであるMASA USA LLC(以下「MgmtCo」)が参画しています。当社連結財務諸表上、MgmtCoの出資持分は外部投資家持分として扱われています。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記21.関連当事者との取引(1)配当受領権制限付き共同出資プログラム a.SVF2と関連当事者との取引」をご参照ください。
LatAmファンド
急速に発展するラテンアメリカで、データとテクノロジーを活用し産業の変革を目指す企業に投資しています。
LatAmファンド | |
主なリミテッド・ライアビリティ・カンパニー | SBLA Latin America Fund LLC |
出資コミットメント総額 | 76億米ドル(注1) |
運営会社 | SBGA(当社英国100%子会社) |
投資期間 | 運営会社の裁量により決定 |
存続期間 | 2032年10月4日まで (SBGAに最大2回の1年延長オプションあり) |
(注1)LatAmファンドには当社経営陣による共同出資プログラムが導入されており、MgmtCoが参画しています。当社連結財務諸表上、MgmtCoの出資持分は外部投資家持分として扱われています。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記21.関連当事者との取引(1)配当受領権制限付き共同出資プログラム b.LatAmファンドと関連当事者との取引」をご参照ください。
SVFにおける借入
SVF1、SVF2およびLatAmファンドは、レバレッジの活用や手元流動性の確保などを目的として、ソフトバンクグループ㈱にはノンリコースの借入を独自に行うことがあります。借入の種類には、リターンの向上およびリミテッド・パートナーへの分配を目的とした保有資産を活用するアセットバック・ファイナンスや、キャピタル・コールから着金までの期間のつなぎ資金を確保し投資決定後の速やかな投資実行を可能にするリボルビングローンであるファンド・レベル・ファシリティーがあります。
投資先の公正価値評価
SVF1、SVF2およびLatAmファンドはIFRS第13号「公正価値測定」に従い、SBIA Global Valuation PolicyおよびInternational Private Equity and Venture Capital Valuation Guidelines(IPEVガイドライン)に基づいて、毎四半期末日における投資先の公正価値を算定しています。公開投資先のうち、証券取引所で取引される株式については相場価格を用いて、店頭市場で取引される株式については相場価格および観察可能なその他のインプットを単一もしくは複数用いて公正価値を算定しています。未公開投資先の公正価値算定については、公開類似企業の情報を用いたマーケット・アプローチ、予想される将来キャッシュ・フローを用いたインカム・アプローチに加えて、直近の資金調達ラウンドや類似取引の価格を用いた取引事例法などの評価手法を単一もしくは複数用いています。
<業績全般>
(単位:百万円) | ||||||||
12月31日に終了した9カ月間 | ||||||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | |||||
SVF事業からの投資損益(注1) | △441,004 | △5,042,699 | △4,601,695 | - | A | |||
SVF1、SVF2およびLatAmファンドからの投資損益 | △442,882 | △5,048,141 | △4,605,259 | - | ||||
投資の実現損益(注2) | 1,118,510 | 47,040 | △1,071,470 | △95.8% | ||||
投資の未実現評価損益 | △1,591,806 | △5,020,518 | △3,428,712 | - | ||||
当期計上額 | △400,818 | △4,855,290 | △4,454,472 | - | ||||
過年度計上額のうち実現損益への振替額 (注2) | △1,190,988 | △165,228 | 1,025,760 | - | ||||
投資先からの利息及び配当金 | 25,361 | 1,190 | △24,171 | △95.3% | ||||
投資に係るデリバティブ関連損益 | 51,217 | 16,191 | △35,026 | △68.4% | ||||
為替換算影響額 | △46,164 | △92,044 | △45,880 | - | ||||
その他の投資損益 | 1,878 | 5,442 | 3,564 | 189.8% | ||||
販売費及び一般管理費 | △61,431 | △53,184 | 8,247 | △13.4% | ||||
財務費用 | △19,812 | △59,074 | △39,262 | 198.2% | ||||
デリバティブ関連損益(投資損益を除く) | 1,013 | 865 | △148 | △14.6% | ||||
SVFにおける外部投資家持分の増減額 | 170,701 | 1,145,779 | 975,078 | 571.2% | B | |||
その他の損益 | △300 | △2,437 | △2,137 | - | ||||
セグメント利益(税引前利益) | △350,833 | △4,010,750 | △3,659,917 | - |
(注1)当社子会社(主にアーム、PayPay㈱)へのソフトバンク・ビジョン・ファンドからの投資の公正価値の変動により計上される未実現評価損益ならびに受取配当金は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業のセグメント利益において「SVF事業からの投資損益」に含まれますが、連結上消去し、連結損益計算書上の「SVF事業からの投資損益」には含まれません。
(注2)当期に実現した投資に係る未実現評価損益の過年度計上額を「投資の実現損益」に振り替えています。
SVF1およびSVF2の投資・売却実績
(単位:十億米ドル) | |||||||||
期中投資実行額 | 期中売却額5 | ||||||||
当第1四半期 | 当第2四半期 | 当第3四半期 | 累計 | 当第1四半期 | 当第2四半期 | 当第3四半期 | 累計 | ||
SVF1 | 0.06 | 0.20 | 0.16 | 0.42 | 2.10 | 0.93 | 1.63 | 4.66 | |
SVF2 | 2.11 | 0.13 | 0.10 | 2.34 | 0.51 | 0.06 | 0.03 | 0.60 |
(注)投資・売却の実績には株式交換を含みます。投資額は、新規および既存投資先への追加投資を含みます。
セグメント利益
A SVF事業からの投資損失:5,042,699百万円
(単位:百万円) | ||||
12月31日に終了した9カ月間 | ||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | |
SVF1からの投資損益 | △624,234 | △2,365,421 | △1,741,187 | - |
SVF2からの投資損益 | 44,487 | △2,239,999 | △2,284,486 | - |
LatAmファンドからの投資損益 | 136,865 | △442,721 | △579,586 | - |
SVF1、SVF2およびLatAmファンドからの投資損益 | △442,882 | △5,048,141 | △4,605,259 | - |
B SVFにおける外部投資家持分の増減額:1,145,779百万円
各ファンドからの投資損益から、①SBIAがSVF1から受領する管理報酬および成功報酬、②SBGAがSVF2から受領する管理報酬および業績連動型管理報酬、③SBGAがLatAmファンドから受領する管理報酬、業績連動型管理報酬および成功報酬、④各ファンドの営業費用およびその他の費用を控除した金額を、持分に応じて外部投資家に分配した成果分配額および固定分配額の合計です。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記6.ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業 (2)SVFにおける外部投資家持分」をご参照ください。
投資の状況
2022年12月31日現在
SVF1
(単位:十億米ドル)
合計(下記①+②+③+④)
累計 投資 銘柄数 | 累計 投資額 | 累計 リターン | 累計損益 (注1) | ||
100 | 89.6 | 100.6 | 11.0 |
(参考)
累計 投資 銘柄数 | 累計 投資額 | 累計 リターン | 累計損益 (注1) | ||
株式交換による影響 | △4 | △2.0 | △2.0 | - | |
Uber Advanced Technologies GroupとAurora Innovation Inc. | |||||
PT TokopediaとGoTo | |||||
Grofers International Pte. Ltd.とZomato Limited | |||||
Zymergen, Inc.とGinkgo Bioworks Holdings, Inc. | |||||
現物配当による影響 | △2 | - | - | - | |
Treasure Data, Inc. | |||||
Acetone Limited(アーム中国合弁会社持分) | |||||
株式交換および現物配当 による影響考慮後(注2)(注3) | 94 | 87.6 | 98.6 | 11.0 |
①エグジットした投資
銘柄数 | 投資額 | エグジット 金額 | 累計 実現損益 (注1) | 実現損益 当期計上額 | ||||
10~12月 | 4~12月 | |||||||
一部エグジット | - | 2.9 | 11.5 | 8.6 | 1.3 | |||
