有価証券報告書-第30期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は以下のとおりです。
①財政状態の状況
流動資産
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末より463,802千円減少して、18,879,959千円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が1,912,316千円減少したことなどによるものです。
固定資産
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末より172,184千円減少して、7,291,124千円となりました。これは主に、のれんが155,633千円減少したことなどによるものです。
流動負債
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末より1,229,624千円減少して、10,429,343千円となりました。これは主に、買掛金が1,626,378千円減少したことなどによるものです。
固定負債
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末より923,202千円減少して、1,209,018千円となりました。これは主に、リース債務が362,327千円減少したことなどによるものです。
純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より1,516,840千円増加して、14,532,722千円となりました。これは主に、利益剰余金が1,261,567千円増加したことなどによるものです。
②経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績は、売上高49,140,709千円(前期比△2.2%)、営業利益2,176,345千円(前期比△2.9%)、経常利益2,399,367千円(前期比+4.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,556,656千円(前期比△2.6%)となりました。
(a)売上高
売上高は49,140,709千円となり、前期と比較して1,084,758千円(2.2%)減少しました。クラウド開発や運用保守サービス案件は順調に拡大したものの、ITインフラソリューションにおける機器販売の取り扱い商材を見直したことにより、減収となりました。
(b)限界利益(注)
限界利益は13,744,264千円となり、前期と比較して877,227千円(6.8%)増加しました。クラウド開発や運用保守サービス案件が順調に拡大していることに加え、機器販売の取り扱い商材の見直しを行ったことにより、限界利益率も向上しました。
(注)限界利益=売上高-変動費(売上高とともに変化する商品仕入や外注費、物流費等)
(c)固定費
固定費は11,567,919千円となり、前期と比較して941,917千円(8.9%)増加しました。これは主に、採用を強化したことによる人件費等の増加によるものです。
(d)営業利益
上記の結果、営業利益は2,176,345千円となり、前期と比較して64,689千円(2.9%)減少しました。
(e)EBITDA(注)
EBITDAは3,309,357千円となり、前期と比較して77,142千円(2.4%)増加しました。
(注)EBITDA=営業損益+減価償却費+のれん償却費
(f)営業外損益
営業外損益は223,022千円の利益となり、前期と比較して177,834千円(393.5%)増加しました。これは主に、持分法による投資利益の増加によるものです。
(g)経常利益
上記(d)~(f)の結果、経常利益は2,399,367千円となり、前期と比較して113,144千円(4.9%)増加しました。
(h)特別損益
特別損益は20,050千円の損失となり、前期と比較して12,432千円(163.2%)損失が増加しました。これは主に、子会社のオフィス移転に伴う中途解約違約金の発生によるものです。
(i)税金等調整前当期純利益
上記(g)~(h)の結果、税金等調整前当期純利益は2,379,317千円となり、前期と比較して100,712千円(4.4%)増加しました。
(j)法人税等合計
法人税等合計は741,931千円となり、前期と比較して126,865千円(20.6%)増加しました。
(k)親会社株主に帰属する当期純利益
(i)~(j)の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,556,656千円となり、前期と比較して41,925千円(2.6%)減少しました。
当社の報告セグメントは、「ICTサービス事業」の単一セグメントとしており、「ICTサービス事業」を構成する主要なサービスの経営成績については、次のとおりであります。
主要なサービスの内容については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しております。
・デジタルマーケティング
(千円)
⦅ 主なサービス内容 ⦆
ECサービス
シマンテックストアの運営代行や、フォントセットの開発・販売、ウェブフォント及びウェブフォントプラットフォームサービスを提供しています。
データアナリティクス
ウェブサイトのコンテンツ管理システムの構築とアクセスログ解析、データを蓄積・加工・分析するBIツール、及びそれらに付随するコンサルティングサービスを提供しています。加えて、社内ログの分析サービスや広告費の効果測定サービスなども提供しています。
