訂正四半期報告書-第42期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当第1四半期末において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(注1)当社の子会社として会計処理される投資先1件を含みます。
為替換算レート
<連結損益計算書の表示および報告セグメントの変更>「ラテンアメリカ・ファンド事業」の新設
当第1四半期より、従前「その他」に含めていた「ラテンアメリカ・ファンド事業」について、金額的重要性が増したため新たに独立した報告セグメントとして記載するとともに、連結損益計算書においても従前「その他の投資損益」に含めていた「ラテンアメリカ・ファンド事業からの投資損益」について新たに独立した科目として記載しています。前年同期における情報も同様に組み替えて表示しています。同事業の概要については「b.セグメントの業績概況 (e)ラテンアメリカ・ファンド事業 <事業概要>」をご参照ください。
a.連結経営成績の概況
以下、要約四半期連結損益計算書の主要な科目および特筆すべき科目に関する概要を記載します。
A 売上高
ソフトバンク事業とアーム事業はいずれも増収となりました。
B 持株会社投資事業からの投資損益
Tモバイル(Sprint Corporationと合併後のT-Mobile US, Inc.)株式に係る未実現評価益228,463百万円、一定の条件を満たした際にTモバイル株式を無償で取得できる権利(以下「条件付対価」)の公正価値上昇に伴うデリバティブ関連利益197,783百万円、上場株式等への投資に係る投資利益210,347百万円をそれぞれ計上しました。詳細は「b.セグメントの業績概況(a)持株会社投資事業」をご参照ください。
C SVF1およびSVF2等からの投資損益
SVF1が、保有銘柄の一部について、株式の全部または一部を売却1したことにより、投資の実現益309,680百万円(純額)を計上しました。また、上場投資先について合計198,927百万円の未実現評価益(純額)を計上しました。9社について合計700,456百万円の評価損(主なものはCoupang, Inc.(以下「Coupang」)に係る損失470,604百万円)を計上した一方、6社について合計899,383百万円の評価益(主なものはDiDi Global Inc.(以下「DiDi」)に係る利益358,344百万円およびDoorDash, Inc.(以下「DoorDash」)に係る利益285,422百万円)を計上したことによるものです。このほか、未上場投資先について公正価値上昇を反映し97,265百万円の未実現評価益(純額)を計上しました。
SVF2においては、KE Holdings Inc.(以下「KE Holdings」)への投資の一部を売却したことにより、投資の実現益96,962百万円を計上しました。また、KE HoldingsおよびSeer, Inc.(以下「Seer」)の株価が軟調であったものの、Full Truck Alliance Co. Ltd.(以下「Full Truck Alliance」)やDingdong (Cayman) Limited (以下「Dingdong」)などの好調な株価推移および複数の未上場投資先における資金調達ラウンドなどを背景とした公正価値の上昇により、合計49,134百万円の未実現評価益(純額)を計上しました。詳細は「b.セグメントの業績概況(b)SVF1等SBIAの運営するファンド事業」をご参照ください。
D ラテンアメリカ・ファンド事業からの投資損益
Banco Inter S.A.の株価上昇に加え、QUINTOANDAR, LTD.やVTEX2などの未上場投資先の公正価値上昇により、219,236百万円の未実現評価益(純額)を計上しました。詳細は「b.セグメントの業績概況(e)ラテンアメリカ・ファンド事業」をご参照ください。
主にB~Dの結果、投資損益合計は1,263,068百万円の利益となりました。
E 財務費用
持株会社投資事業で支払利息が6,445百万円増加しました。
F 持分法による投資損益
アリババに係る持分法投資利益は前年同期比77,203百万円改善の58,731百万円3でした。前年同期に損失を計上したのは主に、2020年1~3月期において、新型コロナウイルスの感染拡大による株式相場の急落に伴う同社のFVTPLの金融資産に分類される投資先に係る投資損失を計上したことによるものです。
なお、アリババは中国国家市場監督管理総局が同社に科した独占禁止法違反の罰金を2021年1~3月期に費用計上しました。当社は当該費用を期間差における重要な事象として前期第4四半期に計上済みです。
G デリバティブ関連損益(投資損益を除く)
2019年11月および2020年4月から8月ならびに2021年5月に締結したアリババ株式の先渡売買契約に係るデリバティブ関連損失109,662百万円を計上しました。
主にA~Gの結果、税引前利益は前年同期比458,358百万円(55.0%)増加の1,292,478百万円となりました。
H 法人所得税
ソフトバンク㈱やヤフー㈱で法人所得税を計上したほか、Tモバイル株式および条件付対価の公正価値上昇に伴い繰延税金費用を計上しました。
I 非継続事業からの純利益
前年同期に、Sprint CorporationとT-Mobile US, Inc.の合併取引の完了によりSprint Corporationが当社の子会社でなくなったことに伴う同社に係る支配喪失利益736,429百万円を計上していました。
主にA~Iの結果、親会社の所有者に帰属する純利益は前年同期比494,203百万円(39.4%)減少の761,509百万円となりました。
b.セグメントの業績概況
当社の報告セグメントは、当社の経営資源の配分の決定や業績の評価を行うための区分を基礎としています。当第1四半期において「ラテンアメリカ・ファンド事業」を新たに設けました。当第1四半期末現在、「持株会社投資事業」、「SVF1等SBIAの運営するファンド事業」、「ソフトバンク事業」、「アーム事業」、「ラテンアメリカ・ファンド事業」の5つを報告セグメントとしています。
報告セグメントの概要は以下の通りです。
(a)持株会社投資事業
(注1)SB NorthstarからSBIA US子会社のSPACへの投資の影響を含みます。当該取引は連結上消去しています。
<事業概要>当事業においては、主にソフトバンクグループ㈱が、戦略的投資持株会社として直接または子会社を通じて投資活動を行っています。当事業は、ソフトバンクグループ㈱、SoftBank Group Capital Limited(以下「SBGC」)、ソフトバンクグループジャパン㈱(以下「SBGJ」)および資産運用子会社であるSB Northstarのほか、投資または資金調達を行う一部の子会社で構成されています。持株会社投資事業からの投資損益は、ソフトバンクグループ㈱が、直接または子会社を通じて保有する投資からの投資損益により構成されています。ただし、子会社からの受取配当金および子会社株式に係る減損損失などの子会社株式に関連する投資損益を含みません。
当事業を構成する会社が保有する投資先は、アリババやTモバイル、WeWork Inc.(以下「WeWork」)(注)など約120社と、SB Northstarからの投資先であり、持分法適用関連会社(例えばアリババ)のほか、FVTPLの金融資産として認識されるものがあります。持分法適用関連会社に該当する投資先の業績は、持分に応じて損益が「持分法による投資損益」に計上されます。FVTPLの金融資産に該当する投資は、四半期ごとに公正価値を測定し、その変動額を「投資損益」として連結損益計算書に計上しています。
(注)SVF1が保有するWeWork株式に係る投資損益は「SVF1等SBIAの運営するファンド事業」に含まれています。
資産運用子会社からの上場株式等への投資
当社は、前期第1四半期から、保有資産の多様化と余剰資金の運用を目的として、従来から掲げているLTV(Loan to Value、保有資産に対する負債の割合)や手元流動性に関する財務方針を堅持しつつ、流動性の高い上場株式への投資を行っています。前期第1四半期においてはソフトバンクグループ㈱がこうした投資を行っていましたが、前期第2四半期からは資産運用子会社であるSB Northstarが上場株式等の取得および売却、上場株式に関連するデリバティブ取引および信用取引を行っています。なお、上場株式等への投資の規模は、ソフトバンクグループ㈱の資金需要、手元現金の状況、および保有資産の状況により変動します。
SB Northstarにおける持分は、ソフトバンクグループ㈱が67%、ソフトバンクグループ㈱代表取締役 会長兼社長執行役員の孫 正義が33%をそれぞれ間接的に保有しています。孫 正義の持分は非支配持分として同社の投資損益から差し引かれるため、投資損益の67%が親会社の所有者に帰属する純利益に影響を与えます。なお、ソフトバンクグループ㈱がSB Northstarに対しファンド存続期間(12年+延長2年)満了時に債権を保有し、その債権に返済不能分が発生した場合、持分比率に応じて孫 正義は損害額を補償します。
<業績全般>(単位:百万円)
A 投資利益:741,380百万円
・資産運用子会社からの投資の実現益65,416百万円、資産運用子会社からの投資の未実現評価益17,557百万円をそれぞれ計上しました。これはSB Northstarによる上場株式等への投資の成果です。
・資産運用子会社からの投資に係るデリバティブ関連利益119,511百万円を計上しました。これはSB Northstarにおいて主に上場株式に係る買建コールオプションによる利益を計上したことによるものです。
・投資の実現益91,789百万円、投資の未実現評価益288,351百万円をそれぞれ計上しました。前者については、主にソフトバンクグループ㈱の100%子会社がInMobi Pte. Ltd.株式をSVF2に売却したことに伴い57,904百万円の実現益を計上したことによるものです(過年度に未実現評価益として計上された額からの振替額:58,193百万円。当該売却は内部取引のため連結決算では消去されています。)。後者については、Tモバイル株式に係る投資の評価益228,463百万円を計上したことに加え、公正価値上昇を反映してSoFi Technologies, Inc.、WeWork、Lemonade, Inc.への投資に係る未実現評価益をそれぞれ49,382百万円、23,764百万円、21,460百万円計上したことなどによるものです。
・投資に係るデリバティブ関連利益147,277百万円を計上しました。これは主に、Tモバイル株式に係るDeutsche Telekom AG(以下「ドイツテレコム」)の株式購入オプションの公正価値の上昇額53,763百万円4をデリバティブ関連損失として計上した一方で、条件付対価の公正価値の上昇額197,783百万円をデリバティブ関連利益として計上したことによるものです(ドイツテレコムの株式購入オプションは以下に定義)。
B 財務費用:59,595百万円(前年同期比6,445百万円増加)
・SB Northstarの支払利息が5,956百万円となりました(前年同期は計上なし)。これは前期第2四半期からSB Northstarが事業を開始したことに伴い、上場株式取得を目的とした短期借入れやアリババ株式を活用した借入れを行ったことによるものです。
C 持分法による投資利益:54,670百万円(前年同期比50,567百万円増加)
・アリババに係る持分法投資利益は前年同期比77,203百万円改善の58,731百万円でした。前年同期に損失を計上したのは主に、2020年1~3月期において、新型コロナウイルスの感染拡大による株式相場の急落に伴う同社のFVTPLの金融資産に分類される投資先に係る投資損失を計上したことによるものです。
なお、アリババは中国国家市場監督管理総局が同社に科した独占禁止法違反の罰金を2021年1~3月期に費用計上しました。当社は当該費用を期間差における重要な事象として前期第4四半期に計上済みです。
・前年同期には、2020年4月1日から同年6月25日までの期間におけるTモバイルに係る持分法投資利益24,736百万円を計上していました。
D デリバティブ関連損失(投資損益を除く):108,105百万円
・2019年11月および2020年4月から8月ならびに2021年5月に締結したアリババ株式の先渡売買契約に係るデリバティブ関連損失109,662百万円を計上しました。

資産運用子会社の当社要約四半期連結財政状態計算書への影響(注1)
2021年6月30日現在
(単位:百万円)
(注1)ソフトバンクグループ㈱からDelaware子会社を経由してSB Northstarへ現物出資したアリババ株式の影響およびSB NorthstarからSBIA US子会社のSPACへの投資の影響を除いたSB Northstarの財政状態計算書を、当社要約四半期連結財政状態計算書への同社の影響を示すための参考情報として記載しています。
(注2)当社の子会社であるDelaware Project 1 L.L.C.、Delaware Project 2 L.L.C.およびDelaware Project 3 L.L.C.(以下「Delaware子会社」)から資産運用子会社であるSB Northstarへの出資額
(非支配持分の計算)
(単位:百万円)
(注3)表中Bの3分の1
(純資産(上記C)に対する持分)
(単位:百万円)
資産の状況
2021年6月30日現在
① 現物株式等
(単位:百万米ドル)
(注1)SBIA US子会社のSPAC3社への投資は、連結決算では内部取引として消去されます。
(注2)NVIDIA Corporation株式はソフトバンクグループ㈱が保有しています。
② デリバティブ
(単位:百万米ドル)
当事業における主な有利子負債およびリース負債
(注1)資金調達を行う100%子会社は、当第1四半期末において、West Raptor Holdings, LLC、West Raptor Holdings 2, LLC、Skybridge LLC、Scout 2020 Holdings Limited、Tigress 2020 Holdings Limited、Panther I 2021 Holdings Limited、Panther II 2021 Holdings Limited、スカイウォークファイナンス合同会社、ムーンライトファイナンス合同会社およびDelaware Project 6 L.L.C.を指します。また、前期末においてはSkylark 2020 Holdings Limitedも含みます。これらの子会社による借入れはソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。ただし、Tモバイル株式を活用した借入れについては、例外的にソフトバンクグループ㈱が一部保証しています。
(b)SVF1等SBIAの運営するファンド事業
(注1)累計投資利益(グロス)は外部投資家持分および税金等の控除前の金額です。
<事業概要>当事業の業績には、主に、金融行為規制機構(The Financial Conduct Authority)の認可および規制を受けた当社の英国100%子会社SBIAが運営するソフトバンク・ビジョン・ファンド1(SVF1)とソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SVF2)の投資および事業活動の結果が含まれています。
SVF1は、「ユニコーン(投資時において企業価値が10億米ドル以上と推定される非公開企業)」を中心に、AIを活用した成長可能性の大きな企業への投資を保有しており、中長期的視点から投資成果を最大化することを目指しています。同ファンドの投資期間は2019年9月12日に終了しましたが、合弁会社への投資を含む既存投資先への追加投資や固定分配、ファンド運営関連費用への充当を目的に出資コミットメント総額の残額が留保されています。2回の1年延長オプションをSBIAが行使した場合を除き、SVF1の存続期間は原則として2029年11月20日までです。
SVF2は、テクノロジーを活用して各市場をリードする成長企業への投資を通じて、AI革命を持続的に加速することを目的に、2019年10月にソフトバンクグループ㈱から出資コミットメントを取得して設立されました。当第1四半期末現在、SVF2はソフトバンクグループ㈱のみがリミテッド・パートナーとして参画し、400億米ドルの出資をコミットしています。
また、当社の上場および非上場企業への投資を補完し、私募ファンドとして定められた投資範疇を超えたより広範な投資機会の追求を実現するため、SBIA USはSPAC(特別買収目的会社)を用いた投資を行っています。SBIA US子会社のSPACであるSVF Investment Corp.が2021年1月に、SVF Investment Corp.2とSVF Investment Corp.3が2021年3月にNASDAQに新規上場(株式公開)しており、それぞれの新規株式公開による払込資金の決済日から2年以内に企業結合を行うことを目指しています。なお、企業結合後、結合会社はSBIA USの子会社ではなくなる見込みです。
当事業における主なファンドの概要
2021年6月30日現在
(注1)SVF1への当社の出資コミットメントは、アーム株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される予定の25億米ドルを含みます。
資金の状況
2021年6月30日現在
SVF1
(単位:億米ドル)
(注)SVF1への当社の出資コミットメントは、アーム株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される予定の25億米ドルを含みます。
SVF2
(単位:億米ドル)
(注)コミットメント残額には再コール可能な払込資金返還額を含みます。
<業績全般>(単位:百万円)
(注1)アームは当社の子会社であるため、SVF1が保有するアーム株式の公正価値の変動により計上される未実現評価損益およびアームからの受取配当金(現物配当として受領したTreasure Data, Inc.の株式を含む)は、セグメント利益において「SVF1およびSVF2等からの投資損益」に含めていますが、連結上消去し、要約四半期連結損益計算書上の「SVF1およびSVF2等からの投資損益」には含めていません。
(注2)当期に実現した投資に係る未実現評価損益の過年度計上額を「投資の実現損益」に振り替えています。
当第1四半期において、SVF1は、合計21億米ドルの新規投資および既存投資先への追加投資を行った一方1、投資先1銘柄の全株式および6銘柄の一部株式を、合計30億米ドルの当初取得額に対し合計58億米ドル6で売却しました1。またSVF2は、合計135億米ドルの新規および追加の投資を行いました。
セグメント利益
A SVF1およびSVF2等からの投資利益:391,562百万円
