有価証券報告書-第26期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/29 16:50
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(1)経営戦略の現状及び経営成績の概況
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境が改善するなか、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、ウクライナや中東情勢の長期化、物価の上昇、欧米における高い金利水準の継続の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
AIビジネスの国内市場においては、2023年度以降は、アプリケーション機能の高度化や特定業務に特化したシステム活用への投資が増えるとみられています。アプリケーションやシステムをユーザーの要望に合わせて複雑化させると、コストや開発スピードなどの要因から外注よりも内製化するケースが多くなると予想され、それに伴い、特に内製化に関連するミドルウェアやサーバー/ストレージ/IaaSなどの品目が大きく伸長することから、2027年度には2021年度比1.7倍の1兆9,787億円が予測されています(富士キメラ総研「2022人工知能ビジネス総調査」)。
グローバルベースでのAI市場においては、当社グループの得意とする生成AIの用途拡大や、社会実装が進展するなど、加速度的な成長も見込まれる市場環境にあります。また、今後深耕するAIデータセンターの領域においても、グローバルベースで、急増するAI処理に対応できるAIデータセンターの構築が求められる市場環境にあるほか、地政学的な課題とセキュリティリスクが渦巻く現在の世界経済・安全保障環境に鑑み、各種課題の解決において、AIがさらに重要要素となってきていることから、AIデータセンターの容量拡大や、クロスボーダーでの連携が強く求められております。加えて、AIモデルのトレーニングに必要な計算能力は業界全体で約6ヶ月毎に倍増(2024年5月 EPOCH AI 調査レポート「Training Compute of Frontier AI Models Grows by 4-5x per Year」より)していることから、将来的には、新たなモデル及びより大規模なモデルの誕生により、AIデータセンターやAIクラウドスタックへの需要が更に高まるものと想定しております。
当社グループは、前連結会計年度において、戦略的コア事業として、新規にグローバルベースでのAIインフラ事業(AIデータセンター事業から名称変更)を立ち上げ、これを展開・拡大するために、経営体制を刷新するとともに、高度人材の獲得を推進してまいりました。事業上は、世界中で供給が逼迫するNVIDIA製GPUについて、台湾サーバー機器サプライヤー各社等との業務提携を通じて確保する戦略を推進し、大型GPUクラスターの運用を最適化する独自アルゴリズムシステム『TAIZA』の開発・構築等を進め、事業パートナー及び事業パートナー候補との連携・協議を深化させてまいりました。また、これらの取組みと並行して、グローバルネットワークを活用した営業活動も推進し、国内を中心とするアジア及び欧州でのAIデータセンターサービスの提供に向けて大型の見込パイプライン数が拡大しております。
当社は、当連結会計年度において、AIデータセンター向けサイトの確保を進めるとともに、AIデータセンター案件として、業務提携先であるナウナウジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表者:近江麗佳)を通じて、間接的に、世界最大規模のクラウドサービスプロバイダーである顧客との間で、大口のAIデータセンターサービス利用契約を3件締結いたしました。また、契約締結済みの各プロジェクトが進捗し、2025年9月に、うち1件のサービス提供を開始しております。
また、これらの契約締結済みプロジェクト向けAIデータセンターに導入するため、2025年7月にGIGA COMPUTING CO., LTD.(本社:台湾新北市、代表者:CEO、Daniel Hou)との間で、NVIDIA製B200(5,000個)を搭載したGPUサーバー(625台)一式の固定資産取得に係る売買契約を締結し、2025年12月にINVENTEC CORPORATION(本社:台湾 台北市、代表者:President、Jack Tsai)との間で、NVIDIA製B300(10,000個)を搭載したGPUサーバー(1,250台)一式の固定資産取得に係る売買契約を締結いたしました。
上記に加え、当社は、2025年6月に、NVIDIA Corporation(本社:米国カリフォルニア州、代表者:CEO,Jensen Huang)認定のAIパートナー(NVIDIA Cloud Partner)としてAIクラウドスタック及びデータセンターインフラにかかる運用実績と技術力を有するCUDO Ventures Ltd.(本社:英国ロンドン市、代表者:CEO, Matt Hawkins、サービスブランド名はCUDO Compute、以下「CUDO社」といいます。)との資本提携に伴う同社の子会社化について、CUDO社の筆頭株主かつ代表者であるMathew Hawkins氏と基本合意するとともに、CUDO社との合弁で当社子会社を設立することで合意し、協議を継続しております。
