有価証券報告書-第97期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/29 13:35
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132項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況、分析
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が抑制され、厳しい状況で推移したものの、経済活動の段階的な再開に伴い、輸出や生産には持ち直しの動きがみられました。しかしながら、引き続き感染症の再拡大や米中対立に伴う貿易摩擦の長期化が懸念されるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続きました。
このような状況のもと当社グループにおきましては、収益体質の強化に向けて不採算事業の見直しや全社的なコスト削減に取り組んだほか、液晶事業においては、急激な市場構造の変化等による経営環境の悪化に対応すべく、事業拠点の最適化等の施策に注力しました。加えて、2021年3月に「2020~2024年度 中期計画 ~業績改善のための計画~」を新たに公表し、「構造改革による業績改善」「FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)化推進による電力事業の収益拡大」「ガバナンス/モニタリング強化」を骨子として、持続的な経営基盤の強化に向けて取り組みを始めております。
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は132,011百万円(前期比8.9%減)、営業利益は2,486百万円(前期は営業損失759百万円)、経常利益は3,291百万円(前期は経常損失1,285百万円)となりました。特別利益に事業譲渡益1,686百万円、固定資産売却益174百万円、投資有価証券売却益154百万円の合計2,015百万円を、特別損失に水俣病補償関係損失等(2020年4月1日から2021年3月31日までの水俣病被害者への救済一時金2百万円を含む)3,070百万円、災害による損失748百万円、事業整理損322百万円等の合計4,231百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は1,143百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失11,906百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、組織変更に伴う管理区分の見直しを行った結果、従来「化学品事業」に含まれていた「シリコン誘導品」を「機能材料事業」に変更しております。
機能材料事業(液晶材料等)
液晶材料は、コロナ禍における巣籠り需要によりPCモニター等のIT用液晶の販売が堅調に推移したものの、TV用液晶の販売が減少したことから、売上は減少しました。シリコン製品は、コンタクトレンズ用途等の需要が好調に推移し、売上は増加しました。有機EL 材料においては、事業拡大を目的として、韓国SK Materials社との間で、有機EL材料の製造、販売を行う合弁会社を新たに設立しました。
当セグメントの売上高は24,043百万円(前期比15.1%減)となりました。
加工品事業(繊維製品、肥料等)
繊維製品は、国内における新型コロナウイルス感染症対策関連の需要が堅調に推移したことに加え、海外向けの出荷が拡大したことから、原綿及び不織布の販売は増加しました。
肥料は、耕地面積の減少、自然災害、コロナ禍における外食需要の減少等の厳しい事業環境のもと、農業従事者の高齢化問題等により施肥作業の省力化が評価されている被覆肥料の国内出荷は堅調となりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により海外向けの出荷が低調となり、売上は減少しました。
当セグメントの売上高は56,144百万円(前期比4.2%減)となりました。
化学品事業(アルコール、樹脂等)
オキソアルコールは、生産設備の大型定期修理の実施や、上半期における自動車、住宅関連の需要低迷などにより出荷が低調となり、売上は減少しました。一方、新型コロナウイルス感染症対策関連の需要が堅調となり、治療薬やワクチン製造向けに一部製品の販売が増加しました。
ポリプロピレンは、新型コロナウイルス感染症に起因する経済活動の停滞により、第1四半期において出荷が大幅に減少しましたが、主力の自動車関連を中心に緩やかに需要が回復しました。ポリエチレンは、主にレジ袋有料化の影響によりフィルム用途の需要が落ち込み、出荷が減少しました。
当セグメントの売上高は21,380百万円(前期比17.5%減)となりました。
商事事業
商事事業は、主力のポリプロピレンの販売において、化学品事業と同様に自動車関連の需要が低迷したほか、原料ナフサ価格の下落により販売価格が低下したことから、売上は減少しました。
当セグメントの売上高は17,863百万円(前期比15.0%減)となりました。
電力事業
電力事業では、全13箇所の水力発電所についてFIT活用に向けた改修工事計画を進めており、当連結会計年度においては、白川発電所及び内大臣川発電所の2箇所で改修工事が完了し、これにより計9箇所の水力発電所で商業運転を開始しました。残る4箇所の水力発電所についても、改修工事を計画的に進めました。
当セグメントの売上高は6,596百万円(前期比10.7%増)となりました。
その他の事業(エンジニアリング等)
エンジニアリング部門は、石油化学分野を中心に国内案件の工事が順調に進捗したことから売上が増加したほか、新規案件の受注も好調に推移しました。
当セグメントの売上高は5,982百万円(前期比18.6%増)となりました。
②経営成績の分析
当社グループの主要事業である機能材料事業は、技術革新のスピードが速く、特に競争の厳しい分野であります。エレクトロニクス関連分野の環境変化により収益に大きな影響を受ける可能性があります。
事業の種別の売上高は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況、分析 ①経営成績の状況」 に記載しております。
売上高
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ12,841百万円減少し、132,011百万円となりました。セグメント別では電力事業及びその他の事業以外のセグメントで減収となりました。
売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ14,078百万円減少し、105,385百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2,009百万円減少し、24,138百万円となりました。
営業利益
当連結会計年度の営業利益は、主に化学品事業及び電力事業の増益により前連結会計年度に比べ3,246百万円増加し、2,486百万円となりました。
営業外損益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は3,128百万円となり、前連結会計年度に比べ844百万円増加しました。
当連結会計年度の営業外費用は2,323百万円となり、前連結会計年度に比べ486百万円減少しました。
これらの結果経常利益は、前連結会計年度に比べ4,577百万円増加し、3,291百万円となりました。
特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損失
当連結会計年度の特別利益は前連結会計年度に比べ1,842百万円増加し、2,015百万円となりました。
