四半期報告書-第120期第1四半期(2023/04/01-2023/06/30)
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
① 業績全般の概況
(注)「事業貢献利益」は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
当第1四半期連結累計期間(以下「当累計期間」)における当社グループの連結売上高は、2,664億円(前年同期比7.5%増)となりました。前連結会計年度(以下「前期」)の中国のゼロコロナ政策に伴う活動制限、半導体等の部材供給のひっ迫、物流輸送期間の長期化などの外部環境は回復に向かい、為替の円安による好影響も受け、デジタルワークプレイス、プロフェッショナルプリント、ヘルスケア事業は前年同期比で増収となりました。インダストリー事業は、主にセンシングユニットのディスプレイ設備投資が端境期となる影響を受け減収となりました。地域別では前年同期比で、欧州は約12%、北米は約9%、中国は約7%、日本は約3%と各地域で増収となりました。増収により売上総利益を拡大させながらも継続して販売費及び一般管理費の増加を抑制しました。
当期を初年度とする中期経営計画では、事業の選択と集中を進め、各事業に対する役割と期待を明確にしています。強化事業であるプロダクションプリントユニットと収益堅守事業のオフィスユニットは、主にデジタルカラー印刷機やA3カラー複合機の販売台数が増加したことにより売上総利益が増加し、事業貢献利益が前年同期比で大幅に増益となっております。非重点事業と位置付けたプレシジョンメディシンユニットは、社会的価値が大きく、潜在的な成長力がある領域ですが、当社における同事業の戦略適合性を考慮するとともに、成長投資が必要であるという点を踏まえ、米国株式市場への上場に加えて、第三者への事業譲渡も含めた戦略的選択肢を検討しております。また、方向転換事業と位置付けたDW-DXユニットは、地域、サービスごとの採算を見極めています。プレシジョンメディシンユニット、DW-DXユニット、画像IoTソリューションユニットは、前年同期比で事業貢献損失を縮小しております。
これらの結果、当累計期間の事業貢献損失は40億円(前年同期は59億円の事業貢献損失)、営業損失は44億円(前年同期は110億円の営業損失)となりました。税引前四半期損失は57億円(前年同期は75億円の税引前四半期損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は55億円(前年同期は87億円の親会社の所有者に帰属する四半期損失)となりました。
なお、当累計期間から報告セグメントの区分を変更しております。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値で比較分析しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載しております。
② 主要セグメントの状況
(注1)売上高は外部顧客への売上高であります。
(注2)売上高は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載の「その他」の外部顧客への売上高、営業利益は同記載の「その他」と調整額の合計であります。
(注3)当累計期間から、従来「インダストリー事業」に含めていた一部の事業を「その他」に含めております。また、報告セグメントごとの業績をより適切に評価するため、本社業務にかかわる費用の一部は報告セグメントに帰属しない全社費用として各報告セグメントに配賦しないこととし、報告セグメント利益又は損失の測定方法の変更を行っております。加えて、「デジタルワークプレイス事業」及び「プロフェッショナルプリント事業」の両事業に共通する費用の配賦方法を変更しております。前第1四半期連結累計期間のセグメント情報についても、当変更を反映した後の数値により作成したものを開示しております。
1)デジタルワークプレイス事業
オフィスユニットでは、A3複合機は、市場での堅調な需要により販売台数は、欧州、米国、日本、中国など主要地域で増加し、前年同期比でカラー機は111%、モノクロ機は111%、全体では111%となり、ハードの売上高は増収となりました。消耗品やサービスなどのノンハード売上高は、インドなど一部の地域では増加したものの欧米や日本では減少し、ノンハード全体では減収となりました。これらの結果、オフィスユニットとしては前年同期比で増収となりました。
ITサービスなどの提供を中心とするDW-DXユニットでは、欧州ではビジネスコンテンツの管理や業務プロセス管理を提供するサービスが好調であった他、日本ではAIを用いた通訳サービスなど自社開発のサービスが伸長しました。この結果、DW-DXユニットでは前年同期比で増収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は1,432億円(前年同期比11.2%増)、各ユニットの売上高増加に伴い売上総利益が増加し、事業貢献利益は23億円(前年同期は1億円の事業貢献損失)、営業利益は19億円(前年同期は42億円の営業損失)となりました。
2)プロフェッショナルプリント事業
プロダクションプリントユニットでは、印刷機の需要が引き続き堅調で、前年同期比でカラー機は106%、モノクロ機は96%、全体では103%の販売台数となりました。消耗品やサービスなどのノンハード売上高については、商業印刷会社でのプリントボリュームが欧州で前年並みにとどまり米国では減少したものの、インドや中国での需要が増加したことにより全体では増収となりました。