・SVF1
-投資先1銘柄の全株式およびDoorDash、Uber、Guardant Healthなど上場投資先6社の一部株式を売却1したことにより、投資の実現益309,680百万円(純額)を計上しました。
-当第1四半期末に保有する投資について未実現評価益380,874百万円(3,462百万米ドル、純額)を計上しました(内訳は以下「投資の状況 SVF1」をご参照ください)。このうち、上場投資先について、Coupangなど一部の上場投資先で株価が下落したものの、当第1四半期に上場したDiDiおよびFull Truck Alliance、ならびにDoorDashなどの投資先の株価の上昇により、合計1,808百万米ドルの評価益(純額)を計上しました。また、非上場株式について、エグジットや上場が見込まれる投資先の公正価値が上昇したことなどにより、合計1,654百万米ドルの評価益(純額)を計上しました。
-投資先からの受取配当金20,812百万円を計上しました。これは主に、当第1四半期にアームからTreasure Data, Inc.の株式が現物配当されたことによるものです。
・SVF2
-KE Holdingsの一部株式を売却したことにより、投資の実現益96,962百万円を計上しました。
-未実現評価益49,115百万円(446百万米ドル、純額)を計上しました(内訳は以下「投資の状況 SVF2」をご参照ください)。上場投資先について、当第1四半期に上場したFull Truck AllianceおよびDingdongなどの投資先の株価が上昇したものの、KE HoldingsおよびSeerの株価が下落し、合計322百万米ドルの評価損(純額)を計上した一方、非上場株式について、資金調達ラウンドがあった投資先の公正価値が上昇したことなどにより、合計769百万米ドルの評価益(純額)を計上しました。
B SVF1における外部投資家持分の増減額:△134,093百万円
SVF1からの投資損益からSBIAに支払われる管理報酬および成功報酬、SVF1の営業費用ならびにその他の費用を控除した金額を、持分に応じて外部投資家に分配した成果分配額および固定分配額の合計です。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記7.SVF1等SBIAの運営するファンド事業(2)SVF1における外部投資家持分」をご参照ください。
なお、当第1四半期末現在、SVF2はソフトバンクグループ㈱のみが出資しているため、外部投資家持分はありません。
当社からSVF2へ移管した投資
当社は当第1四半期末までに売却または現物出資により以下の投資をSVF2に移管しました。
(単位:百万米ドル)
(注)当社からSVF2への移管価額は、移管方法が現物出資の場合は移管の直前四半期末時点の当社簿価、移管方法が売却の場合は移管の直前四半期末時点の公正価値に基づいています。移管までに生じた投資損益は移管まで属していた報告セグメントで認識しています。
投資の状況
2021年6月30日現在
SVF1
(単位:十億米ドル)
合計(下記①+②+③+④)
(参考)
①エグジット前の投資(当第1四半期末に保有する投資)
②エグジットした投資
③投資に係るデリバティブ関連損益
④投資先からの受取配当金
(注1)外部投資家持分および税金等の控除前
(注2)累計投資パフォーマンスを純額で示すため、株式交換を行った投資について交換先の株式の取得額および当初保有株式の処分額(売却額)をそれぞれ控除しています。また、現物配当で受領した投資について、当該株式に係る取得額および受取配当金をそれぞれ控除しています。
(注3)記載されている株式交換に加えて、SVF1は過年度において既存投資先2社の株式を同じく既存投資先であるその関係会社株式に交換したため、当項目において該当する投資の取得額および処分額(売却額)をそれぞれ控除しています。
(注4)当社からSVF1への移管が決定されていたものの実行されなかった投資について、移管の取りやめを決定するまでの期間に発生した未実現評価損益は含めていません。
(注5)株式交換による処分(売却)を含みます。
SVF2
(単位:十億米ドル)
合計(下記①+②+③+④)
①エグジット前の投資(当第1四半期末に保有する投資)
②エグジットした投資
③投資に係るデリバティブ関連損益
④投資先からの受取配当金
(注1)税金等の控除前
(注2)SVF2のエグジット前の投資の投資額および公正価値には、投資の取得対価の一部として受領した他会社の非支配持分に係るものが含まれています。
(別掲)エグジット前の投資(当第1四半期末に保有する投資)の内訳
2021年6月30日現在
SVF1
(単位:十億米ドル)
(別掲)
(注1)上場株式に付された記号は属するセクターを表しています。当該セクターにおける投資先は掲載された上場株式に限りません。
SVF2
(単位:十億米ドル)
(別掲)
(注1)上場株式に付された記号は属するセクターを表しています。当該セクターにおける投資先は掲載された上場株式に限りません。
(c)ソフトバンク事業
(単位:百万円)
(注1)PayPay㈱に係る持分法投資損失が当第1四半期は5,800百万円、前年同期は7,954百万円含まれています。ソフトバンク㈱においては、PayPay㈱は持分法適用会社に分類されていますが、ソフトバンクグループ㈱においては、PayPay㈱は2018年6月の設立から一貫して子会社として連結されており、その業績は「その他」に含まれています。このため、ソフトバンク事業で認識したPayPay㈱に係る持分法投資損失はセグメント情報の「調整額」で消去されています。
<業績全般>セグメント利益は、コンシューマ向け事業が減益となったものの、主に法人向け事業の増益とLINE㈱子会社化のプラス影響がこれを補い、前年同期比11,705百万円(4.5%)増加の270,954百万円となりました。
コンシューマ向け事業は、主に「SoftBank」ブランドから「Y!mobile」ブランドへ契約を切り替えるスマートフォンユーザーが増加したことにより、最大の収益源であるモバイル売上が減少した影響で減益となりました。法人向け事業は、テレワーク需要の高まりを反映してモバイル売上が拡大したことに加え、企業のデジタル化が加速する中でクラウドサービスやセキュリティーソリューションの売上も拡大し、増益となりました。また、Zホールディングス㈱が、2021年3月にLINE㈱を子会社化したプラス影響に加え、関連会社から除外された投資先の再評価益の計上や投資先の公正価値上昇に伴い投資利益が増加したことにより増益となりました。
(d)アーム事業
(単位:百万円)
(注1)前期第4四半期よりアーム事業からISG(Internet-of-Things Services Group;IoTに関連するサービスグループ)事業が別に管理されることとなったため、ISG事業の業績はアーム事業に含めず、「その他」に含めて表示しています。
(注2)セグメント利益には、アーム買収時に行った取得原価配分により計上した無形資産の償却費が、当第1四半期は12,472百万円、前年同期は12,215百万円含まれています。
<事業概要>アームは主に、低消費電力型マイクロプロセッサーおよび関連テクノロジーのデザインなど、半導体のIP(回路の設計情報などの知的財産)のライセンス事業を行っています。現在アームは既存市場でのシェアの維持・獲得および新規市場でのシェア獲得に向けて新技術の開発を目指しており、技術関連人員の増強により研究開発投資を加速することで、技術力の強化を図っています。
市場の動向とその影響
アームの業績は半導体市場の動向にプラスにもマイナスにも大きく影響を受けることがあります。半導体市場は現在、貿易摩擦や特定企業への制裁などの外部要因に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の変動による影響にさらされています。今後、これらの影響により、コンシューマー・エレクトロニクスの出荷数が弱含んだ場合にはロイヤルティー収入の押し下げ要因となる可能性があるほか、収入減に直面したライセンシーが新規ライセンス契約の締結を延期する動向が生じた場合には非ロイヤルティー収入(ライセンス収入およびソフトウエア・サービス収入)も押し下げられる可能性があります。一方、アームは、半導体市場の拡大期には、市場の売上高に応じてロイヤルティー収入増加や、製品設計の活発化による非ロイヤルティー収入増加などの恩恵を享受することもあります。しかしながら、このような事象がいつ発生し、半導体業界全体やアームにどのような影響を及ぼすかを見通すことは困難です。
今後コンシューマーおよびエンタープライズ・エレクトロニクスの高度化が進むにつれ、アームのテクノロジーが活用される機会は長期的に拡大していくと期待しています。
<業績全般>売上高(米ドルベース)
アームの売上は主に米ドル建てであるため、本項の売上高は米ドルベースの実績を記載しています。
(単位:百万米ドル)
当第1四半期の売上高は、テクノロジー・ロイヤルティー収入および非ロイヤルティー収入が共に増加し、前年同期から246百万米ドル(57.3%)増加しました。
テクノロジー・ロイヤルティー収入
テクノロジー・ロイヤルティー収入は前年同期から89百万米ドル(31.6%)増加しました。アームのテクノロジーを採用した5Gスマートフォンの出荷と5G基地局へのネットワーク機器の導入が大幅に増加したことに加えて、アームの顧客が自動車やサーバーなど複数の市場でシェアを拡大したことによるものです。さらに、アームの顧客はコンピューター・チップに対する旺盛な需要から価格上昇による利益を得ており、このチップ価格上昇が、ロイヤルティー収入がチップ価格に基づくことの多いアームにとっても増収効果をもたらしました。
非ロイヤルティー収入
非ロイヤルティー収入は前年同期から157百万米ドル(106.8%)増加しました。当社による買収以降、研究開発投資を加速してきたことで、アームのテクノロジー・ラインアップが拡充したことなどによるものです。過去数年にわたる研究開発投資強化の結果、アームは、サーバーや車載エレクトロニクス、AIアクセラレーションなどに最適化されたプロセッサーをも含む、幅広いテクノロジー・ポートフォリオを持つに至りました。これにより、より多様な顧客がアームのテクノロジー・ライセンス契約を締結し、既存の顧客はより多くのアームのテクノロジーの選択が可能となり、ライセンス収入をけん引しています。これらのライセンスには、サーバーチップやスマートフォン、ネットワーク機器、産業用ロボットや自動運転車などの自律型操作システム用途のプロセッサーに関するものが含まれています。
さらに、過去1年間、アームベースのチップに対する強い市場需要がアームの顧客により多くのチップ開発のための新規研究開発投資を促し、アームのプロセッサー・ライセンスへの需要が高まっていることも非ロイヤルティー収入の増加に寄与しました。なお、前年同期は、新型コロナウイルスの感染拡大に対し市場が調整を行ったことにより、製品設計活動およびライセンス契約がともに低調でした。
セグメント利益
セグメント利益は、前年同期から15,328百万円改善し、8,781百万円の利益となりました。大幅な増収が、従業員数の増加などに伴うコストの増加を上回ったことによるものです。
なお、アームは研究開発体制の強化に引き続き取り組み、技術関連人員を中心に従業員の採用を進めており、アームの当第1四半期末の従業員数は前期末から2.0%増加しました。
<営業概況>ロイヤルティー・ユニット7
(単位:億個)
2021年1~3月期のロイヤルティー・ユニットの出荷数は68億個となりました。アームが関連する半導体市場のチップ出荷数が前年同期から11.4%8増加する中、アームのロイヤルティー・ユニットの出荷数は25.9%増加しました。
<技術開発>アームは以下を重点投資分野とし、モバイル事業および潜在的成長性の高い事業におけるテクノロジーの開発に取り組んでいます。
重点投資分野と主な進捗
(e)ラテンアメリカ・ファンド事業
(単位:百万円)
(注)ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドは、当事業における当社子会社であるSPACのスポンサーを通じてSPAC1社に出資しています。当事業においては同SPACの子会社としての業績が反映されています。
<事業概要>当事業の業績には、ブラジルおよびメキシコをはじめとするラテンアメリカ地域で投資活動を行う「ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド」の投資および事業活動の結果が含まれています。
<業績全般>ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドの上場投資先であるBanco Inter S.A.の株価の上昇やQUINTOANDAR, LTD.、VTEXなどの非上場株式の公正価値が上昇したことにより投資利益が219,368百万円となり、セグメント利益が216,359百万円となりました。当第1四半期末における同ファンドの保有投資銘柄数は48銘柄、累計投資額は35億米ドル、公正価値は合計69億米ドルとなりました。同ファンドに対しては当社が50億米ドルの出資をコミットしているほか、同ファンドの運営に関与する従業員による共同投資プログラムが7百万米ドルの出資をコミットしています(同プログラムによる持分は外部投資家持分として控除されています。)。
(f)その他
(単位:百万円)
(注)前期第4四半期よりアーム事業からISG事業が別に管理されることとなったため、ISG事業の業績はアーム事業に含めず「その他」に含めて表示しています。なお、2021年6月に、ISG事業のうちTreasure Data, Inc.の全株式がアーム株式の保有割合に応じてSVF1およびSBGCに現物配当され、さらにSBGCの持分についてはSVF2に売却されました。この結果、当第1四半期末時点でSVF1およびSVF2はそれぞれ24.99%および75.01%のTreasure Data, Inc.株式を保有しています。
セグメント利益は32,848百万円となりました。当第1四半期にBoston Dynamics, Inc.株式の売却が完了したことにより、同社に対する支配喪失利益72,936百万円を計上しました。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記10.売却目的保有に分類された処分グループ」をご参照ください。
一方、Fortress Investment Group LLC(以下「フォートレス」)およびPayPay㈱の税引前損失がそれぞれ16,740百万円、10,420百万円となりました。
主な業績および事業の概況は以下の通りです。
・フォートレス
同社が保有する一部の投資先の公正価値が下落したことにより投資損失が8,777百万円となり、16,740百万円の税引前損失を計上しました。なお、当第1四半期において、同社の子会社であるSPAC4社のうち1社が事業会社と合併し連結対象から除外されました。
・PayPay㈱
日本でスマートフォン決済サービスを手掛ける同社は、ユーザー獲得と利用促進を目的としたキャンペーンやサービス利用可能店舗の拡大に引き続き取り組んだことなどにより10,420百万円の税引前損失を計上しました。前年同期から税引前損失が縮小したのは、主に加盟店売上の増加や決済取扱高の拡大に伴い増収となったことによるものです。同社の決済サービスは、当第1四半期の決済回数が7.9億回(前年同期比1.8倍)に達するなど、順調に拡大を続けています。
「その他」に含まれるPayPay㈱の業績
(単位:百万円)
c.財政状態の概況
(注1)SVF1およびSVF2からの投資は、当社の子会社への投資および当社から移管後引き続き持分法を適用している投資(後者は「持分法で会計処理されている投資」に計上)を含みません。
(単位:百万円)
(a)資産
(単位:百万円)
主な科目別の増減理由
(別掲)エンティティ別の現金及び現金同等物
(単位:百万円)
(注1)ヤフー㈱およびLINE㈱を含みます。
(注2)PayPay銀行㈱を含みます。同社の現金及び現金同等物の当第1四半期末残高は330,473百万円でした。
(b)負債
(単位:百万円)
主な科目別の増減理由
(別掲)連結有利子負債およびリース負債(流動負債および非流動負債の合計)
(単位:百万円)
(注1)資金調達を行う100%子会社の有利子負債は、Delaware Project 6 L.L.C.の有利子負債を除き、ソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。ただし、Delaware Project 6 L.L.C.の有利子負債43.8億米ドルは例外的にソフトバンクグループ㈱が19.9億米ドルを上限に保証しています。なお、ソフトバンクグループ㈱が当該保証を履行する前提条件として、金融機関はまず当該借入れの担保に供されているアリババ株式から最大限回収を図ることが義務付けられています。
(注2)ヤフー㈱およびLINE㈱を含みます。
前期末からの主な会社別の増減理由
ソフトバンクグループ㈱/資金調達を行う100%子会社/SB Northstar
ソフトバンクグループ㈱
・2021年7月の外貨建て普通社債の発行にあたり、払込みまでの一時的な融資として2021年6月に24.0億ユーロを調達したことなどにより短期借入金が685,364百万円増加しました(当該融資による借入金は2021年7月に返済済み)。
・国内ハイブリッド社債4,050億円を発行しました。
資金調達を行う100%子会社
・アリババ株式を活用した18.8億米ドルの借入れ(マージン・ローン)を行いました。
・アリババ株式を活用した先渡売買契約のうちカラー契約の一部を28.6億米ドルで早期解約して返済した後、新たにカラー契約を締結し30.0億米ドルを借入れました。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記12.有利子負債(1)有利子負債の内訳(注)」をご参照ください。
SB Northstar
・返済により短期借入金が441,946百万円減少しました。
SVF1等SBIAの運営するファンド事業
・SVF2が上場株式の資金化を目的とした借入れ(以下「ポートフォリオ・ファイナンシング・ファシリティー」)を活用して9.0億米ドルを調達しました。
ソフトバンク事業
ソフトバンク㈱
・債権流動化を通じた資金調達などにより、借入金が増加しました。
・国内普通社債を合計1,000億円発行しました。
・コマーシャル・ペーパーが1,293億円増加しました。
Zホールディングス㈱
・LINE㈱のコマーシャル・ペーパーが425億円増加しました。
(c)資本
(単位:百万円)
主な科目別の増減理由
(注1)消却された株式数は、2020年3月、5月、6月、7月それぞれの取締役会決議に基づく自己株式の取得(以下「本自己株式取得」)により取得された株式数と同一ですが、消却額は本自己株式取得より前に取得され保有されていた株式も含めた帳簿価額に基づいて算出されるため、本自己株式取得の取得総額とは異なります。
