有価証券報告書-第96期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況、分析
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得の改善が続くなか、緩やかな回復基調にありましたが、米中貿易摩擦等の影響により、輸出や生産には弱さがみられる状況が続きました。さらに、2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症の影響によって、中国の春節明け以降、世界的に経済活動が抑制されたため、急速に景気が減速し、先行きは予断を許さない状況となりました。
このような状況のもと当社グループにおきましては、主要事業である液晶材料事業において、液晶パネルメーカーの事業構造の転換や中国液晶材料メーカーの台頭による競争激化の影響を受けたことなどから、全体として厳しい経営環境となりました。こうした経営環境の変化に対処すべく、収益体質の強化に向けた構造改革に取り組み、不採算事業の見直しや生産拠点の最適化、子会社の再編等の施策を迅速に実施しました。また、安定した収益基盤を確保するために、電力事業において、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)活用に向けた水力発電所の改修工事を計画的に進めました。
なお、新型コロナウイルス感染症の当社グループにおける影響につきましては、化学品事業の主要な販売先である自動車業界において需要が減退するなど、一部製品の出荷、販売に影響がありましたが、当連結会計年度においては限定的なものとなりました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は144,852百万円(前期比6.6%減)、営業損失は759百万円(前期は営業損失3,787百万円)、経常損失は1,285百万円(前期は経常損失1,391百万円)となりました。特別損失として、減損損失2,392百万円、事業整理損2,029百万円、水俣病補償関係損失等3,159百万円などの合計8,541百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は11,906百万円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
機能材料事業(液晶材料等)
液晶材料は、中国での大型液晶パネル製造ラインの立ち上がりに伴い、主力の液晶テレビ市場におけるパネルの供給過剰が顕著となり、液晶パネルメーカーの生産調整や事業縮小の影響を受けたことなどから、販売価格が低下し、売上は減少しました。
当セグメントの売上高は26,119百万円(前期比13.1%減)となりました。
なお、液晶材料事業において、事業環境の変化に対処すべく、生産拠点の最適化を進めております。これに伴い、当連結会計年度において、特別損失として減損損失を計上しました。
加工品事業(繊維製品、肥料等)
繊維製品は、中国・アジア地域における衛生材料市場が引き続き堅調となりましたが、中国内の不織布メーカーが生産設備増強を進めたことによる供給過剰の影響で、激しい価格競争が続き、出荷は減少しました。
肥料は、被覆肥料のアジア地域向け輸出が堅調となったものの、全国農業協同組合連合会の集中購買方式への移行による影響や、前年度に発生した肥料価格改定に伴う先取り需要の反動から、化成肥料を中心に出荷が低調となり、売上は減少しました。
当セグメントの売上高は58,615百万円(前期比5.1%減)となりました。
なお、当社連結子会社であるJNC株式会社において、電子部品事業及びリチウムイオンバッテリー用セパレーター事業からの撤退を決定いたしました。これに伴い、当連結会計年度において、特別損失として事業整理損等を計上しました。
化学品事業(アルコール、樹脂等)
オキソアルコールは、生産設備の定期修理を実施した前年に比べ、生産量及び出荷が伸長しましたが、アジア市場における市況軟化や原料ナフサ価格の下落の影響を受けて、販売価格が低下したことから、売上は減少しました。
ポリプロピレン及びポリエチレンは、米中貿易摩擦の影響を受けて国内自動車向け需要の減少が顕著となったことに加えて、中国市況の軟化、安価な輸入品の流入等の影響を受けるなど、厳しい事業環境となりました。
当セグメントの売上高は28,112百万円(前期比6.9%減)となりました。
商事事業
主力のポリプロピレンの販売は、原料ナフサ価格の下落により販売価格が低下しましたが、仕入先の設備トラブルによる影響が解消したことから出荷は堅調に推移し、売上は前年並みとなりました。
当セグメントの売上高は21,004百万円(前期比0.8%減)となりました。
電力事業
電力事業では、全13箇所の水力発電所についてFIT活用に向けた改修工事計画を進めており、当連結会計年度においては高千穂発電所及び目丸発電所の2箇所で改修工事が完了し、これにより計7箇所の水力発電所で商業運転を開始しました。残る6箇所の水力発電所についても、改修工事を計画的に進めました。
当セグメントの売上高は5,956百万円(前期比33.9%増)となりました。
その他の事業(エンジニアリング等)
エンジニアリング事業は、手持案件の工事は順調に進捗したものの、前期に石油化学関連設備に係る大型案件の進捗があった反動により、売上は減少しました。また、新型案件の受注については堅調に推移しました。
当セグメントの売上高は5,042百万円(前期比32.1%減)となりました。
②経営成績の分析
当社グループの主要事業である機能材料事業は、技術革新のスピードが速く、特に競争の厳しい分野であります。エレクトロニクス関連分野の環境変化により収益に大きな影響を受ける可能性があります。
事業の種別の売上高は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況、分析 ①経営成績の状況」 に記載しております。
売上高
