有価証券報告書-第12期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 15:31
【資料】
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【項目】
156項目
(1)業績等の概要
①業績
当社グループは、日本国内およびアジア・パシフィック(APAC)地域で、人材派遣および人材紹介を主力として幅広く人材関連サービスを提供しております。
当連結会計年度の国内の事業環境につきましては、前連結会計年度より緩やかな景気拡大基調が継続する中、顧客企業からの派遣スタッフ、中途採用に対する需要は高く、2019年9月末時点でのアルバイト・パートを含む有効求人倍率(季節調整値)は1.58倍となりました。しかしながら、第3四半期連結会計期間には米中貿易摩擦の影響により製造業等で人件費を抑制する動きが見られ、第4四半期連結会計期間には新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大が影響し、2020年3月末で有効求人倍率は1.39倍に低下しました。APAC地域では、米中貿易摩擦を主因に、中国経済の鈍化や周辺諸国経済への影響が広がりました。また、当社が事業を展開する豪州では、経済の低迷が続いたほか、円に対する豪ドル安も進みました。
このような環境の下、当連結会計年度の連結売上高は、過去最高となる970,572百万円(前連結会計年度比4.8%増)を計上しました。一方、利益面では、当社グループの主力事業である派遣・BPOセグメントおよびITOセグメントは増益となりましたが、リクルーティングセグメントおよび海外の2セグメントが減益となったことから、営業利益は、39,085百万円(同11.4%減)、経常利益は39,361百万円(同10.5%減)となりました。また、リクルーティングセグメントのアルバイト・パート求人メディア「an」事業終了に係る事業再編損(3,186百万円)、主にPROGRAMMEDセグメントのスタッフィング事業に係るのれん減損損失(12,688百万円)等の特別損失を合計19,375百万円計上したことから、税金等調整前当期純利益は20,331百万円となりました。また、2021年3月期より連結納税の適用を受けることから、法人税等調整額が減額いたしました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は7,612百万円(同68.8%減)となりました。
セグメントの業績(セグメント間内部取引消去前)は次のとおりであります。
a. 派遣・BPOセグメント
本セグメントは、国内で事務領域を中心に幅広い業種に対応した人材派遣事業に加え、受託請負のBPO(Business Process Outsourcing)事業、事務職を中心とした人材紹介事業等を展開しております。
当連結会計年度における売上高は、548,134百万円(前連結会計年度比7.6%増)、営業利益25,555百万円(同6.5%増)となりました。
売上高は、人材派遣事業では、稼働日が前連結会計年度より3日減少したものの、2018年12月に買収した株式会社アヴァンティスタッフの売上寄与に加え、事務領域を中心に稼働者数が前連結会計年度を大きく上回った結果、増収となりました。また、BPO事業も受託する案件が増加したことにより増収となりました。営業利益は、増収に加え、適切なコストコントロールを実施したこと等により増益となりました。
b. リクルーティングセグメント
本セグメントは、顧客企業の正社員の中途採用活動を支援する人材紹介事業、求人メディア事業等を展開しています。
当連結会計年度における売上高は、83,449百万円(前連結会計年度比2.8%減)、営業利益13,268百万円(同14.7%減)となりました。
売上高は、第2四半期連結累計期間までは、企業の採用意欲は旺盛で人材紹介事業を中心に好調に推移いたしました。しかしながら、第3四半期連結会計期間に入って以降、徐々に人材需要の減退傾向が強まった影響を受けたこと、加えて「an」事業終了(2019年11月)により、減収となりました。営業利益は、人材紹介事業の売上高の伸びが鈍化したことに加え、「an」事業の人員の配置転換による売上高人件費比率が上昇した結果、減益となりました。
c. PROGRAMMEDセグメント
本セグメントは、豪州地域にて主にスタッフィング(人材派遣)事業およびメンテナンス事業等を展開しております。
当連結会計年度における売上高は、現地通貨ベースでは2.3%増加したものの、豪ドル安の影響で188,956百万円(前連結会計年度比6.2%減)となり、営業利益194百万円(同76.9%減)となりました。
スタッフィング事業は、鉱業や製造業向けの人材派遣を主力としておりますが、豪州経済の低迷もあり、減収となりました。一方、景気影響を受けにくいメンテナンス事業は、大型施設のメンテナンス案件等の寄与により増収となりました。2019年10月より、経営体制を変更しスタッフィング事業の立て直し等を積極的に進めたものの、営業利益は、スタッフィング事業の減収により減益となりました。
d. PERSOLKELLYセグメント
本セグメントは、APAC地域において、人材派遣事業および人材紹介事業を展開しております。
当連結会計年度における売上高は、84,284百万円(前連結会計年度比10.7%増)、営業損失は、602百万円(前期は営業利益548百万円)となりました。
売上高は、地域全体で米中貿易摩擦等の影響は見られたものの、豪州を除き、概ね増収となりました。利益面では、豪州事業においてシステム障害が発生し、トラブル対応費用に加え売上債権の引当金等の費用を計上したことにより、営業損失を計上しました。
e. ITOセグメント
本セグメントは、主に内需向けのITシステムの開発・運用・保守・PMO(Project Management Office)等の受託請負事業及びコンサルティングサービスを展開しております。
当連結会計年度における売上高は41,182百万円(前連結会計年度比22.4%増)、営業利益1,711百万円(同0.5%増)となりました。
売上高は、大手企業や公共機関向けの受託請負が堅調に推移したことに加え、大型コンソーシアム案件等の新規受注を獲得したこと、またクライアントニーズの高まりに対し人員の拡充を行ったことが奏功したこと等により、増収となりました。営業利益は、増収効果はあったものの、報酬改定に伴い人件費が増加したことにより前連結会計年度並みとなりました。
f. エンジニアリングセグメント
本セグメントは、製造業向けの受託開発・請負および人材派遣サービスを提供しています。
当連結会計年度における売上高は29,493百万円(前連結会計年度比0.5%増)、営業利益2,312百万円(同16.3%減)となりました。
米中貿易摩擦の影響を受け、クライアント企業で開発案件の精査等の動きが見られる等厳しい事業環境の中で、積極的な営業提案活動を行った結果、前連結会計年度並みの売上高を維持しました。営業利益は、売上高に占める人材派遣の割合が増えたため減益となりました。
②生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、派遣・BPO、リクルーティング、PROGRAMMED、PERSOLKELLY、ITO、エンジニアリング等のセグメント区分にて国内及びAPAC地域において人材関連事業を行っており、提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、省略しております。
b.受注実績
生産実績の記載と同様に、受注状況の記載に馴染まないため省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
売上高
(百万円)
構成比
(%)
前年同期比増減
(%)
派遣・BPO545,00756.27.6
リクルーティング82,4088.5△2.7
PROGRAMMED188,95619.5△6.2
PERSOLKELLY84,2378.710.8
ITO31,8683.326.6
エンジニアリング29,4743.00.4
全社及びその他の事業8,6190.8255.6
合 計970,572100.04.8

