有価証券報告書-第48期(2025/01/01-2025/12/31)
1.経営成績等の状況の概要
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済について、米国は物価高が続く中でも所得や生産性の改善、生成AI関連投資で堅調に推移しました。欧州はインフレ鈍化が進む一方、ウクライナ情勢によるエネルギー高で伸びは緩やかでした。中国は不動産と個人消費の低迷が続きました。日本は円安による物価上昇で個人消費に懸念があるものの、企業業績の改善による設備投資やインバウンド需要で緩やかに拡大しました。
IT投資環境は、競争力強化および生産性向上を目的としたDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが引き続き高水準で推移しました。DXの中でも、クラウドの導入、生成AIの活用、サイバーセキュリティ対策の強化は最重要分野として位置付けられ、幅広い業種において関連投資が拡大しました。
一方、デジタル利活用の進展に伴い、情報漏洩、マルウェア感染、サービス停止等のサイバーリスクは増大しており、個人・企業の重要情報や基幹システム、さらには社会インフラを保護するためのサイバーセキュリティ対策の重要性が一段と高まっています。こうした背景から、サイバーセキュリティは国家の安全保障および企業の信用に直結する重要領域となりつつあります。2026年2月の衆議院選挙で体制が安定し、政府はサイバー安全保障の強化に向けた施策を継続・加速する見通しとなり、企業もサイバーセキュリティを事業継続と信頼性を支える戦略的投資とする動きが広がっています。具体的には、(1)官公庁・自治体・重要インフラ向け対策の強化、(2)能動的サイバー防御等AIを活用したプロアクティブな先端技術投資の拡大、(3)サプライチェーン規制強化による民間の投資増、が見込まれています。
このような環境下、当社グループの業績について、ITセキュリティ事業の自社製品/サービスの売上が伸長し、売上高19,762百万円(前年同期比6.2%増)となり、粗利率は46.7%(前年同期:44.6%)に改善しました。その結果、営業利益は、2,844百万円(前年同期比39.2%増)、営業利益率は14.4%(前年同期:11.0%)となりました。資金運用による受取利息や円安による為替差益で営業外収益が152百万円(前年同期:152百万円)発生し、経常利益は2,977百万円(前年同期比38.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,298百万円(前年同期比33.2%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、組織変更を行い、従来「Eco新規事業開発」に含めていた映像伝送の基盤技術開発チーム(大阪のオペレーション)を「映像コミュニケーション事業」に含めることに変更しています。当該変更後のセグメント区分に基づき前連結会計年度のセグメントの業績値を変更し、前年同期比較を記載しています。
[ITセキュリティ事業]
売上高は18,516百万円(前年同期比5.9%増)、セグメント利益は3,717百万円(前年同期比17.3%増)となりました。
年商約5億円のソリトン上海が連結範囲外となったものの、自社製品/サービスの販売が堅調に推移しました。特に、防衛や防災分野での大型案件獲得が売上の押し上げに寄与したほか、校務DX(教育機関の業務DX)に関係する文教分野の需要も拡大し、増収増益となりました。製品別では、国内シェアNo.1の認証アプライアンス「NetAttest EPS」、分離ネットワーク(インターネットに接続する環境と機密情報を扱う業務環境を分離してサイバー攻撃に備えるセキュリティ対策)で安全なファイル授受を実現する「FileZen S」、多要素認証のクラウドサービス「Soliton OneGate」などの主力製品の販売が順調に推移しました。その結果、「商品・製品」の売上が7,321百万円(前年同期比8.3%増収)、「クラウドサービス」の売上が2,652百万円(前年同期比14.0%増収)と主要領域で前年同期を上回る成長を確保しました。
[映像コミュニケーション事業]
売上高は1,053百万円(前年同期比5.3%増)、セグメント利益は52百万円(前年同期比93.1%増)となりました。
「Smart-telecasterシリーズ」について、国内外のパブリックセーフティ分野(防衛、公的治安、災害対処)への販売を中心に、売上高は増収、セグメント利益も増益となりました。なお、当社は、ウクライナの復興支援に向けて国土交通省の「日ウクライナ・国土交通インフラ復興に関する官民協議会」に参画しました。2025年10月に、同国政府・自治体、キーウ工科大学(KPI)の協力のもと、KPI構内のコントロールセンターから約25km離れた建設機械を「Zaoシリーズ」で遠隔操縦する実証に成功し、同国内での遠隔施工が現実的に機能することを確認しました。ウクライナでは復興に向け膨大な建設需要がある一方で、人手不足や危険環境下での作業が課題となっています。当社の遠隔操縦技術により、女性や戦傷者を含む幅広い人々が安全な場所から復興作業に従事できる可能性が示されました。当社は、ウクライナの「安全で包摂的な復興」に貢献してまいります。
[Eco 新規事業開発]
売上高は191百万円(前年同期比55.5%増)、セグメント損失は184百万円(前年同期はセグメント損失181百万円)となりました。
官公庁向け小型伝送装置の追加販売ならびに既存の人感センサー製品の堅調な販売により、売上高は増収となりました。先進プロジェクトであるアナログエッジAIは、極めて意欲的かつ高度な技術を要する取り組みです。設計および検証フェーズを進め、技術的課題に対し解決を逐次図り、試作品の製造へ向け着実に進捗しました。
