訂正有価証券報告書-第50期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2024/05/28 10:12
【資料】
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【項目】
169項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況及び分析の内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況及び分析
(単位:百万円)
2022年3月期2023年3月期増減額増減率
売上高398,366406,4498,0822.0%
営業利益1,7749,8798,104456.7%
経常利益又は経常損失(△)△2,1516,5268,678-%
親会社株主に帰属する当期純利益11,85419,8107,95667.1%

当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進む一方で、エネルギーや原材料価格の高騰などの影響により、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移しました。
貸家の新設着工戸数は2年連続の増加(前年度比5.0%増)となりましたが、人口減少・少子高齢化により空き家数の増加が続く中で安定した入居率を確保するには、今後も増加が予想される単独世帯をターゲットとして、地域や顧客の特性に合った販売戦略、適切なメンテナンスによる物件価値の維持・向上、電子化の推進による利便性の高い入居者サービスの提供等を進めていくことが重要と考えております。
このような状況の中、当社グループは、2020年6月に公表した抜本的構造改革を継続し、選択と集中により中核事業である賃貸事業に経営資源を投入するとともに、あらゆるコストの見直しと削減を徹底して実行することにより、事業面及び財務面での安定化と持続的な収支の改善に取り組んでまいりました。
① 売上高
売上高は、前連結会計年度比8,082百万円(2.0%)増加の406,449百万円となりました。これは主に、家賃単価の上昇や入居率のベースアップにより、賃貸事業売上高が前連結会計年度比8,394百万円(2.2%)増加の391,438百万円となったことによるものであります。
② 売上総利益
売上総利益は、前連結会計年度比7,208百万円(15.6%)増加の53,285百万円、売上総利益率は13.1%(前連結会計年度比1.5ポイント上昇)となりました。これは主に、前期から取り組んできた一括借上家賃適正化による固定費削減で、賃貸事業売上原価が206百万円減少したことによるものであります。
③ 営業利益
営業利益は、前連結会計年度比8,104百万円(456.7%)増加の9,879百万円となりました。これは主に、業績連動賞与の計上等により給料及び賞与が1,776百万円増加した一方で、貸倒引当金繰入額が1,282百万円、ソフトウエアの償却終了等により減価償却費が1,114百万円それぞれ減少したこと等により、販売費及び一般管理費が前連結会計年度比895百万円(2.0%)減少したことによるものであります。なお、売上高営業利益率は2.4%(前連結会計年度比2.0ポイント改善)となりました。

④ 経常利益
経常利益は、6,526百万円(前連結会計年度は経常損失2,151百万円)となりました。これは主に、支払利息4,370百万円を計上したものの、売上増加とコスト抑制により営業利益が大幅に改善したことによるものであります。なお、売上高経常利益率は1.6%(前連結会計年度比2.1ポイント改善)となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比7,956百万円(67.1%)増加の19,810百万円となりました。
これは主に、資材価格の高騰や2024年末までの明らかな不備解消に向けた外注工事比率の上昇等を受けて補修工事関連損失2,544百万円を計上したものの、繰延税金資産の積み増しにより法人税等調整額(益)18,538百万円を計上したこと等によるものです。
なお、1株当たり当期純利益は60.22円(前連結会計年度比24.18円増加)となりました。
(セグメント別の経営成績の状況及び分析)
(単位:百万円)
売上高営業利益
前期当期増減額前期当期増減額
賃貸事業383,043391,4388,3947,71916,8879,167
シルバー事業14,25813,941△ 317△789△ 1,208△ 418
その他事業1,0641,0695△1,668△ 2,706△ 1,038
調整額---△3,486△ 3,092394
合計398,366406,4498,0821,7749,8798,104

① 賃貸事業
賃貸事業においては、部屋探しから契約までが非対面で完結可能なWEB契約、スマートフォンでの家電操作や施錠が可能なスマートアパート化の推進、法人顧客の深耕開拓、仲介業者の活用、顧客やエリアの特性・ニーズに合わせたきめ細やかな販売戦略の展開等により安定した入居率の確保を図るとともに、販売単価の見直し等による採算性の向上に努めております。
当連結会計年度の入居率については、新型コロナウイルス感染症の影響で、法人顧客を中心に抑制されていた入居需要の回復や各種施策の奏功により、期末入居率は88.83%(前期末比+3.73ポイント)、期中平均入居率は84.66%(前期比+3.44ポイント)となりました。なお、管理戸数は561千戸(前期末比6.0千戸減)、直営店舗数は109店(前期末比増減なし)としております。
損益面については、家賃単価の上昇や入居率のベースアップ等により、当連結会計年度の売上高は391,438百万円(前連結会計年度比2.2%増)、営業利益は、増収効果に加えて、前期から取り組んできた一括借上家賃の適正化が寄与して収益性が向上したこと等により、16,887百万円(前連結会計年度比118.8%増)となりました。