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ10,173百万円減少し、144,852百万円となりました。セグメント別では電力事業以外のセグメントで減収となりました。
売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ10,853百万円減少し、119,463百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2,347百万円減少し、26,148百万円となりました。
営業損失
当連結会計年度の営業損失は、主に電力事業の増益により前連結会計年度に比べ3,028百万円減少し、759百万円となりました。
営業外損益及び経常損失
当連結会計年度の営業外収益は2,284百万円となり、前連結会計年度に比べ2,392百万円減少しました。
当連結会計年度の営業外費用は2,810百万円となり、前連結会計年度に比べ529百万円増加しました。
これらの結果経常損失は、前連結会計年度に比べ106百万円減少し、1,285百万円となりました。
特別損益及び親会社株式に帰属する当期純損失
当連結会計年度の特別利益は前連結会計年度に比べ45百万円減少し、172百万円となりました。
当連結会計年度の特別損失は、水俣病補償損失等8,541百万円を計上しております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、11,906百万円となりました。
③財政状態の状況、分析
a.事業全体の状況、分析
当連結会計年度末の資産は、主に流動資産の減少により前連結会計年度末に比べ16,915百万円減少し、251,761百万円となりました。これは主に現金及び預金、受取手形及び売掛金の減少によるものです。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて4,069百万円減少し、382,549百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少によるものです。
当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金などが減少したことにより、前連結会計年度末に比べて12,846百万円減少し、△130,788百万円となりました。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況、分析
機能材料事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ6,145百万円減少し、37,954百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の減少によるものです。
加工品事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ2,229百万円減少し、65,061百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の減少によるものです。
化学品事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ4,980百万円減少し、54,389百万円となりました。主な要因は、売上債権の減少によるものです。
商事事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ1,703百万円減少し、6,515百万円となりました。主な要因は、売上債権の減少によるものです。
電気事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ4,247百万円増加し、40,559百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の増加によるものです。
その他の事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ2,343百万円減少し、3,132百万円となりました。主な要因は、売上債権の減少によるものです。
(2) キャッシュ・フロー及び資金調達の状況、分析
①キャッシュ・フロー
連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4,470百万円(13.2%)減少し、当連結会計年度末残高は29,501百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ7,155百万円(129.5%)増加の12,680百万円となりました。これは主に売上債権の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ2,144百万円(21.9%)増加の11,945百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ912百万円(54.4%)減少の766百万円となりました。
(水俣病補償によるキャッシュ・フロー)
水俣病補償によって使用された資金は、3,912百万円となりました。
②資金調達
当社は大幅な債務超過となっておりますが、当該状況が会社の運営継続に支障をきたさないための措置として、平成12年2月8日閣議了解に基づき、国、熊本県から金融支援措置を受けるほか、関係金融機関からもご支援をいただいております。そのうち、水俣病関連の公的債務返済につきましては、既定の返済ルールに基づき算定された約17億円を熊本県に返済しております。
また、特措法(平成21年法律第81号)及びその救済措置の方針による水俣病被害者救済一時金の支払い額が756億円と大幅に増加し、既往公的債務の償還に加えて同支払い債務の償還によって、償還合計額が増加する状況となったため、関係省庁による「チッソ株式会社に対する支援措置に関する連絡会議」において、2018年度以降の金融支援措置及び債務償還に関する申し合わせがなされ、2018年3月26日に、金融支援措置の継続並びに解決一時金債務の償還にかかる決定及び救済一時金債務について2019年度以降、当面の間、支払猶予とする決定を受けております。
