四半期報告書-第116期第3四半期(令和1年10月1日-令和1年12月31日)

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2020/02/07 10:54
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19項目
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
① 業績全般の概況
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減
(自2018.4.1(自2019.4.1
至2018.12.31)至2019.12.31)
億円億円億円%
売上高7,7757,470△305△3.9
売上総利益3,7763,545△231△6.1
営業利益505105△399△79.1
税引前四半期利益47955△423△88.4
親会社の所有者に帰属する四半期利益33721△315△93.6
%
基本的1株当たり四半期利益68.234.39△63.84△93.6
億円億円億円%
設備投資額33434282.4
減価償却費及び償却費44057413330.4
研究開発費593570△22△3.9
億円億円億円%
フリー・キャッシュ・フロー168△265△434-
%
連結従業員数44,15844,7676091.4
為替レート%
米ドル111.14108.67△2.47△2.2
ユーロ129.49121.05△8.44△6.5

当第3四半期連結累計期間(以下「当期間」)における当社グループの連結売上高は、7,470億円(前年同期比3.9%減)となりました。米中貿易摩擦や中国経済の減速、欧州景気の不透明感継続により顧客の投資が抑制されている影響や、円高の影響を受け、オフィス事業、プロフェッショナルプリント事業で減収となりました。また、産業用材料・機器事業の産業用光学システム分野では需要の端境期の影響を受け減収、材料・コンポーネント分野は需給調整の影響もありやや減収となりました。一方、ヘルスケア事業は増収、新規分野においても遺伝子診断の新サービスが好調なバイオヘルスケア分野を中心に増収となりました。
利益面では、減収による影響に加え、2019年9月に米中貿易摩擦に起因する追加関税が発動されたこと、オフィス事業やプロフェッショナルプリント事業において製造原価低減が遅れたことや、一時的に販売構成比が低中速機にシフトしたことなどにより、売上総利益率が低下しました。また、前年同期に資産流動化による収益202億円が計上されていたこともあり、当期間の営業利益は大幅減益の105億円(前年同期比79.1%減)となりました。
税引前四半期利益は、55億円(前年同期比88.4%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は21億円(同93.6%減)となりました。
中長期での持続的な成長を目指す取組みとして将来の収益の柱にすべく投資を継続している新規分野では、当社の提供するエッジIoTプラットフォームである「Workplace Hub(ワークプレイス ハブ)」の販売地域を当期間を通じて9カ国から23カ国に拡大させ、販売活動を強化し顧客数を拡大しています。バイオヘルスケア分野では、遺伝子診断の精度を飛躍的に向上させるために世界で初めて商用化した生殖細胞系列遺伝子変異を評価するRNA検査が医療機関から高い評価を受け、遺伝子検査の受託数を増加させています。また、更なる事業拡大を目指して、検診機関向けのサービスを本格展開するための準備を進めました。こういった新規分野での投資を継続する一方、業容転換と収益性向上を加速するため、既存分野においては構造改革に着手しました。
② 主要セグメントの状況
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減
(自2018.4.1(自2019.4.1
至2018.12.31)至2019.12.31)
億円億円億円%
オフィス事業売上高4,3644,121△242△5.6
営業利益343225△117△34.3
プロフェッショナル売上高1,6501,587△63△3.9
プリント事業営業利益8750△37△42.4
ヘルスケア事業売上高611631203.4
営業利益115△5△50.0
産業用材料・機器事業売上高884829△54△6.2
営業利益170153△16△9.9
小計売上高7,5107,170△340△4.5
営業利益612435△177△29.0
「その他」及び調整額売上高2643003513.3
(注2)営業利益△107△329△221-
要約四半期売上高7,7757,470△305△3.9
連結損益計算書計上額営業利益505105△399△79.1

