四半期報告書-第22期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/13 15:25
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しておりますが、この適用による影響は軽微であります。
(1)業績の状況
①経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により世界的に経済活動が停滞したことなどから先行きの不透明感が一層強まっています。
デジタルトランスフォーメーションに係る流通業界の国内市場(投資金額)については、デジタルオペレーションへの投資が中心となり、最適化による逸失利益の削減に向けたサービスなどへの投資も増加しています。今後は人手不足への対策として、業務効率化を目的とした投資が積極的に行われるとみられ、2030年度予測は2019年度比6.5倍の2,375億円と予測されています(富士キメラ総研「2020 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)。
また、AIビジネスの国内市場においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、プロジェクト遅延や新規案件の延期などが一時的にみられましたが、リモートワークの急速な普及もあり、デジタル技術を活用した構造改革を積極的に進めている企業も多くみられます。経済状況が悪化している中でも企業競争力向上の取組みの一環として、AIへの投資は優先的に行われるとの予測から、2020年度は2019年度比15.4%増の1兆1,084億円が見込まれています。2021年度以降は、企業がデジタルトランスフォーメーションを実現するための要素技術の一つとしてAIの利用がさらに増加していき、2025年度には2019年度比2.0倍の1兆9,357億円が予測されています(富士キメラ総研「2020 人工知能ビジネス総調査」)。
このような状況のもと、当社グループは、当第1四半期連結累計期間において、当社グループが柱としているリテールマーケティング事業や新規事業における競争力強化のためのM&A施策、急成長に備えた組織体制及び人員の強化を行い、中長期に非連続的な成長を目指し積極的な事業投資を実行しております。
4月1日には、当社の連結子会社である株式会社ディーエスエス(以下「DSS」といいます。)において、共同印刷株式会社の 100%子会社である TOMOWEL Payment Service 株式会社と、法人向けプリペイドカードサービス「Biz プリカ」( https://bizpreca.jp/ )を共同運営し、フィンテック領域におけるシステム開発・運用の連携を強化するため、業務提携契約を締結いたしました。
6月15日には、当社グループ内における一層の連携強化や意思決定の迅速化を通じて、成長著しい海外マーケットにおける当社グループの事業を強化することを目的に、連結子会社であるコロンビア法人Alianza FollowUP S.A.S.を完全子会社化いたしました。
7月13日には、中南米における当社グループの事業展開を加速させるため、チリにおける競合企業である INTELIGENXIA S.A.を完全子会社化(孫会社化)することを決定いたしました。
8月2日には、当社、株式会社アイリッジ、株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス、株式会社 Flow Solutions、及び株式会社 Qoilの5社で業務提携し、企業が自社で展開するアプリを通じて来店顧客へ最適な情報配信を可能にする業界初のリテールDXプラットフォームの提供を開始いたしました。
この他、組織体制及び人員の強化のため積極的に採用活動を実施しております。
当第1四半期連結累計期間の経営成績は次のとおりであります。
(売上高)
当第1四半期連結累計期間の売上高は342百万円(前年同四半期比8.8%減)となりました。この主な要因は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、海外ソーシャルメディア分析サービス及びシステム開発案件の受注が鈍化したことなどであります。
(売上原価)
当第1四半期連結累計期間の売上原価は220百万円(前年同四半期比4.2%増)となりました。この主な内訳は、人件費116百万円、業務委託費75百万円、減価償却費17百万円、サーバー使用料10百万円であります。
(販売費及び一般管理費)
当第1四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は135百万円(前年同四半期比4.1%増)となりました。この主な内訳は、人件費63百万円、のれん及び顧客関連資産償却費27百万円、租税公課6百万円、業務委託費5百万円であります。
上記より、売上高342百万円(前年同四半期比8.8%減)、営業損失13百万円(前年同四半期は33百万円の営業利益)、匿名組合投資利益45百万を営業外収益に計上したことに伴い経常利益24百万円(前年同四半期比1.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益0百万円(前年同四半期比69.9%減)となりました。
当第1四半期連結累計期間より、従前のソーシャル・ビッグデータの単一セグメントから、リテールマーケティングとデータ分析ソリューションにセグメントを区分しております。セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
イ. リテールマーケティング
リテールマーケティングにおきましては、小売店舗に設置したAIカメラで取得する画像・動画データとPOSデータと掛け合わせて分析することで店舗の業績向上を支援するストック型のサービス「FollowUP」を主要サービスとして提供しております。