(2)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
(a)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期から353,414百万円増加しました。これは主に、法人所得税の支払額(キャッシュ・アウト・フロー)が前年同期と比べ358,758百万円増加した一方、SB Northstarが投資を売却したことなどにより、キャッシュ・イン・フローへの増加影響が735,019百万円あったことによるものです。
なお、法人所得税の支払額の増加は、当第1四半期に、前期にSBGJで発生したソフトバンク㈱株式売却益を含む課税所得に基づく法人税を支払ったほか、SBGJが行ったソフトバンクグループ㈱への配当に対する源泉所得税を納付したことなどによるものです。
(b)投資活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
(c)財務活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
(注1)短期有利子負債の収支には、IFRSにおける「純額によるキャッシュ・フローの報告」の要件を満たした財務活動によるキャッシュ・フローを記載しています。
(注2)借入れによる収入および借入金の返済による支出には、契約上の借入期間が1年以内の借入金に係る収入が946,871百万円、支出が△188,273百万円、それぞれ含まれています。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しています。この要約四半期連結財務諸表を作成するにあたり用いた重要な判断および見積りについては、「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記4.重要な判断および見積り」をご参照ください。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期における研究開発費は48,293百万円です。
(1)財政状態及び経営成績の状況
1.業績ハイライト ◆ 投資利益1兆2,631億円 -持株会社投資事業からの投資利益7,415億円:Tモバイル株式に係る未実現評価益2,285億円、条件付対価の公正価値上昇に伴うデリバティブ関連利益1,978億円、上場株式等への投資による投資利益2,103億円を計上 -SVF1およびSVF2等からの投資利益2,879億円 ・SVF1:上場投資先の一部エグジットなどにより実現益(純額)3,097億円を計上。上場投資先で合計1,989億円の未実現評価益(純額)を計上(6社で合計8,994億円の利益計上の一方、Coupangなど9社で合計7,005億円の損失)したほか、未上場投資先で合計973億円の未実現評価益(純額)を計上 ・SVF2:実現益970億円および未実現評価益(純額)491億円を計上 -ラテンアメリカ・ファンド事業からの投資利益2,194億円:投資の公正価値上昇により未実現評価益(純額)を計上 ◆ 税引前利益1兆2,925億円(前年同期比4,584億円増加) -財務費用828億円* -デリバティブ関連損失(投資損益を除く)1,115億円* (* 費用の当第1四半期計上額) ◆ 親会社所有者に帰属する純利益7,615億円(前年同期比4,942億円減少) -前年同期はSprint支配喪失に伴う利益など非継続事業からの純利益7,345億円を計上 2.投資活動の状況 ◆ SVF1:投資先の上場や資金化が進む -投資:当第1四半期に21億米ドルの投資を実施 -ポートフォリオ:当第1四半期末時点で82銘柄に投資。このうち当第1四半期に4社が上場したことにより、上場投資先は15社 -資金化:投資の一部売却による手取金を基に分配を実施(当社は15億米ドルを受領) ◆ SVF2:積極的な新規投資を実施 -投資:当第1四半期に47銘柄への新規投資および既存投資先への追加投資で合計135億米ドルの投資を実施し、累計投資額は202億米ドルに。出資コミットメントを400億米ドルに増額 -ポートフォリオ:当第1四半期末時点で91銘柄に投資。このうち当第1四半期に4社が上場したことにより、上場投資先は7社 -資金化:上場株式の一部売却や資金化による手取金を基に分配を実施(当社は21億米ドルを受領) ◆ ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド 当第1四半期に10銘柄への新規投資および既存投資先への追加投資で合計8億米ドルの投資を実施。当第1四半期末時点で48銘柄(注1)に投資 3. 負債返済および新規投資による資金需要に対応するため、財務規律を遵守しながら機動的な資金調達を実行 当第1四半期に国内ハイブリッド社債4,050億円を発行したほか、アリババ株式を活用した先渡売買契約により30.0億米ドル、アリババ株式を活用した借入れ(マージン・ローン)により18.8億米ドルを調達。その後、2021年7月には外貨建て普通社債38.5億米ドルおよび29.5億ユーロを発行 |
(注1)当社の子会社として会計処理される投資先1件を含みます。
為替換算レート
2021年3月期 | 2022年3月期 | ||||
1米ドル | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第1四半期 |
期中平均レート | 107.74円 | 105.88円 | 104.45円 | 106.24円 | 110.00円 |
期末日レート | 110.71円 | 110.58円 |
<連結損益計算書の表示および報告セグメントの変更>「ラテンアメリカ・ファンド事業」の新設
当第1四半期より、従前「その他」に含めていた「ラテンアメリカ・ファンド事業」について、金額的重要性が増したため新たに独立した報告セグメントとして記載するとともに、連結損益計算書においても従前「その他の投資損益」に含めていた「ラテンアメリカ・ファンド事業からの投資損益」について新たに独立した科目として記載しています。前年同期における情報も同様に組み替えて表示しています。同事業の概要については「b.セグメントの業績概況 (e)ラテンアメリカ・ファンド事業 <事業概要>」をご参照ください。
a.連結経営成績の概況
(単位:百万円) |
6月30日に終了した3カ月間 | |||||
2020年 | 2021年 | 増減 | 増減率 | ||
継続事業 | |||||
売上高 | 1,279,973 | 1,479,134 | 199,161 | 15.6% | A |
売上総利益 | 697,472 | 811,971 | 114,499 | 16.4% | |
投資損益 | |||||
持株会社投資事業からの投資損益 | 650,493 | 741,526 | 91,033 | 14.0% | B |
SVF1およびSVF2等からの投資損益 | 296,577 | 287,881 | △8,696 | △2.9% | C |
ラテンアメリカ・ファンド事業からの 投資損益 | 23,281 | 219,368 | 196,087 | 842.2% | D |
その他の投資損益 | 12,569 | 14,293 | 1,724 | 13.7% | |
投資損益合計 | 982,920 | 1,263,068 | 280,148 | 28.5% | |
販売費及び一般管理費 | △504,574 | △593,430 | △88,856 | 17.6% | |
財務費用 | △76,993 | △82,799 | △5,806 | 7.5% | E |
持分法による投資損益 | 6,573 | 50,380 | 43,807 | 666.3% | F |
デリバティブ関連損益(投資損益を除く) | △175,825 | △111,536 | 64,289 | △36.6% | G |
SVF1における外部投資家持分の増減額 | △147,643 | △134,093 | 13,550 | △9.2% | |
その他の損益 | 52,190 | 88,917 | 36,727 | 70.4% | |
税引前利益 | 834,120 | 1,292,478 | 458,358 | 55.0% | |
法人所得税 | △252,159 | △359,989 | △107,830 | 42.8% | H |
継続事業からの純利益 | 581,961 | 932,489 | 350,528 | 60.2% | |
非継続事業 | |||||
非継続事業からの純利益 | 734,460 | - | △734,460 | - | I |
純利益 | 1,316,421 | 932,489 | △383,932 | △29.2% | |
親会社の所有者に帰属する純利益 | 1,255,712 | 761,509 | △494,203 | △39.4% | |
包括利益合計 | 1,136,007 | 996,400 | △139,607 | △12.3% | |
親会社の所有者に帰属する包括利益 | 1,073,486 | 823,095 | △250,391 | △23.3% |
以下、要約四半期連結損益計算書の主要な科目および特筆すべき科目に関する概要を記載します。
A 売上高
ソフトバンク事業とアーム事業はいずれも増収となりました。
B 持株会社投資事業からの投資損益
Tモバイル(Sprint Corporationと合併後のT-Mobile US, Inc.)株式に係る未実現評価益228,463百万円、一定の条件を満たした際にTモバイル株式を無償で取得できる権利(以下「条件付対価」)の公正価値上昇に伴うデリバティブ関連利益197,783百万円、上場株式等への投資に係る投資利益210,347百万円をそれぞれ計上しました。詳細は「b.セグメントの業績概況(a)持株会社投資事業」をご参照ください。
C SVF1およびSVF2等からの投資損益
SVF1が、保有銘柄の一部について、株式の全部または一部を売却1したことにより、投資の実現益309,680百万円(純額)を計上しました。また、上場投資先について合計198,927百万円の未実現評価益(純額)を計上しました。9社について合計700,456百万円の評価損(主なものはCoupang, Inc.(以下「Coupang」)に係る損失470,604百万円)を計上した一方、6社について合計899,383百万円の評価益(主なものはDiDi Global Inc.(以下「DiDi」)に係る利益358,344百万円およびDoorDash, Inc.(以下「DoorDash」)に係る利益285,422百万円)を計上したことによるものです。このほか、未上場投資先について公正価値上昇を反映し97,265百万円の未実現評価益(純額)を計上しました。
SVF2においては、KE Holdings Inc.(以下「KE Holdings」)への投資の一部を売却したことにより、投資の実現益96,962百万円を計上しました。また、KE HoldingsおよびSeer, Inc.(以下「Seer」)の株価が軟調であったものの、Full Truck Alliance Co. Ltd.(以下「Full Truck Alliance」)やDingdong (Cayman) Limited (以下「Dingdong」)などの好調な株価推移および複数の未上場投資先における資金調達ラウンドなどを背景とした公正価値の上昇により、合計49,134百万円の未実現評価益(純額)を計上しました。詳細は「b.セグメントの業績概況(b)SVF1等SBIAの運営するファンド事業」をご参照ください。
D ラテンアメリカ・ファンド事業からの投資損益
Banco Inter S.A.の株価上昇に加え、QUINTOANDAR, LTD.やVTEX2などの未上場投資先の公正価値上昇により、219,236百万円の未実現評価益(純額)を計上しました。詳細は「b.セグメントの業績概況(e)ラテンアメリカ・ファンド事業」をご参照ください。
主にB~Dの結果、投資損益合計は1,263,068百万円の利益となりました。
E 財務費用
持株会社投資事業で支払利息が6,445百万円増加しました。
F 持分法による投資損益
アリババに係る持分法投資利益は前年同期比77,203百万円改善の58,731百万円3でした。前年同期に損失を計上したのは主に、2020年1~3月期において、新型コロナウイルスの感染拡大による株式相場の急落に伴う同社のFVTPLの金融資産に分類される投資先に係る投資損失を計上したことによるものです。
なお、アリババは中国国家市場監督管理総局が同社に科した独占禁止法違反の罰金を2021年1~3月期に費用計上しました。当社は当該費用を期間差における重要な事象として前期第4四半期に計上済みです。
G デリバティブ関連損益(投資損益を除く)
2019年11月および2020年4月から8月ならびに2021年5月に締結したアリババ株式の先渡売買契約に係るデリバティブ関連損失109,662百万円を計上しました。
主にA~Gの結果、税引前利益は前年同期比458,358百万円(55.0%)増加の1,292,478百万円となりました。
H 法人所得税
ソフトバンク㈱やヤフー㈱で法人所得税を計上したほか、Tモバイル株式および条件付対価の公正価値上昇に伴い繰延税金費用を計上しました。
I 非継続事業からの純利益
前年同期に、Sprint CorporationとT-Mobile US, Inc.の合併取引の完了によりSprint Corporationが当社の子会社でなくなったことに伴う同社に係る支配喪失利益736,429百万円を計上していました。
主にA~Iの結果、親会社の所有者に帰属する純利益は前年同期比494,203百万円(39.4%)減少の761,509百万円となりました。
1 | 株式交換を含みます。当第1四半期において、SVF1が保有していたPT Tokopediaの株式を、同社とPT Aplikasi Karya Anak Bangsaとの合併により新たに設立されたGoToの株式に交換しました。当該株式の交換は、投資の全エグジット(全売却)および新規投資の取得として取り扱い、売却額および交換先の株式取得額をそれぞれグロスで算入するとともに、当初保有株式の取得額と売却額(交換先の株式の取得額)との差額を投資の実現損益として計上しています。 |
2 | 2021年7月21日(米国時間)にニューヨーク証券取引所に上場しました。 |
3 | アリババとの契約などにより、同社の報告期間を統一することが実務上不可能であるため、連結損益計算書上、報告期間が3カ月相違した同社の連結財務諸表に持分法を適用しています(2021年3月末のアリババに対する当社の経済的持分比率:25.01%)。ただし、アリババが公表した当該期間差における重要な取引または事象については、必要な調整を行っています。 |
b.セグメントの業績概況
当社の報告セグメントは、当社の経営資源の配分の決定や業績の評価を行うための区分を基礎としています。当第1四半期において「ラテンアメリカ・ファンド事業」を新たに設けました。当第1四半期末現在、「持株会社投資事業」、「SVF1等SBIAの運営するファンド事業」、「ソフトバンク事業」、「アーム事業」、「ラテンアメリカ・ファンド事業」の5つを報告セグメントとしています。
報告セグメントの概要は以下の通りです。
セグメント名称 | 主な事業の内容 | 主な会社 | |
報告セグメント | |||
持株会社投資事業 | ・ソフトバンクグループ㈱およびその子会社による投資事業 | ソフトバンクグループ㈱ SoftBank Group Capital Limited ソフトバンクグループジャパン㈱ SB Northstar LP | |
SVF1等SBIAの運営するファンド事業 | ・SVF1およびSVF2による投資事業 | SB Investment Advisers (UK) Limited SoftBank Vision Fund L.P. SoftBank Vision Fund II-2 L.P. | |
ソフトバンク事業 | ・日本国内でのモバイルサービスの提供、モバイル端末の販売、ブロードバンドなどインターネットサービスの提供 ・インターネット広告やイーコマースサービスの提供 | ソフトバンク㈱ Zホールディングス㈱ ヤフー㈱ LINE㈱ | |
アーム事業 | ・マイクロプロセッサーのIPおよび関連テクノロジーのデザイン ・ソフトウエアツールの販売および関連サービスの提供 | Arm Limited | |
ラテンアメリカ・ファンド事業 | ・ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドによる投資事業 | SoftBank Latin America Fund L.P. | |
その他 | ・スマートフォン決済事業 ・オルタナティブ投資の資産運用事業 | PayPay㈱ Fortress Investment Group LLC | |
・福岡ソフトバンクホークス関連事業 | 福岡ソフトバンクホークス㈱ |
(a)持株会社投資事業
1.Tモバイル株式に係る未実現評価益2,285億円、条件付対価の公正価値上昇に伴うデリバティブ関連利益1,978億円を計上 2.上場株式等への投資で2,102億円(注1)の投資利益を計上(ソフトバンクグループ㈱およびSB Northstarの投資損益合計)。現物株式等の保有残高は前期末の2.2兆円から1.5兆円へ縮小 |
(注1)SB NorthstarからSBIA US子会社のSPACへの投資の影響を含みます。当該取引は連結上消去しています。
<事業概要>当事業においては、主にソフトバンクグループ㈱が、戦略的投資持株会社として直接または子会社を通じて投資活動を行っています。当事業は、ソフトバンクグループ㈱、SoftBank Group Capital Limited(以下「SBGC」)、ソフトバンクグループジャパン㈱(以下「SBGJ」)および資産運用子会社であるSB Northstarのほか、投資または資金調達を行う一部の子会社で構成されています。持株会社投資事業からの投資損益は、ソフトバンクグループ㈱が、直接または子会社を通じて保有する投資からの投資損益により構成されています。ただし、子会社からの受取配当金および子会社株式に係る減損損失などの子会社株式に関連する投資損益を含みません。
当事業を構成する会社が保有する投資先は、アリババやTモバイル、WeWork Inc.(以下「WeWork」)(注)など約120社と、SB Northstarからの投資先であり、持分法適用関連会社(例えばアリババ)のほか、FVTPLの金融資産として認識されるものがあります。持分法適用関連会社に該当する投資先の業績は、持分に応じて損益が「持分法による投資損益」に計上されます。FVTPLの金融資産に該当する投資は、四半期ごとに公正価値を測定し、その変動額を「投資損益」として連結損益計算書に計上しています。
