有価証券報告書-第65期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況は次のとおりであります。
なお、当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。
①財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態の状況
(資産の部)
当連結会計年度末の流動資産は、730億23百万円(前連結会計年度末比30億66百万円増)となりました。これは、主として現金及び預金が25億36百万円減少した一方、売上債権が33億84百万円増加し、投資有価証券の償還期による科目振替に伴い有価証券が21億4百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は、293億97百万円(同7億85百万円減)となりました。これは、主としてレンタル&校正センターの着工による建設仮勘定が増加したこと、九州DCの移転新設に伴いマテハン投資を行ったこと等により有形固定資産が23億3百万円増加した一方、投資有価証券の償還及び科目振替により29億22百万円減少したこと等によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の流動負債は、257億64百万円(同7億29百万円減)となりました。これは、主として未払法人税等が77百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が13億62百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は、54億78百万円(同14億58百万円減)となりました。これは、主として物価上昇に伴い入居中の物流センターの原状回復費用の見積りの変更を行ったこと等により資産除去債務が4億62百万円増加した一方、長期借入金が21億22百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産は711億78百万円(同44億69百万円増)となりました。これは、主として配当金の支払いに伴い利益剰余金が46億70百万円減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益に伴う利益剰余金が91億79百万円増加したこと等によるものであります。なお、自己株式の消却(2025年5月30日付で4,400,000株、2026年3月31日付で340,000株)に伴い、純資産の減少要因となる自己株式が63億7百万円減少(純資産増)し、利益剰余金が61億40百万円減少(純資産減)しております。
ロ.経営成績の状況
当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に加え、継続的な政府の景気支援策の効果を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外では米国の通商政策の変更や中東情勢の緊迫化、国内では円安や原油高を理由とした物価上昇が進行するなど、先行き不透明な状況が続きました。
このような事業環境のもと、当社グループでは、卸売業としてのハブ機能強化やデジタル化・省人化対応による顧客利便性の向上に加え、事業領域の拡張、急速に増加する物量に対応すべく物流キャパシティの拡大や効率的な入出荷施策の実施など、各種施策に積極的に取り組みました。
主な施策
・商品データベース「SHARE-DB」上の取扱商品を1,400万点超に拡大(前期末比約160万点増)と各種販売チャネルへの展開
・サプライヤーとの間で在庫データの連携を推進しWEB上に開示する在庫を約1,800億円分まで拡大(前期 末比約150億円増)
・集中購買システム「ocean」接続先を643社に拡大(前期末比212社増、うちメディカルユーザー122社)
・販売店支援型ECシステム「Wave」へのユーザー登録数を23,965に拡大(前期末比2,933増)
・九州DCを福岡県古賀市へ移転新設、延床面積を2,560坪に拡張し新設備導入(延床面積従来比2.6倍)
・新たな検索エンジン「AXEL2.0」をリリースし、サイト検索性を大幅改善
この結果、連結売上高は16期連続増収の1,106億98百万円(前期比6.7%増)となりました。
<中期経営計画「FY2025-27」における主要売上施策の進捗状況>中期経営計画で掲げる重点売上施策は以下のとおりとなりました。
(チャネル軸)
eコマースにつきましては、売上高は382億59百万円(同12.8%増)となりました。ネット通販事業者向けや「AXEL Shop」等のオープンサイト系ECチャネルでは、前年第1四半期に特殊要因により高い伸張を示した一部チャネルでの反動減やネット通販事業者のランサムウェア被害の影響が見られたものの、掲載商品の拡大や各種施策の実施等により、売上高は189億15百万円(同14.4%増)となりました。また、大手ユーザー向け集中購買システム「ocean」や販売店支援型ECシステム「Wave」といったクローズドサイト系ECチャネルでは、掲載商品の拡大、新規アカウントの増加及び既存ユーザーに対する利用拡大の提案活動等により、売上高は193億43百万円(同11.2%増)となりました。
(プロダクト軸)
※取扱商品のうち紙面カタログに掲載しているものを除いた、WEB上単独で紹介しているロングテール商品群です。