(注)1.セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ154百万円増加し、370,993百万円となりました。流動資産は13,704百万円増加し、223,549百万円となりました。これは主に、現金及び預金が9,218百万円及び受取手形及び売掛金が5,663百万円増加したことによるものであります。
固定資産は13,550百万円減少し、147,444百万円となりました。これは主に、のれんが19,200百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ7,172百万円増加し、207,087百万円となりました。流動負債は4,867百万円減少し、140,052百万円となりました。これは主に、未払法人税等が4,629百万円減少したことによるものであります。
固定負債は12,040百万円増加し、67,035百万円となりました。これは主に長期借入金が9,979百万円、リース債務が2,349百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,018百万円減少し、163,906百万円となりました。これは主に、剰余金の配当7,003百万円を行ったことや、親会社株主に帰属する当期純利益7,612百万円の計上等により、利益剰余金が608百万円増加した一方、自己株式が4,981百万円増加、その他有価証券評価差額金が1,875百万円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、財務指標としては、流動比率が前連結会計年度末の144.8%から159.6%に上昇し、自己資本比率が前連結会計年度末の42.0%から39.9%に下落いたしました。
前連結会計年度当連結会計年度
総資産当期純利益率(ROA)6.8%2.3%
自己資本当期純利益率(ROE)16.2%5.0%
売上高営業利益率4.8%4.0%
売上高経常利益率4.8%4.1%
流動比率144.8%159.6%
固定比率103.5%99.7%
自己資本比率42.0%39.9%
総資産370,839百万円370,993百万円
自己資本155,593百万円147,850百万円
現金及び現金同等物の期末残高68,969百万円78,037百万円

(3)経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は、970,572百万円と前連結会計年度に比べ44,753百万円の増収となりました。利益面では、売上総利益において、213,991百万円と前連結会計年度に比べ7,474百万円の増益、営業利益において、39,085百万円と前連結会計年度に比べ5,025百万円の減益、経常利益において、39,361百万円と前連結会計年度に比べ4,620百万円の減益、親会社株主に帰属する当期純利益においては7,612百万円と前連結会計年度に比べ16,749百万円の減益となりました。
① 売上高
売上高は、主にリクルーティングセグメント及びPROGRAMMEDセグメントにおいて需要環境を反映し減収となったものの、派遣・BPOセグメント、PERSOLKELLYセグメント及びITOセグメントにおいて増収となったことから、4.8%の増収となりました。
② 売上総利益
売上総利益は、派遣スタッフの待遇改善に伴う費用の増加はあったものの、コストコントロールに努めた結果、3.6%の増益となりました。
③ 営業利益
営業利益は、収益力の高いリクルーティングセグメントが減益になった結果、11.4%の減益となりました。
④ 経常利益
経常利益は、営業利益の減少により10.5%の減益となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
PROGRAMMEDセグメントのスタッフィング事業における減損損失の計上等により、全体として68.8%の減益となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ9,067百万円増加し、78,037百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度より13,761百万円減少し、28,592百万円となりました。これは主に、法人税等の支払額が19,373百万円となった一方、税金等調整前当期純利益が20,331百万円、減損損失が13,378百万円と減価償却費が9,466百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度より2,435百万円増加し、17,576百万円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出が8,496百万円、有形固定資産の取得による支出が4,919百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度より46,177百万円減少し、1,987百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が10,021百万円となった一方、長期借入による収入が20,000百万円となったことによるものであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の運転資金需要の主なものは、派遣スタッフ及び従業員に対する給与支払いであります。当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、事業構造上、現金及び現金同等物が資産の中で占める割合が高くなっております。短期運転資金は、事業収益から得られる自己資金を基本としており、特に多額の資金が必要となる企業買収等については、安定した財務基盤を活かし、銀行借入、社債発行など最適な資金調達手段を通じて行うことを基本としております。なお、当連結会計年度における有利子負債の残高は、75,030百万円となっております。これは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響により、今後の事業環境が厳しくなることを想定し、期末において銀行からの追加借入を行ったことによるものです。なお、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は78,247百万円となっております。
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大により、足元の業績に影響が生じております。固定資産の減損及び税効果会計等におきましては、今後、2021年3月期の一定期間にわたって当該影響が継続すると仮定し、会計上の見積りを行っております。

① 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 固定資産の減損
当社グループは、固定資産を保有しており、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しております。従って、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施する可能性があります。
(8)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

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