有価証券報告書-第99期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/29 14:29
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146項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況、分析
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナへの移行による経済活動の平常化に伴い緩やかな回復基調となったものの、欧米での金融引き締めを背景とした急激な為替変動に加え、ウクライナ情勢の長期化によってもたらされた世界的な原材料価格や光熱費の高止まりによる物価高騰が景気の下振れリスクとなるなど、先行きの不透明感が続く状況となりました。
このような状況のもと当社グループにおきましては、2021年3月に公表した「2020~2024年度 中期計画 ~業績改善のための計画~」に取り組み、事業拠点の集約化や効率的な人員配置によるコスト削減など全社的な構造改革のほか、生産性向上や既存製品の拡販による黒字化戦略を遂行しました。また、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)活用に向けた水力発電所の改修工事を計画的に進めるなど、持続的な経営基盤の強化に努めました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は144,237百万円(前期比4.9%増)、営業利益は6,053百万円(前期比11.1%増)、経常利益は7,538百万円(前期比22.2%減)となりました。特別利益に投資有価証券売却益224百万円等の合計363百万円を、特別損失に水俣病補償損失2,641百万円、減損損失3,286百万円等の合計6,732百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は1,810百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益12,139百万円)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
機能材料事業(液晶材料等)
液晶材料は、液晶パネル市場の過剰在庫が解消されつつあり、回復の兆しは見られるものの、市場価格の低迷や大型TV・ノートブックPC市場の冷え込みの影響を受けたディスプレイメーカーにおける生産調整の継続から出荷が低調となり、売上は減少しました。
シリコン製品は、コロナ禍からの需要回復が見られたコンタクトレンズ用途や放熱材料向け等で出荷が堅調となり、売上は前期並みとなりました。
当セグメントの売上高は20,138百万円(前期比21.8%減)となりました。
加工品事業(繊維製品、肥料等)
繊維製品は、国内及び中国での出生率低下や、中国におけるゼロコロナ政策による消費減退、衛生材料製品の在庫調整の長期化という厳しい事業環境のもと、販売価格是正に注力しました。その結果、原綿・不織布とも、出荷は減少しましたが、売上は増加しました。
肥料は、原材料高騰を受けた販売価格の値上げに伴い売上は増加しましたが、国内では値上げ前の先取り需要の反動を受けたほか、海外では価格上昇による買い控えが発生したことに加え、物流環境の厳しさが継続したことから、出荷は減少しました。
当セグメントの売上高は70,186百万円(前期比18.5%増)となりました。
化学品事業(アルコール、樹脂等)
オキソアルコールは、原料ナフサ価格の高騰やユーティリティーコストの増加により大幅な販売価格の値上げを行いましたが、生産設備の大型定期修理に加え、中国におけるゼロコロナ政策や住宅市場の低迷を背景にアジア市場が急激に冷え込み、輸出を中心に出荷が減少したことから売上は減少しました。一方、塩化ビニル樹脂ライセンスは、中国やインドを始めとする製造設備の旺盛な建設計画に伴い成約が好調となり、売上が大きく増加しました。このほか、液体クロマトグラフィー用充填剤は、新型コロナワクチン製剤の精製工程向けでの出荷が減少したものの、その他のワクチンや抗体医薬向けの需要が伸長していることから、製造設備の能力増強工事を実施しました。
ポリプロピレンは、主力の自動車関連分野における半導体等の供給不足による減産や、海外市況の軟化に伴う輸入品との価格差拡大等の影響を受け、厳しい事業環境となりました。
当セグメントの売上高は32,111百万円(前期比2.4%増)となりました。
商事事業
商事事業は、主力のポリプロピレンの販売において自動車関連分野での減産影響が継続したことから販売数量は低調に推移したものの、原料ナフサ価格の高騰に伴い販売価格が上昇し、売上は前期並みとなりました。
当セグメントの売上高は10,370百万円(前期比3.6%減)となりました。
電力事業
電力事業は、九州地区におけるFIT活用による安定した収益基盤の強化に注力し、対象となる13箇所の水力発電所のうち残り3箇所について、引き続き大規模改修工事を進めました。令和4年台風14号により一部の発電所で稼働停止などの影響を受けましたが、上期の安定した降雨に支えられ、売上は増加しました。
当セグメントの売上高は5,984百万円(前期比17.1%増)となりました。
その他の事業(エンジニアリング等)
エンジニアリング事業は、新規の受注は減少しましたが、大型案件の工事が順調に進捗し、売上は前期並みとなりました。
当セグメントの売上高は5,445百万円(前期比2.0%増)となりました。
②経営成績の分析
当社グループの主要事業である機能材料事業は、技術革新のスピードが速く、特に競争の厳しい分野であります。エレクトロニクス関連分野の環境変化により収益に大きな影響を受ける可能性があります。
事業の種別の売上高は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況、分析 ①経営成績の状況」 に記載しております。
売上高
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ6,685百万円増加し、144,237百万円となりました。セグメント別では加工品事業及び、化学品事業、電力事業、その他の事業で増収となり、機能材料事業及び商事事業で減収となりました。
売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ6,702百万円増加し、115,824百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ621百万円減少し、22,358百万円となりました。
営業利益
当連結会計年度の営業利益は、主に加工品事業及び電力事業の増益により前連結会計年度に比べ604百万円増加し、6,053百万円となりました。
営業外損益及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は3,613百万円となり、前連結会計年度に比べ2,946百万円減少しました。
当連結会計年度の営業外費用は2,128百万円となり、前連結会計年度に比べ188百万円減少しました。
これらの結果経常利益は、前連結会計年度に比べ2,152百万円減少し、7,538百万円となりました。
特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別利益は前連結会計年度に比べ11,090百万円減少し、363百万円となりました。
当連結会計年度の特別損失は、水俣病補償損失及び減損損失等6,732百万円を計上しております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、1,810百万円となりました。
③財政状態の状況、分析
a.事業全体の状況、分析
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ741百万円減少し252,544百万円となりました。これは原材料高騰により棚卸資産は大きく増加しましたが、現金及び預金、建物及び構築物、投資有価証券が減少したことによるものです。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて5,502百万円減少し、369,807百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少によるものです。
当連結会計年度末の純資産は、非支配株主持分が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて4,760百万円増加し、△117,263百万円となりました。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況、分析
機能材料事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ12,472百万円減少し、21,707百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の減少によるものです。
加工品事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ10,137百万円増加し、76,504百万円となりました。主な要因は、棚卸資産の増加によるものです。
化学品事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ3,113百万円増加し、54,665百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の増加によるものです。
商事事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ235百万円減少し、8,755百万円となりました。主な要因は、売上債権の減少によるものです。
電力事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ1,352百万円増加し、37,412百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の増加によるものです。
その他の事業
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ1,015百万円増加し、4,384百万円となりました。主な要因は、売上債権の増加によるものです。
なお、当連結会計年度より、関係会社の再編に伴う管理区分の見直しを行った結果、従来「化学品事業」に含まれていた「千葉ファインケミカル㈱」を「商事事業」に変更しております。

