四半期報告書-第117期第1四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
① 業績全般の概況
当第1四半期連結累計期間(以下「当期間」)における当社グループの連結売上高は、1,731億円(前年同期比28.4%減)となりました。売上高の6割弱を占める欧米で新型コロナウイルス感染症によるロックダウンの影響を大きく受け、オフィス事業やプロフェッショナルプリント事業を中心に大幅な減収となりました。中国では経済活動の再開により、前期から持ち越した顧客への機器設置による売上も含め前年同期並みに戻ってきているものの、中国顧客の輸出先での経済活動低迷の影響を間接的に受けました。日本では緊急事態宣言の解除以降、徐々に販売活動が戻りつつありますが、まだ影響が継続しています。欧米ではロックダウンの影響が大きくなっていますが、欧州では5月中旬からロックダウン緩和による経済活動の緩やかな再開もあり、6月には販売活動が戻り始めています。全体としては、4月及び5月と比較して6月の売上高は増加し、減収幅も縮小していることから、改善の兆しも見られました。
当期間の営業損失は226億円(前年同期は5億円の営業利益)と大幅な減益となりました。前期に実行済みの構造改革による効果や当期間に追加で行った施策などにより販売管理費を大幅に削減しましたが、当期間の減収による売上総利益減少の影響が大きく残りました。なお、新型コロナウイルス感染症の営業利益への影響額は300億円程度と見積もっております。
税引前四半期損失は238億円(前年同期は13億円の税引前四半期損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は173億円(前年同期は12億円の親会社の所有者に帰属する四半期損失)となりました。
当社は4つのコア技術(材料・光学・微細加工・画像)をベースに、ヒトの目には見えないものを含む様々な物事を感知・入力し、デジタル変換・意味付けすることで、活用できる情報に変え(見えないものの見える化)、様々な解析を加えることで判断や行動につながる顧客価値を創出しています。この当社独自の画像IoT技術を核に、お客様のデジタルトランスフォーメーションを支援することによって、その先のエンドユーザーや生活者の安心・安全を含む生きがいを向上させ、「人間社会にとっての新しい価値提供(社会価値)」と「事業の成長(経済価値)」を一体化させた持続的な企業価値向上を実現していきます。
新型コロナウイルス感染症の影響が拡大する最中においても、当社が早くから自社実践で培ったオフィスのデジタル化のノウハウを活かして、お客様企業のテレワーク環境の導入を支援する様々なサービスを提供しています。また、画像IoT機器であるサーマルカメラによる非接触・リアルタイムでの体表温度測定システムや、医療現場では可搬性の高いデジタルX線撮影システムや超音波診断装置、パルスオキシメーターを提供しています。米国では当社のバイオヘルスケア分野における設備やノウハウを活用し、企業や組織を対象に新型コロナウイルス感染症の遠隔診断とPCR及び抗原・抗体検査を提供する準備ができました。
中長期での持続的な成長を目指す取組みとして将来の収益の柱にすべく投資を継続している新規分野では、当社の提供するエッジIoTプラットフォームである「Workplace Hub(ワークプレイス ハブ)」は、情報セキュリティインフラを含めたマネージドITサービスのプラットフォームという訴求点が新型コロナウイルス感染症拡大の環境下において評価が高まっています。バイオヘルスケア分野では、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う病院への来院者減少により当期間では遺伝子検査数は減少していますが、月を追うごとに検査数が増加しており回復傾向にあります。また、健常者の疾病リスクを診断するための遺伝子検査の提供機会拡大を狙い、検診機関向けサービスとして「CARE Program」の本格展開を5月に開始し、大手病院グループと契約を締結するなど高い評価を得ています。
② 主要セグメントの状況
(注1)売上高は外部顧客への売上高であります。
(注2)売上高は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載の「その他」の外部顧客への売上高、営業利益は同記載の「その他」と調整額の合計であります。
1)オフィス事業
オフィスユニットでは、A3複合機の販売台数は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うロックダウンにより、顧客訪問を伴う販売活動に制約を受け商談や設置が遅れたため、カラー機、モノクロ機共に前年同期比で減少しましたが、4月及び5月と比較してカラー機がけん引して6月の販売台数が増加し、前年同期比での減少幅も縮小しました。地域別の減少幅では経済活動が回復してきている中国が最も軽微となり、次に日本、ロックダウンの影響が長期化している欧米での減少幅は大きくなっていますが、欧州は5月中旬のロックダウン緩和以降徐々に改善しており、6月の改善幅が相対的に大きくなりました。消耗品やサービスなどのノンハード売上高は、各地域でロックダウンによる顧客企業での従業員の出社制限によるプリントボリューム減少の影響を受けており、地域ごとの売上高への影響の程度は複合機販売と同様になっています。なお、供給面には問題はなく、在庫の極小化によるキャッシュ創出活動を継続しています。
