有価証券報告書-第54期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/13 10:34
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」という。)における当社グループの取扱物量は、航空貨物輸送は輸出重量で637千トン(前期比13.9%減)、海上貨物輸送は輸出物量で698千TEU(同2.8%減)となりました。ロジスティクスにつきましては、各セグメントで前年を上回る基調で推移しました。当社グループが主に関わる国際物流市場では、中国・上海のロックダウン、半導体不足による自動車関連分野の生産調整に伴う物量減、各地における在庫の積み上がり、さらに国を跨がるサプライチェーン分断などの影響により、輸送需要の減少や荷動きの鈍化が見られました。輸送スペースの供給面では、海上貨物輸送におけるコンテナ物流の混乱は落ち着きを取り戻し、航空貨物輸送は旅客便の運航が回復へ向かうなど、コロナ禍に端を発した需給が逼迫する状況は解消に向かいました。
この結果、当社グループの当期の営業収入は1,080,949百万円(前期比10.3%増)、営業利益は44,185百万円(同29.3%減)、経常利益は57,078百万円(同11.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は41,091百万円(同5.4%減)となりました。
各セグメントの業績は、以下のとおりであります。
<日本>航空貨物輸送は、輸送需要に伸びが見られなかったものの、販売価格は高値で推移しました。海上貨物輸送は、物量拡大策が功を奏し堅調に推移しました。ロジスティクスは、主要品目を中心に堅調な取扱いとなりました。一方、航空貨物輸送の直接原価率が上昇し当セグメントの収支に影響を及ぼしました。この結果、日本の営業収入は285,146百万円(前年比16.8%増)、営業損失は137百万円(前年同期は営業利益11,566百万円)となりました。
<米州>航空貨物輸送は、販売価格は高値で推移しましたが、当期の後半から輸送需要の減少傾向が見られました。海上貨物輸送は、主要品目を中心に堅調な取扱いとなりました。ロジスティクスは、安定的な取扱いが継続しました。この結果、米州の営業収入は137,351百万円(前年同期比27.3%増)、営業利益は19,960百万円(同49.7%増)となりました。
なお、1米ドル当たりの円換算レートは、当期が135.47円、前期が112.38円です。
<欧州・中近東・アフリカ>航空貨物輸送は、販売価格は高値で推移しましたが、インフレーションの継続などにより輸送需要の減少傾向が見られました。海上貨物輸送は、前年を上回る販売基調となりました。ロジスティクスは、安定的な取扱いが継続しました。この結果、欧州・中近東・アフリカの営業収入は78,963百万円(前年同期比30.6%増)、営業利益は7,573百万円(同76.2%増)となりました。
なお、1ユーロ当たりの円換算レートは、当期が140.97円、前期が130.56円です。
<東アジア>航空貨物輸送は、期初において堅調に推移しましたが、中国のゼロコロナ政策や輸送需要減少などの影響を受けました。海上貨物輸送は、新たな輸送ルートの開拓など販売施策が功を奏し堅調に推移しました。ロジスティクスは、在庫の積み上がりによる取扱い増加などにより堅調に推移しました。一方、航空貨物輸送の直接原価率が上昇し、当セグメントの営業利益を圧迫しました。この結果、東アジアの営業収入は218,185百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益は8,256百万円(同48.0%減)となりました。
<東南アジア・オセアニア>航空貨物輸送は、コロナ需要が一巡したことなどの影響を受け、主に北米向けの輸送需要が低迷し、取扱いが減少しました。海上貨物輸送においては、北米向けの需要が減少した影響を受けたものの、アジア域内を中心に堅調な取扱いとなりました。ロジスティクスは、需要の増加を幅広く取込み安定的に推移しました。一方、航空貨物輸送の直接原価率が上昇し、当セグメントの営業利益を圧迫しました。この結果、東南アジア・オセアニアの営業収入は159,366百万円(前年同期比12.7%減)、営業利益は3,874百万円(同71.5%減)となりました。
APLLが取り扱う物流サービスは、自動車関連品においては、北米での陸上および鉄道輸送等が前年を上回る基調で推移しました。リテール関連品やその他産業品目においては、海上貨物輸送需要の減少傾向が見られたものの、北米を中心とした期初の堅調な取扱いが下支えしました。この結果、APLLの営業収入は254,486百万円(前年同期比29.6%増)、営業利益は11,424百万円(同27.2%増)となりました。APLL買収に係るのれん等の償却を当セグメントに含めているため、セグメント利益は4,550百万円(同34.1%増)となりました。
なお、1米ドル当たりの円換算レートは、当期が131.43円、前期が109.80円(APLLは12月決算のため、1月から12月の期中平均レートを適用)です。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末(以下「当期末」という。)における総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)から7,314百万円増加し、545,314百万円となりました。流動資産合計は、前期末から10,723百万円減少し、334,210百万円となりました。これは主に現金及び預金が49,480百万円増加した一方、受取手形、営業未収入金及び契約資産が68,213百万円減少したことによるものです。固定資産合計は、前期末から18,061百万円増加し、210,958百万円となりました。これは投資その他の資産が主に関連会社株式の売却で4,124百万円減少しましたが、主に使用権資産の増加で有形固定資産が15,880百万円増加し、また、無形固定資産合計も主に償却による減少を上回る外貨換算の影響等で6,305百万円の増加となったこと等によるものです。
