半期報告書-第121期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2024/11/12 13:38
【資料】
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【項目】
40項目
文中の将来に関する事項は、当半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
① 業績全般の概況
前中間
連結会計期間
当中間
連結会計期間
増減
(自2023.4.1(自2024.4.1
至2023.9.30)至2024.9.30)
億円億円億円%
売上高5,5275,8373095.6
売上総利益2,3722,6062349.9
事業貢献利益(注)22178155679.4
営業利益(△は損失)7△7△14-
税引前中間損失(△)△37△100△62-
親会社の所有者に帰属する中間損失(△)△44△107△62-
%
基本的1株当たり中間損失(△)△9.09△21.66△12.57-
億円億円億円%
設備投資額188173△14△7.9
減価償却費及び償却費377372△5△1.4
研究開発費325308△17△5.3
億円億円億円%
フリー・キャッシュ・フロー941677378.0
%
連結従業員数39,97738,516△1,461△3.7
為替レート%
米ドル141.00152.6311.638.2
ユーロ153.39165.9512.568.2

(注)「事業貢献利益」は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
当中間連結会計期間(以下「当期間」)における当社グループの連結売上高は5,837億円(前年同期比5.6%増)となりました。事業貢献利益は178億円(前年同期比679.4%増)、営業損失は7億円(前年同期7億円の営業利益から14億円の減益)となりました。税引前中間損失は100億円(前年同期37億円の税引前中間損失から62億円の減益)、親会社の所有者に帰属する中間損失は107億円(前年同期44億円の親会社の所有者に帰属する中間損失から62億円の減益)となりました。
売上高は円安の影響もあり、前年同期比で増収となりました。地域別では前年同期比で、アジア(除く中国)は約15%、中国は約6%、北米は約6%、欧州は約3%、日本は約1%増収となり、全地域で増収となりました。事業貢献利益は主にデジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業、及びプレシジョンメディシン事業の増収による売上総利益の増加と、コストダウン等による全社の売上総利益率が約2ポイント改善したことが寄与し、前年同期比で大幅な改善となりました。一方、グローバル構造改革に関わる費用及び中国生産子会社であるKonica Minolta Business Technologies (WUXI) Co.,Ltd.の生産活動終了に伴う費用を事業構造改善費用として164億円計上しました。これらの結果、当期間の営業損失は7億円となりました。
当期を2年目とする中期経営計画では、各事業に対する役割と期待を明確にし、事業の選択と集中を進めています。非重点事業と位置付けたプレシジョンメディシン事業においては、創薬支援サービスを担うInvicro, LLC社の全持分譲渡を完了し、残る遺伝子検査サービスも第三者資本活用の検討を積極的に推進しています。また、方向転換事業と位置付けたDW-DXユニットは、地域、サービスごとの採算を見極め地域・展開国と事業領域の絞り込みを実行中です。
なお、当連結会計年度から報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値で比較分析しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載しております。

② 主要セグメントの状況
前中間
連結会計期間
当中間
連結会計期間
増減
(自2023.4.1(自2024.4.1
至2023.9.30)至2024.9.30)
億円億円億円%
デジタルワークプレイス売上高2,9453,0761314.5
事業事業貢献利益1071918378.1
営業利益10065△34△34.4
プロフェッショナル売上高1,2401,39015012.1
プリント事業事業貢献利益36652879.5
営業利益36491234.4
インダストリー事業売上高616604△12△2.0
事業貢献利益8175△6△7.4
営業利益7571△3△5.2
画像ソリューション売上高485504194.0
事業事業貢献利益△34△49△14-
営業利益△35△59△23-
プレシジョン売上高237258208.8
メディシン事業貢献利益△501464-
事業営業利益△51254-
小計売上高5,5245,8343095.6
事業貢献利益140296156111.5
営業利益12513043.6
「その他」及び売上高3308.4
「調整額」事業貢献利益△117△117△0-
(注2)営業利益△118△137△19-
要約中間売上高5,5275,8373095.6
連結損益計算書計上額事業貢献利益22178155679.4
営業利益7△7△14-

