有価証券報告書-第79期(2025/04/01-2026/03/31)
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇が継続しているものの、雇用・所得環境の改善などにより、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の関税政策の影響による景気後退への懸念や、欧州での製造業を中心とした需要低迷の影響、中国における不動産市場の低迷による影響に加え、中東情勢の緊迫化に伴う地政学的リスクの高まりなどもあり、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループにおいては、当連結会計年度を1年目とする中期経営計画において、新生IDECとして「顧客中心のビジネス構造への転換」、「グローバルベースでの市場変化への対応力向上」を掲げており、グループ一丸となって持続的な成長を実現するための構造改革を推進しております。
このような状況におきまして、当社グループの国内売上高は、流通在庫の解消とともに、足元において主要産業の需要が徐々に回復し受注が先行し始めたこともあり、グループ会社事業譲渡の影響があるなかでも、前年同期に比べ、2億6百万円増収の245億円(前年同期比0.9%増)となりました。海外売上高は、アジア・パシフィックにおいて中国における自動車や半導体業界などの需要拡大に加えて、代理店における流通在庫も正常化しつつあることや、北米地域での米国の追加関税分の販売価格への転嫁による影響などにより、売上が増加し、前年同期に比べ、53億8千万円増収の484億6千6百万円(前年同期比12.5%増)となりました。その結果、当連結会計年度の連結売上高は729億6千7百万円(前年同期比8.3%増)となりました。
利益面においては、増収の影響による利益増により、前年同期に比べ、営業利益は24億6千6百万円増益の61億1千8百万円(前年同期比67.5%増)、経常利益は為替差益の計上などにより、30億9千2百万円増益の65億6千9百万円(前年同期比88.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億9千4百万円増益の38億7千3百万円(前年同期比117.7%増)となりました。
以上による当連結会計年度における業績結果は以下のとおりであります。
セグメントごとの経営成績に関しては、次のとおりであります。
①日本
日本においては、流通在庫の解消とともに、足元において主要産業の需要が徐々に回復し受注が先行し始めたこともあり、グループ会社事業譲渡の影響があるなかでも売上高は前年同期に比べ、1億4千万円増収の269億8千6百万円(前年同期比0.5%増)となりました。営業利益は、構造改革の影響もあり前年同期に比べ、7億5千7百万円増益の19億4千万円(前年同期比64.0%増)となりました。
②米州
北米地域では、米国の追加関税分の販売価格への転嫁による影響に加え、期初より受注残の解消も進んだことから、売上高は前年同期に比べ、15億8千5百万円増収の157億3千8百万円(前年同期比11.2%増)となりました。一方で会社統合、新拠点設置など体制強化の影響もあり販管費率が上昇し、営業利益は前年同期に比べ、1億8千3百万円減益の9億5千4百万円(前年同期比16.1%減)となりました。
③EMEA
欧州市場では、景気低迷や地政学リスクの影響などにより主要産業の需要が落ち込んだものの、円安の影響により、売上高は前年同期に比べ、10億5千6百万円増収の159億5千2百万円(前年同期比7.1%増)となり、営業損失2億4千7百万円(前年同期は営業損失5億5千9百万円)となりました。
④アジア・パシフィック
アジア・パシフィック地域においては、中国における自動車や半導体業界などの需要拡大に加えて、代理店における流通在庫も正常化しつつあり、売上高は前年同期に比べ、28億4百万円増収の142億8千9百万円(前年同期比24.4%増)となり、営業利益は前年同期に比べ、16億5千4百万円増益の27億5千万円(前年同期比151.0%増)となりました。
また、製品種類別の売上高については、次のとおりであります。
なお前連結会計年度において、IDECシステムズ&コントロールズ株式会社の売却等により当連結会計年度から「その他」を廃止しております。
①HMI事業
欧州における景気低迷や特殊車両業界の需要減少などの影響はあるものの、流通在庫の正常化に加え、ファクトリーオートメーション向け産業用スイッチの売上が堅調に推移し、売上高は前年同期に比べ、22億4千2百万円増収の340億8千5百万円(前年同期比7.0%増)となりました。
※HMI(Human Machine Interface:人と機械が触れ合う環境)の核となる、「制御用操作スイッチ」や「ジョイスティック」、「表示灯」、「プログラマブル表示器」などの製品群です。
②インダストリアルコンポーネンツ事業
主力市場であるアジア・パシフィック、及び北米市場において、制御用リレーの売上が堅調に推移した結果、売上高は前年同期に比べ、17億1千1百万円増収の130億5百万円(前年同期比15.2%増)となりました。
※機械や生産ラインなどを制御・操作するための制御盤の中に組み込み、機械・装置の制御部分の基礎として使用される、「スイッチング電源」や「端子台」、「制御用リレー/ソケット」、「サーキットプロテクタ」などの製品群です。
③オートメーション&センシング事業
主力製品であるプログラマブルコントローラにおいて、主要市場である北米が堅調に伸長したものの、OEM先の在庫調整による新規注文が減少しました。また昨年度は国内の自動認識機器の大口受注などがあったこともあり、今年度は売上高は前年同期に比べ、5億1千2百万円減収の81億9千3百万円(前年同期比5.9%減)となりました。