ITサービスユニットでは、オフィスユニットと比較して非対面での商談やサービス導入まで至った事例が多く、顧客企業のテレワーク環境の導入を支援するサービスなどを提供することにより、相対的に減収幅が軽微となりました。
これらの結果に加えユーロ安の影響も受け、当事業の売上高は939億円(前年同期比30.2%減)、営業損失は75億円(前年同期は76億円の営業利益)となりました。
2)プロフェッショナルプリント事業
プロダクションプリントユニットでは、オフィスユニットと同様に顧客訪問を伴う販売活動に制約を受け商談や設置が遅れたため、カラー機、モノクロ機共に販売台数が大幅に減少しました。4月及び5月と比較すると6月の販売台数は大幅に増加し、前年同期比での減少幅も縮小しましたが、減少幅はオフィスユニットと比べて大きくなりました。ノンハード売上高は、企業のマーケティングや販売促進活動、イベントの延期や中止で、当社の顧客である印刷会社での受注が減少し、プリントボリュームが減少したことにより減収となっていますが、5月から6月にかけては増加しました。
産業印刷ユニットでは、インクジェットデジタル印刷機の「AccurioJet(アキュリオジェット)KM-1」の販売台数は減少しましたが、主要顧客である中大手の印刷会社への需要が戻りつつあります。また、後継機である「AccurioJet KM-1e」の販売を開始し、更に高品質で様々な印刷基材への印刷が可能となりました。ラベル印刷機及びデジタル加飾印刷機の販売台数は欧米がけん引して増加し、これらのノンハード売上高は、アパレル業界の不振によるテキスタイル用インクの需要が大きく減少した一方、生活必需品のパッケージやラベルに関連する需要が大きく伸長したため前年並みを維持しました。これらによりプロダクションプリントユニットと比較して減収幅が軽微となりました。
マーケティングサービスユニットでは、欧米及びアジアでの顧客企業の販売促進活動やイベントの延期や中止によりマーケティング関連印刷需要が減少し、国内ではオンデマンド印刷を提供するキンコーズでの店舗来客が減少しており、全体として減収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は317億円(前年同期比37.2%減)、営業損失は70億円(前年同期は10億円の営業利益)となりました。
3)ヘルスケア事業
ヘルスケアユニットでは、病院やクリニックの経営環境悪化により投資意欲が減退する中、DR(デジタルラジオグラフィー)が、新型コロナウイルス感染症の診察に用いられるⅩ線回診車用の需要増加を受け、北米を中心に販売数量が増加しました。超音波診断装置は、販売活動の制限と注力領域の一つである整形外科の患者減少による投資抑制の影響を受け、販売数量は減少しました。中国でのフィルム販売は4月以降回復傾向にあります。ヘルスケアユニット全体としては、日本と中国での売上減少により減収となりました。
医療ITユニットでは、医療画像管理や施設間連携をサポートするITサービス「infomity(インフォミティ)」の販売が前年同期比で伸長した一方で、販売活動制限の影響を受けPACS(医用画像保管・管理システム)の販売が減少し、減収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は164億円(前年同期比11.8%減)、営業損失は11億円(前年同期は2億円の営業損失)となりました。
4)産業用材料・機器事業
材料・コンポーネント分野では、機能材料ユニットは、テレワーク需要でノートPC、タブレット等に使われる薄膜フィルムは好調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレビなどの最終製品の需要減速が影響し、テレビ向けの高付加価値製品の販売が減少した結果、前年同期比で減収となりました。光学コンポーネントユニットは、主に映画館の閉鎖やイベントの中止などによりプロジェクタ用レンズなどの販売が減少し前年同期比で減収となりました。IJコンポーネントユニットは、顧客製品の輸出先国での新型コロナウイルス感染症拡大の影響が顕在化したことで販売数量が減少し、前年同期比で減収となりました。
産業用光学システム分野では、計測機器ユニットで、物体色向け計測器の需要停滞傾向は継続しているものの、光源色向け計測器は大手顧客の需要が好調だったことに加えて、新型コロナウイルス感染症の影響で前期から持ち越した顧客への機器設置による売上もあり、ユニット全体で増収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は233億円(前年同期比17.1%減)、営業利益は32億円(同32.4%減)となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前期末比329億円(2.6%)増加し1兆3,096億円となりました。これは主に、現金及び現金同等物の増加625億円、棚卸資産の増加85億円、未収法人所得税の増加69億円、営業債権及びその他の債権の減少352億円、有形固定資産の減少80億円によるものであります。
負債合計については、前期末比556億円(7.5%)増加し7,986億円となりました。これは主に、社債及び借入金の増加869億円、営業債務及びその他の債務の減少284億円によるものであります。
