有価証券報告書-第45期(2024/04/01-2025/03/31)
当期における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(注1)投資に係るデリバティブ関連損益および為替換算影響額を含む金額です。
(注2)外部投資家持分および税金等の控除前のグロスの金額です。
(注3)ソフトバンクグループ㈱および主要投資子会社の投資ポートフォリオの再整理の一環として、Wayve Technologies Ltd(以下「Wayve」)への投資を当第4四半期にSVF2へ移管しました。詳細は「b. セグメントの業績概況(b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」をご参照ください。
(注4)連結キャッシュ・フロー計算書で計上された金額です。
<アーム株式のグループ内取引の対価のうち、第3回目を支払い>2023年9月のアームの新規株式公開に先立つ同年8月、当社100%子会社はSVF1が保有していたアームの普通株式(発行済株式総数の24.99%相当)を161億米ドル(以下「本取引対価」)で取得しました。本取引対価は4分割で支払うこととなっており、同年8月の取引完了時に第1回目の41億米ドルを、2024年8月に第2回目の41億米ドルを、2025年2月に第3回目の41億米ドルをそれぞれ支払いました。これらの支払いは、グループ内で行われた当社子会社株式の譲渡対価に係る債権債務の精算のため、連結財務諸表に影響はありません。
本取引対価の分割払いの支払タイミングおよび支払額の内訳
<ロボティクス関連投資を中間持株会社へ集約>グループ内で複数のエンティティに分散していたロボティクス関連投資を一元管理し、シナジー創出による価値向上を図るため、中間持株会社(以下「ロボHD」)を設立し、その傘下にロボティクス関連投資を集約することを2025年1月23日の取締役会で決議しました。当第4四半期においては、当社から10銘柄(注1)を現物出資または売却により、SVF2から6銘柄(注2)を現物出資によりロボHDに移管しました。このほか、投資等に係るコミットメントに充当するため、当社およびSVF2から現金を拠出しました。当社が保有するソフトバンクロボティクスグループ㈱やBalyo SAおよびSVF2が保有するAutoStore Holdings Ltd.(以下「AutoStore」)については、2026年3月期に移管を完了する予定です。これら今後予定している移管を完了した後、ロボHDの持分は、当社が過半を保有し、SVF2が残余を保有する見込みです。
当社およびSVF2からロボHDへの移管価額は移管日の公正価値を使用します。移管日の公正価値は、全ての投資の移管が完了した後、独立した外部機関による評価査定に基づき最終化する予定です。このため、当第4四半期に移管した投資については、暫定的に算定した価額を使用しています。
なお、これらの移管および現金拠出の取引は、グループ内取引のため連結上消去しています。
(注1)Berkshire Grey, Inc.やStack AV Co.など
(注2)1X Holdings, Inc.、Agile Robots SE、Skild AI, Inc.、Terabase Energy, Inc.など
ソフトバンクグループ㈱は、2025年3月31日、米国の人工知能(AI)研究開発企業OpenAI Global, LLC(以下「OpenAI Global」)に最大400億米ドルの追加出資を行うこと(以下、本項目において「本取引」)について、OpenAIと最終的な合意に至りました。当社は、本取引における最大400億米ドルの出資額のうち100億米ドルを外部投資家にシンジケーションする予定です。その場合、当社の実質的な出資額は最大300億米ドルになる見込みです。
当期末以降の2025年4月15日、OpenAI Globalに対する最大400億米ドルの出資額のうち、ファーストクロージングが完了し、100億米ドルの資金がOpenAI Globalに提供されました。このうち、15億米ドルは同日にシンジケーションにより外部投資家が出資し、残りの85億米ドルはSVF2が出資しました。その後、外部投資家に対して追加のシンジケーションが実行され、SVF2の出資額は85億米ドルから75億米ドルに減額されました。
ファーストクロージングに係る出資を目的として、2025年4月に当社は㈱みずほ銀行をはじめとする取引金融機関から85億米ドルの借入による調達を行い、同額をSVF2に貸し付けています。なお追加のシンジケーションに伴い、2025年5月に、当社は貸付金元本の一部回収および利息としてSVF2から10億米ドルを受領しました。
詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記48.追加情報 (2)OpenAIへの投資について」をご参照ください。
ソフトバンクグループ㈱は、米国の100%子会社を通じて、Armコンピュートプラットフォームに基づいた高性能・省エネルギー・持続可能なAIコンピューティングに特化した半導体設計企業である米国のAmpereの全持分を総額65億米ドルで取得すること(以下、本項目において「本取引」)について、Ampereおよび同社の特定の持分保有者との間で、2025年3月19日付で合意しました。
本取引はソフトバンクグループ㈱の取締役会で承認されていますが、米国における競争法上の承認、対米外国投資委員会(CFIUS:Committee on Foreign Investment in the United States)による承認その他監督官庁の通常の承認、そして、誓約事項があらゆる重大な点において遵守されていること、Ampereへの重大な悪影響が発生しないこと、特定の雇用関連の事項等、その他の前提条件の充足(または放棄)が条件となります。
当社は、本取引が2025年度後半に完了するものと見込んでいます。本取引の結果、Ampereはソフトバンクグループ㈱の100%子会社となります。
詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記48.追加情報 (1)Ampere Computing Holdings LLCの買収について」をご参照ください。
為替換算レート
a.連結経営成績の状況
以下、連結損益計算書の主要な科目および特筆すべき科目に関する概要を記載します。
A 売上高
ソフトバンク事業およびアーム事業はいずれも増収となりました。詳細は「b. セグメントの業績概況」の「(c)ソフトバンク事業」および「(d)アーム事業」をご参照ください。
B 持株会社投資事業からの投資損益
持株会社投資事業からの投資利益は3,413,821百万円となりました。これは主に、アリババ株式に係る投資利益1,875,908百万円、Tモバイル株式に係る投資利益1,352,177百万円(投資に係るデリバティブ関連損益および為替換算影響額を含む)、ドイツテレコム株式に係る投資利益434,224百万円をそれぞれ計上したことによるものです。詳細は「b. セグメントの業績概況(a)持株会社投資事業」をご参照ください。
C SVF事業からの投資損益
SVF事業からの投資利益は387,584百万円となりました。その内訳は、SVF1で940,483百万円の利益、SVF2で526,496百万円の損失、LatAmファンドで8,110百万円の利益、その他で34,513百万円の損失です。
SVF1の投資利益は、主に当期末に保有する投資の未実現評価利益889,312百万円(純額)を計上したことによるものです。そのうち、公開投資先については、Coupang, Inc.(以下「Coupang」)やDiDi Global Inc.(以下「DiDi」)などの株価上昇に伴い合計580,211百万円の未実現評価利益(純額)を計上しました。未公開投資先については、公開類似企業の株価上昇および好調な業績を反映したBytedance Ltd.(以下「ByteDance」)の公正価値の増加が牽引役となり、合計309,101百万円の未実現評価利益(純額)を計上しました。
SVF2の投資損失は、主に当期末に保有する投資の未実現評価損失539,320百万円(純額)を計上したことによるものです。AutoStoreやSymbotic Inc.などの公開投資先の株価が下落したほか、主に業績低迷や公開類似企業の株価下落を反映して未公開投資先の公正価値も減少しました。
詳細は「b. セグメントの業績概況(b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」をご参照ください。
主にB~Cの結果、投資損益合計は3,701,107百万円の利益となりました。
D 販売費及び一般管理費
ソフトバンク事業の販売費及び一般管理費が前期比119,701百万円増の2,174,555百万円に、アーム事業の販売費及び一般管理費が前期比43,463百万円増の536,898百万円になりました。前者は主に、スマートフォン契約の獲得強化およびコマースサービスにおける既存顧客の継続利用促進のための販売関連費が増加したことによるものです。後者は、主に研究開発の強化を目的として技術関連人員を中心に従業員数を増加させた結果、株式報酬費用を含む人件費が増加したことによるものです。
E 財務費用
SVFの支払利息が借入金の大幅減少に伴い前期比35,691百万円減の32,713百万円となった一方で、ソフトバンクグループ㈱1の支払利息が前期比40,744百万円増の443,765百万円となりました。また、2024年7月にSBE Globalが当社の子会社となったことに伴い、同社の支払利息16,008百万円を計上しました。ソフトバンクグループ㈱の支払利息が増加したのは主に、発行残高の増加に伴い国内社債に係る支払利息が増加したことに加え、2024年9月にタームローンにより29億米ドルの借入を実行したことによるものです。
F 為替差損益
主にソフトバンクグループ㈱と国内の資金調達子会社の米ドル建負債(子会社からの借入や外貨建普通社債など)および米ドル建現預金・貸付金について、前者が後者を上回っていたことから、期末日為替換算レートが前期末に比して円高となったことにより為替差益27,055百万円(純額)を計上しました。
なお、ソフトバンク・ビジョン・ファンドなど機能通貨が外貨(主に米ドル)の在外子会社・関連会社の純資産については、期末日為替換算レートが前期末に比して円高となったことにより円換算後の価値が減少しましたが、そのマイナス影響は為替差損益には含まれず、連結財政状態計算書の資本の部の「その他の包括利益累計額」に在外営業活動体の為替換算差額の減少額521,272百万円として計上されています。
G デリバティブ関連損益(投資損益を除く)
アリババ株式を利用した先渡売買契約等に係るデリバティブ関連損失1,698,697百万円、ドイツテレコム株式を利用したカラー取引に係るデリバティブ関連損失319,735百万円をそれぞれ計上しました。
H SVFにおける外部投資家持分の増減額
「SVFにおける外部投資家持分の増減額」は、SVFの投資損益から当社100%子会社である運営会社が受領する管理報酬、業績連動型管理報酬、成功報酬、SVFの営業費用およびその他の費用を控除した金額をもとに算出された、外部投資家に帰属する損益です。連結損益計算書においては、通常、SVFにおいて投資利益を計上した場合には外部投資家に帰属する利益が外部投資家持分(成果分配型投資家帰属分)の増加額として費用方向(マイナス)に、投資損失を計上した場合には外部投資家に帰属する損失が外部投資家持分(成果分配型投資家帰属分)の減少額として利益方向(プラス)に寄与します。このほか、SVFにおける投資損益にかかわらず、外部投資家によるプリファード・エクイティの拠出額残高に応じて外部投資家持分(固定分配型投資家帰属分)の増加額が費用方向(マイナス)に寄与するものとして計上されます。
当期において、SVF事業からの投資利益387,584百万円に対してSVFにおける外部投資家持分の増加額が491,898百万円となったのは、外部投資家持分の割合が大きいSVF1において投資利益1,022,971百万円(SVF1単体ベース)を計上したことに伴い、成果分配型投資家帰属分の増加額402,783百万円を計上したことによるものです。このほか、固定分配型投資家帰属分の増加額98,201百万円を計上したことも寄与しました。
I その他の損益
2024年5月に、ソフトバンクグループ㈱の子会社を通じて保有していたフォートレスの全持分をMubadala Investment Company PJSCの子会社に売却した結果、フォートレスに対する支配を喪失したことに伴い、子会社の支配喪失利益93,139百万円を計上しました。また、2024年7月に、当社の持分法適用関連会社であったSBE Globalの持分を追加取得し、同社が当社の子会社となったことに伴い、既存の投資持分を公正価値測定した結果、企業結合に伴う再測定による利益55,553百万円を計上しました。その他の内訳は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記41.その他の損益」をご参照ください。
主にA~Iの結果、税引前利益は前期比1,646,920百万円増加の1,704,721百万円の利益となりました。
J 法人所得税
法人所得税は101,613百万円となりました。当期税金費用645,668百万円を計上した一方で、繰延税金費用を利益方向に544,055百万円計上したことによるものです。当期税金費用は、主にアリババ株式を利用した先渡売買契約の現物決済に伴いソフトバンクグループ㈱において295,679百万円計上したほか、ソフトバンク㈱などの事業会社で269,357百万円計上しました。繰延税金費用(利益)は、主にアリババ株式を利用した先渡売買契約の現物決済に伴い、前期末にアリババ株式および関連するデリバティブに対して計上していた繰延税金負債を取り崩したことによるものです。
なお、当期より適用となったグローバル・ミニマム課税の所得合算ルール(IIR)に関して、当期におけるトップアップ課税を見積もった結果、ソフトバンクグループ㈱において計上された税金費用はありません。
主にA~Jの結果、親会社の所有者に帰属する純利益は前期比1,380,978百万円改善の1,153,332百万円の利益となりました。
b.セグメントの業績概況
当社の報告セグメントは、当社の経営資源の配分の決定や業績の評価を行うための区分を基礎としています。当期末現在、「持株会社投資事業」、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」、「ソフトバンク事業」、「アーム事業」の4つを報告セグメントとしています。
報告セグメントの概要は以下の通りです。
(注1)2024年5月14日、ソフトバンクグループ㈱は、ソフトバンクグループ㈱の子会社を通じて保有していたフォートレスの全持分をMubadala Investment Company PJSCの子会社に売却しました。本取引の完了をもって、フォートレスはソフトバンクグループ㈱の子会社でなくなりました。
(a)持株会社投資事業
(注1)投資に係るデリバティブ関連損益および為替換算影響額を含む金額です。
<事業概要>当事業においては、主にソフトバンクグループ㈱が、戦略的投資持株会社として直接または子会社を通じて投資活動を行っています。当事業は、ソフトバンクグループ㈱、SoftBank Group Capital Limited、ソフトバンクグループジャパン㈱、ソフトバンクグループオーバーシーズ合同会社および資産運用子会社であるSB Northstarのほか、投資または資金調達を行う一部の子会社で構成されています。持株会社投資事業からの投資損益は、ソフトバンクグループ㈱が、直接または子会社を通じて保有する投資からの投資損益により構成されています。ただし、子会社からの受取配当金および子会社株式に係る減損損失などの子会社株式に関連する投資損益を含みません。
当事業を構成する会社が保有する投資先は、アリババやTモバイル、ドイツテレコムなどであり、そのほとんどがFVTPLの金融資産として認識されるものです。FVTPLの金融資産に該当する投資は、四半期ごとに公正価値を測定し、その変動額を「投資損益」として連結損益計算書に計上しています。
資産運用子会社からの上場株式や社債等への投資
SB Northstarはソフトバンクグループ㈱の余剰資金を用いて上場株式や社債等の取得および売却を行っています。当期における資産運用子会社に係る投資損失(債券投資による受取利息を含む)は144億円(活動開始来の累計投資損失:9,655億円)(注1)、当期末における投資残高は1兆1,348億円(うち、社債:8,195億円)です。社債は主に残存年数が短い投資適格債に投資しています。
同社における持分は、ソフトバンクグループ㈱が67%、ソフトバンクグループ㈱代表取締役 会長兼社長執行役員の孫 正義が33%をそれぞれ間接的に保有しています。孫 正義の持分は非支配持分として同社の投資損益から差し引かれるため、投資損益の67%が親会社の所有者に帰属する純利益に影響を与えます。ソフトバンクグループ㈱が同社に対しファンド存続期間(12年+延長2年)満了時に債権を保有し、その債権に返済不能分が発生した場合、持分比率に応じて孫 正義は損害額を補償します。
(注1)累計投資損失は、受取配当金および債券投資による受取利息を含む一方、SB NorthstarからSB Investment Advisers (US) Inc.子会社のSPAC3社への投資の影響を含みません。
<業績全般>
(注1)当期に実現した投資に係る未実現評価損益の過年度計上額を「投資の実現損益」に振り替えています。
(注2)投資の未実現評価損益は当該評価損益が生じた四半期の平均為替レートを用いて換算する一方、投資の実現損益は当該株式を処分した四半期の平均為替レートを用いて換算します。「為替換算影響額」は、未実現評価損益と実現損益の換算に使用する為替レートの差により生じた金額です。
A 持株会社投資事業からの投資利益:3,413,821百万円
・2024年6月7日に、当社がドイツテレコムに付与したTモバイル株式を対象とする株式購入オプションの一部が行使されたため、当社はTモバイル株式6.7百万株を670百万米ドルで売却しました。この結果、当期において、投資の実現利益78,277百万円、投資の未実現評価損失50,043百万円(過年度計上額のうち実現損益への振替額)、投資に係るデリバティブ関連損失17,753百万円、為替換算影響額11,066百万円の損失を計上しました。なお、同株式購入オプションのうち残りの未行使分については、2024年6月22日に行使期限が到来し消滅しました。
・アリババ株式を利用した株式先渡売買契約の現物決済により、投資の実現利益280,516百万円、投資の未実現評価利益900,335百万円(過年度計上額のうち実現損益への振替額)を計上しました。
・投資の未実現評価利益3,134,253百万円を計上しました。このうち当期計上額は2,379,508百万円でした。これは主に、当期末に引き続き保有するTモバイル株式に係る未実現評価利益1,346,194百万円、アリババ株式に係る未実現評価利益695,057百万円、ドイツテレコム株式に係る未実現評価利益398,793百万円をそれぞれ計上したことによるものです。
・投資に係るデリバティブ関連損失297,653百万円を計上しました。これは主に上場株式を対象としたオプション取引に係る損失285,533百万円を計上したことによるものです。
B 財務費用:531,252百万円(前期比57,441百万円増加)
・ソフトバンクグループ㈱1のグループ外への支払利息が前期比40,744百万円増の443,765百万円となりました。これは主に、発行残高の増加に伴い国内社債に係る支払利息が増加したことに加え、2024年9月にタームローンにより29億米ドルの借入を実行したことによるものです。
・2023年8月に行ったSVF1からのアーム株式の取得の対価のうち未払金に係る償却原価83,715百万円を計上しました。なお、当該償却原価は連結上、消去されています。
(参考情報)資産運用子会社の当社連結財政状態計算書への影響
(注1)当社の子会社であるDelaware Project 1 L.L.C.、Delaware Project 2 L.L.C.およびDelaware Project 3 L.L.C.(以下「Delaware子会社」)から資産運用子会社であるSB Northstarへの出資額
(非支配持分の計算)
(注2)表中Bの3分の1
(純資産(上記C)に対する持分)
当事業における主な有利子負債およびリース負債
(注)資金調達を行う100%子会社による借入はソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。