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて2,942百万円増加し、26,228百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて3,057百万円増加し、23,954百万円となりました。これは主に有価証券が6,000百万円、商品及び製品が448百万円、電子記録債権が280百万円、売掛金が218百万円増加した一方、現金及び預金が3,834百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて114百万円減少し、2,274百万円となりました。これは主に繰延税金資産が132百万円、工具器具備品が79百万円増加した一方、ソフトウエアが103百万円、建物及び構築物が51百万円、ソフトウエア仮勘定が46百万円、投資有価証券が43百万円、土地が37百万円減少したこと等によるものであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて2,050百万円増加し、12,896百万円となりました。これは主に未払法人税等が654百万円、支払手形及び買掛金が506百万円、契約負債が394百万円、賞与引当金が258百万円、未払金が151百万円増加した一方、短期借入金が63百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債については、前連結会計年度末に比べて81百万円減少し、75百万円となりました。これは主にその他固定負債が49百万円、リース債務(固定)が32百万円減少したこと等によるものであります。
純資産の部については、前連結会計年度末に比べて972百万円増加し、13,256百万円となりました。これは主に利益剰余金が1,093百万円増加した一方、為替換算調整勘定が123百万円減少したこと等によるものであります。
なお、当連結会計年度末において、自己資本比率は50.5%、1株当たり純資産額は714円48銭となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7,834百万円減少し、当連結会計年度末には6,858百万円(前年同期比53.3%減)になりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から獲得した資金は3,603百万円(前年同期比77.0%増)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,938百万円、仕入債務の増加516百万円、契約負債の増加374百万円、減価償却費319百万円、賞与引当金の増加258百万円等であります。支出の主な内訳は、棚卸資産の増加501百万円、売上債権及び契約資産の増加496百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は10,171百万円(前年同期は237百万円)となりました。
収入の主な内訳は、有価証券の償還による収入10,000百万円、定期預金の払戻による収入3,000百万円等であります。
支出の主な内訳は、有価証券の取得による支出16,000百万円、定期預金の預入による支出7,000百万円、有形固定資産の取得による支出175百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は1,268百万円(前年同期比150.1%増)となりました。
支出の主な内訳は、配当金の支払額1,205百万円等であります。
(3)生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産する製品は主にソフトウエアであり、また当社グループの取り扱う製品は、受注生産形態をとらない製品であるため、生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり
であります。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りや仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債の金額及び会計期間の収益・費用の金額に影響を与えます。しかし、これらの見積りや仮定は、実際の結果とは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を与える可能性があります。
①貸倒引当金
当社グループは、債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。見積りには期日経過債権の回収期間、現在の経営環境等の様々な要因を考慮しております。
②棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の評価方法として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しており、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。また、滞留及び過剰在庫の内、陳腐化した棚卸資産については、適正な価値で評価されるように評価減の金額を見積もっております。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産における回収可能性が低いと考えられる金額については、評価性引当額を設定しております。評価性引当額の必要性を検討するにあたっては、将来の課税所得の見積りに基づいております。
