有価証券報告書-第51期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」という。)における当社グループ全体の取扱物量につきましては、航空貨物輸送は輸出重量で556千トン(前期比7.3%減)、輸入件数で1,207千件(同9.9%減)となり、海上貨物輸送は輸出容積で644千TEU(同7.9%減)、輸入件数で272千件(同5.3%減)となりました。また、ロジスティクスにつきましては、APLL及び東アジアを中心に取扱いが減少しました。
この結果、当期の営業収入は544,533百万円(前期比8.0%減)、営業利益は19,714百万円(同5.2%減)となりました。経常利益は持分法適用関連会社の減損損失3,342百万円を計上したことが影響し17,432百万円(同12.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は子会社におけるソフトウェアの減損損失4,426百万円を計上したこと等により4,724百万円(同52.1%減)となりました。
各セグメントの業績は、以下のとおりであります。
<日本>航空貨物は、輸出ではエレクトロニクス関連品や自動車関連品を中心に輸送需要が落ち込み、取扱重量は136千トン(前期比14.9%減)、輸入ではエレクトロニクス関連品を中心に取扱いが減少し、取扱件数は346千件(同4.9%減)となりました。海上貨物は、輸出では設備・機械関連品が減少し、取扱容積で136千TEU(前期比8.9%減)、輸入ではエレクトロニクス関連品や衣料品等が振るわず、取扱件数で108千件(同6.3%減)となりました。ロジスティクスでは、エレクトロニクス関連品やヘルスケア関連品で取扱いが増加しました。
この結果、国内関係会社を含めた日本全体の営業収入は136,808百万円(前期比6.1%減)、営業利益は4,667百万円(同19.2%減)となりました。
<米州>航空貨物は、輸出ではエレクトロニクス関連品を中心に取扱いが減少し、取扱重量は106千トン(前期比4.5%減)、輸入では機械関連品等が低調に推移し、取扱件数は117千件(同12.5%減)となりました。海上貨物は、輸出では半導体製造装置等で取扱いが減少し、取扱容積で45千TEU(前期比6.4%減)となりましたが、輸入では建材等が堅調に推移し、取扱件数で37千件(同0.9%増)となりました。ロジスティクスでは、米国で取扱いが減少しました。
この結果、米州全体の営業収入は58,793百万円(前期比7.4%減)となりましたが、営業利益は収支改善が進捗したこと等により3,755百万円(同4.4%増)となりました。
なお、1米ドル当たりの円換算レートは、当期が108.74円、前期が110.91円であります。
<欧州・中近東・アフリカ>航空貨物は、輸出では化学品やスポット貨物の減少により、取扱重量は62千トン(前期比8.4%減)、輸入ではエレクトロニクス関連品や自動車関連品が低迷し、取扱件数は101千件(同23.3%減)となりました。海上貨物は、輸出では化学品や機械関連品が減少し、取扱容積は18千TEU(前期比2.9%減)、輸入では雑貨等が増加し、取扱件数は17千件(同4.3%増)となりました。ロジスティクスでは、南アフリカとロシアで取扱いが減少しました。
この結果、欧州・中近東・アフリカ全体の営業収入は35,391百万円(前期比15.6%減)、営業利益は南アフリカ法人等の不振が影響し321百万円(同77.1%減)となりました。
なお、1ユーロ当たりの円換算レートは、当期が120.82円、前期が128.41円であります。
<東アジア・オセアニア>航空貨物は、輸出では全体的に活況感に乏しく、取扱重量は149千トン(前期比0.8%減)、輸入ではエレクトロニクス関連品や設備・機械関連品が低調に推移し、取扱件数は447千件(同8.5%減)となりました。海上貨物は、輸出入ともにエレクトロニクス関連品が減少し、輸出では取扱容積で220千TEU(前期比3.2%減)、輸入では取扱件数で58千件(同5.8%減)となりました。ロジスティクスでは、中国で取扱いが減少しました。
この結果、東アジア・オセアニア全体の営業収入は93,947百万円(前期比7.5%減)、営業利益は5,125百万円(同1.3%減)となりました。
<東南アジア>航空貨物は、輸出では自動車関連品等が減少し、取扱重量は102千トン(前期比7.4%減)、輸入ではエレクトロニクス関連品を中心に低調な荷動きとなり、取扱件数は195千件(同11.8%減)となりました。海上貨物は、輸出入ともにエレクトロニクス関連品が減少し、輸出では取扱容積で162千TEU(前期比2.5%減)、輸入では取扱件数で50千件(同9.5%減)となりました。ロジスティクスでは、インドとベトナムで取扱いが増加しました。
この結果、東南アジア全体の営業収入は54,783百万円(前期比5.5%減)、営業利益は2,302百万円(同13.5%減)となりました。