(b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業
(注1)累計リターンおよび投資損益は外部投資家持分および税金等の控除前のグロスの金額です。以下本項の累計パフォーマンスの表示において同じです。
(注2)売却額等+保有投資の公正価値。以下同じです。
(注3)当第4四半期中に実行した投資と売却による変動を除いた公正価値(米ドルベース)の増減率です。なお、投資先の公開/未公開の区分は、当第4四半期末時点の状態に基づいており、当第4四半期中に公開/未公開の区分が変更になった投資先については、当第3四半期末の状態を当第4四半期末時点の状態に合わせた上で比較を行っています。以下本項における四半期末に保有する投資の公正価値の増減において同じです。
(注4)公開投資先は証券取引所および店頭市場で取引される株式を、未公開投資先は公開投資先に該当しない投資先を指します。以下同じです。
(注5)「エグジットした投資」の当期1~3月および当期累計損益計上額は、当該投資のエグジット金額から投資額を差し引いた金額です。過年度または当第3四半期までに計上した当該投資に係る未実現評価損益については、「当期にエグジットした投資の未実現評価損益過去計上額の振替」に表示しています。そのため、「エグジット前の投資」の当第3四半期までの決算において開示した各四半期の損益計上額と、上記「当期1~3月」の損益計上額との合計は、上記「当期累計」の損益計上額と一致しない場合があります。
(注6)投資額は、デリバティブについてはデリバティブ原価を表します。リターンは、エグジットした投資についてはエグジット金額を、エグジット前の投資については公正価値を、デリバティブについては既決済契約の決済額または未決済契約の公正価値を、受取利息または配当金については各受領額を指します。
<事業概要>当事業の業績には、主にソフトバンク・ビジョン・ファンド1(SVF1)、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SVF2)およびソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド(LatAmファンド)における投資および事業活動の結果が含まれています。
当事業における主なファンドの概要
2025年3月31日現在
AIを活用した成長可能性の大きな企業へ投資し、中長期的視点から投資成果を最大化することを目指しています。SVF1の投資期間は終了しましたが、固定分配やファンド運営関連費用への充当を目的に出資コミットメント総額の残額が留保されています。
(注1)SVF1への当社の出資コミットメントは、アーム株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される25億米ドルを含みます。
(注2)SVF2およびLatAmファンドには当社経営陣による共同出資プログラムが導入されており、経営陣の投資エンティティであるMgmtCoが参画しています。当社連結財務諸表上、MgmtCoの出資持分は外部投資家持分として扱われています。詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記45.関連当事者(1)関連当事者との取引 a. 配当受領権制限付き共同出資プログラム」をご参照ください。
SVFにおける借入
SVF1、SVF2およびLatAmファンドは、レバレッジの活用や手元流動性の確保などを目的として、ソフトバンクグループ㈱にはノンリコースの借入を独自に行うことがあります。このような借入には、例えばリターンの向上およびリミテッド・パートナーへの分配を目的とした保有資産を活用するアセットバック・ファイナンスがあります。
投資先の公正価値評価
SVF1、SVF2およびLatAmファンドはIFRS第13号「公正価値測定」に従い、SBIA Global Valuation PolicyおよびInternational Private Equity and Venture Capital Valuation Guidelines(IPEVガイドライン)に基づいて、毎四半期末日における投資先の公正価値を算定しています。公開投資先のうち、証券取引所で取引される株式については相場価格を用いて、店頭市場で取引される株式については相場価格および観察可能なその他のインプットを単一もしくは複数用いて公正価値を算定しています。未公開投資先の公正価値算定については、公開類似企業の情報を用いたマーケット・アプローチ、予想される将来キャッシュ・フローを用いたインカム・アプローチに加えて、直近の資金調達ラウンドや類似取引の価格を用いた取引事例法などの評価手法を単一もしくは複数用いています。
<業績全般>
(注1)SVFによる当社子会社(主にアーム、PayPay㈱)への投資に係る投資損益は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業のセグメント利益において「SVF事業からの投資損益」に含まれますが、連結上消去し、連結損益計算書上の「SVF事業からの投資損益」には含まれません。
(注2)当期に実現した投資に係る未実現評価損益の過年度計上額を「投資の実現損益」に振り替えています。
SVF1およびSVF2の投資・売却実績
(注)投資額は、新規および既存投資先への追加投資を含みます。当第3四半期にSVF2が280百万米ドルで取得したPayPay㈱の新株予約権をはじめとするデリバティブへの投資額を含みません。
セグメント利益
A SVF事業からの投資利益:434,903百万円
B SVFにおける外部投資家持分の増減額:△491,898百万円
各ファンドからの投資損益から、①SBIAがSVF1から受領する管理報酬および成功報酬、②SBGAがSVF2から受領する管理報酬および業績連動型管理報酬、③SBGAがLatAmファンドから受領する管理報酬、業績連動型管理報酬および成功報酬、④各ファンドの営業費用およびその他の費用を控除した金額をもとに算出された外部投資家に帰属する損益です。詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記7.ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業 (2)SVFにおける外部投資家持分」をご参照ください。
当社からSVF2への投資移管
ソフトバンクグループ㈱および主要投資子会社の投資ポートフォリオの再整理の一環として、当社が支配もしくは共同支配を有していない未公開投資先6銘柄(注1)をSVF2へ移管することを、2024年10月21日のソフトバンクグループ㈱取締役会で決議し、当第3四半期および当第4四半期に移管日の公正価値でSVF2へ移管しました。これらの投資の当社取得額は19.5億米ドルであり、移管価額は当第4四半期に独立した外部機関による評価査定に基づき最終化した結果、当第3四半期に暫定的に算定した価額と同額の19.0億米ドルでした。
(注1)1X Holdings, Inc.、AI Lens Co., Ltd.、Mapbox, Inc.(デリバティブを含む)、Skild AI, Inc.、WayveおよびZipline International Inc.の6銘柄です。このうち、1X Holdings, Inc.およびSkild AI, Inc.を当第4四半期にロボHDへ移管しました。ロボHDへの移管の詳細は「(1)財政状態及び経営成績の状況<ロボティクス関連投資を中間持株会社へ集約>」をご参照ください。
投資の状況
2025年3月31日現在
SVF1
(単位:十億米ドル)
合計(下記①+②+③+④)
(参考)
①エグジットした投資
②エグジット前の投資(当期末に保有する投資)(注5)
③デリバティブ
④投資先からの利息および配当金
(注)各項目の金額は、単位未満を四捨五入しているため、内訳の計と合計が一致しない場合があります。
(注1)外部投資家持分および税金等の控除前
(注2)累計投資パフォーマンスを純額で示すため、株式交換を行った投資について交換先の株式の取得額および当初保有株式の処分額(売却額)をそれぞれ控除しています。Uber Advanced Technologies GroupとAurora Innovation Inc.、PT TokopediaとPT GoTo Gojek Tokopedia Tbk、Grofers International Pte. Ltd.とZomato Limited、Zymergen, Inc.とGinkgo Bioworks Holdings, Inc.、Candy Digital, Inc.とFanatics Holdings, Inc.(既存投資先)の株式交換が含まれます。なお、SVF1は過年度において既存投資先2社の株式を同じく既存投資先であるその関係会社株式に交換したため、当項目において該当する投資の取得額および処分額(売却額)をそれぞれ控除しています。
(注3)既存投資先からの現物配当として受領した投資について投資件数から控除しています。アームから受領した2銘柄(Treasure Data, Inc.およびAcetone Limited(Arm Technology (China) Co., Ltd.株式の約48%を保有する中間持株会社))およびReef Global Inc.から受領した2銘柄(REEF Proximity Aggregator LLCおよびParking Aggregator LLC)が含まれます。
(注4)株式交換および投資先の組織再編による処分(売却)を含みます。
(注5)投資先の公開/未公開の区分は、当期末時点の状態に基づいています。
(注6)公開株式には店頭市場で取引されているDiDiへの投資を含みます。
(注7)当社からSVF1への移管が決定されていたものの実行されなかった投資について、移管の取りやめを決定するまでの期間に発生した未実現評価損益は含めていません。
SVF2
(単位:十億米ドル)
合計(下記①+②+③+④)
(参考)
①エグジットした投資
②エグジット前の投資(当期末に保有する投資)(注6)
③デリバティブ
④投資先からの利息および配当金
(注)各項目の金額は、単位未満を四捨五入しているため、内訳の計と合計が一致しない場合があります。
(注1)外部投資家持分および税金等の控除前
(注2)1X Holdings, Inc.、Agile Robots SE、Skild AI, Inc.、Terabase Energy, Inc.などの6銘柄をロボHDへ現物出資により移管しました。また、投資に係るコミットメントに充当するため、575百万米ドルの現金を拠出しました。「ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」では、当該6銘柄を全部エグジット、ロボHDを新規投資として扱いますが、連結上では、当社の100%子会社であるロボHDを通じて継続して保有しています。累計投資パフォーマンスを純額で示すため、SVF2の当初保有株式の移管価額および対価として取得したロボHD株式の公正価値をそれぞれ控除しています。
(注3)SVF2が保有していたWeWorkの債券(計4銘柄)および同社による米国連邦破産法11条に基づく手続き完了に伴い同債権の対価として受領した再建後の新WeWork株式(1銘柄)を投資銘柄数から控除しています。
(注4)累計投資パフォーマンスを純額で示すため、株式交換を行った投資について交換先の株式の取得額および当初保有株式の処分額(売却額)をそれぞれ控除しています。XCOM Labs, Inc.とGlobalstar, Inc.、ODA Group Holding ASとMathem Holdings AB、Exscientia PLCとRecursion Pharmaceuticals, Inc.の株式交換が含まれます。
(注5)株式交換および投資先の組織再編による処分(売却)を含みます。
(注6)投資先の公開/未公開の区分は、当期末時点の状態に基づいています。
(注7)SVF2のエグジット前の投資の投資額および公正価値には、投資の取得対価の一部として受領した他会社の非支配持分に係るものが含まれています。
LatAmファンド
当期末現在、LatAmファンドは累計投資額75億米ドルに対し累計リターンは64億米ドルとなり、活動開始来累計損失は11億米ドルとなりました。当期においては、投資利益57百万米ドルを計上しました。
資金の状況
2025年3月31日現在
SVF1
(注)SVF1への当社の出資コミットメントは、アーム株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される25億米ドルを含みます。
(注1)当期末現在、外部投資家の拠出額残高の200億米ドルのうち、51億米ドルはプリファード・エクイティ出資です。
SVF2
(注)コミットメント残額には再コール可能な払込資金返還額を含みます。
(参考:2025年3月31日現在 出資コミットメントの内訳)
(注)当期末現在、MgmtCoによる出資額の支払いは実施されていません。
(注1)SVF2 LLC(SVF II Investment Holdings LLC)はSVF2の傘下に設立された当社の子会社であり、共同出資プログラムの対象となる投資を間接的に保有しています。
当期末現在、LatAmファンドに対する出資コミットメント総額は78億米ドル、拠出額は76億米ドルです。
(c)ソフトバンク事業
<事業概要>当事業の業績には、ソフトバンク㈱および同社子会社が主に日本国内で行っているモバイルサービスの提供や携帯端末の販売、ブロードバンドサービスや広告サービス、コマースサービスの提供などの事業活動の結果が含まれています。「Beyond Carrier」戦略の下、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、「Yahoo! JAPAN」、「LINE」といったインターネットサービスや、キャッシュレス決済サービス「PayPay」などのAI・IoT・FinTechを含む最先端テクノロジーを活用したビジネスの展開を通じ、通信以外の領域の拡大を目指しています。
<業績全般>セグメント利益は、前期比71,233百万円(8.5%)増加の906,309百万円となりました。これは主に、メディア・EC事業、コンシューマ事業およびエンタープライズ事業が引き続き増益となったことに加え、ファイナンス事業の主な担い手であるPayPay㈱グループが黒字に転じたことによるものです。
メディア・EC事業は、アカウント広告の成長に伴うメディア売上の増加やコマース売上の増加に加えて、複数の子会社に係る支配喪失利益を計上(上表「その他の損益」に計上)したことにより増益となりました。コンシューマ事業は、主にモバイルサービス売上や物販売上、ブロードバンドサービス売上の増収効果で増益となりました。このうちモバイルサービス売上は、スマートフォン契約数の増加等により引き続き増収となりました。エンタープライズ事業は、企業のデジタル化が加速する中でクラウドサービスの売上が拡大したことなどにより増益となりました。PayPay㈱グループは、主に決済取扱高の拡大に伴う手数料収入の増加およびリボ払い残高の拡大に伴う金利収入の増加により増収となったことに加え、固定費の最適化や、キャンペーン設計の変更などによる販売促進費の効率化により収益性が改善したことにより黒字に転じました。
なお、当期の投資損失の計上は主に、LINEヤフー㈱の子会社において持分法適用関連会社のLINEヤフー㈱以外の持分所有者の一部に付与している売建プットオプションについて公正価値で測定したことによるものです。
(d)アーム事業
(注)セグメント利益には、アーム買収時に行った取得原価配分により計上した無形資産の償却費が、当期は63,715百万円、前期は65,581百万円含まれています。
<事業概要>アームは主に、低消費電力型マイクロプロセッサーおよび関連テクノロジーのデザインなど、半導体のIP(回路の設計情報などの知的財産)のライセンス事業を行っています。
アームの業績は半導体市場の動向にプラスにもマイナスにも大きく影響を受けることがあります。市場の売上高はその成長に応じて増加し、アームのロイヤルティー収入の増加をもたらします。また、市場の成長はアームの顧客による活発な製品設計活動を促す可能性があり、アームがより多くの最新テクノロジーをライセンスする機会が生まれ、ライセンスおよびその他の収入の増加につながります。
アームは、コンピューティングの未来を築くため、研究開発投資を継続して強化しています。CPUや、グラフィックスプロセッサー、AIアクセラレーターおよび統合サブシステムなどの関連技術を開発することで、顧客が次世代のコンピューティングデバイスを開発できるようサポートしています。
<業績全般>売上高(米ドルベース)
アームの売上は主に米ドル建てであるため、本項の売上高は米ドルベースの実績を記載しています。
売上高は、前期から809百万米ドル(25.3%)増加しアーム史上最高となりました。
ロイヤルティー収入
ロイヤルティー収入は、前期から401百万米ドル(22.7%)増加し、過去最高となりました。特にスマートフォン分野において、従来の「Armv8」からチップ当たりのロイヤルティー単価が約2倍となる「Armv9」への置き換えが進んだことが成長を牽引しました。加えて、スマートフォンおよびクラウド分野において、アームのコンピュート・サブシステム(CSS)をベースにしたチップの量産出荷が始まり、ロイヤルティー収入の拡大に寄与しました。CSSベースの設計は、事前に統合・検証された構成で提供されるため、顧客によるチップ開発期間の短縮およびコスト削減を可能とすることで、より高いロイヤルティー料率が適用されます。さらに、当期においてクラウドおよび自動車分野においてアームのシェアが拡大したことも、ロイヤルティー収入の成長を後押ししました。前者ではアームベースのカスタムシリコン(自社設計の半導体チップ)の採用拡大が、後者では自動車の高機能化が、それぞれ成長の背景にあります。一方で、IoT機器およびネットワーク機器分野では、期初の在庫調整の影響を受けて収益成長が一部抑制されました。
ライセンスおよびその他の収入
ライセンスおよびその他の収入は前期から408百万米ドル(28.5%)増加し、過去最高となりました。複数の大手テクノロジー企業と高額かつ長期のライセンス契約を締結したことが力強い増収に寄与しました。アームの顧客は、次世代スマートフォン、データセンター、ネットワーク機器、自動車、コンシューマー・エレクトロニクスおよびAIアプリケーションなど多岐にわたる用途に向けたチップを開発しています。これらの顧客の多くは、アームの最先端技術へのアクセスを通じて、将来のAIアルゴリズムを実行可能なチップを設計し、それらが搭載された製品が市場に投入される際に高い競争力を発揮することを目指しています。現在の旺盛なライセンス需要は、今後開発され数年後に市場に投入されるチップからのロイヤルティー収入の基盤となることが期待されます。
セグメント利益
セグメント利益は、前期から80,882百万円改善し、47,667百万円の利益となりました。大幅な増収が、次世代のテクノロジーを開発する技術関連人員の増加などに伴うコストの増加を上回ったことによるものです。
なお、アームは当期から金銭による賞与を廃止し、株式報酬を従業員への主なインセンティブ報酬としています。株式報酬はIFRS第2号「株式に基づく報酬」に基づき費用計上されています。
<技術開発>当期、アームおよびライセンシー企業は技術開発に関する以下の発表を行いました。なお、各技術開発の詳細については、発表各社のウェブサイトに掲載されているプレスリリースをご参照ください。
・Google LLCは、同社初となる自社開発のデータセンター向けアームベースCPU、Google Axionを発表(2024年4月)。同等の現行世代のx86ベースCPUと比較して最大50%の性能向上と、最大60%の高いエネルギー効率を実現
・Microsoft Corporationは、AI向けに設計されたCopilot+ PCを発表(2024年5月)。これまでで最も高速でインテリジェントなWindows PCであり、第1世代はアームのエネルギー効率に優れた高性能アーキテクチャーで動作
・アームは、スマートフォン、ラップトップおよびコンシューマー・エレクトロニクス向けの次世代のCPUおよびGPU製品を発表(2024年5月)。新しいコンピュート・サブシステム(CSS)は、ソフトウエアやゲームで35%以上、大規模言語モデルを含むオンデバイスの生成AIで40%以上の性能向上を実現