(注)SVF1が保有するWeWork株式に係る投資損益は「SVF1等SBIAの運営するファンド事業」に含まれています。
資産運用子会社からの上場株式等への投資
当社は、前期第1四半期から、保有資産の多様化と余剰資金の運用を目的として、従来から掲げているLTV(Loan to Value、保有資産に対する負債の割合)や手元流動性に関する財務方針を堅持しつつ、流動性の高い上場株式への投資を行っています。前期第1四半期においてはソフトバンクグループ㈱がこうした投資を行っていましたが、前期第2四半期からは資産運用子会社であるSB Northstarが上場株式等の取得および売却、上場株式に関連するデリバティブ取引および信用取引を行っています。なお、上場株式等への投資の規模は、ソフトバンクグループ㈱の資金需要、手元現金の状況、および保有資産の状況により変動します。
SB Northstarにおける持分は、ソフトバンクグループ㈱が67%、ソフトバンクグループ㈱代表取締役 会長兼社長執行役員の孫 正義が33%をそれぞれ間接的に保有しています。孫 正義の持分は非支配持分として同社の投資損益から差し引かれるため、投資損益の67%が親会社の所有者に帰属する純利益に影響を与えます。なお、ソフトバンクグループ㈱がSB Northstarに対しファンド存続期間(12年+延長2年)満了時に債権を保有し、その債権に返済不能分が発生した場合、持分比率に応じて孫 正義は損害額を補償します。
<業績全般>(単位:百万円)
6月30日に終了した3カ月間 | |||||
2020年 | 2021年 | 増減 | 増減率 | ||
投資損益 | 650,493 | 741,380 | 90,887 | 14.0% | A |
Tモバイル株式売却関連損益 | 421,863 | - | △421,863 | - | |
資産運用子会社からの投資の実現損益 | - | 65,416 | 65,416 | - | |
資産運用子会社からの投資の未実現評価損益 | - | 17,557 | 17,557 | - | |
資産運用子会社からの投資に係るデリバ ティブ関連損益 | - | 119,511 | 119,511 | - | |
投資の実現損益 | 65,445 | 91,789 | 26,344 | 40.3% | |
投資の未実現評価損益 | 28,515 | 288,351 | 259,836 | 911.2% | |
投資に係るデリバティブ関連損益 | 133,349 | 147,277 | 13,928 | 10.4% | |
その他 | 1,321 | 11,479 | 10,158 | 768.5% | |
販売費及び一般管理費 | △22,288 | △20,320 | 1,968 | △8.8% | |
財務費用 | △53,150 | △59,595 | △6,445 | 12.1% | B |
持分法による投資損益 | 4,103 | 54,670 | 50,567 | - | C |
デリバティブ関連損益(投資損益を除く) | △176,190 | △108,105 | 68,085 | - | D |
その他の損益 | 55,929 | 17,675 | △38,254 | △68.4% | |
セグメント利益(税引前利益) | 458,897 | 625,705 | 166,808 | 36.3% |
A 投資利益:741,380百万円
・資産運用子会社からの投資の実現益65,416百万円、資産運用子会社からの投資の未実現評価益17,557百万円をそれぞれ計上しました。これはSB Northstarによる上場株式等への投資の成果です。
・資産運用子会社からの投資に係るデリバティブ関連利益119,511百万円を計上しました。これはSB Northstarにおいて主に上場株式に係る買建コールオプションによる利益を計上したことによるものです。
・投資の実現益91,789百万円、投資の未実現評価益288,351百万円をそれぞれ計上しました。前者については、主にソフトバンクグループ㈱の100%子会社がInMobi Pte. Ltd.株式をSVF2に売却したことに伴い57,904百万円の実現益を計上したことによるものです(過年度に未実現評価益として計上された額からの振替額:58,193百万円。当該売却は内部取引のため連結決算では消去されています。)。後者については、Tモバイル株式に係る投資の評価益228,463百万円を計上したことに加え、公正価値上昇を反映してSoFi Technologies, Inc.、WeWork、Lemonade, Inc.への投資に係る未実現評価益をそれぞれ49,382百万円、23,764百万円、21,460百万円計上したことなどによるものです。
・投資に係るデリバティブ関連利益147,277百万円を計上しました。これは主に、Tモバイル株式に係るDeutsche Telekom AG(以下「ドイツテレコム」)の株式購入オプションの公正価値の上昇額53,763百万円4をデリバティブ関連損失として計上した一方で、条件付対価の公正価値の上昇額197,783百万円をデリバティブ関連利益として計上したことによるものです(ドイツテレコムの株式購入オプションは以下に定義)。
B 財務費用:59,595百万円(前年同期比6,445百万円増加)
・SB Northstarの支払利息が5,956百万円となりました(前年同期は計上なし)。これは前期第2四半期からSB Northstarが事業を開始したことに伴い、上場株式取得を目的とした短期借入れやアリババ株式を活用した借入れを行ったことによるものです。
4 | 2020年6月26日に信託を通じた私募においてTモバイル株式を売却した取引に関連して受領した不確定価額受領権に係るデリバティブ損益を含みます。 |
C 持分法による投資利益:54,670百万円(前年同期比50,567百万円増加)
・アリババに係る持分法投資利益は前年同期比77,203百万円改善の58,731百万円でした。前年同期に損失を計上したのは主に、2020年1~3月期において、新型コロナウイルスの感染拡大による株式相場の急落に伴う同社のFVTPLの金融資産に分類される投資先に係る投資損失を計上したことによるものです。
なお、アリババは中国国家市場監督管理総局が同社に科した独占禁止法違反の罰金を2021年1~3月期に費用計上しました。当社は当該費用を期間差における重要な事象として前期第4四半期に計上済みです。
・前年同期には、2020年4月1日から同年6月25日までの期間におけるTモバイルに係る持分法投資利益24,736百万円を計上していました。
D デリバティブ関連損失(投資損益を除く):108,105百万円
・2019年11月および2020年4月から8月ならびに2021年5月に締結したアリババ株式の先渡売買契約に係るデリバティブ関連損失109,662百万円を計上しました。
Tモバイル株式に係る条件付対価およびドイツテレコムの株式購入オプション 2020年4月1日に完了した当社米国子会社であったSprint CorporationとT-Mobile US, Inc.の合併取引の対価として、当社はTモバイルの株式304,606,049株に加え、NASDAQ Global Select MarketにおけるTモバイル普通株式の45日間の出来高加重平均価格が、2022年4月1日から2025年12月31日の期間に150米ドル以上となった場合、Tモバイル株式48,751,557株を無償で取得できる権利(「条件付対価」)を取得しました。その後、2020年6~8月に、当社は保有するTモバイルの普通株式304,606,049株のうち、198,314,426株を売却しました。 なお、ドイツテレコムは、上記の売却後に当社が引き続き保有するTモバイル株式101,491,623株を対象とする以下の株式購入オプション(以下「ドイツテレコムの株式購入オプション」)を保有しています。ドイツテレコムの株式購入オプションは、早期終了をもたらす一定の事象が発生しない限り、2024年6月22日に行使期限が到来します。 (i) 上記101,491,623株のうち44,905,479株を対象とする株式購入オプションの行使価額は1株当たり101.455米ドルです。 (ⅱ) 上記101,491,623株のうち56,586,144株を対象とする株式購入オプションの行使価額は、行使に先立つ20取引日のTモバイル株式市場株価の加重平均価額の平均です。また、ドイツテレコムは、2020年10月2日から2024年5月22日までの期間においては、上記(i)のオプションを全て行使した後に権利行使可能です。それ以降については、上記(i)のオプションの権利行使にかかわらず権利行使可能です。 |

資産運用子会社の当社要約四半期連結財政状態計算書への影響(注1)
2021年6月30日現在
(単位:百万円)
2021年6月30日 | ||
現金及び現金同等物 | 326,698 | |
資産運用子会社からの投資 | 790,564 | |
資産運用子会社における担保差入有価証券 | 687,457 | |
資産運用子会社におけるデリバティブ金融資産 | 254,143 | |
その他の金融資産 | 84,045 | |
その他 | 31,947 | |
資産合計 | 2,174,854 | |
有利子負債 | 1,424,509 | |
資産運用子会社におけるデリバティブ金融負債 | 14,468 | |
その他 | 41,708 | |
負債合計 | 1,480,685 | |
Delaware子会社からの出資(注2) | 1,018,643 | |
ソフトバンクグループ㈱からDelaware子会社への現金出資相当額 | 39,786 | |
ソフトバンクグループ㈱からDelaware子会社への貸付相当額 (ソフトバンクグループ㈱からの運用委託金) | 958,964 | |
孫 正義からDelaware子会社への現金出資相当額 | 19,893 | A |
利益剰余金 | △312,730 | B |
為替換算差額 | △11,744 | |
純資産 | 694,169 | C |
(注1)ソフトバンクグループ㈱からDelaware子会社を経由してSB Northstarへ現物出資したアリババ株式の影響およびSB NorthstarからSBIA US子会社のSPACへの投資の影響を除いたSB Northstarの財政状態計算書を、当社要約四半期連結財政状態計算書への同社の影響を示すための参考情報として記載しています。
(注2)当社の子会社であるDelaware Project 1 L.L.C.、Delaware Project 2 L.L.C.およびDelaware Project 3 L.L.C.(以下「Delaware子会社」)から資産運用子会社であるSB Northstarへの出資額
(非支配持分の計算)
(単位:百万円)
孫 正義からDelaware子会社への現金出資相当額 | 19,893 | A |
非支配持分損益(累計)(注3) | △104,209 | |
為替換算差額 | △4,479 | |
非支配持分(孫 正義の持分) | △88,795 | D |
(注3)表中Bの3分の1
(純資産(上記C)に対する持分)
(単位:百万円)
ソフトバンクグループ㈱の持分 | 782,964 | |
非支配持分(孫 正義の持分) | △88,795 | D |
純資産 | 694,169 | C |
資産の状況
2021年6月30日現在
① 現物株式等
(単位:百万米ドル)
当第1四半期末 公正価値 | |
株式 | |
AbCellera Biologics Inc. | 216 |
Adaptive Biotechnologies Corporation | 51 |
Amazon.com, Inc. | 5,653 |
Century Therapeutics, Inc. | 59 |
Graphite Bio, Inc. | 31 |
ironSource Ltd. | 53 |
Lyell Immunopharma, Inc. | 57 |
Pacific Biosciences of California, Inc. | 345 |
PayPal Holdings, Inc. | 702 |
Sana Biotechnology, Inc. | 52 |
Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited ADR | 812 |
SPAC16社 | 467 |
うち、SBIA US子会社のSPAC3社(注1) | 52 |
その他 | 3,276 |
NVIDIA Corporation(注2) | 210 |
その他 | |
転換社債 | 1,641 |
合計 | 13,629 |
(注1)SBIA US子会社のSPAC3社への投資は、連結決算では内部取引として消去されます。
(注2)NVIDIA Corporation株式はソフトバンクグループ㈱が保有しています。
② デリバティブ
(単位:百万米ドル)
当第1四半期末 公正価値 (△は負債) | 想定元本 (△は売建) | |
上場株式に係る買建コールオプション | 2,130 | 11,186 |
上場株式に係る売建コールオプション | △129 | △3,699 |
上場株式に係るトータル・リターン・スワップ取引 | 107 | 1,135 |
上場株式に係るフォワード契約 | 59 | 307 |
合計 | 2,167 | 8,929 |
当事業における主な有利子負債およびリース負債
借入者 | 種別 | 当第1四半期末 要約四半期連結 財政状態計算書残高 |
ソフトバンクグループ㈱ | 借入金 | 1兆8,387億円 |
社債 | 5兆1,529億円 | |
リース負債 | 130億円 | |
コマーシャル・ペーパー | 2,628億円 | |
資金調達を行う100%子会社(注1) | ||
West Raptor Holdings, LLC West Raptor Holdings 2, LLC Skybridge LLC Scout 2020 Holdings Limited Tigress 2020 Holdings Limited Panther I 2021 Holdings Limited Panther II 2021 Holdings Limited | アリババ株式を活用した複数の株式先渡売買契約(フロア契約およびカラー契約) | 3兆2,255億円 |
スカイウォークファイナンス合同会社 | アリババ株式を活用した借入れ | 1兆1,003億円 |
ムーンライトファイナンス合同会社 | ソフトバンク㈱株式を活用した借入れ | 4,990億円 |
Delaware Project 6 L.L.C. | Tモバイル株式を活用した借入れ | 4,810億円 |
SB Northstar | 借入金 | 1兆4,245億円 |
(うち、アリババ株式を活用した借入れ:6,625億円) |
(注1)資金調達を行う100%子会社は、当第1四半期末において、West Raptor Holdings, LLC、West Raptor Holdings 2, LLC、Skybridge LLC、Scout 2020 Holdings Limited、Tigress 2020 Holdings Limited、Panther I 2021 Holdings Limited、Panther II 2021 Holdings Limited、スカイウォークファイナンス合同会社、ムーンライトファイナンス合同会社およびDelaware Project 6 L.L.C.を指します。また、前期末においてはSkylark 2020 Holdings Limitedも含みます。これらの子会社による借入れはソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。ただし、Tモバイル株式を活用した借入れについては、例外的にソフトバンクグループ㈱が一部保証しています。
(b)SVF1等SBIAの運営するファンド事業
1.投資利益(純額)3,916億円の計上により、外部投資家持分増減額を控除したセグメント利益が2,356億円に ◆ SVF1 -投資の実現益(純額)3,097億円 主にDoorDash、Uber、Guardant Healthなど上場投資先への投資の一部を売却 -当第1四半期末に保有する投資の未実現評価益(純額)3,809億円 ・上場投資先で1,989億円の未実現評価益(純額)を計上:6社で合計8,994億円の利益計上の一方、Coupangなど9社で合計7,005億円の損失 ・エグジットや上場が見込まれる投資先の公正価値が上昇したことなどにより、未上場投資先に係る評価益(純額)1,819億円 ◆ SVF2 -投資の実現益970億円 -当第1四半期末に保有する投資の未実現評価益(純額)491億円 ・上場投資先に係る評価損(純額)355億円 ・未上場投資先に係る評価益(純額)846億円 2.投資活動の状況 ◆ SVF1 -エグジット前の投資:当第1四半期末現在、82銘柄を保有(うち、上場投資先15社)。投資額合計740億米ドルに対し、保有投資先公正価値合計1,201億米ドル -累計実現益100億米ドル、累計デリバティブ関連利益15億米ドルおよび累計受取配当金7億米ドルを含めた、活動開始来の累計投資利益(グロス)は583億米ドルに(注1) -当第1四半期にCompass、Zymergen、Full Truck AllianceおよびDiDiが上場 ◆ SVF2 -当第1四半期末現在、91銘柄を保有(うち、上場投資先7社)。投資額合計198億米ドルに対し、保有投資先公正価値合計238億米ドル -出資コミットメントを400億米ドルに増額。このうち215億米ドルを履行済み -当第1四半期にJD Logistics、Zhangmen、Full Truck AllianceおよびDingdongが上場 |
(注1)累計投資利益(グロス)は外部投資家持分および税金等の控除前の金額です。
<事業概要>当事業の業績には、主に、金融行為規制機構(The Financial Conduct Authority)の認可および規制を受けた当社の英国100%子会社SBIAが運営するソフトバンク・ビジョン・ファンド1(SVF1)とソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SVF2)の投資および事業活動の結果が含まれています。
SVF1は、「ユニコーン(投資時において企業価値が10億米ドル以上と推定される非公開企業)」を中心に、AIを活用した成長可能性の大きな企業への投資を保有しており、中長期的視点から投資成果を最大化することを目指しています。同ファンドの投資期間は2019年9月12日に終了しましたが、合弁会社への投資を含む既存投資先への追加投資や固定分配、ファンド運営関連費用への充当を目的に出資コミットメント総額の残額が留保されています。2回の1年延長オプションをSBIAが行使した場合を除き、SVF1の存続期間は原則として2029年11月20日までです。