資本合計については、前期末比227億円(4.3%)減少し5,110億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、前期末比222億円(4.2%)減少し5,015億円となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する四半期損失の計上173億円、剰余金の配当による減少49億円によるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は、2.7ポイント減少の38.3%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー77億円の支出と、投資活動によるキャッシュ・フロー61億円の支出の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは139億円のマイナスとなりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは767億円の収入となりました。
そのほかに、現金及び現金同等物に係る為替変動の影響額等があり、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比625億円増加の1,524億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前四半期損失238億円に、営業債権及びその他の債権の減少による増加356億円、減価償却費及び償却費194億円等によるキャッシュ・フローの増加と、営業債務及びその他の債務の減少による減少254億円、棚卸資産の増加による減少83億円等によるキャッシュ・フローの減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは77億円の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出60億円、無形資産の取得による支出23億円、有形固定資産および無形資産の売却による収入28億円等があり、投資によるキャッシュ・フローは61億円の支出となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは139億円のマイナス(前年同期は150億円のマイナス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の純増加額891億円、社債の発行及び長期借入80億円等の収入と、社債の償還及び長期借入金の返済107億円、リース負債の返済49億円、配当金の支払い48億円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは767億円の収入(前年同期は116億円の支出)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は161億円となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(注)「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における記載金額は、表示単位未満を切り捨てて表示しております。
(1)経営成績の分析
① 業績全般の概況
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減 | ||
(自2019.4.1 | (自2020.4.1 | |||
至2019.6.30) | 至2020.6.30) | |||
億円 | 億円 | 億円 | % | |
売上高 | 2,417 | 1,731 | △685 | △28.4 |
売上総利益 | 1,166 | 716 | △449 | △38.6 |
営業利益(△は損失) | 5 | △226 | △231 | - |
税引前四半期損失(△) | △13 | △238 | △224 | - |
親会社の所有者に帰属する四半期損失 (△) | △12 | △173 | △160 | - |
円 | 円 | 円 | % | |
基本的1株当たり四半期損失(△) | △2.44 | △34.96 | △32.52 | - |
億円 | 億円 | 億円 | % | |
設備投資額 | 96 | 63 | △33 | △34.5 |
減価償却費及び償却費 | 188 | 194 | 5 | 2.8 |
研究開発費 | 189 | 161 | △28 | △14.8 |
億円 | 億円 | 億円 | % | |
フリー・キャッシュ・フロー | △150 | △139 | 10 | - |
人 | 人 | 人 | % | |
連結従業員数 | 44,600 | 42,964 | △1,636 | △3.7 |
為替レート | 円 | 円 | 円 | % |
米ドル | 109.90 | 107.62 | △2.28 | △2.1 |
ユーロ | 123.49 | 118.48 | △5.01 | △4.1 |