④投資有価証券
当社グループは、長期的な取引維持のために、特定の取引先の株式等を保有しております。これらの株式等には、価格変動性が高い上場株式と、株価の決定が困難な非上場株式等が含まれます。これらの株式等について、時価が取得価額を下回っている場合、将来における価値の回復可能性及び発行会社の経営状態を検討しております。
⑤市場販売目的のソフトウエア
当社グループは、市場販売目的のソフトウエアの減価償却方法について、見込販売収益に基づく償却額と残存有効期間(3年以内)に基づく均等配分額とを比較し、いずれか大きい額を減価償却費として計上しております。また、減価償却を実施した後の未償却残高が翌期以降の見込販売収益の額を上回った場合、当該超過額は一時の費用として処理しております。当社グループの販売見込収益の算定における主要な仮定は、販売計画に基づく受注予測であります。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①売上高・売上総利益
当連結会計年度の売上高19,762百万円(前年同期比6.2%増)、売上総利益9,237百万円(前年同期比11.4%増)、売上総利益率46.7%(前年同期44.6%)となりました。
売上高のセグメント別変動要因に関する詳細については、「1.経営成績等の状況の概要(1)財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。売上総利益率は前年同期比2.2%増加となりました。
②営業利益
経費面では、会社のオフィス環境の整備や将来的な人材への投資等により、販売費及び一般管理費は6,392百万円(前年同期比2.3%増)となりましたが、前述のように売上高の増収と売上総利益率の改善により、当連結会計年度の営業利益は2,844百万円(前年同期比39.2%増)、売上高営業利益率は14.4%(前年同期11.0%)となりました。
③経常利益
主に営業外収益として為替差益が71百万円、受取利息が45百万円、受取配当金が23百万円発生したことにより、当連結会計年度の経常利益は、2,977百万円(前年同期比38.1%増)となりました。
④親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益で投資有価証券売却益39百万円、固定資産売却益44百万円、特別損失で関係会社出資金売却損105百万円等を計上しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益は2,298百万円(前年同期比33.2%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の1株当たり当期純利益金額は123.97円(前年同期比30.86円増)となりました。なお、当連結会計年度における財政状態の概況については、「1.経営成績等の状況の概要(1)財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(3)資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループは、営業活動によって獲得した現金と金融機関からの借入金によって、必要となる運転資金の確保と事業拡大の為の設備投資を行っています。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「1.経営成績等の状況の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループのキャッシュ・フローの状況と指標の推移は次のとおりであります。
・フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー
・自己資本比率:自己資本÷総資産
・時価ベースの自己資本比率:株式時価総額÷総資産
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債÷営業活動によるキャッシュ・フロー
・インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー÷利息の支払額
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」をご参照ください。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済について、米国は物価高が続く中でも所得や生産性の改善、生成AI関連投資で堅調に推移しました。欧州はインフレ鈍化が進む一方、ウクライナ情勢によるエネルギー高で伸びは緩やかでした。中国は不動産と個人消費の低迷が続きました。日本は円安による物価上昇で個人消費に懸念があるものの、企業業績の改善による設備投資やインバウンド需要で緩やかに拡大しました。
IT投資環境は、競争力強化および生産性向上を目的としたDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが引き続き高水準で推移しました。DXの中でも、クラウドの導入、生成AIの活用、サイバーセキュリティ対策の強化は最重要分野として位置付けられ、幅広い業種において関連投資が拡大しました。