当期末における負債合計は、前期末から43,438百万円減少し、283,504百万円となりました。流動負債合計は、前期末から38,293百万円減少し、152,423百万円となりました。これは主に支払手形及び営業未払金が28,022百万円、短期借入金が13,734百万円それぞれ減少したことによるものです。固定負債合計は、前期末から5,144百万円減少し、131,080百万円となりました。これはリース債務が11,663百万円増加した一方、長期借入金が14,800百万円、退職給付に係る負債が2,799百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
当期末における純資産合計は、前期末から50,753百万円増加し、261,810百万円となりました。これは配当の支払いによる11,639百万円の減少の一方で、親会社株主に帰属する当期純利益41,091百万円により、利益剰余金が29,445百万円増加したことによるものです。また、為替換算調整勘定は換算レートが円安傾向であったことにより18,846百万円増加しました。
③ キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、営業活動による資金の増加額が、投資活動及び財務活動による資金の減少額を上回ったこと等により、前期末に比して46,619百万円増加し、150,647百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況と、それらの増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、前期と比較して80,010百万円増加し、110,059百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益58,700百万円、減価償却費21,216百万円、売上債権及び契約資産の減少額83,433百万円による資金の増加と、仕入債務の減少額37,396百万円、法人税等の支払額23,809百万円等の資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、前期と比較して5,871百万円増加し、11,702百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5,737百万円、無形固定資産の取得による支出2,099百万円と短期貸付金の純増加額6,000百万円の資金の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用されたキャッシュ・フローは、前期と比較して41,074百万円増加し、54,238百万円となりました。これは主に、短期借入金の純減少額19,969百万円、リース債務の返済による支出11,559百万円、長期借入金の返済による支出10,000百万円、配当金の支払額11,639百万円の資金の減少によるものです。
④ 生産・受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
ア)生産実績及び受注実績
当社グループは、貨物運送事業を主な事業としているため、記載を省略しております。
イ)販売実績
販売実績としての営業収入については、「4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて示しております。
(2) 経営者による経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1) [連結財務諸表] [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績の状況の分析
当期の営業収入は、航空・海上貨物輸送ともに需要の減少により取扱物量は減少したものの、販売価格が高値で推移した結果、前期に比べ100,507百万円増加し、1,080,949百万円(前期比10.3%増)となりました。営業原価は、航空貨物輸送の運賃原価率の上昇等により前期に比べ104,233百万円増加し、944,016百万円(同12.4%増)となりました。このため、営業総利益は、前期に比べ3,725百万円減少し、136,933百万円(同2.6%減)となりました。営業総利益率は12.7%で、前期の14.3%より1.6ポイント下落しました。販売費及び一般管理費は、人件費や事務費の増加等により前期に比べ14,563百万円増加し、92,747百万円(同18.6%増)となりました。
この結果、営業利益は、前期に比べ18,289百万円減少し、44,185百万円(前期比29.3%減)となりました。営業収入営業利益率は4.1%で、前期の6.4%より2.3ポイント悪化しました。
営業外収益は、為替差益の増加やデリバティブ評価益を計上したこと等により前期に比べ11,091百万円増加し、15,185百万円(前期比270.9%増)となりました。営業外費用は、支払利息や雑支出の増加により前期に比べ456百万円増加し、2,292百万円(同24.8%増)となりました。
この結果、経常利益は、前期に比べ7,654百万円減少し、57,078百万円(前期比11.8%減)となりました。