自動車関連の物流サービスは、米国を中心に取扱量が減少し、全体として低調に推移しました。リテール関連の物流サービスも、主要顧客を中心に取扱いが減少し、消費財及びその他の産業品目についても前期を下回る取扱いとなりました。
この結果、APLL全体の営業収入は177,147百万円(前期比9.1%減)となりましたが、営業利益については営業総利益率の改善や販売管理費の抑制に努めたこと等により、9,118百万円(同9.7%増)となりました。継続してAPLL買収に係るのれん等の償却等を当セグメントに含めているため、セグメント利益は3,220百万円(前期比61.2%増)となりました。
なお、1米ドル当たりの円換算レートは、当期は109.05円、前期が110.43円(APLLは12月決算のため、1月から12月の期中平均レートを適用)であります。
②財政状態の状況
当連結会計年度末(以下「当期末」という。)における総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)から2,997百万円減少し、385,470百万円となりました。
流動資産合計は、前期末から8,054百万円減少し、193,964百万円となりました。これは主に受取手形及び営業未収入金が9,755百万円減少したこと等によるものです。
固定資産合計は、前期末から5,000百万円増加し、191,449百万円となりました。無形固定資産合計が主にのれん等の償却やソフトウェアの減損損失により12,509百万円減少し、また、投資その他の資産も関係会社株式の減損等により4,498百万円減少しました。一方、一部の在外連結子会社におけるIFRS第16号「リース」の適用に伴う使用権資産の増加等で、有形固定資産合計が22,007百万円増加しました。
当期末における負債合計は、前期末から2,220百万円増加し、258,864百万円となりました。
流動負債合計は、前期末から5,227百万円増加し、127,957百万円となりました。これは主にIFRS第16号「リース」の適用に伴いリース債務が7,599百万円増加したこと等によるものです。
固定負債合計は、前期末から3,007百万円減少し、130,906百万円となりました。これは主に社債が10,000百万円、IFRS第16号「リース」の適用に伴いリース債務が17,002百万円それぞれ増加した一方、長期借入金が30,108百万円減少したこと等によるものです。
当期末における純資産合計は、前期末から5,217百万円減少し、126,606百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定が換算レートの円高傾向により5,803百万円減少したことによるものです。なお、利益剰余金は1,172百万円の増加となりました。これはIFRS第16号「リース」の適用に伴う累積的影響額の期首調整額1,391百万円の減少と配当の支払いによる2,159百万円の減少の一方、親会社株主に帰属する当期純利益4,724百万円の増加によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、営業活動による資金の増加額が、投資活動及び財務活動による資金の減少額を上回ったことにより、前期末に比して54百万円増加し、75,853百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況と、それらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、前期と比較して13,666百万円増加し、36,304百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益13,256百万円、減価償却費17,145百万円、減損損失4,475百万円、売上債権の減少額6,173百万円による資金の増加と、法人税等の支払額8,257百万円等の資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、前期と比較して146百万円減少し、7,165百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,732百万円、無形固定資産の取得による支出1,325百万円等の資金の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用されたキャッシュ・フローは、前期と比較して19,555百万円増加し、26,424百万円となりました。これは主に、社債の発行による収入9,939百万円の資金の増加と、短期借入金の純減額14,186百万円、長期借入金の返済による支出10,468百万円、リース債務の返済による支出8,645百万円、配当金の支払額2,159百万円等の資金の減少によるものです。
④生産・受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
ア)生産実績及び受注実績
当社グループは、貨物運送事業を主な事業としているため、記載を省略しております。