当連結会計年度の経営成績は次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間において、重要性が増したことに伴い、メキシコの非連結子会社であったFupbimx, S.A.P.I. de C.V.を連結の範囲に含めております。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は33,605百万円(前期比30,662百万円増)となりました。これは、AIインフラ事業におけるサービス提供を2025年9月に開始したほか、既存事業が概ね堅調又は好調に推移したことを主要因とするものであります。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は27,208百万円(前期比25,517百万円増)となりました。この主な内訳は、サーバー使用料25,154百万円、人件費1,019百万円、業務委託費524百万円、減価償却費429百万円、であります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,852百万円(前期比63.2%増)となりました。この主な内訳は、人件費914百万円、業務委託費765百万円、支払報酬料289百万円、租税公課178百万円、のれん及び顧客関連資産償却費120百万円、旅費交通費99百万円、地代家賃58百万円であります。
(営業外損益)
為替差益として113百万円、支払利息として28百万円を計上いたしました。
(特別損益)
新株予約権戻入益として8百万円、投資有価証券売却損として2百万円、投資有価証券評価損として1百万円を 計上いたしました。
(法人税等合計)
法人税、住民税及び事業税948百万円、法人税等調整額として△124百万円を計上したことにより、法人税等合計については、824百万円を計上いたしました。
新規事業であるAIインフラ事業におけるサービス提供を2025年9月に開始したことなどより、当連結会計年度の売上高は33,605百万円(前期比30,662百万円増)となり、AIインフラ事業向けの多額の先行投資費用等をカバーし、営業利益は3,544百万円(前期は496百万円の営業損失)、調整後EBITDAは4,205百万円(前期は△169百万円)となりました。また、営業外費用に支払利息28百万円等を計上した一方で、営業外収益に為替差益113百万円等を計上し経常利益は3,627百万円(前期は613百万円の経常損失)となり、特別利益として新株予約権戻入益8百万円を計上し、法人税等合計824百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,801百万円(前期は654百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
※ 調整後EBITDA=営業利益+減価償却費+無形固定資産償却費+株式報酬費用+M&A関連費用
(2)事業別の概況
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
イ. 国内事業
AIインフラ事業につきましては、事業基盤構築及び事業拡大に向けた大規模な先行投資を実施しましたが、第3四半期連結会計期間よりサービス提供が本格化したことで、売上、利益とも大幅に拡大しました。
データサイエンス事業及びシステムインテグレーション事業につきましては、株式会社ディーエスエスの牽引により、売上、利益とも好調に推移いたしました。
マーケティングソリューション事業につきましては、ソリッドインテリジェンス株式会社や「FollowUP」サービスが堅調に推移した一方で、株式会社MSSが伸び悩み、売上、利益とも前期並みで推移いたしました。
これらの結果、国内事業における当連結会計年度の外部顧客への売上高は32,468百万円(前期比30,549百万円増)と増加し、セグメント利益は5,057百万円(前期は92百万円のセグメント利益)となりました。
ロ. 海外事業
海外事業では、マーケティングソリューション事業のうち、「FollowUP」の海外展開を行っております。
当連結会計年度における海外事業は、主要拠点であるチリ・コロンビアにおける受注が堅調に推移した結果、外部顧客への売上高は1,136百万円(前期比113百万円増)となり、セグメント利益は149百万円(前期は163百万円のセグメント利益)となりました。
(3)財政状態の概況
当連結会計年度における財政状態の概況は次の通りであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して23,983百万円増加し(前年度末比522.1%増)、28,577百万円となりました。
これは、流動資産が13,851百万円、有形固定資産が4,603百万円、投資その他の資産が5,290百万円増加したことを主要因とするものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して6,979百万円増加し(前年度末比318.1%増)、9,173百万円となりました。
これは、預り金5,215百万円、未払金1,578百万円及び未払法人税等988百万円が増加し、短期借入金665百万円が減少したことを主要因とするものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比較して17,003百万円増加し(前年度末比708.4%増)、19,403百万円となりました。