サービスにつきましては、レンタルが売上高7億22百万円(同13.8%増)、機器の精度を確認する校正サービスが売上高14億74百万円(同4.2%増)と伸長しました。WEB単独品については試薬、素材、電子材料等のラインナップを増やし、売上高225億30百万円(同13.4%増)と堅調に推移しました。また、オリジナル品については、有名メーカーとのダブルブランドOEM品の投入等での品揃え強化と販促を図り、売上高は357億21百万円(同6.8%増)となりました。
(ご参考)現中期経営計画における重点施策ではありませんが、継続性の観点から記載するものです。
※海外事業の約6割は中国現地法人の売上ですが、同法人事業年度が1~12月のため、連結会計年度には現地における1~12月の売上高を連結しております。
収益性については、ロングテール商品や輸入品の粗利率の改善などの取り組みの結果、売上総利益率は30.2%と前年並みを維持し、売上総利益額は前年を上回りました。
販売費及び一般管理費は206億27百万円(同4.6%増)となりました。九州DC移転新設に伴う開設費用及び倉庫賃借料の増加、賃上げ及び積極的な人材採用により人件費が増加した一方、物流関連のデータ分析等諸施策により運賃及び倉庫作業料の増加を抑制できたこと、カタログ制作費の抑制で広告宣伝費が減少したこと等により、売上高販管費率は18.6%と前年同期と比べ0.4ポイント低減することができました。
以上の結果、連結各利益は以下のとおり、それぞれ過去最高を更新しました。
・営業利益:128億38百万円(同10.7%増)
・経常利益:132億28百万円(同9.6%増)
・親会社株主に帰属する当期純利益:91億79百万円(同11.5%増)
年間配当金につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益より特別損益の影響を除いた額を基準として基準額の50%以上を配当する方針を踏まえ、15期連続増配となる65円(中間配当金31円、期末配当金34円)といたしました。また、当連結会計年度中には403,900株(約10億円)の自己株式の取得を実施し、併せて4,740,000株の自己株式の消却を実施しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、投資活動による資金支出及び財務活動による資金支出が営業活動による資金収入を上回り、前連結会計年度末に比べ40億40百万円減少し、149億90百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、64億69百万円の資金収入で、前連結会計年度に比べ収入が28億42百万円減少しました。主として、税金等調整前当期純利益が13億56百万円増加したこと、棚卸資産の増加額が5億11百万円減少したことにより収入が増加した一方、売上債権の増減額45億26百万円と、法人税等の支払額の増加(8億19百万円)により収入が減少しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、24億74百万円の資金支出(前連結会計年度は8億50百万円の資金収入)となりました。この支出の増加は、主として定期預金の預入・払戻の収支により17億37百万円、有形・無形の固定資産の取得により9億63百万円それぞれ支出が増加したこと、投資有価証券の償還・取得の収支により3億88百万円収入が減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、80億55百万円の資金支出で、前連結会計年度に比べ支出が73億96百万円増加しました。この支出の増加は、主として長期借入金の返済・借入の収支により60億19百万円、自己株式の取得により12億52百万円それぞれ支出が増加したこと等によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
a.各指標の算出方法は以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
b.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
c.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(期末自己株式数控除後)により算出しております。
d.営業キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
e.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
f.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③生産、受注及び販売の状況
当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。売上高における生産実績、部門別販売実績、品目別販売実績は以下のとおりです。
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績は、無塵化洗浄加工商品及びプラスチック容器の生産実績であり、10億53百万円(前期比18.5%増)となりました。
ロ.受注実績
当社グループの事業内容は、当日出荷を基本とする事業の性格上、受注実績と販売実績に特筆すべき差が生じないため、当該記載を省略しております。