産業印刷ユニットでは、インクジェット印刷機(AccurioJet(アキュリオジェット)KM-1)、ラベル印刷機、デジタル加飾印刷機、テキスタイル印刷機の販売台数が増加しました。ノンハード売上高は、生活必需品のパッケージやラベルに関連する需要が伸長し、インクジェット印刷機、ラベル印刷機の分野で伸長しました。
マーケティングサービスユニットでは、欧州やアジアでの主要顧客の販売促進活動の活発化とプリント調達支援ビジネスの好調、日本および韓国でのオンデマンドプリントの回復により売上が拡大しました。
これらの結果、当事業の売上高は601億円(前年同期比9.3%増)、各ユニットでの売上高拡大に伴い売上総利益が増加し、事業貢献利益は8億円(前年同期比304.1%増)、営業利益は9億円(前年同期は0億円の営業損失)となりました。
3)ヘルスケア事業
ヘルスケアユニットでは、Ⅹ線診断に用いられるDR(デジタルラジオグラフィー)の日本での販売台数は、病院市場向けで減少したものの診療所市場で好調を維持しました。米国ではX線システムが病院市場向けで堅調に推移しました。動態解析システムは日本の病院市場を中心に順調に進捗し、米国でも伸長しました。超音波診断装置は、日本の整形外科・産科向けを中心に伸長しました。医療ITは、日本では医療画像管理や遠隔医療、病院と診療所の連携をサポートするITサービス「infomity(インフォミティ)」の販売が引き続き伸長し、米国ではPACS(医用画像保管・管理システム)が伸長しました。一方で、日本を中心とした病院市場向け仕入れ商材の販売減が主な要因で、ヘルスケアユニットは前年同期比で減収となりました。
プレシジョンメディシンユニットでは、遺伝子検査サービスは、米国内での市場の回復を受け、生殖細胞系列遺伝子変異を評価するRNA検査を中心に遺伝子検査数が前年同期比で増加しました。創薬支援サービスは、米国内での治験実施状況の改善により臨床試験向けを中心に売上が前年同期比で増加しました。また、売掛金の回収率向上やラボの稼働率向上、継続的な人員最適化によりAmbry Genetics Corporationが黒字化したことで赤字幅が縮小しました。
これらの結果、当事業の売上高は293億円(前年同期比.2.4%増)、事業貢献損失は32億円(前年同期は56億円の事業貢献損失)、営業損失は33億円(前年同期は62億円の営業損失)となりました。
4)インダストリー事業
センシングユニットでは、光源色向け計測器はディスプレイ設備投資抑制の影響を受け、大手顧客を中心に需要が減速し、売上が減少しました。物体色向け計測器は中国での受注がけん引し堅調を維持しました。自動車の外観計測向け検査装置は新規案件を順調に受注し売上が増加しました。これらの結果、前年同期比で減収となりました。
機能材料ユニットは前期からの市場サプライチェーンの余剰在庫調整によりITデバイス、スマートフォン用薄膜フィルム販売に依然影響が継続する一方で、当社の主力製品のTVのVA用位相差フィルムの需要は堅調に推移し、売上高は前年同期並みとなりました。
IJコンポーネントユニットは、前期での中国のゼロコロナ政策に伴う活動制限の影響からの回復と、中国最大規模のサイングラフィックス関連展示会の活況により販売が増加し、前年同期比で増収となりました。
光学コンポーネントユニットは交換レンズの市況が好調に推移し、また産業用途である半導体検査装置向けの販売が堅調だったことで、前年同期比で増収となりました。
画像IoTソリューションユニットでは、欧米での監視カメラソリューションの販売が順調に進んだこと、また前期に買収した自動ナンバープレート認識ソリューションを提供するVAXTOR Technologies,S.L.(本社:スペイン)の販売が好調を維持したことから、前年同期比で増収となりました。
映像ソリューションユニットは、プラネタリウム直営館での集客が低調であったものの、2019年に買収したデジタルプラネタリウムの世界的トップメーカーであるRSA Cosmons S.A.(本社:フランス)の販売が好調に推移したことにより、前年同期比で増収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は331億円(前年同期比4.8%減)、センシングユニットにおける売上減に伴う売上総利益の減少と機能材料ユニットにおける原料やエネルギー費高騰による売上総利益の減少により事業貢献利益は25億円(前年同期比63.0%減)、営業利益は26億円(前年同期比61.8%減)となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前期末比349億円(2.5%)減少し1兆3,788億円となりました。これは主に、現金及び現金同等物の減少707億円、のれん及び無形資産の増加139億円、その他の流動資産の増加74億円、有形固定資産の増加60億円によるものであります。
負債合計については、前期末比547億円(6.0%)減少し8,591億円となりました。これは主に、社債及び借入金の減少546億円、営業債務及びその他の債務の減少197億円、その他の金融負債の増加98億円、リース負債の増加51億円によるものであります。
