有価証券報告書-第98期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/29 14:01
【資料】
PDFをみる
【項目】
141項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況、分析
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業の収益や生産が緩やかながらも改善するなど、回復に向けた動きも見られましたが、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の抑制に加え、世界的な半導体の需給逼迫や原油価格の高騰、ウクライナ情勢に伴う地政学的リスクの高まりなど、景気の先行きについては不透明感が増す状況となりました。
このような状況のもと当社グループにおきましては、2021年3月に公表した「2020~2024年度 中期計画 ~業績改善のための計画~」を推進し、希望退職制度による要員の適正化や機能材料事業における液晶材料の製造拠点の統廃合を進めるなど、既存事業の収益力強化を目的とした構造改革に努めたほか、電力事業ではFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)活用に向けた水力発電所の大規模改修工事を引き続き計画的に進め、持続的な経営基盤の強化を行ないました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は137,551百万円(前期比4.2%増)、営業利益は5,448百万円(前期比119.1%増)、経常利益は9,691百万円(前期比194.4%増)となりました。特別利益に固定資産売却益10,453百万円、持分変動利益756百万円等の合計11,454百万円を、特別損失に水俣病補償損失2,933百万円、希望退職制度実施に伴う特別加算金等による事業構造改革費用1,254百万円、災害による損失599百万円等の合計5,512百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は12,139百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失1,143百万円)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は17,152百万円減少しております。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
機能材料事業(液晶材料等)
液晶材料は、半導体不足の影響はあったものの、テレワークやオンライン授業の一般化など生活様式の変化により、PCモニター等のIT向け液晶の販売が堅調に推移し、売上は増加しました。シリコン製品は、需給の逼迫を背景としてプリントサーキットボードや放熱材向けの販売が好調に推移し、売上は増加しました。
当セグメントの売上高は25,764百万円(前期比7.2%増)となりました。
加工品事業(繊維製品、肥料等)
繊維製品は国内・中国の出生率減少、新型コロナウイルス感染症対策関連の製品在庫調整の長期化、原材料等の価格高騰という厳しい事業環境のもと、新規分野への販売と販売価格是正に注力しました。その結果、原綿の売上は微減に留まり、不織布は新規案件の獲得、付加価値品の販売等により、売上は増加しました。
肥料は、輸出では新型コロナウイルス感染症及びコンテナ不足等の物流環境悪化の影響を受け出荷が減少したものの、原料価格高騰に伴う大幅な販売価格値上げ前の先取り需要により、国内を中心に被覆肥料及び化成肥料の出荷が増え、売上は増加しました。
当セグメントの売上高は59,211百万円(前期比5.5%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は2,094百万円減少しております。
化学品事業(アルコール、樹脂等)
オキソアルコールは、上期の旺盛なアジア需要による好調な輸出に支えられ、下期に中国の電力制限や住宅需要の落ち込みの影響が見られたものの、総じて出荷は堅調となりました。また、原料ナフサ価格の高騰に伴い販売価格の値上げも実施したことから、売上は増加しました。この他、新型コロナウイルス感染症対策関連の需要の伸びが継続していることから、ワクチン製剤の精製工程で使用される液体クロマトグラフィー用充填剤の販売が引き続き好調となりました。
ポリプロピレンは、全体的な需要は新型コロナウイルス感染症の影響から持ち直しつつあるものの、主力の自動車関連分野における半導体等の供給不足による減産影響があり、出荷は減少しました。
当セグメントの売上高は31,625百万円(前期比47.9%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は1,791百万円減少しております。
商事事業
商事事業は、主力のポリプロピレンの販売において自動車関連製品の生産が落ち込んだことから出荷は伸び悩んだものの、原料ナフサ価格の高騰に伴い、販売価格の値上げを実施したことから、採算面は改善しました。
当セグメントの売上高は10,501百万円(前期比41.2%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は13,357百万円減少しております。
電力事業
電力事業は、全13箇所の水力発電所についてFIT活用に向けた改修工事計画を進め、当連結会計年度においては、津留発電所で改修工事が完了し、これにより計10箇所の水力発電所で商業運転を開始しました。残る3箇所の水力発電所についても、改修工事を計画的に進めました。また、渇水や落雷、集中豪雨などの影響により発電量が低下し、売上は減少しました。
当セグメントの売上高は5,111百万円(前期比22.5%減)となりました。
その他の事業(エンジニアリング等)
エンジニアリング事業は、前期に石油化学関連設備に係る大型案件の進捗があった反動から、売上が減少したほか、新規案件の受注にも一服感がみられました。
当セグメントの売上高は5,336百万円(前期比10.8%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は91百万円増加しております。
②経営成績の分析
当社グループの主要事業である機能材料事業は、技術革新のスピードが速く、特に競争の厳しい分野であります。エレクトロニクス関連分野の環境変化により収益に大きな影響を受ける可能性があります。
事業の種別の売上高は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況、分析 ①経営成績の状況」 に記載しております。
売上高
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ5,540百万円増加し、137,551百万円となりました。セグメント別では機能材料事業及び加工品事業、化学品事業で増収となり、商事事業及び電力事業、その他の事業で減収となりました。
売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ3,737百万円増加し、109,122百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1,158百万円減少し、22,980百万円となりました。
営業利益
当連結会計年度の営業利益は、主に機能材料事業及び化学品事業の増益により前連結会計年度に比べ2,961百万円増加し、5,448百万円となりました。
営業外損益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は6,559百万円となり、前連結会計年度に比べ3,430百万円増加しました。
当連結会計年度の営業外費用は2,316百万円となり、前連結会計年度に比べ7百万円減少しました。
これらの結果経常利益は、前連結会計年度に比べ6,399百万円増加し、9,691百万円となりました。
特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は前連結会計年度に比べ固定資産売却益等により9,439百万円増加し、11,454百万円となりました。
当連結会計年度の特別損失は、水俣病補償損失等5,512百万円を計上しております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、12,139百万円となりました。
③財政状態の状況、分析
a.事業全体の状況、分析
当連結会計年度末の資産は、主に流動資産の増加により前連結会計年度末に比べ14,641百万円増加し253,286百万円となりました。これは主に現金及び預金、売掛金の増加によるものです。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて6,103百万円増加し、375,310百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金、短期借入金の増加によるものです。
当連結会計年度末の純資産は、非支配株主持分は減少しましたが利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて8,537百万円増加し、△122,023百万円となりました。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況、分析
機能材料事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ1,277百万円減少し、34,179百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の減少によるものです。
加工品事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ3,722百万円増加し、66,367百万円となりました。主な要因は、棚卸資産の増加によるものです。
化学品事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ3,381百万円増加し、52,398百万円となりました。主な要因は、売上債権の増加によるものです。
商事事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ1,845百万円増加し、8,144百万円となりました。主な要因は、売上債権の増加によるものです。
電力事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ4,115百万円減少し、36,060百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の減少によるものです。
その他の事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ214百万円増加し、3,369百万円となりました。主な要因は、投資その他資産の増加によるものです。