(注1)売上高は外部顧客への売上高であります。
(注2)売上高は「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載の「その他」の外部顧客への売上高、営業利益は同記載のセグメント利益(△は損失)の「その他」と「調整額」の合計であります。
(注3)当連結会計年度から、従来「その他」に含めていたFORXAI及びQOLソリューションをユニットとして独立させ「画像ソリューション事業」に含めております。前連結会計年度のセグメント情報についても、当変更を反映した後の数値により作成したものを開示しております。
1)デジタルワークプレイス事業
デジタルワークプレイス事業の売上高は3,076億円(前年同期比4.5%増)、事業貢献利益は191億円(前年同期比78.1%増)、営業利益は65億円(前年同期比34.4%減)となりました。売上高の増加に伴い事業貢献利益が増加しましたが、営業利益はグローバル構造改革及び中国生産子会社であるKonica Minolta Business Technologies (WUXI) Co., Ltd.の生産活動終了に伴う一時費用を計上したため、減益となりました。
オフィスユニットは前年同期比で増収となりました。A3複合機の販売台数は、前年同期比でカラー機が94%、モノクロ機が105%、全体では97%となったものの、ハードの売上高は為替の影響もあり増収となりました。消耗品やサービスなどのノンハード売上高は増収となりました。地域別ではインドなど一部の地域で増収、日本や中国、欧米で減収となりました。
ITサービスなどの提供を中心とするDW-DXユニットは、前年同期比で増収となりました。欧米や日本でビジネスコンテンツの管理や業務プロセス管理を提供するサービスが好調であり、日本ではAIを用いた通訳サービスなど自社開発のサービスが伸長しました。また収益性に基づき、地域と事業領域の絞り込みを実行しています。
2)プロフェッショナルプリント事業
プロフェッショナルプリント事業の売上高は1,390億円(前年同期比12.1%増)、事業貢献利益は65億円(前年同期比79.5%増)、営業利益は49億円(前年同期比34.4%増)となりました。
プロダクションプリントユニットは前年同期比で増収となりました。カラー機の販売台数は99%、モノクロ機は90%、全体では96%となったものの、ハードの売上高は為替の影響もあり増収となりました。特に注力している印刷速度が最も速いヘビープロダクションプリント(HPP)の販売台数が前年同期比で137%と伸長したことが寄与しました。また、消耗品やサービスなどのノンハードも増収となりました。地域別では、顧客のプリントボリュームは米国やインドで需要が増加、欧州では前年並み、景気停滞の影響を受け中国では減少となりました。
産業印刷ユニットは前年同期比で増収となりました。ハードは、インクジェットデジタル印刷機「AccurioJet(アキュリオジェット)KM-1e」、ラベル印刷機、加飾印刷機の販売台数が増加しました。ノンハードは、デジタル印刷需要の高まりを背景に、インクジェットデジタル印刷機、ラベル印刷、テキスタイル印刷、加飾印刷の全ての領域で増収となりました。
マーケティングサービスユニットは前年同期比で増収となりました。欧州での主要顧客の販売促進活動が活発化し、プリント調達支援ビジネスが好調に推移しました。オンデマンドプリントは韓国での売上増が寄与しました。
3)インダストリー事業
インダストリー事業の売上高は604億円(前年同期比2.0%減)、事業貢献利益は75億円(前年同期比7.4%減)、営業利益は71億円(前年同期比5.2%減)となりました。主にセンシングユニットにおける売上減に伴う売上総利益の減少により減益となりました。なお、2023年10月にラックスビジョンズイノベーションテクノロジー有限会社と中国生産子会社2社の80%の持分譲渡契約を締結し、クロージングに向けた対応を進めています。
センシングユニットは前年同期比で約4%の減収となりました。光源色向け計測器で顧客のディスプレイ設備投資抑制の影響を受け大手顧客を中心に需要が減速したほか、一部の用途における競争激化により売上が減少しました。物体色向け計測器は販売が堅調に推移し増収となりました。ハイパースペクトルイメージング技術を応用した計測器は、リサイクル用途を中心に主力製品の売上が好調に推移し増収となりました。自動車外観検査用の計測器は欧米を中心に新たな受注が順調に積み上がり、増収となりました。
機能材料ユニットは前年同期比で減収となりました。当期間後半からTVパネル需要が減少し、TV用TACフィルムの販売が減少しました。一方、大型TV向けのSANUQI-VAは、前期での採用拡大により需要が堅調に推移しています。またITデバイス用薄膜フィルムでは、市場停滞により販売が減少しました。スマートフォン用薄膜フィルムにおいては、前年同期のサプライチェーンにおける余剰在庫が解消に向かい、需要が回復傾向となり、販売が堅調に推移しました。
IJコンポーネントユニットは前年同期比で増収となりました。基盤領域であるサイングラフィックス用途において、在庫調整があり中国での販売は鈍化しましたが、欧米や韓国、インドでは販売が堅調に推移し、全体ではヘッドの販売が増加しました。また、成長領域では段ボールへの印字用途などで採用が進み、ヘッドの販売が増加しています。
光学コンポーネントユニットは、主に非産業用途の高輝度プロジェクタ用レンズの販売が市況影響を受け、前年同期比で減収となりましたが、注力する産業用途の上流分野において半導体製造装置向け製品は堅調に推移し、次世代研磨加工機を導入するなど今後の拡大に向けた取り組みを推進しました。
4)画像ソリューション事業
画像ソリューション事業の売上高は504億円(前年同期比4.0%増)、事業貢献損失は49億円(前年同期は34億円の事業貢献損失)、営業損失は59億円(前年同期は35億円の営業損失)となりました。主にヘルスケアユニットにおける日本のDR(デジタルラジオグラフィー)と中国のX線フィルムの販売減少による売上総利益の悪化により、事業貢献損失と営業損失は拡大しました。
ヘルスケアユニットは主に為替の影響により前年同期比で増収となりました。DRの販売台数は日本で減少しましたが、米国を中心に伸長しました。当社が注力しているⅩ線動態解析システムの販売台数はアジアや欧州を中心に伸長しました。医療ITの販売は日米で好調を維持しました。X線フィルムは中国を中心に需要が減り、販売が減少しました。
画像IoTソリューションユニットは前年同期比で増収となりました。欧米での監視カメラソリューションの販売が堅調に推移しています。また、2023年に買収したシステムインテグレーターであるForce Security Solutions, LLC(本社:米国)は好調を維持しています。
映像ソリューションユニットは前年同期比で増収となりました。国内事業におけるプラネタリウム直営館での集客が好調に推移しています。
5)プレシジョンメディシン事業
プレシジョンメディシン事業の売上高はInvicro, LLCの4月末の持分譲渡による減少を受けましたが、遺伝子検査サービスの伸長により増加し258億円(前年同期比8.8%増)、事業貢献利益は14億円(前年同期は50億円の事業貢献損失)、Invicro, LLCの持分譲渡クロージングに伴う為替換算差額の実現及び譲渡価格の条件付対価の調整により7億円の損失等を計上し、営業利益は2億円(前年同期は51億円の営業損失)となりました。
遺伝子検査サービスの売上高は米国内での市場の回復を受け、生殖細胞系列遺伝子変異を評価するRNA検査を中心に遺伝子検査数が前年同期比で増加しました。また、ラボの稼働率向上による原価低減等により、事業貢献利益は前年同期比で増益となりました。