資本合計については、前期末比198億円(4.0%)増加し5,197億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、前期末比194億円(4.0%)増加し5,069億円となりました。これは主に、その他の資本の構成要素(主に在外営業活動体の換算差額)の増加288億円、親会社の所有者に帰属する四半期損失の計上55億円によるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は、2.3ポイント増加の36.8%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー2億円の収入と、投資活動によるキャッシュ・フロー110億円の支出の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは108億円のマイナスとなりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは639億円の支出となりました。
そのほかに、現金及び現金同等物に係る為替変動の影響額等があり、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比707億円減少の1,098億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前四半期損失57億円に、営業債権及びその他の債権の減少による増加244億円、減価償却費及び償却費185億円、棚卸資産の減少による増加94億円等によるキャッシュ・フローの増加と、営業債務及びその他の債務の減少による減少313億円等によるキャッシュ・フローの減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは2億円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出52億円、無形資産の取得による支出42億円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは110億円の支出となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは108億円のマイナス(前年同期は248億円のマイナス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の純減少額484億円、社債の償還及び長期借入金の返済103億円、リース負債の返済53億円等の支出により、財務活動によるキャッシュ・フローは639億円の支出(前年同期は106億円の収入)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は160億円となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(注)「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における記載金額は、表示単位未満を切り捨てて表示しております。
(1)経営成績の分析
① 業績全般の概況
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減 | ||
(自2022.4.1 | (自2023.4.1 | |||
至2022.6.30) | 至2023.6.30) | |||
億円 | 億円 | 億円 | % | |
売上高 | 2,478 | 2,664 | 185 | 7.5 |
売上総利益 | 1,047 | 1,119 | 71 | 6.8 |
事業貢献利益(△は損失)(注) | △59 | △40 | 18 | - |
営業損失(△) | △110 | △44 | 65 | - |
税引前四半期損失(△) | △75 | △57 | 18 | - |
親会社の所有者に帰属する四半期損失(△) | △87 | △55 | 31 | - |
円 | 円 | 円 | % | |
基本的1株当たり四半期損失(△) | △17.69 | △11.27 | 6.42 | - |
億円 | 億円 | 億円 | % | |
設備投資額 | 83 | 77 | △5 | 7.0 |
減価償却費及び償却費 | 188 | 185 | △2 | △1.4 |
研究開発費 | 152 | 160 | 8 | 5.3 |
億円 | 億円 | 億円 | % | |
フリー・キャッシュ・フロー | △248 | △108 | 140 | - |
人 | 人 | 人 | % | |
連結従業員数 | 39,307 | 39,731 | 424 | 1.1 |
為替レート | 円 | 円 | 円 | % |
米ドル | 129.57 | 137.37 | 7.80 | 6.0 |
ユーロ | 138.12 | 149.47 | 11.35 | 8.2 |
(注)「事業貢献利益」は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
当第1四半期連結累計期間(以下「当累計期間」)における当社グループの連結売上高は、2,664億円(前年同期比7.5%増)となりました。前連結会計年度(以下「前期」)の中国のゼロコロナ政策に伴う活動制限、半導体等の部材供給のひっ迫、物流輸送期間の長期化などの外部環境は回復に向かい、為替の円安による好影響も受け、デジタルワークプレイス、プロフェッショナルプリント、ヘルスケア事業は前年同期比で増収となりました。インダストリー事業は、主にセンシングユニットのディスプレイ設備投資が端境期となる影響を受け減収となりました。地域別では前年同期比で、欧州は約12%、北米は約9%、中国は約7%、日本は約3%と各地域で増収となりました。増収により売上総利益を拡大させながらも継続して販売費及び一般管理費の増加を抑制しました。