当第1四半期連結累計期間(以下「当期間」)における当社グループの連結売上高は、1,731億円(前年同期比28.4%減)となりました。売上高の6割弱を占める欧米で新型コロナウイルス感染症によるロックダウンの影響を大きく受け、オフィス事業やプロフェッショナルプリント事業を中心に大幅な減収となりました。中国では経済活動の再開により、前期から持ち越した顧客への機器設置による売上も含め前年同期並みに戻ってきているものの、中国顧客の輸出先での経済活動低迷の影響を間接的に受けました。日本では緊急事態宣言の解除以降、徐々に販売活動が戻りつつありますが、まだ影響が継続しています。欧米ではロックダウンの影響が大きくなっていますが、欧州では5月中旬からロックダウン緩和による経済活動の緩やかな再開もあり、6月には販売活動が戻り始めています。全体としては、4月及び5月と比較して6月の売上高は増加し、減収幅も縮小していることから、改善の兆しも見られました。
当期間の営業損失は226億円(前年同期は5億円の営業利益)と大幅な減益となりました。前期に実行済みの構造改革による効果や当期間に追加で行った施策などにより販売管理費を大幅に削減しましたが、当期間の減収による売上総利益減少の影響が大きく残りました。なお、新型コロナウイルス感染症の営業利益への影響額は300億円程度と見積もっております。
税引前四半期損失は238億円(前年同期は13億円の税引前四半期損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は173億円(前年同期は12億円の親会社の所有者に帰属する四半期損失)となりました。
当社は4つのコア技術(材料・光学・微細加工・画像)をベースに、ヒトの目には見えないものを含む様々な物事を感知・入力し、デジタル変換・意味付けすることで、活用できる情報に変え(見えないものの見える化)、様々な解析を加えることで判断や行動につながる顧客価値を創出しています。この当社独自の画像IoT技術を核に、お客様のデジタルトランスフォーメーションを支援することによって、その先のエンドユーザーや生活者の安心・安全を含む生きがいを向上させ、「人間社会にとっての新しい価値提供(社会価値)」と「事業の成長(経済価値)」を一体化させた持続的な企業価値向上を実現していきます。
新型コロナウイルス感染症の影響が拡大する最中においても、当社が早くから自社実践で培ったオフィスのデジタル化のノウハウを活かして、お客様企業のテレワーク環境の導入を支援する様々なサービスを提供しています。また、画像IoT機器であるサーマルカメラによる非接触・リアルタイムでの体表温度測定システムや、医療現場では可搬性の高いデジタルX線撮影システムや超音波診断装置、パルスオキシメーターを提供しています。米国では当社のバイオヘルスケア分野における設備やノウハウを活用し、企業や組織を対象に新型コロナウイルス感染症の遠隔診断とPCR及び抗原・抗体検査を提供する準備ができました。
中長期での持続的な成長を目指す取組みとして将来の収益の柱にすべく投資を継続している新規分野では、当社の提供するエッジIoTプラットフォームである「Workplace Hub(ワークプレイス ハブ)」は、情報セキュリティインフラを含めたマネージドITサービスのプラットフォームという訴求点が新型コロナウイルス感染症拡大の環境下において評価が高まっています。バイオヘルスケア分野では、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う病院への来院者減少により当期間では遺伝子検査数は減少していますが、月を追うごとに検査数が増加しており回復傾向にあります。また、健常者の疾病リスクを診断するための遺伝子検査の提供機会拡大を狙い、検診機関向けサービスとして「CARE Program」の本格展開を5月に開始し、大手病院グループと契約を締結するなど高い評価を得ています。
② 主要セグメントの状況
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減 | |||
(自2019.4.1 | (自2020.4.1 | ||||
至2019.6.30) | 至2020.6.30) | ||||
億円 | 億円 | 億円 | % | ||
オフィス事業 | 売上高 | 1,345 | 939 | △405 | △30.2 |
営業利益 | 76 | △75 | △152 | - | |
プロフェッショナル | 売上高 | 506 | 317 | △188 | △37.2 |
プリント事業 | 営業利益 | 10 | △70 | △81 | - |
ヘルスケア事業 | 売上高 | 186 | 164 | △21 | △11.8 |
営業利益 | △2 | △11 | △8 | - | |
産業用材料・機器事業 | 売上高 | 281 | 233 | △48 | △17.1 |
営業利益 | 48 | 32 | △15 | △32.4 | |
小計 | 売上高 | 2,319 | 1,655 | △664 | △28.6 |
営業利益 | 132 | △124 | △257 | - | |
「その他」及び調整額 | 売上高 | 97 | 76 | △21 | △21.8 |
(注2) | 営業利益 | △126 | △101 | 25 | - |
要約四半期 | 売上高 | 2,417 | 1,731 | △685 | △28.4 |
連結損益計算書計上額 | 営業利益 | 5 | △226 | △231 | - |
(注1)売上高は外部顧客への売上高であります。
(注2)売上高は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載の「その他」の外部顧客への売上高、営業利益は同記載の「その他」と調整額の合計であります。
1)オフィス事業