・Meta Platforms Inc.とアームは、Llama 3.2の小規模および大規模言語モデル(10億〜900億パラメーター)を、コンシューマー・エレクトロニクスからスマートフォン、データセンターサーバーに至るまで、アームベースのCPUに最適化するために協力すると発表(2024年9月)
・MediaTek Inc.は、フラッグシップスマートフォン向け次世代チップDimensity 9400を発表(2024年10月)。同チップは「Armv9」をベースとした最新のコンピュート・サブシステム(CSS)を基に開発され、CPUコア「Arm Cortex-X925」およびGPUコア「Arm Immortalis-G925」を搭載
・NVIDIA Corporationは、アームベースのデスクトップAIスーパーコンピュータProject DIGITSを発表(2025年1月)。データサイエンティスト、AI研究者および学生等の個人が、クラウドへのアップロード前にAIモデルを試作、調整および実行することを可能に
・アームは、IoT機器向けにAI処理能力を強化する最新CPU「Arm Cortex-A320」を発表(2025年2月)。同社のNPU「Ethos-U85」との組み合わせにより、10億超のパラメーターを持つAIモデルの実行が可能となり、産業用ロボットの高度な制御、スマートカメラの認識精度向上、家庭用デバイスの利便性向上などに寄与
c.財政状態の状況
(注1)「SVFからの投資(FVTPL)」には、SVFが保有する当社の子会社への投資(主にPayPay㈱)および当社から移管後引き続き持分法を適用している投資(後者は「持分法で会計処理されている投資」に計上)を含みません。
(注2)期末日の対米ドルの為替換算レートが前期末に比して1.2%円高となったことによる帳簿価額の減少を含みます。
(a)資産
主な科目別の増減理由
(注1)米ドルに対する現地通貨相場の変動影響を含みます。
(注2)ドイツテレコム株式は当社米国子会社が保有するため、米ドルに対するユーロの変動影響を含みます。
(別掲)エンティティ別の現金及び現金同等物
連結上の現金及び現金同等物は前期末比2兆4,738億円減少の3兆7,130億円となりました。詳細については「(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(注)連結消去後の金額です。
(注1)当期より、報告セグメントごとに区分して表示しています。これに伴い、従前、表下段の「その他」に含めていた金額の一部を、「持株会社投資事業」の「その他」に組み替えています。
(注2)PayPayカード㈱をはじめとする同社子会社の現金及び現金同等物を含みます。
(注3)PayPay銀行㈱の現金及び現金同等物の当期末残高は223,939百万円です。
(b)負債
主な科目別の増減理由
(別掲)連結有利子負債およびリース負債(流動負債および非流動負債の合計)
(注)連結消去後の金額です。
(注1)当期より、報告セグメントごとに区分して表示しています。これに伴い、従前、表下段の「その他」に含めていた金額の一部を、「持株会社投資事業」の「その他」に組み替えています。
(注2)資金調達を行う100%子会社の有利子負債はソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。
(注3)PayPayカード㈱をはじめとする同社子会社の有利子負債およびリース負債を含みます。
(注4)PayPay銀行㈱の銀行業の預金は、有利子負債には含まれていません。
前期末からの主な会社別の増減理由
(c)資本
主な科目別の増減理由
(2)キャッシュ・フローの状況
<重要な非資金取引>当期において、アリババ株式先渡売買契約およびドイツテレコム株式を利用したカラー取引の一部を現物決済しました。いずれの取引も非資金取引に該当するため、連結キャッシュ・フローへの影響はありません。詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記44.連結キャッシュ・フロー計算書の補足情報」をご参照ください。
(a)営業活動によるキャッシュ・フロー
SB Northstarにおける余剰資金運用を目的とした社債(主に残存年数が短い投資適格債)等への投資があったものの、営業活動によるキャッシュ・フローは203,580百万円のキャッシュ・イン・フロー(純額)となりました。
なお、法人所得税の支払額は380,008百万円、法人所得税の還付額は164,847百万円でした。前者は主に、ソフトバンク㈱が法人所得税を支払ったことによるものです。後者は主に、ソフトバンクグループ㈱が前期に中間納付した法人所得税118,026百万円について76,724百万円の還付を受けたことによるものです。
(b)投資活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
(c)財務活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
(注1)短期有利子負債の収支には、IFRSにおける「純額によるキャッシュ・フローの報告」の要件を満たした財務活動によるキャッシュ・フローを記載しています。
(注2)借入による収入および借入金の返済による支出には、契約上の借入期間が1年以内の借入金に係る収入が1,687,992百万円、支出が1,007,139百万円、それぞれ含まれています。
(d)当社の資本の財源および資金の流動性に係る情報
i.ソフトバンクグループ㈱における資本の財源
ソフトバンクグループ㈱は、戦略的投資持株会社として、子会社・関連会社への投資を含む直接投資(子会社を通じた投資を含みます。)または投資ファンド(例えば、SVF1およびSVF2ならびにLatAmファンド)を通じて多数の企業に投資を行っています。また、適切なタイミングでそれらの保有資産を資金化することで、回収した資金や投資先からの配当、投資ファンドからの分配金などを、成長戦略に基づき新規投資に充当するほか、適切なタイミングで株主還元や財務改善にも振り向けています。このほか、負債の返済原資等に充当する目的で社債の発行や金融機関からの借入を実施しています。
保有資産の資金化においては、保有資産の売却だけではなく、多様なアセットバック・ファイナンス(株式先渡売買契約やマージンローンなど、保有資産を活用した資金調達)により、機動的な資金化を実現しています。また、SVFを通じた投資についても、ストラテジックバイヤーや他のアセットマネージャーへの売却、投資先の上場を通じて資金化を行っています。
また、社債の発行においては、円建シニア社債だけではなく米ドルやユーロ建シニア社債、ハイブリッド社債など異なる商品性の債券を発行することで、国内外の様々な市場からの資金調達の機会を確保し、安定的な調達を図っています。
ii.当期における資本の財源と資金の流動性の分析
当期は、主にAI関連企業への投資を積極的に行いました。財務活動においては、社債のリファイナンスおよび新規発行、各種シンジケートローンによる調達を行った一方、自己株式の取得による株主還元も行いました。
主にこうした投資活動と財務活動の結果、当期末においても当社の手元流動性は今後2年間の社債償還に必要な資金を上回る水準を維持しています。
(3)生産、受注および販売の状況
当社グループのサービスは広範囲かつ多種多様であり、また受注生産形態をとらない事業も多いため、セグメントごとに生産の規模および受注の規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
なお、販売の状況については、「(1)財政状態及び経営成績の状況 b.セグメントの業績概況」における各セグメントの業績に関連付けて示しています。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたり必要となった重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定については、「第5.経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記5.重要な判断および見積り」をご参照ください。
なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
1.業績ハイライト ◆ 投資利益3兆7,011億円(前期の投資損失:5,594億円) - 持株会社投資事業からの投資利益3兆4,138億円 ・アリババ株式に係る投資利益1兆8,759億円、Tモバイル株式に係る投資利益1兆3,522億円(注1)、ドイツテレコム株式に係る投資利益4,342億円をそれぞれ計上 (アリババ株式に係る投資利益1兆8,759億円およびドイツテレコム株式に係る投資利益4,342億円は、アリババ株式を利用した先渡売買契約およびドイツテレコム株式を利用したカラー取引に係るデリバティブ関連損失2兆184億円(別科目「デリバティブ関連損益(投資損益を除く)」に計上)で相殺) - SVF事業からの投資利益3,876億円(当社子会社への投資に係る投資利益を含まない) ・ByteDanceやCoupangなど一部の投資先の公正価値が増加 ・活動開始来累計損益はSVF1で234億米ドルのプラス、SVF2で229億米ドルのマイナス(注2) ※アームやソフトバンク㈱などの子会社は連結されるため、株式の公正価値の変動は連結損益計算書に計上せず ◆ 税引前利益1兆7,047億円(前期比1兆6,469億円増加) - 販売費及び一般管理費3兆244億円 - 財務費用5,816億円 - デリバティブ関連損失(投資損益を除く)2兆340億円:アリババ株式およびドイツテレコム株式の株価上昇に伴い、同株式の先渡売買契約およびカラー取引に係るデリバティブ関連損失を計上。上記の通り、アリババ株式およびドイツテレコムに係る投資利益を相殺 - SVFにおける外部投資家持分の増加額4,919億円:外部投資家持分の割合が大きいSVF1において投資利益1兆230億円(SVF1単体ベース)を計上したことに伴い、外部投資家持分の増加額4,028億円(成果分配型投資家帰属分)を計上 ◆ 親会社の所有者に帰属する純利益1兆1,533億円(前期比1兆3,810億円改善) - 法人所得税1,016億円 - 非支配持分に帰属する純利益4,498億円 2.成長に向けて投資を積極化 - 米国のAI研究開発企業であるOpenAIのためにAIインフラストラクチャーを構築する「Stargate Project」を発表 - OpenAI Globalに最大400億米ドル(外部投資家へのシンジケーション予定額100億米ドルを差し引いた当社の実質的な出資予定額は最大300億米ドル)の追加出資を行うことをコミット。当期末以降の2025年4月15日、このうちファーストクロージングが完了し、100億米ドルの資金をOpenAI Globalに提供(うち、15億米ドルはシンジケーションにより外部投資家が、残りの85億米ドルはSVF2が出資) - 米国の半導体設計企業であるAmpereの全持分を65億米ドルで取得し、100%子会社化することを決定。2025年度後半に完了の見込み - AIや機械学習に特化した半導体チップの設計・開発を手掛ける英国のGraphcoreを子会社化 - AIを活用したデータ学習型の自動運転プラットフォームを開発する英国のWayve Technologiesへ投資(注3) - 米国で太陽光発電所の建設および運営を手掛ける持分法適用関連会社のSBE Globalの持分を追加取得し、同社を子会社化 - SVFからエンタープライズやフロンティアテックセクターの企業を中心に合計37.9億米ドルを投資(当社からSVFへの移管に伴う投資額および当社子会社への追加投資額を連結消去後)(注4) 3.社債リファイナンス・新規発行に加えて、ローン調達を実行 ◆ 国内普通社債(ソフトバンクグループ㈱) 2024年4月に機関投資家向け国内普通社債1,000億円、同年6月および12月に個人投資家向け国内普通社債5,500億円、3,500億円をそれぞれ発行。一方で、同年6月に国内普通社債4,500億円を満期償還。なお、当期末以降の2025年5月、個人投資家向け国内普通社債6,000億円を発行 |
◆ 外貨建普通社債(ソフトバンクグループ㈱) 2024年7月に米ドル建普通社債900百万米ドル、ユーロ建普通社債900百万ユーロをそれぞれ発行。一方で、同月に米ドル建普通社債767百万米ドルとユーロ建普通社債638百万ユーロをそれぞれ期限前償還および満期償還。このほか、2025年1月に米ドル建普通社債449百万米ドルを満期償還 ◆ 各種シンジケートローン(ソフトバンクグループ㈱および100%子会社) - シニアローン 2024年9月にタームローンにより29億米ドルの借入を実行。なお、当期末以降の2025年4月、OpenAI Globalへの追加出資(ファーストクロージング)に際し、外部投資家へのシンジケーション分を差し引いた85億米ドルの借入をブリッジローンにより実行。Ampere全持分の取得対価65億米ドルのブリッジローンも組成済 - コミットメントライン契約 2024年9月にコミットメントライン契約を更改。更改後の借入限度額は米ドル建トランシェが5,465百万米ドル、円建トランシェが356億円。当期末現在、全額借入実行済 - ハイブリッドローン 2024年11月にハイブリッドローン1,350億円を借り入れ、同月に初回期限前返済日を迎えたハイブリッドローン840億円のリファイナンスを完了 - アーム株式を利用したマージンローン 2024年12月、アーム株式を利用したマージンローンについて、借入枠を85億米ドルから135億米ドルへ増額するなどの条件を変更。当期末現在、増額分の50億米ドルは全額未使用 - ソフトバンク株式を利用したマージンローン 2025年2月、ソフトバンク株式を利用したマージンローンについて、従前の借入額5,000億円から8,000億円への増額リファイナンスを完了 4.株主還元 - 自己株式の取得 2024年8月に取締役会で決議した最大5,000億円の自己株式取得枠のうち、当期末までに累計2,370億円、2025年4月末までに累計2,862億円の自己株式を取得 - 配当 期末配当1株当たり22円で定時株主総会(2025年6月27日開催予定)に付議することを取締役会で決議。中間配当と合わせた当期の年間配当金は前期と同額の1株当たり44円に(当期の年間配当金の総額635億円) |
(注1)投資に係るデリバティブ関連損益および為替換算影響額を含む金額です。
(注2)外部投資家持分および税金等の控除前のグロスの金額です。
(注3)ソフトバンクグループ㈱および主要投資子会社の投資ポートフォリオの再整理の一環として、Wayve Technologies Ltd(以下「Wayve」)への投資を当第4四半期にSVF2へ移管しました。詳細は「b. セグメントの業績概況(b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」をご参照ください。
(注4)連結キャッシュ・フロー計算書で計上された金額です。
<アーム株式のグループ内取引の対価のうち、第3回目を支払い>2023年9月のアームの新規株式公開に先立つ同年8月、当社100%子会社はSVF1が保有していたアームの普通株式(発行済株式総数の24.99%相当)を161億米ドル(以下「本取引対価」)で取得しました。本取引対価は4分割で支払うこととなっており、同年8月の取引完了時に第1回目の41億米ドルを、2024年8月に第2回目の41億米ドルを、2025年2月に第3回目の41億米ドルをそれぞれ支払いました。これらの支払いは、グループ内で行われた当社子会社株式の譲渡対価に係る債権債務の精算のため、連結財務諸表に影響はありません。
本取引対価の分割払いの支払タイミングおよび支払額の内訳
第1回目 (支払い済) | 第2回目 (支払い済) | 第3回目 (支払い済) | 第4回目 (予定) | |
支払タイミング | 2023年8月 | 2024年8月 | 2025年2月 | 2025年8月 |
支払額 | 41億米ドル | 41億米ドル | 41億米ドル | 38億米ドル |
<ロボティクス関連投資を中間持株会社へ集約>グループ内で複数のエンティティに分散していたロボティクス関連投資を一元管理し、シナジー創出による価値向上を図るため、中間持株会社(以下「ロボHD」)を設立し、その傘下にロボティクス関連投資を集約することを2025年1月23日の取締役会で決議しました。当第4四半期においては、当社から10銘柄(注1)を現物出資または売却により、SVF2から6銘柄(注2)を現物出資によりロボHDに移管しました。このほか、投資等に係るコミットメントに充当するため、当社およびSVF2から現金を拠出しました。当社が保有するソフトバンクロボティクスグループ㈱やBalyo SAおよびSVF2が保有するAutoStore Holdings Ltd.(以下「AutoStore」)については、2026年3月期に移管を完了する予定です。これら今後予定している移管を完了した後、ロボHDの持分は、当社が過半を保有し、SVF2が残余を保有する見込みです。
当社およびSVF2からロボHDへの移管価額は移管日の公正価値を使用します。移管日の公正価値は、全ての投資の移管が完了した後、独立した外部機関による評価査定に基づき最終化する予定です。このため、当第4四半期に移管した投資については、暫定的に算定した価額を使用しています。
なお、これらの移管および現金拠出の取引は、グループ内取引のため連結上消去しています。
(注1)Berkshire Grey, Inc.やStack AV Co.など
(注2)1X Holdings, Inc.、Agile Robots SE、Skild AI, Inc.、Terabase Energy, Inc.など
当期末以降の2025年4月15日、OpenAI Globalに対する最大400億米ドルの出資額のうち、ファーストクロージングが完了し、100億米ドルの資金がOpenAI Globalに提供されました。このうち、15億米ドルは同日にシンジケーションにより外部投資家が出資し、残りの85億米ドルはSVF2が出資しました。その後、外部投資家に対して追加のシンジケーションが実行され、SVF2の出資額は85億米ドルから75億米ドルに減額されました。
ファーストクロージングに係る出資を目的として、2025年4月に当社は㈱みずほ銀行をはじめとする取引金融機関から85億米ドルの借入による調達を行い、同額をSVF2に貸し付けています。なお追加のシンジケーションに伴い、2025年5月に、当社は貸付金元本の一部回収および利息としてSVF2から10億米ドルを受領しました。
詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記48.追加情報 (2)OpenAIへの投資について」をご参照ください。
本取引はソフトバンクグループ㈱の取締役会で承認されていますが、米国における競争法上の承認、対米外国投資委員会(CFIUS:Committee on Foreign Investment in the United States)による承認その他監督官庁の通常の承認、そして、誓約事項があらゆる重大な点において遵守されていること、Ampereへの重大な悪影響が発生しないこと、特定の雇用関連の事項等、その他の前提条件の充足(または放棄)が条件となります。
当社は、本取引が2025年度後半に完了するものと見込んでいます。本取引の結果、Ampereはソフトバンクグループ㈱の100%子会社となります。
詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記48.追加情報 (1)Ampere Computing Holdings LLCの買収について」をご参照ください。
為替換算レート
2024年3月期 | 2025年3月期 | |||||||
1米ドル | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 |
期中平均 レート | 138.11円 | 145.44円 | 147.00円 | 147.87円 | 156.53円 | 150.26円 | 151.32円 | 152.95円 |
期末日 レート | 151.41円 | 149.52円 |
a.連結経営成績の状況
(単位:百万円) | |||||
3月31日に終了した1年間 | |||||
2024年 | 2025年 | 増減 | 増減率 | ||
売上高 | 6,756,500 | 7,243,752 | 487,252 | 7.2% | A |
売上総利益 | 3,542,392 | 3,754,203 | 211,811 | 6.0% | |
投資損益 | |||||
持株会社投資事業からの投資損益 | △459,045 | 3,413,821 | 3,872,866 | - | B |