一方、デジタル利活用の進展に伴い、情報漏洩、マルウェア感染、サービス停止等のサイバーリスクは増大しており、個人・企業の重要情報や基幹システム、さらには社会インフラを保護するためのサイバーセキュリティ対策の重要性が一段と高まっています。こうした背景から、サイバーセキュリティは国家の安全保障および企業の信用に直結する重要領域となりつつあります。2026年2月の衆議院選挙で体制が安定し、政府はサイバー安全保障の強化に向けた施策を継続・加速する見通しとなり、企業もサイバーセキュリティを事業継続と信頼性を支える戦略的投資とする動きが広がっています。具体的には、(1)官公庁・自治体・重要インフラ向け対策の強化、(2)能動的サイバー防御等AIを活用したプロアクティブな先端技術投資の拡大、(3)サプライチェーン規制強化による民間の投資増、が見込まれています。
このような環境下、当社グループの業績について、ITセキュリティ事業の自社製品/サービスの売上が伸長し、売上高19,762百万円(前年同期比6.2%増)となり、粗利率は46.7%(前年同期:44.6%)に改善しました。その結果、営業利益は、2,844百万円(前年同期比39.2%増)、営業利益率は14.4%(前年同期:11.0%)となりました。資金運用による受取利息や円安による為替差益で営業外収益が152百万円(前年同期:152百万円)発生し、経常利益は2,977百万円(前年同期比38.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,298百万円(前年同期比33.2%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、組織変更を行い、従来「Eco新規事業開発」に含めていた映像伝送の基盤技術開発チーム(大阪のオペレーション)を「映像コミュニケーション事業」に含めることに変更しています。当該変更後のセグメント区分に基づき前連結会計年度のセグメントの業績値を変更し、前年同期比較を記載しています。
[ITセキュリティ事業]
売上高は18,516百万円(前年同期比5.9%増)、セグメント利益は3,717百万円(前年同期比17.3%増)となりました。
年商約5億円のソリトン上海が連結範囲外となったものの、自社製品/サービスの販売が堅調に推移しました。特に、防衛や防災分野での大型案件獲得が売上の押し上げに寄与したほか、校務DX(教育機関の業務DX)に関係する文教分野の需要も拡大し、増収増益となりました。製品別では、国内シェアNo.1の認証アプライアンス「NetAttest EPS」、分離ネットワーク(インターネットに接続する環境と機密情報を扱う業務環境を分離してサイバー攻撃に備えるセキュリティ対策)で安全なファイル授受を実現する「FileZen S」、多要素認証のクラウドサービス「Soliton OneGate」などの主力製品の販売が順調に推移しました。その結果、「商品・製品」の売上が7,321百万円(前年同期比8.3%増収)、「クラウドサービス」の売上が2,652百万円(前年同期比14.0%増収)と主要領域で前年同期を上回る成長を確保しました。
[映像コミュニケーション事業]
売上高は1,053百万円(前年同期比5.3%増)、セグメント利益は52百万円(前年同期比93.1%増)となりました。
「Smart-telecasterシリーズ」について、国内外のパブリックセーフティ分野(防衛、公的治安、災害対処)への販売を中心に、売上高は増収、セグメント利益も増益となりました。なお、当社は、ウクライナの復興支援に向けて国土交通省の「日ウクライナ・国土交通インフラ復興に関する官民協議会」に参画しました。2025年10月に、同国政府・自治体、キーウ工科大学(KPI)の協力のもと、KPI構内のコントロールセンターから約25km離れた建設機械を「Zaoシリーズ」で遠隔操縦する実証に成功し、同国内での遠隔施工が現実的に機能することを確認しました。ウクライナでは復興に向け膨大な建設需要がある一方で、人手不足や危険環境下での作業が課題となっています。当社の遠隔操縦技術により、女性や戦傷者を含む幅広い人々が安全な場所から復興作業に従事できる可能性が示されました。当社は、ウクライナの「安全で包摂的な復興」に貢献してまいります。
[Eco 新規事業開発]
売上高は191百万円(前年同期比55.5%増)、セグメント損失は184百万円(前年同期はセグメント損失181百万円)となりました。
官公庁向け小型伝送装置の追加販売ならびに既存の人感センサー製品の堅調な販売により、売上高は増収となりました。先進プロジェクトであるアナログエッジAIは、極めて意欲的かつ高度な技術を要する取り組みです。設計および検証フェーズを進め、技術的課題に対し解決を逐次図り、試作品の製造へ向け着実に進捗しました。
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて2,942百万円増加し、26,228百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて3,057百万円増加し、23,954百万円となりました。これは主に有価証券が6,000百万円、商品及び製品が448百万円、電子記録債権が280百万円、売掛金が218百万円増加した一方、現金及び預金が3,834百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて114百万円減少し、2,274百万円となりました。これは主に繰延税金資産が132百万円、工具器具備品が79百万円増加した一方、ソフトウエアが103百万円、建物及び構築物が51百万円、ソフトウエア仮勘定が46百万円、投資有価証券が43百万円、土地が37百万円減少したこと等によるものであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて2,050百万円増加し、12,896百万円となりました。これは主に未払法人税等が654百万円、支払手形及び買掛金が506百万円、契約負債が394百万円、賞与引当金が258百万円、未払金が151百万円増加した一方、短期借入金が63百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債については、前連結会計年度末に比べて81百万円減少し、75百万円となりました。これは主にその他固定負債が49百万円、リース債務(固定)が32百万円減少したこと等によるものであります。