イ)販売実績
販売実績としての営業収入については、「第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」における各セグメ
ントの業績に関連付けて示しております。
(2)経営者による経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、決算日における資産及び負債の報告金額、偶発債務の開示、報告期間における収益及び費用の報告金額に影響を与える事項について、見積りを行う必要があります。見積りは、過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる予想等様々な要素に基づき行っておりますが、前提条件や事業環境などに変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なることもあります。
当社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。
・のれん等の減損及び子会社株式の公正価値測定
当社の財政状況又は経営成績に対して重要な影響を与え得るのれん等の減損損失の測定及び子会社株式の公正価値の測定に使用する将来キャッシュ・フローの見積もりに際しては、それぞれの資金生成単位における中期計画、過去の実績、市場及び産業データ、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を含めた現在及び見込まれる経済状況を考慮しています。
また、割引率に関しては、リスクフリーレート、マーケットリスクプレミアム、サイズプレミアム、固有リスクプレミアム等を考慮した加重平均資本コストを用いております。
②経営成績の状況の分析
当期の営業収入は、各セグメントにおける取扱物量の減少等により前期に比べ47,476百万円減少し、544,533百万円(前期比8.0%減)となりました。営業原価は、直接原価の低減等により前期に比べ44,365百万円減少し、450,686百万円(同9.0%減)となりました。このため、営業総利益は、前期に比べ3,110百万円減少し、93,846百万円(同3.2%減)となりました。営業総利益率は17.2%となり、前期の16.4%より0.8ポイント改善しました。販売費及び一般管理費は、人件費の減少等により2,028百万円減少し、74,132百万円(同2.7%減)となりました。
この結果、営業利益は、前期に比べ1,082百万円減少し、19,714百万円(同5.2%減)となりました。営業収入営業利益率は3.6%で、前期の3.5%より0.1ポイント改善しました。
営業外収益は、雑収入が減少したこと等により前期に比べ47百万円減少し、3,188百万円(同1.5%減)となりました。営業外費用は、持分法による投資損失が増加したこと等により1,376百万円増加し、5,470百万円(同33.6%増)となりました。
この結果、経常利益は、前期に比べ2,506百万円減少し、17,432百万円(同12.6%減)となりました。
特別利益において、固定資産売却益33百万円、投資有価証券売却益148百万円、受取和解金213百万円をそれぞれ計上しました。特別損失においては、減損損失4,475百万円、固定資産除却損12百万円、ゴルフ会員権評価損2百万円、訴訟関連損失81百万円をそれぞれ計上しました。
この結果、税金等調整前当期純利益は前期に比べ6,722百万円減少し、13,256百万円(同33.6%減)となりました。法人税等合計は前期に比べ1,140百万円減少し、7,025百万円(同14.0%減)となりました。
以上により、当期純利益は前期に比べ5,581百万円減少し、6,230百万円(同47.3%減)となり、非支配株主に帰属する当期純利益1,506百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ5,132百万円減少し、4,724百万円(同52.1%減)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、各国、地域の経済活動が停止、減速する中、当社グループは社会インフラ機能の維持に不可欠な物流事業を継続しております。航空輸出取扱重量は地域による濃淡はあるものの前年に比較して減少傾向にあり、航空会社の運行停止による輸送スペースの減少は仕入原価の上昇を招いておりますが、緊急輸送等の需要に対して、これまでの航空会社との良好な関係に基づき適宜適切に輸送スペースを確保するとともに、チャーター便を活用する等サービス品質を維持することで、適正料金の収受を図っております。この結果、現時点では業績への影響は限定的であります。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2[事業の状況] 2[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。
