有価証券報告書-第41期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/16 10:15
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【項目】
159項目

(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移し、設備投資にも持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で物価上昇の継続に加え、米国の通商政策を巡る不確実性や中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格上昇への懸念、金融資本市場の急激な変動もあり、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループにおける当連結会計年度の経営成績については、売上高203,748百万円(前期比5.8%減)、営業利益10,253百万円(前期比17.7%減)、セグメント利益(経常利益)9,750百万円(前期比14.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益7,842百万円(前期比11.6%減)となりました。
当社グループにおける報告セグメントに係る業績については、次のとおりであります。
[半導体及び電子デバイス事業]
当社グループにおいては、顧客商権の拡大もあり車載向け半導体製品の販売が堅調に推移したものの、顧客在庫の調整継続により産業機器向け半導体製品の販売が減少しました。加えて、ウェーハ市場の調整も長期化していることなどにより、プライベートブランド製品の販売も低調に推移したことから、当連結会計年度は外部顧客への売上高162,543百万円(前期比9.2%減)、セグメント利益(経常利益)3,208百万円(前期比47.8%減)となりました。なお、サプライチェーンにおける顧客在庫は着実に消化が進んでおり、半導体製品の受注は回復傾向にあります。
[コンピュータシステム関連事業]
AI活用やクラウド利用が進展する等、企業のIT投資は引き続き堅調に推移しております。このような環境のもと、ストレージ関連製品及び保守・監視サービスの販売が好調に推移しました。また、AIを悪用した攻撃やサプライチェーンを狙った攻撃への対応が経営課題として認識される中、セキュリティ対策需要が拡大したことなどから、セキュリティ関連製品の販売も好調に推移し、当連結会計年度は外部顧客への売上高41,204百万円(前期比10.4%増)、経常利益6,542百万円(前期比24.2%増)となりました。
当連結会計年度末の流動資産は前期末に比べ6,151百万円増加し150,337百万円となりました。これは主に、商品及び製品が3,534百万円減少した一方、前払費用が6,346百万円増加したことに加え、受取手形及び売掛金が5,208百万円増加したことによります。
固定資産は前期末に比べ781百万円減少し11,874百万円となりました。
この結果、総資産は前期末に比べ5,370百万円増加し162,211百万円となりました。
流動負債は前期末に比べ10,395百万円増加し85,000百万円となりました。これは主に、前受金が9,597百万円増加したことによります。
固定負債は前期末に比べ9,777百万円減少し23,454百万円となりました。これは主に、長期借入金が9,565百万円減少したことによります。
純資産は前期末に比べ4,752百万円増加し53,756百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は32.6%となり、前連結会計年度末に比べ2.1ポイント向上いたしました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前期末に比べて762百万円減少し、7,622百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は15,684百万円(前期は18,915百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益、前受金の増加及び棚卸資産の減少等による資金増加要因が、前払費用や売上債権の増加等の資金減少要因を上回ったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は1,200百万円(前期は2,068百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は17,848百万円(前期は15,251百万円の支出)となりました。これは主に、借入金等の返済や配当金の支払いによるものであります。
③ 仕入、受注及び販売の状況
a.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高 (百万円)前期比 (%)
半導体及び電子デバイス事業141,031△7.8
コンピュータシステム関連事業27,2625.3
合計168,293△5.9

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前期比
(%)
受注残高
(百万円)
前期比
(%)
半導体及び電子デバイス事業181,94540.790,91327.1
コンピュータシステム関連事業51,48910.955,24322.9
合計233,43532.8146,15725.5

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高 (百万円)前期比 (%)
半導体及び電子デバイス事業162,543△9.2
コンピュータシステム関連事業41,20410.4
合計203,748△5.8

