訂正有価証券報告書-第13期(2020/04/01-2021/03/31)
(1)業績等の概要
①業績
当社グループは、日本国内及びアジア・パシフィック(APAC)地域で、人材派遣及び人材紹介を主力として幅広く人材関連サービスを提供しております。
当連結会計年度の国内の事業環境につきましては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大が影響し、日本国内の有効求人倍率(季節調整値)は2021年3月には1.10倍となり、4月からは第4波の懸念も報じられるなど先行き不透明感が強まってきております。当社においては、人材紹介事業では、足許の受注状況等は緩やかな回復基調にありますが、COVID-19感染拡大により、企業は依然として採用に慎重になっており、大きな影響を受けております。APAC地域では、総じて経済は回復基調にあるものの、豪州においては、前連結会計年度に続き、円に対する豪ドル安が進みました。
このような厳しい事業環境の下、主力であるStaffing SBUとProfessional Outsourcing SBUは増収となりましたが、COVID-19感染拡大の影響を受け、主にCareer SBUで売上高が大きく減少したことに加え、「an」事業の終了による減収の結果、当連結会計年度の連結売上高は950,722百万円(前連結会計年度比2.0%減)となりました。一方、利益面では、当社グループの主力事業であるStaffing SBUでは収益性の高いBPO領域の増収も寄与し、増益となりましたが、主に収益性の高い人材紹介事業を展開するCareer SBUでCOVID-19の影響を受けて大幅な減益となったことにより、全体の営業利益は26,439百万円(同32.4%減)となりました。また、経常利益は29,168百万円(同25.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は15,834百万円(同108.0%増)となりました。
セグメントの業績(セグメント間内部取引消去前)は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
(注)上記の売上高のうち、調整額及び連結損益計算書計上額に記載の売上高以外の売上高については、セグメント間内部取引消去額前の金額になります。
a. Staffing SBU
本セグメントは、国内で事務領域を中心に幅広い業種に対応した人材派遣事業に加え、受託請負のBPO(Business Process Outsourcing)、事務職を中心とした人材紹介事業等を展開しています。
当連結会計年度における売上高は、530,240百万円(前連結会計年度比3.9%増)、営業利益は、29,123百万円(同22.0%増)となりました。
売上高は、人材派遣事業では稼働日が前連結会計年度より3営業日増加したことに加え、同一労働同一賃金の対応等に係る請求単価の上昇により、増収となりました。また、BPO領域においてもCOVID-19関連を含め受託案件が増加したことにより、増収に寄与いたしました。営業利益は、人材派遣事業及びBPO領域の増収効果により増益となりました。
b. Career SBU
本セグメントは、顧客企業の正社員の中途採用活動を支援する人材紹介事業、求人メディア事業等を展開しています。
当連結会計年度における売上高は、59,568百万円(前連結会計年度比28.6%減)、営業利益は、331百万円(同97.5%減)となりました。
売上高は、人材紹介事業、求人メディア事業ともに受注は回復傾向にあるものの、COVID-19感染拡大前の水準への回復には時間を要することに加え、「an」事業の終了(2019年11月)により減収となりました。営業利益は、マーケティング費用や人員の再配置による人件費等、継続してコスト削減に取り組んでまいりましたが、減収により大幅な減益となりました。
c. Professional Outsourcing SBU
本セグメントは、IT領域やエンジニアリング領域の製造・開発受託請負事業や技術者を専門とした人材派遣事業を展開しています。
当連結会計年度における売上高は、113,095百万円(前連結会計年度比6.9%増)となり、営業利益は、4,028百万円(同36.2%減)となりました。
売上高は、IT領域が高成長を維持し、またエンジニアリング領域で新卒技術者の配属や、未稼働技術者の配属が進んだ結果、増収となりました。営業利益は、エンジニアリング領域で期末にかけて減少傾向にはあったものの、未稼働技術者が発生したこと、またIT領域で人員の拡充を行ったことにより、売上高人件費率が上昇した結果、減益となりました。
d. Solution SBU
本セグメントは、人材採用、人材管理等のデジタルソリューションサービスの提供やインキュベーションプログラムを通じた新規事業の創出を行っております。
当連結会計年度における売上高は、5,702百万円(前連結会計年度比18.7%減)、営業損失は、4,809百万円(前連結会計年度は営業損失1,619百万円)となりました。
売上高は、事業規模拡大の進捗はあるものの、COVID-19感染拡大による企業の採用意欲の減退傾向や、飲食店への自粛要請等の影響を受けたことにより減収となりました。利益面は、減収に加え、販売促進のために人員拡充等の投資を進めた結果、営業損失となりました。
e. Asia Pacific SBU