SVF2は、テクノロジーを活用して各市場をリードする成長企業への投資を通じて、AI革命を持続的に加速することを目的に、2019年10月にソフトバンクグループ㈱から出資コミットメントを取得して設立されました。当第1四半期末現在、SVF2はソフトバンクグループ㈱のみがリミテッド・パートナーとして参画し、400億米ドルの出資をコミットしています。
また、当社の上場および非上場企業への投資を補完し、私募ファンドとして定められた投資範疇を超えたより広範な投資機会の追求を実現するため、SBIA USはSPAC(特別買収目的会社)を用いた投資を行っています。SBIA US子会社のSPACであるSVF Investment Corp.が2021年1月に、SVF Investment Corp.2とSVF Investment Corp.3が2021年3月にNASDAQに新規上場(株式公開)しており、それぞれの新規株式公開による払込資金の決済日から2年以内に企業結合を行うことを目指しています。なお、企業結合後、結合会社はSBIA USの子会社ではなくなる見込みです。
当事業における主なファンドの概要
2021年6月30日現在
ソフトバンク・ビジョン・ファンド1 | ソフトバンク・ビジョン・ファンド2 | |
主なリミテッド・ パートナーシップ | SoftBank Vision Fund L.P. | SoftBank Vision Fund II-2 L.P. |
出資コミットメント総額 | 986億米ドル | 400億米ドル |
当社:331億米ドル(注1) 外部投資家:655億米ドル | 当社:400億米ドル | |
ジェネラル・パートナー | SVF GP (Jersey) Limited (当社海外100%子会社) | SVF II GP (Jersey) Limited (当社海外100%子会社) |
投資期間 | 2019年9月12日に終了 | 今後外部投資家の参画により変動する可能性があるため開示を控えています。 |
存続期間 | 2029年11月20日まで(原則) |
(注1)SVF1への当社の出資コミットメントは、アーム株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される予定の25億米ドルを含みます。
資金の状況
2021年6月30日現在
SVF1
(単位:億米ドル)
合計 | 当社 | 外部投資家 | ||
出資コミットメント(A) | 986 | 331 | 655 | |
払込資金5(B) | 863 | 296 | 567 | |
払込資金返還額(再コール不可)(C) | 179 | 23 | 156 | |
払込資金残高(D)=(B)-(C) | 684 | 273 | 411 | |
コミットメント残額(E)=(A)-(B) | 123 | 35 | 88 |
(注)SVF1への当社の出資コミットメントは、アーム株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される予定の25億米ドルを含みます。
SVF2
(単位:億米ドル)
合計(当社) | ||
出資コミットメント(A) | 400 | |
払込資金(B) | 215 | |
払込資金返還額(再コール不可)(C) | 9 | |
払込資金残高(D)=(B)-(C) | 206 | |
コミットメント残額(E)=(A)-(B) | 185 |
(注)コミットメント残額には再コール可能な払込資金返還額を含みます。
5 | SVF1における払込資金は、払込後に投資計画の変更等によりリミテッド・パートナーへ返還された金額を差し引いています。 |
<業績全般>(単位:百万円)
6月30日に終了した3カ月間 | |||||||
2020年 | 2021年 | 増減 | 増減率 | ||||
SVF1およびSVF2等からの投資損益(注1) | 296,577 | 391,562 | 94,985 | 32.0% | A | ||
投資の実現損益 | 111,425 | 406,642 | 295,217 | 264.9% | |||
投資の未実現評価損益 | 178,114 | △23,164 | △201,278 | - | |||
当期計上額 | 258,056 | 429,989 | 171,933 | 66.6% | |||
過年度計上額のうち実現損益への振替額 (注2) | △79,942 | △453,153 | △373,211 | - | |||
投資先からの受取配当金 | 2,888 | 20,812 | 17,924 | 620.7% | |||
投資に係るデリバティブ関連損益 | 815 | △3,434 | △4,249 | - | |||
為替換算影響額 | 3,335 | △9,294 | △12,629 | - | |||
販売費及び一般管理費 | △14,342 | △16,449 | △2,107 | 14.7% | |||
財務費用 | △4,600 | △4,101 | 499 | △10.8% | |||
SVF1における外部投資家持分の増減額 | △147,643 | △134,093 | 13,550 | △9.2% | B | ||
その他の損益 | △362 | △1,369 | △1,007 | - | |||
セグメント利益(税引前利益) | 129,630 | 235,550 | 105,920 | 81.7% |
(注1)アームは当社の子会社であるため、SVF1が保有するアーム株式の公正価値の変動により計上される未実現評価損益およびアームからの受取配当金(現物配当として受領したTreasure Data, Inc.の株式を含む)は、セグメント利益において「SVF1およびSVF2等からの投資損益」に含めていますが、連結上消去し、要約四半期連結損益計算書上の「SVF1およびSVF2等からの投資損益」には含めていません。
(注2)当期に実現した投資に係る未実現評価損益の過年度計上額を「投資の実現損益」に振り替えています。
当第1四半期において、SVF1は、合計21億米ドルの新規投資および既存投資先への追加投資を行った一方1、投資先1銘柄の全株式および6銘柄の一部株式を、合計30億米ドルの当初取得額に対し合計58億米ドル6で売却しました1。またSVF2は、合計135億米ドルの新規および追加の投資を行いました。
セグメント利益
A SVF1およびSVF2等からの投資利益:391,562百万円
・SVF1
-投資先1銘柄の全株式およびDoorDash、Uber、Guardant Healthなど上場投資先6社の一部株式を売却1したことにより、投資の実現益309,680百万円(純額)を計上しました。
-当第1四半期末に保有する投資について未実現評価益380,874百万円(3,462百万米ドル、純額)を計上しました(内訳は以下「投資の状況 SVF1」をご参照ください)。このうち、上場投資先について、Coupangなど一部の上場投資先で株価が下落したものの、当第1四半期に上場したDiDiおよびFull Truck Alliance、ならびにDoorDashなどの投資先の株価の上昇により、合計1,808百万米ドルの評価益(純額)を計上しました。また、非上場株式について、エグジットや上場が見込まれる投資先の公正価値が上昇したことなどにより、合計1,654百万米ドルの評価益(純額)を計上しました。
-投資先からの受取配当金20,812百万円を計上しました。これは主に、当第1四半期にアームからTreasure Data, Inc.の株式が現物配当されたことによるものです。
・SVF2
-KE Holdingsの一部株式を売却したことにより、投資の実現益96,962百万円を計上しました。
-未実現評価益49,115百万円(446百万米ドル、純額)を計上しました(内訳は以下「投資の状況 SVF2」をご参照ください)。上場投資先について、当第1四半期に上場したFull Truck AllianceおよびDingdongなどの投資先の株価が上昇したものの、KE HoldingsおよびSeerの株価が下落し、合計322百万米ドルの評価損(純額)を計上した一方、非上場株式について、資金調達ラウンドがあった投資先の公正価値が上昇したことなどにより、合計769百万米ドルの評価益(純額)を計上しました。
6 | 売却手数料等の控除後 |
B SVF1における外部投資家持分の増減額:△134,093百万円
SVF1からの投資損益からSBIAに支払われる管理報酬および成功報酬、SVF1の営業費用ならびにその他の費用を控除した金額を、持分に応じて外部投資家に分配した成果分配額および固定分配額の合計です。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記7.SVF1等SBIAの運営するファンド事業(2)SVF1における外部投資家持分」をご参照ください。
なお、当第1四半期末現在、SVF2はソフトバンクグループ㈱のみが出資しているため、外部投資家持分はありません。
当社からSVF2へ移管した投資
当社は当第1四半期末までに売却または現物出資により以下の投資をSVF2に移管しました。
(単位:百万米ドル)
移管月 | 移管方法 | 当社からSVF2への 移管価額 | |
Berkshire Grey, Inc. | 2021年3月 | 現物出資 | 115 |
Cybereason Inc. | 2021年6月 | 現物出資 | 317 |
InMobi Pte. Ltd. | 2021年6月 | 売却 | 597 |
Treasure Data, Inc. | 2021年6月 | 売却 | 519 |
合計(全4銘柄) | 1,548 |
(注)当社からSVF2への移管価額は、移管方法が現物出資の場合は移管の直前四半期末時点の当社簿価、移管方法が売却の場合は移管の直前四半期末時点の公正価値に基づいています。移管までに生じた投資損益は移管まで属していた報告セグメントで認識しています。
投資の状況
2021年6月30日現在
SVF1
(単位:十億米ドル)
合計(下記①+②+③+④)
累計投資銘柄数 | 累計投資額 | 累計リターン | 累計損益(注1) | |||
95 | 87.8 | 146.1 | 58.3 |
(参考)
累計投資銘柄数 | 累計投資額 | 累計リターン | 累計損益(注1) | |||
株式交換による影響 | △2 | △1.7 | △1.7 | 0.0 | ||
Uber Advanced Technologies GroupとAurora Innovation Inc. | ||||||
PT TokopediaとGoTo | ||||||
現物配当による影響 | △1 | △0.2 | △0.2 | 0.0 | ||
Treasure Data, Inc. | ||||||
株式交換および現物配当による影響考慮後(注2)(注3) | 92 | 85.9 | 144.2 | 58.3 |
①エグジット前の投資(当第1四半期末に保有する投資)
銘柄数 | 投資額 | 公正価値 | 累計 未実現 評価損益 (注4) | 未実現 評価損益 当期計上額 Q1 | |||
上場株式 | 15 | 26.1 | 66.4 | 40.3 | 1.8 | ||
非上場株式 | 67 | 47.9 | 53.7 | 5.8 | 1.7 | ||
合計 | 82 | 74.0 | 120.1 | 46.1 | 3.5 |
②エグジットした投資
銘柄数 | 投資額 | 売却額 | 累計 実現損益 (注1) | 実現損益 当期計上額 Q1 | ||
一部エグジット | - | 4.5 | 9.4 | 4.9 | 2.6 | |
全部エグジット(注5) | 13 | 9.3 | 14.4 | 5.1 | 0.2 | |
合計 | 13 | 13.8 | 23.8 | 10.0 | 2.8 |
③投資に係るデリバティブ関連損益
デリバティブ原価 | 決済額 | 累計 デリバティブ 関連損益 | デリバティブ 関連損益 当期計上額 Q1 | |||
合計(既決済) | 0.0 | 1.5 | 1.5 | 0.0 |
④投資先からの受取配当金
受取配当金 | 累計損益 | 受取配当金 当期計上額 Q1 | ||||
合計 | 0.7 | 0.7 | 0.2 |
(注1)外部投資家持分および税金等の控除前
(注2)累計投資パフォーマンスを純額で示すため、株式交換を行った投資について交換先の株式の取得額および当初保有株式の処分額(売却額)をそれぞれ控除しています。また、現物配当で受領した投資について、当該株式に係る取得額および受取配当金をそれぞれ控除しています。
(注3)記載されている株式交換に加えて、SVF1は過年度において既存投資先2社の株式を同じく既存投資先であるその関係会社株式に交換したため、当項目において該当する投資の取得額および処分額(売却額)をそれぞれ控除しています。
(注4)当社からSVF1への移管が決定されていたものの実行されなかった投資について、移管の取りやめを決定するまでの期間に発生した未実現評価損益は含めていません。
(注5)株式交換による処分(売却)を含みます。
SVF2
(単位:十億米ドル)
合計(下記①+②+③+④)
累計投資銘柄数 | 累計投資額 | 累計リターン | 累計損益(注1) | |||
91 | 20.2 | 25.0 | 4.8 |
①エグジット前の投資(当第1四半期末に保有する投資)
銘柄数 | 投資額 (注2) | 公正価値 (注2) | 累計 未実現 評価損益 | 未実現 評価損益 当期計上額 Q1 | |||
上場株式 | 7 | 2.5 | 5.8 | 3.3 | △0.3 | ||
非上場株式 | 84 | 17.3 | 18.0 | 0.7 | 0.7 | ||
合計 | 91 | 19.8 | 23.8 | 4.0 | 0.4 |
②エグジットした投資
銘柄数 | 投資額 | 売却額 | 累計 実現損益 (注1) | 実現損益 当期計上額 Q1 | ||
一部エグジット | - | 0.4 | 1.2 | 0.8 | 0.9 | |
合計 | - | 0.4 | 1.2 | 0.8 | 0.9 |
③投資に係るデリバティブ関連損益
デリバティブ原価 | 公正価値 | 累計 デリバティブ 関連損益 | デリバティブ 関連損益 当期計上額 Q1 | |||
合計 | 0.0 | △0.0 | △0.0 | △0.0 |
④投資先からの受取配当金
受取配当金 | 累計損益 | 受取配当金 当期計上額 Q1 | ||||
合計 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
(注1)税金等の控除前
(注2)SVF2のエグジット前の投資の投資額および公正価値には、投資の取得対価の一部として受領した他会社の非支配持分に係るものが含まれています。
(別掲)エグジット前の投資(当第1四半期末に保有する投資)の内訳
2021年6月30日現在
SVF1
(単位:十億米ドル)
セクター | 銘柄数 | 投資額 | 公正価値 | 累計 未実現 評価損益 | 未実現 評価損益 当期計上額 Q1 | ||
a | コンシューマー | 12 | 10.8 | 38.3 | 27.5 | △4.3 | |
b | エドテック | 1 | 0.7 | 0.8 | 0.1 | △0.3 | |
c | エンタープライズ | 8 | 1.8 | 2.7 | 0.9 | 0.6 | |
d | フィンテック | 11 | 4.3 | 2.7 | △1.6 | 0.1 | |
e | フロンティアテック | 9 | 11.1 | 12.8 | 1.7 | 1.0 | |
f | ヘルステック | 8 | 2.0 | 3.7 | 1.7 | △0.3 | |
g | ロジスティクス | 14 | 8.4 | 21.7 | 13.3 | 4.8 | |
h | プロップテック | 9 | 10.2 | 5.4 | △4.8 | △0.9 | |
i | トランスポーテーション | 10 | 24.7 | 32.0 | 7.3 | 2.8 | |
合計 | 82 | 74.0 | 120.1 | 46.1 | 3.5 |
(別掲)
上場株式(注1) | 15 | 26.1 | 66.4 | 40.3 | 1.8 | ||
a | Coupang | 2.7 | 23.7 | 21.0 | △4.3 | ||
d | OneConnect | 0.1 | 0.1 | △0.0 | △0.0 | ||
d | ZhongAn Insurance | 0.2 | 0.1 | △0.1 | △0.0 | ||
e | Zymergen | 0.4 | 1.1 | 0.7 | 0.2 | ||
f | Guardant Health | 0.0 | 0.1 | 0.1 | △0.0 | ||
f | Relay Therapeutics | 0.3 | 1.0 | 0.7 | 0.1 | ||
f | Vir Biotechnology | 0.2 | 1.1 | 0.9 | △0.1 | ||
g | DoorDash | 0.6 | 9.8 | 9.2 | 2.6 | ||
g | Full Truck Alliance | 1.7 | 4.0 | 2.3 | 2.0 | ||
h | Compass | 1.1 | 1.7 | 0.6 | △0.6 | ||
h | Opendoor | 0.4 | 1.3 | 0.9 | △0.3 | ||
h | View | 1.1 | 0.5 | △0.6 | 0.1 | ||
i | AUTO1 | 0.7 | 1.7 | 1.0 | △0.5 | ||
i | DiDi | 12.1 | 13.7 | 1.6 | 3.2 | ||
i | Uber | 4.5 | 6.5 | 2.0 | △0.6 | ||
非上場株式 | 67 | 47.9 | 53.7 | 5.8 | 1.7 | ||
合計 | 82 | 74.0 | 120.1 | 46.1 | 3.5 |
(注1)上場株式に付された記号は属するセクターを表しています。当該セクターにおける投資先は掲載された上場株式に限りません。
SVF2
(単位:十億米ドル)
セクター | 銘柄数 | 投資額 | 公正価値 | 累計 未実現 評価損益 | 未実現 評価損益 当期計上額 Q1 | ||
a | コンシューマー | 21 | 4.0 | 4.3 | 0.3 | 0.3 | |
b | エドテック | 5 | 0.6 | 0.7 | 0.1 | 0.0 | |
c | エンタープライズ | 21 | 3.5 | 3.6 | 0.1 | 0.1 | |
d | フィンテック | 8 | 2.5 | 2.2 | △0.3 | 0.0 | |
e | フロンティアテック | 7 | 1.0 | 1.1 | 0.1 | 0.0 | |
f | ヘルステック | 19 | 1.7 | 1.7 | 0.0 | △0.0 | |