SVF事業からの投資損益 | △167,290 | 387,584 | 554,874 | - | C |
その他の投資損益 | 66,985 | △100,298 | △167,283 | - | |
投資損益合計 | △559,350 | 3,701,107 | 4,260,457 | - | |
販売費及び一般管理費 | △2,982,383 | △3,024,409 | △42,026 | 1.4% | D |
財務費用 | △556,004 | △581,559 | △25,555 | 4.6% | E |
為替差損益 | △703,122 | 27,055 | 730,177 | - | F |
デリバティブ関連損益(投資損益を除く) | 1,502,326 | △2,034,029 | △3,536,355 | - | G |
SVFにおける外部投資家持分の増減額 | △390,137 | △491,898 | △101,761 | 26.1% | H |
その他の損益 | 204,079 | 354,251 | 150,172 | 73.6% | I |
税引前利益 | 57,801 | 1,704,721 | 1,646,920 | - | |
法人所得税 | 151,416 | △101,613 | △253,029 | - | J |
純利益 | 209,217 | 1,603,108 | 1,393,891 | 666.2% | |
非支配持分に帰属する利益 | 436,863 | 449,776 | 12,913 | 3.0% | |
親会社の所有者に帰属する純利益 | △227,646 | 1,153,332 | 1,380,978 | - | |
包括利益合計 | 2,241,441 | 1,082,348 | △1,159,093 | △51.7% | |
親会社の所有者に帰属する包括利益 | 1,809,984 | 666,237 | △1,143,747 | △63.2% |
以下、連結損益計算書の主要な科目および特筆すべき科目に関する概要を記載します。
A 売上高
ソフトバンク事業およびアーム事業はいずれも増収となりました。詳細は「b. セグメントの業績概況」の「(c)ソフトバンク事業」および「(d)アーム事業」をご参照ください。
B 持株会社投資事業からの投資損益
持株会社投資事業からの投資利益は3,413,821百万円となりました。これは主に、アリババ株式に係る投資利益1,875,908百万円、Tモバイル株式に係る投資利益1,352,177百万円(投資に係るデリバティブ関連損益および為替換算影響額を含む)、ドイツテレコム株式に係る投資利益434,224百万円をそれぞれ計上したことによるものです。詳細は「b. セグメントの業績概況(a)持株会社投資事業」をご参照ください。
C SVF事業からの投資損益
SVF事業からの投資利益は387,584百万円となりました。その内訳は、SVF1で940,483百万円の利益、SVF2で526,496百万円の損失、LatAmファンドで8,110百万円の利益、その他で34,513百万円の損失です。
SVF1の投資利益は、主に当期末に保有する投資の未実現評価利益889,312百万円(純額)を計上したことによるものです。そのうち、公開投資先については、Coupang, Inc.(以下「Coupang」)やDiDi Global Inc.(以下「DiDi」)などの株価上昇に伴い合計580,211百万円の未実現評価利益(純額)を計上しました。未公開投資先については、公開類似企業の株価上昇および好調な業績を反映したBytedance Ltd.(以下「ByteDance」)の公正価値の増加が牽引役となり、合計309,101百万円の未実現評価利益(純額)を計上しました。
SVF2の投資損失は、主に当期末に保有する投資の未実現評価損失539,320百万円(純額)を計上したことによるものです。AutoStoreやSymbotic Inc.などの公開投資先の株価が下落したほか、主に業績低迷や公開類似企業の株価下落を反映して未公開投資先の公正価値も減少しました。
詳細は「b. セグメントの業績概況(b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」をご参照ください。
主にB~Cの結果、投資損益合計は3,701,107百万円の利益となりました。
D 販売費及び一般管理費
ソフトバンク事業の販売費及び一般管理費が前期比119,701百万円増の2,174,555百万円に、アーム事業の販売費及び一般管理費が前期比43,463百万円増の536,898百万円になりました。前者は主に、スマートフォン契約の獲得強化およびコマースサービスにおける既存顧客の継続利用促進のための販売関連費が増加したことによるものです。後者は、主に研究開発の強化を目的として技術関連人員を中心に従業員数を増加させた結果、株式報酬費用を含む人件費が増加したことによるものです。
E 財務費用
SVFの支払利息が借入金の大幅減少に伴い前期比35,691百万円減の32,713百万円となった一方で、ソフトバンクグループ㈱1の支払利息が前期比40,744百万円増の443,765百万円となりました。また、2024年7月にSBE Globalが当社の子会社となったことに伴い、同社の支払利息16,008百万円を計上しました。ソフトバンクグループ㈱の支払利息が増加したのは主に、発行残高の増加に伴い国内社債に係る支払利息が増加したことに加え、2024年9月にタームローンにより29億米ドルの借入を実行したことによるものです。
F 為替差損益
主にソフトバンクグループ㈱と国内の資金調達子会社の米ドル建負債(子会社からの借入や外貨建普通社債など)および米ドル建現預金・貸付金について、前者が後者を上回っていたことから、期末日為替換算レートが前期末に比して円高となったことにより為替差益27,055百万円(純額)を計上しました。
なお、ソフトバンク・ビジョン・ファンドなど機能通貨が外貨(主に米ドル)の在外子会社・関連会社の純資産については、期末日為替換算レートが前期末に比して円高となったことにより円換算後の価値が減少しましたが、そのマイナス影響は為替差損益には含まれず、連結財政状態計算書の資本の部の「その他の包括利益累計額」に在外営業活動体の為替換算差額の減少額521,272百万円として計上されています。
G デリバティブ関連損益(投資損益を除く)
アリババ株式を利用した先渡売買契約等に係るデリバティブ関連損失1,698,697百万円、ドイツテレコム株式を利用したカラー取引に係るデリバティブ関連損失319,735百万円をそれぞれ計上しました。
H SVFにおける外部投資家持分の増減額
「SVFにおける外部投資家持分の増減額」は、SVFの投資損益から当社100%子会社である運営会社が受領する管理報酬、業績連動型管理報酬、成功報酬、SVFの営業費用およびその他の費用を控除した金額をもとに算出された、外部投資家に帰属する損益です。連結損益計算書においては、通常、SVFにおいて投資利益を計上した場合には外部投資家に帰属する利益が外部投資家持分(成果分配型投資家帰属分)の増加額として費用方向(マイナス)に、投資損失を計上した場合には外部投資家に帰属する損失が外部投資家持分(成果分配型投資家帰属分)の減少額として利益方向(プラス)に寄与します。このほか、SVFにおける投資損益にかかわらず、外部投資家によるプリファード・エクイティの拠出額残高に応じて外部投資家持分(固定分配型投資家帰属分)の増加額が費用方向(マイナス)に寄与するものとして計上されます。
当期において、SVF事業からの投資利益387,584百万円に対してSVFにおける外部投資家持分の増加額が491,898百万円となったのは、外部投資家持分の割合が大きいSVF1において投資利益1,022,971百万円(SVF1単体ベース)を計上したことに伴い、成果分配型投資家帰属分の増加額402,783百万円を計上したことによるものです。このほか、固定分配型投資家帰属分の増加額98,201百万円を計上したことも寄与しました。
I その他の損益
2024年5月に、ソフトバンクグループ㈱の子会社を通じて保有していたフォートレスの全持分をMubadala Investment Company PJSCの子会社に売却した結果、フォートレスに対する支配を喪失したことに伴い、子会社の支配喪失利益93,139百万円を計上しました。また、2024年7月に、当社の持分法適用関連会社であったSBE Globalの持分を追加取得し、同社が当社の子会社となったことに伴い、既存の投資持分を公正価値測定した結果、企業結合に伴う再測定による利益55,553百万円を計上しました。その他の内訳は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記41.その他の損益」をご参照ください。
主にA~Iの結果、税引前利益は前期比1,646,920百万円増加の1,704,721百万円の利益となりました。
J 法人所得税
法人所得税は101,613百万円となりました。当期税金費用645,668百万円を計上した一方で、繰延税金費用を利益方向に544,055百万円計上したことによるものです。当期税金費用は、主にアリババ株式を利用した先渡売買契約の現物決済に伴いソフトバンクグループ㈱において295,679百万円計上したほか、ソフトバンク㈱などの事業会社で269,357百万円計上しました。繰延税金費用(利益)は、主にアリババ株式を利用した先渡売買契約の現物決済に伴い、前期末にアリババ株式および関連するデリバティブに対して計上していた繰延税金負債を取り崩したことによるものです。
なお、当期より適用となったグローバル・ミニマム課税の所得合算ルール(IIR)に関して、当期におけるトップアップ課税を見積もった結果、ソフトバンクグループ㈱において計上された税金費用はありません。
主にA~Jの結果、親会社の所有者に帰属する純利益は前期比1,380,978百万円改善の1,153,332百万円の利益となりました。
b.セグメントの業績概況
当社の報告セグメントは、当社の経営資源の配分の決定や業績の評価を行うための区分を基礎としています。当期末現在、「持株会社投資事業」、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」、「ソフトバンク事業」、「アーム事業」の4つを報告セグメントとしています。
報告セグメントの概要は以下の通りです。
セグメント名称 | 主な事業の内容 | 主な会社 | |
報告セグメント | |||
持株会社投資事業 | ・ソフトバンクグループ㈱およびその子会社による投資事業 | ソフトバンクグループ㈱ SoftBank Group Capital Limited ソフトバンクグループジャパン㈱ ソフトバンクグループオーバーシーズ合同会社 SB Northstar LP | |
ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業 | ・SVF1、SVF2およびLatAmファンドによる投資事業 | SB Investment Advisers (UK) Limited SoftBank Vision Fund L.P. SB Global Advisers Limited SoftBank Vision Fund II-2 L.P. SBLA Latin America Fund LLC | |
ソフトバンク事業 | ・コンシューマ事業:個人顧客を対象とした日本国内でのモバイルサービスの提供、携帯端末の販売、ブロードバンドサービスの提供 ・エンタープライズ事業:法人顧客を対象とした日本国内でのモバイルサービスやソリューションサービスの提供 ・ディストリビューション事業:法人顧客を対象としたICTサービス商材の提供、個人顧客を対象とした通信端末関連商品・IoT機器の提供 ・メディア・EC事業:メディア・広告やコマースサービスの提供 ・ファイナンス事業:決済、金融サービスの提供 | ソフトバンク㈱ LINEヤフー㈱ PayPay㈱ | |
アーム事業 | ・半導体のIPおよび関連テクノロジーのデザイン ・ソフトウエアツールの販売および関連サービスの提供 | Arm Holdings plc | |
その他(注1) | ・太陽光発電所の建設および運営 ・福岡ソフトバンクホークス関連事業 | SBE Global, LP 福岡ソフトバンクホークス㈱ |
(注1)2024年5月14日、ソフトバンクグループ㈱は、ソフトバンクグループ㈱の子会社を通じて保有していたフォートレスの全持分をMubadala Investment Company PJSCの子会社に売却しました。本取引の完了をもって、フォートレスはソフトバンクグループ㈱の子会社でなくなりました。
(a)持株会社投資事業
1.アリババ株式に係る投資利益1兆8,759億円、Tモバイル株式に係る投資利益1兆3,522億円(注1)、ドイツテレコム株式に係る投資利益4,342億円をそれぞれ計上した結果、持株会社投資事業からの投資利益は3兆4,138億円 2.アリババ株式を利用した先渡売買契約に係るデリバティブ関連損失1兆6,987億円、ドイツテレコム株式を利用したカラー取引に係るデリバティブ関連損失3,197億円に加え、財務費用5,313億円などを計上した結果、セグメント利益は7,943億円に |
(注1)投資に係るデリバティブ関連損益および為替換算影響額を含む金額です。
<事業概要>当事業においては、主にソフトバンクグループ㈱が、戦略的投資持株会社として直接または子会社を通じて投資活動を行っています。当事業は、ソフトバンクグループ㈱、SoftBank Group Capital Limited、ソフトバンクグループジャパン㈱、ソフトバンクグループオーバーシーズ合同会社および資産運用子会社であるSB Northstarのほか、投資または資金調達を行う一部の子会社で構成されています。持株会社投資事業からの投資損益は、ソフトバンクグループ㈱が、直接または子会社を通じて保有する投資からの投資損益により構成されています。ただし、子会社からの受取配当金および子会社株式に係る減損損失などの子会社株式に関連する投資損益を含みません。
当事業を構成する会社が保有する投資先は、アリババやTモバイル、ドイツテレコムなどであり、そのほとんどがFVTPLの金融資産として認識されるものです。FVTPLの金融資産に該当する投資は、四半期ごとに公正価値を測定し、その変動額を「投資損益」として連結損益計算書に計上しています。
資産運用子会社からの上場株式や社債等への投資
SB Northstarはソフトバンクグループ㈱の余剰資金を用いて上場株式や社債等の取得および売却を行っています。当期における資産運用子会社に係る投資損失(債券投資による受取利息を含む)は144億円(活動開始来の累計投資損失:9,655億円)(注1)、当期末における投資残高は1兆1,348億円(うち、社債:8,195億円)です。社債は主に残存年数が短い投資適格債に投資しています。
同社における持分は、ソフトバンクグループ㈱が67%、ソフトバンクグループ㈱代表取締役 会長兼社長執行役員の孫 正義が33%をそれぞれ間接的に保有しています。孫 正義の持分は非支配持分として同社の投資損益から差し引かれるため、投資損益の67%が親会社の所有者に帰属する純利益に影響を与えます。ソフトバンクグループ㈱が同社に対しファンド存続期間(12年+延長2年)満了時に債権を保有し、その債権に返済不能分が発生した場合、持分比率に応じて孫 正義は損害額を補償します。
(注1)累計投資損失は、受取配当金および債券投資による受取利息を含む一方、SB NorthstarからSB Investment Advisers (US) Inc.子会社のSPAC3社への投資の影響を含みません。
<業績全般>
(単位:百万円) | |||||||
3月31日に終了した1年間 | |||||||
2024年 | 2025年 | 増減 | 増減率 | ||||
持株会社投資事業からの投資損益 | △459,045 | 3,413,821 | 3,872,866 | - | A | ||
資産運用子会社からの投資の実現損益 | △90,360 | △39,323 | 51,037 | - | |||
資産運用子会社からの投資の未実現評価損益 | 12,692 | △10,888 | △23,580 | - | |||
投資の実現損益(注1) | △38,429 | 537,805 | 576,234 | - | |||
投資の未実現評価損益 | △611,627 | 3,134,253 | 3,745,880 | - | |||
当期計上額 | △647,414 | 2,379,508 | 3,026,922 | - | |||
過年度計上額のうち実現損益への振替額(注1) | 35,787 | 754,745 | 718,958 | - | |||
投資に係るデリバティブ関連損益 | 226,050 | △297,653 | △523,703 | - | |||
為替換算影響額(注2) | 6,532 | △1,963 | △8,495 | - | |||
その他 | 36,097 | 91,590 | 55,493 | 153.7% | |||
販売費及び一般管理費 | △89,285 | △131,856 | △42,571 | 47.7% | |||
財務費用 | △473,811 | △531,252 | △57,441 | 12.1% | B | ||
為替差損益 | △703,438 | 19,257 | 722,695 | - | |||
デリバティブ関連損益(投資損益を除く) (主にアリババ株式の先渡売買契約の影響) | 1,500,015 | △2,041,830 | △3,541,845 | - | |||
その他の損益 | 128,038 | 66,111 | △61,927 | △48.4% | |||
セグメント利益(税引前利益) | △97,526 | 794,251 | 891,777 | - |
(注1)当期に実現した投資に係る未実現評価損益の過年度計上額を「投資の実現損益」に振り替えています。
(注2)投資の未実現評価損益は当該評価損益が生じた四半期の平均為替レートを用いて換算する一方、投資の実現損益は当該株式を処分した四半期の平均為替レートを用いて換算します。「為替換算影響額」は、未実現評価損益と実現損益の換算に使用する為替レートの差により生じた金額です。
A 持株会社投資事業からの投資利益:3,413,821百万円
・2024年6月7日に、当社がドイツテレコムに付与したTモバイル株式を対象とする株式購入オプションの一部が行使されたため、当社はTモバイル株式6.7百万株を670百万米ドルで売却しました。この結果、当期において、投資の実現利益78,277百万円、投資の未実現評価損失50,043百万円(過年度計上額のうち実現損益への振替額)、投資に係るデリバティブ関連損失17,753百万円、為替換算影響額11,066百万円の損失を計上しました。なお、同株式購入オプションのうち残りの未行使分については、2024年6月22日に行使期限が到来し消滅しました。
・アリババ株式を利用した株式先渡売買契約の現物決済により、投資の実現利益280,516百万円、投資の未実現評価利益900,335百万円(過年度計上額のうち実現損益への振替額)を計上しました。
・投資の未実現評価利益3,134,253百万円を計上しました。このうち当期計上額は2,379,508百万円でした。これは主に、当期末に引き続き保有するTモバイル株式に係る未実現評価利益1,346,194百万円、アリババ株式に係る未実現評価利益695,057百万円、ドイツテレコム株式に係る未実現評価利益398,793百万円をそれぞれ計上したことによるものです。
・投資に係るデリバティブ関連損失297,653百万円を計上しました。これは主に上場株式を対象としたオプション取引に係る損失285,533百万円を計上したことによるものです。
B 財務費用:531,252百万円(前期比57,441百万円増加)
・ソフトバンクグループ㈱1のグループ外への支払利息が前期比40,744百万円増の443,765百万円となりました。これは主に、発行残高の増加に伴い国内社債に係る支払利息が増加したことに加え、2024年9月にタームローンにより29億米ドルの借入を実行したことによるものです。
・2023年8月に行ったSVF1からのアーム株式の取得の対価のうち未払金に係る償却原価83,715百万円を計上しました。なお、当該償却原価は連結上、消去されています。
(参考情報)資産運用子会社の当社連結財政状態計算書への影響
(単位:百万円) | |||
2025年3月31日 | |||
現金及び現金同等物 | 1,328 | ||