※産業現場や暮らしのさまざまなシーンにおける機器の自動化に貢献する各種製品、機械・装置の頭脳の役割をする「プログラマブルコントローラ」や、リテールや物流分野などさまざまな分野で活用されている「自動認識機器」などの製品群です。
④安全・防爆事業
主力市場である日本、アジア・パシフィックにおいて、特に中国における安全関連機器の売上が堅調に推移した結果、売上高は前年同期に比べ、16億2千万円増収の126億6千5百万円(前年同期比14.7%増)となりました。
※産業現場の安全を守る「非常停止用押ボタンスイッチ」や「安全スイッチ」、「イネーブル装置」といった「安全関連機器」に加え、石油・化学プラントなど、爆発性のガスが存在する現場での事故を未然に防ぐ「防爆関連機器」などの製品群です。
⑤システム
日本、アジア・パシフィックにおいて、半導体製造設備・物流関連設備等の制御盤の売上が拡大したことにより、売上高は前年同期に比べ、15億3千6百万円増収の50億1千6百万円(前年同期比44.2%増)となりました。
※顧客ニーズに合わせてIDECの製品をシステム化して提供する「各種システム」、安全関連機器・安全技術を組み合わせて最適なシステムを構築する「協働ロボットシステムソリューション」などの製品群です。
(2)キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、74億4千2百万円の収入(前年同期は112億4千8百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等を24億8千2百万円納付した一方で、税金等調整前当期純利益を64億2千2百万円、減価償却費を39億9千7百万円計上したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、52億9千6百万円の支出(前年同期は40億9千7百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得により53億7千7百万円を支出したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、36億9千万円の支出(前年同期は29億5百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払いにより38億3千6百万円を支出したことなどによるものです。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は、販売価格によっております。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、見積りによる収益・費用の計上を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる方法により見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、不確実性を含んでおり、見積りによる数値とは異なる場合があります。
特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
①棚卸資産
当社グループは、連結会計年度末時点において簿価と市場価格の状況を検討し市場価格が下回る場合は評価損を計上しております。実際の市場価格が当社グループの見積りより変動した場合、計上した評価損の過不足が生じる可能性があります。
また、従来より、一定期間を超えて在庫として滞留する棚卸資産についても簿価を切り下げており、在庫実態に変化が生じた場合には、同様に棚卸資産の簿価を切り下げることとなります。
②貸倒引当金
当社グループは、債権の回収不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しておりますが、債権先の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要になる場合があります。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、評価性引当額を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期に法人税等調整額として計上いたします。
④退職給付費用
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合及び今後この前提条件が変化した場合には、変化した年度以降の退職給付費用が大きく増減する場合があります。
⑤固定資産の減損損失
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準における資産のグルーピング方法として、工場その他の事業用施設等については、継続して収支を把握している単位かつ独立したキャッシュ・フローを生み出す単位で、遊休資産については、当該資産単独で区分する方法を採用しており、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、又は遊休状態で今後も使用する見込みがない場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する可能性があります。
⑥のれん及び商標権・顧客関連資産
当社グループは、のれん及び商標権・顧客関連資産に関してその効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。その資産性の評価について検討し、将来において当初想定した収益が見込めなくなった場合に、簿価の切り下げを行う可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①売上高