これは、第15回新株予約権(有償ストック・オプション)の一部行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ23百万円増加、第19回新株予約権(行使価額固定型)の行使により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ407百万円増加、第20回新株予約権(行使価額修正条項付)の行使により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ2,293百万円増加、第23回新株予約権(行使価額固定型)の一部行使により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ3,849百万円増加したことに加え、新株予約権が766百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が2,801百万円増加したことを主要因とするものであります。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して、108百万円減少し、その結果として396百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果支出した資金は、4,913百万円(前連結会計年度は、83百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,631百万円、売上債権の増減額△10,459百万円、未払金及び未払費用の増減額1,556百万円及び減価償却費454百万円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は、8,302百万円(前連結会計年度は、1,192百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,628百万円及び差入保証金の差入による支出3,180百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、13,117百万円(前連結会計年度は、163百万円の獲得)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入13,147百万円、短期借入金の増加138百万円、長期借入金の返済による支出163百万円によるものであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
2025年3月期
(連結)
2026年3月期
(連結)
自己資本比率(%)50.464.8
時価ベースの
自己資本比率(%)
371.9131.9

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性
営業活動により獲得するキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入、エクイティファイナンス等のさまざまな手段により資金調達を行い、手元資金の流動性の十分な確保に努めております。
また、AIインフラ事業における各AIデータセンター向け設備等資金には、借入金、第23回新株予約権(当連結会計年度末の未行使残高は37,930,000株、行使価額1,250円)の行使による払込金及び顧客からの前受金等を充当する予定です。
(6)生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、事業の特性上、生産実績の記載になじまないため、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループは、事業の特性上、受注実績の記載になじまないため、省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
国内事業(千円)32,468,6141,691.4
海外事業(千円)1,136,424111.1
合計(千円)33,605,0381,142.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は「(1)経営戦略の現状及び経営成績の概況」に記載のとおりであります。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
ナウナウジャパン株式会社--30,477,32990.7

(7)今後の見通し
2027年3月期は、前期のAIインフラ事業におけるサービス提供の本格化を経て、更なる成長の加速フェーズと位置付けており、既存のデータサイエンス事業、システムインテグレーション事業及びマーケティングソリューション事業についても事業間シナジーが拡大し、いずれも良好な推移を想定しております。このような状況を踏まえ、連結業績として、売上高162,193百万円、営業利益24,815百万円、調整後EBITDA 58,191百万円、経常利益12,542百万円、親会社株主に帰属する当期純利益8,704百万円を見込んでおります。
この連結業績見通しには、AIインフラ事業におけるデータセンター案件の売上高として、前期にサービス提供を開始したデータセンター案件79,864百万円、いずれも7月からの段階的な稼働を予定する受注済みの国内第1号データセンター案件15,943百万円及びオーストラリア(以下、「豪」)第1号データセンター案件34,164百万円、並びに高確度パイプラインであるタイの第1号データセンター案件15,943百万円及び同様に高確度で見込まれる豪第1号データセンター案件の拡張分12,811百万円を反映させており、合計で158,726百万円、その他既存事業について3,467百万円を見込んでおります。また、この連結業績見通しに反映させたデータセンター案件のプロジェクト利益(支払利息を除きます。)として、合計で26,843百万円を見込みます。
なお、AIインフラ事業における大口パイプラインの進捗状況等により、業績予想修正が必要となった場合には、速やかに実施いたします。
(8)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(9)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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