ハ.部門別販売実績
当連結会計年度の販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) その他は株式会社トライアンフ・ニジュウイチのシステム利用料売上等であります。
a.ラボ・インダストリー部門
大学、研究機関及び企業の研究部門等を対象とするラボラトリー分野では、トランプ関税の影響を見極めようとする輸出企業を中心に研究開発投資を手控える傾向が見られたことから、期初予算に対してやや弱含みのスタートとなりました。一方、日米関税交渉が合意に至り、3月決算企業による今期業績見通しの上方修正が相次いだ秋ごろより企業の購買活動が活発化し、ネット通販事業者向けECの伸長や期末に多い高額機器類の順調な販売も手伝い、好調に推移しました。その結果、当分野の売上高は693億87百万円(同8.6%増)となりました。
製造現場等を対象とするインダストリー分野では、日本各地に半導体工場が建設されていることも追い風となり、クリーンルーム消耗品・備品、電材用品、衛生管理用品、計測・測定機器等多方面で売上が伸長し、当分野の売上高は237億98百万円(同7.3%増)となりました。
以上の結果から、当部門の売上高合計は931億85百万円(同8.3%増)となりました。
b.メディカル部門
医療機関や介護施設等を対象とするメディカル部門では、資材や光熱費の高騰、医師の働き方改革による人件費の増加など医療を取り巻く厳しい経営環境を背景に、病院を中心に経費節減・購買抑制の動きから特に備品等の耐久品の引き合いの軟化傾向が続きました。一方、消耗品類を中心とする単価の低い商材の動きは昨年秋ごろより前年を上回って推移し、中東情勢が緊迫化した以降は、手袋類をはじめとするプラスチック系の消耗品を中心に受注が急増しました。こうした状況の中、新規開業を行う病院やクリニックに対する営業活動、購買及び在庫管理の効率化に向けた商品・仕組みの提案、再生医療向けのCPC(細胞培養加工施設)施工案件の受注活動にも注力した結果、当部門の売上高は169億25百万円(同1.0%減)となりました。
c.その他
連結対象会社の株式会社トライアンフ・ニジュウイチは「OffSide」システム等により理化学機器・消耗品等のWEB購買業務代行サービスやシステム提供を行っております。一部製薬会社の購買抑制の影響を受けた結果、システム利用料を中心とする当部門の売上高は5億87百万円(同0.7%減)となりました。
ニ.品目別販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注) その他は株式会社トライアンフ・ニジュウイチのシステム利用料売上等であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在にて判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。当連結会計年度においては、ラボ・インダストリー部門が前期比8.3%増、メディカル部門が1.0%減で推移し、連結売上高は同6.7%増の1,106億98百万円と16期連続の増収を達成いたしました。また、増収と販売費及び一般管理費の抑制により、営業利益128億38百万円(同10.7%増)、経常利益132億28百万円(同9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益91億79百万円(同11.5%増)と、過去最高益を更新しました。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
ラボ・インダストリー部門においては、大学や公的研究機関における研究開発予算の動向や、民間企業の研究開発投資・設備投資および生産活動の状況など、景況の変化や政策動向の影響を受けます。また、我が国における人口動態の変化により、研究開発の担い手不足や国内製造業の生産活動の縮小が生じた場合、当社の売上に影響を及ぼす可能性があります。
一方で、当社グループは、膨大な品揃え、バラ売り、当日発送、システム連携およびEC連携等を通じて、顧客の購買業務の効率化・高度化に資する仕組みを提供しており、DX推進やリモート化の進展を背景に、その利用価値は一層高まっております。特に、研究機器分野における幅広い商品ラインナップと物流機能、IT基盤を融合した当社のビジネスモデルは競争優位性を有しており、eコマース型集中購買システム「ocean」および販売店向けEC支援システム「Wave」の利用拡大を通じて、顧客のウォレットシェア向上に寄与しております。こうしたDXソリューションの提供は、景気変動下においても顧客の業務効率化ニーズに応えることで、当社事業の安定性および成長性の両面に資するものと考えております。
また、当社グループは米国への直接輸出の比率が低く、通商政策による直接的な影響は限定的であるものの、国際情勢の変化や貿易摩擦等により国内製造業の業績が悪化した場合には、インダストリー分野を中心に間接的な需要減退の影響を受ける可能性があります。他方、研究開発需要は大学・公的機関および民間企業双方に支えられており、景気変動の影響を比較的受けにくい側面を有することから、ラボラトリー分野はインダストリー分野に比して影響が相対的に限定される傾向にあります。