当連結会計年度の特別損失は、水俣病補償損失等4,231百万円を計上しております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、1,143百万円となりました。
③財政状態の状況、分析
a.事業全体の状況、分析
当連結会計年度末の資産は、主に流動資産の減少により前連結会計年度末に比べ13,117百万円減少し、238,644百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金、たな卸資産の減少によるものです。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて13,343百万円減少し、369,206百万円となりました。これは主に未払金及び短期借入金の減少によるものです。
当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金は減少しましたが為替換算調整勘定などが増加したことにより、前連結会計年度末に比べて226百万円増加し、△130,561百万円となりました。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況、分析
機能材料事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ5,551百万円減少し、35,456百万円となりました。主な要因は、たな卸資産の減少によるものです。
加工品事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ2,416百万円減少し、62,645百万円となりました。主な要因は、たな卸資産の減少によるものです。
化学品事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ2,317百万円減少し、49,017百万円となりました。主な要因は、売上債権の減少によるものです。
商事事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ216百万円減少し、6,299百万円となりました。主な要因は、たな卸資産の減少によるものです。
電力事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ383百万円減少し、40,175百万円となりました。主な要因は、売上債権の減少によるものです。
その他の事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ22百万円増加し、3,155百万円となりました。主な要因は、投資その他資産の増加によるものです。
なお、当連結会計年度より、組織変更に伴う管理区分の見直しを行った結果、従来「化学品事業」に含まれていた「シリコン誘導品」を「機能材料事業」に変更しております。
(2) キャッシュ・フロー及び資金調達の状況、分析
①キャッシュ・フロー
連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ646百万円(2.2%)減少し、当連結会計年度末残高は28,855百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ811百万円(6.4%)増加の13,491百万円となりました。これは主に売上債権及びたな卸資産の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ3,017百万円(25.3%)減少の8,928百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ2,720百万円(355.1%)増加の3,486百万円となりました。
(水俣病補償によるキャッシュ・フロー)
水俣病補償によって使用された資金は、2,208百万円となりました。
②資金調達
当社は大幅な債務超過となっておりますが、当該状況が会社の運営継続に支障をきたさないための措置として、平成12年2月8日閣議了解に基づき、国、熊本県から金融支援措置を受けるほか、関係金融機関からもご支援をいただいております。そのうち、水俣病関連の公的債務返済につきましては、既定の返済ルールに基づき算定された562百万円を熊本県に返済しております。
また、特措法(平成21年法律第81号)及びその救済措置の方針による水俣病被害者救済一時金の支払い額が756億円と大幅に増加し、既往公的債務の償還に加えて同支払い債務の償還によって、償還合計額が増加する状況となったため、関係省庁による「チッソ株式会社に対する支援措置に関する連絡会議」において、2018年度以降の金融支援措置及び債務償還に関する申し合わせがなされ、2018年3月26日に、金融支援措置の継続並びに解決一時金債務の償還にかかる決定及び救済一時金債務について2019年度以降、当面の間、支払猶予とする決定を受けております。
関係金融機関からは、現在当社に対し行われている貸付元本及び求償債権の返済猶予等の継続及びこれに係る利息等の免除といった特別支援措置を受けております。
当社を除くグループ各社では、運転資金及び設備投資資金について、内部資金または借入れにより資金調達することとしております。
(3) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社グループは、これまでの水俣病関連累積損失に加え、2010年度より発生しております水俣病被害者救済一時金等による支払いが多額にのぼるため、当連結会計年度末の連結利益剰余金は△1,628億円となる結果、大幅な債務超過となっております。
当該事象及び対応策については、「2 事業等のリスク (20)提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象」に記載のとおりですので、そちらをご参照ください。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
機能材料事業28,958△21.5
加工品事業49,253△8.2
化学品事業19,945△11.2
商事事業
電力事業6,4608.5
その他の事業
合計104,617△12.1

(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注状況
当連結会計年度におけるその他の事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
なお、その他の事業を除く製品について見込み生産を行っております。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
その他の事業6,71885.73,91927.4

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
機能材料事業24,043△15.1
加工品事業56,144△4.2
化学品事業21,380△17.5
商事事業17,863△15.0
電力事業6,59610.7
その他の事業5,98218.6
合計132,011△8.9

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
全国農業協同組合連合会29,08820.127,92221.2
LG Display Co.,Ltd.10,7427.48,8906.7

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものはありません。

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