四半期報告書-第15期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/09 14:50
【資料】
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【項目】
42項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、世界的に蔓延している新型コロナウィルス感染症(以下「感染症」という)の影響により依然として厳しい状況が続いております。景気は、2020年5月の緊急事態解除宣言以降、個人消費を中心に持ち直しの動きがみられたものの、7月から再度感染者数が増加したことにより、依然先行きが不透明な状況が続いております。
物流業界におきましては、感染症の影響が継続する中、テレワークの推進など企業による働き方の変化や、消費者のライフスタイルの変化によりeコマース市場は拡大を続け、宅配便の需要は増加しております。
当社グループにおきましては、2020年3月期から2022年3月期までの中期経営計画「Second Stage 2021」の2年目として、進化する物流ソリューションの提供を目的としたグループ横断の先進的ロジスティクスプロジェクトチーム「GOAL(Go Advanced Logistics)」(以下「GOAL」という)による営業推進を継続しております。
このような状況のもと、当社グループの中核事業であるデリバリー事業におきましては、増加する宅配便ニーズに対応するため、ドライバーの商業エリアから住宅エリアへの配置転換、幹線輸送の効率化及びラストワンマイルの配達強化に取り組み、環境の変化に柔軟に対応してまいりました。また、お客様に安全かつ安定的なサービスを提供するため、従業員や協力会社への感染症予防対策として定期的な検温や消毒などを実施いたしました。ロジスティクス事業におきましては、海外における個人用防護具の緊急国際輸送が増加いたしました。不動産事業におきましては、計画どおり保有不動産を売却いたしました。その他の事業におきましては、代引決済が増加いたしましたが、自動車販売が減少いたしました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
イ.財政状態
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は2,873億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ164億50百万円増加いたしました。主な要因は、営業収益の増加により受取手形及び営業未収金が137億76百万円、現金及び預金が120億7百万円それぞれ増加した一方で、保有不動産の売却等により販売用不動産が81億30百万円減少したことによるものであります。固定資産は4,627億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ391億24百万円減少いたしました。主な要因は、日立物流株式の一部売却等により投資有価証券が509億87百万円減少した一方で、設備投資の実行により建設仮勘定が109億57百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は7,500億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ226億73百万円減少いたしました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は2,321億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ212億52百万円増加いたしました。主な要因は、未払法人税等が85億36百万円、賞与引当金が80億66百万円、1年内返済予定の長期借入金が36億83百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は1,442億95百万円となり、前連結会計年度末に比べ55億38百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金の新規調達等により有利子負債が50億40百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は3,764億52百万円となり、前連結会計年度末に比べ267億90百万円増加いたしました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は3,736億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ494億64百万円減少いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益が372億93百万円となった一方で、佐川急便株式の追加取得により資本剰余金が408億32百万円、非支配株主持分が339億2百万円それぞれ減少したことに加え、剰余金の配当69億87百万円を実施したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は49.1%となり、前連結会計年度末に比べ0.6ポイント低下いたしました。
なお、2020年3月31日に行われた上海虹迪物流科技有限公司との企業結合について、当第2四半期連結会計期間に確定したため、財政状態については、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いて前連結会計年度末との比較・分析を行っております。
ロ.経営成績
(営業収益)
デリバリー事業におきましては、eコマース市場の拡大を受けBtoCの取扱個数が増加し、ロジスティクス事業におきましては、海外における個人用防護具の緊急国際輸送を継続的に受託したことによりフレイトフォワーディングの物量が増加いたしました。また、不動産事業におきましては、計画的に保有不動産を売却いたしました。
この結果、営業収益は6,348億46百万円となり、前年同四半期に比べ8.0%増加となりました。
(営業原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
デリバリー事業を中心に、ドライバーの商業エリアから住宅エリアへの配置転換、幹線輸送の効率化及びラストワンマイルの配達強化に取り組みました。また、幹線輸送の積載効率等、生産性向上の取組みに加え、在宅率上昇の影響を受け配達効率も向上いたしました。
この結果、営業原価は5,602億63百万円(前年同四半期比6.1%増)、販売費及び一般管理費は220億89百万円(同1.6%減)、営業利益は524億94百万円(同41.1%増)となり、営業利益率は8.3%となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、持分法による投資利益の計上等により15億47百万円(前年同四半期比48.5%減)となりました。営業外費用は、支払利息の計上等により12億64百万円(同1.1%減)となりました。