オフィスユニットでは、A3複合機の販売台数は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うロックダウンにより、顧客訪問を伴う販売活動に制約を受け商談や設置が遅れたため、カラー機、モノクロ機共に前年同期比で減少しましたが、4月及び5月と比較してカラー機がけん引して6月の販売台数が増加し、前年同期比での減少幅も縮小しました。地域別の減少幅では経済活動が回復してきている中国が最も軽微となり、次に日本、ロックダウンの影響が長期化している欧米での減少幅は大きくなっていますが、欧州は5月中旬のロックダウン緩和以降徐々に改善しており、6月の改善幅が相対的に大きくなりました。消耗品やサービスなどのノンハード売上高は、各地域でロックダウンによる顧客企業での従業員の出社制限によるプリントボリューム減少の影響を受けており、地域ごとの売上高への影響の程度は複合機販売と同様になっています。なお、供給面には問題はなく、在庫の極小化によるキャッシュ創出活動を継続しています。
ITサービスユニットでは、オフィスユニットと比較して非対面での商談やサービス導入まで至った事例が多く、顧客企業のテレワーク環境の導入を支援するサービスなどを提供することにより、相対的に減収幅が軽微となりました。
これらの結果に加えユーロ安の影響も受け、当事業の売上高は939億円(前年同期比30.2%減)、営業損失は75億円(前年同期は76億円の営業利益)となりました。
2)プロフェッショナルプリント事業
プロダクションプリントユニットでは、オフィスユニットと同様に顧客訪問を伴う販売活動に制約を受け商談や設置が遅れたため、カラー機、モノクロ機共に販売台数が大幅に減少しました。4月及び5月と比較すると6月の販売台数は大幅に増加し、前年同期比での減少幅も縮小しましたが、減少幅はオフィスユニットと比べて大きくなりました。ノンハード売上高は、企業のマーケティングや販売促進活動、イベントの延期や中止で、当社の顧客である印刷会社での受注が減少し、プリントボリュームが減少したことにより減収となっていますが、5月から6月にかけては増加しました。
産業印刷ユニットでは、インクジェットデジタル印刷機の「AccurioJet(アキュリオジェット)KM-1」の販売台数は減少しましたが、主要顧客である中大手の印刷会社への需要が戻りつつあります。また、後継機である「AccurioJet KM-1e」の販売を開始し、更に高品質で様々な印刷基材への印刷が可能となりました。ラベル印刷機及びデジタル加飾印刷機の販売台数は欧米がけん引して増加し、これらのノンハード売上高は、アパレル業界の不振によるテキスタイル用インクの需要が大きく減少した一方、生活必需品のパッケージやラベルに関連する需要が大きく伸長したため前年並みを維持しました。これらによりプロダクションプリントユニットと比較して減収幅が軽微となりました。
マーケティングサービスユニットでは、欧米及びアジアでの顧客企業の販売促進活動やイベントの延期や中止によりマーケティング関連印刷需要が減少し、国内ではオンデマンド印刷を提供するキンコーズでの店舗来客が減少しており、全体として減収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は317億円(前年同期比37.2%減)、営業損失は70億円(前年同期は10億円の営業利益)となりました。
3)ヘルスケア事業
ヘルスケアユニットでは、病院やクリニックの経営環境悪化により投資意欲が減退する中、DR(デジタルラジオグラフィー)が、新型コロナウイルス感染症の診察に用いられるⅩ線回診車用の需要増加を受け、北米を中心に販売数量が増加しました。超音波診断装置は、販売活動の制限と注力領域の一つである整形外科の患者減少による投資抑制の影響を受け、販売数量は減少しました。中国でのフィルム販売は4月以降回復傾向にあります。ヘルスケアユニット全体としては、日本と中国での売上減少により減収となりました。
医療ITユニットでは、医療画像管理や施設間連携をサポートするITサービス「infomity(インフォミティ)」の販売が前年同期比で伸長した一方で、販売活動制限の影響を受けPACS(医用画像保管・管理システム)の販売が減少し、減収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は164億円(前年同期比11.8%減)、営業損失は11億円(前年同期は2億円の営業損失)となりました。
4)産業用材料・機器事業
材料・コンポーネント分野では、機能材料ユニットは、テレワーク需要でノートPC、タブレット等に使われる薄膜フィルムは好調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレビなどの最終製品の需要減速が影響し、テレビ向けの高付加価値製品の販売が減少した結果、前年同期比で減収となりました。光学コンポーネントユニットは、主に映画館の閉鎖やイベントの中止などによりプロジェクタ用レンズなどの販売が減少し前年同期比で減収となりました。IJコンポーネントユニットは、顧客製品の輸出先国での新型コロナウイルス感染症拡大の影響が顕在化したことで販売数量が減少し、前年同期比で減収となりました。
産業用光学システム分野では、計測機器ユニットで、物体色向け計測器の需要停滞傾向は継続しているものの、光源色向け計測器は大手顧客の需要が好調だったことに加えて、新型コロナウイルス感染症の影響で前期から持ち越した顧客への機器設置による売上もあり、ユニット全体で増収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は233億円(前年同期比17.1%減)、営業利益は32億円(同32.4%減)となりました。
