四半期報告書-第22期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/10 15:39
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が進み緊急事態宣言が解除されましたが、依然として国内外において経済の先行き不透明な状態が継続しています。
当社の主要セグメントの属するリテールテック市場(小売・外食・宿泊業向け機器・システム&サービス市場)においては、小売などが人手不足などに直面する中、顧客満足度の向上を目的とした業務効率化を目指し、店舗業務やスタッフの省力化だけでなく無人化まで視野に入れて機器・システム&サービスを導入する動きは加速していくとみられ、2030年には67.7%増の8,737億円が予測されています(富士経済「リテールテック関連機器・システム市場の将来展望 2019」)。
デジタルトランスフォーメーションに係る流通業界の国内市場(投資金額)についても人手不足への対策として、業務効率化を目的とした投資が積極的に行われるとみられ、2030年度予測は2019年度比6.5倍の2,375億円と予測されています(富士キメラ総研「2020 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)。
また、AIビジネスの国内市場においては、2021年度以降は、企業がデジタルトランスフォーメーションを実現するための要素技術の一つとしてAIの利用がさらに増加していき、2025年度には2019年度比2.0倍の1兆9,357億円が予測されています(富士キメラ総研「2020 人工知能ビジネス総調査」)。
このような状況のもと、当社グループは、当第3四半期連結累計期間において、当社グループが柱としているリテールマーケティング事業や新規事業における競争力強化のためのM&A施策、急成長に備えた組織体制及び人員の強化を行い、中長期に非連続的な成長を目指し積極的な事業投資を実行しております。
12月8日には、5社(株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス、株式会社アイリッジ、株式会社Qoil、株式会社Flow Solutions、当社)共催ウェビナー『「リテールDXプラットフォーム」~小売のDXはここから始まる~』を開催するなど、人員強化を行ったデジタルマーケティングチームにより、リード獲得のための施策を実行いたしました。
この他、引き続き組織体制及び人員の強化のため積極的に採用活動を実施しております。
当第3四半期連結累計期間の経営成績は次のとおりであります。
(売上高)
当第3四半期連結累計期間の売上高は1,154百万円(前年同四半期比15.0%増)となりました。この主な要因は、グループ各社の売上増加施策が奏功したこと、第2四半期連結会計期間に子会社化したINTELIGENXIA S.A.(以下「INTELIGENXIA」といいます。)の損益を取り込んだことなどによるものであります。
(売上原価)
当第3四半期連結累計期間の売上原価は709百万円(前年同四半期比14.7%増)となりました。この主な内訳は、人件費357百万円、業務委託費242百万円、減価償却費59百万円、サーバー使用料31百万円などであります。
(販売費及び一般管理費)
当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は439百万円(前年同四半期比16.5%増)となりました。この主な内訳は、人件費206百万円、業務委託費24百万円、のれん及び顧客関連資産償却費81百万円、支払報酬料24百万円、地代家賃22百万円、租税公課22百万円などであります。
なお、売上原価並びに販売費及び一般管理費における人件費の増加の主な要因は、INTELIGENXIAの損益を取り込んだこと、サービス拡充、受注の増加及び増加した受注への対応のための、エンジニア及びデジタルマーケティング要員の採用にあります。
上記より、売上高1,154百万円(前年同四半期比15.0%増)、営業利益5百万円(前年同四半期比39.0%減)、第1四半期連結会計期間において匿名組合投資利益45百万円を営業外収益に計上したこと、当第3四半期連結会計期間において銀行からの借り入れに伴う支払利息8百万円を営業外費用に計上したことなどから経常利益47百万円(前年同四半期は6百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失0百万円(前年同四半期は30百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間より、当社の事業活動におけるキャッシュ・フロー創出力を示す指標として調整後EBITDA(※)を開示指標に追加しております。当第3四半期連結累計期間の調整後EBITDAは、167百万円(前年同四半期比2.5%減)となりました。
※調整後EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費(顧客関連資産償却を含む)+株式報酬費+M&A関連費+構造改革費+その他の調整項目
第1四半期連結会計期間より、従前のソーシャル・ビッグデータの単一セグメントから、リテールマーケティングとデータ分析ソリューションにセグメントを区分しております。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
イ. リテールマーケティング
リテールマーケティングにおきましては、小売店舗に設置したAIカメラで取得する画像・動画データとPOSデータと掛け合わせて分析することで店舗の業績向上を支援するストック型のサービス「FollowUP」を主要サービスとして提供しております。
第3四半期連結累計期間における「FollowUP」の国内展開は、第1四半期連結会計期間に一時的な割引を行った一方で、第2四半期までの施策が実を結び始め、アパレル以外の小売店舗の新規受注獲得などにより、第2四半期に引き続き前年同期の売上高を上回りました。引き続きストック売上の積み増しのためデジタルマーケティングチームと連携しつつリードの獲得及び新規顧客の獲得を継続してまいります。