メディカル部門においては、医師の働き方改革に伴う残業規制、人手不足や地域偏在、ならびに国民医療費の抑制を背景とした診療報酬・薬価の改定等の政策動向により、医療機関の経営環境は厳しさを増しております。これらの要因により医療機関の設備投資や物品調達が抑制された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。一方で、高齢化の進展に伴い医療関連需要は中長期的に拡大が見込まれることに加え、医療機関における業務効率化ニーズの高まりを背景として、当社が提供する集中購買システムや在庫管理機能の付加価値は一層高まるものと認識しております。
以上のとおり、当社グループは外部環境の変化に伴うリスクに晒されているものの、DXを活用した購買ソリューションの提供や事業領域の拡大を通じて、リスクの低減と成長機会の取り込みに努めております。
なお、上記のほか、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等
当社グループは中期経営計画「FY2025-27」を公表しており、売上高、営業利益率、ROEの3項目を指標目標としております。同計画(2025年4月~2028年3月)の初年度である当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の達成状況は以下のとおりです。
中期経営計画期間(2025年4月~2028年3月)の達成状況
売上高は前年比6.7%増、営業利益は同10.7%増となりました。また、ROEは中期経営計画目標を上回りました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度においては、建物、物流設備、情報機器、レンタル品及びソフトウエア等の設備投資に27億円支出し、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載の配当方針の下、前連結会計年度の期末配当金及び当連結会計年度の中間配当金の支払として46億円支出し、長期借入金24億円を返済しました。
これらの資金は、営業キャッシュ・フロー64億円により賄い、現金及び現金同等物の期末残高は149億円で、前連結会計年度末比40億円減少しました。
b.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、情報機器や物流機器等の設備投資、システム投資、M&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することが重要と考えております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等に関しては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は48億円、現金及び預金の残高は200億円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、以下の事象については、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと認識しております。
・繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的に見積もっております。将来において、課税所得が予想を下回った場合は、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況は次のとおりであります。
なお、当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。
①財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態の状況
(資産の部)
当連結会計年度末の流動資産は、730億23百万円(前連結会計年度末比30億66百万円増)となりました。これは、主として現金及び預金が25億36百万円減少した一方、売上債権が33億84百万円増加し、投資有価証券の償還期による科目振替に伴い有価証券が21億4百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は、293億97百万円(同7億85百万円減)となりました。これは、主としてレンタル&校正センターの着工による建設仮勘定が増加したこと、九州DCの移転新設に伴いマテハン投資を行ったこと等により有形固定資産が23億3百万円増加した一方、投資有価証券の償還及び科目振替により29億22百万円減少したこと等によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の流動負債は、257億64百万円(同7億29百万円減)となりました。これは、主として未払法人税等が77百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が13億62百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は、54億78百万円(同14億58百万円減)となりました。これは、主として物価上昇に伴い入居中の物流センターの原状回復費用の見積りの変更を行ったこと等により資産除去債務が4億62百万円増加した一方、長期借入金が21億22百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産は711億78百万円(同44億69百万円増)となりました。これは、主として配当金の支払いに伴い利益剰余金が46億70百万円減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益に伴う利益剰余金が91億79百万円増加したこと等によるものであります。なお、自己株式の消却(2025年5月30日付で4,400,000株、2026年3月31日付で340,000株)に伴い、純資産の減少要因となる自己株式が63億7百万円減少(純資産増)し、利益剰余金が61億40百万円減少(純資産減)しております。
