有価証券報告書-第100期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/27 14:13
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143項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況、分析
①経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境は、ウィズコロナ・アフターコロナへの移行により経済活動の正常化が進み、緩やかな回復基調となった一方、大幅な円安進行に起因する資源・エネルギー価格の高止まりのほか、中国・欧州などの海外景気減速への懸念やウクライナ・中東における情勢不安が景気の下振れリスクとして継続し、先行きの不確実性が残る状況となりました。
このような状況のもと当社グループにおきましては、2021年3月に公表した「2020~2024年度 中期計画 ~業績改善のための計画~」に取り組み、事業拠点の集約化や効率的な人員配置によるコスト削減などの全社的な構造改革のほか、生産効率向上や既存製品の拡販による黒字化戦略を遂行しました。また、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)活用に向けた水力発電所の改修工事を計画的に進めるなど、持続的な経営基盤の強化に努めました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は131,442百万円(前期比8.9%減)、営業利益は1,227百万円(前期比79.7%減)、経常利益は402百万円(前期比94.7%減)となりました。特別利益に受取補償金297百万円、事業譲渡益90百万円等の合計468百万円を、特別損失に水俣病補償損失2,562百万円、訴訟損失引当金繰入額483百万円等の合計4,087百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は2,895百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失1,810百万円)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、従来「その他の事業」としていたセグメント名称を「エンジニアリング事業」に変更しております。
機能材料事業(液晶材料等)
液晶材料は、液晶パネル市場の過剰在庫が解消され、大型TV用液晶の出荷が堅調となった反面、ノートブックPCやタブレットなどの中小型パネル市場の需要回復の動きが鈍く、IT向け高付加価値品の出荷割合が低下したため、売上は減少しました。
シリコン製品は、中国EV市場減速などの環境変化を受けてプリントサーキットボードや放熱材用途の市況が悪化し、売上は減少しました。
当セグメントの売上高は18,509百万円(前期比8.1%減)となりました。
加工品事業(繊維製品、肥料等)
繊維製品は、アセアン向けの出荷やフェミニンケア製品用途は堅調に推移したものの、中国経済の減速や日本・中国での出生率の低下による子供向け紙おむつ用途の需要低迷の影響が大きく、売上は減少しました。
肥料は、輸出環境の改善により海外向けは回復基調となりましたが、国内では前期までの先取り需要により過剰となっている流通在庫の調整に加え、原材料価格が低下に転じたことによる製品価格の値下げを見越した買い控えが継続したため、出荷が低調となり、売上は減少しました。
当セグメントの売上高は58,852百万円(前期比16.2%減)となりました。
化学品事業(アルコール、樹脂等)
オキソアルコールは、国内外ともに住宅向け需要の低迷が継続しましたが、自動車市場の復調と円安の影響を受けて輸出を中心に出荷が回復したことから、売上は増加しました。塩化ビニル樹脂ライセンスは、中国やインドを始めとする旺盛な建設計画を背景に、引き続き堅調に推移しました。液体クロマトグラフィー用充填剤は、ワクチンや抗体医薬などのバイオ医薬品の製造工程向け需要の高まりから、国内外ともに売上は増加しました。
ポリプロピレンは、自動車関連用途で需要回復の動きも見られましたが、全体的な国内需要の低迷に加えて、軟調な海外市況に伴う安価輸入品の流入が継続したことから、出荷は減少しました。
当セグメントの売上高は33,584百万円(前期比4.6%増)となりました。
商事事業
商事事業は、化学品事業と同様に、主力のポリプロピレンは全体的な国内需要低迷が継続し、オクタノール、可塑剤等のその他化学製品の販売も住宅向け需要の低迷を背景に総じて低調となったことから、売上は減少しました。
当セグメントの売上高は9,525百万円(前期比8.1%減)となりました。
電力事業
電力事業は、FIT活用による安定した収益基盤の強化に向けて実施していた、全13箇所の既存水力発電所の大規模改修工事が完了し、当連結会計年度においては、内谷第一発電所、内谷第二発電所及び頭地発電所で商業運転を開始しました。これにより発電量が増加すると共に、上期の安定した降雨に支えられ、売上は増加しました。
当セグメントの売上高は6,498百万円(前期比8.6%増)となりました。
エンジニアリング事業
エンジニアリング事業は、上期までの新規受注減少の影響から売上は減少しましたが、コスト削減による利益率改善に注力したほか、下期には大型案件を含む新規案件の受注が増加しました。
当セグメントの売上高は4,470百万円(前期比17.8%減)となりました。
②経営成績の分析
当社グループの主要事業である機能材料事業は、技術革新のスピードが速く、特に競争の厳しい分野であります。エレクトロニクス関連分野の環境変化により収益に大きな影響を受ける可能性があります。
事業の種別の売上高は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況、分析 ①経営成績の状況」 に記載しております。
売上高
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ12,795百万円減少し、131,442百万円となりました。セグメント別では化学品事業及び電力事業で増収となり、機能材料事業及び加工品事業、商事事業、エンジニアリング事業で減収となりました。
売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ8,087百万円減少し、107,737百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ118百万円増加し、22,477百万円となりました。
営業利益
当連結会計年度の営業利益は、主に加工品事業の減益により前連結会計年度に比べ4,826百万円減少し、1,227百万円となりました。
営業外損益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は1,809百万円となり、前連結会計年度に比べ1,803百万円減少しました。
当連結会計年度の営業外費用は2,633百万円となり、前連結会計年度に比べ505百万円増加しました。
これらの結果経常利益は、前連結会計年度に比べ7,135百万円減少し、402百万円となりました。
特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は前連結会計年度に比べ104百万円増加し、468百万円となりました。
当連結会計年度の特別損失は、水俣病補償損失及び減損損失等4,087百万円を計上しております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、2,895百万円となりました。
③財政状態の状況、分析
a.事業全体の状況、分析
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ16,983百万円増加し269,528百万円となりました。これは期末日休日影響等により受取手形及び売掛金が増加したこと、また水力発電所の大規模改修工事の影響により有形固定資産が増加したことによるものです。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて18,033百万円増加し、387,840百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金、未払金の増加によるものです。
当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べて1,049百万円減少し、△118,312百万円となりました。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況、分析
機能材料事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ1,608百万円増加し、23,315百万円となりました。主な要因は、売上債権の増加によるものです。
加工品事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ4,380百万円減少し、72,135百万円となりました。主な要因は、棚卸資産の減少によるものです。
化学品事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ11,075百万円増加し、65,740百万円となりました。主な要因は、売上債権の増加によるものです。
商事事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ161百万円減少し、8,594百万円となりました。主な要因は、売上債権の減少によるものです。
電力事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ8,114百万円増加し、45,526百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の増加によるものです。
エンジニアリング事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ88百万円減少し、4,285百万円となりました。主な要因は、その他流動資産の減少によるものです。
なお、当連結会計年度より、量的な重要性が増したため、従来「その他事業」としていたセグメント名称を「エンジニアリング事業」に変更しております。