当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇が継続しているものの、雇用・所得環境の改善などにより、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の関税政策の影響による景気後退への懸念や、欧州での製造業を中心とした需要低迷の影響、中国における不動産市場の低迷による影響に加え、中東情勢の緊迫化に伴う地政学的リスクの高まりなどもあり、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループにおいては、当連結会計年度を1年目とする中期経営計画において、新生IDECとして「顧客中心のビジネス構造への転換」、「グローバルベースでの市場変化への対応力向上」を掲げており、グループ一丸となって持続的な成長を実現するための構造改革を推進しております。
このような状況におきまして、当社グループの国内売上高は、流通在庫の解消とともに、足元において主要産業の需要が徐々に回復し受注が先行し始めたこともあり、グループ会社事業譲渡の影響があるなかでも、前年同期に比べ、2億6百万円増収の245億円(前年同期比0.9%増)となりました。海外売上高は、アジア・パシフィックにおいて中国における自動車や半導体業界などの需要拡大に加えて、代理店における流通在庫も正常化しつつあることや、北米地域での米国の追加関税分の販売価格への転嫁による影響などにより、売上が増加し、前年同期に比べ、53億8千万円増収の484億6千6百万円(前年同期比12.5%増)となりました。その結果、当連結会計年度の連結売上高は729億6千7百万円(前年同期比8.3%増)となりました。
なお、当連結会計年度における対米ドルの平均レートは、150.67円(前年同期は152.62円で1.95円の円高)、対ユーロの平均レートは、174.64円(前年同期は163.87円で10.77円の円安)、対人民元の平均レートは、21.22円(前年同期は21.11円で0.11円の円安)となりました。
②損益状況
売上原価は前年同期に比べ、26億7千5百万円増加し、406億1千8百万円(前年同期比7.1%増)となりました。販売費及び一般管理費は4億4千5百万円増加し、262億3千万円(前年同期比1.7%増)となりました。
利益面においては、増収の影響による利益増により、前年同期に比べ、営業利益は24億6千6百万円増益の61億1千8百万円(前年同期比67.5%増)、経常利益は為替差益の計上などにより、30億9千2百万円増益の65億6千9百万円(前年同期比88.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億9千4百万円増益の38億7千3百万円(前年同期比117.7%増)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産の額は、前連結会計年度末より63億5千5百万円増加し、1,135億7千2百万円となりました。これは主に、現金及び預金が10億3千6百万円減少した一方で、有形固定資産が36億2千1百万円、売上債権が21億8百万円、棚卸資産が13億9百万円増加したことなどによるものです。
負債の額は、前連結会計年度末より2億4千5百万円増加し、436億5千2百万円となりました。これは主に、未払金が4億6千3百万円、仕入債務が2億5千2百万円減少した一方で、借入金が10億7千1百万円増加したことなどによるものです。
純資産の額は、為替換算調整勘定が56億8千6百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末より61億1千万円増加し、699億2千万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より10億5千2百万円減少し、181億4千2百万円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、74億4千2百万円の収入(前年同期は112億4千8百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等を24億8千2百万円納付した一方で、税金等調整前当期純利益を64億2千2百万円、減価償却費を39億9千7百万円計上したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、52億9千6百万円の支出(前年同期は40億9千7百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得により53億7千7百万円を支出したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、36億9千万円の支出(前年同期は29億5百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払いにより38億3千6百万円を支出したことなどによるものです。
(5)戦略的現状と見通し及び今後の方針
中期経営計画では、事業軸としてKPIを設定しております。IDECグループの強みを生かせるHMIと安全事業を軸に、それぞれのKPI達成に向けた取り組みを推進しております。

安全事業については、日本や中国での需要拡大に伴い売上を順調に伸ばしており、今後更に加速させていく予定です。ソリューション売上の拡大に向けては、HMIや安全の技術・知見にセンシング技術を融合した提案や、安全規格に対応したソリューション提案など、IDECグループの強みを生かした展開を行うことで、顧客課題の解決を実現してまいります。製品単体でのソリューション、アプリケーションに特化した横展開可能なパッケージ、フルカスタムソリューションなどにより、顧客視点の多様な切り口で潜在的なニーズにお応えすることで、付加価値を高めてまいります。