当期を初年度とする中期経営計画では、事業の選択と集中を進め、各事業に対する役割と期待を明確にしています。強化事業であるプロダクションプリントユニットと収益堅守事業のオフィスユニットは、主にデジタルカラー印刷機やA3カラー複合機の販売台数が増加したことにより売上総利益が増加し、事業貢献利益が前年同期比で大幅に増益となっております。非重点事業と位置付けたプレシジョンメディシンユニットは、社会的価値が大きく、潜在的な成長力がある領域ですが、当社における同事業の戦略適合性を考慮するとともに、成長投資が必要であるという点を踏まえ、米国株式市場への上場に加えて、第三者への事業譲渡も含めた戦略的選択肢を検討しております。また、方向転換事業と位置付けたDW-DXユニットは、地域、サービスごとの採算を見極めています。プレシジョンメディシンユニット、DW-DXユニット、画像IoTソリューションユニットは、前年同期比で事業貢献損失を縮小しております。
これらの結果、当累計期間の事業貢献損失は40億円(前年同期は59億円の事業貢献損失)、営業損失は44億円(前年同期は110億円の営業損失)となりました。税引前四半期損失は57億円(前年同期は75億円の税引前四半期損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は55億円(前年同期は87億円の親会社の所有者に帰属する四半期損失)となりました。
なお、当累計期間から報告セグメントの区分を変更しております。前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値で比較分析しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載しております。
② 主要セグメントの状況
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減 | |||
(自2022.4.1 | (自2023.4.1 | ||||
至2022.6.30) | 至2023.6.30) | ||||
億円 | 億円 | 億円 | % | ||
デジタルワークプレイス | 売上高 | 1,289 | 1,432 | 143 | 11.2 |
事業 | 事業貢献利益 | △1 | 23 | 25 | - |
営業利益 | △42 | 19 | 62 | - | |
プロフェッショナル | 売上高 | 550 | 601 | 51 | 9.3 |
プリント事業 | 事業貢献利益 | 2 | 8 | 6 | 304.1 |
営業利益 | △0 | 9 | 10 | - | |
ヘルスケア事業 | 売上高 | 286 | 293 | 6 | 2.4 |
事業貢献利益 | △56 | △32 | 24 | - | |
営業利益 | △62 | △33 | 29 | - | |
インダストリー事業 | 売上高 | 348 | 331 | △16 | △4.8 |
事業貢献利益 | 69 | 25 | △43 | △63.0 | |
営業利益 | 69 | 26 | △42 | △61.8 | |
小計 | 売上高 | 2,475 | 2,660 | 185 | 7.5 |
事業貢献利益 | 13 | 25 | 12 | 91.4 | |
営業利益 | △36 | 22 | 58 | - | |
「その他」及び調整額 | 売上高 | 3 | 3 | 0 | 16.6 |
(注2) | 事業貢献利益 | △72 | △66 | 6 | - |
営業利益 | △73 | △66 | 7 | - | |
要約四半期 | 売上高 | 2,478 | 2,664 | 185 | 7.5 |
連結損益計算書計上額 | 事業貢献利益 | △59 | △40 | 18 | - |
営業利益 | △110 | △44 | 65 | - |
(注1)売上高は外部顧客への売上高であります。
(注2)売上高は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載の「その他」の外部顧客への売上高、営業利益は同記載の「その他」と調整額の合計であります。
(注3)当累計期間から、従来「インダストリー事業」に含めていた一部の事業を「その他」に含めております。また、報告セグメントごとの業績をより適切に評価するため、本社業務にかかわる費用の一部は報告セグメントに帰属しない全社費用として各報告セグメントに配賦しないこととし、報告セグメント利益又は損失の測定方法の変更を行っております。加えて、「デジタルワークプレイス事業」及び「プロフェッショナルプリント事業」の両事業に共通する費用の配賦方法を変更しております。前第1四半期連結累計期間のセグメント情報についても、当変更を反映した後の数値により作成したものを開示しております。
1)デジタルワークプレイス事業
オフィスユニットでは、A3複合機は、市場での堅調な需要により販売台数は、欧州、米国、日本、中国など主要地域で増加し、前年同期比でカラー機は111%、モノクロ機は111%、全体では111%となり、ハードの売上高は増収となりました。消耗品やサービスなどのノンハード売上高は、インドなど一部の地域では増加したものの欧米や日本では減少し、ノンハード全体では減収となりました。これらの結果、オフィスユニットとしては前年同期比で増収となりました。