③財政状態の状況の分析
当社グループは2019年5月に策定した中期経営計画において、経営基盤の強化の一つとして「財務健全性の向上」をあげ、「自己資本比率の向上」及び「純有利子負債の削減」をモニタリングしております。なお、当社での純有利子負債は、長期及び短期借入金と社債の総額より現金及び預金を控除したものになります。
当連結会計期間における自己資本比率は30.1%(前期比1.2ポイント低下)、純有利子負債は65,050百万円(前期比15,558百万円の減少)となりました。一部の在外連結子会社でのIFRS第16号「リース」の適用による使用権資産の計上で総資産が増加したこと等により、自己資本比率は前期比で低下いたしましたが、IFRS第16号「リース」の適用開始による影響を除いた場合の自己資本比率は32.4%となり前年に比較して1.1ポイントの改善と分析しております。純有利子負債につきましては、計画的に借入金の返済を進めたこと等により減少いたしました。
各セグメントの資産は、以下のとおりであります。
<日本>セグメント資産は前期末に比べ1,192百万円減少し72,970百万円(前期末比1.6%減)となりました。保有株式の売却により投資有価証券が減少したこと、また、債権回収が進んだこと等に伴い、受取手形及び営業未収入金が減少したこと等によるものです。
<米州>セグメント資産は前期末に比べ679百万円減少し33,905百万円(前期末比2.0%減)となりました。現金及び預金が増加したこと、また、IFRS第16号「リース」の適用に伴い使用権資産が増加した一方で、債権回収が進んだこと等に伴い、受取手形及び営業未収金が減少したこと等によるものです。
<欧州・中近東・アフリカ>セグメント資産は前期末に比べ3,708百万円減少し14,240百万円(前期末比20.7%減)となりました。IFRS第16号「リース」の適用に伴い使用権資産が増加した一方で、債権回収が進んだこと等に伴い、受取手形及び営業未収入金が減少したこと等によるものです。
<東アジア・オセアニア>セグメント資産は前期末に比べ8,829百万円増加し64,423百万円(前期末比15.9%増)となりました。IFRS第16号「リース」の適用に伴い使用権資産が増加したこと等によるものです。
<東南アジア>セグメント資産は前期末に比べ4,456百万円増加し33,379百万円(前期末比15.4%増)となりました。IFRS第16号「リース」の適用に伴い使用権資産が増加したこと等によるものです。
セグメント資産は前期末に比べ11,371百万円減少し166,575百万円(前期末比6.4%減)となりました。IFRS第16号「リース」の適用に伴い使用権資産が増加した一方で、債権回収が進んだこと等に伴い、受取手形及び営業未収金が減少したこと、持分法適用関連会社株式並びにソフトウェアに対する減損損失、のれんの償却等により、投資有価証券及び無形固定資産がそれぞれ減少したこと等によるものです。
④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
ア. キャッシュ・フロー
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
イ. 財務政策
当社グループは、財務体質の強化及び将来の事業展開に備え内部留保の充実を図ることを財務政策の基本としております。この基本方針のもと、配当等の株主還元を実施した上で、事業強化のための投資と有利子負債の削減を進め、純有利子負債をゼロにすることを「長期ビジョン」に掲げております。
また、銀行借入に加え社債の発行など資金調達手段の多様化やグループ内資金の効率的運用による調達コストの削減にも取り組んでおります。
ウ. 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、航空貨物輸送、海上貨物輸送のための航空会社、船会社への支払運賃やトラック輸送に係る輸送運賃等の直接原価のほか、通関や輸送オペレーションに係る人件費や倉庫業に係る物流施設賃借料等の施設費等の間接原価、並びに人件費を始めとする販売費及び一般管理費であります。M&Aを含む投資支出については、当社のコアビジネスであるフォワーディング事業の拡大に資するものに限定することで財務規律を維持する方針です。なお株主還元に関しては、安定的かつ継続的に行っていくこととしております。
エ. 資金調達
当社グループの運転資金及び設備投資資金を、内部資金または各社における借入金及び社債の発行によって調達しております。
短期資金については、営業活動から生み出されるキャッシュ・フローに加え、金融機関からの借入れなどにより、資金の流動性を確保しております。長期資金については、金融機関からの借入れ、シンジケートローンの組成、社債の発行などの選択肢の中から最適な調達方法を採用しております。