IDECグループでは、IDECとAPEMの2つのBusiness Unitを設置し、ブランドの特長や専門性を最大限に活かせる体制を構築しております。一方、マーケティングや、製品の企画・開発、生産技術、品質保証などは同じプロセスを採用することで、One IDECとしての強みを生かせる体制とし、グローバルでの更なる事業拡大を推進しております。
製品やソリューションは多様な業界の顧客に採用いただいていますが、特定の業界に依存していないという特長があります。IDECブランドは主にFA業界、APEMブランドは特殊車両などを中心に展開しております。
中期経営計画では、グローバルで成長している半導体関連やロボット、工作機械、AGV(無人搬送車)・AMR(自律走行搬送ロボット)などに加えて、新たな成長市場向けの売上も拡大してまいります。既存業界に加えて、新たなニーズを取り込むことで、多様なお客さまの課題を解決する製品・ソリューションの展開を加速してまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇が継続しているものの、雇用・所得環境の改善などにより、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の関税政策の影響による景気後退への懸念や、欧州での製造業を中心とした需要低迷の影響、中国における不動産市場の低迷による影響に加え、中東情勢の緊迫化に伴う地政学的リスクの高まりなどもあり、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループにおいては、当連結会計年度を1年目とする中期経営計画において、新生IDECとして「顧客中心のビジネス構造への転換」、「グローバルベースでの市場変化への対応力向上」を掲げており、グループ一丸となって持続的な成長を実現するための構造改革を推進しております。
このような状況におきまして、当社グループの国内売上高は、流通在庫の解消とともに、足元において主要産業の需要が徐々に回復し受注が先行し始めたこともあり、グループ会社事業譲渡の影響があるなかでも、前年同期に比べ、2億6百万円増収の245億円(前年同期比0.9%増)となりました。海外売上高は、アジア・パシフィックにおいて中国における自動車や半導体業界などの需要拡大に加えて、代理店における流通在庫も正常化しつつあることや、北米地域での米国の追加関税分の販売価格への転嫁による影響などにより、売上が増加し、前年同期に比べ、53億8千万円増収の484億6千6百万円(前年同期比12.5%増)となりました。その結果、当連結会計年度の連結売上高は729億6千7百万円(前年同期比8.3%増)となりました。
利益面においては、増収の影響による利益増により、前年同期に比べ、営業利益は24億6千6百万円増益の61億1千8百万円(前年同期比67.5%増)、経常利益は為替差益の計上などにより、30億9千2百万円増益の65億6千9百万円(前年同期比88.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億9千4百万円増益の38億7千3百万円(前年同期比117.7%増)となりました。
以上による当連結会計年度における業績結果は以下のとおりであります。
| 2025年3月期 | 2026年3月期 | 比較増減 | 増減率 | |
| 売上高(百万円) | 67,380 | 72,967 | +5,587 | +8.3% |
| 売上総利益(百万円) | 29,437 | 32,349 | +2,911 | +9.9% |
| 売上総利益率(%) | 43.7 | 44.3 | +0.6 | - |
| 営業利益(百万円) | 3,652 | 6,118 | +2,466 | +67.5% |
| 営業利益率(%) | 5.4 | 8.4 | +3.0 | - |
| 経常利益(百万円) | 3,477 | 6,569 | +3,092 | +88.9% |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円) | 1,778 | 3,873 | +2,094 | +117.7% |
| (為替レート) | ||||
| 米ドル平均レート(円) | 152.62 | 150.67 | △1.95 | - |
| ユーロ平均レート(円) | 163.87 | 174.64 | +10.77 | - |
| 人民元平均レート(円) | 21.11 | 21.22 | +0.11 | - |
セグメントごとの経営成績に関しては、次のとおりであります。
①日本
日本においては、流通在庫の解消とともに、足元において主要産業の需要が徐々に回復し受注が先行し始めたこともあり、グループ会社事業譲渡の影響があるなかでも売上高は前年同期に比べ、1億4千万円増収の269億8千6百万円(前年同期比0.5%増)となりました。営業利益は、構造改革の影響もあり前年同期に比べ、7億5千7百万円増益の19億4千万円(前年同期比64.0%増)となりました。
②米州
北米地域では、米国の追加関税分の販売価格への転嫁による影響に加え、期初より受注残の解消も進んだことから、売上高は前年同期に比べ、15億8千5百万円増収の157億3千8百万円(前年同期比11.2%増)となりました。一方で会社統合、新拠点設置など体制強化の影響もあり販管費率が上昇し、営業利益は前年同期に比べ、1億8千3百万円減益の9億5千4百万円(前年同期比16.1%減)となりました。
③EMEA
欧州市場では、景気低迷や地政学リスクの影響などにより主要産業の需要が落ち込んだものの、円安の影響により、売上高は前年同期に比べ、10億5千6百万円増収の159億5千2百万円(前年同期比7.1%増)となり、営業損失2億4千7百万円(前年同期は営業損失5億5千9百万円)となりました。