⦅ 当事業の業績概況 ⦆
当事業の売上高は21,970,905千円となり、前期と比較して82,788千円(0.4%)減少しました。これは主に、シマンテックストア事業の売上高が減少したことによるものです。
限界利益は3,200,571千円となり、前期と比較して19,585千円(0.6%)減少しました。これはウェブサイトのアクセス解析等を行う、データアナリティクス分野の利益率が低下したことによるものです。
・プラットフォームソリューション
(千円)
⦅ 主なサービス内容 ⦆
ITインフラソリューション
サーバーやネットワーク機器の販売、IT基盤の構築と運用保守サービスの提供、リナックスOSやデジタルサイネージシステム、統合監視ツール及びサポートサービスを提供しています。
セキュリティソリューション
セキュリティ運用監視や標的型攻撃対策、各種診断サービス、その他セキュリティ商材を組み合わせた包括的な
ソリューション、電子証明書を利用した通信の暗号化や認証サービスなどを提供しています。
⦅ 当事業の業績概況 ⦆
当事業の売上高は11,555,458千円となり、前期と比較して3,303,641千円(22.2%)減少しました。これは主に、ITインフラソリューションにおける大型機器販売の取り扱い商材について見直しを行ったことによるものです。
限界利益は4,805,932千円となり、前期と比較して85,078千円(1.8%)増加しました。当社単体における売上高は減少したものの、自社開発のコンテンツやサービス提供を行う子会社のサイバートラスト㈱の売上高拡大により、増益となりました。
・クラウドシステム
(千円)
⦅ 主なサービス内容 ⦆
システムインテグレーション
情報システムの開発とそれに付随する運用保守サービスを提供しています。また、スマートフォンやタブレット端末、ロボット向けのアプリケーション及び開発支援ツールの開発・販売を行っています。
クラウドソリューション
顧客企業のコミュニケーションシステムのクラウド移行支援や、移行後の運用監視サービス、ユーザーの利便性と企業のセキュリティを両立する自社サービスなどを提供しています。
⦅ 当事業の業績概況 ⦆
当事業の売上高は15,614,345千円となり、前期と比較して2,301,671千円(17.3%)増加しました。これは主に、クラウド開発や運用保守サービス案件が拡大したことや、ソフトバンクグループ向けのシステム開発案件の受注増加によるものです。
限界利益は5,737,759千円となり、前期と比較して811,734千円(16.5%)増加しました。クラウド開発や運用保守サービス案件の売上高の拡大や、ソフトバンクグループ向けのシステム開発案件の増加に伴い、増益となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末より1,530,663千円増加して7,606,554千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は3,077,034千円となりました。これは、仕入債務の減少による1,626,378千円の資金の減少があったものの、売上債権の減少による1,962,370千円の資金の増加、税金等調整前当期純利益が2,379,317千円あったこと等によるものです。
前連結会計年度との比較では、仕入債務の増減額で1,469,922千円資金使用が増加したものの、売上債権の増減額で2,091,384千円資金回収が増加したこと等により、得られた資金は908,103千円増加しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は997,727千円となりました。これは、無形固定資産の取得で825,950千円の資金使用があったこと等によるものです。
前連結会計年度との比較では、投資有価証券の売却及び償還による収入が156,182千円減少、無形固定資産の取得による支出が123,382千円増加したこと等により、使用した資金は38,205千円増加しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は548,726千円となりました。これは、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入で407,680千円の資金の増加があったものの、自己株式の取得による支出で358,643千円、配当金の支払で294,834千円、長期借入金の返済で293,700千円の資金使用があったこと等によるものです。
前連結会計年度との比較では、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入が407,680千円増加、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が310,483千円減少したこと等により、使用した資金は202,352千円減少しております。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額はサービス売上原価によっており、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は仕入価額によっており、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は売上価額によっており、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
b.戦略的状況と見通し