g | ロジスティクス | 6 | 4.5 | 4.8 | 0.3 | 0.3 | |
h | プロップテック | 1 | 1.1 | 3.9 | 2.8 | △0.8 | |
i | トランスポーテーション | 3 | 0.9 | 1.5 | 0.6 | 0.5 | |
合計 | 91 | 19.8 | 23.8 | 4.0 | 0.4 |
(別掲)
上場株式(注1) | 7 | 2.5 | 5.8 | 3.3 | △0.3 | ||
a | Dingdong | 0.3 | 0.5 | 0.2 | 0.2 | ||
b | Zhangmen | 0.1 | 0.1 | 0.0 | 0.0 | ||
e | Qualtrics | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | ||
f | Seer | 0.2 | 0.2 | △0.0 | △0.1 | ||
g | Full Truck Alliance | 0.2 | 0.5 | 0.3 | 0.3 | ||
g | JD Logistics | 0.6 | 0.6 | 0.0 | 0.0 | ||
h | KE Holdings | 1.1 | 3.9 | 2.8 | △0.7 | ||
非上場株式 | 84 | 17.3 | 18.0 | 0.7 | 0.7 | ||
合計 | 91 | 19.8 | 23.8 | 4.0 | 0.4 |
(注1)上場株式に付された記号は属するセクターを表しています。当該セクターにおける投資先は掲載された上場株式に限りません。
(c)ソフトバンク事業
主に法人向け事業の増益とLINE㈱子会社化のプラス影響がコンシューマ向け事業の減益を補い、セグメント利益が前年同期比4.5%増加 |
(単位:百万円)
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2020年 | 2021年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 1,172,322 | 1,356,570 | 184,248 | 15.7% |
セグメント利益(税引前利益) | 259,249 | 270,954 | 11,705 | 4.5% |
減価償却費及び償却費 | △173,134 | △184,340 | △11,206 | 6.5% |
投資損益 | 4,116 | 15,262 | 11,146 | 270.8% |
財務費用 | △16,256 | △15,553 | 703 | △4.3% |
持分法による投資損益(注1) | △9,006 | △12,339 | △3,333 | - |
デリバティブ関連損益 (投資損益を除く) | 1 | △99 | △100 | - |
(注1)PayPay㈱に係る持分法投資損失が当第1四半期は5,800百万円、前年同期は7,954百万円含まれています。ソフトバンク㈱においては、PayPay㈱は持分法適用会社に分類されていますが、ソフトバンクグループ㈱においては、PayPay㈱は2018年6月の設立から一貫して子会社として連結されており、その業績は「その他」に含まれています。このため、ソフトバンク事業で認識したPayPay㈱に係る持分法投資損失はセグメント情報の「調整額」で消去されています。
<業績全般>セグメント利益は、コンシューマ向け事業が減益となったものの、主に法人向け事業の増益とLINE㈱子会社化のプラス影響がこれを補い、前年同期比11,705百万円(4.5%)増加の270,954百万円となりました。
コンシューマ向け事業は、主に「SoftBank」ブランドから「Y!mobile」ブランドへ契約を切り替えるスマートフォンユーザーが増加したことにより、最大の収益源であるモバイル売上が減少した影響で減益となりました。法人向け事業は、テレワーク需要の高まりを反映してモバイル売上が拡大したことに加え、企業のデジタル化が加速する中でクラウドサービスやセキュリティーソリューションの売上も拡大し、増益となりました。また、Zホールディングス㈱が、2021年3月にLINE㈱を子会社化したプラス影響に加え、関連会社から除外された投資先の再評価益の計上や投資先の公正価値上昇に伴い投資利益が増加したことにより増益となりました。
(d)アーム事業
1.売上高が四半期ベースで過去最高、セグメント利益も黒字化 ◆ 売上高が前年同期比60.9%増 -ロイヤルティー収入が前年同期比31.6%増(米ドルベース):市場全体の記録的なチップ販売と、アーム顧客による市場シェアの拡大およびチップ販売価格の上昇が貢献 -非ロイヤルティー収入が前年同期比106.8%増(米ドルベース):アームの新テクノロジー・ラインアップ拡大と顧客の製品設計活発化によりライセンス契約が増加 ◆ 大幅増収に伴い2017年3月期第4四半期以来のセグメント利益を計上(一時益の計上時を除く)。これまで損失要因となっていた研究開発投資が結実し増益をけん引 2.テクノロジー・ポートフォリオの拡大が継続 当第1四半期に、スマートフォンおよびモバイルコンピューティング分野向けに「Armv9」ベースの新プロセッサー3件および新グラフィックプロセッサー3件を発表。 2022年から次世代モバイル端末に搭載予定 |
(単位:百万円)
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2020年 | 2021年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 46,175 | 74,278 | 28,103 | 60.9% |
セグメント利益(税引前利益) | △6,547 | 8,781 | 15,328 | - |
(注1)前期第4四半期よりアーム事業からISG(Internet-of-Things Services Group;IoTに関連するサービスグループ)事業が別に管理されることとなったため、ISG事業の業績はアーム事業に含めず、「その他」に含めて表示しています。
(注2)セグメント利益には、アーム買収時に行った取得原価配分により計上した無形資産の償却費が、当第1四半期は12,472百万円、前年同期は12,215百万円含まれています。
<事業概要>アームは主に、低消費電力型マイクロプロセッサーおよび関連テクノロジーのデザインなど、半導体のIP(回路の設計情報などの知的財産)のライセンス事業を行っています。現在アームは既存市場でのシェアの維持・獲得および新規市場でのシェア獲得に向けて新技術の開発を目指しており、技術関連人員の増強により研究開発投資を加速することで、技術力の強化を図っています。
市場の動向とその影響
アームの業績は半導体市場の動向にプラスにもマイナスにも大きく影響を受けることがあります。半導体市場は現在、貿易摩擦や特定企業への制裁などの外部要因に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の変動による影響にさらされています。今後、これらの影響により、コンシューマー・エレクトロニクスの出荷数が弱含んだ場合にはロイヤルティー収入の押し下げ要因となる可能性があるほか、収入減に直面したライセンシーが新規ライセンス契約の締結を延期する動向が生じた場合には非ロイヤルティー収入(ライセンス収入およびソフトウエア・サービス収入)も押し下げられる可能性があります。一方、アームは、半導体市場の拡大期には、市場の売上高に応じてロイヤルティー収入増加や、製品設計の活発化による非ロイヤルティー収入増加などの恩恵を享受することもあります。しかしながら、このような事象がいつ発生し、半導体業界全体やアームにどのような影響を及ぼすかを見通すことは困難です。
今後コンシューマーおよびエンタープライズ・エレクトロニクスの高度化が進むにつれ、アームのテクノロジーが活用される機会は長期的に拡大していくと期待しています。
<業績全般>売上高(米ドルベース)
アームの売上は主に米ドル建てであるため、本項の売上高は米ドルベースの実績を記載しています。
(単位:百万米ドル)
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2020年 | 2021年 | 増減 | 増減率 | |
テクノロジー・ロイヤルティー収入 | 282 | 371 | 89 | 31.6% |
非ロイヤルティー収入 | 147 | 304 | 157 | 106.8% |
売上高合計 | 429 | 675 | 246 | 57.3% |
当第1四半期の売上高は、テクノロジー・ロイヤルティー収入および非ロイヤルティー収入が共に増加し、前年同期から246百万米ドル(57.3%)増加しました。
テクノロジー・ロイヤルティー収入
テクノロジー・ロイヤルティー収入は前年同期から89百万米ドル(31.6%)増加しました。アームのテクノロジーを採用した5Gスマートフォンの出荷と5G基地局へのネットワーク機器の導入が大幅に増加したことに加えて、アームの顧客が自動車やサーバーなど複数の市場でシェアを拡大したことによるものです。さらに、アームの顧客はコンピューター・チップに対する旺盛な需要から価格上昇による利益を得ており、このチップ価格上昇が、ロイヤルティー収入がチップ価格に基づくことの多いアームにとっても増収効果をもたらしました。
非ロイヤルティー収入
非ロイヤルティー収入は前年同期から157百万米ドル(106.8%)増加しました。当社による買収以降、研究開発投資を加速してきたことで、アームのテクノロジー・ラインアップが拡充したことなどによるものです。過去数年にわたる研究開発投資強化の結果、アームは、サーバーや車載エレクトロニクス、AIアクセラレーションなどに最適化されたプロセッサーをも含む、幅広いテクノロジー・ポートフォリオを持つに至りました。これにより、より多様な顧客がアームのテクノロジー・ライセンス契約を締結し、既存の顧客はより多くのアームのテクノロジーの選択が可能となり、ライセンス収入をけん引しています。これらのライセンスには、サーバーチップやスマートフォン、ネットワーク機器、産業用ロボットや自動運転車などの自律型操作システム用途のプロセッサーに関するものが含まれています。
さらに、過去1年間、アームベースのチップに対する強い市場需要がアームの顧客により多くのチップ開発のための新規研究開発投資を促し、アームのプロセッサー・ライセンスへの需要が高まっていることも非ロイヤルティー収入の増加に寄与しました。なお、前年同期は、新型コロナウイルスの感染拡大に対し市場が調整を行ったことにより、製品設計活動およびライセンス契約がともに低調でした。
セグメント利益
セグメント利益は、前年同期から15,328百万円改善し、8,781百万円の利益となりました。大幅な増収が、従業員数の増加などに伴うコストの増加を上回ったことによるものです。
なお、アームは研究開発体制の強化に引き続き取り組み、技術関連人員を中心に従業員の採用を進めており、アームの当第1四半期末の従業員数は前期末から2.0%増加しました。
<営業概況>ロイヤルティー・ユニット7
(単位:億個)
3月31日に終了した3カ月 | ||||
2020年 | 2021年 | 増減 | 増減率 | |
ロイヤルティー・ユニット出荷数 (ライセンシーからの報告に基づく実績ベース) | 54 | 68 | 14 | 25.9% |
2021年1~3月期のロイヤルティー・ユニットの出荷数は68億個となりました。アームが関連する半導体市場のチップ出荷数が前年同期から11.4%8増加する中、アームのロイヤルティー・ユニットの出荷数は25.9%増加しました。
<技術開発>アームは以下を重点投資分野とし、モバイル事業および潜在的成長性の高い事業におけるテクノロジーの開発に取り組んでいます。
重点投資分野と主な進捗
モバイルコンピューティング | ||||
オポチュニティー | : | モバイル端末用メインチップの市場シェアは既に95%超ロイヤルティー単価が長年にわたり上昇傾向 | ||
当第1四半期 | : | スマートフォンおよびモバイルコンピューティング向けの、3つの「Armv9」ベースの新プロセッサー「Cortex-X2」「Cortex-A710」「Cortex-A510」および3つの新グラフィックプロセッサー「Mali-G710」「Mali-G510」「Mali-G310」を発表 | ||
インフラ | ||||
オポチュニティー | : | ネットワーク・インフラの市場シェアが拡大、データセンター用サーバーの市場シェアも確立中 | ||
当第1四半期 | : | ・アームのサーバー向けテクノロジーを搭載した理化学研究所と富士通㈱共同開発のスーパーコンピューター「富岳」が、スーパーコンピューターの計算速度を競うランキング「TOP500」で引き続き世界第1位を維持 ・Oracle Corporationが、Oracle Cloud InfrastructureにおいてAmpere Computing LLCのチップを使用したアームのテクノロジー搭載サーバーの採用を発表 ・NVIDIA CorporationとMarvell Technology, Inc. がアームのプロセッサー・テクノロジーを搭載した5Gネットワーク・インフラ向けチップを発表 |
自動車 | ||||
オポチュニティー | : | 自動車のスマート化に伴い高度処理能力の需要が上昇する中、アームのテクノロジーは省電力性で好位置に付け、多くの自動車向けチップ開発企業とライセンス契約を締結済み | ||
当第1四半期 | : | AUDI AGや㈱デンソー、NXP Semiconductors N.V.などの大手自動車メーカーや技術提供会社と自動運転車の標準化のための提携を発表 | ||
IoT | ||||
オポチュニティー | : | IoTの真価発揮に不可欠な安全性や堅牢性を追求し、IoT機器ネットワーク内での安全なデータ管理用テクノロジーを開発 | ||
当第1四半期 | : | アームのマイクロコントローラー用ソフトウエアの開発期間短縮を目的としたプログラムコードの再利用や開発者間共有を可能にするプログラムを発表 |
7 | ロイヤルティー・ユニット(アームのテクノロジーを含んだチップ)の出荷実績は、出荷の発生から1四半期遅れでライセンシーから報告を受けるため、本項におけるロイヤルティー・ユニットは、2021年1~3月期の出荷実績を掲載しています。一方、ロイヤルティー収入は、出荷が発生する四半期に見積りに基づいて計上しています。 |
8 | World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)、2021年7月時点。プロセッサー技術を含まないメモリーおよびアナログチップを除く。同データはWSTS Inc.のヒアリングに協力をした半導体企業からの情報を元に作成されています。 |
アーム全株式の売却契約の締結 2020年9月13日(米国時間)、当社100%子会社であるSBGCおよびSVF1が保有する当社100%子会社アームの全株式を米国の半導体メーカーであるNVIDIA Corporation(以下「NVIDIA」)に対して取引価値を最大400億米ドルと評価した取引で売却すること(以下「本取引」)について、SBGC、SVF1およびNVIDIAの間で最終的な契約(以下「最終契約」)の締結に至りました。本取引は、英国、中国、EUおよび米国を含む必要な規制当局の承認、その他のクロージング要件の充足を条件とします。本取引の完了までには最終契約の締結から約18カ月かかると見込んでいます。なお、ISG事業は本取引の対象外です。 本取引の完了をもってアームは当社の子会社に該当しないこととなり、当社の連結対象から除外されますが、本取引完了の蓋然性が非常に高いと見なされるまでの間、当社連結財務諸表においてアームは引き続き継続事業として扱われます。また、本取引の完了後、SBGCおよびSVF1は合計でNVIDIAの発行済み株式(自己株式を除きます。)の約6.7~8.1%を保有することになると見込んでいます(最終的なアーンアウト(詳細は以下をご参照ください。)の金額により変動します。)。本取引の完了後もNVIDIAは当社の子会社や関連会社に該当しません。 本取引の取引価値の内訳は下表の通りです。 (単位:億米ドル)
(注1)①および②ならびに③(もしあれば)の受領対価は、SBGCおよびSVF1が、アーム株式保有割合に応じてそれぞれ75.01%および24.99%の割合で受領します。なお、SVF1の手取金は所定の分配順位(ウォーターフォール)に基づいて当社を含むSVF1のリミテッド・パートナーに分配されます。 (注2)②および③における取引価値は、NVIDIA株式を1株当たり484.6007米ドルで算定(2020年9月10日に終了した連続した30取引日の同社普通株式終値の平均(小数第5位を切り上げ))。なお、②および③(対価を同社株式で受領した場合)を2021年6月30日の同社普通株式終値(800.10米ドル)に基づいて算出した場合の当社の受領対価は最大558億米ドルとなります。 (注3)NVIDIAが2021年7月20日付で実施した株式分割による調整前の株式数です。 ①現金120億米ドル (a)20億米ドル 最終契約締結(2020年9月13日)に伴い、SBGCおよびアームは現金合計20億米ドルを受領しました。このうち12.5億米ドルはSBGCが売却対価の前受金として受領(本取引の完了までの間、所定の条件下でNVIDIAに払い戻す義務があり、本取引の完了後は払戻し不要)、7.5億米ドルはアームが最終契約と同時にNVIDIAと締結したライセンス契約の対価として受領したものです。 (b)100億米ドル 本取引のクロージング時、SBGCおよびSVF1は現金合計100億米ドルを受け取ります。 ②NVIDIA株式215億米ドル相当(4,437万株) SBGCおよびSVF1は、本取引のクロージング時にNVIDIA普通株式44,366,423株を受け取ります(ただし、NVIDIAが2021年7月20日付で実施した株式分割による調整前の株式数)。これは1株当たり484.6007米ドル(2020年9月10日に終了した連続した30取引日の同社普通株式終値の平均(小数第5位を切り上げ))に基づき決定されています。なお、 |