純資産の部については、前連結会計年度末に比べて972百万円増加し、13,256百万円となりました。これは主に利益剰余金が1,093百万円増加した一方、為替換算調整勘定が123百万円減少したこと等によるものであります。
なお、当連結会計年度末において、自己資本比率は50.5%、1株当たり純資産額は714円48銭となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7,834百万円減少し、当連結会計年度末には6,858百万円(前年同期比53.3%減)になりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から獲得した資金は3,603百万円(前年同期比77.0%増)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,938百万円、仕入債務の増加516百万円、契約負債の増加374百万円、減価償却費319百万円、賞与引当金の増加258百万円等であります。支出の主な内訳は、棚卸資産の増加501百万円、売上債権及び契約資産の増加496百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は10,171百万円(前年同期は237百万円)となりました。
収入の主な内訳は、有価証券の償還による収入10,000百万円、定期預金の払戻による収入3,000百万円等であります。
支出の主な内訳は、有価証券の取得による支出16,000百万円、定期預金の預入による支出7,000百万円、有形固定資産の取得による支出175百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は1,268百万円(前年同期比150.1%増)となりました。
支出の主な内訳は、配当金の支払額1,205百万円等であります。
(3)生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産する製品は主にソフトウエアであり、また当社グループの取り扱う製品は、受注生産形態をとらない製品であるため、生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | 前年同期比(%) |
| ITセキュリティ(百万円) | 18,516 | 5.9 |
| 映像コミュニケーション(百万円) | 1,053 | 5.3 |
| Eco 新規事業開発(百万円) | 191 | 55.5 |
| 合計(百万円) | 19,762 | 6.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり
であります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ダイワボウ情報システム 株式会社 | 2,279 | 12.3 | 2,878 | 14.6 |
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りや仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債の金額及び会計期間の収益・費用の金額に影響を与えます。しかし、これらの見積りや仮定は、実際の結果とは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を与える可能性があります。
①貸倒引当金
当社グループは、債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。見積りには期日経過債権の回収期間、現在の経営環境等の様々な要因を考慮しております。
②棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の評価方法として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しており、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。また、滞留及び過剰在庫の内、陳腐化した棚卸資産については、適正な価値で評価されるように評価減の金額を見積もっております。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産における回収可能性が低いと考えられる金額については、評価性引当額を設定しております。評価性引当額の必要性を検討するにあたっては、将来の課税所得の見積りに基づいております。
④投資有価証券
当社グループは、長期的な取引維持のために、特定の取引先の株式等を保有しております。これらの株式等には、価格変動性が高い上場株式と、株価の決定が困難な非上場株式等が含まれます。これらの株式等について、時価が取得価額を下回っている場合、将来における価値の回復可能性及び発行会社の経営状態を検討しております。
⑤市場販売目的のソフトウエア