(2) キャッシュ・フロー及び資金調達の状況、分析
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,249百万円(12.4%)増加し、当連結会計年度末残高は38,532百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、13,779百万円(前連結会計年度は2,935百万円の支出)となりました。これは主に棚卸資産の減少及び債権債務の期末日休日影響によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ549百万円(6.8%)増加の 8,683 百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用された資金は、519百万円(前連結会計年度は5,356百万円の収入)となりました。
(水俣病補償によるキャッシュ・フロー)
水俣病補償によって使用された資金は、1,307百万円となりました。
②資金調達
当社は大幅な債務超過となっておりますが、当該状況が会社の運営継続に支障をきたさないための措置として、平成12年2月8日閣議了解に基づき、国、熊本県から金融支援措置を受けるほか、関係金融機関からもご支援をいただいております。そのうち、水俣病関連の公的債務返済につきましては、既定の返済ルールに基づき1百万円を熊本県に返済しております。
また、特措法(平成21年法律第81号)及びその救済措置の方針による水俣病被害者救済一時金の支払い額が75,601百万円と大幅に増加し、既往公的債務の償還に加えて同支払い債務の償還によって、償還合計額が増加する状況となったため、関係省庁による「チッソ株式会社に対する支援措置に関する連絡会議」において、2018年度以降の金融支援措置及び債務償還に関する申し合わせがなされ、2018年3月26日に、金融支援措置の継続並びに解決一時金債務の償還にかかる決定及び救済一時金債務について2019年度以降、当面の間、支払猶予とする決定を受けております。
関係金融機関からは、現在当社に対し行われている貸付元本及び求償債権の返済猶予等の継続及びこれに係る利息等の免除といった特別支援措置を受けております。
当社を除くグループ各社では、運転資金及び設備投資資金について、内部資金または借入れにより資金調達することとしております。
(3) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社グループは、これまでの水俣病関連累積損失に加え、2010年度より発生しております水俣病被害者救済一時金等による支払いが多額にのぼるため、当連結会計年度末の連結利益剰余金は△155,572百万円となる結果、大幅な債務超過となっております。
当該事象及び対応策については、「3 事業等のリスク (19)提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象」に記載のとおりですので、そちらをご参照ください。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
機能材料事業19,451△14.8
加工品事業52,199△26.1
化学品事業32,04021.4
商事事業43365.5
電力事業5,1282.6
エンジニアリング事業
合計109,253△12.7

(注) 1 金額は、販売価格によっております。
②受注状況
当連結会計年度におけるその他の事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
なお、エンジニアリング事業を除く製品について見込み生産を行っております。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
エンジニアリング事業16,982275.714,536490.9

③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
機能材料事業18,509△8.1
加工品事業58,852△16.2
化学品事業33,5844.6
商事事業9,525△8.1
電力事業6,4988.6
エンジニアリング事業4,470△17.8
合計131,442△8.9

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
全国農業協同組合連合会37,59426.128,01821.3
LG Display Co.,Ltd.5,1063.54,1663.2

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものはありません。

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