有価証券報告書-第47期(2024/01/01-2024/12/31)

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2025/03/27 13:07
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1.経営成績等の状況の概要
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済につき、米国はインフレの改善が進み底堅く推移、世界的な生成AI需要の拡大を受けデータセンターへの投資が活発化しました。欧州はインフレが抑制されつつありますが、ウクライナ戦争の影響でエネルギー価格の高止まりが継続しています。中国は不動産市場の停滞と個人消費の低迷で厳しい状況のようです。わが国は、円安による物価高の懸念はあるものの、好調な企業業績を背景に個人消費、設備投資とも堅調で、インバウンド需要もあり緩やかに拡大しました。
現在、生成AIの進化で企業等の組織だけでなく社会全般で新たな価値創造の時代が到来しつつあります。従来のDX(デジタルトランスフォーメーション)による業務プロセスやビジネスモデルの変革に生成AIを活用した新たな価値創造が加わり、あらゆる業種や領域でIT投資の需要は旺盛です。このようなデジタルの利活用が進展する一方、サイバー空間は、国家の安全保障に直接影響し、また、国境を越えた犯罪が跋扈する場にもなっています。各国政府はサイバー安全保障の強化に向けた取り組みを加速しており、企業等の組織でもセキュリティの強化が進められています。ITセキュリティは、社会の基幹産業になりつつあります。
このような環境下、当連結会計年度はITセキュリティ事業で次の大型の公共案件まで少し間が空き、「商品・製品」の売上が7,238百万円(前年同期比10.5%減少)となりましたが、高粗利率の「保守」の売上が5,549百万円(前年同期比4.6%増収)、「クラウドサービス」の売上が2,397百万円(前年同期比9.4%増収)となりました。その結果、当社グループの業績について、売上高18,606百万円(前年同期比2.4%減)となり、粗利率は44.6%(前年同期:44.9%)を維持しました。営業利益は、会社のオフィス環境の整備(投資額1.9億円、内販売管理費の増加0.5億円、固定資産の取得1.4億円)や将来的な人材への投資等により販売管理費が前年同期比5.0%増加し、2,043百万円(前年同期比21.7%減)となりました。円安により為替差益が124百万円(前年同期:128百万円)発生しましたが経常利益は2,156百万円(前年同期比23.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,725百万円(前年同期比10.9%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
[ITセキュリティ事業]
売上高は17,482百万円(前年同期比1.7%減)、セグメント利益は3,170百万円(前年同期比14.3%減)となりました。
粗利率が高い自社製品による中央省庁向け大型案件が減少(前年同期当該大型案件の実績約4億円)し、減収減益となりました。一方で、サイバー攻撃の被害件数は増加しており、セキュリティ対策の見直し、強化が喫緊の課題になっています。認証を中心とする当社製品/サービスの需要は中長期的に拡大するものと見ています。そのような中、国内シェアNo.1の認証アプライアンス「NetAttest EPS」につき、顧客のIT環境の変化に対応し、Nutanix AHV、Microsoft Azure、AWSと3つの仮想環境に対応しました。多要素認証のクラウドサービス「Soliton OneGate」では、「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(以下:ISMAP(イスマップ)」の認定を取得しました。官公庁はISMAPで認定されたクラウドサービスを導入することが原則になり、高いセキュリティを求める民間企業にも広がるものと期待しています。サイバーセキュリティでは、海外企業とユニークな連携をし、実践に近いサイバー演習サービス等を提案し重要インフラ企業より受注しました。
[映像コミュニケーション事業]
売上高は1,000百万円(前年同期比3.6%増)、セグメント利益は178百万円(前年同期はセグメント損失16百万円)となりました。
「Smart-telecasterシリーズ」について、国内外のパブリックセーフティ分野(公的治安、災害対処)への販売を中心に、売上高は増収、セグメント利益を計上しました。その他、人手不足に対応するため日本各地で実施されている建設機械の遠隔操縦や自動運転車両の遠隔監視の実証実験に参加しました。また、海外ではクラウド経由で超短遅延/高精細画像をモニターしながら離れた場所にある車両や建機等を遠隔監視/操縦する「Zao SDK」の販売を推進しました。米国や欧州で自動運転車両の遠隔監視、建設機械や特殊車両の遠隔操縦向けに販売しました。
[Eco 新規事業開発]
売上高は123百万円(前年同期比59.7%減)、セグメント損失は333百万円(前年同期はセグメント損失219百万円)となりました。
既存の人感センサーの販売が主となった為、売上高は減収となりました。先進プロジェクトであるアナログエッジAIは極めて意欲的なプロジェクトですが、かなり技術的に難しい部分があります。技術者を増員し鋭意開発を進めており、結果、セグメント損失が拡大しました。なお、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)とインド宇宙研究機関が協働する「月極域探査機プロジェクト(LUPEXローバシステムPJ)」において、三菱重工業株式会社(以下、三菱重工)がLUPEXローバの開発を担っており、当社は三菱重工に対し、LUPEXローバ向け画像航法アルゴリズムの宇宙用FPGAへの実装設計の支援を受注しました。小型月着陸実証機SLIM (Smart Lander for Investigating Moon)案件に続く第2弾です。当社は今後もJAXAと連携し宇宙関連の研究開発PJに継続的に取り組んでまいります。
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて661百万円増加し、23,286百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて944百万円増加し、20,897百万円となりました。これは主に現金及び預金が1,298百万円、前払費用が47百万円、リース投資資産が63百万円増加した一方、売掛金が177百万円、商品及び製品が149百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて283百万円減少し、2,388百万円となりました。これは主に建物及び構築物が44百万円増加した一方、ソフトウエア仮勘定が123百万円、繰延税金資産が89百万円減少したこと等によるものであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて557百万円減少し、10,845百万円となりました。これは主に契約負債が654百万円増加した一方、未払法人税等が928百万円、未払金が112百万円、賞与引当金が163百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債については、前連結会計年度末に比べて66百万円増加し、156百万円となりました。これは主にリース債務(固定)が53百万円増加したこと等によるものであります。
純資産の部については、前連結会計年度末に比べて1,152百万円増加し、12,283百万円となりました。これは主に利益剰余金が1,225百万円増加した一方、為替換算調整勘定が64百万円減少したこと等によるものであります。
なお、当連結会計年度末において、自己資本比率は52.7%、1株当たり純資産額は662円01銭となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,298百万円増加し、当連結会計年度末には14,692百万円(前年同期比9.7%増)になりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から獲得した資金は2,035百万円(前年同期比44.1%減)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,171百万円、契約負債の増加646百万円、減価償却費347百万円、売上債権及び契約資産の減少194百万円等であります。支出の主な内訳は、法人税等の支払額1,328百万円、為替差益122百万円、賞与引当金の減少163百万円、未払金の減少113百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は237百万円(前年同期比309.2%増)となりました。
収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入40百万円等であります。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出190百万円、無形固定資産の取得による支出86百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は507百万円(前年同期比27.7%増)となりました。
支出の主な内訳は、配当金の支払額500百万円等であります。
(3)生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産する製品は主にソフトウエアであり、また当社グループの取り扱う製品は、受注生産形態をとらない製品であるため、生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
前年同期比(%)
ITセキュリティ(百万円)17,482△1.7
映像コミュニケーション(百万円)1,0003.6
Eco 新規事業開発(百万円)123△59.7
合計(百万円)18,606△2.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり
であります。
相手先前連結会計年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
当連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
ダイワボウ情報システム
株式会社
2,09511.02,27912.3