ITサービスなどの提供を中心とするDW-DXユニットでは、欧州ではビジネスコンテンツの管理や業務プロセス管理を提供するサービスが好調であった他、日本ではAIを用いた通訳サービスなど自社開発のサービスが伸長しました。この結果、DW-DXユニットでは前年同期比で増収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は1,432億円(前年同期比11.2%増)、各ユニットの売上高増加に伴い売上総利益が増加し、事業貢献利益は23億円(前年同期は1億円の事業貢献損失)、営業利益は19億円(前年同期は42億円の営業損失)となりました。
2)プロフェッショナルプリント事業
プロダクションプリントユニットでは、印刷機の需要が引き続き堅調で、前年同期比でカラー機は106%、モノクロ機は96%、全体では103%の販売台数となりました。消耗品やサービスなどのノンハード売上高については、商業印刷会社でのプリントボリュームが欧州で前年並みにとどまり米国では減少したものの、インドや中国での需要が増加したことにより全体では増収となりました。
産業印刷ユニットでは、インクジェット印刷機(AccurioJet(アキュリオジェット)KM-1)、ラベル印刷機、デジタル加飾印刷機、テキスタイル印刷機の販売台数が増加しました。ノンハード売上高は、生活必需品のパッケージやラベルに関連する需要が伸長し、インクジェット印刷機、ラベル印刷機の分野で伸長しました。
マーケティングサービスユニットでは、欧州やアジアでの主要顧客の販売促進活動の活発化とプリント調達支援ビジネスの好調、日本および韓国でのオンデマンドプリントの回復により売上が拡大しました。
これらの結果、当事業の売上高は601億円(前年同期比9.3%増)、各ユニットでの売上高拡大に伴い売上総利益が増加し、事業貢献利益は8億円(前年同期比304.1%増)、営業利益は9億円(前年同期は0億円の営業損失)となりました。
3)ヘルスケア事業
ヘルスケアユニットでは、Ⅹ線診断に用いられるDR(デジタルラジオグラフィー)の日本での販売台数は、病院市場向けで減少したものの診療所市場で好調を維持しました。米国ではX線システムが病院市場向けで堅調に推移しました。動態解析システムは日本の病院市場を中心に順調に進捗し、米国でも伸長しました。超音波診断装置は、日本の整形外科・産科向けを中心に伸長しました。医療ITは、日本では医療画像管理や遠隔医療、病院と診療所の連携をサポートするITサービス「infomity(インフォミティ)」の販売が引き続き伸長し、米国ではPACS(医用画像保管・管理システム)が伸長しました。一方で、日本を中心とした病院市場向け仕入れ商材の販売減が主な要因で、ヘルスケアユニットは前年同期比で減収となりました。
プレシジョンメディシンユニットでは、遺伝子検査サービスは、米国内での市場の回復を受け、生殖細胞系列遺伝子変異を評価するRNA検査を中心に遺伝子検査数が前年同期比で増加しました。創薬支援サービスは、米国内での治験実施状況の改善により臨床試験向けを中心に売上が前年同期比で増加しました。また、売掛金の回収率向上やラボの稼働率向上、継続的な人員最適化によりAmbry Genetics Corporationが黒字化したことで赤字幅が縮小しました。
これらの結果、当事業の売上高は293億円(前年同期比.2.4%増)、事業貢献損失は32億円(前年同期は56億円の事業貢献損失)、営業損失は33億円(前年同期は62億円の営業損失)となりました。
4)インダストリー事業
センシングユニットでは、光源色向け計測器はディスプレイ設備投資抑制の影響を受け、大手顧客を中心に需要が減速し、売上が減少しました。物体色向け計測器は中国での受注がけん引し堅調を維持しました。自動車の外観計測向け検査装置は新規案件を順調に受注し売上が増加しました。これらの結果、前年同期比で減収となりました。
機能材料ユニットは前期からの市場サプライチェーンの余剰在庫調整によりITデバイス、スマートフォン用薄膜フィルム販売に依然影響が継続する一方で、当社の主力製品のTVのVA用位相差フィルムの需要は堅調に推移し、売上高は前年同期並みとなりました。
IJコンポーネントユニットは、前期での中国のゼロコロナ政策に伴う活動制限の影響からの回復と、中国最大規模のサイングラフィックス関連展示会の活況により販売が増加し、前年同期比で増収となりました。
光学コンポーネントユニットは交換レンズの市況が好調に推移し、また産業用途である半導体検査装置向けの販売が堅調だったことで、前年同期比で増収となりました。
画像IoTソリューションユニットでは、欧米での監視カメラソリューションの販売が順調に進んだこと、また前期に買収した自動ナンバープレート認識ソリューションを提供するVAXTOR Technologies,S.L.(本社:スペイン)の販売が好調を維持したことから、前年同期比で増収となりました。