「FollowUP」の海外展開においては、成長のため次の取り組みを行いました。1つ目は、「FollowUP」チームとINTELIGENXIAの統合です。2つ目は、「FollowUP」の機能強化(ERPとCRMの導入)のための提携企業との交渉です。3つ目は、コロンビアとペルーのショッピングモールでの全店導入契約の締結です。4つ目は、スペインの複数のショッピングモールとの契約交渉です。
これらのように世界的な新型コロナウイルス感染症の影響の中でも、積極的に売上獲得のための施策を実行した結果、当第3四半期連結累計期間の外部顧客への売上高は373百万円(前年同四半期比37.4%増)となり成長させることができました。もっとも、将来のさらなる成長への投資のためにデジタルマーケティングチームの強化などの人材採用を行ったことや販売促進のためのコスト増加によりセグメント損失11百万円(前年同四半期は8百万円のセグメント利益)となりました。
ロ. データ分析ソリューション
データ分析ソリューションでは、ソーシャルメディア分析事業、AI・システム開発事業、新規事業を行っております。
ソーシャルメディア分析事業では、ソーシャルメディア分析ツール「Insight Intelligence」及び「Insight Intelligence Q」などのストック型のサービスを提供するとともに、連結子会社のソリッドインテリジェンス株式会社(以下「SI」といいます。)で多言語ソーシャルメディア分析におけるコンサルティングサービスを提供しております。
AI・システム開発事業では、ビッグデータ分析で培った技術力・ノウハウとAI技術(テキスト/画像/音声)を活用したユーザ個別ソリューション開発を行うとともに、連結子会社の株式会社ディーエスエス(以下「DSS」といいます。)では、決済サービスの提供(法人向けプリペイドカードサービス「Biz プリカ」( https://bizpreca.jp/ ))、SES事業(カード会社、決済会社、証券会社等)、カード会社を中心とした金融系受託開発、MSPサービス(AWSを中心としたクラウドシステム構築・運用・保守サービス)、セキュリティサービス(PCIDSSコンサル業務やセキィリティ診断サービス等)を提供しております。
新規事業では、AIによる医療系データ解析サービス(NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)モニタリングAI(心電図)、NEDO軽度認知症解析AI(音声)、NEDO脳波癲癇解析AI(脳波、心電図))の開発、音声解析AIによるサービスの開発、を行っております。
当第3四半期連結累計期間におけるソーシャルメディア分析事業の当社では、スポットの案件については前年同四半期に比べ微増しているものの、ストック型サービスおいて前年同四半期に比べ減少しているため、解約率を減少させるための施策及び新規顧客獲得量を増加させるための施策を行っております。SIにおいては、第1四半期連結会計期間において受注に苦戦したこともあり前年同四半期に比べ売上高が微減となっておりますが、コロナ禍でオンラインでの提案営業が求められることを逆手にとり全国の自治体に営業を行う施策が奏功し各地の自治体における多言語ソーシャルメディア分析の需要をとらえることができており、期ずれ計上などが生じない限り通期においては前年を上回る見込みで推移しております。
当第3四半期連結累計期間におけるAI・システム開発事業の当社では、ストック型サービスおいて前年同四半期に比べ減少しているため、売上増加のため受注率を増加させる方針です。また、DSSでは、4月、5月で案件の遅延などにより第1四半期連結会計期間では苦戦したものの、7月以降順調にプロジェクトを稼働できており、第2四半期から引き続き、前年同四半期に比べて売上高は増加しております。引き続きプロジェクトの稼働を年度末まで進め、売上予算の達成を目指してまいります。
当第3四半期連結累計期間における新規事業は、引き続き小売り向けの新規事業企画開発や医療系新規事業の開発に注力いたしました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の外部顧客への売上高は780百万円(前年同四半期比6.6%増)、セグメント利益は135百万円(前年同四半期比3.1%増)となりました。
②財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して75百万円(前年度末比1.8%増)増加し、4,343百万円となりました。
これは、短期借入金の返済などにより現金及び預金が259百万円減少した一方で、第2四半期連結会計期間にINTELIGENXIA S.A.を子会社化したことなどにより投資その他の資産が111百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が123百万円、ソフトウエアが47百万円、ソフトウエア仮勘定が39百万円それぞれ増加したことを主要因とするものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して98百万円(前年度末比7.0%増)増加し、1,497百万円となりました。
これは、短期借入金が217百万円減少したものの、長期借入金が84百万円、1年内返済予定の長期借入金が158百万円、未払費用が38百万円、未払金が57百万円それぞれ増加したことを主要因とするものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比較して23百万円(前年度末比0.8%減)減少し、2,845百万円となりました。
これは、第1四半期連結会計期間に連結子会社であるコロンビア法人Alianza FollowUP S.A.S.株式の追加取得及びAlianzaの株式の現物出資を内容とする第三者割当による新株発行を行ったこと、取締役及び従業員に対する譲渡制限付株式としての新株発行を行ったこと等により、資本金が53百万円増加し、資本剰余金が22百万円、非支配株主持分が23百万円それぞれ減少したこと、及び、海外子会社の財務諸表の為替換算により生じた為替換算調整勘定が30百万円減少したことを主要因とするものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は7百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。