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月16日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループは特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表作成において行われる判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.収益の認識
当社グループの売上高は通常、注文書に基づき顧客に対して商品を引渡した時点、またはサービスが提供された時点で計上されます。なお、仕入先から顧客への商品直納販売については顧客受領時、預託在庫販売については顧客使用時、受託開発取引等検収確認が必要な取引については顧客検収完了時に計上されます。
b.貸倒引当金
当社グループは、顧客の債務不履行等により発生する損失の見込額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の支払能力低下による入金遅延が生じ、その後速やかに回収が見込まれない等の場合は、当該顧客への債権金額の50%以上引当金設定を行うことを原則としています。また、その他一定の信用悪化が認められた顧客に対する債権については個別に評価を行い、保守的な見積もりに基づく引当金設定を行う方針としています。
c.棚卸資産の評価
当社グループは、棚卸資産の評価について原則として原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しております。販売価格の低下や販売が困難と認められる棚卸資産については個別に簿価の切り下げを行う他、仕入日から一定期間を経過した棚卸資産が陳腐化したものと仮定し、期間の経過に応じ機械的に簿価の切り下げを行う等、早期に評価減を実施する方針としています。なお、期間の経過に応じた機械的な簿価切り下げ額は、当社グループが定めた棚卸資産の標準的なライフサイクル(5~6年)での均等償却により算定していますが、当該期間よりも早く陳腐化等が進む棚卸資産が発生した場合は追加的な切り下げが必要となります。
d.固定資産の減損
当社グループは、減損会計の対象となる建物及び構築物、工具、器具及び備品、のれん、技術資産、顧客関連資産、ソフトウェア等を有しております。現状、減損損失の認識が必要な資産はありませんが、今後、受注状況や市場動向に基づき見積られた将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合に、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
有価証券等への投資につきましては、株式、ベンチャーキャピタルへの投資及びゴルフ会員権の保有があります。金融商品の投資価値の下落がその時点の帳簿価額のおおむね50%相当額を下回ることとなり、かつ、近い将来その価額の回復が見込まれない場合には投資の減損又は貸倒引当金の計上を行っております。なお、将来の市況悪化等により、投資の減損又は貸倒引当金の計上が必要となる可能性があります。
e.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、入手可能な情報や資料に基づき将来の課税所得の発生の可能性を毎決算期に見積もり、回収可能性を検討した上で計上しております。今後、業績の悪化等により繰延税金資産の全部又は一部の回収可能性に懸念が生じた場合、繰延税金資産の取崩額が費用として計上される可能性があります。
なお、評価性引当額の設定は主に、ゴルフ会員権評価損及び貸倒引当金に対して行っております。
f.退職給付に係る負債又は資産
当社グループの退職給付に係る負債又は資産については、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。割引率は、期末における安全性の高い債券の利回りを基礎として決定しております。長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類毎の長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の業績について、半導体及び電子デバイス事業は、サプライチェーンにおける在庫調整の長期化やウェーハ市場の調整が継続した影響を受け、前連結会計年度に対し減収減益となりました。産業機器向け及び車載機器向けともに顧客在庫調整の影響が残る中、主にアナログIC及びプロセッサの販売が大きく減少しました。一方、車載分野においては顧客商権の拡大を背景にロジックICの販売が堅調に推移し、事業全体の下支えとなりました。また、プライベートブランド事業では、ウェーハ市場の調整長期化によりプライベートブランド製品の販売が低調に推移しました。なお、顧客在庫は着実に消化が進んでおり、半導体製品の受注は回復傾向にあるものと考えております。コンピュータシステム関連事業においては、AI活用やクラウド利用の進展を背景に、顧客のIT投資が引き続き堅調であったことから、前連結会計年度に対し増収増益となりました。データセンター・クラウド事業者向けを中心にネットワーク関連製品の販売は減少したものの、通信事業者向けを中心としたストレージ関連製品の販売が伸長しました。加えて、AIを悪用したサイバー攻撃やサプライチェーンを狙った脅威への対応が経営課題として認識される中、セキュリティ関連製品の販売が拡大するとともに、保守・監視サービスも好調に推移し、収益性の向上に寄与しました。
2026年3月期を初年度とする中期経営計画「VISION2030」では、ミッションとして「半導体やITを中心とする最先端テクノロジーを通して社会課題に向き合い、期待を超える価値を持つ解決策を提供することで、社会の持続的発展に貢献する」と掲げており、社会課題に対峙し、顧客の期待を超える解決策を提供してまいります。また、VISIONとして「メーカーと技術商社の力で潜在的な社会課題を解決する会社」への進化を目指してまいります。進行中の中期経営計画においてはメーカーと技術商社の両面を活かし、特にAIをはじめとする新たな技術潮流に伴って顕在化する課題に対して製品・サービスの両面から最適なソリューションを提供できるよう、事業分野毎の戦略に基づき、各種取組みを強化してまいります。全社方針としては当社グループが持つ「メーカー」と「技術商社」の力により潜在的社会課題である顧客課題の解決を図るとともに、持続的な利益成長に資する行動を推進してまいります。
資本政策に関しては、持続的な成長への投資として、技術開発・事業拡大に向けた積極的な投資を行い、競争力の強化を目的とした社内DX・社外DXへの投資のほか、人材育成へも積極的な投資を行ってまいります。株主還元については業績に応じて実施するとともに、持続的な利益成長により企業価値向上を図っていくことで長期的な高リターンを目指してまいります。また、自己資本比率40%以上・ROE20%以上を目指し、適正な在庫水準を維持することで財務の健全性を高めてまいります。
これらに加え、サステナビリティにも注力し、社会の発展と企業価値向上を目指してまいります。
以上を踏まえた中期経営計画「VISION2030」にて設定する財務モデル及び事業ポートフォリオは次のとおりであり、目標とする経営指標の達成を目指してまいります。