また、グループ内資金の効率的活用を図るため、国内においては子会社を対象に、またユーロ圏においては主な子会社を対象にキャッシュマネジメントシステムによる余剰資金の集中及び配分を行うとともに、一部の海外子会社から親会社へのローンを実施しております。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大後の資金繰りに大きな変動はないことから、現時点では追加の資金調達の必要性は高まっておりません。
なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」という。)における当社グループ全体の取扱物量につきましては、航空貨物輸送は輸出重量で556千トン(前期比7.3%減)、輸入件数で1,207千件(同9.9%減)となり、海上貨物輸送は輸出容積で644千TEU(同7.9%減)、輸入件数で272千件(同5.3%減)となりました。また、ロジスティクスにつきましては、APLL及び東アジアを中心に取扱いが減少しました。
この結果、当期の営業収入は544,533百万円(前期比8.0%減)、営業利益は19,714百万円(同5.2%減)となりました。経常利益は持分法適用関連会社の減損損失3,342百万円を計上したことが影響し17,432百万円(同12.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は子会社におけるソフトウェアの減損損失4,426百万円を計上したこと等により4,724百万円(同52.1%減)となりました。
各セグメントの業績は、以下のとおりであります。
<日本>航空貨物は、輸出ではエレクトロニクス関連品や自動車関連品を中心に輸送需要が落ち込み、取扱重量は136千トン(前期比14.9%減)、輸入ではエレクトロニクス関連品を中心に取扱いが減少し、取扱件数は346千件(同4.9%減)となりました。海上貨物は、輸出では設備・機械関連品が減少し、取扱容積で136千TEU(前期比8.9%減)、輸入ではエレクトロニクス関連品や衣料品等が振るわず、取扱件数で108千件(同6.3%減)となりました。ロジスティクスでは、エレクトロニクス関連品やヘルスケア関連品で取扱いが増加しました。
この結果、国内関係会社を含めた日本全体の営業収入は136,808百万円(前期比6.1%減)、営業利益は4,667百万円(同19.2%減)となりました。
<米州>航空貨物は、輸出ではエレクトロニクス関連品を中心に取扱いが減少し、取扱重量は106千トン(前期比4.5%減)、輸入では機械関連品等が低調に推移し、取扱件数は117千件(同12.5%減)となりました。海上貨物は、輸出では半導体製造装置等で取扱いが減少し、取扱容積で45千TEU(前期比6.4%減)となりましたが、輸入では建材等が堅調に推移し、取扱件数で37千件(同0.9%増)となりました。ロジスティクスでは、米国で取扱いが減少しました。
この結果、米州全体の営業収入は58,793百万円(前期比7.4%減)となりましたが、営業利益は収支改善が進捗したこと等により3,755百万円(同4.4%増)となりました。
なお、1米ドル当たりの円換算レートは、当期が108.74円、前期が110.91円であります。
<欧州・中近東・アフリカ>航空貨物は、輸出では化学品やスポット貨物の減少により、取扱重量は62千トン(前期比8.4%減)、輸入ではエレクトロニクス関連品や自動車関連品が低迷し、取扱件数は101千件(同23.3%減)となりました。海上貨物は、輸出では化学品や機械関連品が減少し、取扱容積は18千TEU(前期比2.9%減)、輸入では雑貨等が増加し、取扱件数は17千件(同4.3%増)となりました。ロジスティクスでは、南アフリカとロシアで取扱いが減少しました。
この結果、欧州・中近東・アフリカ全体の営業収入は35,391百万円(前期比15.6%減)、営業利益は南アフリカ法人等の不振が影響し321百万円(同77.1%減)となりました。
なお、1ユーロ当たりの円換算レートは、当期が120.82円、前期が128.41円であります。
<東アジア・オセアニア>航空貨物は、輸出では全体的に活況感に乏しく、取扱重量は149千トン(前期比0.8%減)、輸入ではエレクトロニクス関連品や設備・機械関連品が低調に推移し、取扱件数は447千件(同8.5%減)となりました。海上貨物は、輸出入ともにエレクトロニクス関連品が減少し、輸出では取扱容積で220千TEU(前期比3.2%減)、輸入では取扱件数で58千件(同5.8%減)となりました。ロジスティクスでは、中国で取扱いが減少しました。
この結果、東アジア・オセアニア全体の営業収入は93,947百万円(前期比7.5%減)、営業利益は5,125百万円(同1.3%減)となりました。
<東南アジア>航空貨物は、輸出では自動車関連品等が減少し、取扱重量は102千トン(前期比7.4%減)、輸入ではエレクトロニクス関連品を中心に低調な荷動きとなり、取扱件数は195千件(同11.8%減)となりました。海上貨物は、輸出入ともにエレクトロニクス関連品が減少し、輸出では取扱容積で162千TEU(前期比2.5%減)、輸入では取扱件数で50千件(同9.5%減)となりました。ロジスティクスでは、インドとベトナムで取扱いが増加しました。