本セグメントは、アジア地域で人材派遣事業及び人材紹介事業、豪州においてはStaffing事業及びMaintenance事業を展開しております。(アジア地域では主にPERSOLKELLY、豪州では主にProgrammedのブランドで事業を運営しております。)
当連結会計年度における売上高は、251,447百万円(前連結会計年度比8.0%減)、営業損失は、1,520百万円(前連結会計年度は営業損失408百万円)となりました。
売上高は、シンガポールで人材派遣事業が伸長したことに加え、中国における人材紹介事業や豪州のブルーカラー派遣事業に回復が見られたものの、その他アジア地域におけるCOVID-19の感染拡大による経済の低迷からの回復の遅れもあり、また豪ドル安の影響を受けたことから減収となりました。利益面は、豪州事業の統合によりコスト構造が改善したものの、減収により営業損失となりました。
②新型コロナウイルス(COVID-19)の影響について
日本では、2020年後半にはCOVID-19感染拡大による景況感の悪化に歯止めがかかりつつありましたが、2021年の年初より緊急事態宣言が再び発出され、4月からは第4波の懸念も報じられるなど先行き不透明感が強まってきております。APAC地域では、シンガポールや中国をはじめとした大半の地域では、総じて経済は回復傾向にあります。
当社グループの国内事業につきましては、人材派遣事業では、マーケティング領域において、店舗の営業時間短縮や人員の削減等の影響を受け、稼働者数が減少した一方、主力の事務領域は、契約終了数の減少や期末にかけての受注の回復もあり稼働者数は前連結会計年度に比べ、若干の減少にとどまっております。またBPO領域は、リモートワークを含めたCOVID-19下でのはたらき方が浸透したことから、アウトソーシングの需要の高まりを受け新規案件が増加しております。人材紹介事業においても、受注は回復傾向にあります。
海外事業につきましては、当社の主力地域のシンガポールでの人材派遣事業や中国における人材紹介事業を中心に総じて回復基調にあります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、Staffing、Career、Professional Outsourcing、Solution、Asia Pacific等のセグメント区分にて国内及びAPAC地域において人材関連事業を行っており、提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、省略しております。
b.受注実績
生産実績の記載と同様に、受注状況の記載に馴染まないため省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ12,422百万円増加し、383,416百万円となりました。流動資産は13,393百万円増加し、236,943百万円となりました。これは主に、現金及び預金が4,913百万円及び受取手形及び売掛金が4,476百万円増加したことによるものであります。
固定資産は971百万円減少し、146,472百万円となりました。これは主に、投資有価証券が3,197百万円増加した一方、のれんが5,811百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,170百万円増加し、208,258百万円となりました。流動負債は5,525百万円増加し、145,577百万円となりました。1年内返済予定の長期借入金が9,968百万円及び短期借入金が4,696百万円減少した一方、1年内償還予定の社債が10,000百万円、未払金が4,325百万円及び賞与引当金が2,721百万円増加したことによるものであります。
固定負債は4,355百万円減少し、62,680百万円となりました。これは主に長期借入金が5,901百万円増加した一方、社債が10,000百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ11,251百万円増加し、175,158百万円となりました。これは主に、剰余金の配当6,485百万円を行ったことや、親会社株主に帰属する当期純利益15,834百万円の計上等により、利益剰余金が9,349百万円、その他有価証券評価差額金が1,879百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、財務指標としては、流動比率が前連結会計年度末の159.6%から162.8%に上昇し、自己資本比率が前連結会計年度末の39.9%から41.0%に上昇いたしました。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は、950,722百万円と前連結会計年度に比べ19,850百万円の減収となりました。利益面では、売上総利益において、201,413百万円と前連結会計年度に比べ12,578百万円の減益、営業利益において、26,439百万円と前連結会計年度に比べ12,646百万円の減益、経常利益において、29,168百万円と前連結会計年度に比べ10,192百万円の減益、親会社株主に帰属する当期純利益においては15,834百万円と前連結会計年度に比べ8,222百万円の増益となりました。
① 売上高
売上高は、主力のStaffing SBUでは増収となったものの、Career SBUやAsia Pacific SBUにおいてCOVID-19の影響を大きく受けたことにより、全体として2.0%の減収となりました。