ロ.経営成績の状況
当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に加え、継続的な政府の景気支援策の効果を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外では米国の通商政策の変更や中東情勢の緊迫化、国内では円安や原油高を理由とした物価上昇が進行するなど、先行き不透明な状況が続きました。
このような事業環境のもと、当社グループでは、卸売業としてのハブ機能強化やデジタル化・省人化対応による顧客利便性の向上に加え、事業領域の拡張、急速に増加する物量に対応すべく物流キャパシティの拡大や効率的な入出荷施策の実施など、各種施策に積極的に取り組みました。
主な施策
・商品データベース「SHARE-DB」上の取扱商品を1,400万点超に拡大(前期末比約160万点増)と各種販売チャネルへの展開
・サプライヤーとの間で在庫データの連携を推進しWEB上に開示する在庫を約1,800億円分まで拡大(前期 末比約150億円増)
・集中購買システム「ocean」接続先を643社に拡大(前期末比212社増、うちメディカルユーザー122社)
・販売店支援型ECシステム「Wave」へのユーザー登録数を23,965に拡大(前期末比2,933増)
・九州DCを福岡県古賀市へ移転新設、延床面積を2,560坪に拡張し新設備導入(延床面積従来比2.6倍)
・新たな検索エンジン「AXEL2.0」をリリースし、サイト検索性を大幅改善
この結果、連結売上高は16期連続増収の1,106億98百万円(前期比6.7%増)となりました。
<中期経営計画「FY2025-27」における主要売上施策の進捗状況>中期経営計画で掲げる重点売上施策は以下のとおりとなりました。
(チャネル軸)
| 2025年度の 期初目標 (百万円) | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (百万円) | 前期比 (%) | 期初目標比 (%) | |
| eコマース | 39,432 | 33,926 | 38,259 | 112.8 | 97.0 |
eコマースにつきましては、売上高は382億59百万円(同12.8%増)となりました。ネット通販事業者向けや「AXEL Shop」等のオープンサイト系ECチャネルでは、前年第1四半期に特殊要因により高い伸張を示した一部チャネルでの反動減やネット通販事業者のランサムウェア被害の影響が見られたものの、掲載商品の拡大や各種施策の実施等により、売上高は189億15百万円(同14.4%増)となりました。また、大手ユーザー向け集中購買システム「ocean」や販売店支援型ECシステム「Wave」といったクローズドサイト系ECチャネルでは、掲載商品の拡大、新規アカウントの増加及び既存ユーザーに対する利用拡大の提案活動等により、売上高は193億43百万円(同11.2%増)となりました。
(プロダクト軸)
| 2025年度の 期初目標 (百万円) | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (百万円) | 前期比 (%) | 期初目標比 (%) | |
| サービス | 4,267 | 4,004 | 3,922 | 98.0 | 91.9 |
| WEB単独品※ | 23,870 | 19,865 | 22,530 | 113.4 | 94.4 |
| オリジナル品 | 35,777 | 33,446 | 35,721 | 106.8 | 99.8 |
※取扱商品のうち紙面カタログに掲載しているものを除いた、WEB上単独で紹介しているロングテール商品群です。
サービスにつきましては、レンタルが売上高7億22百万円(同13.8%増)、機器の精度を確認する校正サービスが売上高14億74百万円(同4.2%増)と伸長しました。WEB単独品については試薬、素材、電子材料等のラインナップを増やし、売上高225億30百万円(同13.4%増)と堅調に推移しました。また、オリジナル品については、有名メーカーとのダブルブランドOEM品の投入等での品揃え強化と販促を図り、売上高は357億21百万円(同6.8%増)となりました。
(ご参考)現中期経営計画における重点施策ではありませんが、継続性の観点から記載するものです。
| 2025年度の 期初目標 (百万円) | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (百万円) | 前期比 (%) | 期初目標比 (%) | |
| 海外事業 ※ | 6,219 | 5,609 | 6,503 | 115.9 | 104.6 |
※海外事業の約6割は中国現地法人の売上ですが、同法人事業年度が1~12月のため、連結会計年度には現地における1~12月の売上高を連結しております。