資産運用子会社からの投資 | 1,086,807 | ||
うち、社債 | 819,499 | ||
資産運用子会社における担保差入有価証券 | 47,947 | ||
資産運用子会社におけるデリバティブ金融資産 | 9 | ||
その他 | 9,303 | ||
資産合計 | 1,145,394 | ||
有利子負債 | 29,796 | ||
その他の金融負債 | 1,141 | ||
その他 | 915 | ||
負債合計 | 31,852 | ||
Delaware子会社からの出資(注1) | 1,971,699 | ||
ソフトバンクグループ㈱からDelaware子会社への現金出資相当額 | 39,786 | ||
ソフトバンクグループ㈱からDelaware子会社への貸付相当額 (ソフトバンクグループ㈱からの運用委託金) | 1,912,020 | ||
孫 正義からDelaware子会社への現金出資相当額 | 19,893 | A | |
利益剰余金 | △1,014,555 | B | |
為替換算差額 | 156,398 | ||
純資産 | 1,113,542 | C |
(注1)当社の子会社であるDelaware Project 1 L.L.C.、Delaware Project 2 L.L.C.およびDelaware Project 3 L.L.C.(以下「Delaware子会社」)から資産運用子会社であるSB Northstarへの出資額
(非支配持分の計算)
(単位:百万円) | ||
孫 正義からDelaware子会社への現金出資相当額 | 19,893 | A |
非支配持分損益(累計)(注2) | △338,085 | |
為替換算差額 | 59,901 | |
非支配持分(孫 正義の持分) | △258,291 | D |
(注2)表中Bの3分の1
(純資産(上記C)に対する持分)
(単位:百万円) | ||
ソフトバンクグループ㈱の持分 | 1,371,833 | |
非支配持分(孫 正義の持分) | △258,291 | D |
純資産 | 1,113,542 | C |
当事業における主な有利子負債およびリース負債
借入者 | 種別 | 当期末連結 財政状態計算書残高 |
ソフトバンクグループ㈱ | 借入金 | 1兆7,754億円 |
社債 | 6兆6,685億円 | |
リース負債 | 80億円 | |
コマーシャル・ペーパー | 1,415億円 | |
資金調達を行う100%子会社 | アーム株式を利用した借入(マージンローン) | 1兆2,585億円 |
アリババ株式を利用した株式先渡売買契約(フォワード契約) | 9,978億円 | |
ソフトバンク㈱株式を利用した借入(マージンローン) | 7,960億円 | |
ドイツテレコム株式を利用したカラー取引 | 4,094億円 |
(注)資金調達を行う100%子会社による借入はソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。
(b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業
1.活動開始来累計損益はSVF1で234億米ドルのプラス、SVF2で229億米ドルのマイナス(注1) SVF1:投資額896億米ドルに対しリターン(注2)1,130億米ドル、活動開始来累計利益は234億米ドル ・当期の投資利益は67億米ドル(1兆230億円) ・当第4四半期末に保有する投資の合計公正価値が前四半期末比4.1%上昇(注3) - 公開投資先(注4):前四半期末比0.8%上昇。FirstCryなどの株価が下落した一方、DiDiやAuto1などの株価が上昇 - 未公開投資先(注4):前四半期末比6.6%上昇。公開類似企業の株価上昇および好調な業績を反映したByteDanceが牽引役となり公正価値が上昇 SVF2:投資額608億米ドルに対しリターン379億米ドル、活動開始来累計損失は229億米ドル ・当期の投資損失は36億米ドル(5,617億円) ・当第4四半期末に保有する投資の合計公正価値が前四半期末比2.7%減少 - 公開投資先:前四半期末比21.7%減少。SwiggyやOla Electric Mobilityの株価が下落 - 未公開投資先:前四半期末比0.7%上昇。公開類似企業の株価下落や業績低迷を反映して一部銘柄の公正価値が下落したものの、直近取引における評価額上昇を反映した複数銘柄の公正価値上昇がそれを上回った
(注)2024年6月にWeWorkによる米国連邦破産法11条に基づく手続きが完了したことに伴い、SVF1および2が保有していた旧WeWork株式は消滅しました。また、同手続き申請前にSVF2が保有していた債権の一部が消滅し、残りは再建後の新WeWork株式に転換されました。これに伴い、SVF1および2による旧WeWork株式、ワラントおよび債券への投資が実現したことから、過年度において計上していた投資の未実現損失67.1億米ドル(SVF1:31.8億米ドル、SVF2:35.3億米ドル)を実現損失に振り替えました。 2.規律あるアプローチの下で投資および資金化を継続 - 当期にSVF2でエンタープライズやフロンティアテックセクターの企業を中心に合計82.0億米ドルを投資2(SVF2が当社より取得した投資を含む) - 当期にSVF1およびSVF2でDoorDash、SenseTimeを含む24銘柄の全株式(SVF2からロボHDへ移管した投資6銘柄を含む)および複数の銘柄の一部株式などを合計53.5億米ドルで売却2 |
(注1)累計リターンおよび投資損益は外部投資家持分および税金等の控除前のグロスの金額です。以下本項の累計パフォーマンスの表示において同じです。
(注2)売却額等+保有投資の公正価値。以下同じです。
(注3)当第4四半期中に実行した投資と売却による変動を除いた公正価値(米ドルベース)の増減率です。なお、投資先の公開/未公開の区分は、当第4四半期末時点の状態に基づいており、当第4四半期中に公開/未公開の区分が変更になった投資先については、当第3四半期末の状態を当第4四半期末時点の状態に合わせた上で比較を行っています。以下本項における四半期末に保有する投資の公正価値の増減において同じです。
(注4)公開投資先は証券取引所および店頭市場で取引される株式を、未公開投資先は公開投資先に該当しない投資先を指します。以下同じです。
(注5)「エグジットした投資」の当期1~3月および当期累計損益計上額は、当該投資のエグジット金額から投資額を差し引いた金額です。過年度または当第3四半期までに計上した当該投資に係る未実現評価損益については、「当期にエグジットした投資の未実現評価損益過去計上額の振替」に表示しています。そのため、「エグジット前の投資」の当第3四半期までの決算において開示した各四半期の損益計上額と、上記「当期1~3月」の損益計上額との合計は、上記「当期累計」の損益計上額と一致しない場合があります。
(注6)投資額は、デリバティブについてはデリバティブ原価を表します。リターンは、エグジットした投資についてはエグジット金額を、エグジット前の投資については公正価値を、デリバティブについては既決済契約の決済額または未決済契約の公正価値を、受取利息または配当金については各受領額を指します。
<事業概要>当事業の業績には、主にソフトバンク・ビジョン・ファンド1(SVF1)、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SVF2)およびソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド(LatAmファンド)における投資および事業活動の結果が含まれています。
当事業における主なファンドの概要
2025年3月31日現在
AIを活用した成長可能性の大きな企業へ投資し、中長期的視点から投資成果を最大化することを目指しています。SVF1の投資期間は終了しましたが、固定分配やファンド運営関連費用への充当を目的に出資コミットメント総額の残額が留保されています。
SVF1 | SVF2 | LatAmファンド | |
主なリミテッド・ パートナーシップ | SoftBank Vision Fund L.P. | SoftBank Vision Fund II-2 L.P. | SBLA Latin America Fund LLC |
出資コミットメント総額 | 986億米ドル | 658億米ドル | 78億米ドル |
当社:331億米ドル(注1) 外部投資家:655億米ドル | 当社:632億米ドル 外部投資家(MgmtCo): 26億米ドル(注2) | 当社:74億米ドル 外部投資家(MgmtCo): 4億米ドル(注2) | |
運営会社 | SBIA(当社英国100%子会社) | SBGA(当社英国100%子会社) | |
投資期間 | 2019年9月12日に終了 | 運営会社の裁量により決定 | |
存続期間 | 2029年11月20日まで (SBIAに最大2回の1年 延長オプションあり) | 2032年10月4日まで (SBGAに最大2回の1年延長オプションあり) |
(注1)SVF1への当社の出資コミットメントは、アーム株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される25億米ドルを含みます。
(注2)SVF2およびLatAmファンドには当社経営陣による共同出資プログラムが導入されており、経営陣の投資エンティティであるMgmtCoが参画しています。当社連結財務諸表上、MgmtCoの出資持分は外部投資家持分として扱われています。詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記45.関連当事者(1)関連当事者との取引 a. 配当受領権制限付き共同出資プログラム」をご参照ください。
SVFにおける借入
SVF1、SVF2およびLatAmファンドは、レバレッジの活用や手元流動性の確保などを目的として、ソフトバンクグループ㈱にはノンリコースの借入を独自に行うことがあります。このような借入には、例えばリターンの向上およびリミテッド・パートナーへの分配を目的とした保有資産を活用するアセットバック・ファイナンスがあります。
投資先の公正価値評価
SVF1、SVF2およびLatAmファンドはIFRS第13号「公正価値測定」に従い、SBIA Global Valuation PolicyおよびInternational Private Equity and Venture Capital Valuation Guidelines(IPEVガイドライン)に基づいて、毎四半期末日における投資先の公正価値を算定しています。公開投資先のうち、証券取引所で取引される株式については相場価格を用いて、店頭市場で取引される株式については相場価格および観察可能なその他のインプットを単一もしくは複数用いて公正価値を算定しています。未公開投資先の公正価値算定については、公開類似企業の情報を用いたマーケット・アプローチ、予想される将来キャッシュ・フローを用いたインカム・アプローチに加えて、直近の資金調達ラウンドや類似取引の価格を用いた取引事例法などの評価手法を単一もしくは複数用いています。
<業績全般>
(単位:百万円) | ||||||||
3月31日に終了した1年間 | ||||||||
2024年 | 2025年 | 増減 | 増減率 | |||||
SVF事業からの投資損益(注1) | 724,341 | 434,903 | △289,438 | △40.0% | A | |||
SVF1、SVF2およびLatAmファンドからの投資損益 | 696,261 | 469,416 | △226,845 | △32.6% | ||||
投資の実現損益(注2) | 984,409 | △1,366,533 | △2,350,942 | - | ||||
投資の未実現評価損益 | △144,835 | 1,552,687 | 1,697,522 | - | ||||
当期計上額 | △189,604 | 314,724 | 504,328 | - | ||||
過年度計上額のうち実現損益への振替額 (注2) | 44,769 | 1,237,963 | 1,193,194 | - | ||||
投資先からの利息及び配当金 | 21,668 | 8,451 | △13,217 | △61.0% | ||||
投資に係るデリバティブ関連損益 | △7,337 | 8,151 | 15,488 | - | ||||
為替換算影響額 | △157,644 | 266,660 | 424,304 | - | ||||
その他の投資損益 | 28,080 | △34,513 | △62,593 | - | ||||
販売費及び一般管理費 | △84,986 | △62,169 | 22,817 | △26.9% | ||||
財務費用 | △74,322 | △40,244 | 34,078 | △45.9% | ||||
SVFにおける外部投資家持分の増減額 | △390,137 | △491,898 | △101,761 | 26.1% | B | |||
その他の損益 | △46,717 | 44,390 | 91,107 | - | ||||
セグメント利益(税引前利益) | 128,179 | △115,018 | △243,197 | - |
(注1)SVFによる当社子会社(主にアーム、PayPay㈱)への投資に係る投資損益は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業のセグメント利益において「SVF事業からの投資損益」に含まれますが、連結上消去し、連結損益計算書上の「SVF事業からの投資損益」には含まれません。
(注2)当期に実現した投資に係る未実現評価損益の過年度計上額を「投資の実現損益」に振り替えています。
SVF1およびSVF2の投資・売却実績
(単位:十億米ドル) | |||||||||||
当期投資実行額 | 当期売却額3 | ||||||||||
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | 累計 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | 累計 | ||
SVF1 | - | - | - | - | - | 0.81 | 0.96 | 0.75 | 0.71 | 3.23 | |
SVF2 | 0.62 | 0.62 | 1.31 | 5.65 | 8.20 | 0.03 | 0.05 | 0.38 | 1.66 | 2.12 | |
合計 | 0.62 | 0.62 | 1.31 | 5.65 | 8.20 | 0.84 | 1.01 | 1.13 | 2.37 | 5.35 |
(注)投資額は、新規および既存投資先への追加投資を含みます。当第3四半期にSVF2が280百万米ドルで取得したPayPay㈱の新株予約権をはじめとするデリバティブへの投資額を含みません。
セグメント利益
A SVF事業からの投資利益:434,903百万円
(単位:百万円) | |||
3月31日に終了した1年間 | |||
2024年 | 2025年 | 増減 | |
SVF1からの投資損益 | 768,891 | 1,022,971 | 254,080 |
SVF2からの投資損益 | △146,472 | △561,656 | △415,184 |
LatAmファンドからの投資損益 | 73,862 | 8,110 | △65,752 |
その他の投資損益等 | 28,060 | △34,522 | △62,582 |
SVF事業からの投資損益 | 724,341 | 434,903 | △289,438 |
B SVFにおける外部投資家持分の増減額:△491,898百万円
各ファンドからの投資損益から、①SBIAがSVF1から受領する管理報酬および成功報酬、②SBGAがSVF2から受領する管理報酬および業績連動型管理報酬、③SBGAがLatAmファンドから受領する管理報酬、業績連動型管理報酬および成功報酬、④各ファンドの営業費用およびその他の費用を控除した金額をもとに算出された外部投資家に帰属する損益です。詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記7.ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業 (2)SVFにおける外部投資家持分」をご参照ください。
当社からSVF2への投資移管
ソフトバンクグループ㈱および主要投資子会社の投資ポートフォリオの再整理の一環として、当社が支配もしくは共同支配を有していない未公開投資先6銘柄(注1)をSVF2へ移管することを、2024年10月21日のソフトバンクグループ㈱取締役会で決議し、当第3四半期および当第4四半期に移管日の公正価値でSVF2へ移管しました。これらの投資の当社取得額は19.5億米ドルであり、移管価額は当第4四半期に独立した外部機関による評価査定に基づき最終化した結果、当第3四半期に暫定的に算定した価額と同額の19.0億米ドルでした。
(注1)1X Holdings, Inc.、AI Lens Co., Ltd.、Mapbox, Inc.(デリバティブを含む)、Skild AI, Inc.、WayveおよびZipline International Inc.の6銘柄です。このうち、1X Holdings, Inc.およびSkild AI, Inc.を当第4四半期にロボHDへ移管しました。ロボHDへの移管の詳細は「(1)財政状態及び経営成績の状況<ロボティクス関連投資を中間持株会社へ集約>」をご参照ください。
投資の状況
2025年3月31日現在
SVF1
(単位:十億米ドル)
合計(下記①+②+③+④)
累計 投資銘柄数 | 累計 投資額 | 累計 リターン | 累計損益 (注1) | 投資損益 当期計上額 | ||||
1~3月 | 累計 | |||||||
102 | 89.6 | 113.0 | 23.4 | 1.8 | 6.7 |
(参考)
累計 投資銘柄数 | 累計 投資額 | 累計 リターン | 累計損益 (注1) | ||
株式交換による影響(注2) | △4 | △2.0 | △2.0 | - | |
現物配当による影響(注3) | △4 | - | - | - | |
上記による影響考慮後 | 94 | 87.6 | 111.0 | 23.4 |
①エグジットした投資
銘柄数 | 投資額 | エグジット 金額 | 累計 実現損益 (注1) | 実現損益 当期計上額 | ||||
1~3月 | 累計 | |||||||
一部エグジット | - | 5.7 | 9.3 | 3.6 | 0.1 | |||
全部エグジット(注4) | 45 | 39.7 | 58.0 | 18.3 | △4.2 | |||
合計 | 45 | 45.4 | 67.3 | 21.9 | △0.1 | △4.1 |
②エグジット前の投資(当期末に保有する投資)(注5)
銘柄数 | 投資額 | 公正価値 | 累計未実現 評価損益 (注7) | 未実現評価損益 当期計上額 | ||||
1~3月 | 累計 | |||||||
公開投資(注6) | 17 | 20.5 | 18.7 | △1.8 | 0.2 | 3.8 | ||
未公開投資 | 40 | 23.7 | 24.6 | 0.9 | 1.5 | 2.0 | ||
合計 | 57 | 44.2 | 43.3 | △0.9 | 1.7 | 5.8 |
③デリバティブ
デリバ ティブ 原価 | 公正価値 /決済額 | 累計 デリバ ティブ 関連損益 | デリバティブ 関連損益 当期計上額 | |||||
1~3月 | 累計 | |||||||
未決済 | - | - | - | △0.0 | ||||
既決済 | △0.0 | 1.4 | 1.4 | 0.0 | ||||
合計 | △0.0 | 1.4 | 1.4 | 0.0 | 0.0 |
④投資先からの利息および配当金
利息および 配当金 | 累計損益 | 利息および配当金 当期計上額 | ||||||
1~3月 | 累計 | |||||||
合計 | 1.0 | 1.0 | - | 0.0 |
(注)各項目の金額は、単位未満を四捨五入しているため、内訳の計と合計が一致しない場合があります。
(注1)外部投資家持分および税金等の控除前
