有価証券報告書-第97期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/29 15:00
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境が改善傾向に向かい、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、通商問題を巡る動向や金融資本市場の変動の影響等に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、国内外の経済活動が抑制されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いており、当社グループを取り巻く事業環境におきましても、個人消費の多様化や節約志向などにより、厳しい情勢下にありました。
このような状況のなかで当社グループは、映像関連事業におきましては、映像4部門(映画事業・ビデオ事業・テレビ事業・コンテンツ事業)の連携強化や興行関連事業・催事関連事業の積極展開等によって収益の拡大をはかるとともに、観光不動産事業・建築内装事業の各部門におきましても堅実な営業施策の遂行に努めました。その結果、売上高は1,413億7千6百万円、営業利益は220億3百万円、経常利益は253億6千万円となり、また、特別利益として投資有価証券売却益等を、特別損失として投資有価証券評価損等を計上いたしまして、親会社株主に帰属する当期純利益は113億5千7百万円となりました。
売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
親会社株主に帰属する当期純利益
(百万円)
1株当たり
当期純利益
(円)
当連結会計年度141,37622,00325,36011,357902.74
前連結会計年度137,03822,97025,98310,816856.98
増減率(%)3.2△4.2△2.45.05.3

② 財政状態の状況
当連結会計年度末における財政状態の状況については、次のとおりです。
資産合計
(百万円)
負債合計
(百万円)
純資産合計
(百万円)
自己資本比率
(%)
1株当たり純資産
(円)
当連結会計年度末300,37977,088223,29057.913,909.16
前連結会計年度末296,29282,084214,20857.313,442.08
増減率(%)1.4△6.14.2-3.5

③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、次のとおりです。
営業活動による
キャッシュ・フロー
(百万円)
投資活動による
キャッシュ・フロー
(百万円)
財務活動による
キャッシュ・フロー
(百万円)
現金及び現金同等物の期末残高
(百万円)
当連結会計年度23,669△3,989△5,57363,680
前連結会計年度20,049△6,215△5,61949,739
増減額(百万円)3,6202,2254613,940

④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、受注生産形態をとるものも少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①経営成績の分析」における各セグメントごとの経営成績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の分析
当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は、次のとおりです。
売上高営業利益
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減率
(%)
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減率
(%)
映像関連事業93,80593,8430.019,29819,250△0.3
興行関連事業21,43021,5470.51,8761,801△4.0
催事関連事業8,1668,1820.21,1791,057△10.3
観光不動産事業6,5176,476△0.62,9002,727△6.0
建築内装事業7,11911,32659.1313124△60.3
全社・消去---△2,596△2,956-
連結計137,038141,3763.222,97022,003△4.2