収益性については、ロングテール商品や輸入品の粗利率の改善などの取り組みの結果、売上総利益率は30.2%と前年並みを維持し、売上総利益額は前年を上回りました。
販売費及び一般管理費は206億27百万円(同4.6%増)となりました。九州DC移転新設に伴う開設費用及び倉庫賃借料の増加、賃上げ及び積極的な人材採用により人件費が増加した一方、物流関連のデータ分析等諸施策により運賃及び倉庫作業料の増加を抑制できたこと、カタログ制作費の抑制で広告宣伝費が減少したこと等により、売上高販管費率は18.6%と前年同期と比べ0.4ポイント低減することができました。
以上の結果、連結各利益は以下のとおり、それぞれ過去最高を更新しました。
・営業利益:128億38百万円(同10.7%増)
・経常利益:132億28百万円(同9.6%増)
・親会社株主に帰属する当期純利益:91億79百万円(同11.5%増)
年間配当金につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益より特別損益の影響を除いた額を基準として基準額の50%以上を配当する方針を踏まえ、15期連続増配となる65円(中間配当金31円、期末配当金34円)といたしました。また、当連結会計年度中には403,900株(約10億円)の自己株式の取得を実施し、併せて4,740,000株の自己株式の消却を実施しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、投資活動による資金支出及び財務活動による資金支出が営業活動による資金収入を上回り、前連結会計年度末に比べ40億40百万円減少し、149億90百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、64億69百万円の資金収入で、前連結会計年度に比べ収入が28億42百万円減少しました。主として、税金等調整前当期純利益が13億56百万円増加したこと、棚卸資産の増加額が5億11百万円減少したことにより収入が増加した一方、売上債権の増減額45億26百万円と、法人税等の支払額の増加(8億19百万円)により収入が減少しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、24億74百万円の資金支出(前連結会計年度は8億50百万円の資金収入)となりました。この支出の増加は、主として定期預金の預入・払戻の収支により17億37百万円、有形・無形の固定資産の取得により9億63百万円それぞれ支出が増加したこと、投資有価証券の償還・取得の収支により3億88百万円収入が減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、80億55百万円の資金支出で、前連結会計年度に比べ支出が73億96百万円増加しました。この支出の増加は、主として長期借入金の返済・借入の収支により60億19百万円、自己株式の取得により12億52百万円それぞれ支出が増加したこと等によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 68.7 | 65.5 | 67.3 | 66.5 | 69.4 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 281.7 | 208.3 | 198.5 | 165.8 | 153.4 |
| キャッシュ・フロー対有利子 負債比率(年) | 0.4 | 0.9 | 0.6 | 0.8 | 0.8 |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 3,033.1 | 2,532.6 | 1,379.7 | 2,258.1 | 163.7 |
a.各指標の算出方法は以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
b.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
c.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(期末自己株式数控除後)により算出しております。
d.営業キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
e.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
f.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③生産、受注及び販売の状況
当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。売上高における生産実績、部門別販売実績、品目別販売実績は以下のとおりです。
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績は、無塵化洗浄加工商品及びプラスチック容器の生産実績であり、10億53百万円(前期比18.5%増)となりました。
ロ.受注実績
当社グループの事業内容は、当日出荷を基本とする事業の性格上、受注実績と販売実績に特筆すべき差が生じないため、当該記載を省略しております。
ハ.部門別販売実績
当連結会計年度の販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