この結果、経常利益は527億77百万円となり、前年同四半期に比べ35.6%増加となりました。
(特別損益、税金等調整前四半期純利益)
特別利益は、投資有価証券売却益の計上等により113億78百万円(前年同四半期は24百万円)となりました。特別損失は、減損損失の計上等により17億67百万円(前年同四半期比112.3%増)となりました。
この結果、税金等調整前四半期純利益は623億88百万円となり、前年同四半期に比べ63.7%増加となりました。
(親会社株主に帰属する四半期純利益)
法人税等200億50百万円(前年同四半期比54.0%増)、非支配株主に帰属する四半期純利益50億43百万円(同60.2%増)を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は372億93百万円となり、前年同四半期に比べ69.9%増加となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・デリバリー事業
主要な商品の取扱個数は、次のとおりであります。
商品の名称前第2四半期連結累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年9月30日)
当第2四半期連結累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年9月30日)
増減増減率
(%)
取扱個数(百万個)656686294.5
飛脚宅配便(百万個)627659325.1
その他(百万個)2927△2△7.9

(注)1.取扱個数は、当社グループの主要商品の取扱個数であります。
2.飛脚宅配便は、佐川急便が国土交通省に届け出ている宅配便の個数であります。
3.その他は、佐川急便の提供する飛脚ラージサイズ宅配便及びその他の会社の取扱個数であります。
デリバリー事業におきましては、継続的な感染症の影響により当第2四半期連結累計期間の取扱個数は増加(前年同四半期比4.5%増)いたしました。そのうち、BtoBの取扱個数は、経済活動が再開したことにより持ち直しの動きが見られるものの、減少いたしました。一方、BtoCの取扱個数は、働き方や消費者のライフスタイルの変化によるeコマース市場の拡大を受け増加いたしました。平均単価は、適正運賃収受の取組みを継続しているものの、相対的にサイズの小さいBtoCの取引が増加したことにより微増となりました。また、「TMS(Transportation Management System)」をはじめとする「GOAL」の営業活動、並びに幹線輸送の積載率向上などの生産性向上に取り組みました。
この結果、当第2四半期連結累計期間における当セグメントの営業収益は4,925億29百万円(同3.9%増)、営業利益は336億78百万円(同26.4%増)となりました。
・ロジスティクス事業
ロジスティクス事業におきましては、海外における個人用防護具の緊急国際輸送を2020年6月以降継続的に受託したことにより、フレイトフォワーディングの物量が増加いたしました。また、感染症拡大によるロックダウンの影響で減少していた物量も持ち直しました。
この結果、当第2四半期連結累計期間における当セグメントの営業収益は899億97百万円(前年同四半期比34.4%増)、営業利益は63億57百万円(同392.9%増)となりました。
・不動産事業
不動産事業におきましては、計画的に保有不動産を売却いたしました。
この結果、当第2四半期連結累計期間における当セグメントの営業収益は190億98百万円(前年同四半期比51.8%増)、営業利益は95億13百万円(同70.8%増)となりました。
・その他
その他の事業におきましては、BtoC荷物が増加したことにより代引決済が増加いたしましたが、自動車販売が減少いたしました。
この結果、当第2四半期連結累計期間における当セグメントの営業収益は332億21百万円(前年同四半期比2.9%減)、営業利益は19億10百万円(同37.2%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より120億7百万円増加し、807億14百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得た資金は653億90百万円(前年同四半期比487.6%増)となりました。
主な要因は、収入要因として税金等調整前四半期純利益の計上623億88百万円、減価償却費の計上126億28百万円を計上した一方で、支出要因として売上債権の増加額139億65百万円を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得た資金は388億49百万円(前年同四半期は313億11百万円の支出)となりました。
主な要因は、収入要因として関係会社株式の売却による収入697億54百万円を計上した一方で、支出要因として有形固定資産の取得による支出235億83百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得に対する前期未払分の支払による支出38億14百万円を計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は920億97百万円(前年同四半期は163億2百万円の支出)となりました。
主な要因は、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出876億70百万円を計上したことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動における運転資金については、原則として手持資金(利益等の内部留保資金)で賄っております。設備資金等については、手持資金とのバランスを勘案し、必要に応じて長期借入金で調達しております。
当社グループは、当社及び国内子会社を対象に、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を利用し、グループ内資金の包括的管理を実施しており、国内子会社において、設備投資等に伴う大規模な資金が必要となる場合は、当社が国内各子会社に貸付又は増資引受けを行っております。
また、海外子会社においては、当社が、投資計画・資金計画に基づいて貸付又は増資引受けを行い、地域に所在する海外各子会社の資金を管理する体制としております。なお、EXPOLANKA HOLDINGS PLC及び上海虹迪物流科技有限公司においては、資金調達の一部を金融機関から直接行っております。
当連結会計年度は、感染症拡大による経済への影響を考慮し、財務安全性確保を目的として、金融機関より総額500億円の当座貸越及びコミットメントラインを新たに設定し、機動的に資金調達ができる環境を整えております。