[映像関連事業]
映画事業は、提携製作作品等41本を配給し、「劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』」が大ヒットを収めたのに加え、「劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer/騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」「犬鳴村」等がヒットしました。
ビデオ事業は、セル市場・レンタル市場ともに厳しい状況が続いておりますが、劇場用映画のDVD・ブルーレイディスク作品を主力として販売促進に努め、当連結会計年度はDVD、ブルーレイディスク合わせて342作品を発売いたしました。その結果、劇場用映画「劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』」「ドラゴンボール超 ブロリー」に加え、「平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」をはじめとした「仮面ライダー」シリーズのDVD・ブルーレイディスク販売が売上高に寄与しました。
テレビ事業は、各局間の激しい視聴率競争により番組編成の多様化が進むなか、受注市場は厳しい状況にありましたが、作品内容の充実と受注本数の確保に努め、当連結会計年度は60分もの「相棒」「科捜研の女」など82本、30分もの「仮面ライダージオウ」「ワンピース」「スター☆トゥインクルプリキュア」など269本、ワイド・スペシャルもの「日曜プライム 西村京太郎トラベルミステリー」など34本の計385本を製作して高率のシェアを維持し、また「騎士竜戦隊リュウソウジャー」「仮面ライダージオウ」「仮面ライダーゼロワン」などキャラクターの商品化権営業も堅調でした。
コンテンツ事業は、劇場用映画・テレビ映画等の地上波・BS・CS放映権及びビデオ化権の販売に加え、スマートフォンやタブレット端末向け配信サービスに映像ソフトの供給を行い、その結果、旧作テレビ時代劇の放映権販売、劇場用映画「ドラゴンボール超 ブロリー」等のビデオ化権販売及びAmazonプライム・ビデオをはじめとしたVOD(ビデオ・オン・デマンド)事業者向けのコンテンツ販売が好調でした。また、「東映特撮ファンクラブ」における会員数の増加が売上高に寄与しました。さらに、アニメ関連では、ゲーム化権の国内外販売が好調だった前連結会計年度の勢いには及ばなかったものの、海外での「ドラゴンボール超 ブロリー」の劇場上映権販売が好稼働しました。
そのほか、国際事業は、劇場用映画・テレビ映画・キャラクターショー等の海外販売、「宇宙戦隊キュウレンジャー」などテレビ映画の海外向け商品化権営業とともに、「Mr.&Mrs.スミス」など外国映画のテレビ放映権の輸入販売を行い、順調に推移しました。教育映像事業は、教育映像の製作配給・受注製作等を行い、2019年教育映像祭において「いじめ 心の声に気づく力」「君が、いるから」が最優秀作品賞を受賞しました。撮影所関連営業及びデジタルセンターは、劇場用映画・テレビ映画等の受注製作、部分請負等を行いました。
以上により、当セグメントの売上高は938億4千3百万円(前年度比0.0%増)、営業利益は192億5千万円(前年度比0.3%減)となりました。
[興行関連事業]
映画興行業は、㈱ティ・ジョイ運営のシネコンが好調に稼働し、東映㈱直営劇場4スクリーンを含む205スクリーン体制で展開しております。
以上により、当セグメントの売上高は215億4千7百万円(前年度比0.5%増)、営業利益は18億1百万円(前年度比4.0%減)となりました。
[催事関連事業]
当連結会計年度は、文化催事の「不思議の国のアリス展」をはじめとして、様々なジャンルの展示型イベント、ライブイベントや舞台演劇、人気キャラクターショーなど各種イベントの提供を行うとともに、映画関連商品の販売など積極的な営業活動を展開いたしました。また、東映太秦映画村は引き続き堅調に推移しました。
以上により、当セグメントの売上高は81億8千2百万円(前年度比0.2%増)、営業利益は10億5千7百万円(前年度比10.3%減)となりました。
[観光不動産事業]
不動産賃貸業は、賃料水準が上昇線を描く状況には至らず、商業施設の賃貸業においては、全体的に厳しい市場環境が続いております。当連結会計年度は、引き続き「プラッツ大泉」「オズ スタジオ シティ」「渋谷東映プラザ」「新宿三丁目イーストビル」「広島東映プラザ」等の賃貸施設が稼働いたしました。ホテル業においては、インバウンドの需要拡大に伴い、マーケットは好調を維持しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、業界環境は非常に厳しい状況に陥っております。当連結会計年度は、2019年7月に湯沢東映ホテルにおいて温浴施設を、同年11月に新潟東映ホテルにおいてステーキハウスをリニューアルするなど、収益の確保に向けて積極的な営業活動を展開いたしました。
以上により、当セグメントの売上高は64億7千6百万円(前年度比0.6%減)、営業利益は27億2千7百万円(前年度比6.0%減)となりました。
[建築内装事業]
建築内装事業では、民間設備投資は高水準の企業収益を背景に緩やかに増加し、公共投資は底堅く推移することが見込まれており、受注環境は良好な状況となりました。しかしながら、技術労働者不足や建築資材価格の高止まりなど、依然として厳しい経営環境が続いております。このような状況でありますが、従来の顧客の確保および新規顧客の獲得に懸命の営業活動をいたしました。
以上により、当セグメントの売上高は113億2千6百万円(前年度比59.1%増)、営業利益は1億2千4百万円(前年度比60.3%減)となりました。
翌連結会計年度以降のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、国内外の経済活動が抑制されるなど、引き続き先行き不透明な状況で推移すると予測しております。
当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の今後の広がりによっては、映像関連事業、興行関連事業及び催事関連事業において、劇場用映画の公開延期、シネコンを含む劇場や東映太秦映画村の営業休止、イベントの中止等の対応を実施することが考えられます。また、観光不動産事業におきましても、行政による外出自粛要請等により、賃貸収入の減少や宿泊需要の低迷が予測されるなど、翌連結会計年度の一定期間にわたり幅広く当社グループの事業へ影響を及ぼすことが想定されます。
このような状況のなかで当社グループとしては、映像関連事業を中心に、より一層のコンテンツ事業の強化及び効率的な活用に傾注し、また資産の有効活用に努めるとともに、不採算部門の見直し等により、今後も収益基盤の強化に取り組んでまいります。
