訂正四半期報告書-第19期第2四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2019/03/01 16:16
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【項目】
25項目
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の分析
平成31年3月期第2四半期連結累計期間(平成30年4月1日~平成30年9月30日)におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などを背景に、景気も緩やかな回復基調で推移しております。一方で米国の通商政策により懸念される各国との貿易摩擦問題、中東・北朝鮮情勢の緊迫化など、景気を下振れさせる懸念材料も多く存在しており、依然として先行き不透明な状況にあります。
その中にあっても当グループが所属するITサービス市場におきましては、引き続き好調な市場環境を維持しており、人工知能(AI)ビジネスの国内市場は平成32年度には1兆20億円、平成42年度には2兆1200億円に拡大するといわれております。特に金融業のAIビジネス市場は年平均46.2%で成長すると試算されております。(※出典:富士キメラ総研)
こうした状況を踏まえ、当第2四半期は、第1四半期から継続して、(a)安定的収益基盤の確立(b)新規事業開発への投資(c)KDDI株式会社と連携強化(d)海外事業開発の強化を通じて、長期的な展望に立った将来的なビジネス拡大に向けた取り組みを実施してまいりました。
具体的な内容は以下のとおりです。
(a)安定的収益基盤の確立
システム開発において、上流工程からコンサルテーションすることにより高付加価値化を図っています。加えて、大口システムの運用保守により、ストック売上基盤の確保に努めております。
さらに、安定的かつ継続的な売上を見込める事業会社のM&Aとその事業の強化により、さらに収益基盤を拡大する取り組みも継続的に行っております。
当第2四半期では、以上のような取り組みの成果として、大型システム案件の継続受注を実現したほか、運用保守による継続的な売上を伸長することができました。また、昨年度買収した株式会社ディーエスエスの売上も伸長しております。
(b)新規事業開発への投資
新規事業の開発においては、企業買収や事業譲受を通じて、参入先業界のノウハウや顧客基盤を自社に取り込むことで、新規事業の立ち上がりフェーズの加速化をはかっております。
新規事業を早期に拡大させることで、従来のAI研究受託型のビジネスから自社サービス型へのシフトをさらに加速させるとともに、自社サービスによるストック型売上モデルを構築し、継続的な売上拡大を図ってまいります。当第2四半期において、当社グループが取り組んだ新規事業は以下のとおりです。
i.「ドローントラフィックモニター」提供開始
ドローンの高所からの空撮とAIによる動画像の自動解析技術を生かし、人手不足や人手確保に伴うコスト増の問題を解決する取り組みの一環として、平成30年2月に事業化した太陽光設備点検サービスに続き、ドローントラフィックモニター(ドローンによる交通量調査事業)を開始いたしました。
当社が大手自動車会社との共同研究で培った自動運転の高精度なAI技術を活用して、交差点等で撮影したドローン空撮映像をAI技術で解析することにより、交通量調査を行います。
ⅱ.小売店向けビジネスインテリジェンスツール「FollowUP」の事業譲受
平成30年7月11日株式会社アルムより国内外2,000店の導入実績がある「FollowUP(フォローアップ)」の国内事業を譲り受けました。店舗内のカメラデバイスからデータを取得し解析することで、入店客数カウント、性別・年代判定、POSと連携させた購買分析を行うことができます。
今後は当社で培ってきたAI技術による機能を追加し、差別化によるさらなるビジネス拡大を図ってまいります。
ⅲ.「MLFlowアノテーション」サービス提供開始
平成30年8月13日に、「MLFlowアノテーション」サービス提供開始を発表いたしました。
機械学習を利用したソリューション開発のニーズが高まっていますが、アノテーション(※)を行う人材は不足しています。そのようなニーズに対応するため、当社が独自に組織したアノテーションチームによって、開発プロジェクトのニーズに合わせて画像やテキストなど様々なデータのアノテーションを代行し、大量かつ高品質な教師データを短期間で納品するサービスを提供することで、お客様のソリューション開発を支援いたします。
本サービスは、当社が開発したAIプラットフォーム「MLFlow」と連動しており、「MLFlow」を含めたビジネス拡大が期待できます。
※ アノテーション:
機械学習に必要な教師データ作成のため、解析対象となるテキストや動画像に対して正解のラベル付けを行う作業のこと。
(c)KDDI株式会社と連携強化
平成30年7月10日にKDDI株式会社と資本・業務提携契約を締結いたしました。KDDIが取り組むIoTや5Gに当社の画像解析技術やSNS分析などのノウハウを組み合せ、AI事業の開発、連携を行ってまいります。
取り組みの一環として、KDDI株式会社が9月に開設した「KDDI DIGITAL GATE」に当社がパートナー企業として参画いたしました。当社はAI分野を担当し、当社ビジネスの拡大を図ってまいります。
(d)海外事業開発の強化
地域を問わず、新興国の成長市場において現地企業と協業することで、「MLFlow」や「FollowUP」など当社の新しいサービスを海外で展開し、シェアを拡大する取り組みを継続して実施しております。
当社は今後もAIによる画像解析技術の強みを生かした事業展開により、AIのすそ野を広げ、様々な社会的課題の解決に取り組みます。この取り組みによりAIビジネスをさらに成長させ、事業規模を飛躍的に拡大してまいる所存です。このような状況を踏まえ、当第2四半期連結累計期間の業績は次のとおりであります。
(売上高)
当第2四半期連結累計期間における売上高は上半期では過去最高の444百万円(前年同四半期比67.8%増)となりました。主な要因は、当社受託案件の大型化と、株式会社ディーエスエスを連結範囲に加えたことおよびその売上高の伸長、ソリッドインテリジェンス株式会社の売上高の伸長によるものであります。
サービスごとの概況は、以下のとおりであります。
a.SaaS