(注2)累計投資パフォーマンスを純額で示すため、株式交換を行った投資について交換先の株式の取得額および当初保有株式の処分額(売却額)をそれぞれ控除しています。Uber Advanced Technologies GroupとAurora Innovation Inc.、PT TokopediaとPT GoTo Gojek Tokopedia Tbk、Grofers International Pte. Ltd.とZomato Limited、Zymergen, Inc.とGinkgo Bioworks Holdings, Inc.、Candy Digital, Inc.とFanatics Holdings, Inc.(既存投資先)の株式交換が含まれます。なお、SVF1は過年度において既存投資先2社の株式を同じく既存投資先であるその関係会社株式に交換したため、当項目において該当する投資の取得額および処分額(売却額)をそれぞれ控除しています。
(注3)既存投資先からの現物配当として受領した投資について投資件数から控除しています。アームから受領した2銘柄(Treasure Data, Inc.およびAcetone Limited(Arm Technology (China) Co., Ltd.株式の約48%を保有する中間持株会社))およびReef Global Inc.から受領した2銘柄(REEF Proximity Aggregator LLCおよびParking Aggregator LLC)が含まれます。
(注4)株式交換および投資先の組織再編による処分(売却)を含みます。
(注5)投資先の公開/未公開の区分は、当期末時点の状態に基づいています。
(注6)公開株式には店頭市場で取引されているDiDiへの投資を含みます。
(注7)当社からSVF1への移管が決定されていたものの実行されなかった投資について、移管の取りやめを決定するまでの期間に発生した未実現評価損益は含めていません。
SVF2
(単位:十億米ドル)
合計(下記①+②+③+④)
累計 投資銘柄数 | 累計 投資額 | 累計 リターン | 累計損益 (注1) | 投資損益 当期計上額 | ||||
1~3月 | 累計 | |||||||
310 | 60.8 | 37.9 | △22.9 | △0.7 | △3.6 |
(参考)
累計 投資銘柄数 | 累計 投資額 | 累計 リターン | 累計損益 (注1) | ||
ロボHDへの移管による影響(注2) | - | △1.6 | △1.6 | - | |
WeWorkへの財務サポートによる影響(注3) | △5 | - | - | - | |
株式交換による影響(注4) | △3 | △0.1 | △0.1 | - | |
上記による影響考慮後 | 302 | 59.1 | 36.2 | △22.9 |
①エグジットした投資
銘柄数 | 投資額 | エグジット 金額 | 累計 実現損益 (注1) | 実現損益 当期計上額 | ||||
1~3月 | 累計 | |||||||
一部エグジット | - | 1.0 | 0.6 | △0.4 | △0.3 | |||
全部エグジット(注5) | 27 | 8.7 | 4.8 | △3.9 | △4.3 | |||
うち、ロボHDへの移管 | 6 | 1.9 | 1.6 | △0.3 | △0.3 | △0.3 | ||
合計 | 27 | 9.7 | 5.4 | △4.3 | △0.3 | △4.6 |
②エグジット前の投資(当期末に保有する投資)(注6)
銘柄数 | 投資額 (注7) | 公正価値 (注7) | 累計未実現 評価損益 | 未実現評価損益 当期計上額 | ||||
1~3月 | 累計 | |||||||
公開投資 | 17 | 6.1 | 3.3 | △2.8 | △0.9 | △1.9 | ||
未公開投資 | 266 | 44.7 | 29.0 | △15.7 | 0.1 | △1.7 | ||
うち、ロボHDの取得 | 1 | 2.2 | 2.2 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | ||
合計 | 283 | 50.8 | 32.3 | △18.5 | △0.8 | △3.6 |
③デリバティブ
デリバ ティブ 原価 | 公正価値 /決済額 | 累計 デリバ ティブ 関連損益 | デリバティブ 関連損益 当期計上額 | |||||
1~3月 | 累計 | |||||||
未決済 | 0.3 | 0.3 | 0.0 | 0.0 | ||||
既決済 | △0.0 | △0.3 | △0.3 | △0.0 | ||||
合計 | 0.3 | △0.0 | △0.3 | 0.1 | △0.0 |
④投資先からの利息および配当金
利息および 配当金 | 累計損益 | 利息および配当金 当期計上額 | ||||||
1~3月 | 累計 | |||||||
合計 | 0.2 | 0.2 | 0.0 | 0.0 |
(注)各項目の金額は、単位未満を四捨五入しているため、内訳の計と合計が一致しない場合があります。
(注1)外部投資家持分および税金等の控除前
(注2)1X Holdings, Inc.、Agile Robots SE、Skild AI, Inc.、Terabase Energy, Inc.などの6銘柄をロボHDへ現物出資により移管しました。また、投資に係るコミットメントに充当するため、575百万米ドルの現金を拠出しました。「ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」では、当該6銘柄を全部エグジット、ロボHDを新規投資として扱いますが、連結上では、当社の100%子会社であるロボHDを通じて継続して保有しています。累計投資パフォーマンスを純額で示すため、SVF2の当初保有株式の移管価額および対価として取得したロボHD株式の公正価値をそれぞれ控除しています。
(注3)SVF2が保有していたWeWorkの債券(計4銘柄)および同社による米国連邦破産法11条に基づく手続き完了に伴い同債権の対価として受領した再建後の新WeWork株式(1銘柄)を投資銘柄数から控除しています。
(注4)累計投資パフォーマンスを純額で示すため、株式交換を行った投資について交換先の株式の取得額および当初保有株式の処分額(売却額)をそれぞれ控除しています。XCOM Labs, Inc.とGlobalstar, Inc.、ODA Group Holding ASとMathem Holdings AB、Exscientia PLCとRecursion Pharmaceuticals, Inc.の株式交換が含まれます。
(注5)株式交換および投資先の組織再編による処分(売却)を含みます。
(注6)投資先の公開/未公開の区分は、当期末時点の状態に基づいています。
(注7)SVF2のエグジット前の投資の投資額および公正価値には、投資の取得対価の一部として受領した他会社の非支配持分に係るものが含まれています。
LatAmファンド
当期末現在、LatAmファンドは累計投資額75億米ドルに対し累計リターンは64億米ドルとなり、活動開始来累計損失は11億米ドルとなりました。当期においては、投資利益57百万米ドルを計上しました。
資金の状況
2025年3月31日現在
SVF1
(単位:十億米ドル) | ||||
合計 | 当社 | 外部投資家 | ||
出資コミットメント(A) | 98.6 | 33.1 | 65.5 | |
拠出額4(B) | 87.2 | 29.9 | 57.3 | |
拠出額返還額(再コール不可)(C) | 47.8 | 10.5 | 37.3 | |
拠出額残高(注1)(D)=(B)-(C) | 39.4 | 19.4 | 20.0 | |
コミットメント残額(E)=(A)-(B) | 11.4 | 3.2 | 8.2 |
(注)SVF1への当社の出資コミットメントは、アーム株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される25億米ドルを含みます。
(注1)当期末現在、外部投資家の拠出額残高の200億米ドルのうち、51億米ドルはプリファード・エクイティ出資です。
SVF2
(単位:十億米ドル) | |
合計 | |
出資コミットメント(A) | 65.8 |
拠出額(B) | 63.9 |
コミットメント残額(C)=(A)-(B) | 1.9 |
(注)コミットメント残額には再コール可能な払込資金返還額を含みます。
(参考:2025年3月31日現在 出資コミットメントの内訳)
出資コミットメント総額 | 65.8 | |
共同出資プログラムの対象外の投資への当社エクイティ出資 | 12.7 | |
SVF2 LLCへの当社プリファード・エクイティ出資(注1) | 38.1 | |
SVF2 LLCへの当社エクイティ出資 | 12.4 | |
SVF2 LLCへのMgmtCoエクイティ出資 | 2.6 |
(注)当期末現在、MgmtCoによる出資額の支払いは実施されていません。
(注1)SVF2 LLC(SVF II Investment Holdings LLC)はSVF2の傘下に設立された当社の子会社であり、共同出資プログラムの対象となる投資を間接的に保有しています。
当期末現在、LatAmファンドに対する出資コミットメント総額は78億米ドル、拠出額は76億米ドルです。
(c)ソフトバンク事業
メディア・EC事業、コンシューマ事業およびエンタープライズ事業が引き続き増益となったことに加え、PayPay㈱グループが黒字に転じたことにより、セグメント利益は前期比8.5%増加 |
(単位:百万円) | ||||
3月31日に終了した1年間 | ||||
2024年 | 2025年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 6,083,846 | 6,544,275 | 460,429 | 7.6% |
セグメント利益(税引前利益) | 835,076 | 906,309 | 71,233 | 8.5% |
減価償却費及び償却費 | △738,762 | △739,874 | △1,112 | 0.2% |
投資損益 | 6,664 | △25,074 | △31,738 | - |
財務費用 | △63,706 | △81,453 | △17,747 | 27.9% |
その他の損益 | 10,537 | 20,631 | 10,094 | 95.8% |
<事業概要>当事業の業績には、ソフトバンク㈱および同社子会社が主に日本国内で行っているモバイルサービスの提供や携帯端末の販売、ブロードバンドサービスや広告サービス、コマースサービスの提供などの事業活動の結果が含まれています。「Beyond Carrier」戦略の下、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、「Yahoo! JAPAN」、「LINE」といったインターネットサービスや、キャッシュレス決済サービス「PayPay」などのAI・IoT・FinTechを含む最先端テクノロジーを活用したビジネスの展開を通じ、通信以外の領域の拡大を目指しています。
<業績全般>セグメント利益は、前期比71,233百万円(8.5%)増加の906,309百万円となりました。これは主に、メディア・EC事業、コンシューマ事業およびエンタープライズ事業が引き続き増益となったことに加え、ファイナンス事業の主な担い手であるPayPay㈱グループが黒字に転じたことによるものです。
メディア・EC事業は、アカウント広告の成長に伴うメディア売上の増加やコマース売上の増加に加えて、複数の子会社に係る支配喪失利益を計上(上表「その他の損益」に計上)したことにより増益となりました。コンシューマ事業は、主にモバイルサービス売上や物販売上、ブロードバンドサービス売上の増収効果で増益となりました。このうちモバイルサービス売上は、スマートフォン契約数の増加等により引き続き増収となりました。エンタープライズ事業は、企業のデジタル化が加速する中でクラウドサービスの売上が拡大したことなどにより増益となりました。PayPay㈱グループは、主に決済取扱高の拡大に伴う手数料収入の増加およびリボ払い残高の拡大に伴う金利収入の増加により増収となったことに加え、固定費の最適化や、キャンペーン設計の変更などによる販売促進費の効率化により収益性が改善したことにより黒字に転じました。
なお、当期の投資損失の計上は主に、LINEヤフー㈱の子会社において持分法適用関連会社のLINEヤフー㈱以外の持分所有者の一部に付与している売建プットオプションについて公正価値で測定したことによるものです。
(d)アーム事業
顧客のテクノロジー企業によるAI投資の増加を背景に、当期の売上高(米ドルベース)は過去最高を記録 ◆ 米ドルベースの売上高は前期比25.3%増(円ベースでは同32.0%増) - 米ドルベースのロイヤルティー収入は、チップ当たりのロイヤルティー単価が高いアームの最新技術の採用拡大および複数市場でのシェア拡大により、前期比22.7%増加し過去最高を記録 - 米ドルベースのライセンスおよびその他の収入は、主要なテクノロジー企業との間で締結した高額かつ長期のライセンス契約により、前期比28.5%増加し過去最高を記録。これらの契約により、アームの顧客は次世代スマートフォン、データセンター、ネットワーク機器、自動車、コンシューマー・エレクトロニクスおよびAIアプリケーション等、幅広い用途に向けたチップ開発が可能に ◆ 将来の成長に向けた研究開発投資の強化が利益の伸びを一部相殺するも、力強い増収がセグメント利益の改善に 貢献 |
(単位:百万円) | ||||
3月31日に終了した1年間 | ||||
2024年 | 2025年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 464,025 | 612,347 | 148,322 | 32.0% |
セグメント利益(税引前利益) | △33,215 | 47,667 | 80,882 | - |
(注)セグメント利益には、アーム買収時に行った取得原価配分により計上した無形資産の償却費が、当期は63,715百万円、前期は65,581百万円含まれています。
<事業概要>アームは主に、低消費電力型マイクロプロセッサーおよび関連テクノロジーのデザインなど、半導体のIP(回路の設計情報などの知的財産)のライセンス事業を行っています。
アームの業績は半導体市場の動向にプラスにもマイナスにも大きく影響を受けることがあります。市場の売上高はその成長に応じて増加し、アームのロイヤルティー収入の増加をもたらします。また、市場の成長はアームの顧客による活発な製品設計活動を促す可能性があり、アームがより多くの最新テクノロジーをライセンスする機会が生まれ、ライセンスおよびその他の収入の増加につながります。
アームは、コンピューティングの未来を築くため、研究開発投資を継続して強化しています。CPUや、グラフィックスプロセッサー、AIアクセラレーターおよび統合サブシステムなどの関連技術を開発することで、顧客が次世代のコンピューティングデバイスを開発できるようサポートしています。
<業績全般>売上高(米ドルベース)
アームの売上は主に米ドル建てであるため、本項の売上高は米ドルベースの実績を記載しています。
(単位:百万米ドル) | ||||
3月31日に終了した1年間 | ||||
2024年 | 2025年 | 増減 | 増減率 | |
ロイヤルティー収入 | 1,767 | 2,168 | 401 | 22.7% |
ライセンスおよびその他の収入 | 1,431 | 1,839 | 408 | 28.5% |
合計 | 3,198 | 4,007 | 809 | 25.3% |
売上高は、前期から809百万米ドル(25.3%)増加しアーム史上最高となりました。
ロイヤルティー収入
ロイヤルティー収入は、前期から401百万米ドル(22.7%)増加し、過去最高となりました。特にスマートフォン分野において、従来の「Armv8」からチップ当たりのロイヤルティー単価が約2倍となる「Armv9」への置き換えが進んだことが成長を牽引しました。加えて、スマートフォンおよびクラウド分野において、アームのコンピュート・サブシステム(CSS)をベースにしたチップの量産出荷が始まり、ロイヤルティー収入の拡大に寄与しました。CSSベースの設計は、事前に統合・検証された構成で提供されるため、顧客によるチップ開発期間の短縮およびコスト削減を可能とすることで、より高いロイヤルティー料率が適用されます。さらに、当期においてクラウドおよび自動車分野においてアームのシェアが拡大したことも、ロイヤルティー収入の成長を後押ししました。前者ではアームベースのカスタムシリコン(自社設計の半導体チップ)の採用拡大が、後者では自動車の高機能化が、それぞれ成長の背景にあります。一方で、IoT機器およびネットワーク機器分野では、期初の在庫調整の影響を受けて収益成長が一部抑制されました。
ライセンスおよびその他の収入
ライセンスおよびその他の収入は前期から408百万米ドル(28.5%)増加し、過去最高となりました。複数の大手テクノロジー企業と高額かつ長期のライセンス契約を締結したことが力強い増収に寄与しました。アームの顧客は、次世代スマートフォン、データセンター、ネットワーク機器、自動車、コンシューマー・エレクトロニクスおよびAIアプリケーションなど多岐にわたる用途に向けたチップを開発しています。これらの顧客の多くは、アームの最先端技術へのアクセスを通じて、将来のAIアルゴリズムを実行可能なチップを設計し、それらが搭載された製品が市場に投入される際に高い競争力を発揮することを目指しています。現在の旺盛なライセンス需要は、今後開発され数年後に市場に投入されるチップからのロイヤルティー収入の基盤となることが期待されます。
セグメント利益
セグメント利益は、前期から80,882百万円改善し、47,667百万円の利益となりました。大幅な増収が、次世代のテクノロジーを開発する技術関連人員の増加などに伴うコストの増加を上回ったことによるものです。
なお、アームは当期から金銭による賞与を廃止し、株式報酬を従業員への主なインセンティブ報酬としています。株式報酬はIFRS第2号「株式に基づく報酬」に基づき費用計上されています。
<技術開発>当期、アームおよびライセンシー企業は技術開発に関する以下の発表を行いました。なお、各技術開発の詳細については、発表各社のウェブサイトに掲載されているプレスリリースをご参照ください。
・Google LLCは、同社初となる自社開発のデータセンター向けアームベースCPU、Google Axionを発表(2024年4月)。同等の現行世代のx86ベースCPUと比較して最大50%の性能向上と、最大60%の高いエネルギー効率を実現
・Microsoft Corporationは、AI向けに設計されたCopilot+ PCを発表(2024年5月)。これまでで最も高速でインテリジェントなWindows PCであり、第1世代はアームのエネルギー効率に優れた高性能アーキテクチャーで動作
・アームは、スマートフォン、ラップトップおよびコンシューマー・エレクトロニクス向けの次世代のCPUおよびGPU製品を発表(2024年5月)。新しいコンピュート・サブシステム(CSS)は、ソフトウエアやゲームで35%以上、大規模言語モデルを含むオンデバイスの生成AIで40%以上の性能向上を実現
・Meta Platforms Inc.とアームは、Llama 3.2の小規模および大規模言語モデル(10億〜900億パラメーター)を、コンシューマー・エレクトロニクスからスマートフォン、データセンターサーバーに至るまで、アームベースのCPUに最適化するために協力すると発表(2024年9月)
・MediaTek Inc.は、フラッグシップスマートフォン向け次世代チップDimensity 9400を発表(2024年10月)。同チップは「Armv9」をベースとした最新のコンピュート・サブシステム(CSS)を基に開発され、CPUコア「Arm Cortex-X925」およびGPUコア「Arm Immortalis-G925」を搭載
・NVIDIA Corporationは、アームベースのデスクトップAIスーパーコンピュータProject DIGITSを発表(2025年1月)。データサイエンティスト、AI研究者および学生等の個人が、クラウドへのアップロード前にAIモデルを試作、調整および実行することを可能に
・アームは、IoT機器向けにAI処理能力を強化する最新CPU「Arm Cortex-A320」を発表(2025年2月)。同社のNPU「Ethos-U85」との組み合わせにより、10億超のパラメーターを持つAIモデルの実行が可能となり、産業用ロボットの高度な制御、スマートカメラの認識精度向上、家庭用デバイスの利便性向上などに寄与
c.財政状態の状況