この結果、東南アジア全体の営業収入は54,783百万円(前期比5.5%減)、営業利益は2,302百万円(同13.5%減)となりました。
この結果、APLL全体の営業収入は177,147百万円(前期比9.1%減)となりましたが、営業利益については営業総利益率の改善や販売管理費の抑制に努めたこと等により、9,118百万円(同9.7%増)となりました。継続してAPLL買収に係るのれん等の償却等を当セグメントに含めているため、セグメント利益は3,220百万円(前期比61.2%増)となりました。
なお、1米ドル当たりの円換算レートは、当期は109.05円、前期が110.43円(APLLは12月決算のため、1月から12月の期中平均レートを適用)であります。
②財政状態の状況
当連結会計年度末(以下「当期末」という。)における総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)から2,997百万円減少し、385,470百万円となりました。
流動資産合計は、前期末から8,054百万円減少し、193,964百万円となりました。これは主に受取手形及び営業未収入金が9,755百万円減少したこと等によるものです。
固定資産合計は、前期末から5,000百万円増加し、191,449百万円となりました。無形固定資産合計が主にのれん等の償却やソフトウェアの減損損失により12,509百万円減少し、また、投資その他の資産も関係会社株式の減損等により4,498百万円減少しました。一方、一部の在外連結子会社におけるIFRS第16号「リース」の適用に伴う使用権資産の増加等で、有形固定資産合計が22,007百万円増加しました。
当期末における負債合計は、前期末から2,220百万円増加し、258,864百万円となりました。
流動負債合計は、前期末から5,227百万円増加し、127,957百万円となりました。これは主にIFRS第16号「リース」の適用に伴いリース債務が7,599百万円増加したこと等によるものです。
固定負債合計は、前期末から3,007百万円減少し、130,906百万円となりました。これは主に社債が10,000百万円、IFRS第16号「リース」の適用に伴いリース債務が17,002百万円それぞれ増加した一方、長期借入金が30,108百万円減少したこと等によるものです。
当期末における純資産合計は、前期末から5,217百万円減少し、126,606百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定が換算レートの円高傾向により5,803百万円減少したことによるものです。なお、利益剰余金は1,172百万円の増加となりました。これはIFRS第16号「リース」の適用に伴う累積的影響額の期首調整額1,391百万円の減少と配当の支払いによる2,159百万円の減少の一方、親会社株主に帰属する当期純利益4,724百万円の増加によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、営業活動による資金の増加額が、投資活動及び財務活動による資金の減少額を上回ったことにより、前期末に比して54百万円増加し、75,853百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況と、それらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、前期と比較して13,666百万円増加し、36,304百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益13,256百万円、減価償却費17,145百万円、減損損失4,475百万円、売上債権の減少額6,173百万円による資金の増加と、法人税等の支払額8,257百万円等の資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、前期と比較して146百万円減少し、7,165百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,732百万円、無形固定資産の取得による支出1,325百万円等の資金の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用されたキャッシュ・フローは、前期と比較して19,555百万円増加し、26,424百万円となりました。これは主に、社債の発行による収入9,939百万円の資金の増加と、短期借入金の純減額14,186百万円、長期借入金の返済による支出10,468百万円、リース債務の返済による支出8,645百万円、配当金の支払額2,159百万円等の資金の減少によるものです。
④生産・受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