SaaSにおきましては、ソーシャルメディア分析ツール「Insight Intelligence」、事故・災害情報検知サービス「Social Hazard Signage」及び不適切投稿監視サービス「Social Monitor」などのラインナップを擁しており、ソーシャルメディアに対するニーズに対応した製品を提供しております。
ソーシャルメディア以外の分野でも、小売店のビジネスインテリジェンスツールとして開発された、店舗内カメラの画像認識と解析を行うソリューション「FollowUP」の提供を開始いたしました。
b.ソリューション
ソリューションにおきましては、顧客が持つ「自社内ビッグデータ」を基に、当社グループで蓄積されている「ソーシャル・ビッグデータ」を組み合わせ、前述のSaaSサービス技術を活用したセミオーダー型システム開発を行うものです。一般商社向けに商品やサービスを提供する大手メーカー、サービス提供会社、広告会社・PR会社、コンサルティング会社等の広報部、宣伝部、コンサルティング部、営業戦略部、経営戦略部、リスク担当部などを対象顧客として、自社内に保有するデータを有効活用したいというニーズに応えるサービスです。
c.リサーチコンサルティング
リサーチコンサルティングにおきましては、SaaSで提供するサービスだけでは自社の要望を可視化できない顧客に対し、商品やプロモーションに対する口コミの専門家分析や、消費者と企業のつながり度を高めるソリューションを提供するものであります。ビッグデータの活用を経営課題としはじめた、大企業をはじめとする多くの企業からの引き合いが増加しております。
また、企業間取引にビッグデータを活用したいと考えるニーズへの対応にも取り組んでおります。情報サービスベンダー向けに、Web上のデータクローリング技術を活用した新しい企業データベース構築支援の提供を行っております。これらの取り組みにより、これまでのBtoC企業に加え、BtoB企業への販路拡大も図っております。
(売上原価)
当第2四半期連結累計期間の売上原価は289百万円(前年同四半期比95.7%増)となりました。この主な内訳は、人件費153百万円、業務委託費89百万円によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当第2四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は137百万円(前年同四半期比12.8%増)となりました。この主な内訳は、人件費70百万円、のれん償却費13百万円によるものであります。
(営業外損益)
営業外損益の主な内訳は、持分法による投資損失3百万円であります。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における経営成績は、売上高444百万円(前年同四半期比67.8%増)、営業利益18百万円(前年同四半期は営業損失4百万円)、経常利益12百万円(前年同四半期は経常損失7百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失4百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失4百万円)となりました。
②財政状態の分析
(流動資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、1,515百万円となり、前連結会計年度末に比べて53百万円減少いたしました。この主な要因は、現金及び預金が39百万円、商品が26百万円増加し、売掛金が129百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当第2四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、881百万円となり、前連結会計年度末に比べて384百万円増加いたしました。この主な要因は、のれんが241百万円、投資その他の資産が129百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、281百万円となり、前連結会計年度末に比べて79百万円増加いたしました。この主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が75百万円、短期借入金が50百万円増加した一方で、未払金が44百万円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当第2四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、273百万円となり、前連結会計年度末に比べて240百万円増加いたしました。この主な要因は、長期借入金が224百万円、資産除去債務が9百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産の残高は、1,841百万円となり、前連結会計年度末に比べて11百万円増加いたしました。この主な要因は、非支配株主持分が9百万円、新株予約権の行使に伴い資本金及び資本剰余金が6百万円増加したこと、利益剰余金が4百万円減少したことによるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて49百万円増加し、1,297百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動の結果増加した資金は、118百万円となりました。これは主に、売上債権の減少129百万円、減価償却費の計上37百万円、未払金及び未払費用の減少53百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動の結果減少した資金は、425百万円となりました。これは主に、事業譲受による支出250百万円、子会社株式の取得による支出100百万円、無形固定資産の取得による支出33百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動の結果増加した資金は、356百万円となりました。これは主に、長期借入による収入327百万円によるものであります。
(3)経営方針及び経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は3百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。