④アジア・パシフィック
アジア・パシフィック地域においては、中国における自動車や半導体業界などの需要拡大に加えて、代理店における流通在庫も正常化しつつあり、売上高は前年同期に比べ、28億4百万円増収の142億8千9百万円(前年同期比24.4%増)となり、営業利益は前年同期に比べ、16億5千4百万円増益の27億5千万円(前年同期比151.0%増)となりました。
また、製品種類別の売上高については、次のとおりであります。
なお前連結会計年度において、IDECシステムズ&コントロールズ株式会社の売却等により当連結会計年度から「その他」を廃止しております。
①HMI事業
欧州における景気低迷や特殊車両業界の需要減少などの影響はあるものの、流通在庫の正常化に加え、ファクトリーオートメーション向け産業用スイッチの売上が堅調に推移し、売上高は前年同期に比べ、22億4千2百万円増収の340億8千5百万円(前年同期比7.0%増)となりました。
※HMI(Human Machine Interface:人と機械が触れ合う環境)の核となる、「制御用操作スイッチ」や「ジョイスティック」、「表示灯」、「プログラマブル表示器」などの製品群です。
②インダストリアルコンポーネンツ事業
主力市場であるアジア・パシフィック、及び北米市場において、制御用リレーの売上が堅調に推移した結果、売上高は前年同期に比べ、17億1千1百万円増収の130億5百万円(前年同期比15.2%増)となりました。
※機械や生産ラインなどを制御・操作するための制御盤の中に組み込み、機械・装置の制御部分の基礎として使用される、「スイッチング電源」や「端子台」、「制御用リレー/ソケット」、「サーキットプロテクタ」などの製品群です。
③オートメーション&センシング事業
主力製品であるプログラマブルコントローラにおいて、主要市場である北米が堅調に伸長したものの、OEM先の在庫調整による新規注文が減少しました。また昨年度は国内の自動認識機器の大口受注などがあったこともあり、今年度は売上高は前年同期に比べ、5億1千2百万円減収の81億9千3百万円(前年同期比5.9%減)となりました。
※産業現場や暮らしのさまざまなシーンにおける機器の自動化に貢献する各種製品、機械・装置の頭脳の役割をする「プログラマブルコントローラ」や、リテールや物流分野などさまざまな分野で活用されている「自動認識機器」などの製品群です。
④安全・防爆事業
主力市場である日本、アジア・パシフィックにおいて、特に中国における安全関連機器の売上が堅調に推移した結果、売上高は前年同期に比べ、16億2千万円増収の126億6千5百万円(前年同期比14.7%増)となりました。
※産業現場の安全を守る「非常停止用押ボタンスイッチ」や「安全スイッチ」、「イネーブル装置」といった「安全関連機器」に加え、石油・化学プラントなど、爆発性のガスが存在する現場での事故を未然に防ぐ「防爆関連機器」などの製品群です。
⑤システム
日本、アジア・パシフィックにおいて、半導体製造設備・物流関連設備等の制御盤の売上が拡大したことにより、売上高は前年同期に比べ、15億3千6百万円増収の50億1千6百万円(前年同期比44.2%増)となりました。
※顧客ニーズに合わせてIDECの製品をシステム化して提供する「各種システム」、安全関連機器・安全技術を組み合わせて最適なシステムを構築する「協働ロボットシステムソリューション」などの製品群です。
(2)キャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度(百万円) | 当連結会計年度(百万円) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 11,248 | 7,442 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △4,097 | △5,296 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △2,905 | △3,690 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △91 | 492 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 4,154 | △1,052 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 15,040 | 19,194 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 19,194 | 18,142 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、74億4千2百万円の収入(前年同期は112億4千8百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等を24億8千2百万円納付した一方で、税金等調整前当期純利益を64億2千2百万円、減価償却費を39億9千7百万円計上したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、52億9千6百万円の支出(前年同期は40億9千7百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得により53億7千7百万円を支出したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、36億9千万円の支出(前年同期は29億5百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払いにより38億3千6百万円を支出したことなどによるものです。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 31,320 | 115.5 |