第2次3か年計画(2017年3月期~2019年3月期)においては、”お客様のビジネスパートナーへ”をスローガンに、[クラウドへの集約][IoTビジネスの開発][強固な収益基盤の確立]を基本戦略と定め、これに基づいた重点テーマの達成に取り組みながら事業運営にあたっております。当社グループの基本戦略については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
重点テーマ
[クラウドへの集約]
(ア)第2次3か年計画では、第1次3か年計画(2014年3月期~2016年3月期)の初年度に設定した3つの注力分野(クラウド、セキュリティ、ビッグデータ)を、融合してお客様に付加価値を提供することを目指しております。注力分野の売上高成長は、第1次3か年計画の初年度を起点に、CAGR(年平均成長率)20%以上の成長を掲げています。当連結会計年度においては、CAGR20%以上の成長率を継続し、注力分野の売上高構成比率は25%以上、注力分野の限界利益構成比率は40%以上となっております。
(イ)新規取引のお客様においては、注力分野のソリューション及びサービス提供のみをご提案し、注力分野における自社サービスの開発を拡充することで、クラウドへの集約を加速する方針です。当連結会計年度においては、自社サービスをお客様に直接販売することに加えて、パートナー経由で販売し、収益を拡大するための取り組みを開始しました。
[IoTビジネスの開発]
(ウ)当社グループにおいて、デバイスサイドからクラウドサイドまで一貫して提供することで優位性を高める方針を掲げ、付加価値を創出できる技術領域や産業及び業界の選定のために実証実験を推進し、また、広範囲な技術領域をカバーし、付加価値を創出するための積極的なパートナー協業を図る方針です。当連結会計年度においては、ミラクル・リナックス㈱とサイバートラスト㈱を合併し、デバイスサイドにおける事業推進体制を強化し、セキュアなプロットフォームを提供するモデルを確立しました。クラウドサイドにおいては建設業や製造業を中心に価値を創出していく方向性を定めた他、クラウドやAI等の技術を融合してビッグデータから付加価値を提供可能なビジネスモデルの確立に着手しました。
[強固な収益基盤の確立]
(エ)旺盛なIT需要に応えていくためには、エンジニアリソースの安定的な確保とプロジェクト管理の体制及び能力が重要です。エンジニアリソースの安定確保に向けて、コア・パートナー制度と呼ばれる制度を設計し、パートナー企業への開発委託比率を引き上げる方針です。プロジェクト管理能力の強化に向けては、プロジェクト管理資格の取得推進とあわせて、プロジェクト管理専門部隊の強化を行う方針です。当連結会計年度においては、コア・パートナーに向けたノウハウ共有プログラムを開始し、プロジェクト管理の資格保有者数も前期比で30%超増加しました。
(オ)事業のサービス化を推進し、営業利益率の改善に向けて、クラウドやセキュリティ対策の導入・開発後にお客様に提供する運用サービスの売上構成比率を拡大するための施策と、サービス提供におけるオペレーションの効率化に取り組む方針です。当連結会計年度においては、セキュリティアナリストの経験と知識をAIとしてモデル化するシステム投資や、作業自動化を推進しました。
c.経営成績等の概要
経営成績等の概要については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載しております。
データ活用の重要性が非常に高まっている昨今、政府が推進する「未来投資戦略2017」においてもデータ利活用基盤の構築や徹底したデータ活用については「価値の源泉の創出」に位置付けられており、これを実現するためにクラウド環境やIoT、AI等の活用が欠かせないものとなりつつあります。また、巧妙化するサイバー攻撃への対応やセキュリティ対策に係る人材不足への早期対応も必要な状況です。
そのような中で、当社においては、政府や企業が推進する「働き方改革」の実現、企業の安全と成長支援に対応したICTサービスの創出と、これらの需要に対応する技術者採用及び育成の重要性がさらに増しております。
当連結会計年度については、国内企業のクラウド導入・活用の旺盛需要等に支えられてクラウドシステム事業が順調に推移した他、第2次3か年計画としてエンジニアリソースを安定的に確保するためパートナー連携や独自サービスの開発等の取り組みが進展した一方で、当社グループにおける経営成績は、前期と比較して売上高及び営業利益が減収減益となりました。主な要因は以下のとおりです。
(a)総務省がマイナンバー制度の本格運用を前に、各市町村のインターネット接続ポイントを都道府県ごとに集約してセキュリティ機能を共同利用する「自治体情報セキュリティクラウド」と呼ばれる情報セキュリティ強化策を推進しております。当社では、4県121市町の構築と運用を受注し、前期は構築フェーズを対応しました。当第1四半期より本プロジェクトは運用の立ち上げフェーズに進みましたが、この段階で想定を超える対応工数が発生し、利益に影響しました。
(b)2013年度より掲げている事業のサービス化の取り組みと利益率改善をより一層推進していくため、第1四半期に付加価値の創出及び維持が難しい機器販売を見直し、薄利な特定商材の販売撤退を決定した結果、第2四半期以降の売上高に大きく影響しました。
(c)2017年7月に、当社の保持する検証サーバーへの不正アクセスが確認されました。社内調査において、不正アクセスを受けた当該サーバーには取引先情報(会社名、担当者名、電話番号、メールアドレス)が格納されたファイルが存在し、攻撃者がアクセスできる状態だったことが判明しました。第三者機関の詳細な調査の範囲において、取引先情報が格納されたファイルが流出した事実は確認されず、またお客様より、不正アクセスを受けた当該サーバーに存在した取引先情報を利用された可能性等の報告も現在までいただいておりません。しかしながら、2017年8月末まで情報資産の棚卸や是正対策、顧客への説明などを優先した結果、第4四半期に向けた受注活動に影響がありました。