| 部門 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (百万円) | 前期比 (%) | 計画比 (%) | |
| ラボ・インダストリー部門 | 86,067 | 93,185 | 108.3 | 101.0 | |
| ラボラトリー分野 | 63,888 | 69,387 | 108.6 | 101.7 | |
| インダストリー分野 | 22,178 | 23,798 | 107.3 | 99.1 | |
| メディカル部門 | 17,093 | 16,925 | 99.0 | 105.3 | |
| その他 | 591 | 587 | 99.3 | 102.6 | |
| 合計 | 103,751 | 110,698 | 106.7 | 101.7 | |
(注) その他は株式会社トライアンフ・ニジュウイチのシステム利用料売上等であります。
a.ラボ・インダストリー部門
大学、研究機関及び企業の研究部門等を対象とするラボラトリー分野では、トランプ関税の影響を見極めようとする輸出企業を中心に研究開発投資を手控える傾向が見られたことから、期初予算に対してやや弱含みのスタートとなりました。一方、日米関税交渉が合意に至り、3月決算企業による今期業績見通しの上方修正が相次いだ秋ごろより企業の購買活動が活発化し、ネット通販事業者向けECの伸長や期末に多い高額機器類の順調な販売も手伝い、好調に推移しました。その結果、当分野の売上高は693億87百万円(同8.6%増)となりました。
製造現場等を対象とするインダストリー分野では、日本各地に半導体工場が建設されていることも追い風となり、クリーンルーム消耗品・備品、電材用品、衛生管理用品、計測・測定機器等多方面で売上が伸長し、当分野の売上高は237億98百万円(同7.3%増)となりました。
以上の結果から、当部門の売上高合計は931億85百万円(同8.3%増)となりました。
b.メディカル部門
医療機関や介護施設等を対象とするメディカル部門では、資材や光熱費の高騰、医師の働き方改革による人件費の増加など医療を取り巻く厳しい経営環境を背景に、病院を中心に経費節減・購買抑制の動きから特に備品等の耐久品の引き合いの軟化傾向が続きました。一方、消耗品類を中心とする単価の低い商材の動きは昨年秋ごろより前年を上回って推移し、中東情勢が緊迫化した以降は、手袋類をはじめとするプラスチック系の消耗品を中心に受注が急増しました。こうした状況の中、新規開業を行う病院やクリニックに対する営業活動、購買及び在庫管理の効率化に向けた商品・仕組みの提案、再生医療向けのCPC(細胞培養加工施設)施工案件の受注活動にも注力した結果、当部門の売上高は169億25百万円(同1.0%減)となりました。
c.その他
連結対象会社の株式会社トライアンフ・ニジュウイチは「OffSide」システム等により理化学機器・消耗品等のWEB購買業務代行サービスやシステム提供を行っております。一部製薬会社の購買抑制の影響を受けた結果、システム利用料を中心とする当部門の売上高は5億87百万円(同0.7%減)となりました。
ニ.品目別販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (百万円) | 前期比 (%) | |
| 科学機器・装置 | ||||
| 汎用科学機器・装置 | 11,122 | 11,476 | 103.1 | |
| 分析、特殊機器・装置 | 20,834 | 22,942 | 110.1 | |
| 物理、物性測定機器・装置 | 5,893 | 6,353 | 107.8 | |
| 実験用設備機器 | 14,653 | 15,879 | 108.4 | |
| 小計 | 52,504 | 56,650 | 107.9 | |
| 科学器具・消耗品 | ||||
| 汎用器具・消耗品 | 24,498 | 26,323 | 107.5 | |
| 半導体関係特殊器具 | 9,736 | 10,270 | 105.5 | |
| 小計 | 34,235 | 36,593 | 106.9 | |
| 看護・介護用品 | 16,421 | 16,865 | 102.7 | |
| その他 | 591 | 587 | 99.3 | |
| 合計 | 103,751 | 110,698 | 106.7 | |
(注) その他は株式会社トライアンフ・ニジュウイチのシステム利用料売上等であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在にて判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。当連結会計年度においては、ラボ・インダストリー部門が前期比8.3%増、メディカル部門が1.0%減で推移し、連結売上高は同6.7%増の1,106億98百万円と16期連続の増収を達成いたしました。また、増収と販売費及び一般管理費の抑制により、営業利益128億38百万円(同10.7%増)、経常利益132億28百万円(同9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益91億79百万円(同11.5%増)と、過去最高益を更新しました。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