(2)財政状態の分析
前連結会計年度末 | 当第1四半期 連結会計期間末 | 増減 | |
資産合計 (億円) | 12,767 | 13,096 | 329 |
負債合計 (億円) | 7,430 | 7,986 | 556 |
資本合計 (億円) | 5,337 | 5,110 | △227 |
親会社の所有者に帰属する持分合計(億円) | 5,237 | 5,015 | △222 |
親会社所有者帰属持分比率 (%) | 41.0 | 38.3 | △2.7 |
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前期末比329億円(2.6%)増加し1兆3,096億円となりました。これは主に、現金及び現金同等物の増加625億円、棚卸資産の増加85億円、未収法人所得税の増加69億円、営業債権及びその他の債権の減少352億円、有形固定資産の減少80億円によるものであります。
負債合計については、前期末比556億円(7.5%)増加し7,986億円となりました。これは主に、社債及び借入金の増加869億円、営業債務及びその他の債務の減少284億円によるものであります。
資本合計については、前期末比227億円(4.3%)減少し5,110億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、前期末比222億円(4.2%)減少し5,015億円となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する四半期損失の計上173億円、剰余金の配当による減少49億円によるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は、2.7ポイント減少の38.3%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:億円) |
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | △4 | △77 | △73 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △145 | △61 | 84 |
計 | △150 | △139 | 10 |
(フリー・キャッシュ・フロー) | |||
財務活動によるキャッシュ・フロー | △116 | 767 | 883 |
当第1四半期連結累計期間の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー77億円の支出と、投資活動によるキャッシュ・フロー61億円の支出の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは139億円のマイナスとなりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは767億円の収入となりました。
そのほかに、現金及び現金同等物に係る為替変動の影響額等があり、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比625億円増加の1,524億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前四半期損失238億円に、営業債権及びその他の債権の減少による増加356億円、減価償却費及び償却費194億円等によるキャッシュ・フローの増加と、営業債務及びその他の債務の減少による減少254億円、棚卸資産の増加による減少83億円等によるキャッシュ・フローの減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは77億円の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出60億円、無形資産の取得による支出23億円、有形固定資産および無形資産の売却による収入28億円等があり、投資によるキャッシュ・フローは61億円の支出となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは139億円のマイナス(前年同期は150億円のマイナス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の純増加額891億円、社債の発行及び長期借入80億円等の収入と、社債の償還及び長期借入金の返済107億円、リース負債の返済49億円、配当金の支払い48億円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは767億円の収入(前年同期は116億円の支出)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は161億円となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(注)「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における記載金額は、表示単位未満を切り捨てて表示しております。