(注1)売上高は外部顧客への売上高であります。
(注2)売上高は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載の「その他」の外部顧客への売上高、営業利益は同記載の「その他」と調整額の合計であります。
1)オフィス事業
オフィスユニットでは、A3複合機の販売台数が、カラー機、モノクロ機共に減少しました。カラー低中速機では7年ぶりの新製品として新設計エンジンや業界初の強固なセキュリティ機能などを搭載した「bizhub-i(ビズハブ アイ)シリーズ」の販売を開始しましたが、旧製品から新製品への切り替えに時間を要したことや、高速機は2020年1月に新製品の発売を予定しているため需要が伸び悩んだことで、全体としても販売台数が減少しました。なお、当第3四半期連結会計期間では新製品効果でカラー機の販売台数が増加に転じています。
ITサービスユニットでは、採算向上のため一部のITサービスのメニューを絞り込んだこともあり一時的に売上が伸び悩みましたが、サービスサポートの標準化・自動化により更なる収益性向上を図っています。
上記に加え、円高の影響や米中貿易摩擦に起因する関税の影響も受けた結果、当事業の売上高は4,121億円(前年同期比5.6%減)、営業利益は225億円(同34.3%減)となりました。
2)プロフェッショナルプリント事業
プロダクションプリントユニットでは、カラー機、モノクロ機共に販売台数が減少しましたが、当第3四半期連結会計期間では、印刷の出力調整を自動化する品質最適化ユニット「IQ-501」による価値訴求効果や北米での販売復調もありカラー機の販売台数が増加に転じました。特に米欧では主力の低中速機が堅調でした。成長国ではASEANで大幅増加となりましたが、中国やインドでは中速機の販売台数が減少しました。モノクロ機の販売台数は前年同期にあった欧州での大口需要の反動や中国での需要後退により減少しました。
産業印刷ユニットでは、インクジェットデジタル印刷機の「AccurioJet(アキュリオジェット)KM-1」の販売は直販で大きく伸長しました。ラベル印刷機とデジタル加飾印刷機の販売は新製品や販売能力増強の効果で大幅に伸長し、ターゲットとする市場でトップクラスのシェアを継続し、増収をけん引しました。
マーケティングサービスユニットでは、高付加価値サービスへのシフトを継続し、米国やアジアがけん引して販売は拡大しましたが、円高の影響により減収となりました。
上記に加え、円高の影響や米中貿易摩擦に起因する関税の影響も受けた結果、当事業の売上高は1,587億円(前年同期比3.9%減)、営業利益は50億円(同42.4%減)となりました。
3)ヘルスケア事業
ヘルスケアユニットでは、DR(デジタルラジオグラフィー)は、日本での病院向けの販売が好調を維持し、アジアや欧州においても販売数量が増加しました。米国では、病院向け販売の低調が続きましたが、クリニック向けは堅調に推移し当第3四半期連結会計期間では回復基調に転じました。超音波診断装置は日本では産科向け新製品の効果と内科向けに当社ブランドが浸透したことで販売数量が順調に増加し、海外でも欧米を中心に販売を伸ばしました。その結果、ヘルスケアユニットは増収となりました。
医療ITユニットでは、北米でPACS(医用画像保管・管理システム)の大型案件を受注し、日本でもPACSの販売が堅調に推移したことで増収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は631億円(前年同期比3.4%増)、営業利益は子会社の拠点売却に係る固定資産評価減を5億円計上したことにより5億円(同50.0%減)となりました。
4)産業用材料・機器事業
材料・コンポーネント分野では、機能材料ユニットで高付加価値製品の販売が伸びましたが、顧客の在庫調整の影響により、全体の販売面積が減少したため減収となりました。光学コンポーネントユニットは景気減速の影響が続き、やや減収となりました。IJコンポーネントユニットはアジア地域の販売が堅調で増収となりましたが、材料・コンポーネント分野全体としてはやや減収となりました。
産業用光学システム分野では、計測機器ユニットの物体色向けが景気減速の影響を受け販売が伸び悩み、光源色向けはディスプレイ製品の多様化による需要が前年同期比で減少したため、ユニット全体として減収となりましたが、当第3四半期連結会計期間では中国や韓国の顧客からの受注増加もあり販売が持ち直しつつあります。
これらの結果、当事業の売上高は829億円(前年同期比6.2%減)、営業利益は153億円(同9.9%減)となりました。
(参考)第3四半期連結会計期間の状況
前第3四半期
連結会計期間
当第3四半期
連結会計期間
増減
(自2018.10.1(自2019.10.1
至2018.12.31)至2019.12.31)
億円億円億円%
売上高2,6042,495△109△4.2
売上総利益1,2611,177△84△6.7
営業利益15951△107△67.6
税引前四半期利益14839△108△73.0
親会社の所有者に帰属する四半期利益10420△83△80.1
%
基本的1株当たり四半期利益21.054.18△16.87△80.1
億円億円億円%
設備投資額138100△38△27.9
減価償却費及び償却費1491944530.4
研究開発費196184△12△6.2
億円億円億円%
フリー・キャッシュ・フロー58△80△138-
為替レート%
米ドル112.90108.76△4.14△3.7
ユーロ128.78120.32△8.46△6.6