関係金融機関からは、現在当社に対し行われている貸付元本及び求償債権の返済猶予等の継続及びこれに係る利息等の免除といった特別支援措置を受けております。
当社を除くグループ各社では、運転資金及び設備投資資金について、内部資金または借入れにより資金調達することとしております。
(3) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社グループは、これまでの水俣病関連累積損失に加え、2010年度より発生しております水俣病被害者救済一時金等による支払いが多額にのぼるため、当連結会計年度末の連結利益剰余金は△1,620億円となる結果、大幅な債務超過となっております。
当該事象及び対応策については、「2 事業等のリスク (20)提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象」に記載のとおりですので、そちらをご参照ください。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注状況
当連結会計年度におけるその他の事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
なお、その他の事業を除く製品について見込み生産を行っております。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)重要な会計上の見積り及び当期見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(a)減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画を基礎として、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画を基礎として、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定の仮定をおいて見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況、分析
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得の改善が続くなか、緩やかな回復基調にありましたが、米中貿易摩擦等の影響により、輸出や生産には弱さがみられる状況が続きました。さらに、2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症の影響によって、中国の春節明け以降、世界的に経済活動が抑制されたため、急速に景気が減速し、先行きは予断を許さない状況となりました。
このような状況のもと当社グループにおきましては、主要事業である液晶材料事業において、液晶パネルメーカーの事業構造の転換や中国液晶材料メーカーの台頭による競争激化の影響を受けたことなどから、全体として厳しい経営環境となりました。こうした経営環境の変化に対処すべく、収益体質の強化に向けた構造改革に取り組み、不採算事業の見直しや生産拠点の最適化、子会社の再編等の施策を迅速に実施しました。また、安定した収益基盤を確保するために、電力事業において、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)活用に向けた水力発電所の改修工事を計画的に進めました。
なお、新型コロナウイルス感染症の当社グループにおける影響につきましては、化学品事業の主要な販売先である自動車業界において需要が減退するなど、一部製品の出荷、販売に影響がありましたが、当連結会計年度においては限定的なものとなりました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は144,852百万円(前期比6.6%減)、営業損失は759百万円(前期は営業損失3,787百万円)、経常損失は1,285百万円(前期は経常損失1,391百万円)となりました。特別損失として、減損損失2,392百万円、事業整理損2,029百万円、水俣病補償関係損失等3,159百万円などの合計8,541百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は11,906百万円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
機能材料事業(液晶材料等)
液晶材料は、中国での大型液晶パネル製造ラインの立ち上がりに伴い、主力の液晶テレビ市場におけるパネルの供給過剰が顕著となり、液晶パネルメーカーの生産調整や事業縮小の影響を受けたことなどから、販売価格が低下し、売上は減少しました。
当セグメントの売上高は26,119百万円(前期比13.1%減)となりました。
なお、液晶材料事業において、事業環境の変化に対処すべく、生産拠点の最適化を進めております。これに伴い、当連結会計年度において、特別損失として減損損失を計上しました。
加工品事業(繊維製品、肥料等)
繊維製品は、中国・アジア地域における衛生材料市場が引き続き堅調となりましたが、中国内の不織布メーカーが生産設備増強を進めたことによる供給過剰の影響で、激しい価格競争が続き、出荷は減少しました。
肥料は、被覆肥料のアジア地域向け輸出が堅調となったものの、全国農業協同組合連合会の集中購買方式への移行による影響や、前年度に発生した肥料価格改定に伴う先取り需要の反動から、化成肥料を中心に出荷が低調となり、売上は減少しました。
当セグメントの売上高は58,615百万円(前期比5.1%減)となりました。
なお、当社連結子会社であるJNC株式会社において、電子部品事業及びリチウムイオンバッテリー用セパレーター事業からの撤退を決定いたしました。これに伴い、当連結会計年度において、特別損失として事業整理損等を計上しました。
化学品事業(アルコール、樹脂等)