なお、中長期的な経営戦略については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載しております。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は、3,003億7千9百万円となり、前期末に比べ40億8千6百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が134億1千4百万円、仕掛品が11億2千万円、繰延税金資産が13億9百万円増加し、受取手形及び売掛金が51億1千1百万円、流動資産のその他が13億6千7百万円、投資有価証券が46億3千9百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、770億8千8百万円となり、前期末に比べ49億9千5百万円減少しました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が25億6百万円、流動負債のその他が20億8千6百万円増加し、支払手形及び買掛金が49億8千1百万円、長期借入金が49億5千8百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、2,232億9千万円となり、前期末に比べ90億8千2百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が87億8千3百万円、土地再評価差額金が16億7千1百万円、非支配株主持分が48億2千1百万円増加し、自己株式が21億5千7百万円増加(純資産は減少)、その他有価証券評価差額金が37億3千5百万円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが236億6千9百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローが39億8千9百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローが55億7千3百万円減少した結果、636億8千万円(前年同期は497億3千9百万円)となりました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動により得た資金は、236億6千9百万円(前年同期は200億4千9百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益264億3千万円、減価償却費35億4千6百万円、売上債権の増減額50億4千2百万円、その他の流動負債の増減額33億8千万円による増加と、持分法による投資損益23億9千5百万円、仕入債務の増減額48億6千万円、法人税等の支払額75億2千8百万円による減少があったことによります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動により支出した資金は、39億8千9百万円(前年同期は62億1千5百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入89億7千6百万円による増加と、定期預金の預入による支出84億5千5百万円、有形固定資産の取得による支出40億6千4百万円による減少があったことによります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動により支出した資金は、55億7千3百万円(前年同期は56億1千9百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出24億5千2百万円、配当金の支払額9億2百万円、非支配株主への配当金の支払額16億6千2百万円による減少があったことによります。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことにより、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能であると考えております。また、資産の有効活用と収益基盤の強化をはかりつつ、適正な手許資金の水準について検証を実施し、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することが、長期安定的な株主還元に繋がると考えております。
ロ.資金調達の方法及び状況
当社グループは、運転資金及び通常の設備改修資金などは、内部資金又は金融機関等からの借入金により資金を調達しております。また、財務基盤をより堅固なものとするべく、グループ内の資金の一元管理等を含め、資金調達コストの低減をはかり、グループ全体の有利子負債の削減に努めております。
なお、当連結会計年度末における金融機関等からの借入金については、次のとおりです。
前連結会計年度末
(百万円)
当連結会計年度末
(百万円)
増減額
(百万円)
短期借入金200200-
1年内返済予定の長期借入金2,4524,9582,506
長期借入金9,9104,951△4,958
合計12,56210,110△2,452

ハ.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要の主な内容は、営業活動に係る資金支出では、劇場用映画やテレビ映画等の製作費、DVD・ブルーレイディスクの製作費、配給収入やコンテンツ事業収入に係る配分金のほか、シネコンの運営に関わる地代家賃、劇場用映画等の広告宣伝費、人件費等の販売費及び一般管理費があります。投資活動に係る資金支出では、撮影所やシネコン等の設備改修等があります。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、これらは連結財務諸表の作成にあたって用いた見積り及び仮定のすべてを包括的に記載するものではなく、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「追加情報」に記載した事項を補足するものであります。
① 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。なお、取引先の財政状態が予測を大幅に超えて悪化し、その支払能力が著しく低下した場合、追加引当処理が必要となる可能性があります。
② 退職給付に係る負債
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
③ 繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、当該見積り及びその前提とした仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
④ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

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