(2)財政状態の分析
前連結会計年度末当中間
連結会計期間末
増減
資産合計 (億円)13,88013,239△640
負債合計 (億円)8,3468,012△333
資本合計 (億円)5,5335,227△306
親会社の所有者に帰属する持分合計(億円)5,3985,080△318
親会社所有者帰属持分比率 (%)38.938.4△0.5

当中間連結会計期間末の資産合計は、前期末比640億円(4.6%)減少し1兆3,239億円となりました。これは主に、売却目的で保有する資産の減少246億円、営業債権及びその他の債権の減少201億円、現金及び現金同等物の減少196億円、のれん及び無形資産の減少95億円、その他の非流動資産の増加67億円によるものであります。
負債合計については、前期末比333億円(4.0%)減少し8,012億円となりました。これは主に、社債及び借入金の減少207億円、営業債務及びその他の債務の減少115億円、売却目的で保有する資産に直接関連する負債の減少92億円、引当金の増加63億円によるものであります。
資本合計については、前期末比306億円(5.5%)減少し5,227億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、前期末比318億円(5.9%)減少し5,080億円となりました。これは主に、その他の資本の構成要素(主に在外営業活動体の換算差額)の減少190億円、親会社の所有者に帰属する中間損失の計上107億円によるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は、0.5ポイント減少の38.4%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)

前中間
連結会計期間
当中間
連結会計期間
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー320277△42
投資活動によるキャッシュ・フロー△226△110115
9416773
(フリー・キャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フロー△848△356492

当中間連結会計期間の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー277億円の収入と、投資活動によるキャッシュ・フロー110億円の支出の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは167億円のプラスとなりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは356億円の支出となりました。
そのほかに、現金及び現金同等物に係る為替変動の影響額等があり、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比205億円減少の1,091億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前中間損失100億円に、減価償却費及び償却費372億円、営業債権及びその他の債権の減少による増加91億円等によるキャッシュ・フローの増加と、利息の支払額61億円等によるキャッシュ・フローの減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは277億円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出124億円、無形資産の取得による支出75億円、子会社の売却による収入93億円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは110億円の支出となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは167億円のプラス(前年同期は94億円のプラス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の純減少額377億円、社債の償還及び長期借入金の返済117億円、リース負債の返済111億円等の支出と社債の発行及び長期借入れ273億円等の収入により、財務活動によるキャッシュ・フローは356億円の支出(前年同期は848億円の支出)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は308億円となりました。
なお、当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(注)「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における記載金額は、表示単位未満を切り捨てて表示しております。