| 米州 | 2,218 | 87.9 |
| EMEA | 16,305 | 108.1 |
| アジア・パシフィック | 11,825 | 123.7 |
| 合計 | 61,670 | 113.6 |
(注)金額は、販売価格によっております。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 | 受注残高 | ||
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 日本 | 28,321 | 102.5 | 6,605 | 125.3 |
| 米州 | 16,519 | 118.8 | 3,392 | 129.9 |
| EMEA | 16,243 | 112.6 | 7,813 | 103.9 |
| アジア・パシフィック | 15,500 | 120.6 | 5,564 | 127.8 |
| 合計 | 76,585 | 111.3 | 23,376 | 118.3 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 26,986 | 100.5 |
| 米州 | 15,738 | 111.2 |
| EMEA | 15,952 | 107.1 |
| アジア・パシフィック | 14,289 | 124.4 |
| 合計 | 72,967 | 108.3 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、見積りによる収益・費用の計上を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる方法により見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、不確実性を含んでおり、見積りによる数値とは異なる場合があります。
特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
①棚卸資産
当社グループは、連結会計年度末時点において簿価と市場価格の状況を検討し市場価格が下回る場合は評価損を計上しております。実際の市場価格が当社グループの見積りより変動した場合、計上した評価損の過不足が生じる可能性があります。
また、従来より、一定期間を超えて在庫として滞留する棚卸資産についても簿価を切り下げており、在庫実態に変化が生じた場合には、同様に棚卸資産の簿価を切り下げることとなります。
②貸倒引当金
当社グループは、債権の回収不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しておりますが、債権先の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要になる場合があります。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、評価性引当額を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期に法人税等調整額として計上いたします。
④退職給付費用
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合及び今後この前提条件が変化した場合には、変化した年度以降の退職給付費用が大きく増減する場合があります。
⑤固定資産の減損損失
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準における資産のグルーピング方法として、工場その他の事業用施設等については、継続して収支を把握している単位かつ独立したキャッシュ・フローを生み出す単位で、遊休資産については、当該資産単独で区分する方法を採用しており、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、又は遊休状態で今後も使用する見込みがない場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する可能性があります。
⑥のれん及び商標権・顧客関連資産
当社グループは、のれん及び商標権・顧客関連資産に関してその効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。その資産性の評価について検討し、将来において当初想定した収益が見込めなくなった場合に、簿価の切り下げを行う可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①売上高
当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇が継続しているものの、雇用・所得環境の改善などにより、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米国の関税政策の影響による景気後退への懸念や、欧州での製造業を中心とした需要低迷の影響、中国における不動産市場の低迷による影響に加え、中東情勢の緊迫化に伴う地政学的リスクの高まりなどもあり、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループにおいては、当連結会計年度を1年目とする中期経営計画において、新生IDECとして「顧客中心のビジネス構造への転換」、「グローバルベースでの市場変化への対応力向上」を掲げており、グループ一丸となって持続的な成長を実現するための構造改革を推進しております。
