当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りです。
①経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、個人消費が持ち直し、企業の設備投資は増加傾向にあるなか、雇用情勢は改善しており、景気は輸出を中心に弱さが続いているものの、緩やかに回復しております。
一方で、当社グループの主たる事業領域である生鮮流通を取り巻く環境は、大きく変化しております。特にスーパーマーケット業界では、少子高齢化による人口減少の影響により、労働者の確保難によるコストの増加、ネット通販やドラッグストアなどの異業種からの生鮮品販売の参入などで競争環境が厳しくなっております。
2019年11月期は、このような市場環境の変化に対応するため、いままでの機能別の組織からサービス目的別の組織へと、下期から大きくマネジメント体制を変更いたしました。これにより現場の意思決定のスピードアップを図り、社員の経営参加意識の向上とローコストオペレーションを実現していきたいと考えております。また、2020年11月期より適用を開始するため、人事制度も再構築いたしました。引き続き、社員1人1人のモチベーション向上につながるような教育制度など、継続的な施策を実施して、経営基盤の強化に努めたいと考えております。事業面では、ドラッグストア向けビジネスや国内青果物流通プラットフォームの構築など、数年前から積極的に進めてきた複数の新規事業投資が、本格的に展開可能なステージに移行しつつあります。既存事業につきましては、サービス価格の適正化や取り扱うトランザクション量の増加などにより、減損などの特別損失を除き、ほぼ計画通りに進捗いたしました。
以上の結果、売上高55億62百万円(前連結会計年度比13.9%増)、営業利益2億61百万円(同79.5%増)、経常利益2億53百万円(同100.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益89百万円(同386.3%増)となりました。
セグメント別の業績は、次の通りです。
なお、当連結会計年度より、従来「オペレーション支援事業」に含めてきた海外事業の担当部門を「農業支援事業」に含めております。これは、当社グループでは激しく変化する経営環境や多様化する顧客ニーズに対応し、事業戦略遂行のためにより迅速かつ的確な意思決定を行う体制の構築と業務の効率化を図ることを目的として、組織変更を実施したためであります。以下の前年比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
(オペレーション支援事業)
バナナサプライチェーンの顧客に対しては、新たな業務を受託するため、2019年7月より札幌に第2オフィスを開設し、顧客と調整しながら業務移管を進めております。同時に業務受託オペレーションのローコスト化を実現させるため、RPAなどの業務の自動化技術への対応も継続しております。また、大手チェーンストア向けの「生鮮MDシステム」については、顧客の地域分社化に伴い、地域毎のより細かいニーズに対応すべく機能の改修や追加を行い、未導入だったグループ会社や部門への導入に向けた取り組みを実施いたしました。また、当社の生産履歴管理システムである「農場物語」のチェーンストア版といえるシステムを新たに開発し、下期にリリースいたしました。これにより、約3,000名の新たな生産者にサービスを展開することが可能となりました。現在進めている国内青果物流通プラットフォームの構築については、大手小売業者や仲卸業者と、システムに必要な機能の絞り込みや新しいサービスの提案など、具体的なタスクを進めております。
以上の結果、売上高46億29百万円(前連結会計年度比10.6%増)、営業利益15億59百万円(同15.7%増)となりました。
(農業支援事業)
青森県の「岩木山りんご生産出荷組合」からの受託販売事業については、集荷量の増大を見据え冷蔵庫の増設を行いました。子会社の有機農産物販売会社については、取り扱いを開始した輸入果実である有機バナナの販売量が増加し、売上増加に寄与いたしました。ドラッグストア向けの新たなサービス実証実験については、継続して41店舗(2019年11月期末)で取り組み、ビジネスモデルの構築に注力しました。当連結会計年度から農業支援事業セグメントに含めている海外事業については、主にフィリピンにおけるシステム提供に向けた活動を行ってまいりました。
以上の結果、売上高9億32百万円(前連結会計年度比33.4%増)、営業損失2億3百万円(前連結会計年度は営業損失1億67百万円)となりました。
②財政状態の状況
(資産の部)
当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末と比べて2億85百万円増加し、56億22百万円(前連結会計年度末比5.3%増)となりました。内訳としては、流動資産が36億9百万円(同10.8%増)、固定資産が20億12百万円(同3.2%減)となりました。
流動資産の主な増加要因は、現金及び預金が1億69百万円、売掛金が1億53百万円増加したことによるものです。
固定資産の主な減少要因は、ソフトウエアが1億98百万円減少したことによるものです。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末と比べて2億17百万円増加し、15億70百万円(同16.1%増)となりました。内訳としては、流動負債が9億76百万円(同28.9%増)、固定負債が5億94百万円(同0.3%減)となりました。
流動負債の主な増加要因は、未払金が73百万円増加したことによるものです。
固定負債の主な減少要因は、長期借入金が28百万円増加した一方、リース債務が48百万円減少したことによるものです。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて68百万円増加し、40億52百万円(同1.7%増)となりました。
この結果、自己資本比率は72.1%となりました。
その主な増加要因は、利益剰余金について親会社株主に帰属する当期純利益を89百万円計上した一方、配当により22百万円減少したことによるものです。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益の計上、減価償却費の計上等により、前連結会計年度末に比して1億69百万円増加し、27億4百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は6億74百万円(前年同期は4億24百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益を1億98百万円、減価償却費を3億82百万円計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は4億64百万円(前年同期は4億49百万円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出1億88百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は40百万円(前年同期は1億65百万円の支出)となりました。これは主に長期借入れによる収入1億円、長期借入金の返済による支出46百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出65百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年12月1日 至 2019年11月30日) | 前年同期比(%) |
農業支援事業(千円) | 9,634 | 42.6 |
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年12月1日 至 2019年11月30日) | 前年同期比(%) |
農業支援事業(千円) | 5,358 | 30.2 |
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年12月1日 至 2019年11月30日) | 前年同期比(%) |
農業支援事業(千円) | 385,442 | 117.0 |
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
オペレーション支援事業 | 27,638 | 46.8 | 13,730 | 33.0 |
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年12月1日 至 2019年11月30日) | 前年同期比(%) |
金額(千円) | ||
オペレーション支援事業 | 4,629,962 | 110.6 |
農業支援事業 | 932,157 | 133.4 |
合計 | 5,562,119 | 113.9 |
相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年12月1日 至 2018年11月30日) | 当連結会計年度 (自 2018年12月1日 至 2019年11月30日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
㈱ケーアイ・フレッシュアクセス | 962,107 | 19.7 | 1,112,536 | 20.0 |
㈱ファーマインド | 724,160 | 14.8 | 836,065 | 15.0 |
㈱ドール | 722,498 | 14.8 | 816,162 | 14.7 |