このうち2,063,554株は、本取引の最終契約におけるSBGCおよびSVF1が負担し得る一定の補償義務の履行のためにエスクローの対象となります。 受領する株式はクロージング時にFVTPLの金融資産として公正価値で計上され、以降は毎四半期末の公正価値の変動が純損益として認識される予定です。 ③アーンアウト最大50億米ドル(現金またはNVIDIA株式1,032万株) 2022年3月31日に終了する会計年度のアームの売上高およびEBITDA(それぞれ一定の調整を受け、かつISG事業への帰属分を除きます。)が最終契約で規定された目標値を達成することを条件に、SBGCおよびSVF1は、クロージング時、アーンアウトとして最大50億米ドルの現金またはNVIDIA普通株式最大10,317,772株(2020年9月10日に終了した連続した30取引日の同社普通株式終値の平均(小数第5位を切り上げ)である1株当たり484.6007米ドルに基づく。ただし、NVIDIAが2021年7月20日付で実施した株式分割による調整前の株式数)を受け取ります。アームの業績が合意されたフロア値を超え当該目標値を下回る場合は達成度に応じた割合でアーンアウトを受け取り、当該フロア値に満たない場合はアーンアウトを得られません。 同アーンアウトをNVIDIA株式で受領する場合、当該株式はクロージング時にFVTPLの金融資産として公正価値で計上され、以降は毎四半期の公正価値の変動が純損益として認識される予定です。 ④アームの従業員への15億米ドル相当のNVIDIA株式報酬 本取引のクロージング時、アームの従業員がNVIDIAから15億米ドル相当の同社株式報酬を受領します。 |
(e)ラテンアメリカ・ファンド事業
(単位:百万円)
6月30日に終了した3カ月間 | ||||||
2020年 | 2021年 | 増減 | 増減率 | |||
投資損益 | 23,281 | 219,368 | 196,087 | 842.2% | ||
投資の未実現評価損益 | 23,062 | 219,236 | 196,174 | 850.6% | ||
投資に係るデリバティブ関連損益 | 219 | △44 | △263 | - | ||
その他 | - | 176 | 176 | - | ||
販売費及び一般管理費 | △950 | △2,020 | △1,070 | 112.7% | ||
財務費用 | △4 | △203 | △199 | - | ||
デリバティブ関連損益 (投資損益を除く) | - | △106 | △106 | - | ||
その他の損益 | - | △680 | △680 | - | ||
セグメント利益(税引前利益) | 22,327 | 216,359 | 194,032 | 869.1% |
(注)ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドは、当事業における当社子会社であるSPACのスポンサーを通じてSPAC1社に出資しています。当事業においては同SPACの子会社としての業績が反映されています。
<事業概要>当事業の業績には、ブラジルおよびメキシコをはじめとするラテンアメリカ地域で投資活動を行う「ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド」の投資および事業活動の結果が含まれています。
<業績全般>ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドの上場投資先であるBanco Inter S.A.の株価の上昇やQUINTOANDAR, LTD.、VTEXなどの非上場株式の公正価値が上昇したことにより投資利益が219,368百万円となり、セグメント利益が216,359百万円となりました。当第1四半期末における同ファンドの保有投資銘柄数は48銘柄、累計投資額は35億米ドル、公正価値は合計69億米ドルとなりました。同ファンドに対しては当社が50億米ドルの出資をコミットしているほか、同ファンドの運営に関与する従業員による共同投資プログラムが7百万米ドルの出資をコミットしています(同プログラムによる持分は外部投資家持分として控除されています。)。
(f)その他
(単位:百万円)
6月30日に終了した3カ月間 | ||||||
2020年 | 2021年 | 増減 | 増減率 | |||
売上高 | 66,427 | 54,217 | △12,210 | △18.4% | ||
セグメント利益(税引前利益) | △37,809 | 32,848 | 70,657 | - | ||
減価償却費及び償却費 | △13,313 | △8,930 | 4,383 | △32.9% | ||
投資損益 | 8,453 | △974 | △9,427 | - | ||
財務費用 | △3,866 | △4,105 | △239 | 6.2% | ||
持分法による投資損益 | 2,809 | 2,040 | △769 | △27.4% | ||
デリバティブ関連損益 (投資損益を除く) | 27 | △3,479 | △3,506 | - |
(注)前期第4四半期よりアーム事業からISG事業が別に管理されることとなったため、ISG事業の業績はアーム事業に含めず「その他」に含めて表示しています。なお、2021年6月に、ISG事業のうちTreasure Data, Inc.の全株式がアーム株式の保有割合に応じてSVF1およびSBGCに現物配当され、さらにSBGCの持分についてはSVF2に売却されました。この結果、当第1四半期末時点でSVF1およびSVF2はそれぞれ24.99%および75.01%のTreasure Data, Inc.株式を保有しています。
セグメント利益は32,848百万円となりました。当第1四半期にBoston Dynamics, Inc.株式の売却が完了したことにより、同社に対する支配喪失利益72,936百万円を計上しました。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記10.売却目的保有に分類された処分グループ」をご参照ください。
一方、Fortress Investment Group LLC(以下「フォートレス」)およびPayPay㈱の税引前損失がそれぞれ16,740百万円、10,420百万円となりました。
主な業績および事業の概況は以下の通りです。
・フォートレス
同社が保有する一部の投資先の公正価値が下落したことにより投資損失が8,777百万円となり、16,740百万円の税引前損失を計上しました。なお、当第1四半期において、同社の子会社であるSPAC4社のうち1社が事業会社と合併し連結対象から除外されました。
・PayPay㈱
日本でスマートフォン決済サービスを手掛ける同社は、ユーザー獲得と利用促進を目的としたキャンペーンやサービス利用可能店舗の拡大に引き続き取り組んだことなどにより10,420百万円の税引前損失を計上しました。前年同期から税引前損失が縮小したのは、主に加盟店売上の増加や決済取扱高の拡大に伴い増収となったことによるものです。同社の決済サービスは、当第1四半期の決済回数が7.9億回(前年同期比1.8倍)に達するなど、順調に拡大を続けています。
「その他」に含まれるPayPay㈱の業績
(単位:百万円)
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2020年 | 2021年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 5,667 | 11,211 | 5,544 | 97.8% |
税引前損失 | △15,811 | △10,420 | 5,391 | - |
c.財政状態の概況
1.投資資産の状況 ◆ SVF1およびSVF2からの投資の帳簿価額は14兆7,922億円(前期末比1兆1,454億円増加)(注1) -SVF1:投資の一部売却などにより前期末比1,813億円減少 -SVF2:積極的な新規投資などにより前期末比1兆3,267億円増加 ◆ 投資有価証券の帳簿価額は4兆3,517億円(前期末比6,449億円増加) -ソフトバンクグループ㈱およびその子会社:Tモバイル株式の公正価値が2,279億円増加 -ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド:投資の帳簿価額が前期末比3,103億円増加 ◆ 資産運用子会社における現物株式等の保有残高は前期末の2.2兆円から1.5兆円へ縮小 -資産運用子会社からの投資の帳簿価額は7,906億円(前期末比353億円増加) -資産運用子会社における担保差入有価証券の帳簿価額は6,875億円(前期末比7,398億円減少) 2.国内ハイブリッド社債4,050億円の発行などの資金調達により負債返済および新規投資による資金需要に対応: ソフトバンクグループ㈱の有利子負債が前期末比1兆1,091億円増加 3.消却前の発行済株式総数17.6%9に相当する自己株式3億6,686万株(2020年3月から2021年5月の取得と同数)を消却し、帳簿価額2兆4,758億円を利益剰余金から減額 |
(注1)SVF1およびSVF2からの投資は、当社の子会社への投資および当社から移管後引き続き持分法を適用している投資(後者は「持分法で会計処理されている投資」に計上)を含みません。
(単位:百万円)
2021年 3月31日 | 2021年 6月30日 | 増減 | 増減率 | |
資産合計 | 45,750,453 | 47,185,597 | 1,435,144 | 3.1% |
負債合計 | 33,794,860 | 34,694,490 | 899,630 | 2.7% |
資本合計 | 11,955,593 | 12,491,107 | 535,514 | 4.5% |
9 | 2021年4月末の発行済株式総数に対する割合 |
(a)資産
(単位:百万円)
2021年 3月31日 | 2021年 6月30日 | 増減 | |||
現金及び現金同等物 | 4,662,725 | 4,980,062 | 317,337 | ||
営業債権及びその他の債権 | 2,216,434 | 2,152,451 | △63,983 | ||
資産運用子会社からの投資 | 658,227 | 609,081 | △49,146 | A | |
資産運用子会社における担保差入有価証券 | 1,427,286 | 687,457 | △739,829 | B | |
資産運用子会社におけるデリバティブ金融資産 | 188,056 | 254,143 | 66,087 | C | |
その他の金融資産 | 1,055,222 | 798,423 | △256,799 | D | |
棚卸資産 | 126,830 | 119,902 | △6,928 | ||
その他の流動資産 | 446,739 | 499,835 | 53,096 | ||
売却目的保有に分類された資産 | 38,647 | - | △38,647 | E | |
流動資産合計 | 10,820,166 | 10,101,354 | △718,812 | ||
有形固定資産 | 1,668,578 | 1,764,663 | 96,085 | ||
使用権資産 | 1,147,020 | 1,082,133 | △64,887 | ||
のれん | 4,684,419 | 4,691,625 | 7,206 | ||
無形資産 | 2,308,370 | 2,267,690 | △40,680 | F | |
契約獲得コスト | 246,996 | 265,972 | 18,976 | ||
持分法で会計処理されている投資 | 4,349,971 | 4,498,256 | 148,285 | G | |
FVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資 | 13,646,774 | 14,792,184 | 1,145,410 | H | |
SVF1 | 12,403,286 | 12,221,998 | △181,288 | ||
SVF2 | 1,243,488 | 2,570,186 | 1,326,698 | ||
投資有価証券 | 3,706,784 | 4,351,725 | 644,941 | I | |
デリバティブ金融資産 | 908,660 | 987,267 | 78,607 | J | |
その他の金融資産 | 1,919,262 | 2,069,561 | 150,299 | K | |
繰延税金資産 | 206,069 | 168,367 | △37,702 | ||
その他の非流動資産 | 137,384 | 144,800 | 7,416 | ||
非流動資産合計 | 34,930,287 | 37,084,243 | 2,153,956 | ||
資産合計 | 45,750,453 | 47,185,597 | 1,435,144 |
主な科目別の増減理由
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
流動資産 | |
A 資産運用子会社からの投資 | SB Northstarが保有する上場株式が売却などにより減少しました。 |
B 資産運用子会社における 担保差入有価証券 | SB Northstarが投資を売却して担保付借入を返済した結果、担保差入有価証券が減少しました。 |
C 資産運用子会社における デリバティブ金融資産 | SB Northstarが保有する上場株式に係る買建コールオプションの公正価値が増加しました。 |
D その他の金融資産 | アリババ株式を活用した先渡契約のうちカラー契約の一部を2021年4月に早期解約して返済したことに伴い、前期末に計上していた当該契約の解約に係る拘束性預金361,355百万円が減少しました。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記12.有利子負債(1)有利子負債の内訳(注)」をご参照ください。なお、契約期限が1年以内となった契約に係るデリバティブ金融資産を非流動資産から振り替えたため、143,332百万円増加しました。 |
E 売却目的保有に分類された資産 | 前期末にBoston Dynamics, Inc.を売却目的保有に分類された処分グループに分類し、同社の資産を区分して表示していましたが、当第1四半期において同社の売却が完了したことに伴い、認識を中止しました。 |
非流動資産 | |
F 無形資産 | ・規則的な償却によりアームのテクノロジーが減少しました。 ・LINE㈱の企業結合において認識した暫定的な金額を修正したことにより、同社の商標権や顧客基盤が減少しました。 |
G 持分法で会計処理されている投資 | 持分法投資利益の計上のほか、当第1四半期末における対中国人民元の為替換算レートが前期末から円安となったことにより、アリババの連結簿価が増加しました。 |
H FVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資 | ・SVF1において、当第1四半期末に保有する投資の公正価値が増加した一方、投資の一部を売却しました。 ・SVF2において、合計135億米ドルの新規および追加の投資を行った一方、投資の一部を売却しました。 SVF1およびSVF2における投資の状況の詳細は「b.セグメントの業績概況(b)SVF1等SBIAの運営するファンド事業」をご参照ください。 |
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
I 投資有価証券 | ・Tモバイル株式の公正価値が227,936百万円増加しました(当第1四半期末残高は1,702,292百万円)。 ・ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドの投資の帳簿価額が、保有する投資先の公正価値の上昇ならびに新規および追加投資により、310,270百万円増加しました(当第1四半期末残高は751,278百万円)。 ・SoFi Technologies, Inc.、WeWork、Lemonade, Inc.への投資の帳簿価額が、公正価値上昇などに伴いそれぞれ45,654百万円、41,363百万円、21,428百万円増加しました。また、InMobi Pte. Ltd.株式を、当社子会社からSVF2へ移管したことに伴い、「FVTPLで会計処理されているSVF1およびSVF2からの投資」に振り替えました。 |
J デリバティブ金融資産 | ・Tモバイル株式に係る条件付対価の公正価値が197,783百万円増加しました(当第1四半期末残高は658,492百万円)。 ・アリババ株式を活用した複数の先渡売買契約に係るデリバティブ金融資産のうち、契約期限が1年以内となった契約に係るデリバティブ金融資産143,332百万円を流動資産に振り替えました。 |
K その他の金融資産 | ・SB Northstarが転換社債を新たに81,675百万円取得しました(前期に取得した転換社債とあわせて、当第1四半期末残高は181,483百万円)。 ・当社子会社が買い受けたWeWorkの無担保債券について、長期貸付金が37,379百万円増加しました。 |
(別掲)エンティティ別の現金及び現金同等物
(単位:百万円)
2021年 3月31日 | 2021年 6月30日 | 増減 | ||
ソフトバンクグループ㈱/資金調達を行う100%子会社/SB Northstar | 2,202,730 | 2,063,447 | △139,283 | |
ソフトバンクグループ㈱ | 1,948,177 | 1,720,959 | △227,218 | |
資金調達を行う100%子会社 | 33,272 | 15,790 | △17,482 | |
SB Northstar | 221,281 | 326,698 | 105,417 | |
SVF1等SBIAの運営するファンド事業 | ||||
SVF1 | 67,580 | 64,646 | △2,934 | |
SVF2 | 63,470 | 319,563 | 256,093 | |
SBIA | 25,895 | 22,161 | △3,734 | |
ソフトバンク事業 | ||||
ソフトバンク㈱ | 302,539 | 514,431 | 211,892 | |
Zホールディングス㈱(注1) | 420,941 | 404,976 | △15,965 | |
その他(注2) | 861,412 | 804,694 | △56,718 | |
その他 | 718,158 | 786,144 | 67,986 | |
合計 | 4,662,725 | 4,980,062 | 317,337 |
(注1)ヤフー㈱およびLINE㈱を含みます。
(注2)PayPay銀行㈱を含みます。同社の現金及び現金同等物の当第1四半期末残高は330,473百万円でした。
(b)負債
(単位:百万円)
2021年 3月31日 | 2021年 6月30日 | 増減 | ||
有利子負債 | 7,735,239 | 8,643,697 | 908,458 | |
リース負債 | 307,447 | 291,402 | △16,045 | |
銀行業の預金 | 1,109,240 | 1,184,013 | 74,773 | |
営業債務及びその他の債務 | 1,970,275 | 1,695,139 | △275,136 | |
資産運用子会社におけるデリバティブ金融負債 | 14,673 | 14,468 | △205 | |
デリバティブ金融負債 | 322,213 | 279,627 | △42,586 | A |
その他の金融負債 | 51,285 | 30,089 | △21,196 | |