(2) キャッシュ・フロー及び資金調達の状況、分析
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6,528百万円(15.4%)減少し、当連結会計年度末残高は34,283百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって使用された資金は、2,935百万円(前連結会計年度は11,192百万円の収入)となりました。これは主に仕入債務の減少、原材料高騰による棚卸資産の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用された資金は、8,133百万円(前連結会計年度は9,127百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得られた資金は、5,356百万円(前連結会計年度は7,713百万円の支出)となりました。
(水俣病補償によるキャッシュ・フロー)
水俣病補償によって使用された資金は、1,280百万円となりました。
②資金調達
当社は大幅な債務超過となっておりますが、当該状況が会社の運営継続に支障をきたさないための措置として、平成12年2月8日閣議了解に基づき、国、熊本県から金融支援措置を受けるほか、関係金融機関からもご支援をいただいております。そのうち、水俣病関連の公的債務返済につきましては、既定の返済ルールに基づき1百万円を熊本県に返済しております。
また、特措法(平成21年法律第81号)及びその救済措置の方針による水俣病被害者救済一時金の支払い額が756億円と大幅に増加し、既往公的債務の償還に加えて同支払い債務の償還によって、償還合計額が増加する状況となったため、関係省庁による「チッソ株式会社に対する支援措置に関する連絡会議」において、2018年度以降の金融支援措置及び債務償還に関する申し合わせがなされ、2018年3月26日に、金融支援措置の継続並びに解決一時金債務の償還にかかる決定及び救済一時金債務について2019年度以降、当面の間、支払猶予とする決定を受けております。
関係金融機関からは、現在当社に対し行われている貸付元本及び求償債権の返済猶予等の継続及びこれに係る利息等の免除といった特別支援措置を受けております。
当社を除くグループ各社では、運転資金及び設備投資資金について、内部資金または借入れにより資金調達することとしております。
(3) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社グループは、これまでの水俣病関連累積損失に加え、2010年度より発生しております水俣病被害者救済一時金等による支払いが多額にのぼるため、当連結会計年度末の連結利益剰余金は△152,677百万円となる結果、大幅な債務超過となっております。
当該事象及び対応策については、「3 事業等のリスク (19)提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象」に記載のとおりですので、そちらをご参照ください。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
機能材料事業22,841△40.5
加工品事業70,63227.7
化学品事業26,389△19,7
商事事業26274.7
電力事業4,99617.5
その他の事業
合計125,122△4.5

(注) 1 金額は、販売価格によっております。
②受注状況
当連結会計年度におけるその他の事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
なお、その他の事業を除く製品について見込み生産を行っております。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
その他の事業4,520△7.12,460△32.0

③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
機能材料事業20,138△21.8
加工品事業70,18618.5
化学品事業32,1112.4
商事事業10,370△3.6
電力事業5,98417.1
その他の事業5,4452.0
合計144,2374.9

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
全国農業協同組合連合会29,20021.237,59426.1
LG Display Co.,Ltd.8,2786.05,1063.5

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものはありません。

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