全部エグジット(注4) | 22 | 20.2 | 30.1 | 9.9 | △1.0 | |||
合計 | 22 | 23.1 | 41.6 | 18.5 | 0.3 | 0.3 |
②エグジット前の投資(当第3四半期末に保有する投資)(注5)
銘柄数 | 投資額 | 公正価値 | 累計 未実現 評価損益 (注7) | 未実現評価損益 当期計上額 | ||||
10~12月 | 4~12月 | |||||||
公開株式(注6) | 23 | 31.4 | 19.9 | △11.5 | 0.1 | △8.6 | ||
未公開株式 | 55 | 35.1 | 36.7 | 1.6 | △2.7 | △7.4 | ||
合計 | 78 | 66.5 | 56.6 | △9.9 | △2.6 | △16.0 |
③デリバティブ
デリバ ティブ 原価 | 公正価値 /決済額 | 累計 デリバティブ 関連損益 | デリバティブ関連損益当期計上額 | |||||
10~12月 | 4~12月 | |||||||
未決済 | - | 0.0 | 0.0 | 0.0 | ||||
既決済 | 0.0 | 1.5 | 1.5 | - | ||||
合計 | 0.0 | 1.5 | 1.5 | 0.0 | 0.0 |
④投資先からの利息および配当金
利息および 配当金 | 累計損益 | 利息および配当金 当期計上額 | ||||||
10~12月 | 4~12月 | |||||||
合計 | 0.9 | 0.9 | - | - |
(注)各項目の金額は、単位未満を四捨五入しているため、内訳の計と合計が一致しない場合があります。
(注1)外部投資家持分および税金等の控除前
(注2)累計投資パフォーマンスを純額で示すため、株式交換を行った投資について交換先の株式の取得額および当初保有株式の処分額(売却額)をそれぞれ控除しています。また、既存投資先からの現物配当として受領した投資について投資件数から控除しています。
(注3)記載されている株式交換に加えて、SVF1は過年度において既存投資先2社の株式を同じく既存投資先であるその関係会社株式に交換したため、当項目において該当する投資の取得額および処分額(売却額)をそれぞれ控除しています。
(注4)株式交換による処分(売却)を含みます。
(注5)投資先の公開/未公開の区分は、当第3四半期末時点の状態に基づいています。
(注6)公開株式には店頭市場で取引されているDiDi Global Inc.への投資を含みます。
(注7)当社からSVF1への移管が決定されていたものの実行されなかった投資について、移管の取りやめを決定するまでの期間に発生した未実現評価損益は含めていません。
SVF2
(単位:十億米ドル)
合計(下記①+②+③+④)
累計 投資 銘柄数 | 累計 投資額 | 累計 リターン | 累計損益 (注1) | ||
273 | 49.9 | 33.2 | △16.7 |
①エグジットした投資
銘柄数 | 投資額 | エグジット 金額 | 累計 実現損益 (注1) | 実現損益 当期計上額 | ||||
10~12月 | 4~12月 | |||||||
一部エグジット | - | 0.2 | 0.1 | △0.1 | △0.0 | |||
全部エグジット | 3 | 1.4 | 2.6 | 1.2 | 0.0 | |||
合計 | 3 | 1.6 | 2.7 | 1.1 | △0.0 | △0.0 |
②エグジット前の投資(当第3四半期末に保有する投資)(注2)
銘柄数 | 投資額 (注4) | 公正価値 (注4) | 累計 未実現 評価損益 | 未実現評価損益 当期計上額 | ||||
10~12月 | 4~12月 | |||||||
公開株式(注3) | 14 | 8.1 | 3.9 | △4.2 | 0.4 | △4.8 | ||
未公開株式 | 256 | 40.2 | 26.8 | △13.4 | △2.4 | △12.2 | ||
合計 | 270 | 48.3 | 30.7 | △17.6 | △2.0 | △17.0 |
③デリバティブ
デリバ ティブ 原価 | 公正価値 /決済額 | 累計 デリバティブ 関連損益 | デリバティブ関連損益当期計上額 | |||||
10~12月 | 4~12月 | |||||||
未決済 | - | △0.1 | △0.1 | 0.2 | ||||
既決済 | - | △0.1 | △0.1 | △0.1 | ||||
合計 | - | △0.2 | △0.2 | △0.2 | 0.1 |
④投資先からの利息および配当金
利息および 配当金 | 累計損益 | 利息および配当金 当期計上額 | ||||||
10~12月 | 4~12月 | |||||||
合計 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
(注)各項目の金額は、単位未満を四捨五入しているため、内訳の計と合計が一致しない場合があります。
(注1)外部投資家持分および税金等の控除前
(注2)投資先の公開/未公開の区分は、当第3四半期末時点の状態に基づいています。
(注3)公開株式には店頭市場で取引されているZhangmen Education Inc.への投資を含みます。
(注4)SVF2のエグジット前の投資の投資額および公正価値には、投資の取得対価の一部として受領した他会社の非支配持分に係るものが含まれています。
資金の状況
2022年12月31日現在
SVF1
(単位:十億米ドル) | ||||
合計 | 当社 | 外部投資家 | ||
出資コミットメント(A) | 98.6 | 33.1 | 65.5 | |
拠出額6(B) | 87.2 | 29.9 | 57.3 | |
拠出額返還額(再コール不可)(C) | 33.0 | 9.2 | 23.8 | |
拠出額残高(D)=(B)-(C) | 54.2 | 20.7 | 33.5 | |
コミットメント残額(E)=(A)-(B) | 11.4 | 3.2 | 8.2 |
(注)SVF1への当社の出資コミットメントは、アーム株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される25億米ドルを含みます。
SVF2
(単位:十億米ドル) | |
合計 | |
出資コミットメント(A) | 56.0 |
拠出額(B) | 50.7 |
コミットメント残額(C)=(A)-(B) | 5.3 |
(注)コミットメント残額には再コール可能な払込資金返還額を含みます。
(参考:2022年12月31日現在 出資コミットメントの内訳)
出資コミットメント合計 | 56.0 | |
共同出資プログラムの対象外の投資への当社エクイティ出資 | 8.9 | |
SVF2 LLCへの当社プリファード・エクイティ出資(注1) | 32.1 | |
SVF2 LLCへの当社エクイティ出資 | 12.4 | |
SVF2 LLCへのMgmtCoエクイティ出資 | 2.6 |
(注)当第3四半期末現在、MgmtCoによる出資額の支払いは実施されていません。
(注1)SVF2 LLC(SVF II Investment Holdings LLC)はSVF2の傘下に設立された当社の子会社であり、共同出資プログラムの対象となる投資を間接的に保有しています。
当第3四半期末現在、ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドに対する出資コミットメント総額は76億米ドル、拠出額は72億米ドルです。
(c)ソフトバンク事業
主にモバイルサービスの通信料値下げの影響を受けたコンシューマ事業や、ヤフー・LINE事業の減益により、セグメント利益は前年同期比22.2%減少 |
(単位:百万円) | ||||
12月31日に終了した9カ月間 | ||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 4,207,250 | 4,388,232 | 180,982 | 4.3% |
セグメント利益(税引前利益) | 700,824 | 545,543 | △155,281 | △22.2% |
減価償却費及び償却費 | △552,678 | △559,493 | △6,815 | 1.2% |
投資損益 | 21,506 | △26,215 | △47,721 | - |
財務費用 | △46,452 | △47,588 | △1,136 | 2.4% |
持分法による投資損益 | △25,821 | △32,559 | △6,738 | - |
デリバティブ関連損益(投資損益を除く) | 289 | 801 | 512 | 177.2% |
その他の損益 | △8,429 | △29,140 | △20,711 | - |
(注)2022年10月よりPayPay㈱はソフトバンク㈱およびZホールディングス㈱の子会社となったため、当第3四半期より、PayPay㈱の業績は「その他」ではなく「ソフトバンク事業」に含めて表示し、当第3四半期累計期間および前年同期について遡及修正しています。
<事業概要>当事業の業績には、ソフトバンク㈱が主に日本国内で行っているモバイルサービスの提供や携帯端末の販売、ブロードバンドサービスやイーコマースサービスの提供などの事業活動の結果が含まれています。「Beyond Carrier」戦略の下、通信事業をさらに成長させることに加えて、従来の通信キャリアという枠組みを超え、ヤフー・LINEおよび新領域を加えた3つの領域を伸ばしていくことで収益基盤の強化に取り組んでいます。直近では、2022年10月にPayPay㈱を子会社化し、Zホールディングス㈱とともに新領域の中核を担う決済・金融サービスの拡大に注力しています。
<業績全般>セグメント利益は、主にコンシューマ事業やヤフー・LINE事業が減益となったほか、投資損益が悪化したことなどにより、前年同期比155,281百万円(22.2%)減少の545,543百万円となりました。
