(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、個人消費が持ち直し、企業の設備投資の増加、雇用情勢は着実に回復していること等により、景気は緩やかに回復しております。
一方で、当社グループの主たる事業領域である生鮮流通を取り巻く環境は、大きく変化しております。高齢化や人口減少による労働力不足の問題が人件費などのコストアップ要因となっていることや、ドラッグストアや電子商取引プラットフォーマーの生鮮品販売など、新たな生鮮品のチャネルも拡大しております。これらの状況を受け、従来のスーパーマーケットは業界再編の動きが著しくなってきております。業界大手のスーパーマーケットでは、アパレル業界のようなSPA(製造小売)方式を打ち出し、競争力のあるプライベート商品の拡大や事業の巨大化、系列化を進めております。中堅スーパーでは合従連衡で大手チェーンストアへの対立軸を確立しようとする動きなど、競争が激化しております。また、農協改革や市場法改正、食品衛生法の改正によるHACCPに沿った衛生管理の義務化などの食品流通にかかわる法制度等の変更や、2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機として、GAPなどの認証の取得を推進する動きなど、流通の効率化や安全・安心の担保を目的とした業界のルール変更も発生しております。これらの環境変化により、国産青果物流通のスタンダードである中央卸売市場流通さえも、近い将来、様々な影響を受ける可能性があると考えております。
当社は、このような環境変化に対応すべく、既存事業の強化を図るため、2018年11月期にサービス価格の改定を実施いたしました。また、新たな事業への展開や必要な設備投資も進めております。今までのサプライチェーンという生産者視点のオペレーションの拡充、新たに小売業者の売り場視点でのサービスモデルを構築しており、小売業のSPA化の実践を支援する取組みとして今期中にはリリースする予定です。また、当社が本格的に国産青果マーケットへ進出するために、次世代の国産青果物流通プラットフォームの開発も進めております。また、ドラッグストア向けの新業態開発としてのサービス実証実験、海外事業展開としてフィリピンの農協組織に向けたマイクロファイナンスシステムのサービスのリリース、子会社の有機農産物販売についても、引き続き準備や事業強化を進めてまいります。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は13億61百万円(前年同期比26.6%増)、営業利益は75百万円(前年同期比は営業利益0百万円)、経常利益は77百万円(前年同期は経常損失1百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は45百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失4百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
(オペレーション支援事業)
生鮮青果物サプライチェーン向けに提供する「イーサポートリンクシステムVer2」および業務受託サービスについて、2018年11月期にサービス料金の見直しを実施したことにより、売上の増加に寄与しました。また、「生鮮MDシステム」については、継続して大手量販店のグループ企業、子会社等への導入が進んでおり、課金対象のトランザクション量が増加しております。一方で経費については、システムのクラウド化対応や新しいオフィスの開設などの計画が、一部、第2四半期以降に期ズレとなりました。
この結果、売上高は11億2百万円(前年同期比16.7%増)、セグメント利益は3億57百万円(同36.2%増)となりました。
(農業支援事業)
当社は、青森県の「岩木山りんご生産出荷組合」のりんごの販売を行っております。りんごの入荷、冷蔵保管から、選果、出荷までを自社で行い、大手量販店などに販売しております。また、ドラッグストア向け青果売り場構築のサービス実証実験についても継続しており、30店舗(2019年2月28日現在)に拡大しております。子会社の有機農産物販売については、メキシコ産の有機バナナの取り扱いを開始いたしました。農林水産省のオーガニック関連の協議会への参加などを通じて、業界の発展へ貢献するとともに、積極的に販売先を拡大しております。
この結果、売上高は2億58百万円(前年同期比97.4%増)、セグメント損失は20百万円(前年同期はセグメント損失15百万円)となりました。
(2)財政状態
① 資産の部
当第1四半期連結会計期間末における資産の残高は、前連結会計年度末と比べて60百万円増加し、53億97百万円(前連結会計年度末比1.1%増)となりました。
内訳としては、流動資産が33億14百万円(同1.8%増)、固定資産が20億83百万円(同0.2%増)となりました。
流動資産の主な増加要因は、前渡金が32百万円増加したことによるものです。
固定資産の主な増加要因は、投資有価証券が87百万円増加したことによるものです。
② 負債の部
当第1四半期連結会計期間末における負債の残高は、前連結会計年度末と比べて39百万円増加し、13億92百万円(同2.9%増)となりました。
内訳としては、流動負債が8億20百万円(同8.4%増)、固定負債が5億71百万円(同4.1%減)となりました。
流動負債の主な増加要因は、賞与引当金が62百万円増加したことによるものです。
固定負債の主な減少要因は、長期借入金が9百万円減少したことによるものです。
③ 純資産の部
当第1四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて21百万円増加し、40億5百万円(同0.5%増)となりました。
この結果、自己資本比率は74.2%となりました。
その主な増加要因は、利益剰余金について、親会社株主に帰属する四半期純利益を45百万円計上した一方、配当により22百万円減少したことによるものです。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当第1四半
期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行って
おります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。