当第1四半期連結累計期間における「FollowUP」の国内展開は、一時的な割引を行ったため外部顧客への売上高は前年同四半期比で微減となった一方で、将来的なストック売上の積み増しのため初期費用無償キャンペーンの実施によりリードの獲得及び新規顧客の獲得を行いました。また、競争力強化目的で運用面やカスタマーサクセス部門の人材投資を実行いたしました。
「FollowUP」の海外展開においては、前年同四半期が新型コロナウイルス感染症の本格的な影響が出る前の業績であるため外部顧客への売上高は前年同四半期比で微減となったものの、成長のための基盤としての重要な取引を行いました。1つ目は、チリにおける競合企業である INTELIGENXIA S.A.を完全子会社化(孫会社化)したことです。2つ目は、南米小売大手のFalabella S.A.グループにおいてショッピングモール事業(Mall Plaza)を展開するPlaza SAへ全面的に導入する契約を締結しました。今後はヨーロッパ等のショッピングモールグループにおいても同様の交渉を行います。3つ目は、スーパーマーケットやコンビニ等の顧客ターゲットを絞った「FollowUP」の派生サービスに関するプロジェクトを実施しました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の外部顧客への売上高は116百万円(前年同四半期比0.3%減)となり、人材投資の実行によりセグメント利益は13百万円(前年同四半期比46.6%減)となりました。
ロ. データ分析ソリューション
データ分析ソリューションでは、ソーシャルメディア分析事業、AI・システム開発事業、新規事業を行っております。
ソーシャルメディア分析事業では、ソーシャルメディア分析ツール「Insight Intelligence」及び「Insight Intelligence Q」などのストック型のサービスを提供するとともに、連結子会社のソリッドインテリジェンス株式会社(以下「SI」といいます。)で多言語ソーシャルメディア分析におけるコンサルティングサービスを提供しております。
AI・システム開発事業では、ビッグデータ分析で培った技術力・ノウハウとAI技術(テキスト/画像/音声)を活用したユーザ個別ソリューション開発を行うとともに、連結子会社のDSSでは、決済サービスの提供(法人向けプリペイドカードサービス「Biz プリカ」( https://bizpreca.jp/ ))、SES事業(カード会社、決済会社、証券会社等)、カード会社を中心とした金融系受託開発、MSPサービス(AWSを中心としたクラウドシステム構築・運用・保守サービス)、セキュリティサービス(PCIDSSコンサル業務やセキィリティ診断サービス等)を提供しております。
新規事業では、AIによる医療系データ解析サービス(NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)モニタリングAI(心電図)、NEDO軽度認知症解析AI(音声)、NEDO脳波癲癇解析AI(脳波、心電図))の開発、音声解析AIによるサービスの開発、を行っております。
当第1四半期連結累計期間におけるソーシャルメディア分析事業は、ストック型サービスおいては、さらに新規顧客獲得量を増加させるための施策を行っております。SIにおいては、前年同四半期に比べて受注に苦戦しましたが、第2四半期以降の巻き返しに向けて順調に商談件数を増やしております。
当第1四半期連結累計期間におけるAI・システム開発事業は、受託開発案件の増加のため営業人材を採用するなど営業強化を行いました。また、DSSで大手企業とのAIマスキングのPOCやブロックチェーン技術を使用したPOCなど新たな技術の知見を得るための試みを行いました。
当第1四半期連結累計期間における新規事業は、小売り向けの新規事業企画開発や医療系新規事業の開発に注力いたしました。
これらの結果、新型コロナウイルス感染症の影響等により当第1四半期連結累計期間の外部顧客への売上高は225百万円(前年同四半期比12.7%減)となり、セグメント利益は11百万円(前年同四半期比75.2%減)となりました。
②財政状態の分析
(資産)
当第1四半期連結累計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して143百万円(前年度末比3.4%減)減少し、4,124百万円となりました。
これは、借入金の返済等により現金及び預金が292百万円減少し、投資その他の資産が109百万円、ソフトウエアが22百万円、ソフトウエア仮勘定が11百万円それぞれ増加したことを主要因とするものであります。
(負債)
当第1四半期連結累計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して153百万円(前年度末比10.9%減)減少し、1,246百万円となりました。
これは、未払費用が27百万円増加し、短期借入金が122百万円、長期借入金が46百万円それぞれ減少したことを主要因とするものであります。
(純資産)
当第1四半期連結累計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比較して9百万円(前年度末比0.3%増)増加し、2,878百万円となりました。
これは、連結子会社であるコロンビア法人Alianza FollowUP S.A.S.株式の追加取得及びAlianzaの株式の現物出資を内容とする第三者割当による新株発行を行ったこと等により、資本金が48百万円増加し、資本剰余金が27百万円、非支配株主持分が25百万円それぞれ減少したこと、及び、海外子会社の財務諸表の為替換算により生じた為替換算調整勘定が12百万円増加したことを主要因とするものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第1四半期連結累計期間において、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は1百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。