② 売上総利益
売上総利益は、Staffing SBUにおいては、派遣スタッフの有給取得の減少等により増益となりましたが、収益性の高い人材紹介事業を展開するCareer SBUでCOVID-19の影響を受け減収となったこと等により、全体として5.9%の減益となりました。
③ 営業利益
営業利益は、グループ全体でコストコントロールに取り組んだものの、Career SBUで大幅な減益となった結果、全体として32.4%の減益となりました。
④ 経常利益
経常利益は、営業利益の減少により25.9%の減益となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益は減益となりましたが、前連結会計年度は主に海外事業におけるのれんの減損損失や「an」事業の終了に伴う特別損失を約193億円計上した結果、親会社に帰属する当期純利益は108.0%の増益となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ4,953百万円増加し、82,991百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度より8,981百万円増加し、37,574百万円となりました。これは主に、法人税等の支払額が12,473百万円となった一方、税金等調整前当期純利益が28,579百万円、減価償却費が10,785百万円、のれん償却額が6,686百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度より3,554百万円減少し、14,022百万円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出が8,569百万円、有形固定資産の取得による支出が3,666百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度より15,985百万円増加し、17,973百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が10,032百万円、配当金の支払額が6,485百万円となったことによるものであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の主な運転資金需要は、派遣スタッフ及び従業員に対する給与支払いであります。事業構造上、現金及び現金同等物が資産の中で占める割合が高くなっております。短期運転資金は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保する基本方針をふまえて、事業収益から得られる自己資金を基本としており、特に多額の資金が必要となる企業買収等については、安定した財務基盤を活かし、銀行借入、社債発行など最適な資金調達手段を通じて行うことを基本としております。なお、当連結会計年度における現金及び預金の残高は83,161百万円、有利子負債の残高は、62,264百万円となっております。
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大により、足元の業績に影響が生じております。固定資産の減損及び税効果会計等におきましては、今後、2022年3月期の一定期間にわたって当該影響が継続すると仮定し、会計上の見積りを行っております。
(8)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
①業績
当社グループは、日本国内及びアジア・パシフィック(APAC)地域で、人材派遣及び人材紹介を主力として幅広く人材関連サービスを提供しております。
当連結会計年度の国内の事業環境につきましては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大が影響し、日本国内の有効求人倍率(季節調整値)は2021年3月には1.10倍となり、4月からは第4波の懸念も報じられるなど先行き不透明感が強まってきております。当社においては、人材紹介事業では、足許の受注状況等は緩やかな回復基調にありますが、COVID-19感染拡大により、企業は依然として採用に慎重になっており、大きな影響を受けております。APAC地域では、総じて経済は回復基調にあるものの、豪州においては、前連結会計年度に続き、円に対する豪ドル安が進みました。
このような厳しい事業環境の下、主力であるStaffing SBUとProfessional Outsourcing SBUは増収となりましたが、COVID-19感染拡大の影響を受け、主にCareer SBUで売上高が大きく減少したことに加え、「an」事業の終了による減収の結果、当連結会計年度の連結売上高は950,722百万円(前連結会計年度比2.0%減)となりました。一方、利益面では、当社グループの主力事業であるStaffing SBUでは収益性の高いBPO領域の増収も寄与し、増益となりましたが、主に収益性の高い人材紹介事業を展開するCareer SBUでCOVID-19の影響を受けて大幅な減益となったことにより、全体の営業利益は26,439百万円(同32.4%減)となりました。また、経常利益は29,168百万円(同25.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は15,834百万円(同108.0%増)となりました。