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容の内容は次のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りや仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債の金額及び会計期間の収益・費用の金額に影響を与えます。しかし、これらの見積りや仮定は、実際の結果とは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を与える可能性があります。
①貸倒引当金
当社グループは、債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。見積りには期日経過債権の回収期間、現在の経営環境等の様々な要因を考慮しております。
②棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の評価方法として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しており、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。また、滞留及び過剰在庫の内、陳腐化した棚卸資産については、適正な価値で評価されるように評価減の金額を見積もっております。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産における回収可能性が低いと考えられる金額については、評価性引当額を設定しております。評価性引当額の必要性を検討するにあたっては、将来の課税所得の見積りに基づいております。
④投資有価証券
当社グループは、長期的な取引維持のために、特定の取引先の株式等を保有しております。これらの株式等には、価格変動性が高い上場株式と、株価の決定が困難な非上場株式等が含まれます。これらの株式等について、時価が取得価額を下回っている場合、将来における価値の回復可能性及び発行会社の経営状態を検討しております。
⑤市場販売目的のソフトウエア
当社グループは、市場販売目的のソフトウエアの減価償却方法について、見込販売収益に基づく償却額と残存有効期間(3年以内)に基づく均等配分額とを比較し、いずれか大きい額を減価償却費として計上しております。また、減価償却を実施した後の未償却残高が翌期以降の見込販売収益の額を上回った場合、当該超過額は一時の費用として処理しております。当社グループの販売見込収益の算定における主要な仮定は、販売計画に基づく受注予測であります。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①売上高・売上総利益
当連結会計年度の売上高18,606百万円(前年同期比2.4%減)、売上総利益8,293百万円(前年同期比3.1%減)、売上総利益率44.6%(前年同期44.9%)となりました。
売上高のセグメント別変動要因に関する詳細については、「1.経営成績等の状況の概要(1)財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。売上総利益率は前年同期比0.3%減少となりました。
②営業利益
経費面では、会社のオフィス環境の整備や将来的な人材への投資等により、販売費及び一般管理費は6,249百万円(前年同期比5.0%増)となり、当連結会計年度の営業利益は2,043百万円(前年同期比21.7%減)、売上高営業利益率は11.0%(前年同期13.7%)となりました。
③経常利益
主に営業外収益として為替差益が124百万円、受取配当金が18百万円発生したことにより、当連結会計年度の経常利益は、2,156百万円(前年同期比23.2%減)となりました。
④親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益について、投資有価証券売却益27百万円、特別損失で投資有価証券評価損8百万円等を計上しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,725百万円(前年同期比10.9%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の1株当たり当期純利益金額は93.11円(前年同期比11.44円減)となりました。なお、当連結会計年度における財政状態の概況については、「1.経営成績等の状況の概要(1)財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(3)資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループは、営業活動によって獲得した現金と金融機関からの借入金によって、必要となる運転資金の確保と事業拡大の為の設備投資を行っています。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「1.経営成績等の状況の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループのキャッシュ・フローの状況と指標の推移は次のとおりであります。
キャッシュ・フローの状況2020年12月期2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)2,6202,0802,2983,6432,035
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△1,120△464△305△57△237
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△1,105△481△252△397△507
フリー・キャッシュフロー (百万円)1,5001,6161,9933,5851,798

キャッシュ・フロー関連指標の推移2020年12月期2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期
自己資本比率(%)43.848.949.849.152.7
時価ベースの自己資本比率(%)222.1159.1108.6121.497.3
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.10.10.10.00.0
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)1,317.31,536.11,965.21,766.51,711.9

・フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー
・自己資本比率:自己資本÷総資産
・時価ベースの自己資本比率:株式時価総額÷総資産
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債÷営業活動によるキャッシュ・フロー
・インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー÷利息の支払額
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」をご参照ください。

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