ア)生産実績及び受注実績
当社グループは、貨物運送事業を主な事業としているため、記載を省略しております。
イ)販売実績
販売実績としての営業収入については、「第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」における各セグメ
ントの業績に関連付けて示しております。
(2)経営者による経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、決算日における資産及び負債の報告金額、偶発債務の開示、報告期間における収益及び費用の報告金額に影響を与える事項について、見積りを行う必要があります。見積りは、過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる予想等様々な要素に基づき行っておりますが、前提条件や事業環境などに変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なることもあります。
当社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。
・のれん等の減損及び子会社株式の公正価値測定
当社の財政状況又は経営成績に対して重要な影響を与え得るのれん等の減損損失の測定及び子会社株式の公正価値の測定に使用する将来キャッシュ・フローの見積もりに際しては、それぞれの資金生成単位における中期計画、過去の実績、市場及び産業データ、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を含めた現在及び見込まれる経済状況を考慮しています。
また、割引率に関しては、リスクフリーレート、マーケットリスクプレミアム、サイズプレミアム、固有リスクプレミアム等を考慮した加重平均資本コストを用いております。
②経営成績の状況の分析
当期の営業収入は、各セグメントにおける取扱物量の減少等により前期に比べ47,476百万円減少し、544,533百万円(前期比8.0%減)となりました。営業原価は、直接原価の低減等により前期に比べ44,365百万円減少し、450,686百万円(同9.0%減)となりました。このため、営業総利益は、前期に比べ3,110百万円減少し、93,846百万円(同3.2%減)となりました。営業総利益率は17.2%となり、前期の16.4%より0.8ポイント改善しました。販売費及び一般管理費は、人件費の減少等により2,028百万円減少し、74,132百万円(同2.7%減)となりました。
この結果、営業利益は、前期に比べ1,082百万円減少し、19,714百万円(同5.2%減)となりました。営業収入営業利益率は3.6%で、前期の3.5%より0.1ポイント改善しました。
営業外収益は、雑収入が減少したこと等により前期に比べ47百万円減少し、3,188百万円(同1.5%減)となりました。営業外費用は、持分法による投資損失が増加したこと等により1,376百万円増加し、5,470百万円(同33.6%増)となりました。
この結果、経常利益は、前期に比べ2,506百万円減少し、17,432百万円(同12.6%減)となりました。
特別利益において、固定資産売却益33百万円、投資有価証券売却益148百万円、受取和解金213百万円をそれぞれ計上しました。特別損失においては、減損損失4,475百万円、固定資産除却損12百万円、ゴルフ会員権評価損2百万円、訴訟関連損失81百万円をそれぞれ計上しました。
この結果、税金等調整前当期純利益は前期に比べ6,722百万円減少し、13,256百万円(同33.6%減)となりました。法人税等合計は前期に比べ1,140百万円減少し、7,025百万円(同14.0%減)となりました。
以上により、当期純利益は前期に比べ5,581百万円減少し、6,230百万円(同47.3%減)となり、非支配株主に帰属する当期純利益1,506百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ5,132百万円減少し、4,724百万円(同52.1%減)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、各国、地域の経済活動が停止、減速する中、当社グループは社会インフラ機能の維持に不可欠な物流事業を継続しております。航空輸出取扱重量は地域による濃淡はあるものの前年に比較して減少傾向にあり、航空会社の運行停止による輸送スペースの減少は仕入原価の上昇を招いておりますが、緊急輸送等の需要に対して、これまでの航空会社との良好な関係に基づき適宜適切に輸送スペースを確保するとともに、チャーター便を活用する等サービス品質を維持することで、適正料金の収受を図っております。この結果、現時点では業績への影響は限定的であります。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2[事業の状況] 2[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。