ラボ・インダストリー部門においては、大学や公的研究機関における研究開発予算の動向や、民間企業の研究開発投資・設備投資および生産活動の状況など、景況の変化や政策動向の影響を受けます。また、我が国における人口動態の変化により、研究開発の担い手不足や国内製造業の生産活動の縮小が生じた場合、当社の売上に影響を及ぼす可能性があります。
一方で、当社グループは、膨大な品揃え、バラ売り、当日発送、システム連携およびEC連携等を通じて、顧客の購買業務の効率化・高度化に資する仕組みを提供しており、DX推進やリモート化の進展を背景に、その利用価値は一層高まっております。特に、研究機器分野における幅広い商品ラインナップと物流機能、IT基盤を融合した当社のビジネスモデルは競争優位性を有しており、eコマース型集中購買システム「ocean」および販売店向けEC支援システム「Wave」の利用拡大を通じて、顧客のウォレットシェア向上に寄与しております。こうしたDXソリューションの提供は、景気変動下においても顧客の業務効率化ニーズに応えることで、当社事業の安定性および成長性の両面に資するものと考えております。
また、当社グループは米国への直接輸出の比率が低く、通商政策による直接的な影響は限定的であるものの、国際情勢の変化や貿易摩擦等により国内製造業の業績が悪化した場合には、インダストリー分野を中心に間接的な需要減退の影響を受ける可能性があります。他方、研究開発需要は大学・公的機関および民間企業双方に支えられており、景気変動の影響を比較的受けにくい側面を有することから、ラボラトリー分野はインダストリー分野に比して影響が相対的に限定される傾向にあります。
メディカル部門においては、医師の働き方改革に伴う残業規制、人手不足や地域偏在、ならびに国民医療費の抑制を背景とした診療報酬・薬価の改定等の政策動向により、医療機関の経営環境は厳しさを増しております。これらの要因により医療機関の設備投資や物品調達が抑制された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。一方で、高齢化の進展に伴い医療関連需要は中長期的に拡大が見込まれることに加え、医療機関における業務効率化ニーズの高まりを背景として、当社が提供する集中購買システムや在庫管理機能の付加価値は一層高まるものと認識しております。
以上のとおり、当社グループは外部環境の変化に伴うリスクに晒されているものの、DXを活用した購買ソリューションの提供や事業領域の拡大を通じて、リスクの低減と成長機会の取り込みに努めております。
なお、上記のほか、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等
当社グループは中期経営計画「FY2025-27」を公表しており、売上高、営業利益率、ROEの3項目を指標目標としております。同計画(2025年4月~2028年3月)の初年度である当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の達成状況は以下のとおりです。
中期経営計画期間(2025年4月~2028年3月)の達成状況
| 指標 | 中期経営計画 | 当連結会計年度 (実績) |
| 売上高 | 1,300億円 | 1,106億円 |
| 営業利益 | 148億円 | 128億円 |
| 営業利益率 | 11.4% | 11.6% |
| ROE | 13.0%以上 | 13.3% |
売上高は前年比6.7%増、営業利益は同10.7%増となりました。また、ROEは中期経営計画目標を上回りました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度においては、建物、物流設備、情報機器、レンタル品及びソフトウエア等の設備投資に27億円支出し、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載の配当方針の下、前連結会計年度の期末配当金及び当連結会計年度の中間配当金の支払として46億円支出し、長期借入金24億円を返済しました。
これらの資金は、営業キャッシュ・フロー64億円により賄い、現金及び現金同等物の期末残高は149億円で、前連結会計年度末比40億円減少しました。
b.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、情報機器や物流機器等の設備投資、システム投資、M&A等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することが重要と考えております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等に関しては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は48億円、現金及び預金の残高は200億円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、以下の事象については、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと認識しております。
・繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的に見積もっております。将来において、課税所得が予想を下回った場合は、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。