コンシューマ事業は、主にモバイルサービスの通信料値下げの影響により減益となりました。ヤフー・LINE事業は、コマースや広告関連サービスを中心に売上が拡大したものの、成長に向けた人員強化に伴い人件費が増加したことなどにより減益となりました。法人事業は、企業のデジタル化が加速する中でクラウドサービスなどの売上が拡大した一方、売上拡大に伴う原価の増加や訴訟に係る引当金を計上したことなどにより利益は横ばいとなりました。投資損益の悪化は、ソリューションサービスの強化を目的に出資した投資先などの公正価値減少によるものです。
なお、LINE㈱傘下でフードデリバリーサービスを展開する㈱出前館に係る持分法投資の減損損失31,304百万円をその他の損失として計上しました。この減損損失が当社の親会社の所有者に帰属する純利益に与えたマイナス影響額は2,965百万円でした。
<ソフトバンク㈱によるPayPay㈱子会社化の影響なし>ソフトバンク㈱ではPayPay㈱の子会社化を契機として、当第3四半期より、非支配株主が存在する中で行われた共通支配下の取引について、会計処理を簿価引継法(持分プーリング法)から取得法に変更しました。これに伴い、当第3四半期にPayPay㈱の子会社化に係る企業結合に伴う再測定益294,843百万円およびPayPay㈱に係る識別可能無形資産の償却費を計上しました。また、当該会計方針の変更により、2019年6月に同社が実施したヤフー㈱(現Zホールディングス㈱)の子会社化等、過去に非支配株主が存在する中で行われた共通支配下の取引についても取得法を遡及適用しました。これにより、ソフトバンク㈱の前期末の連結財政状態計算書において、資産、負債および資本が増加しました。さらに、当第3四半期累計期間および前年同期の連結損益計算書において、当該会計方針の変更に伴い認識したZホールディングス㈱に係る識別可能無形資産の償却費を計上しました。
しかし、ソフトバンクグループ㈱の連結財務諸表においては、PayPay㈱およびZホールディングス㈱は一貫して連結子会社であるため、これらの影響はありません。
(d)アーム事業
1.事業は堅調に進展し、ロイヤルティー収入は第3四半期累計ベースでアーム史上最高、ライセンスに対する需要は好調に推移 ◆ 米ドルベースの売上高は、前年同期に非常に好調だった非ロイヤルティー収入が減少したものの、ロイヤルティー収入が引き続き好調に成長し、前年同期比3.7%増。円ベースでは当社連結財務諸表の作成に使用される為替換算レートの円安影響により同27.1%増 -ロイヤルティー収入が18.6%増(米ドルベース):インフラ分野におけるシェアの拡大、IoT端末搭載チップ数の増加、スマートフォン向けチップのロイヤルティー単価上昇が増収に貢献 -非ロイヤルティー収入が15.4%減(米ドルベース):アーム史上最高の売上を記録した前年同期に比べれば減収となったものの、引き続きアームライセンスへの需要は強く前年同期に次ぐ高水準の売上を記録。前年同期には、過年度に大口顧客との間で契約が締結された複数の大型案件の売上を認識。四半期ベースでは、前年同期比64.7%増。 ◆ 米ドルベースのセグメント利益は、主に増収に伴い前年同期比増益。円ベースも当社連結財務諸表の作成に使用される為替換算レートの円安影響により同76.6%増 2.株式上場の実現に向けた準備を継続 2022年12月に2名の新任独立取締役が就任。取締役8名のうち独立取締役が4名(2022年12月末現在)に。 |
(単位:百万円) | ||||
12月31日に終了した9カ月間 | ||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 227,370 | 288,952 | 61,582 | 27.1% |
セグメント利益(税引前利益)(注1) | 31,088 | 54,901 | 23,813 | 76.6% |
(注1)セグメント利益には、アーム買収時に行った取得原価配分により計上した無形資産の償却費が、当第3四半期累計期間は46,359百万円、前年同期は37,877百万円含まれています。
<事業概要>アームは主に、低消費電力型マイクロプロセッサーおよび関連テクノロジーのデザインなど、半導体のIP(回路の設計情報などの知的財産)のライセンス事業を行っています。2016年当社による買収後、アームは技術関連人員の増強により研究開発投資を加速し技術力を強化しました。その技術力を基にアームは既存市場でのシェアを維持・獲得するとともに、新規市場への進出も果たしました。アームは株式公開に向けて、顧客の将来の技術ニーズに応えるソリューションの研究開発投資を拡大し続ける一方で、非技術関連部門の効率化にも注力しています。
マネジメント体制の強化
株式上場に向けた準備を進めるにあたり、アームではマネジメント体制のさらなる強化を図っています。新たな取締役として、XCOM Labsの会長兼CEOでありQualcomm Inc.の元CEO兼執行会長のポール・E・ジェイコブスと、Intelのデータセンター/AIセールス担当コーポレート・バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務めたローズマリー・スクーラーが2022年12月に就任しました。これにより、取締役8名のうち独立取締役が4名(2022年12月末現在)となりました。
市場の動向とその影響
アームの業績は半導体市場の動向にプラスにもマイナスにも大きく影響を受けることがあります。市場の売上高はその成長に応じて増加し、アームのロイヤルティー収入の増加をもたらします。また、市場の成長はアームの顧客による活発な製品設計活動を促す可能性があり、アームがより多くの最新テクノロジーをライセンスする機会が生まれ、非ロイヤルティー収入(ライセンス収入およびソフトウエア・サービス収入)の増加につながります。
半導体市場は、より多くの運転情報やドライブアシストが自動車で提供されたり、スマートフォンのカメラ技術が世代ごとに向上するなど、より多くの製品やサービスが組み込みインテリジェンスを用いてスマート化する長期的なトレンドを背景に、当第3四半期累計期間では前年同期から引き続き成長を示しました。しかしながら、四半期ベースの成長は、約2年にわたり高い水準で推移した後、当期前半に減速し、当第3四半期にはマイナスに転じました。アームの一部顧客は、半導体バリューチェーン全体で在庫水準が非常に高く、これが低下するまでの期間は当該顧客の収益が短期的に減少する可能性があることを示唆しています。
半導体市場は現在、在庫調整、貿易摩擦に伴う特定企業への制裁、サプライチェーンの混乱、一時的な部材不足などその他の外部要因の影響にさらされています。今後、これらの影響により、コンシューマー・エレクトロニクスなどの出荷数が弱含んだ場合にはアームのロイヤルティー収入の押し下げ要因となる可能性があるほか、収入減に直面したライセンシーが新規ライセンス契約の締結を延期する動向が生じた場合には非ロイヤルティー収入も押し下げられる可能性があります。しかしながら、このような事象がいつ発生し、半導体業界全体やアームにどのような影響を及ぼすかを見通すことは困難です。
長期的には、コンシューマーおよびエンタープライズ・エレクトロニクスの高度化が進むにつれ、アームのテクノロジーが活用される機会は拡大していくと期待しています。
<業績全般>売上高(米ドルベース)
アームの売上は主に米ドル建てであるため、本項の売上高は米ドルベースの実績を記載しています。
(単位:百万米ドル) | ||||
12月31日に終了した9カ月間 | ||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | |
テクノロジー・ロイヤルティー収入 | 1,149 | 1,362 | 213 | 18.6% |
非ロイヤルティー収入 | 896 | 758 | △138 | △15.4% |
売上高合計 | 2,045 | 2,120 | 75 | 3.7% |
売上高は、前年同期に比べ75百万米ドル(3.7%)の増収となりました。非ロイヤルティー収入が減少したものの、テクノロジー・ロイヤルティー収入が好調に推移しました。
テクノロジー・ロイヤルティー収入
テクノロジー・ロイヤルティー収入は前年同期から213百万米ドル(18.6%)増加しました。アームのテクノロジーを採用したハイエンド5Gスマートフォン(より高いロイヤルティー単価が見込まれる最新アーキテクチャー「Armv9」を搭載した機種を含む)の好調な出荷や5G基地局へのネットワーク機器の導入進展に加えて、アームの顧客が自動車やIoT、サーバーなど多様な市場でシェアを拡大したことによるものです。また、アームの顧客が、高い需要を背景にコンピューター・チップの値上げを行っていることも、ロイヤルティー収入がチップ価格に基づくことの多いアームに増収効果をもたらしています。
非ロイヤルティー収入
非ロイヤルティー収入は前年同期から138百万米ドル(15.4%)減少しました。アーム史上最高の売上を記録した前年同期に比べれば減収となったものの、アームのテクノロジー・ラインアップへの需要は引き続き強く、当第3四半期では前年同期比で64.7%の増収となりました。前年同期においては、過年度に大口顧客との間で契約が締結された複数の大型案件の売上が認識されました。
当社による買収後、過去数年にわたり研究開発投資を強化した結果、アームは、サーバーや車載エレクトロニクス、AIアクセラレーションなどに最適化されたCPUを含む、幅広いテクノロジー・ポートフォリオを持つに至りました。これにより、アームがテクノロジーをライセンス供与する顧客の幅が広がるとともに、既存の顧客はより多くのアームのテクノロジーの選択が可能となり、ライセンス収入を牽引しました。これらのライセンスには、サーバーやPC向けチップ、スマートフォン、ネットワーク機器、産業用ロボットや自動運転車などの自律型操作システム用途のCPUのほか、AI対応マイクロコントローラーに関するものが含まれます。
セグメント利益