オキソアルコールは、生産設備の定期修理を実施した前年に比べ、生産量及び出荷が伸長しましたが、アジア市場における市況軟化や原料ナフサ価格の下落の影響を受けて、販売価格が低下したことから、売上は減少しました。
ポリプロピレン及びポリエチレンは、米中貿易摩擦の影響を受けて国内自動車向け需要の減少が顕著となったことに加えて、中国市況の軟化、安価な輸入品の流入等の影響を受けるなど、厳しい事業環境となりました。
当セグメントの売上高は28,112百万円(前期比6.9%減)となりました。
商事事業
主力のポリプロピレンの販売は、原料ナフサ価格の下落により販売価格が低下しましたが、仕入先の設備トラブルによる影響が解消したことから出荷は堅調に推移し、売上は前年並みとなりました。
当セグメントの売上高は21,004百万円(前期比0.8%減)となりました。
電力事業
電力事業では、全13箇所の水力発電所についてFIT活用に向けた改修工事計画を進めており、当連結会計年度においては高千穂発電所及び目丸発電所の2箇所で改修工事が完了し、これにより計7箇所の水力発電所で商業運転を開始しました。残る6箇所の水力発電所についても、改修工事を計画的に進めました。
当セグメントの売上高は5,956百万円(前期比33.9%増)となりました。
その他の事業(エンジニアリング等)
エンジニアリング事業は、手持案件の工事は順調に進捗したものの、前期に石油化学関連設備に係る大型案件の進捗があった反動により、売上は減少しました。また、新型案件の受注については堅調に推移しました。
当セグメントの売上高は5,042百万円(前期比32.1%減)となりました。
②経営成績の分析
当社グループの主要事業である機能材料事業は、技術革新のスピードが速く、特に競争の厳しい分野であります。エレクトロニクス関連分野の環境変化により収益に大きな影響を受ける可能性があります。
事業の種別の売上高は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況、分析 ①経営成績の状況」 に記載しております。
売上高
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ10,173百万円減少し、144,852百万円となりました。セグメント別では電力事業以外のセグメントで減収となりました。
売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ10,853百万円減少し、119,463百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2,347百万円減少し、26,148百万円となりました。
営業損失
当連結会計年度の営業損失は、主に電力事業の増益により前連結会計年度に比べ3,028百万円減少し、759百万円となりました。
営業外損益及び経常損失
当連結会計年度の営業外収益は2,284百万円となり、前連結会計年度に比べ2,392百万円減少しました。
当連結会計年度の営業外費用は2,810百万円となり、前連結会計年度に比べ529百万円増加しました。
これらの結果経常損失は、前連結会計年度に比べ106百万円減少し、1,285百万円となりました。
特別損益及び親会社株式に帰属する当期純損失
当連結会計年度の特別利益は前連結会計年度に比べ45百万円減少し、172百万円となりました。
当連結会計年度の特別損失は、水俣病補償損失等8,541百万円を計上しております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、11,906百万円となりました。
③財政状態の状況、分析
a.事業全体の状況、分析
当連結会計年度末の資産は、主に流動資産の減少により前連結会計年度末に比べ16,915百万円減少し、251,761百万円となりました。これは主に現金及び預金、受取手形及び売掛金の減少によるものです。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて4,069百万円減少し、382,549百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少によるものです。
当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金などが減少したことにより、前連結会計年度末に比べて12,846百万円減少し、△130,788百万円となりました。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況、分析
機能材料事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ6,145百万円減少し、37,954百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の減少によるものです。
加工品事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ2,229百万円減少し、65,061百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の減少によるものです。
化学品事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ4,980百万円減少し、54,389百万円となりました。主な要因は、売上債権の減少によるものです。
商事事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ1,703百万円減少し、6,515百万円となりました。主な要因は、売上債権の減少によるものです。
電気事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ4,247百万円増加し、40,559百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の増加によるものです。