(d)子会社におけるシステム開発プロジェクトにおいて、開発の手戻りが発生したことにより、開発計画に対して工数が大幅に超過しました。この結果、当該子会社の業績は前期比で100百万円を超える減益となり、連結営業利益に影響がありました。
(e)公共ビジネスにおけるクラウド開発プロジェクトの受注を第4四半期に見込んで活動を進めておりましたが、本プロジェクトに関連した補正予算が執行されなかったことで、当該プロジェクトの実現は次期以降にスライドし、第4四半期の収益に影響がありました。
サービス区分ごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。
・デジタルマーケティング
デジタルマーケティングは前期並みの収益となりました。ECサービスにおいては、ローコストオペレーションへの移行が完了し、システム投資と固定費コントロールの継続推進により安定した収益を維持しております。データアナリティクスにおいては、マーケティング領域での価値提供から「クラウドへの融合」として戦略転換を図っており、クラウド上にサイトコンテンツを管理するシステムの導入・開発プロジェクトなどが堅調に推移しております。
・プラットフォームソリューション
プラットフォームソリューションは前期と比較して売上高及び限界利益が減収増益となりました。ITインフラソリューションについては、2013年度より掲げている事業のサービス化と利益率改善をより一層推進するため、付加価値の創出や維持が難しい特定のハードウエア機器の販売を中止したことから、第2四半期以降の売上高は減少し、限界利益率が大きく改善しました。セキュリティソリューションについては、総務省が推進する各市町村のインターネット接続ポイントを都道府県ごとに集約しセキュリティ機能を共同利用する情報セキュリティ強化策「自治体情報セキュリティクラウド」において、当社は4県121市町の構築と運用を受注し、前期は構築フェーズを対応しました。 当第1四半期より運用立ち上げフェーズに進みましたが、一時的な対応工数が想定以上に増加しました。一方セキュリティ運用・監視サービスや電子認証サービスは堅調に推移し、ストック売上高は拡大しました。
・クラウドシステム
クラウドシステムは前期と比較して売上高及び限界利益が増収増益となりました。システムインテグレーションにおいては、ソフトバンクグループに向けたシステム開発案件が増加しました。また、クラウドソリューションについては、主要な顧客において第1次3か年計画より進めてきたコミュニケーション基盤のクラウド化から、次のステップであるコラボレーション基盤のクラウド化の需要が高まっており、エンタープライズに向けた新規の開発・構築案件や運用・保守サービス案件の受注が増加しました。自社サービスの開発が進み、公共案件のストック売上高の貢献も高まった結果、順調に拡大することができました。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a)キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(b)財政状態の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。
(c)財政政策
当社グループは、企業体質の強化を図りながら持続的な企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な資金は、自己資金を中心として進めることを基本方針としております。そのためグループ内の資金効率を向上させるべく、当社は極度借入契約を通じて、資金余剰が生じている子会社から借り入れる一方、資金需要のある子会社に対しては、貸付を行うことがあります。
また、上記によっても賄えない短期運転資金需要が生じた場合に備えて、取引銀行との間で極度貸越契約を締結しております。
当連結会計年度末における連結ベースの流動比率は181%、現金及び現金同等物の期末残高7,606,554千円に対し、有利子負債(リース債務含む)残高は715,586千円と、高い流動性及び自己資金での投資余力を維持しておりますが、不測の事態に備えて、取引銀行との良好な関係の維持に努めております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は以下のとおりです。
①財政状態の状況
流動資産
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末より463,802千円減少して、18,879,959千円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が1,912,316千円減少したことなどによるものです。
固定資産
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末より172,184千円減少して、7,291,124千円となりました。これは主に、のれんが155,633千円減少したことなどによるものです。
流動負債
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末より1,229,624千円減少して、10,429,343千円となりました。これは主に、買掛金が1,626,378千円減少したことなどによるものです。
