四半期報告書-第22期第3四半期(令和1年6月1日-令和1年8月31日)

【提出】
2019/10/15 9:52
【資料】
PDFをみる
【項目】
27項目
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日(2019年10月15日)現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、輸出や生産の一部に弱さが続いているものの、個人消費の持ち直しや、企業の設備投資の緩やかな増加、雇用情勢は着実に改善していることなどにより、景気は緩やかに回復しております。
当社グループの主たる事業領域である生鮮業界は、中長期的には人口減少や高齢化で生鮮品の消費量そのものが減少することが想定されております。また、農産物流通に係わる企業や当社の顧客からは、人手不足の問題が数年前から業務に影響し、現場オペレーションに支障が出始めているとの声を耳にするようになっております。特に、消費者に近いスーパーマーケット業界では、戦後、実践してきたチェーンストア理論に基づくオペレーションである「同一品質の大量販売手法」が、現在では競合他社と商品の差別化ができない状況を生み、結果として価格だけの競争に陥ってしまったという見解もあり、今後の生鮮品販売は、「同質化による全体最適から個店最適へ」という流れもでてきました。また、戦後の日本の農産物流通のグランドデザインであった卸売市場という仕組みも、人口が減少していく社会にあわせた取引ルールの見直しが実施され、卸売市場法が改正されております。
このような状況のもと、当社グループは、生鮮流通業界の大きな構造変化をビジネスチャンスとするために、当第3四半期連結会計期間より抜本的な組織改編を行いました。上場時から継続してきたシステム、業務受託、営業といった機能別の組織から、輸入青果、国産青果、物販などのサービス目的別の新組織での運用を始めております。顧客に最も近い第一線の現場社員が、日々の業務の中から顧客ニーズを把握していることに着目し、トップダウンのマネジメントだけでなく、現場目線でのスピーディな意思決定を実現し、企業としての競争力を強化してまいります。また、現場で働く社員が「誰のために」「何のために」仕事をしているのかを実感し、顧客の理解をより深め、仕事に対するモチベーションや満足度の向上を図れるように組織マネジメントを実践してまいります。
設備投資につきましては、札幌に第2オフィスを開設し、業務受託サービスにおける働き方の多様化の実現や、新規の業務受託を開始いたしました。業務オペレーションのRPA化にも取り組んでおり、自動化比率を高め、効率化を進めております。大手小売チェーンストアのSPA(製造小売化)化支援、国内青果物の流通プラットフォームの構築、ドラッグストアの青果売り場構築支援など、生鮮業界の構造変化に係る新規事業についても継続して進めており、組織変更により更なるスピードアップを図る所存でございます。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は40億85百万円(前年同期比16.3%増)、営業利益は2億15百万円(同422.9%増)、経常利益は2億17百万円(同453.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億19百万円(同956.9%増)となりました。
セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
なお、当第3四半期連結会計期間より、従来「オペレーション支援事業」に含めてきた海外事業の担当部門を「農業支援事業」に含めております。これは、当社グループでは激しく変化する経営環境や多様化する顧客ニーズに対応し、事業戦略遂行のためにより迅速かつ的確な意思決定を行う体制の構築と業務の効率化を図ることを目的とし、当第3四半期連結会計期間に組織変更を実施したためであります。
以下の前年四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
(オペレーション支援事業)
生鮮青果物サプライチェーン向けに提供する「イーサポートリンクシステムVer.2」および業務受託サービスについて、2018年11月期にサービス料金の見直しを実施したことにより、売上、利益の増加に寄与しました。また、「生鮮MDシステム」については、継続して大手量販店のグループ企業や子会社などへの導入が進んでおり、課金対象のトランザクション量が増加しております。
以上の結果、売上高は34億40百万円(前年同期比12.7%増)、セグメント利益は11億76百万円(同24.8%増)となりました。
(農業支援事業)
当社は、青森県の「岩木山りんご生産出荷組合」のりんごの販売を行っております。りんごの入荷、冷蔵保管から、選果、出荷までを自社で行い、大手量販店などに販売しております。顧客に対しては当社の集荷センターや組合員の圃場などの視察会を実施し、更なる関係強化を図っております。ドラッグストア向け青果売り場構築のサービス実証実験についても対象エリアを拡大し、引き続き利益の確保できるビジネスモデルを検証しております。子会社の有機農産物販売については、国内の有機農産物については猛暑等の天候の影響もありましたが、輸入有機バナナの販売を順調に進めております。今後は輸入有機果実の品目拡大、大型有機生産者との協業、物流インフラなどの整備などを行い事業を拡大してまいります。
以上の結果、売上高は6億44百万円(前年同期比39.7%増)、セグメント損失は1億59百万円(前年同期はセグメント損失1億24百万円)となりました。
(2)財政状態
① 資産の部
当第3四半期連結会計期間末における資産の残高は、前連結会計年度末と比べて1億59百万円増加し、54億96百万円(前連結会計年度末比3.0%増)となりました。
内訳としては、流動資産が33億64百万円(同3.3%増)、固定資産が21億32百万円(同2.5%増)となりました。
流動資産の主な増加要因は、現金及び預金が45百万円、売掛金が31百万円増加したことによるものです。
固定資産の主な増加要因は、ソフトウエアが1億96百万円減少した一方、ソフトウエア仮勘定が93百万円増加したことによるものです。
② 負債の部
当第3四半期連結会計期間末における負債の残高は、前連結会計年度末と比べて80百万円増加し、14億33百万円(同6.0%増)となりました。
内訳としては、流動負債が8億53百万円(同12.8%増)、固定負債が5億80百万円(同2.7%減)となりました。
流動負債の主な増加要因は、未払法人税等が67百万円増加したことによるものです。
固定負債の主な減少要因は、リース債務が44百万円減少したことによるものです。
③ 純資産の部
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて78百万円増加し、40億62百万円(同2.0%増)となりました。
この結果、自己資本比率は73.9%となりました。
その主な増加要因は、利益剰余金について親会社株主に帰属する四半期純利益を1億19百万円計上した一方、配当により22百万円減少したことによるものです。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。