③財政状態の状況の分析
当社グループは2019年5月に策定した中期経営計画において、経営基盤の強化の一つとして「財務健全性の向上」をあげ、「自己資本比率の向上」及び「純有利子負債の削減」をモニタリングしております。なお、当社での純有利子負債は、長期及び短期借入金と社債の総額より現金及び預金を控除したものになります。
当連結会計期間における自己資本比率は30.1%(前期比1.2ポイント低下)、純有利子負債は65,050百万円(前期比15,558百万円の減少)となりました。一部の在外連結子会社でのIFRS第16号「リース」の適用による使用権資産の計上で総資産が増加したこと等により、自己資本比率は前期比で低下いたしましたが、IFRS第16号「リース」の適用開始による影響を除いた場合の自己資本比率は32.4%となり前年に比較して1.1ポイントの改善と分析しております。純有利子負債につきましては、計画的に借入金の返済を進めたこと等により減少いたしました。
各セグメントの資産は、以下のとおりであります。
<日本>セグメント資産は前期末に比べ1,192百万円減少し72,970百万円(前期末比1.6%減)となりました。保有株式の売却により投資有価証券が減少したこと、また、債権回収が進んだこと等に伴い、受取手形及び営業未収入金が減少したこと等によるものです。
<米州>セグメント資産は前期末に比べ679百万円減少し33,905百万円(前期末比2.0%減)となりました。現金及び預金が増加したこと、また、IFRS第16号「リース」の適用に伴い使用権資産が増加した一方で、債権回収が進んだこと等に伴い、受取手形及び営業未収金が減少したこと等によるものです。
<欧州・中近東・アフリカ>セグメント資産は前期末に比べ3,708百万円減少し14,240百万円(前期末比20.7%減)となりました。IFRS第16号「リース」の適用に伴い使用権資産が増加した一方で、債権回収が進んだこと等に伴い、受取手形及び営業未収入金が減少したこと等によるものです。
<東アジア・オセアニア>セグメント資産は前期末に比べ8,829百万円増加し64,423百万円(前期末比15.9%増)となりました。IFRS第16号「リース」の適用に伴い使用権資産が増加したこと等によるものです。
<東南アジア>セグメント資産は前期末に比べ4,456百万円増加し33,379百万円(前期末比15.4%増)となりました。IFRS第16号「リース」の適用に伴い使用権資産が増加したこと等によるものです。
④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
ア. キャッシュ・フロー
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
イ. 財務政策
当社グループは、財務体質の強化及び将来の事業展開に備え内部留保の充実を図ることを財務政策の基本としております。この基本方針のもと、配当等の株主還元を実施した上で、事業強化のための投資と有利子負債の削減を進め、純有利子負債をゼロにすることを「長期ビジョン」に掲げております。
また、銀行借入に加え社債の発行など資金調達手段の多様化やグループ内資金の効率的運用による調達コストの削減にも取り組んでおります。
ウ. 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、航空貨物輸送、海上貨物輸送のための航空会社、船会社への支払運賃やトラック輸送に係る輸送運賃等の直接原価のほか、通関や輸送オペレーションに係る人件費や倉庫業に係る物流施設賃借料等の施設費等の間接原価、並びに人件費を始めとする販売費及び一般管理費であります。M&Aを含む投資支出については、当社のコアビジネスであるフォワーディング事業の拡大に資するものに限定することで財務規律を維持する方針です。なお株主還元に関しては、安定的かつ継続的に行っていくこととしております。
エ. 資金調達
当社グループの運転資金及び設備投資資金を、内部資金または各社における借入金及び社債の発行によって調達しております。
短期資金については、営業活動から生み出されるキャッシュ・フローに加え、金融機関からの借入れなどにより、資金の流動性を確保しております。長期資金については、金融機関からの借入れ、シンジケートローンの組成、社債の発行などの選択肢の中から最適な調達方法を採用しております。
また、グループ内資金の効率的活用を図るため、国内においては子会社を対象に、またユーロ圏においては主な子会社を対象にキャッシュマネジメントシステムによる余剰資金の集中及び配分を行うとともに、一部の海外子会社から親会社へのローンを実施しております。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大後の資金繰りに大きな変動はないことから、現時点では追加の資金調達の必要性は高まっておりません。