固定負債
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末より923,202千円減少して、1,209,018千円となりました。これは主に、リース債務が362,327千円減少したことなどによるものです。
純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より1,516,840千円増加して、14,532,722千円となりました。これは主に、利益剰余金が1,261,567千円増加したことなどによるものです。
②経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績は、売上高49,140,709千円(前期比△2.2%)、営業利益2,176,345千円(前期比△2.9%)、経常利益2,399,367千円(前期比+4.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,556,656千円(前期比△2.6%)となりました。
(a)売上高
売上高は49,140,709千円となり、前期と比較して1,084,758千円(2.2%)減少しました。クラウド開発や運用保守サービス案件は順調に拡大したものの、ITインフラソリューションにおける機器販売の取り扱い商材を見直したことにより、減収となりました。
(b)限界利益(注)
限界利益は13,744,264千円となり、前期と比較して877,227千円(6.8%)増加しました。クラウド開発や運用保守サービス案件が順調に拡大していることに加え、機器販売の取り扱い商材の見直しを行ったことにより、限界利益率も向上しました。
(注)限界利益=売上高-変動費(売上高とともに変化する商品仕入や外注費、物流費等)
(c)固定費
固定費は11,567,919千円となり、前期と比較して941,917千円(8.9%)増加しました。これは主に、採用を強化したことによる人件費等の増加によるものです。
(d)営業利益
上記の結果、営業利益は2,176,345千円となり、前期と比較して64,689千円(2.9%)減少しました。
(e)EBITDA(注)
EBITDAは3,309,357千円となり、前期と比較して77,142千円(2.4%)増加しました。
(注)EBITDA=営業損益+減価償却費+のれん償却費
(f)営業外損益
営業外損益は223,022千円の利益となり、前期と比較して177,834千円(393.5%)増加しました。これは主に、持分法による投資利益の増加によるものです。
(g)経常利益
上記(d)~(f)の結果、経常利益は2,399,367千円となり、前期と比較して113,144千円(4.9%)増加しました。
(h)特別損益
特別損益は20,050千円の損失となり、前期と比較して12,432千円(163.2%)損失が増加しました。これは主に、子会社のオフィス移転に伴う中途解約違約金の発生によるものです。
(i)税金等調整前当期純利益
上記(g)~(h)の結果、税金等調整前当期純利益は2,379,317千円となり、前期と比較して100,712千円(4.4%)増加しました。
(j)法人税等合計
法人税等合計は741,931千円となり、前期と比較して126,865千円(20.6%)増加しました。
(k)親会社株主に帰属する当期純利益
(i)~(j)の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,556,656千円となり、前期と比較して41,925千円(2.6%)減少しました。
当社の報告セグメントは、「ICTサービス事業」の単一セグメントとしており、「ICTサービス事業」を構成する主要なサービスの経営成績については、次のとおりであります。
主要なサービスの内容については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しております。
・デジタルマーケティング
(千円)
| 2017年3月期 | 2018年3月期 | 増減 | 増減率 | |
| 売上高 | 22,053,693 | 21,970,905 | △82,788 | △0.4% |
| 限界利益 | 3,220,157 | 3,200,571 | △19,585 | △0.6% |
⦅ 主なサービス内容 ⦆
ECサービス
シマンテックストアの運営代行や、フォントセットの開発・販売、ウェブフォント及びウェブフォントプラットフォームサービスを提供しています。
データアナリティクス
ウェブサイトのコンテンツ管理システムの構築とアクセスログ解析、データを蓄積・加工・分析するBIツール、及びそれらに付随するコンサルティングサービスを提供しています。加えて、社内ログの分析サービスや広告費の効果測定サービスなども提供しています。
⦅ 当事業の業績概況 ⦆
当事業の売上高は21,970,905千円となり、前期と比較して82,788千円(0.4%)減少しました。これは主に、シマンテックストア事業の売上高が減少したことによるものです。
限界利益は3,200,571千円となり、前期と比較して19,585千円(0.6%)減少しました。これはウェブサイトのアクセス解析等を行う、データアナリティクス分野の利益率が低下したことによるものです。
・プラットフォームソリューション
(千円)
| 2017年3月期 | 2018年3月期 | 増減 | 増減率 | |
| 売上高 | 14,859,099 | 11,555,458 | △3,303,641 | △22.2% |