(中期経営計画「VISION2030」の最終年度(2030年3月期)における財務モデル及び事業ポートフォリオ)
VISION2030
(2030年3月期)
売上高300,000~350,000百万円
(事業別構成比)コンピュータシステム関連事業15%
半導体及び電子デバイス事業75%
プライベートブランド事業10%
経常利益率≧ 8%
(事業別経常利益率)コンピュータシステム関連事業12%
半導体及び電子デバイス事業7%
プライベートブランド事業10%
ROE(株主資本利益率)≧ 20%

2027年3月期の業績見通しについては、資源価格の高止まりや中東情勢の悪化等に伴う地政学リスクの高まりなどを背景に、国内外の経済情勢および当社グループを取り巻く事業環境は、引き続き先行き不透明な状況が続くものと認識しております。半導体及び電子デバイス事業並びにプライベートブランド事業においては、サプライチェーンにおける在庫水準の適正化が進んでおり、需要は回復局面へと移行しております。在庫調整の一巡による受注増に加え、長納期受注の寄与もあり堅調に推移しつつあることから、産業機器向け及び車載機器向けともに回復基調に入るものと見込んでおります。一方で、AIサーバー需要の拡大を背景に、メモリやCPU等の需給逼迫による供給の制約が生産活動に及ぼす影響については引き続き注視が必要であり、サプライチェーンの動向を踏まえた機動的な在庫確保と販売活動に取り組んでまいります。コンピュータシステム関連事業については、AI活用やクラウド移行の進展を背景に、ストレージ、セキュリティ、保守・監視サービスを中心に安定した需要が継続すると想定しておりますが、一部製品の長納期化や主要顧客におけるIT投資の一服感による業績への影響を注視していく必要があるものと考えております。
当社グループは、メーカー機能とサービス型ビジネスの強化を通じ、需要の回復を着実に取り込み、持続的な成長と収益力の向上を目指してまいります。
(2027年3月期における通期連結業績予想)
売上高経常利益経常利益率
225,000百万円11,300百万円5.0%

③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における主な資金需要は商品の仕入代金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。その他、プライベートブランド事業におけるメーカー機能の強化を図るための設備投資や研究開発投資、M&A投資等があります。上記、運転資金については内部資金、銀行からの短期借入金、コマーシャル・ペーパーの発行及び売上債権の流動化により調達を行い、投資資金については内部資金及び銀行からの長期借入金により調達を行うことを基本としております。一方、銀行借入金の一部を長期固定金利契約とすることにより、金利変動リスクの軽減を図っております。
日常的な手元流動性は金利費用削減のため必要最小限の残高で運用する方針としております。なお、取引銀行6行と当座貸越契約(2026年3月31日現在、極度額合計58,013百万円)を締結しており、資金の流動性は十分確保されております。
今後につきましては、安定的な内部留保の蓄積等により財政状態の健全化を図るとともに、資本効率を高めてまいります。

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