セグメントの業績(セグメント間内部取引消去前)は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | ||
| 百万円 | 百万円 | 百万円 | % | ||
| Staffing | 売上高 営業利益 | 510,177 23,869 | 530,240 29,123 | 20,062 5,253 | 3.9 22.0 |
| Career | 売上高 営業利益 | 83,449 13,268 | 59,568 331 | △23,880 △12,936 | △28.6 △97.5 |
| Professional Outsourcing | 売上高 営業利益 | 105,826 6,310 | 113,095 4,028 | 7,268 △2,282 | 6.9 △36.2 |
| Solution | 売上高 営業利益 | 7,012 △1,619 | 5,702 △4,809 | △1,310 △3,190 | △18.7 - |
| Asia Pacific | 売上高 営業利益 | 273,241 △408 | 251,447 △1,520 | △21,794 △1,112 | △8.0 - |
| その他 | 売上高 営業利益 | 10,111 △427 | 11,464 △1,156 | 1,352 △729 | 13.4 - |
| 調整額 | 売上高 営業利益 | △19,246 △1,909 | △20,795 442 | △1,549 2,352 | - - |
| 連結損益計算書 計上額 | 売上高 営業利益 | 970,572 39,085 | 950,722 26,439 | △19,850 △12,646 | △2.0 △32.4 |
(注)上記の売上高のうち、調整額及び連結損益計算書計上額に記載の売上高以外の売上高については、セグメント間内部取引消去額前の金額になります。
a. Staffing SBU
本セグメントは、国内で事務領域を中心に幅広い業種に対応した人材派遣事業に加え、受託請負のBPO(Business Process Outsourcing)、事務職を中心とした人材紹介事業等を展開しています。
当連結会計年度における売上高は、530,240百万円(前連結会計年度比3.9%増)、営業利益は、29,123百万円(同22.0%増)となりました。
売上高は、人材派遣事業では稼働日が前連結会計年度より3営業日増加したことに加え、同一労働同一賃金の対応等に係る請求単価の上昇により、増収となりました。また、BPO領域においてもCOVID-19関連を含め受託案件が増加したことにより、増収に寄与いたしました。営業利益は、人材派遣事業及びBPO領域の増収効果により増益となりました。
b. Career SBU
本セグメントは、顧客企業の正社員の中途採用活動を支援する人材紹介事業、求人メディア事業等を展開しています。
当連結会計年度における売上高は、59,568百万円(前連結会計年度比28.6%減)、営業利益は、331百万円(同97.5%減)となりました。
売上高は、人材紹介事業、求人メディア事業ともに受注は回復傾向にあるものの、COVID-19感染拡大前の水準への回復には時間を要することに加え、「an」事業の終了(2019年11月)により減収となりました。営業利益は、マーケティング費用や人員の再配置による人件費等、継続してコスト削減に取り組んでまいりましたが、減収により大幅な減益となりました。
c. Professional Outsourcing SBU
本セグメントは、IT領域やエンジニアリング領域の製造・開発受託請負事業や技術者を専門とした人材派遣事業を展開しています。
当連結会計年度における売上高は、113,095百万円(前連結会計年度比6.9%増)となり、営業利益は、4,028百万円(同36.2%減)となりました。
売上高は、IT領域が高成長を維持し、またエンジニアリング領域で新卒技術者の配属や、未稼働技術者の配属が進んだ結果、増収となりました。営業利益は、エンジニアリング領域で期末にかけて減少傾向にはあったものの、未稼働技術者が発生したこと、またIT領域で人員の拡充を行ったことにより、売上高人件費率が上昇した結果、減益となりました。
d. Solution SBU
本セグメントは、人材採用、人材管理等のデジタルソリューションサービスの提供やインキュベーションプログラムを通じた新規事業の創出を行っております。
当連結会計年度における売上高は、5,702百万円(前連結会計年度比18.7%減)、営業損失は、4,809百万円(前連結会計年度は営業損失1,619百万円)となりました。
売上高は、事業規模拡大の進捗はあるものの、COVID-19感染拡大による企業の採用意欲の減退傾向や、飲食店への自粛要請等の影響を受けたことにより減収となりました。利益面は、減収に加え、販売促進のために人員拡充等の投資を進めた結果、営業損失となりました。
e. Asia Pacific SBU
本セグメントは、アジア地域で人材派遣事業及び人材紹介事業、豪州においてはStaffing事業及びMaintenance事業を展開しております。(アジア地域では主にPERSOLKELLY、豪州では主にProgrammedのブランドで事業を運営しております。)