米ドルベースのセグメント利益は、増収に加え、株式上場準備に関連する専門家報酬の増加によるマイナス影響を業務効率の改善で補ったことにより増益となりました。円ベースのセグメント利益は、当社連結財務諸表の作成に使用される為替換算レートが円安に振れた影響により、前年同期比23,813百万円(76.6%)増の54,901百万円となりました。
<営業概況>ロイヤルティー・ユニット7
(単位:億個) | ||||
9月30日に終了した9カ月 | ||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | |
ロイヤルティー・ユニット出荷数 (ライセンシーからの報告に基づく実績ベース) | 214 | 229 | 15 | 7.0% |
2022年1~9月期のロイヤルティー・ユニットの出荷数は229億個となり、前年同期比7.0%増となりました。
<技術開発>アームは以下を重点投資分野とし、モバイル事業および潜在的成長性の高い事業におけるテクノロジーの開発に取り組んでいます。
重点投資分野と主な進捗
モバイルコンピューティング | ||
オポチュニティー | ・ | モバイル端末用メインチップの市場シェアはすでに95%を超え、ロイヤルティー単価が長年にわたり上昇傾向 |
主な進捗 | ・ | 「Armv9」テクノロジーに基づく「Arm Cortex-X3」および「Cortex-A715」CPUや、ハードウエア・ベースのレイ・トレーシング(光線追跡法)に対応し、モバイル端末によりリアルで没入感のあるゲーム体験を提供する「Arm Immortalis-G715」GPUなど、スマートフォン向けテクノロジーの年次アップグレードを発表(2022年6月) |
・ | Mediatek Inc.がハイエンドスマートフォン向けチップDimensity9200 を発表(2022年11月)。同年6月にアームが発表した「Arm Cortex-X3」および「Cortex-A715」CPU、「Arm Immortalis-G715」GPUを搭載した初のチップ | |
・ | Vivo Communication Technology Co. Ltd.がDimensity 9200チップを搭載する初のスマートフォンとして、フラッグシップモデルx90 Proを発表(2022年11月)。同端末は2023年1月に発売 | |
インフラ | ||
オポチュニティー | ・ | ネットワーク・インフラの市場シェアが拡大、データセンター用サーバーの市場シェアも確立中 |
主な進捗 | ・ | Google Cloudサーバーに「Arm Neoverse」ベースのチップが採用されたことを発表(2022年7月)。アリババ、Amazon、Microsoftに続く、アームのテクノロジーを搭載したサーバー向けチップの導入。Google Cloudの顧客は、「Arm Neoverse N1」CPUをベースとしたAmpere Altraチップで様々なプログラムが実行可能 |
・ | クラウドサーバー、大規模処理の実行、ハイパフォーマンス・コンピューティング(高性能計算)アプリケーション向けに、世界最高水準の性能を提供することを目的とした最新のArmコア「Neoverse V2」を発表(2022年9月) | |
・ | Amazon Web Services, Inc.が「Arm Neoverse」ベースのAWS Graviton3Eサーバー向けチップを発表(2022年11月)。前世代チップよりパフォーマンスが35%向上し、2023年の早い時期にAmazon Web Servicesのハイパフォーマンスサーバーシステムに搭載予定 | |
自動車 | ||
オポチュニティー | ・ | 自動車のスマート化に伴い高度処理能力の需要が上昇する中、アームのテクノロジーは省電力性で好位置に付け、多くの自動車向けチップ開発企業とライセンス契約を締結済み |
主な進捗 | ・ | 自律走行プラットフォームの大規模な市場展開を目指す Cruise LLCとの協力を発表(2022年7月) |
・ | NVIDIA Corporationが、アームの次世代CPU(コードネーム 「Poseidon」)をベースとする安全かつセキュアな自動運転を実現する次世代チップDRIVE Thorを発表(2022年9月) | |
IoT | ||
オポチュニティー | ・ | IoTの真価発揮に不可欠な安全性や堅牢性を追求し、IoT端末ネットワーク内での安全なデータ管理用テクノロジーを開発 |
主な進捗 | ・ | ホームセキュリティーカメラやドローンなどのIoT端末向けに設計されたアーム史上最も小型のイメージ・シグナルプロセッサー(ISP)「Arm Mali-C55 Image Signal Processor」を発表(2022年6月)。当該ISPは、ルネサスエレクトロニクス㈱などのライセンシー各社に好評 |
c.財政状態の状況
1.投資資産の状況 ◆ SVFからの投資(FVTPL)の帳簿価額は10兆8,568億円(前期末比4兆529億円減少)(注1) -SVF1は前期末比2兆1,220億円減少(注2):当第3四半期末に保有する投資先の公正価値減少により153.5億米ドル、投資の売却1により63.8億米ドルそれぞれ減少した一方、新規投資および既存投資先への追加投資1により4.2億米ドル増加 -SVF2は前期末比1兆6,093億円減少(注2):当第3四半期末に保有する投資先の公正価値減少により174.2億米ドル、投資の売却により5.3億米ドルそれぞれ減少した一方、新規投資および既存投資先への追加投資により23.4億米ドル増加 -LatAmファンドは前期末比3,215億円減少(注2) ◆ 投資有価証券の帳簿価額は6兆8,540億円(前期末比3兆7,687億円増加) -当第3四半期末時点で保有するアリババ株式の帳簿価額4兆1,486億円を計上 ◆ 持分法で会計処理されている投資は7,494億円(前期末比4兆4,852億円減少) -アリババを持分法適用関連会社から除外し、アリババの連結簿価4兆5,721億円が減少。アリババ株式は公正価値で投資の成果が測定されるFVTPLの金融資産として「投資有価証券」に計上 2.財務活動に伴う負債の増減 ◆ ソフトバンクグループ㈱の有利子負債が前期末比1兆1,479億円減少 ◆ 資金調達を行う100%子会社の有利子負債が前期末比2兆4,925億円減少 -アリババ株式を利用した先渡売買契約について、新規締結により244.2億米ドルを調達した一方、一部の現物決済に伴い株式先渡契約金融負債総額404.5億米ドルの認識を中止 3.資本の増減 ◆ 資本合計で前期末比1兆1,142億円の減少 -親会社の所有者に帰属する純損失9,125億円を計上し、利益剰余金が減少 -自社株買いの実施:当第3四半期累計期間に1兆554億円取得 -為替換算レートが前期末から円安となったことにより在外営業活動体の為替換算差額が1兆2,276億円増加 ◆ 親会社の所有者に帰属する持分比率(自己資本比率)は前期末21.0%から当第3四半期末21.3%に |
(注1)SVFからの投資(FVTPL)には、当社の子会社への投資および当社から移管後引き続き持分法を適用している投資(後者は「持分法で会計処理されている投資」に計上)を含みません。
(注2)SVF1、SVF2およびLatAmファンドにおいて、期末日の対米ドルの為替換算レートが8.4%円安となったことによる帳簿価額の増加を含みます。
(単位:百万円) | ||||
2022年 3月31日 | 2022年 12月31日 | 増減 | 増減率 | |
資産合計 | 47,544,670 | 42,343,244 | △5,201,426 | △10.9% |
負債合計 | 35,836,908 | 31,749,656 | △4,087,252 | △11.4% |
資本合計 | 11,707,762 | 10,593,588 | △1,114,174 | △9.5% |
(a)資産
(単位:百万円) | |||||
2022年 3月31日 | 2022年 12月31日 | 増減 | |||
現金及び現金同等物 | 5,169,001 | 5,778,054 | 609,053 | ||
営業債権及びその他の債権 | 2,361,149 | 2,681,391 | 320,242 | ||
デリバティブ金融資産 | 1,050,446 | 123,510 | △926,936 | A | |
その他の金融資産 | 971,125 | 509,034 | △462,091 | B | |
棚卸資産 | 142,767 | 172,913 | 30,146 | ||
その他の流動資産 | 334,101 | 275,907 | △58,194 | ||
流動資産合計 | 10,028,589 | 9,540,809 | △487,780 | ||
有形固定資産 | 1,842,749 | 1,717,622 | △125,127 | C | |
使用権資産 | 914,743 | 873,131 | △41,612 | ||
のれん | 4,897,913 | 5,170,290 | 272,377 | D | |
無形資産 | 2,427,580 | 2,423,940 | △3,640 | ||
契約獲得コスト | 330,899 | 345,601 | 14,702 | ||
持分法で会計処理されている投資 | 5,234,519 | 749,355 | △4,485,164 | E | |
SVFからの投資(FVTPL) | 14,909,614 | 10,856,761 | △4,052,853 | F | |
SVF1 | 8,365,274 | 6,243,257 | △2,122,017 | ||
SVF2 | 5,401,117 | 3,791,817 | △1,609,300 | ||
LatAmファンド | 1,143,223 | 821,687 | △321,536 | ||
投資有価証券 | 3,085,369 | 6,854,039 | 3,768,670 | G | |
デリバティブ金融資産 | 1,333,787 | 1,357,136 | 23,349 | H | |