当社グループは、市場販売目的のソフトウエアの減価償却方法について、見込販売収益に基づく償却額と残存有効期間(3年以内)に基づく均等配分額とを比較し、いずれか大きい額を減価償却費として計上しております。また、減価償却を実施した後の未償却残高が翌期以降の見込販売収益の額を上回った場合、当該超過額は一時の費用として処理しております。当社グループの販売見込収益の算定における主要な仮定は、販売計画に基づく受注予測であります。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①売上高・売上総利益
当連結会計年度の売上高19,762百万円(前年同期比6.2%増)、売上総利益9,237百万円(前年同期比11.4%増)、売上総利益率46.7%(前年同期44.6%)となりました。
売上高のセグメント別変動要因に関する詳細については、「1.経営成績等の状況の概要(1)財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。売上総利益率は前年同期比2.2%増加となりました。
②営業利益
経費面では、会社のオフィス環境の整備や将来的な人材への投資等により、販売費及び一般管理費は6,392百万円(前年同期比2.3%増)となりましたが、前述のように売上高の増収と売上総利益率の改善により、当連結会計年度の営業利益は2,844百万円(前年同期比39.2%増)、売上高営業利益率は14.4%(前年同期11.0%)となりました。
③経常利益
主に営業外収益として為替差益が71百万円、受取利息が45百万円、受取配当金が23百万円発生したことにより、当連結会計年度の経常利益は、2,977百万円(前年同期比38.1%増)となりました。
④親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益で投資有価証券売却益39百万円、固定資産売却益44百万円、特別損失で関係会社出資金売却損105百万円等を計上しました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益は2,298百万円(前年同期比33.2%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の1株当たり当期純利益金額は123.97円(前年同期比30.86円増)となりました。なお、当連結会計年度における財政状態の概況については、「1.経営成績等の状況の概要(1)財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(3)資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループは、営業活動によって獲得した現金と金融機関からの借入金によって、必要となる運転資金の確保と事業拡大の為の設備投資を行っています。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「1.経営成績等の状況の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループのキャッシュ・フローの状況と指標の推移は次のとおりであります。
| キャッシュ・フローの状況 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 2,080 | 2,298 | 3,643 | 2,035 | 3,603 | |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △464 | △305 | △57 | △237 | △10,171 | |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △481 | △252 | △397 | △507 | △1,268 | |
| フリー・キャッシュ・フロー (百万円) | 1,616 | 1,993 | 3,585 | 1,798 | △6,568 | |
| キャッシュ・フロー関連指標の推移 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | |
| 自己資本比率(%) | 48.9 | 49.8 | 49.1 | 52.7 | 50.5 | |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 159.1 | 108.6 | 121.4 | 97.3 | 154.7 | |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 0.1 | 0.1 | 0.0 | 0.0 | - | |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 1,536.1 | 1,965.2 | 1,766.5 | 1,711.9 | 4,157.0 | |
・フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー
・自己資本比率:自己資本÷総資産
・時価ベースの自己資本比率:株式時価総額÷総資産
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債÷営業活動によるキャッシュ・フロー
・インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー÷利息の支払額
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」をご参照ください。