特別利益において、投資有価証券売却益46百万円、関係会社株式売却益1,790百万円を計上しました。特別損失においては、固定資産除却損28百万円、事業再編損55百万円、退職給付制度終了損36百万円、信託終了損94百万円を計上しました。
この結果、税金等調整前当期純利益は前期に比べ5,418百万円減少し、58,700百万円(前期比8.5%減)となりました。法人税等合計は前期に比べ2,073百万円減少し、16,488百万円(同11.2%減)となりました。
以上により、当期純利益は前期に比べ3,344百万円減少し、42,211百万円(前期比7.3%減)となり、非支配株主に帰属する当期純利益1,120百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ2,326百万円減少し、41,091百万円(同5.4%減)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2[事業の状況] 3[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。
③ 財政状態の状況の分析
財政状態の状況の分析については、「4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照ください。
また、各セグメントの資産は、以下のとおりであります。
<日本>セグメント資産は前期末に比べ12,844百万円減少し、94,269百万円(前期末比12.0%減)となりました。取扱物量の減少に伴い受取手形及び営業未収入金が減少したこと、航空貨物輸送のチャーター便等に関わる前渡金が減少したこと、関係会社株式売却に伴う投資有価証券が減少したこと等によるものです。
<米州>セグメント資産は前期末に比べ5,566百万円減少し、76,124百万円(前期末比6.8%減)となりました。現金及び預金が増加したこと、ASC842「リース」の適用に伴い使用権資産が増加した一方、取扱物量の減少に伴い、受取手形及び営業未収入金が減少したこと等によるものです。
<欧州・中近東・アフリカ>セグメント資産は前期末に比べ87百万円減少し、30,521百万円(前期末比0.3%減)となりました。現金及び預金が増加した一方、取扱物量の減少に伴い、受取手形及び営業未収入金が減少しましたが全体では前年並みの推移となりました。
<東アジア>セグメント資産は前期末に比べ15,615百万円減少し、96,963百万円(前期末比13.8%減)となりました。取扱物量の減少に伴い、受取手形及び営業未収入金が減少したこと等によるものです。
<東南アジア・オセアニア>セグメント資産は前期末に比べ146百万円増加し、66,615百万円(前期末比0.2%増)となりました。現金及び預金が増加したこと、関係会社株式の先渡取引に係るデリバティブ資産が増加したこと、また、物流施設の賃借に伴い使用権資産が増加した一方、取扱物量の減少に伴い、受取手形及び営業未収入金が減少しました。セグメント全体では前年並みの推移となりました。
セグメント資産は前期末に比べ17,779百万円増加し、188,899百万円(前期末比10.4%増)となりました。現金及び預金が増加したこと、物流施設の賃借に伴い使用権資産が増加したこと、また、のれんや顧客関連資産が償却による減少を上回る外貨換算の影響で増加したこと等によるものです。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
ア. キャッシュ・フロー
「4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
イ. 財務政策
当社グループは、財務体質の強化及び将来の事業展開に備え内部留保の充実を図ることを財務政策の基本としております。
また、銀行借入に加え社債の発行や親会社である近鉄グループホールディングス株式会社からの借入など資金調達手段の多様化や、グループ内資金の効率的運用による調達コストの削減にも取り組んでおります。
ウ. 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、航空貨物輸送、海上貨物輸送のための航空会社、船会社への支払運賃やトラック輸送に係る輸送運賃等の直接原価のほか、通関や輸送オペレーションに係る人件費や倉庫業に係る物流施設賃借料等の施設費等の間接原価、並びに人件費を始めとする販売費及び一般管理費であります。M&Aを含む投資支出については、当社グループのコアビジネスであるフォワーディング事業の拡大に資するものに限定することで財務規律を維持する方針です。なお、株主還元に関しては、各期の業績等を総合的に考慮し、安定的かつ継続的に行っていくこととしております。
エ. 資金調達
当社グループの運転資金及び設備投資資金を、内部資金または各社における借入金及び社債の発行によって調達しております。
短期資金については、営業活動から生み出されるキャッシュ・フローに加え、金融機関からの借入や親会社である近鉄グループホールディングス株式会社からの借入などにより、資金の流動性を確保しております。長期資金については、金融機関からの借入、シンジケートローンの組成、社債の発行などの選択肢の中から最適な調達方法を採用しております。
また、グループ内資金の効率的活用を図るため、国内においては子会社を対象に、またユーロ圏においては主な子会社を対象にキャッシュマネジメントシステムによる余剰資金の集中及び配分を行うとともに、一部の海外子会社から親会社へのローンを実施しております。

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