② シルバー事業
シルバー事業においては、継続的なオペレーション改善により原価抑制に努めておりますが、新型コロナウイルス感染症への感染リスクを懸念した介護サービスの利用控えが継続したこと等により、売上高13,941百万円(前連結会計年度比2.2%減)、営業損失1,208百万円(前連結会計年度比418百万円損失増加)となりました。なお、当連結会計年度末の施設数は87施設となっております。
③ その他事業
グアムリゾート施設の運営等を行っているその他事業は、新型コロナウイルス感染症の影響によるリゾート施設の稼働率低迷が続いており、売上高は1,069百万円(円安影響により前連結会計年度比0.5%増加)、営業損失は2,706百万円(前連結会計年度比1,038百万円損失増加)となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
賃貸事業1,283△58.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.生産実績の著しい変動は、主に子会社であった株式会社もりぞうの売却によるものであります。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称総受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
賃貸事業394△85.93,257△46.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記以外の事業につきましては、受注の形態を取っておりませんので記載しておりません。
3.受注実績の著しい変動は、主に子会社であった株式会社もりぞうの売却によるものであります。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
賃貸事業391,4382.2
シルバー事業13,941△2.2
その他事業1,0690.5
合計406,4492.0

(注)1.当社グループの相手先は不特定の法人・個人であるため、主要な販売先の記載は省略しております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 財政状態の状況及び分析
(単位:百万円)
2022年3月期2023年3月期増減額増減率
資産145,430166,54821,11714.5%
負債134,396133,625△770△0.6%
純資産11,03432,92221,888198.4%

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末比21,117百万円増加の166,548百万円となりました。これは主に機械装置及び運搬具(純額)が937百万円、有形固定資産その他(純額)が2,209百万円それぞれ減少し、貸倒引当金が1,635百万円増加した一方、現金及び預金が8,037百万円、繰延税金資産が18,556百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末比770百万円減少の133,625百万円となりました。これは主に未払金が3,550百万円、前受金及び長期前受金が1,648百万円増加した一方、未払法人税等が852百万円、保証履行引当金が1,583百万円、補修工事関連損失引当金が503百万円、空室損失引当金が2,042百万円それぞれ減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末比21,888百万円増加の32,922百万円となりました。これは主に連結子会社における非支配株主への自己株式取得代金及び配当金の支払等による非支配株主持分の減少1,086百万円があった一方、円安の進行に伴う為替換算調整勘定の増加3,371百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上19,810百万円があったことによるものであります。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末比13.8ポイント上昇し14.5%となりました。

(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(単位:百万円)
2022年3月期2023年3月期増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー△4,46010,54515,006
投資活動によるキャッシュ・フロー88690620
財務活動によるキャッシュ・フロー△5,886△2,8193,067
現金及び現金同等物残高44,02352,8608,837

営業活動によるキャッシュ・フローは、10,545百万円の収入(前連結会計年度は4,460百万円の支出)となりました。これは主に、空室損失引当金の減少額が2,042百万円、利息の支払額が4,371百万円、補修工事関連支払額が3,337百万円となった一方、税金等調整前当期純利益が2,847百万円、減価償却費が6,570百万円、補修工事関連損失が2,544百万円、前受金の増加額が1,680百万円となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、906百万円の収入(前連結会計年度比20百万円の収入増加)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出が711百万円あった一方、貸付金の回収による収入が700百万円、定期預金の払戻による収入(純額)が800百万円あったことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,819百万円の支出(前連結会計年度比3,067百万円の支出減少)となりました。これは主に、ファイナンス・リース債務の返済による支出741百万円、連結子会社における非支配株主からの自己株式取得による支出990百万円、非支配株主への配当金の支払額972百万円によるものであります。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は52,860百万円となり、前連結会計年度末比8,837百万円増加いたしました。フリーキャッシュ・フローは11,452百万円のプラス(前連結会計年度末比15,026百万円改善)となり、資金の流動性は確実に向上しております。
(契約債務)
2023年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
年度別要支払額(百万円)
契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超
長期借入金30,4185930,161197
リース債務1,4311,1552678

(財務政策)
当社グループは、設備投資計画に照らして、平常時においては、必要な資金を主に銀行借入や社債発行等により調達する方針としております。
当連結会計年度においては、新たな資金調達をすることなく、営業キャッシュ・フローの改善により事業活動に必要な資金を確保してまいりました。翌年度以降についても、不断の構造改革による賃貸事業の収益力強化並びにキャッシュ・フローの改善に努め、資金計画に基づき想定される需要に十分対応できる資金を確保してまいります。なお、2023年3月31日現在、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の残高は30,418百万円であります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。