未払法人所得税 | 391,930 | 83,030 | △308,900 | B |
引当金 | 24,939 | 19,740 | △5,199 | |
その他の流動負債 | 952,443 | 703,610 | △248,833 | C |
売却目的保有に分類された資産に直接関連する負債 | 11,271 | - | △11,271 | D |
流動負債合計 | 12,890,955 | 12,944,815 | 53,860 | |
有利子負債 | 10,777,736 | 11,603,726 | 825,990 | |
リース負債 | 727,554 | 694,936 | △32,618 | |
SVF1における外部投資家持分 | 6,601,791 | 6,450,319 | △151,472 | |
デリバティブ金融負債 | 32,692 | 49,187 | 16,495 | |
その他の金融負債 | 415,407 | 383,769 | △31,638 | |
引当金 | 110,586 | 115,227 | 4,641 | |
繰延税金負債 | 2,030,651 | 2,275,398 | 244,747 | E |
その他の非流動負債 | 207,488 | 177,113 | △30,375 | |
非流動負債合計 | 20,903,905 | 21,749,675 | 845,770 | |
負債合計 | 33,794,860 | 34,694,490 | 899,630 |
主な科目別の増減理由
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
流動負債 | |
A デリバティブ金融負債 | 2021年4月にWeWork株式の公開買付けが完了したため、取得見込みの普通株式および優先株式の評価額と取得予定額との差額として前期末に計上していたデリバティブ金融負債76,823百万円を取り崩しました。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記13.金融商品(3)フォワード契約」をご参照ください。 |
B 未払法人所得税 | SBGJが、前期に生じたソフトバンク㈱株式売却益を含む課税所得に基づく法人税197,432百万円を納付しました。 |
C その他の流動負債 | 前期に発生したSBGJからソフトバンクグループ㈱への配当に対する源泉所得税245,053百万円を納付しました。 |
D 売却目的保有に分類された資産に直接関連する負債 | 前期末にBoston Dynamics, Inc.を売却目的保有に分類された処分グループに分類し、同社の負債を区分して表示していましたが、当第1四半期において同社の売却が完了したことに伴い、認識を中止しました。 |
非流動負債 | |
E 繰延税金負債 | ソフトバンクグループ㈱において、繰延税金負債が増加しました。 |
(別掲)連結有利子負債およびリース負債(流動負債および非流動負債の合計)
(単位:百万円)
2021年3月31日 | 2021年6月30日 | 増減 | ||
ソフトバンクグループ㈱/資金調達を行う100%子会社(注1)/SB Northstar | 12,984,650 | 13,997,677 | 1,013,027 | |
ソフトバンクグループ㈱ | 6,158,350 | 7,267,433 | 1,109,083 | |
借入金 | 1,152,934 | 1,838,718 | 685,784 | |
社債 | 4,745,549 | 5,152,873 | 407,324 | |
リース負債 | 13,367 | 13,042 | △325 | |
コマーシャル・ペーパー | 246,500 | 262,800 | 16,300 | |
資金調達を行う100%子会社(注1) | 4,959,779 | 5,305,735 | 345,956 | |
借入金 | 1,874,040 | 2,080,230 | 206,190 | |
株式先渡契約金融負債 | 3,085,739 | 3,225,505 | 139,766 | |
SB Northstar | 1,866,521 | 1,424,509 | △442,012 | |
借入金 | 1,866,521 | 1,424,509 | △442,012 | |
SVF1等SBIAの運営するファンド事業 | ||||
SVF1 | 444,227 | 444,053 | △174 | |
借入金 | 444,227 | 444,053 | △174 | |
SVF2 | - | 99,275 | 99,275 | |
借入金 | - | 99,275 | 99,275 | |
SBIA | 363 | 313 | △50 | |
リース負債 | 363 | 313 | △50 | |
ソフトバンク事業 | ||||
ソフトバンク㈱ | 4,166,323 | 4,635,959 | 469,636 | |
借入金 | 3,037,229 | 3,313,246 | 276,017 | |
社債 | 260,000 | 359,620 | 99,620 | |
リース負債 | 706,393 | 671,092 | △35,301 | |
コマーシャル・ペーパー | 162,701 | 292,001 | 129,300 | |
Zホールディングス㈱(注2) | 1,030,980 | 1,078,395 | 47,415 | |
借入金 | 442,406 | 450,500 | 8,094 | |
社債 | 543,992 | 544,074 | 82 | |
リース負債 | 44,582 | 41,321 | △3,261 | |
コマーシャル・ペーパー | - | 42,500 | 42,500 | |
その他 | 494,747 | 513,030 | 18,283 | |
その他 | ||||
その他の有利子負債 | 334,917 | 375,687 | 40,770 | |
リース負債 | 91,769 | 89,372 | △2,397 | |
合計 | 19,547,976 | 21,233,761 | 1,685,785 |
(注1)資金調達を行う100%子会社の有利子負債は、Delaware Project 6 L.L.C.の有利子負債を除き、ソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。ただし、Delaware Project 6 L.L.C.の有利子負債43.8億米ドルは例外的にソフトバンクグループ㈱が19.9億米ドルを上限に保証しています。なお、ソフトバンクグループ㈱が当該保証を履行する前提条件として、金融機関はまず当該借入れの担保に供されているアリババ株式から最大限回収を図ることが義務付けられています。
(注2)ヤフー㈱およびLINE㈱を含みます。
前期末からの主な会社別の増減理由
ソフトバンクグループ㈱/資金調達を行う100%子会社/SB Northstar
ソフトバンクグループ㈱
・2021年7月の外貨建て普通社債の発行にあたり、払込みまでの一時的な融資として2021年6月に24.0億ユーロを調達したことなどにより短期借入金が685,364百万円増加しました(当該融資による借入金は2021年7月に返済済み)。
・国内ハイブリッド社債4,050億円を発行しました。
資金調達を行う100%子会社
・アリババ株式を活用した18.8億米ドルの借入れ(マージン・ローン)を行いました。
・アリババ株式を活用した先渡売買契約のうちカラー契約の一部を28.6億米ドルで早期解約して返済した後、新たにカラー契約を締結し30.0億米ドルを借入れました。詳細は「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記12.有利子負債(1)有利子負債の内訳(注)」をご参照ください。
SB Northstar
・返済により短期借入金が441,946百万円減少しました。
SVF1等SBIAの運営するファンド事業
・SVF2が上場株式の資金化を目的とした借入れ(以下「ポートフォリオ・ファイナンシング・ファシリティー」)を活用して9.0億米ドルを調達しました。
ソフトバンク事業
ソフトバンク㈱
・債権流動化を通じた資金調達などにより、借入金が増加しました。
・国内普通社債を合計1,000億円発行しました。
・コマーシャル・ペーパーが1,293億円増加しました。
Zホールディングス㈱
・LINE㈱のコマーシャル・ペーパーが425億円増加しました。
(c)資本
(単位:百万円)
2021年 3月31日 | 2021年 6月30日 | 増減 | ||
資本金 | 238,772 | 238,772 | - | |
資本剰余金 | 2,618,504 | 2,601,097 | △17,407 | |
その他の資本性金融商品 | 496,876 | 496,876 | - | |
利益剰余金 | 8,810,422 | 7,056,602 | △1,753,820 | A |
自己株式 | △2,290,077 | △68,101 | 2,221,976 | B |
その他の包括利益累計額 | 338,329 | 400,299 | 61,970 | |
売却目的保有に分類された資産に直接関連する その他の包括利益累計額 | 267 | - | △267 | |
親会社の所有者に帰属する持分合計 | 10,213,093 | 10,725,545 | 512,452 | |
非支配持分 | 1,742,500 | 1,765,562 | 23,062 | |
資本合計 | 11,955,593 | 12,491,107 | 535,514 |
主な科目別の増減理由
科目 | 前期末からの主な増減理由 |
A 利益剰余金 | ・親会社の所有者に帰属する純利益761,509百万円を計上しました。 ・2021年5月に自己株式366,860,600株(2021年4月末の発行済株式総数に対する割合17.6%)を消却したことに伴い、2,475,817百万円(注1)を減額しました。 |
B 自己株式 | ・自己株式取得に関する2020年7月30日の取締役会決議に基づき、2021年4月1日から5月12日にかけて257,777百万円(25,980,400株)取得しました。 ・2021年5月に自己株式を消却しました。 |
(注1)消却された株式数は、2020年3月、5月、6月、7月それぞれの取締役会決議に基づく自己株式の取得(以下「本自己株式取得」)により取得された株式数と同一ですが、消却額は本自己株式取得より前に取得され保有されていた株式も含めた帳簿価額に基づいて算出されるため、本自己株式取得の取得総額とは異なります。
(2)キャッシュ・フローの状況
1.投資活動 ◆ SVF1およびSVF2 -投資 投資の取得による支出1兆4,019億円(投資活動によるキャッシュ・フロー) -資金化 ・投資の売却による収入6,467億円(投資活動によるキャッシュ・フロー) ・保有上場株式の資金化を目的とした借入れによる収入990億円(SVF2、財務活動によるキャッシュ・フロー) -分配 外部投資家に対する分配額・返還額3,467億円(SVF1、財務活動によるキャッシュ・フロー) ◆ ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド -投資の取得による支出900億円(投資活動によるキャッシュ・フロー) 2.財務活動 ◆ ソフトバンクグループ㈱がリファイナンスを目的として国内ハイブリッド社債を4,050億円発行 ◆ 資金調達を行う100%子会社がアリババ株式を活用した借入れ(マージン・ローン)により18.8億米ドルを調達したほか、同社株式を活用した先渡売買契約の一部を28.6億米ドルで早期解約して返済した一方、新たに先渡売買契約を締結し30.0億米ドルを調達 ◆ SB Northstarの担保付借入の返済により、短期有利子負債の収支(純額)は△438,221百万円 |
(単位:百万円)
6月30日に終了した3カ月間 | |||
2020年 | 2021年 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 154,024 | 507,438 | 353,414 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 1,241,103 | △975,819 | △2,216,922 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 1,415,375 | 786,091 | △629,284 |
(a)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期から353,414百万円増加しました。これは主に、法人所得税の支払額(キャッシュ・アウト・フロー)が前年同期と比べ358,758百万円増加した一方、SB Northstarが投資を売却したことなどにより、キャッシュ・イン・フローへの増加影響が735,019百万円あったことによるものです。
なお、法人所得税の支払額の増加は、当第1四半期に、前期にSBGJで発生したソフトバンク㈱株式売却益を含む課税所得に基づく法人税を支払ったほか、SBGJが行ったソフトバンクグループ㈱への配当に対する源泉所得税を納付したことなどによるものです。
(b)投資活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
科目 | 主な内容 |
投資の取得による支出 △401,944百万円 | ・WeWorkの優先株式と普通株式を公開買付けにより101,377百万円で取得しました。 ・ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドが合計8億米ドルの新規および追加の投資を行いました。 ・前期に非支配株主から取得したZホールディングス㈱とLINE㈱の経営統合により設立された新会社の株式について、未払いとなっていた同社端数株式の取得代金115,174百万円を当第1四半期に支払いました。 |
SVF1およびSVF2による投資の 取得による支出 △1,401,868百万円 | ・SVF2が合計119億米ドルの新規および追加の投資を行いました。 ・SVF1が9億米ドルの追加投資を行いました。 |
SVF1およびSVF2による投資の 売却による収入 646,663百万円 | ・SVF1が上場投資先6社の一部株式を売却しました。 ・SVF2がKE Holdingsの一部株式を売却しました。 |
有形固定資産及び無形資産の取得による支出 △176,615百万円 | ・ソフトバンク㈱が通信設備を取得しました。 ・海外で自然エネルギー発電事業を展開する子会社が、発電所建設を行いました。 |
拘束性預金の払戻による収入 359,099百万円 | 2021年4月に、前期末に計上していた拘束性預金(保有するアリババ株式を活用した複数の先渡売買契約のうち、カラー契約の一部を早期解約するための解約手続きに必要な資金として預け入れた33億米ドル)が払戻されました。なお、当該早期解約は同月に28.6億米ドルが支払われ決済されましたが、当該取引に係るキャッシュ・アウト・フローは「有利子負債の支出(財務活動によるキャッシュ・フロー)」に含めて計上されています。 |
(c)財務活動によるキャッシュ・フロー
主な科目別の内容
科目 | 主な内容 | |
短期有利子負債の収支(純額) △112,596百万円(注1) | ・SB Northstarの短期借入金が438,221百万円(純額)減少しました。 ・ソフトバンク㈱の短期借入金が166,518百万円(純額)増加しました。 | |
有利子負債の収入 2,412,744百万円 | ||
借入れによる収入 1,577,762百万円(注2) | ・ソフトバンクグループ㈱が695,754百万円の短期借入れを行いました。 ・資金調達を行う100%子会社がアリババ株式を活用して18.8億米ドルを借入れました(マージン・ローン)。 ・SVF2がポートフォリオ・ファイナンシング・ファシリティーにより9.0億米ドルを借入れました。 ・ソフトバンク㈱がコマーシャル・ペーパーにより126,400百万円を調達したほか、269,160百万円の借入れを行いました。 | |
社債発行による収入 505,130百万円 | ・ソフトバンクグループ㈱が国内ハイブリッド社債を405,000百万円発行しました。 ・ソフトバンク㈱が国内普通社債を合計100,000百万円発行しました。 | |
株式先渡売買契約に基づく資金 調達による収入 329,852百万円 | 資金調達を行う複数の当社100%子会社が、保有するアリババ株式を活用した複数の先渡売買契約を金融機関との間で締結し、総額30.0億米ドルを調達しました。 | |
有利子負債の支出 △691,384百万円 | ||
借入金の返済による支出 △377,973百万円(注2) | ・ソフトバンクグループ㈱がコマーシャル・ペーパー26,000百万円および短期借入金9,950百万円を返済しました。 ・ソフトバンク㈱がコマーシャル・ペーパー48,100百万円および借入金160,685百万円を返済しました。 | |
株式先渡売買契約の返済による 支出 △313,411百万円 | 2021年4月に、保有するアリババ株式を活用した複数の先渡売買契約のうち、カラー契約の一部を早期解約しました。当該早期解約に伴い28.6億米ドルを支払いました。 | |
SVF1における外部投資家に対する 分配額・返還額 △346,746百万円 | SVF1が、外部投資家への分配を行いました。 | |
自己株式の取得による支出 △257,780百万円 | ソフトバンクグループ㈱が、2020年7月30日の取締役会決議に基づく自己株式の取得を2021年5月12日まで行いました。 | |
非支配持分への配当金の支払額 △135,820百万円 | ソフトバンク㈱およびZホールディングス㈱が非支配株主へ配当金を支払いました。 |
(注1)短期有利子負債の収支には、IFRSにおける「純額によるキャッシュ・フローの報告」の要件を満たした財務活動によるキャッシュ・フローを記載しています。
(注2)借入れによる収入および借入金の返済による支出には、契約上の借入期間が1年以内の借入金に係る収入が946,871百万円、支出が△188,273百万円、それぞれ含まれています。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しています。この要約四半期連結財務諸表を作成するにあたり用いた重要な判断および見積りについては、「第4 経理の状況、1 要約四半期連結財務諸表、要約四半期連結財務諸表注記4.重要な判断および見積り」をご参照ください。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期における研究開発費は48,293百万円です。