1.投資資産の状況 ◆ SVFからの投資(FVTPL)(注1)の帳簿価額は11兆4,109億円(前期末比3,964億円増加)(注2) - SVF1は前期末比4,256億円増加:米ドルベースでは33.5億米ドル増加。投資の売却により24.9億米ドル減少した一方、当期末に保有する投資先の公正価値増加により58.4億米ドル増加 - SVF2は前期末比26億円減少:米ドルベースでは3.2億米ドル増加。当期末に保有する投資先の公正価値減少により34.7億米ドル、投資の売却2により20.3億米ドルそれぞれ減少した一方、新規投資2および既存投資先への追加投資により58.3億米ドル増加 ◆ 投資有価証券の帳簿価額は8兆401億円(前期末比1兆219億円減少)(注2) - Tモバイル株式の帳簿価額は3兆4,041億円(前期末比1兆1,282億円増加) - ドイツテレコム株式の帳簿価額は1兆1,220億円(前期末比2,939億円増加) - アリババ株式の帳簿価額は1兆251億円(前期末比2兆7,320億円減少) 2.財務活動に伴う負債の増減 ◆ ソフトバンクグループ㈱の有利子負債が前期末比1兆7,983億円増加 - 国内普通社債1兆円、外貨建普通社債900百万米ドルおよび900百万ユーロを発行した一方、国内普通社債4,500億円、外貨建普通社債1,216百万米ドルおよび638百万ユーロを償還 - コミットメントライン(米ドル建トランシェ5,465百万米ドル、円建トランシェ356億円)全額の借入実行 - タームローンにより29億米ドルの借入を実行。また、ハイブリッドローン1,350億円の借入実行により、ハイブリッドローン840億円のリファイナンスを完了 ◆ 資金調達を行う100%子会社の有利子負債が前期末比3兆9,814億円減少(注2) - アリババ株式を利用した先渡売買契約について、一部の現物決済に伴い決済時点において株式先渡契約金融 負債3兆7,991億円(248.3億米ドル)の認識を中止 - Tモバイル株式を利用した先渡売買契約の全てを現金決済したことに伴い、株式先渡契約金融負債が4,322億円(28.5億米ドル)減少 - 借入金がソフトバンク株式を利用した借入(マージンローン)の増額等により1,932億円増加 3.資本の増減 ◆ 資本合計で前期末比7,159億円の増加 - 親会社の所有者に帰属する純利益1兆1,533億円を計上し、利益剰余金が増加 - 継続的な自社株買いを実施:当期に2,370億円取得 - 為替換算レートが前期末に比して円高となったことにより在外営業活動体の為替換算差額が5,213億円減少 ◆ 親会社の所有者に帰属する持分比率(自己資本比率)は当期末25.7%(前期末は23.9%) |
(注1)「SVFからの投資(FVTPL)」には、SVFが保有する当社の子会社への投資(主にPayPay㈱)および当社から移管後引き続き持分法を適用している投資(後者は「持分法で会計処理されている投資」に計上)を含みません。
(注2)期末日の対米ドルの為替換算レートが前期末に比して1.2%円高となったことによる帳簿価額の減少を含みます。
(単位:百万円) | ||||
2024年 3月31日 | 2025年 3月31日 | 増減 | 増減率 | |
資産合計 | 46,724,243 | 45,013,756 | △1,710,487 | △3.7% |
負債合計 | 33,487,074 | 31,060,730 | △2,426,344 | △7.2% |
資本合計 | 13,237,169 | 13,953,026 | 715,857 | 5.4% |
(a)資産
(単位:百万円) | |||||
2024年 3月31日 | 2025年 3月31日 | 増減 | |||
現金及び現金同等物 | 6,186,874 | 3,713,028 | △2,473,846 | ||
営業債権及びその他の債権 | 2,868,767 | 3,008,144 | 139,377 | ||
デリバティブ金融資産 | 852,350 | 111,258 | △741,092 | A | |
その他の金融資産 | 777,996 | 1,485,877 | 707,881 | B | |
棚卸資産 | 161,863 | 198,291 | 36,428 | ||
その他の流動資産 | 550,984 | 365,880 | △185,104 | ||
売却目的保有に分類された資産 | 42,559 | 550,440 | 507,881 | C | |
流動資産合計 | 11,441,393 | 9,432,918 | △2,008,475 | ||
有形固定資産 | 1,895,289 | 2,830,185 | 934,896 | D | |
使用権資産 | 746,903 | 857,961 | 111,058 | ||
のれん | 5,709,874 | 5,781,931 | 72,057 | ||
無形資産 | 2,448,840 | 2,414,562 | △34,278 | ||
契約獲得コスト | 317,650 | 383,022 | 65,372 | ||
持分法で会計処理されている投資 | 839,208 | 502,995 | △336,213 | ||
SVFからの投資(FVTPL) | 11,014,487 | 11,410,922 | 396,435 | E | |
SVF1 | 6,042,046 | 6,467,602 | 425,556 | ||
SVF2 | 4,096,880 | 4,094,257 | △2,623 | ||
LatAmファンド | 875,561 | 849,063 | △26,498 | ||
投資有価証券 | 9,061,972 | 8,040,068 | △1,021,904 | F | |
デリバティブ金融資産 | 385,528 | 168,248 | △217,280 | ||
その他の金融資産 | 2,424,282 | 2,767,625 | 343,343 | ||
繰延税金資産 | 245,954 | 207,987 | △37,967 | ||
その他の非流動資産 | 192,863 | 215,332 | 22,469 | ||
非流動資産合計 | 35,282,850 | 35,580,838 | 297,988 | ||
資産合計 | 46,724,243 | 45,013,756 | △1,710,487 |
主な科目別の増減理由
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
流動資産 | |
A デリバティブ金融資産 | アリババ株式を利用した先渡売買契約について、一部契約の現物決済や同社株式の株価上昇により、同契約に係るデリバティブ金融資産が803,346百万円(53.1億米ドル)減少しました。 |
B その他の金融資産 | 資産運用子会社からの投資が主に社債(主に残存年数が短い投資適格債)の取得により757,844百万円増加しました。 |
C 売却目的保有に分類された資産 | 2025年4月に決済日が到来するアリババ株式を利用した先渡売買契約のうち、現物決済に使用することを当期末までに決定した同社株式533,818百万円(35.7億米ドル)を「投資有価証券」から「売却目的保有に分類された資産」へ振り替えました。 |
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
非流動資産 | |
D 有形固定資産 | ・2024年7月に当社の持分法適用関連会社であったSBE Globalの持分を追加取得し子会社化したことに伴い、同社の有形固定資産705,535百万円を計上しました。 ・ソフトバンク㈱の有形固定資産が169,530百万円増加しました。これは主に大規模なAIデータセンターの構築に向けてシャープ㈱堺工場の土地建物を取得したことに加え、AI計算基盤を取得したことによるものです。 |
E SVFからの投資(FVTPL) | ・SVF1の帳簿価額が425,556百万円増加しました。米ドルベースでは33.5億米ドル増加しました(注1)。投資の売却により24.9億米ドル減少した一方、当期末に保有する投資先の公正価値増加により58.4億米ドル増加しました。 ・SVF2の帳簿価額が2,623百万円減少しました。米ドルベースでは3.2億米ドル増加しました(注1)。当期末に保有する投資先の公正価値減少により34.7億米ドル、投資の売却(ロボHDへの移管を含む)2により20.3億米ドルそれぞれ減少した一方、新規投資2および既存投資先への追加投資により58.3億米ドル増加(当社等から取得した投資を含む)しました。 なお、これらのSVFからの投資については、期末日の対米ドルの為替換算レートが前期末に比して1.2%円高となったことによる帳簿価額の減少を含みます。 詳細は「(1)財政状態及び経営成績の状況 b.セグメントの業績概況(b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」をご参照ください。 |
F 投資有価証券 | ・アリババ株式の帳簿価額が前期末比2,731,959百万円減少しました(当期末残高は1,025,104百万円(68.6億米ドル))。当期に同社株式を利用した先渡売買契約の一部について現物決済したことに伴い、決済時点において4,073,694百万円(267.2億米ドル)の認識を中止しました。また、2025年4月に決済日が到来するアリババ株式を利用した先渡売買契約のうち、現物決済に使用することを当期末までに決定した同社株式533,818百万円(35.7億米ドル)を当期末において「投資有価証券」から「売却目的保有に分類された資産」へ振り替えました。これらが、アリババ株式の株価上昇による帳簿価額の増加を上回りました(参考:1株当たり、2024年3月末の72.36米ドルから2025年3月末には132.23米ドルに上昇)。 ・Tモバイル株式の帳簿価額が前期末比1,128,242百万円増加しました(当期末残高は3,404,069百万円(227.7億米ドル))。当社がドイツテレコムに付与したTモバイル株式を対象とする株式購入オプションの一部が行使され6.7百万株を売却した一方で、同社株価の上昇により帳簿価額が増加しました(参考:1株当たり、2024年3月末の163.22米ドルから2025年3月末には266.71米ドルに上昇)。 ・ドイツテレコム(注2)の帳簿価額が前期末比293,933百万円増加しました(当期末残高は1,121,969百万円(75.0億米ドル))。同社株式を利用したカラー取引の一部現物決済等による減少を、同社株価の上昇による増加が上回りました(参考:1株当たり、2024年3月末の22.50ユーロから2025年3月末には34.22ユーロに上昇)。 なお、これらの投資有価証券については、期末日の対米ドルの為替換算レートが前期末に比して1.2%円高となったことによる帳簿価額の減少を含みます。 |
(注1)米ドルに対する現地通貨相場の変動影響を含みます。
(注2)ドイツテレコム株式は当社米国子会社が保有するため、米ドルに対するユーロの変動影響を含みます。
(別掲)エンティティ別の現金及び現金同等物
連結上の現金及び現金同等物は前期末比2兆4,738億円減少の3兆7,130億円となりました。詳細については「(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(単位:百万円) | ||||
2024年 3月31日 | 2025年 3月31日 | 増減 | ||
持株会社投資事業(注1) | 3,359,514 | 1,596,258 | △1,763,256 | |
ソフトバンクグループ㈱ | 2,198,869 | 1,251,667 | △947,202 | |
資金調達を行う100%子会社 | 27,223 | 97,622 | 70,399 | |
SB Northstar | 794,508 | 1,328 | △793,180 | |
その他 | 338,914 | 245,641 | △93,273 | |
ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業 | 229,887 | 134,096 | △95,791 | |
SVF1 | 65,748 | 30,314 | △35,434 | |
SVF2 | 102,063 | 29,265 | △72,798 | |
LatAmファンド | 3,084 | 4,497 | 1,413 | |
SBIA、SBGA、SBLA Advisers Corp. | 58,992 | 70,020 | 11,028 | |
ソフトバンク事業 | 1,992,873 | 1,435,525 | △557,348 | |
ソフトバンク㈱ | 482,763 | 293,429 | △189,334 | |
LINEヤフー㈱ | 325,391 | 268,132 | △57,259 | |
PayPay㈱(注2)、PayPay銀行㈱(注3) | 739,759 | 366,355 | △373,404 | |
その他 | 444,960 | 507,609 | 62,649 | |
アーム事業 | 291,127 | 311,795 | 20,668 | |
アームおよび子会社 | 291,127 | 311,795 | 20,668 | |
その他(注1) | 313,473 | 235,354 | △78,119 | |
合計 | 6,186,874 | 3,713,028 | △2,473,846 |
(注)連結消去後の金額です。
(注1)当期より、報告セグメントごとに区分して表示しています。これに伴い、従前、表下段の「その他」に含めていた金額の一部を、「持株会社投資事業」の「その他」に組み替えています。
(注2)PayPayカード㈱をはじめとする同社子会社の現金及び現金同等物を含みます。
(注3)PayPay銀行㈱の現金及び現金同等物の当期末残高は223,939百万円です。
(b)負債
(単位:百万円) | ||||
2024年 3月31日 | 2025年 3月31日 | 増減 | ||
有利子負債 | 8,271,143 | 5,629,648 | △2,641,495 | |
リース負債 | 149,801 | 165,355 | 15,554 | |
銀行業の預金 | 1,643,155 | 1,795,965 | 152,810 | |
営業債務及びその他の債務 | 2,710,529 | 3,036,349 | 325,820 | |
デリバティブ金融負債 | 195,090 | 840,469 | 645,379 | A |
その他の金融負債 | 31,801 | 5,940 | △25,861 | |
未払法人所得税 | 163,226 | 444,180 | 280,954 | |
引当金 | 44,704 | 54,047 | 9,343 | |
その他の流動負債 | 801,285 | 629,717 | △171,568 | |
売却目的保有に分類された資産に直接関連する負債 | 9,561 | - | △9,561 | |
流動負債合計 | 14,020,295 | 12,601,670 | △1,418,625 | |
有利子負債 | 12,296,381 | 12,376,682 | 80,301 | |
リース負債 | 644,706 | 741,665 | 96,959 | |
SVFにおける外部投資家持分 | 4,694,503 | 3,652,797 | △1,041,706 | B |
デリバティブ金融負債 | 41,238 | 104,197 | 62,959 | |
その他の金融負債 | 57,017 | 199,284 | 142,267 | |
引当金 | 167,902 | 155,436 | △12,466 | |
繰延税金負債 | 1,253,039 | 924,392 | △328,647 | |
その他の非流動負債 | 311,993 | 304,607 | △7,386 | |
非流動負債合計 | 19,466,779 | 18,459,060 | △1,007,719 | |
負債合計 | 33,487,074 | 31,060,730 | △2,426,344 |
主な科目別の増減理由
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
有利子負債の内訳は次ページの(別掲)をご参照ください。 | |
流動負債 | |
A デリバティブ金融負債 | ・アリババ株式を利用した先渡売買契約に係るデリバティブ金融負債が497,255百万円(33.3億米ドル)増加しました。これは主に同社株式の株価上昇によるものです。 ・ドイツテレコム株式を利用したカラー取引に係るデリバティブ金融負債について、契約の一部を決済したことにより減少した一方、同社株式の株価上昇により251,238百万円(16.8億米ドル)増加しました。 ・当社がドイツテレコムに付与したTモバイル株式を対象とする株式購入オプションの一部が行使され、Tモバイル株式6.7百万株を売却したほか、残り全ての株式購入オプションについても2024年6月22日に行使期限が到来し消滅したことに伴い、デリバティブ金融負債が70,699百万円(4.7億米ドル)減少しました。 ・Tモバイル株式を利用した先渡売買契約の全てを現金決済したことにより、同契約に係るデリバティブ金融負債が28,257百万円(1.9億米ドル)減少しました。 |
非流動負債 | |
B SVFにおける外部投資家持分 | SVF1が外部投資家へ分配・返還を行ったことにより減少しました。詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記7.ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業(2)SVFにおける外部投資家持分」をご参照ください。 |
(別掲)連結有利子負債およびリース負債(流動負債および非流動負債の合計)
(単位:百万円) | |||||
2024年 3月31日 | 2025年 3月31日 | 増減 | |||
持株会社投資事業(注1) | 14,265,108 | 12,109,943 | △2,155,165 | ||
ソフトバンクグループ㈱ | 6,796,406 | 8,593,337 | 1,796,931 | ||
借入金 | 462,977 | 1,775,411 | 1,312,434 | A | |
社債 | 6,147,578 | 6,668,470 | 520,892 | B | |
リース負債 | 9,351 | 7,956 | △1,395 | ||
コマーシャル・ペーパー | 176,500 | 141,500 | △35,000 | ||
資金調達を行う100%子会社(注2) | 7,443,112 | 3,461,666 | △3,981,446 | ||
借入金 | 2,270,601 | 2,463,823 | 193,222 | C | |
株式先渡契約金融負債 | 5,172,511 | 997,843 | △4,174,668 | D | |
SB Northstar | - | 29,796 | 29,796 | ||
借入金 | - | 29,796 | 29,796 | ||
その他 | 25,590 | 25,144 | △446 | ||
ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業 | 563,842 | 516,272 | △47,570 | ||
SVF2 | 547,894 | 501,245 | △46,649 | ||
借入金 | 547,894 | 501,245 | △46,649 | ||
SBIA、SBGA、SBLA Advisers Corp. | 15,948 | 15,027 | △921 | ||
リース負債 | 15,948 | 15,027 | △921 | ||
ソフトバンク事業 | 6,321,094 | 5,962,152 | △358,942 | ||
ソフトバンク㈱ | 4,373,826 | 4,090,269 | △283,557 | ||
借入金 | 2,994,039 | 2,613,115 | △380,924 | ||
社債 | 827,781 | 1,023,282 | 195,501 | ||
リース負債 | 466,005 | 453,872 | △12,133 | ||
コマーシャル・ペーパー | 86,001 | - | △86,001 | ||
LINEヤフー㈱ | 1,122,485 | 1,087,779 | △34,706 | ||
借入金 | 591,338 | 556,318 | △35,020 | ||
社債 | 469,270 | 444,374 | △24,896 | ||
リース負債 | 61,877 | 55,087 | △6,790 | ||