その他の金融資産 | 2,230,615 | 2,117,698 | △112,917 | I | |
繰延税金資産 | 163,255 | 180,811 | 17,556 | ||
その他の非流動資産 | 145,038 | 156,051 | 11,013 | ||
非流動資産合計 | 37,516,081 | 32,802,435 | △4,713,646 | ||
資産合計 | 47,544,670 | 42,343,244 | △5,201,426 |
主な科目別の増減理由
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
流動資産 | |
A デリバティブ金融資産 | アリババ株式を利用した先渡売買契約について、当第3四半期累計期間において、前期末残高1,033,619百万円を全て現物決済したことによりデリバティブ金融資産が減少しました。なお、決済日まで1年以内となったデリバティブ金融資産を非流動資産から振り替え、当第3四半期末に100,883百万円計上しました。 |
B その他の金融資産 | SB Northstarにおいて、事業規模の縮小に伴い、拘束性預金が131,474百万円、資産運用子会社からの投資が126,415百万円、資産運用子会社におけるデリバティブ金融資産が48,337百万円それぞれ減少しました。 |
非流動資産 | |
C 有形固定資産 | ・再生エネルギー事業を行う米国子会社を連結の範囲から除外したことに伴い、同社の有形固定資産240,322百万円を除外しました。 ・ソフトバンク㈱が通信設備への投資を行いました。 |
D のれん | 対米ドルの為替換算レートが前期末から円安となったことにより、アームののれんが243,937百万円増加しました。 |
E 持分法で会計処理されて いる投資 | アリババの連結簿価が4,572,129百万円減少しました。これは、2022年8月から9月にかけて、アリババ株式先渡売買契約の一部を現物決済した過程において、当社のアリババに対する議決権保有比率が20%を下回り、同社が持分法適用関連会社から除外されたことに伴い、持分法で会計処理されている投資の認識を中止したことによるものです。なお、当第3四半期末に当社が保有するアリババ株式は「投資有価証券」に計上されています。 |
F SVFからの投資(FVTPL) | ・SVF1の帳簿価額が2兆1,220億円減少しました。これは主に、当第3四半期末に保有する投資先の公正価値減少により153.5億米ドル、投資の売却1により63.8億米ドルそれぞれ減少した一方、新規投資および既存投資先への追加投資1により4.2億米ドル増加したことによるものです。 ・SVF2の帳簿価額が1兆6,093億円減少しました。これは主に、当第3四半期末に保有する投資先の公正価値減少により174.2億米ドル、投資の売却により5.3億米ドルそれぞれ減少した一方、新規投資および既存投資先への追加投資により23.4億米ドル増加したことによるものです。 ・LatAmファンドの帳簿価額が3,215億円減少しました。これは主に、当第3四半期末に保有する投資先の公正価値減少(注1)により33.7億米ドル、投資の売却1により0.6億米ドルそれぞれ減少した一方、新規投資および既存投資先への追加投資1により2.8億米ドル増加したことによるものです。 なお、SVF1、SVF2およびLatAmファンドにおいて、期末日の対米ドルの為替換算レートが8.4%円安となったことによる帳簿価額の増加を含みます。 SVF1、SVF2およびLatAmファンドからの投資の状況の詳細は「(1)財政状態及び経営成績の状況 b.セグメントの業績概況 (b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」をご参照ください。 |
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
G 投資有価証券 | ・当第2四半期末にアリババ株式の帳簿価額4,484,758百万円(30,970百万米ドル)を新たに計上後、当第3四半期にアリババ株式先渡売買契約の一部を現物決済したことなどにより、当第3四半期末時点で保有するアリババ株式の帳簿価額は4,148,632百万円(31,263百万米ドル)となりました。 ・Tモバイル株式の帳簿価額が前期末比218,174百万円減少(2,252百万米ドル減少)しました(当第3四半期末残高は738,881百万円(5,568百万米ドル))。これは主に、ドイツテレコムがTモバイル株式を対象とする株式購入オプションを一部行使したことに伴い、当社が保有するTモバイル株式21.2百万株をドイツテレコムへ売却したことによるものです。 ・ドイツテレコム株式の帳簿価額が同社株価の上昇に伴い前期末比75,623百万円増加(241百万米ドル増加(注2))しました(当第3四半期末残高は593,583百万円(4,473百万米ドル))。 なお、Tモバイル株式およびドイツテレコム株式において、期末日の対米ドルの為替換算レートが8.4%円安となったことによる帳簿価額の増加を含みます。 当第1四半期にラテンアメリカ・ファンド事業をソフトバンク・ビジョン・ファンド事業に統合したため、ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドの投資の帳簿価額は、SVFからの投資(FVTPL)に含まれています。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記2.要約四半期連結財務諸表作成の基礎(4)表示方法の変更」をご参照ください。 |
H デリバティブ金融資産 | ・Tモバイル株式に係る条件付対価の公正価値が195,030百万円増加しました(当第3四半期末残高は786,459百万円)。 ・アリババ株式を利用した先渡売買契約について、前期末からの同社株価の下落によりデリバティブ金融資産が増加した一方で、一部を現物決済したほか、決済日まで1年以内となったデリバティブ金融資産を流動資産へ振り替えたことによりデリバティブ金融資産が141,170百万円減少しました。 |
I その他の金融資産 | 当社が保有するWeWorkの無担保債券(額面16.5億米ドル)72,128百万円(簿価177,011百万円から貸倒引当金104,883百万円を控除後)を計上しています。詳細は本項末尾の「(ご参考)WeWorkに対する貸付、保証および貸付枠」をご参照ください。 |
(注1)米ドルに対する現地通貨安の影響を含みます。
(注2)米ドルに対するユーロ安の影響を含みます。
(別掲)エンティティ別の現金及び現金同等物
連結上の現金及び現金同等物は前期末比6,091億円増加の5兆7,781億円となり、そのうちソフトバンクグループ㈱の現金及び現金同等物は3,934億円増加の2兆8,960億円となりました。詳細については「(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(単位:百万円) | ||||
2022年 3月31日 | 2022年 12月31日 | 増減 | ||
ソフトバンクグループ㈱および資金調達を行う100%子会社等 | 2,569,355 | 2,911,693 | 342,338 | |
ソフトバンクグループ㈱ | 2,502,626 | 2,895,980 | 393,354 | |
資金調達を行う100%子会社 | 26,271 | 11,790 | △14,481 | |
SB Northstar | 40,458 | 3,923 | △36,535 | |
ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業 | ||||
SVF1 | 47,754 | 36,145 | △11,609 | |
SVF2 | 150,462 | 63,423 | △87,039 | |
LatAmファンド | 1,890 | 2,860 | 970 | |
SBIA、SBGA、SBLA Advisers Corp. | 24,340 | 45,315 | 20,975 | |
ソフトバンク事業 | ||||
ソフトバンク㈱ | 318,661 | 274,569 | △44,092 | |
Zホールディングス㈱ | 130,277 | 78,217 | △52,060 | |
PayPay㈱(注1)、PayPay銀行㈱(注2)、PayPayカード㈱ | 824,671 | 1,032,252 | 207,581 | |
ヤフー㈱ | 174,346 | 348,786 | 174,440 | |
その他 | 525,934 | 524,293 | △1,641 | |
その他(注1) | 401,311 | 460,501 | 59,190 | |
合計 | 5,169,001 | 5,778,054 | 609,053 |
(注1)2022年10月よりPayPay㈱はソフトバンク㈱およびZホールディングス㈱の子会社となったため、従前は「その他」に含まれていましたが、当第3四半期から「ソフトバンク事業」に含めて表示し、前期末についても遡及修正しています。
(注2)PayPay銀行㈱の現金及び現金同等物の当第3四半期末残高は446,037百万円です。
(b)負債
(単位:百万円) | ||||
2022年 3月31日 | 2022年 12月31日 | 増減 | ||
有利子負債 | 7,328,862 | 3,871,065 | △3,457,797 | |
リース負債 | 240,241 | 202,479 | △37,762 | |
銀行業の預金 | 1,331,385 | 1,450,442 | 119,057 | |
営業債務及びその他の債務 | 1,968,864 | 2,344,659 | 375,795 | A |
デリバティブ金融負債 | 119,592 | 57,544 | △62,048 | |
その他の金融負債 | 554,814 | 492,285 | △62,529 | B |