当連結会計年度における売上高は、251,447百万円(前連結会計年度比8.0%減)、営業損失は、1,520百万円(前連結会計年度は営業損失408百万円)となりました。
売上高は、シンガポールで人材派遣事業が伸長したことに加え、中国における人材紹介事業や豪州のブルーカラー派遣事業に回復が見られたものの、その他アジア地域におけるCOVID-19の感染拡大による経済の低迷からの回復の遅れもあり、また豪ドル安の影響を受けたことから減収となりました。利益面は、豪州事業の統合によりコスト構造が改善したものの、減収により営業損失となりました。
②新型コロナウイルス(COVID-19)の影響について
日本では、2020年後半にはCOVID-19感染拡大による景況感の悪化に歯止めがかかりつつありましたが、2021年の年初より緊急事態宣言が再び発出され、4月からは第4波の懸念も報じられるなど先行き不透明感が強まってきております。APAC地域では、シンガポールや中国をはじめとした大半の地域では、総じて経済は回復傾向にあります。
当社グループの国内事業につきましては、人材派遣事業では、マーケティング領域において、店舗の営業時間短縮や人員の削減等の影響を受け、稼働者数が減少した一方、主力の事務領域は、契約終了数の減少や期末にかけての受注の回復もあり稼働者数は前連結会計年度に比べ、若干の減少にとどまっております。またBPO領域は、リモートワークを含めたCOVID-19下でのはたらき方が浸透したことから、アウトソーシングの需要の高まりを受け新規案件が増加しております。人材紹介事業においても、受注は回復傾向にあります。
海外事業につきましては、当社の主力地域のシンガポールでの人材派遣事業や中国における人材紹介事業を中心に総じて回復基調にあります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、Staffing、Career、Professional Outsourcing、Solution、Asia Pacific等のセグメント区分にて国内及びAPAC地域において人材関連事業を行っており、提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、省略しております。
b.受注実績
生産実績の記載と同様に、受注状況の記載に馴染まないため省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |||
| 売上高 (百万円) | 構成比 (%) | 前年同期比増減 (%) | ||
| Staffing | 526,961 | 55.4 | 3.9 | |
| Career | 58,946 | 6.2 | △28.5 | |
| Professional Outsourcing | 102,885 | 10.8 | 6.5 | |
| Solution | 5,187 | 0.5 | △12.7 | |
| Asia Pacific | 251,444 | 26.4 | △8.0 | |
| 全社及びその他の事業 | 5,295 | 0.7 | △2.8 | |
| 合 計 | 950,722 | 100.0 | △2.0 | |
(注)1.セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ12,422百万円増加し、383,416百万円となりました。流動資産は13,393百万円増加し、236,943百万円となりました。これは主に、現金及び預金が4,913百万円及び受取手形及び売掛金が4,476百万円増加したことによるものであります。
固定資産は971百万円減少し、146,472百万円となりました。これは主に、投資有価証券が3,197百万円増加した一方、のれんが5,811百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,170百万円増加し、208,258百万円となりました。流動負債は5,525百万円増加し、145,577百万円となりました。1年内返済予定の長期借入金が9,968百万円及び短期借入金が4,696百万円減少した一方、1年内償還予定の社債が10,000百万円、未払金が4,325百万円及び賞与引当金が2,721百万円増加したことによるものであります。
固定負債は4,355百万円減少し、62,680百万円となりました。これは主に長期借入金が5,901百万円増加した一方、社債が10,000百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ11,251百万円増加し、175,158百万円となりました。これは主に、剰余金の配当6,485百万円を行ったことや、親会社株主に帰属する当期純利益15,834百万円の計上等により、利益剰余金が9,349百万円、その他有価証券評価差額金が1,879百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、財務指標としては、流動比率が前連結会計年度末の159.6%から162.8%に上昇し、自己資本比率が前連結会計年度末の39.9%から41.0%に上昇いたしました。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 総資産当期純利益率(ROA) | 2.3% | 4.6% |
| 自己資本当期純利益率(ROE) | 5.0% | 10.4% |