| 限界利益 | 4,720,853 | 4,805,932 | 85,078 | 1.8% |
⦅ 主なサービス内容 ⦆
ITインフラソリューション
サーバーやネットワーク機器の販売、IT基盤の構築と運用保守サービスの提供、リナックスOSやデジタルサイネージシステム、統合監視ツール及びサポートサービスを提供しています。
セキュリティソリューション
セキュリティ運用監視や標的型攻撃対策、各種診断サービス、その他セキュリティ商材を組み合わせた包括的な
ソリューション、電子証明書を利用した通信の暗号化や認証サービスなどを提供しています。
⦅ 当事業の業績概況 ⦆
当事業の売上高は11,555,458千円となり、前期と比較して3,303,641千円(22.2%)減少しました。これは主に、ITインフラソリューションにおける大型機器販売の取り扱い商材について見直しを行ったことによるものです。
限界利益は4,805,932千円となり、前期と比較して85,078千円(1.8%)増加しました。当社単体における売上高は減少したものの、自社開発のコンテンツやサービス提供を行う子会社のサイバートラスト㈱の売上高拡大により、増益となりました。
・クラウドシステム
(千円)
| 2017年3月期 | 2018年3月期 | 増減 | 増減率 | |
| 売上高 | 13,312,674 | 15,614,345 | 2,301,671 | 17.3% |
| 限界利益 | 4,926,025 | 5,737,759 | 811,734 | 16.5% |
⦅ 主なサービス内容 ⦆
システムインテグレーション
情報システムの開発とそれに付随する運用保守サービスを提供しています。また、スマートフォンやタブレット端末、ロボット向けのアプリケーション及び開発支援ツールの開発・販売を行っています。
クラウドソリューション
顧客企業のコミュニケーションシステムのクラウド移行支援や、移行後の運用監視サービス、ユーザーの利便性と企業のセキュリティを両立する自社サービスなどを提供しています。
⦅ 当事業の業績概況 ⦆
当事業の売上高は15,614,345千円となり、前期と比較して2,301,671千円(17.3%)増加しました。これは主に、クラウド開発や運用保守サービス案件が拡大したことや、ソフトバンクグループ向けのシステム開発案件の受注増加によるものです。
限界利益は5,737,759千円となり、前期と比較して811,734千円(16.5%)増加しました。クラウド開発や運用保守サービス案件の売上高の拡大や、ソフトバンクグループ向けのシステム開発案件の増加に伴い、増益となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末より1,530,663千円増加して7,606,554千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は3,077,034千円となりました。これは、仕入債務の減少による1,626,378千円の資金の減少があったものの、売上債権の減少による1,962,370千円の資金の増加、税金等調整前当期純利益が2,379,317千円あったこと等によるものです。
前連結会計年度との比較では、仕入債務の増減額で1,469,922千円資金使用が増加したものの、売上債権の増減額で2,091,384千円資金回収が増加したこと等により、得られた資金は908,103千円増加しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は997,727千円となりました。これは、無形固定資産の取得で825,950千円の資金使用があったこと等によるものです。
前連結会計年度との比較では、投資有価証券の売却及び償還による収入が156,182千円減少、無形固定資産の取得による支出が123,382千円増加したこと等により、使用した資金は38,205千円増加しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は548,726千円となりました。これは、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入で407,680千円の資金の増加があったものの、自己株式の取得による支出で358,643千円、配当金の支払で294,834千円、長期借入金の返済で293,700千円の資金使用があったこと等によるものです。
前連結会計年度との比較では、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入が407,680千円増加、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が310,483千円減少したこと等により、使用した資金は202,352千円減少しております。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 前期比(%) |
| ICTサービス事業(千円) | 19,791,508 | 107.4 |
| 合計(千円) | 19,791,508 | 107.4 |
(注) 金額はサービス売上原価によっており、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 前期比(%) |
| ICTサービス事業(千円) | 21,212,091 | 89.3 |
| 合計(千円) | 21,212,091 | 89.3 |
(注) 金額は仕入価額によっており、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前期比(%) | 受注残高(千円) | 前期比(%) |