未払法人所得税 | 183,388 | 105,098 | △78,290 | |
引当金 | 34,056 | 64,945 | 30,889 | |
その他の流動負債 | 620,260 | 598,123 | △22,137 | |
流動負債合計 | 12,381,462 | 9,186,640 | △3,194,822 | |
有利子負債 | 14,128,570 | 14,230,530 | 101,960 | |
リース負債 | 625,907 | 640,733 | 14,826 | |
SVFにおける外部投資家持分 | 5,640,498 | 4,531,951 | △1,108,547 | |
デリバティブ金融負債 | 174,003 | 364,884 | 190,881 | C |
その他の金融負債 | 129,849 | 64,268 | △65,581 | |
引当金 | 107,961 | 164,930 | 56,969 | |
繰延税金負債 | 2,436,034 | 2,322,742 | △113,292 | D |
その他の非流動負債 | 212,624 | 242,978 | 30,354 | |
非流動負債合計 | 23,455,446 | 22,563,016 | △892,430 | |
負債合計 | 35,836,908 | 31,749,656 | △4,087,252 |
主な科目別の増減理由
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
有利子負債の内訳は次ページの(別掲)をご参照ください。 | |
流動負債 | |
A 営業債務及びその他の債務 | 主に、PayPay㈱において、決済取扱高の拡大に伴い加盟店に支払う未払金やユーザーからの預り金(ユーザーが入金するなどして決済に使用できる金額)が増加したことに伴い、営業債務及びその他の債務が増加しました。 |
B その他の金融負債 | 当第3四半期末に、(a)金融機関からWeWorkへの支払保証枠に対する当社およびSVF2によるクレジットサポートについて金融保証契約損失評価引当金113,449百万円(前期末比91,169百万円増加)を、(b)SVF2によるWeWork担保付シニア債券の買い受けコミットメントについてローンコミットメント損失評価引当金33,320百万円(前期末は計上なし)をそれぞれ計上しています。詳細は本項末尾の「(ご参考)WeWorkに対する貸付、保証および貸付枠」をご参照ください。 |
非流動負債 | |
C デリバティブ金融負債 | 当第3四半期累計期間に新たに契約したアリババ株式を利用した先渡売買契約の一部についてデリバティブ金融負債を計上したことにより、223,625百万円増加しました。 |
D 繰延税金負債 | アリババ株式を利用した先渡売買契約について、デリバティブ金融資産の減少およびデリバティブ金融負債の増加に伴い、繰延税金負債が減少しました。 |
(別掲)連結有利子負債およびリース負債(流動負債および非流動負債の合計)
(単位:百万円) | |||||
2022年 3月31日 | 2022年 12月31日 | 増減 | |||
ソフトバンクグループ㈱および資金調達を行う 100%子会社等 | 14,869,325 | 11,195,326 | △3,673,999 | ||
ソフトバンクグループ㈱ | 7,442,237 | 6,294,302 | △1,147,935 | ||
借入金 | 1,255,116 | 369,005 | △886,111 | A | |
社債 | 5,918,265 | 5,721,242 | △197,023 | B | |
リース負債 | 12,056 | 11,055 | △1,001 | ||
コマーシャル・ペーパー | 256,800 | 193,000 | △63,800 | ||
資金調達を行う100%子会社 | 7,393,573 | 4,901,024 | △2,492,549 | ||
借入金(注1) | 2,857,000 | 2,049,421 | △807,579 | C | |
株式先渡契約金融負債 | 4,536,573 | 2,851,603 | △1,684,970 | D | |
SB Northstar | 33,515 | - | △33,515 | ||
借入金 | 33,515 | - | △33,515 | ||
ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業 | |||||
SVF1 | 336,535 | 554,812 | 218,277 | ||
借入金 | 336,535 | 554,812 | 218,277 | E | |
SVF2 | 731,540 | 765,118 | 33,578 | ||
借入金 | 731,540 | 765,118 | 33,578 | E | |
LatAmファンド | 9,179 | - | △9,179 | ||
借入金 | 9,179 | - | △9,179 | ||
SBIA、SBLA Advisers Corp. | 759 | 14,938 | 14,179 | ||
リース負債 | 759 | 14,938 | 14,179 | ||
ソフトバンク事業 | |||||
ソフトバンク㈱ | 4,236,453 | 4,280,701 | 44,248 | ||
借入金 | 3,085,954 | 3,261,609 | 175,655 | ||
社債 | 469,252 | 469,342 | 90 | ||
リース負債 | 559,846 | 514,749 | △45,097 | ||
コマーシャル・ペーパー | 121,401 | 35,001 | △86,400 | ||
Zホールディングス㈱ | 1,022,260 | 1,070,939 | 48,679 | ||
借入金 | 418,283 | 492,039 | 73,756 | ||
社債 | 603,977 | 578,900 | △25,077 | ||
PayPay㈱(注2)、PayPay銀行㈱(注3)、PayPayカード㈱ | 298,921 | 335,939 | 37,018 | ||
ヤフー㈱ | 28,046 | 89,626 | 61,580 | ||
その他 | 414,536 | 432,444 | 17,908 | ||
その他(注2) | |||||
その他の有利子負債 | 286,988 | 126,967 | △160,021 | ||
リース負債 | 89,038 | 77,996 | △11,042 | ||
合計 | 22,323,580 | 18,944,806 | △3,378,774 |
(注1)資金調達を行う100%子会社の有利子負債はソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。
(注2)2022年10月よりPayPay㈱はソフトバンク㈱およびZホールディングス㈱の子会社となったため、従前は「その他」に含まれていましたが、当第3四半期から「ソフトバンク事業」に含めて表示し、前期末についても遡及修正しています。
(注3)PayPay銀行㈱の銀行業の預金は、有利子負債には含まれていません。
前期末からの主な会社別の増減理由
項目 | 内容 |
ソフトバンクグループ㈱および資金調達を行う100%子会社 | |
ソフトバンクグループ㈱ | |
A 借入金 | ・当第1四半期に、コミットメントラインを使用した借入金45.0億米ドルを返済しました。 ・当第2四半期に、シニア・ローン3,252億円全額を返済しました(うち期限前返済は2,927億円)。 |
B 社債 | ・当第1四半期に、外貨建て普通社債を2.7億米ドル(額面総額)および2.2億ユーロ(額面総額)それぞれ買い入れました。 ・当第2四半期に、外貨建て普通社債を5.1億米ドル(額面総額)および1.9億ユーロ(額面総額)それぞれ満期償還しました。 ・当第3四半期に、外貨建て普通社債を5.1億米ドル(額面総額)および10.2億ユーロ(額面総額)買い入れました。 ・当第3四半期に、国内普通社債を3,850億円(額面総額)発行しました。 ・当第3四半期に、国内普通社債を3,370億円(額面総額)満期償還しました。 ・期末日の対米ドルの為替換算レートが8.4%円安となったことにより外貨建て普通社債の帳簿価額が増加しました。 |
資金調達を行う100%子会社 | |
C 借入金 | (アリババ株式を利用した調達) ・当第2四半期に、マージン・ローンで借り入れた60.0億米ドルを全額返済しました。当第3四半期末における借入残高はありません。 (アーム株式を利用した調達) ・当第1四半期に、アセットバック・ファイナンスにより5.0億米ドル(純額)を借り入れました。 (Tモバイル株式を利用した調達) ・当第2四半期累計期間に、前期にマージン・ローンで借り入れた20.6億米ドルを返済しました。当第3四半期末における借入残高はありません。 |
D 株式先渡契約 金融負債 | (アリババ株式を利用した調達) ・当第1四半期に、先渡売買契約(フォワード契約)を締結し104.9億米ドルを調達しました。 ・当第1四半期に実行した先渡売買契約の一部現物決済に伴い、株式先渡契約金融負債604,888百万円(49.4億米ドル)の認識を中止しました。 ・当第2四半期に実行した先渡売買契約の一部現物決済に伴い、株式先渡契約金融負債3,958,469百万円(285.7億米ドル)の認識を中止しました(うち1,862,409百万円(134.7億米ドル)は当第2四半期累計期間に締結した契約に係る金融負債)。 ・上記決済後、当第2四半期に先渡売買契約(フォワード契約)を締結し、10.9億米ドルを調達しました。 ・当第3四半期に、先渡売買契約(フォワード契約)を締結し60.7億米ドルを調達しました。 ・当第3四半期に、先渡売買契約の一部現物決済を実行したことに伴い、株式先渡契約金融負債974,790百万円(69.4億米ドル)の認識を中止しました。 詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記8.有利子負債 (2)アリババ株式先渡売買契約取引」をご参照ください。 |
ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業(注3) | |
SVF1およびSVF2 | |
E 借入金 | ・アセットバック・ファイナンスによる借入金が、SVF1において14.3億米ドル増加、SVF2において2.1億米ドル減少しました。 ・期末日の対米ドルの為替換算レートが8.4%円安となったことにより借入金の残高が増加しました。 |
(注3)SVF1、SVF2およびLatAmファンドにおける借入については「(1)財政状態及び経営成績の状況 b.セグメントの業績概況 (b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業 <事業概要>SVFにおける借入」をご参照ください
(c)資本
(単位:百万円) | ||||
2022年 3月31日 | 2022年 12月31日 | 増減 | ||
資本金 | 238,772 | 238,772 | - | |
資本剰余金 | 2,634,574 | 2,652,608 | 18,034 | |
その他の資本性金融商品 | 496,876 | 414,055 | △82,821 | A |
利益剰余金 | 4,515,704 | 3,490,974 | △1,024,730 | B |
自己株式 | △406,410 | △1,454,456 | △1,048,046 | C |
その他の包括利益累計額 | 2,496,158 | 3,666,698 | 1,170,540 | D |
親会社の所有者に帰属する持分合計 | 9,975,674 | 9,008,651 | △967,023 | |
非支配持分 | 1,732,088 | 1,584,937 | △147,151 | |
資本合計 | 11,707,762 | 10,593,588 | △1,114,174 |
主な科目別の増減理由
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
A その他の資本性金融商品 | 当第3四半期に、米ドル建ノンコール6年永久劣後特約付社債の一部を7.5億米ドル(額面総額)買い入れました。本社債は、IFRS上資本性金融商品に分類されています。 |
B 利益剰余金 | 親会社の所有者に帰属する純損失912,513百万円を計上しました。 |
C 自己株式 | 当第3四半期累計期間に、2021年11月8日および2022年8月8日の取締役会決議に基づき自己株式を総額1,055,426百万円(185,700,600株)取得しました。なお、両取締役会決議に基づき取得した自己株式の総数と同数の自己株式252,958,500株(消却前の発行済株式総数に対する割合14.68%)を2023年3月末までに消却予定です。 |
D その他の包括利益累計額 | 海外を拠点とする子会社・関連会社を円換算する際に生じる在外営業活動体の為替換算差額について、アリババの持分法適用関連会社からの除外に伴い314,356百万円減少した一方、対米ドルの為替換算レートが前期末から円安となったことなどにより、1,227,567百万円増加しました。 |
(ご参考)WeWorkに対する貸付、保証および貸付枠
(単位:百万円)
要約四半期連結財政状態計算書 | 要約四半期連結損益計算書 | |||
計上科目 | 当第3四半期末帳簿価額 (△は負債) | 計上科目 (注記の内訳) | 当第3四半期累計期間計上額 | |
当社が保有する額面16.5億米ドルのWeWork無担保債券 | その他の金融資産 (非流動) | (注1) 72,128 | その他の損益 (貸倒引当金繰入額) | △111,569 |
金融機関からWeWorkへの最大14.57億米ドルの支払保証枠に対する当社とSVF2のクレジットサポート | その他の金融負債 (流動) | △113,449 | その他の損益 (金融保証契約損失評価引当金繰入額) | △103,593 |
SVF2によるWeWork担保付シニア債券の買い受けコミットメント | その他の金融負債 (流動) | △33,320 | その他の損益 (ローンコミットメント損失評価引当金繰入額) | △35,445 |
合計 | △250,607 |
(注1)貸倒引当金控除後
(2)キャッシュ・フローの状況
1.営業活動によるキャッシュ・フロー ◆ 法人所得税の支払額:5,845億円 2.投資活動によるキャッシュ・フロー ◆ SVF2が新規投資を大幅に縮小したほか、SVF1投資先の売却が進展 -SVFによる投資の取得による支出:3,846億円(前年同期は3兆9,090億円) -SVFによる投資の売却による収入:6,811億円(前年同期は1兆7,342億円) ◆ Tモバイル株式等を売却したことに伴い、投資の売却または償還による収入5,845億円を計上 ◆ ソフトバンク㈱などの設備投資に伴い、有形固定資産及び無形資産の取得による支出4,996億円を計上 ◆ 上記の結果、投資活動によるキャッシュ・フローは4,632億円のキャッシュ・イン・フロー(純額)(前年同期は2兆8,436億円のキャッシュ・アウト・フロー) 3.財務活動によるキャッシュ・フロー ◆ アセットバック・ファイナンスによる資金化の一方、マージン・ローンの返済や外貨建て社債の買入れなど積極的な負債返済を実施。自己株式の取得やSVFにおける外部投資家への分配・返還および配当を継続。財務キャッシュ・フローは8,759億円のキャッシュ・アウト・フロー(純額) -有利子負債の収入:6兆4,859億円 ・ソフトバンクグループ㈱における主な収入:3,850億円 (国内普通社債3,850億円(額面総額)を発行) ・資金調達を行う100%子会社における主な収入:3兆4,814億円 (アリババ株式を利用した株式先渡売買契約により244.2億米ドル、アーム株式を利用したアセットバック・ファイナンスにより14.0億米ドルを調達) ・SVFにおける主な収入:5,807億円 (SVF1がアセットバック・ファイナンスにより45.0億米ドルを調達) -有利子負債の支出:5兆749億円 ・ソフトバンクグループ㈱における主な支出:1兆8,181億円 (短期借入金9,203億円の返済、シニア・ローン3,252億円の全額返済、外貨建て普通社債7.8億米ドル(額面総額)および12.4億ユーロ(額面総額)の買入れ、国内普通社債3,370億円(額面総額)を満期償還) ・資金調達を行う100%子会社における主な支出:1兆1,885億円 (アリババ株式を利用したマージン・ローンの全額返済60.0億米ドル、前期に借り入れたTモバイル株式を利用したマージン・ローンの返済20.6億米ドル、アーム株式を利用したアセットバック・ファイナンスに伴う借入金9.0億米ドルを返済) ・SVFにおける主な支出:4,262億円 (SVF1およびSVF2が合計32.7億米ドルのアセットバック・ファイナンスによる借入金を返済) -自己株式の取得による支出:1兆554億円 -SVFにおける外部投資家への分配額・返還額:4,656億円 -配当金の支払額およびソフトバンク㈱などの非支配持分への配当金の支払額:3,560億円 4.現金及び現金同等物の当第3四半期末残高、増減額 ◆ 営業活動、投資活動、財務活動それぞれのキャッシュ・フローに加え、為替レートが円安となったことにより現金及び現金同等物に係る換算差額2,969億円を計上した結果、当第3四半期末時点における残高は5兆7,781億円(前期末比6,091億円増加) |
<重要な非資金取引>当第3四半期累計期間において、アリババ株式先渡売買契約の一部を現物決済しました。当該取引は非資金取引に該当するため、連結キャッシュ・フローへの影響はありません。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記20.要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書の補足情報(7)重要な非資金取引」をご参照ください。
(単位:百万円) | |||
12月31日に終了した9カ月間 | |||
2021年 | 2022年 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,408,979 | 724,846 | △1,684,133 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △2,843,565 | 463,212 | 3,306,777 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 311,028 | △875,878 | △1,186,906 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 79,599 | 296,873 | 217,274 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少額) | △43,959 | 609,053 | 653,012 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 4,662,725 | 5,169,001 | 506,276 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 4,618,766 | 5,778,054 | 1,159,288 |
(a)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは724,846百万円のキャッシュ・イン・フロー(純額)となりました。前年同期からキャッシュ・イン・フロー(純額)が1,684,133百万円減少したのは、主にSB Northstarの事業規模縮小に伴う投資売却などによるキャッシュ・イン・フローが1,907,441百万円から116,071百万円に減少したことによるものです。