(2) キャッシュ・フロー及び資金調達の状況、分析
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11,685百万円(40.5%)増加し、当連結会計年度末残高は40,541百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ2,299百万円(17.0%)減少の11,192百万円となりました。これは主に売上債権及び棚卸資産の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ941百万円(10.5%)増加の9,869百万円となりました。また、白川発電所の売却による収入13,396百万円を加え、当連結会計年度は3,527百万円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ1,373百万円(39.4%)減少の2,113百万円となりました。
(水俣病補償によるキャッシュ・フロー)
水俣病補償によって使用された資金は、1,566百万円となりました。
②資金調達
当社は大幅な債務超過となっておりますが、当該状況が会社の運営継続に支障をきたさないための措置として、平成12年2月8日閣議了解に基づき、国、熊本県から金融支援措置を受けるほか、関係金融機関からもご支援をいただいております。そのうち、水俣病関連の公的債務返済につきましては、既定の返済ルールに基づき1百万円を熊本県に返済しております。
また、特措法(平成21年法律第81号)及びその救済措置の方針による水俣病被害者救済一時金の支払い額が756億円と大幅に増加し、既往公的債務の償還に加えて同支払い債務の償還によって、償還合計額が増加する状況となったため、関係省庁による「チッソ株式会社に対する支援措置に関する連絡会議」において、2018年度以降の金融支援措置及び債務償還に関する申し合わせがなされ、2018年3月26日に、金融支援措置の継続並びに解決一時金債務の償還にかかる決定及び救済一時金債務について2019年度以降、当面の間、支払猶予とする決定を受けております。
関係金融機関からは、現在当社に対し行われている貸付元本及び求償債権の返済猶予等の継続及びこれに係る利息等の免除といった特別支援措置を受けております。
当社を除くグループ各社では、運転資金及び設備投資資金について、内部資金または借入れにより資金調達することとしております。
(3) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社グループは、これまでの水俣病関連累積損失に加え、2010年度より発生しております水俣病被害者救済一時金等による支払いが多額にのぼるため、当連結会計年度末の連結利益剰余金は△1,508億円となる結果、大幅な債務超過となっております。
当該事象及び対応策については、「2 事業等のリスク (20)提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象」に記載のとおりですので、そちらをご参照ください。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
機能材料事業38,38232.5
加工品事業55,33012.3
化学品事業33,00165.5
商事事業
電力事業4,253△34.2
その他の事業
合計130,96725.2

(注) 1 金額は、販売価格によっております。
②受注状況
当連結会計年度におけるその他の事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
なお、その他の事業を除く製品について見込み生産を行っております。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
その他の事業4,864△27.63,620△7.6

③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
機能材料事業25,7647.2
加工品事業59,2115.5
化学品事業31,62547.9
商事事業10,501△41.2
電力事業5,111△22.5
その他の事業5,336△10.8
合計137,5514.2

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
全国農業協同組合連合会27,92221.229,20021.2
LG Display Co.,Ltd.8,8906.78,2786.0

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものはありません。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。