コマーシャル・ペーパー | - | 32,000 | 32,000 | ||
PayPay㈱(注3)、PayPay銀行㈱(注4) | 503,714 | 353,216 | △150,498 | ||
その他 | 321,069 | 430,888 | 109,819 | ||
アーム事業 | 34,630 | 54,871 | 20,241 | ||
アームおよび子会社 | 34,630 | 54,871 | 20,241 | ||
リース負債 | 34,630 | 54,871 | 20,241 | ||
その他(注1) | 177,357 | 270,112 | 92,755 | ||
その他の有利子負債 | 143,297 | 233,824 | 90,527 | ||
リース負債 | 34,060 | 36,288 | 2,228 | ||
合計 | 21,362,031 | 18,913,350 | △2,448,681 |
(注)連結消去後の金額です。
(注1)当期より、報告セグメントごとに区分して表示しています。これに伴い、従前、表下段の「その他」に含めていた金額の一部を、「持株会社投資事業」の「その他」に組み替えています。
(注2)資金調達を行う100%子会社の有利子負債はソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。
(注3)PayPayカード㈱をはじめとする同社子会社の有利子負債およびリース負債を含みます。
(注4)PayPay銀行㈱の銀行業の預金は、有利子負債には含まれていません。
前期末からの主な会社別の増減理由
項目 | 内容 |
持株会社投資事業 | |
ソフトバンクグループ㈱ | |
A 借入金 | ・コミットメントライン契約に基づき、借入限度額全額(米ドル建トランシェが5,465百万米ドル、円建トランシェが356億円)を借り入れました。 ・タームローンにより29億米ドルを借り入れました。 ・ハイブリッドローンにより1,350億円を借り入れました。これにより、2024年11月に初回任意期限前返済日を迎えたハイブリッドローン840億円のリファイナンスを完了しました。 |
B 社債 | ・国内普通社債を1兆円発行した一方、4,500億円満期償還しました。 ・米ドル建普通社債900百万米ドルおよびユーロ建普通社債900百万ユーロをそれぞれ発行した一方、米ドル建普通社債1,216百万米ドルおよびユーロ建普通社債638百万ユーロをそれぞれ償還しました。 上記は全て額面総額です。 |
資金調達を行う100%子会社 | |
C 借入金 | ・ソフトバンク㈱株式を利用した借入(マージンローン)の増額により借入金が297,193百万円増加しました。 ・ドイツテレコム株式を利用したカラー取引に係る借入金の一部を現金およびドイツテレコム株式で返済したことに伴い、返済時点において借入金が81,489百万円(5.3億米ドル)減少しました。 |
D 株式先渡契約 金融負債 | ・アリババ株式を利用した先渡売買契約の一部を現物決済したことに伴い、決済時点において株式先渡契約金融負債3,799,116百万円(248.3億米ドル)の認識を中止しました。 ・Tモバイル株式を利用した先渡売買契約の全てを現金決済したことに伴い、株式先渡契約金融負債が432,165百万円(28.5億米ドル)減少しました。これに伴い、当第2四半期末にTモバイル株式を利用した先渡売買契約に係る株式先渡契約金融負債の残高は零となりました。 詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記22.有利子負債(2)アリババ株式先渡売買契約取引」ご参照ください。 |
(c)資本
(単位:百万円) | ||||
2024年 3月31日 | 2025年 3月31日 | 増減 | ||
資本金 | 238,772 | 238,772 | - | |
資本剰余金 | 3,326,093 | 3,376,724 | 50,631 | |
その他の資本性金融商品 | 193,199 | 193,199 | - | |
利益剰余金 | 1,632,966 | 2,701,792 | 1,068,826 | A |
自己株式 | △22,725 | △256,251 | △233,526 | B |
その他の包括利益累計額 | 5,793,820 | 5,307,305 | △486,515 | C |
親会社の所有者に帰属する持分合計 | 11,162,125 | 11,561,541 | 399,416 | |
非支配持分 | 2,075,044 | 2,391,485 | 316,441 | D |
資本合計 | 13,237,169 | 13,953,026 | 715,857 |
主な科目別の増減理由
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
A 利益剰余金 | 親会社の所有者に帰属する純利益1,153,332百万円を計上しました。 |
B 自己株式 | 総額5,000億円を上限とする自己株式の取得に関する2024年8月7日の取締役会決議に基づき、当期に237,045百万円(28,812,200株)を取得しました。 |
C その他の包括利益累計額 | 海外を拠点とする子会社・関連会社の財務諸表を円換算する際に生じる在外営業活動体の為替換算差額が、対米ドルの為替換算レートが前期末に比して円高となったことなどにより、521,272百万円減少しました。 |
D 非支配持分 | ソフトバンク㈱をはじめとする子会社において非支配持分に帰属する純利益の計上により449,776百万円増加した一方、剰余金の配当により368,868百万円減少しました。このほか、ソフトバンク㈱が社債型種類株式200,000百万円を発行したことにより増加しました。 |
(2)キャッシュ・フローの状況
1.営業活動によるキャッシュ・フロー ◆ 法人所得税の支払額:3,800億円、法人所得税の還付額:1,648億円 2.投資活動によるキャッシュ・フロー:1兆6,315億円のキャッシュ・アウト・フロー(純額) ◆ 主にソフトバンクグループ㈱および100%子会社が成長投資に加え、上場株式等への投資を行ったほか、PayPay銀行が債券等の資産運用商品への投資を行ったことにより、投資の取得による支出1兆6,252億円を計上 ◆ 主にソフトバンクグループ㈱が上場株式等の売却を行ったほか、ドイツテレコムによる株式購入オプションの一部行使に伴うTモバイル株式6.7百万株の売却を行ったことにより、投資の売却または償還による収入1兆1,807億円を計上 ◆ SVFで資金化および投資を継続 - SVFによる投資の取得による支出:5,789億円 - SVFによる投資の売却による収入:4,583億円 ◆ ソフトバンク等の設備投資に伴い、有形固定資産及び無形資産の取得による支出8,542億円を計上 3.財務活動によるキャッシュ・フロー:1兆1,164億円のキャッシュ・アウト・フロー(純額) ◆ ソフトバンクグループ㈱が社債のリファイナンス・新規発行等の資金調達・返済を行ったほか、SVF1が外部投資家への分配・返還を実施 - 有利子負債の収入:5兆3,137億円 ・ソフトバンクグループ㈱における収入:3兆3,223億円 (国内普通社債1兆円、米ドル建普通社債900百万米ドルおよびユーロ建普通社債900百万ユーロを発行したほか、短期借入、タームローンおよびハイブリッドローン等により2兆211億円を調達) - 有利子負債の支出:3兆8,091億円 ・ソフトバンクグループ㈱における支出:1兆4,235億円 (国内普通社債4,500億円、米ドル建普通社債449百万米ドルおよびユーロ建普通社債638百万ユーロを満期償還、米ドル建普通社債767百万米ドルを期限前償還したほか、短期借入金およびハイブリッドローン等6,828億円を返済) ・資金調達を行う100%子会社における支出:5,467億円 (Tモバイル株式を利用した先渡売買契約の現金決済およびドイツテレコム株式を利用したカラー取引による借入金の返済等) - SVFにおける外部投資家への分配額・返還額:1兆4,858億円 - 自己株式の取得による支出:2,371億円 4.現金及び現金同等物の当期末残高、増減額 ◆ 営業活動、投資活動、財務活動それぞれのキャッシュ・フローに加え、現金及び現金同等物に係る換算差額等を計上した結果、当期末時点における残高は3兆7,130億円(前期末比2兆4,738億円減少) |
<重要な非資金取引>当期において、アリババ株式先渡売買契約およびドイツテレコム株式を利用したカラー取引の一部を現物決済しました。いずれの取引も非資金取引に該当するため、連結キャッシュ・フローへの影響はありません。詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記44.連結キャッシュ・フロー計算書の補足情報」をご参照ください。
(単位:百万円) | |||
3月31日に終了した1年間 | |||
2024年 | 2025年 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 250,547 | 203,580 | △46,967 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △841,461 | △1,631,540 | △790,079 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △606,222 | △1,116,384 | △510,162 |
現金及び現金同等物に係る換算差額等 | 458,857 | 70,498 | △388,359 |
現金及び現金同等物の増減額 | △738,279 | △2,473,846 | △1,735,567 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 6,925,153 | 6,186,874 | △738,279 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 6,186,874 | 3,713,028 | △2,473,846 |
(a)営業活動によるキャッシュ・フロー
SB Northstarにおける余剰資金運用を目的とした社債(主に残存年数が短い投資適格債)等への投資があったものの、営業活動によるキャッシュ・フローは203,580百万円のキャッシュ・イン・フロー(純額)となりました。
なお、法人所得税の支払額は380,008百万円、法人所得税の還付額は164,847百万円でした。前者は主に、ソフトバンク㈱が法人所得税を支払ったことによるものです。後者は主に、ソフトバンクグループ㈱が前期に中間納付した法人所得税118,026百万円について76,724百万円の還付を受けたことによるものです。
(b)投資活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
科目 | 主な内容 |
投資の取得による支出 △1,625,245百万円 | ・ソフトバンクグループ㈱および100%子会社で主に成長投資を目的として258,531百万円の投資(以下の上場株式および債券への投資を除く)を行いました。主に、AIを活用したデータ学習型の自動運転プラットフォームを開発する英国のWayveへの投資です。なお、Wayveへの投資は当第4四半期にSVF2に移管しました。 ・ソフトバンクグループ㈱が上場株式および債券に962,972百万円の投資を行いました。 ・PayPay銀行㈱が債券等の資産運用商品に336,259百万円の投資を行いました。 |
投資の売却または償還による収入 1,180,746百万円 | ・ソフトバンクグループ㈱が上場株式および債券824,703百万円を売却しました。 ・PayPay銀行㈱が債券等の資産運用商品を105,595百万円売却しました。 ・当社がドイツテレコムに付与したTモバイル株式を対象とする株式購入オプションの一部が行使され、Tモバイル株式6.7百万株を670百万米ドルで売却しました。 |
SVFによる投資の取得による支出 △578,927百万円 | SVFが合計37.9億米ドルの投資を行いました。 |
SVFによる投資の売却による収入 458,319百万円 | SVFが合計30.0億米ドルの投資の売却を行いました。 |
子会社の支配獲得による収支 △194,216百万円 | 当社が米国で太陽光発電所の建設および運営を手掛ける持分法適用関連会社のSBE Globalの持分を追加取得し、同社を子会社化しました。また、AIや機械学習に特化した半導体チップの設計・開発を手掛ける英国のGraphcoreを子会社化しました。 なお、左記は支配獲得時に各被取得企業が保有していた現金及び現金同等物を差し引いた金額です。 |
科目 | 主な内容 |
有形固定資産及び無形資産の取得に よる支出 △854,173百万円 | ソフトバンク㈱が通信設備、シャープ㈱の堺工場の土地建物およびAI計算基盤等の有形固定資産、ならびにソフトウエア等の無形資産を取得しました。 |
(c)財務活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
科目 | 主な内容 | ||
短期有利子負債の収支(純額) △421,723百万円(注1) (有利子負債(流動負債)のうち、回転が 早く、期日が短い項目の収支) | ・ソフトバンクグループ㈱のコマーシャル・ペーパーが35,000百万円(純額)減少しました。 ・ソフトバンク㈱の短期借入金が213,823百万円(純額)減少しました。 ・LINEヤフー㈱およびその子会社の短期借入金およびコマーシャル・ペーパーが203,379百万円(純額)減少しました。 | ||
有利子負債の収入(以下AおよびBの合計) 5,313,665百万円 | |||
A借入による収入 3,756,443百万円(注2) | ・ソフトバンクグループ㈱がコミットメントラインの借入限度額全額(米ドル建トランシェ5,465百万米ドル、円建トランシェ356億円)の借入実行をはじめとする短期借入や、タームローン、ハイブリッドローン等により、2,021,112百万円を調達しました。 ・ソフトバンク㈱が割賦債権の流動化、セール&リースバック等により1,060,448百万円を調達しました。 | ||
B社債の発行による収入 1,557,222百万円 | ・ソフトバンクグループ㈱が国内普通社債1兆円、米ドル建普通社債900百万米ドルおよびユーロ建普通社債900百万ユーロをそれぞれ発行しました。 ・ソフトバンク㈱が国内普通社債206,000百万円を発行しました。 ・LINEヤフー㈱が国内普通社債50,000百万円を発行しました。 上記は全て額面総額です。 | ||
有利子負債の支出(以下A~Cの合計) △3,809,082百万円 | |||
A借入金の返済による支出 △2,475,239百万円(注2) | ・ソフトバンクグループ㈱が短期借入金、ハイブリッドローンおよびコマーシャル・ペーパー682,836百万円を返済しました。 ・ソフトバンク㈱が割賦債権の流動化、セール&リースバック等による借入金およびコマーシャル・ペーパー1,324,658百万円を返済しました。 ・資金調達を行う100%子会社がドイツテレコム株式を利用したカラー取引による借入金の一部38,454百万円(251百万米ドル)を返済しました。 |
科目 | 主な内容 | ||
B社債の償還による支出 △825,632百万円 | ・ソフトバンクグループ㈱が国内普通社債450,000百万円、米ドル建普通社債1,216百万米ドルおよびユーロ建普通社債638百万ユーロをそれぞれ償還しました。 ・ソフトバンク㈱が国内普通社債10,000百万円を満期償還しました。 ・LINEヤフー㈱が国内普通社債75,000百万円を満期償還しました。 上記は全て額面総額です。 | ||
C株式先渡契約金融負債の決済 による支出 △508,211百万円 | 資金調達を行う100%子会社がTモバイル株式を利用した先渡売買契約を現金決済するために506,234百万円(32.6億米ドル)を支出しました。このうち株式先渡契約金融負債の決済分に相当する444,489百万円(28.6億米ドル)が本科目に含まれています。デリバティブ金融負債の決済分に相当する61,745百万円(4.0億米ドル)は財務活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含まれています。 | ||
SVFにおける外部投資家に対する 分配額・返還額 △1,485,774百万円 | SVF1が外部投資家へ分配・返還を行いました。 | ||
子会社におけるその他の資本性金融商品の発行による収入 200,000百万円 | ソフトバンク㈱が社債型種類株式200,000百万円を発行しました。 | ||
自己株式の取得による支出 △237,058百万円 | ソフトバンクグループ㈱が2024年8月7日の取締役会決議に基づき自己株式を総額237,045百万円(28,812,200株)取得しました。 | ||
配当金の支払額 △64,020百万円 | ソフトバンクグループ㈱が配当金を支払いました。 | ||
非支配持分への配当金の支払額 △368,678百万円 | ソフトバンク㈱やLINEヤフー㈱等が非支配株主へ配当金を支払いました。 |
(注1)短期有利子負債の収支には、IFRSにおける「純額によるキャッシュ・フローの報告」の要件を満たした財務活動によるキャッシュ・フローを記載しています。
(注2)借入による収入および借入金の返済による支出には、契約上の借入期間が1年以内の借入金に係る収入が1,687,992百万円、支出が1,007,139百万円、それぞれ含まれています。
(d)当社の資本の財源および資金の流動性に係る情報
i.ソフトバンクグループ㈱における資本の財源
ソフトバンクグループ㈱は、戦略的投資持株会社として、子会社・関連会社への投資を含む直接投資(子会社を通じた投資を含みます。)または投資ファンド(例えば、SVF1およびSVF2ならびにLatAmファンド)を通じて多数の企業に投資を行っています。また、適切なタイミングでそれらの保有資産を資金化することで、回収した資金や投資先からの配当、投資ファンドからの分配金などを、成長戦略に基づき新規投資に充当するほか、適切なタイミングで株主還元や財務改善にも振り向けています。このほか、負債の返済原資等に充当する目的で社債の発行や金融機関からの借入を実施しています。
保有資産の資金化においては、保有資産の売却だけではなく、多様なアセットバック・ファイナンス(株式先渡売買契約やマージンローンなど、保有資産を活用した資金調達)により、機動的な資金化を実現しています。また、SVFを通じた投資についても、ストラテジックバイヤーや他のアセットマネージャーへの売却、投資先の上場を通じて資金化を行っています。
また、社債の発行においては、円建シニア社債だけではなく米ドルやユーロ建シニア社債、ハイブリッド社債など異なる商品性の債券を発行することで、国内外の様々な市場からの資金調達の機会を確保し、安定的な調達を図っています。
ii.当期における資本の財源と資金の流動性の分析
当期は、主にAI関連企業への投資を積極的に行いました。財務活動においては、社債のリファイナンスおよび新規発行、各種シンジケートローンによる調達を行った一方、自己株式の取得による株主還元も行いました。
主にこうした投資活動と財務活動の結果、当期末においても当社の手元流動性は今後2年間の社債償還に必要な資金を上回る水準を維持しています。
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における注記事項
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(3)生産、受注および販売の状況
当社グループのサービスは広範囲かつ多種多様であり、また受注生産形態をとらない事業も多いため、セグメントごとに生産の規模および受注の規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
なお、販売の状況については、「(1)財政状態及び経営成績の状況 b.セグメントの業績概況」における各セグメントの業績に関連付けて示しています。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたり必要となった重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定については、「第5.経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記5.重要な判断および見積り」をご参照ください。