その他の事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ2,343百万円減少し、3,132百万円となりました。主な要因は、売上債権の減少によるものです。
(2) キャッシュ・フロー及び資金調達の状況、分析
①キャッシュ・フロー
連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4,470百万円(13.2%)減少し、当連結会計年度末残高は29,501百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ7,155百万円(129.5%)増加の12,680百万円となりました。これは主に売上債権の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ2,144百万円(21.9%)増加の11,945百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ912百万円(54.4%)減少の766百万円となりました。
(水俣病補償によるキャッシュ・フロー)
水俣病補償によって使用された資金は、3,912百万円となりました。
②資金調達
当社は大幅な債務超過となっておりますが、当該状況が会社の運営継続に支障をきたさないための措置として、平成12年2月8日閣議了解に基づき、国、熊本県から金融支援措置を受けるほか、関係金融機関からもご支援をいただいております。そのうち、水俣病関連の公的債務返済につきましては、既定の返済ルールに基づき算定された約17億円を熊本県に返済しております。
また、特措法(平成21年法律第81号)及びその救済措置の方針による水俣病被害者救済一時金の支払い額が756億円と大幅に増加し、既往公的債務の償還に加えて同支払い債務の償還によって、償還合計額が増加する状況となったため、関係省庁による「チッソ株式会社に対する支援措置に関する連絡会議」において、2018年度以降の金融支援措置及び債務償還に関する申し合わせがなされ、2018年3月26日に、金融支援措置の継続並びに解決一時金債務の償還にかかる決定及び救済一時金債務について2019年度以降、当面の間、支払猶予とする決定を受けております。
関係金融機関からは、現在当社に対し行われている貸付元本及び求償債権の返済猶予等の継続及びこれに係る利息等の免除といった特別支援措置を受けております。
当社を除くグループ各社では、運転資金及び設備投資資金について、内部資金または借入れにより資金調達することとしております。
(3) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社グループは、これまでの水俣病関連累積損失に加え、2010年度より発生しております水俣病被害者救済一時金等による支払いが多額にのぼるため、当連結会計年度末の連結利益剰余金は△1,620億円となる結果、大幅な債務超過となっております。
当該事象及び対応策については、「2 事業等のリスク (20)提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象」に記載のとおりですので、そちらをご参照ください。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 機能材料事業 | 31,546 | △18.4 |
| 加工品事業 | 53,636 | △11.5 |
| 化学品事業 | 27,830 | 1.2 |
| 商事事業 | ― | ― |
| 電力事業 | 5,956 | 33.9 |
| その他の事業 | ― | ― |
| 合計 | 118,969 | △9.3 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注状況
当連結会計年度におけるその他の事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
なお、その他の事業を除く製品について見込み生産を行っております。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| その他の事業 | 3,617 | 56.9 | 3,077 | 87.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 機能材料事業 | 26,119 | △13.1 |
| 加工品事業 | 58,615 | △5.1 |
| 化学品事業 | 28,112 | △6.9 |
| 商事事業 | 21,004 | △0.8 |
| 電力事業 | 5,956 | 33.9 |
| その他の事業 | 5,042 | △32.1 |
| 合計 | 144,852 | △6.6 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| 全国農業協同組合連合会 | 29,973 | 19.3 | 29,088 | 20.1 |
| LG Display Co.,Ltd. | 12,313 | 7.9 | 10,742 | 7.4 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)重要な会計上の見積り及び当期見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(a)減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画を基礎として、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画を基礎として、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定の仮定をおいて見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。