| 売上高営業利益率 | 4.0% | 2.8% |
| 売上高経常利益率 | 4.1% | 3.1% |
| 流動比率 | 159.6% | 162.8% |
| 固定比率 | 99.7% | 93.2% |
| 自己資本比率 | 39.9% | 41.0% |
| ROIC | 13.8% | 9.4% |
| D/Eレシオ(有利子負債/自己資本) | 0.48 | 0.40 |
| Net cash/EBITDA倍率 | 0.12 | 0.47 |
| 総資産 | 370,993百万円 | 383,416百万円 |
| 自己資本 | 147,850百万円 | 157,122百万円 |
| 投下資本 | 234,935百万円 | 244,109百万円 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 78,037百万円 | 82,991百万円 |
(3)経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は、950,722百万円と前連結会計年度に比べ19,850百万円の減収となりました。利益面では、売上総利益において、201,413百万円と前連結会計年度に比べ12,578百万円の減益、営業利益において、26,439百万円と前連結会計年度に比べ12,646百万円の減益、経常利益において、29,168百万円と前連結会計年度に比べ10,192百万円の減益、親会社株主に帰属する当期純利益においては15,834百万円と前連結会計年度に比べ8,222百万円の増益となりました。
① 売上高
売上高は、主力のStaffing SBUでは増収となったものの、Career SBUやAsia Pacific SBUにおいてCOVID-19の影響を大きく受けたことにより、全体として2.0%の減収となりました。
② 売上総利益
売上総利益は、Staffing SBUにおいては、派遣スタッフの有給取得の減少等により増益となりましたが、収益性の高い人材紹介事業を展開するCareer SBUでCOVID-19の影響を受け減収となったこと等により、全体として5.9%の減益となりました。
③ 営業利益
営業利益は、グループ全体でコストコントロールに取り組んだものの、Career SBUで大幅な減益となった結果、全体として32.4%の減益となりました。
④ 経常利益
経常利益は、営業利益の減少により25.9%の減益となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益は減益となりましたが、前連結会計年度は主に海外事業におけるのれんの減損損失や「an」事業の終了に伴う特別損失を約193億円計上した結果、親会社に帰属する当期純利益は108.0%の増益となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ4,953百万円増加し、82,991百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度より8,981百万円増加し、37,574百万円となりました。これは主に、法人税等の支払額が12,473百万円となった一方、税金等調整前当期純利益が28,579百万円、減価償却費が10,785百万円、のれん償却額が6,686百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度より3,554百万円減少し、14,022百万円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出が8,569百万円、有形固定資産の取得による支出が3,666百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度より15,985百万円増加し、17,973百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が10,032百万円、配当金の支払額が6,485百万円となったことによるものであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の主な運転資金需要は、派遣スタッフ及び従業員に対する給与支払いであります。事業構造上、現金及び現金同等物が資産の中で占める割合が高くなっております。短期運転資金は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保する基本方針をふまえて、事業収益から得られる自己資金を基本としており、特に多額の資金が必要となる企業買収等については、安定した財務基盤を活かし、銀行借入、社債発行など最適な資金調達手段を通じて行うことを基本としております。なお、当連結会計年度における現金及び預金の残高は83,161百万円、有利子負債の残高は、62,264百万円となっております。
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大により、足元の業績に影響が生じております。固定資産の減損及び税効果会計等におきましては、今後、2022年3月期の一定期間にわたって当該影響が継続すると仮定し、会計上の見積りを行っております。
(8)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。