映像ソリューションユニットは、プラネタリウム直営館での集客が低調であったものの、2019年に買収したデジタルプラネタリウムの世界的トップメーカーであるRSA Cosmons S.A.(本社:フランス)の販売が好調に推移したことにより、前年同期比で増収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は331億円(前年同期比4.8%減)、センシングユニットにおける売上減に伴う売上総利益の減少と機能材料ユニットにおける原料やエネルギー費高騰による売上総利益の減少により事業貢献利益は25億円(前年同期比63.0%減)、営業利益は26億円(前年同期比61.8%減)となりました。
(2)財政状態の分析
前連結会計年度末 | 当第1四半期 連結会計期間末 | 増減 | |
資産合計 (億円) | 14,137 | 13,788 | △349 |
負債合計 (億円) | 9,138 | 8,591 | △547 |
資本合計 (億円) | 4,998 | 5,197 | 198 |
親会社の所有者に帰属する持分合計(億円) | 4,874 | 5,069 | 194 |
親会社所有者帰属持分比率 (%) | 34.5 | 36.8 | 2.3 |
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前期末比349億円(2.5%)減少し1兆3,788億円となりました。これは主に、現金及び現金同等物の減少707億円、のれん及び無形資産の増加139億円、その他の流動資産の増加74億円、有形固定資産の増加60億円によるものであります。
負債合計については、前期末比547億円(6.0%)減少し8,591億円となりました。これは主に、社債及び借入金の減少546億円、営業債務及びその他の債務の減少197億円、その他の金融負債の増加98億円、リース負債の増加51億円によるものであります。
資本合計については、前期末比198億円(4.0%)増加し5,197億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、前期末比194億円(4.0%)増加し5,069億円となりました。これは主に、その他の資本の構成要素(主に在外営業活動体の換算差額)の増加288億円、親会社の所有者に帰属する四半期損失の計上55億円によるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は、2.3ポイント増加の36.8%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:億円) |
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | △176 | 2 | 178 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △72 | △110 | △38 |
計 | △248 | △108 | 140 |
(フリー・キャッシュ・フロー) | |||
財務活動によるキャッシュ・フロー | 106 | △639 | △745 |
当第1四半期連結累計期間の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー2億円の収入と、投資活動によるキャッシュ・フロー110億円の支出の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは108億円のマイナスとなりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは639億円の支出となりました。
そのほかに、現金及び現金同等物に係る為替変動の影響額等があり、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比707億円減少の1,098億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前四半期損失57億円に、営業債権及びその他の債権の減少による増加244億円、減価償却費及び償却費185億円、棚卸資産の減少による増加94億円等によるキャッシュ・フローの増加と、営業債務及びその他の債務の減少による減少313億円等によるキャッシュ・フローの減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは2億円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出52億円、無形資産の取得による支出42億円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは110億円の支出となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは108億円のマイナス(前年同期は248億円のマイナス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の純減少額484億円、社債の償還及び長期借入金の返済103億円、リース負債の返済53億円等の支出により、財務活動によるキャッシュ・フローは639億円の支出(前年同期は106億円の収入)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は160億円となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(注)「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における記載金額は、表示単位未満を切り捨てて表示しております。