主要セグメントの状況
前第3四半期
連結会計期間
当第3四半期
連結会計期間
増減
(自2018.10.1(自2019.10.1
至2018.12.31)至2019.12.31)
億円億円億円%
オフィス事業売上高1,4571,389△67△4.6
営業利益11654△62△53.4
プロフェッショナル売上高558554△4△0.7
プリント事業営業利益3329△3△11.4
ヘルスケア事業売上高208181△27△13.2
営業利益32△1△41.3
産業用材料・機器事業売上高288268△19△6.7
営業利益555601.0
小計売上高2,5122,394△118△4.7
営業利益209142△66△32.0
「その他」及び調整額売上高9210189.7
(注2)営業利益△50△90△40-
要約四半期売上高2,6042,495△109△4.2
連結損益計算書計上額営業利益15951△107△67.6

(注1)売上高は外部顧客への売上高であります。
(注2)売上高は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載の「その他」の外部顧客への売上高、営業利益は同記載の「その他」と調整額の合計であります。
(2)財政状態の分析
前連結会計年度末当第3四半期
連結会計期間末
増減
資産合計 (億円)12,18913,043853
負債合計 (億円)6,5307,6131,083
資本合計 (億円)5,6595,429△229
親会社の所有者に帰属する持分合計(億円)5,5565,334△222
親会社所有者帰属持分比率 (%)45.640.9△4.7

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前期末比853億円(7.0%)増加し1兆3,043億円となりました。これは主に、IFRS第16号「リース」(以下「IFRS第16号」)適用等による有形固定資産の増加1,015億円、棚卸資産の増加289億円、その他の流動資産の増加70億円、現金及び現金同等物の減少376億円、営業債権及びその他の債権の減少66億円、のれん及び無形資産の減少60億円によるものであります。
負債合計については、前期末比1,083億円(16.6%)増加し7,613億円となりました。これは主に、IFRS第16号適用によるリース負債の増加1,133億円、社債及び借入金の増加138億円、未払法人所得税の減少75億円によるものであります。
資本合計については、前期末比229億円(4.1%)減少し5,429億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、前期末比222億円(4.0%)減少し5,334億円となりました。これは主に、剰余金の配当による減少148億円、その他の資本の構成要素(主に在外営業活動体の換算差額)の減少91億円によるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は、4.7ポイント減少の40.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)

前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー368116△252
投資活動によるキャッシュ・フロー△199△382△182
168△265△434
(フリー・キャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フロー△391△91299

当第3四半期連結累計期間の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー116億円の収入と、投資活動によるキャッシュ・フロー382億円の支出の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは265億円のマイナスとなりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは91億円の支出となりました。
そのほかに、現金及び現金同等物に係る為替変動の影響額等があり、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比376億円減少の872億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前四半期利益55億円、減価償却費及び償却費574億円、営業債権及びその他の債権の減少による増加13億円等によるキャッシュ・フローの増加と、棚卸資産の増加による減少310億円、法人所得税の支払118億円等によるキャッシュ・フローの減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは116億円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出259億円、無形資産の取得による支出84億円、子会社株式の取得による支出42億円等があり、投資活動によるキャッシュ・フローは382億円の支出となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは265億円のマイナス(前年同期は168億円のプラス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の純増加額253億円等の収入と、社債の償還及び長期借入金の返済83億円、リース負債の返済140億円、配当金の支払147億円等の支出により、財務活動によるキャッシュ・フローは91億円の支出(前年同期は391億円の支出)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は570億円となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(注)「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における記載金額は、表示単位未満を切り捨てて表示しております。