このような状況におきまして、当社グループの国内売上高は、流通在庫の解消とともに、足元において主要産業の需要が徐々に回復し受注が先行し始めたこともあり、グループ会社事業譲渡の影響があるなかでも、前年同期に比べ、2億6百万円増収の245億円(前年同期比0.9%増)となりました。海外売上高は、アジア・パシフィックにおいて中国における自動車や半導体業界などの需要拡大に加えて、代理店における流通在庫も正常化しつつあることや、北米地域での米国の追加関税分の販売価格への転嫁による影響などにより、売上が増加し、前年同期に比べ、53億8千万円増収の484億6千6百万円(前年同期比12.5%増)となりました。その結果、当連結会計年度の連結売上高は729億6千7百万円(前年同期比8.3%増)となりました。
なお、当連結会計年度における対米ドルの平均レートは、150.67円(前年同期は152.62円で1.95円の円高)、対ユーロの平均レートは、174.64円(前年同期は163.87円で10.77円の円安)、対人民元の平均レートは、21.22円(前年同期は21.11円で0.11円の円安)となりました。
②損益状況
売上原価は前年同期に比べ、26億7千5百万円増加し、406億1千8百万円(前年同期比7.1%増)となりました。販売費及び一般管理費は4億4千5百万円増加し、262億3千万円(前年同期比1.7%増)となりました。
利益面においては、増収の影響による利益増により、前年同期に比べ、営業利益は24億6千6百万円増益の61億1千8百万円(前年同期比67.5%増)、経常利益は為替差益の計上などにより、30億9千2百万円増益の65億6千9百万円(前年同期比88.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億9千4百万円増益の38億7千3百万円(前年同期比117.7%増)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産の額は、前連結会計年度末より63億5千5百万円増加し、1,135億7千2百万円となりました。これは主に、現金及び預金が10億3千6百万円減少した一方で、有形固定資産が36億2千1百万円、売上債権が21億8百万円、棚卸資産が13億9百万円増加したことなどによるものです。
負債の額は、前連結会計年度末より2億4千5百万円増加し、436億5千2百万円となりました。これは主に、未払金が4億6千3百万円、仕入債務が2億5千2百万円減少した一方で、借入金が10億7千1百万円増加したことなどによるものです。
純資産の額は、為替換算調整勘定が56億8千6百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末より61億1千万円増加し、699億2千万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より10億5千2百万円減少し、181億4千2百万円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、74億4千2百万円の収入(前年同期は112億4千8百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等を24億8千2百万円納付した一方で、税金等調整前当期純利益を64億2千2百万円、減価償却費を39億9千7百万円計上したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、52億9千6百万円の支出(前年同期は40億9千7百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得により53億7千7百万円を支出したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、36億9千万円の支出(前年同期は29億5百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払いにより38億3千6百万円を支出したことなどによるものです。
(5)戦略的現状と見通し及び今後の方針
中期経営計画では、事業軸としてKPIを設定しております。IDECグループの強みを生かせるHMIと安全事業を軸に、それぞれのKPI達成に向けた取り組みを推進しております。

安全事業については、日本や中国での需要拡大に伴い売上を順調に伸ばしており、今後更に加速させていく予定です。ソリューション売上の拡大に向けては、HMIや安全の技術・知見にセンシング技術を融合した提案や、安全規格に対応したソリューション提案など、IDECグループの強みを生かした展開を行うことで、顧客課題の解決を実現してまいります。製品単体でのソリューション、アプリケーションに特化した横展開可能なパッケージ、フルカスタムソリューションなどにより、顧客視点の多様な切り口で潜在的なニーズにお応えすることで、付加価値を高めてまいります。

IDECグループでは、IDECとAPEMの2つのBusiness Unitを設置し、ブランドの特長や専門性を最大限に活かせる体制を構築しております。一方、マーケティングや、製品の企画・開発、生産技術、品質保証などは同じプロセスを採用することで、One IDECとしての強みを生かせる体制とし、グローバルでの更なる事業拡大を推進しております。
製品やソリューションは多様な業界の顧客に採用いただいていますが、特定の業界に依存していないという特長があります。IDECブランドは主にFA業界、APEMブランドは特殊車両などを中心に展開しております。
中期経営計画では、グローバルで成長している半導体関連やロボット、工作機械、AGV(無人搬送車)・AMR(自律走行搬送ロボット)などに加えて、新たな成長市場向けの売上も拡大してまいります。既存業界に加えて、新たなニーズを取り込むことで、多様なお客さまの課題を解決する製品・ソリューションの展開を加速してまいります。