| ICTサービス事業(千円) | 48,373,938 | 85.8 | 15,240,892 | 95.2 |
| 合計(千円) | 48,373,938 | 85.8 | 15,240,892 | 95.2 |
(注) 金額は売上価額によっており、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 前期比(%) |
| ICTサービス事業(千円) | 49,140,709 | 97.8 |
| 合計(千円) | 49,140,709 | 97.8 |
(注)1 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| ソフトバンク㈱ | 4,608,479 | 9.2 | 5,647,282 | 11.5 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
b.戦略的状況と見通し
第2次3か年計画(2017年3月期~2019年3月期)においては、”お客様のビジネスパートナーへ”をスローガンに、[クラウドへの集約][IoTビジネスの開発][強固な収益基盤の確立]を基本戦略と定め、これに基づいた重点テーマの達成に取り組みながら事業運営にあたっております。当社グループの基本戦略については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
重点テーマ
[クラウドへの集約]
(ア)第2次3か年計画では、第1次3か年計画(2014年3月期~2016年3月期)の初年度に設定した3つの注力分野(クラウド、セキュリティ、ビッグデータ)を、融合してお客様に付加価値を提供することを目指しております。注力分野の売上高成長は、第1次3か年計画の初年度を起点に、CAGR(年平均成長率)20%以上の成長を掲げています。当連結会計年度においては、CAGR20%以上の成長率を継続し、注力分野の売上高構成比率は25%以上、注力分野の限界利益構成比率は40%以上となっております。
(イ)新規取引のお客様においては、注力分野のソリューション及びサービス提供のみをご提案し、注力分野における自社サービスの開発を拡充することで、クラウドへの集約を加速する方針です。当連結会計年度においては、自社サービスをお客様に直接販売することに加えて、パートナー経由で販売し、収益を拡大するための取り組みを開始しました。
[IoTビジネスの開発]
(ウ)当社グループにおいて、デバイスサイドからクラウドサイドまで一貫して提供することで優位性を高める方針を掲げ、付加価値を創出できる技術領域や産業及び業界の選定のために実証実験を推進し、また、広範囲な技術領域をカバーし、付加価値を創出するための積極的なパートナー協業を図る方針です。当連結会計年度においては、ミラクル・リナックス㈱とサイバートラスト㈱を合併し、デバイスサイドにおける事業推進体制を強化し、セキュアなプロットフォームを提供するモデルを確立しました。クラウドサイドにおいては建設業や製造業を中心に価値を創出していく方向性を定めた他、クラウドやAI等の技術を融合してビッグデータから付加価値を提供可能なビジネスモデルの確立に着手しました。
[強固な収益基盤の確立]
(エ)旺盛なIT需要に応えていくためには、エンジニアリソースの安定的な確保とプロジェクト管理の体制及び能力が重要です。エンジニアリソースの安定確保に向けて、コア・パートナー制度と呼ばれる制度を設計し、パートナー企業への開発委託比率を引き上げる方針です。プロジェクト管理能力の強化に向けては、プロジェクト管理資格の取得推進とあわせて、プロジェクト管理専門部隊の強化を行う方針です。当連結会計年度においては、コア・パートナーに向けたノウハウ共有プログラムを開始し、プロジェクト管理の資格保有者数も前期比で30%超増加しました。
(オ)事業のサービス化を推進し、営業利益率の改善に向けて、クラウドやセキュリティ対策の導入・開発後にお客様に提供する運用サービスの売上構成比率を拡大するための施策と、サービス提供におけるオペレーションの効率化に取り組む方針です。当連結会計年度においては、セキュリティアナリストの経験と知識をAIとしてモデル化するシステム投資や、作業自動化を推進しました。
c.経営成績等の概要
経営成績等の概要については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載しております。
データ活用の重要性が非常に高まっている昨今、政府が推進する「未来投資戦略2017」においてもデータ利活用基盤の構築や徹底したデータ活用については「価値の源泉の創出」に位置付けられており、これを実現するためにクラウド環境やIoT、AI等の活用が欠かせないものとなりつつあります。また、巧妙化するサイバー攻撃への対応やセキュリティ対策に係る人材不足への早期対応も必要な状況です。
そのような中で、当社においては、政府や企業が推進する「働き方改革」の実現、企業の安全と成長支援に対応したICTサービスの創出と、これらの需要に対応する技術者採用及び育成の重要性がさらに増しております。
当連結会計年度については、国内企業のクラウド導入・活用の旺盛需要等に支えられてクラウドシステム事業が順調に推移した他、第2次3か年計画としてエンジニアリソースを安定的に確保するためパートナー連携や独自サービスの開発等の取り組みが進展した一方で、当社グループにおける経営成績は、前期と比較して売上高及び営業利益が減収減益となりました。主な要因は以下のとおりです。