なお、法人所得税の支払額は584,489百万円となりました。当第3四半期には、本早期現物決済(アリババ株式を利用した先渡売買契約のうち242百万ADRを対象とした契約の早期現物決済)に関連するデリバティブ利益の実現などにより課税所得が生じた当社100%子会社が法人所得税201,792百万円を支払いました。前年同期の法人所得税の支払額には、2021年3月期にSBGJで発生したソフトバンク㈱株式売却益を含む課税所得に基づく法人税の支払いのほか、SBGJが行ったソフトバンクグループ㈱への配当に対する源泉所得税の納付が含まれていました(当該源泉所得税は前年同期において還付されています)。
(b)投資活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
科目 | 主な内容 |
投資の売却または償還による収入 584,524百万円 | ・当第1四半期にドイツテレコムがTモバイル株式を対象とするコールオプションを一部行使したことに伴い、当社が保有するTモバイル株式21.2百万株を309,696百万円(24.0億米ドル)でドイツテレコムへ売却しました。 ・当第2四半期にSoFi Technologies, Inc.株式を90,823百万円(6.5億米ドル)で売却しました。 |
SVFによる投資の取得による支出 △384,567百万円 | ・SVF2が合計327,211百万円(25.1億米ドル)の投資を行いました。 ・LatAmファンドが合計35,437百万円(2.7億米ドル)の投資を行いました。 ・SVF1が合計21,919百万円(1.6億米ドル)の投資を行いました。 |
SVFによる投資の売却による収入 681,059百万円 | ・SVF1がUberなどの全株式や複数銘柄の一部を592,895百万円(43.9億米ドル)で売却しました。 ・SVF2がKE Holdingsなどの全株式や複数銘柄の一部を86,253百万円(6.6億米ドル)で売却しました。 |
有形固定資産及び無形資産の取得による支出 △499,634百万円 | ソフトバンク㈱が通信設備等の有形固定資産やソフトウエア等の無形資産を取得しました。 |
SPACにおける信託口座からの払戻による収入 125,127百万円 | 当社がスポンサーとして設立したSPAC(特別買収目的会社)2社が事業会社との合併を完了できず運営を停止したため、信託口座に預託されていた当社以外の出資者(以下「市場投資家」)からの出資金8.9億米ドルが同口座から払い戻されました。詳細は本項末尾の「当社がスポンサーとして設立したSPACに係る出資金の払戻および返還」をご参照ください。 |
(c)財務活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
科目 | 主な内容 | |
短期有利子負債の収支(純額) 15,357百万円(注1) (有利子負債(流動負債)のうち、回転が速く、期日が短い項目の収支) | ・Zホールディングス㈱およびその子会社で短期借入金が82,277百万円(純額)増加しました。 ・ソフトバンクグループ㈱がコマーシャル・ペーパーを償還したことにより短期有利子負債が70,300百万円(純額)減少しました。 | |
有利子負債の収入(以下A~Cの合計) 6,485,867百万円 | ||
A借入による収入 2,679,259百万円(注2) | ・ソフトバンクグループ㈱が372,750百万円の短期借入を行いました。 ・資金調達を行う100%子会社が、アーム株式を利用したアセットバック・ファイナンスにより、180,656百万円(14.0億米ドル)を借り入れました。 ・SVF1が、アセットバック・ファイナンスにより580,680百万円(45.0億米ドル)を借り入れました。 ・ソフトバンク㈱が割賦債権の流動化、セール&リースバックなどにより805,480百万円を調達しました。また、コマーシャル・ペーパーを167,000百万円発行しました。 | |
B社債の発行による収入 445,000百万円 | ・ソフトバンクグループ㈱が国内普通社債を385,000百万円発行しました。 ・Zホールディングス㈱が国内普通社債を合計60,000百万円発行しました。 | |
C株式先渡売買契約に基づく資金 調達による収入 3,361,608百万円 | 資金調達を行う100%子会社が、アリババ株式を利用した先渡売買契約(フォワード契約)を締結し、合計244.2億米ドルを調達しました。 | |
有利子負債の支出 △5,074,939百万円 | ||
借入金の返済による支出 △4,328,611百万円(注2) | ・ソフトバンクグループ㈱が短期借入金920,291百万円を返済したほか、シニア・ローン325,204百万円全額を返済しました(うち期限前返済は292,683百万円)。 ・資金調達を行う100%子会社が以下の返済を行いました。 -アリババ株式を利用したマージン・ローン797,820百万円(60.0億米ドル)を全額返済しました。 -前期に借り入れたTモバイル株式を利用したマージン・ローン274,538百万円(20.6億米ドル)を返済しました。 -アーム株式を利用したアセットバック・ファイナンスによる借入金116,136百万円(9.0億米ドル)を返済しました。 ・SVF1およびSVF2がアセットバック・ファイナンスによる借入金をそれぞれ397,269百万円(30.5億米ドル)、28,904百万円(2.2億米ドル)返済しました。 ・ソフトバンク㈱が割賦債権の流動化およびセール&リースバックなどによる借入金652,968百万円を返済したほか、コマーシャル・ペーパー278,400百万円を償還しました。 |
社債の償還による支出 △743,901百万円 | ・ソフトバンクグループ㈱が以下合計658,901百万円の社債の償還を行いました。当第1四半期に外貨建て普通社債を2.7億米ドル(額面総額)および2.2億ユーロ(額面総額)それぞれ買い入れたほか、当第2四半期に外貨建て普通社債を5.1億米ドル(額面総額)および1.9億ユーロ(額面総額)それぞれ満期償還、当第3四半期に外貨建て普通社債を5.1億米ドル(額面総額)および10.2億ユーロ(額面総額)それぞれ買い入れ、国内普通社債337,024百万円を満期償還しました。 ・Zホールディングス㈱が国内普通社債85,000百万円を満期償還しました。 | |
SVFにおける外部投資家に対する 分配額・返還額 △465,606百万円 | SVF1が外部投資家への分配を行いました。 | |
償還オプション付非支配持分への返還による支出 △125,127百万円 | 当社がスポンサーとして設立したSPAC2社が事業会社との合併を完了できず運営を停止したため、市場投資家からの出資金8.9億米ドルを返還しました。詳細は本項末尾の「当社がスポンサーとして設立したSPACに係る出資金の払戻および返還」をご参照ください。 | |
その他の資本性金融商品の償還による支出 △104,597百万円 | 米ドル建ノンコール6年永久劣後特約付社債の一部7.5億米ドル(額面総額)を買い入れました。本社債は、IFRS上資本性金融商品に分類されています。 | |
自己株式の取得による支出 △1,055,433百万円 | ソフトバンクグループ㈱が、当第3四半期累計期間に、2021年11月8日および2022年8月8日の取締役会決議に基づき自己株式を総額1,055,426百万円(185,700,600株)取得しました。 | |
配当金の支払額 △70,061百万円 | ソフトバンクグループ㈱が配当金を支払いました。 | |
非支配持分への配当金の支払額 △285,978百万円 | ソフトバンク㈱やZホールディングス㈱などが非支配株主へ配当金を支払いました。 |
(注1)短期有利子負債の収支には、IFRSにおける「純額によるキャッシュ・フローの報告」の要件を満たした財務活動によるキャッシュ・フローを記載しています。
(注2)借入による収入および借入金の返済による支出には、契約上の借入期間が1年以内の借入金に係る収入が1,030,211百万円、支出が1,768,068百万円、それぞれ含まれています。
当社がスポンサーとして設立したSPACに係る出資金の払戻および返還
当社がスポンサーとして設立したSPACは証券取引市場にて新規株式公開を実施し、市場投資家からの出資を引き受け、資金調達を実施します。市場投資家から払い込まれた出資金は、当該SPACが合併を完了するまで、もしくは市場投資家に償還されるまでの期間、信託口座に預託されます。しかし、当該SPACが上場から24カ月の間に事業会社との合併を完了できず運営を停止した場合、信託口座に預託されていた出資金は払い戻され、市場投資家へ全額償還されます。この際、信託口座から当該SPACに払い戻された出資金は、当社の連結キャッシュ・フロー計算書上「SPACにおける信託口座からの払戻による収入」(投資活動によるキャッシュ・フロー)に計上され、その後さらに市場投資家へ返還されると「償還オプション付非支配持分への返還による支出」(財務活動によるキャッシュ・フロー)に計上されます。
「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における注記事項
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(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しています。この要約四半期連結財務諸表を作成するにあたり用いた重要な判断および見積りについては、「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記4.重要な判断および見積り」をご参照ください。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発費は183,920百万円です。