(a)総務省がマイナンバー制度の本格運用を前に、各市町村のインターネット接続ポイントを都道府県ごとに集約してセキュリティ機能を共同利用する「自治体情報セキュリティクラウド」と呼ばれる情報セキュリティ強化策を推進しております。当社では、4県121市町の構築と運用を受注し、前期は構築フェーズを対応しました。当第1四半期より本プロジェクトは運用の立ち上げフェーズに進みましたが、この段階で想定を超える対応工数が発生し、利益に影響しました。
(b)2013年度より掲げている事業のサービス化の取り組みと利益率改善をより一層推進していくため、第1四半期に付加価値の創出及び維持が難しい機器販売を見直し、薄利な特定商材の販売撤退を決定した結果、第2四半期以降の売上高に大きく影響しました。
(c)2017年7月に、当社の保持する検証サーバーへの不正アクセスが確認されました。社内調査において、不正アクセスを受けた当該サーバーには取引先情報(会社名、担当者名、電話番号、メールアドレス)が格納されたファイルが存在し、攻撃者がアクセスできる状態だったことが判明しました。第三者機関の詳細な調査の範囲において、取引先情報が格納されたファイルが流出した事実は確認されず、またお客様より、不正アクセスを受けた当該サーバーに存在した取引先情報を利用された可能性等の報告も現在までいただいておりません。しかしながら、2017年8月末まで情報資産の棚卸や是正対策、顧客への説明などを優先した結果、第4四半期に向けた受注活動に影響がありました。
(d)子会社におけるシステム開発プロジェクトにおいて、開発の手戻りが発生したことにより、開発計画に対して工数が大幅に超過しました。この結果、当該子会社の業績は前期比で100百万円を超える減益となり、連結営業利益に影響がありました。
(e)公共ビジネスにおけるクラウド開発プロジェクトの受注を第4四半期に見込んで活動を進めておりましたが、本プロジェクトに関連した補正予算が執行されなかったことで、当該プロジェクトの実現は次期以降にスライドし、第4四半期の収益に影響がありました。
サービス区分ごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。
・デジタルマーケティング
デジタルマーケティングは前期並みの収益となりました。ECサービスにおいては、ローコストオペレーションへの移行が完了し、システム投資と固定費コントロールの継続推進により安定した収益を維持しております。データアナリティクスにおいては、マーケティング領域での価値提供から「クラウドへの融合」として戦略転換を図っており、クラウド上にサイトコンテンツを管理するシステムの導入・開発プロジェクトなどが堅調に推移しております。
・プラットフォームソリューション
プラットフォームソリューションは前期と比較して売上高及び限界利益が減収増益となりました。ITインフラソリューションについては、2013年度より掲げている事業のサービス化と利益率改善をより一層推進するため、付加価値の創出や維持が難しい特定のハードウエア機器の販売を中止したことから、第2四半期以降の売上高は減少し、限界利益率が大きく改善しました。セキュリティソリューションについては、総務省が推進する各市町村のインターネット接続ポイントを都道府県ごとに集約しセキュリティ機能を共同利用する情報セキュリティ強化策「自治体情報セキュリティクラウド」において、当社は4県121市町の構築と運用を受注し、前期は構築フェーズを対応しました。 当第1四半期より運用立ち上げフェーズに進みましたが、一時的な対応工数が想定以上に増加しました。一方セキュリティ運用・監視サービスや電子認証サービスは堅調に推移し、ストック売上高は拡大しました。
・クラウドシステム
クラウドシステムは前期と比較して売上高及び限界利益が増収増益となりました。システムインテグレーションにおいては、ソフトバンクグループに向けたシステム開発案件が増加しました。また、クラウドソリューションについては、主要な顧客において第1次3か年計画より進めてきたコミュニケーション基盤のクラウド化から、次のステップであるコラボレーション基盤のクラウド化の需要が高まっており、エンタープライズに向けた新規の開発・構築案件や運用・保守サービス案件の受注が増加しました。自社サービスの開発が進み、公共案件のストック売上高の貢献も高まった結果、順調に拡大することができました。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a)キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(b)財政状態の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。
(c)財政政策
当社グループは、企業体質の強化を図りながら持続的な企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な資金は、自己資金を中心として進めることを基本方針としております。そのためグループ内の資金効率を向上させるべく、当社は極度借入契約を通じて、資金余剰が生じている子会社から借り入れる一方、資金需要のある子会社に対しては、貸付を行うことがあります。
また、上記によっても賄えない短期運転資金需要が生じた場合に備えて、取引銀行との間で極度貸越契約を締結しております。
当連結会計年度末における連結ベースの流動比率は181%、現金及び現金同等物の期末残高7,606,554千円に対し、有利子負債(リース債務含む)残高は715,586千円と、高い流動性及び自己資金での投資余力を維持しておりますが、不測の事態に備えて、取引銀行との良好な関係の維持に努めております。