四半期報告書-第17期第2四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)

【提出】
2022/11/09 15:00
【資料】
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【項目】
38項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という)による経済社会活動の制限が緩和される中、景気に持ち直しの動きがみられました。一方で、物価上昇や為替相場での円安の加速などにより、先行きは依然として不透明な状況が続いております。世界に目を向けると、インフレの進行や地政学リスクの拡大、金融引き締めなどを背景に一部で成長の減速が見られるなど、不確実性がより高まっております。
物流業界におきましては、コロナ禍を契機とした新たな生活様式の定着化が進み、eコマース(以下「EC」という)市場は巣ごもり消費以降も引き続き成長しており、小型貨物を中心に宅配便に対する高い需要は継続しております。また、フレイト・フォワーディング市場では、感染症拡大に端を発した世界的なサプライチェーンの混乱は収束しつつあり、海上・航空運賃については前第3四半期連結会計期間をピークに正常化に向かっているものの、先行きが不透明な状況は依然として続いております。
当社グループにおきましては、2023年3月期から2025年3月期までの中期経営計画「SGH Story 2024」の初年度として、総合物流ソリューションの高度化を推し進め、グループ横断の先進的ロジスティクスプロジェクトチーム「GOAL(GO Advanced Logistics)」(以下「GOAL」という)を中心に、脱炭素をはじめとした社会・環境課題解決に向けたサービスや、宅配便以外の付加価値を提供するソリューション「TMS(Transportation Management System)」(以下「TMS」という)などの提案営業を積極的に行ってまいりました。
このような状況のもと、当社グループの中核事業であるデリバリー事業におきましては、経済社会活動の制限緩和やEC市場規模の拡大等を背景に、宅配便の取扱個数は堅調に推移いたしました。また、「GOAL」を中心とした積極的な営業活動により、「TMS」も堅調に推移いたしました。ロジスティクス事業におきましては、物価上昇や金融引き締めなどを背景とした景気後退懸念、米国での消費財を中心とした在庫過多等の影響により、海上・航空貨物ともに取扱量は減少いたしました。また、海上・航空運賃についてもサプライチェーンの混乱が収束に向かう中で正常化しつつあります。不動産事業におきましては、前連結会計年度に実施した物件売却の影響もあり賃貸料収入は減少いたしましたが、計画どおり進捗しております。その他の事業におきましては、「GOAL」でのトータルロジスティクス提案による物流IT案件の取引が増加したものの、半導体不足等の影響により新車販売が減少いたしました。なお、当第2四半期連結会計期間において政策保有株式の保有水準適正化を目的として、当社の保有する株式会社日立物流の株式を一部売却いたしました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
イ.財政状態
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は3,711億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ184億88百万円減少いたしました。主な要因は、受取手形、営業未収金及び契約資産が209億94百万円、前払金の減少等によりその他流動資産が21億84百万円それぞれ減少した一方で、現金及び預金が64億29百万円増加したことによるものであります。固定資産は5,295億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億36百万円減少いたしました。主な要因は、繰延税金資産が79億33百万円、リース資産(有形固定資産)が13億96百万円それぞれ減少した一方で、工具、器具及び備品の増加等によりその他有形固定資産が38億74百万円、建物及び構築物が20億95百万円、車両運搬具が12億45百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、総資産は9,007億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ210億24百万円減少いたしました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は2,305億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ473億20百万円減少いたしました。主な要因は、短期借入金が189億16百万円、支払手形及び営業未払金が134億3百万円、未払法人税等が70億10百万円、預り金が34億65百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は1,176億円となり、前連結会計年度末に比べ144億36百万円減少いたしました。主な要因は、長期借入金の返済等により有利子負債が87億15百万円、繰延税金負債の減少等によりその他固定負債が61億73百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は3,481億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ617億57百万円減少いたしました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は5,526億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ407億32百万円増加いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益が519億44百万円、為替換算調整勘定が81億51百万円それぞれ増加となった一方で、剰余金の配当190億57百万円を実施したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は59.5%となり、前連結会計年度末に比べ5.7ポイント上昇いたしました。
ロ.経営成績
(営業収益)
デリバリー事業におきましては、経済活動の制限緩和やEC市場規模の拡大等を背景に、宅配便の取扱個数は堅調に推移いたしました。また、「TMS」も「GOAL」による提案営業の成果として、引き続き堅調に推移いたしました。ロジスティクス事業におきましては、海上・航空貨物の取扱量が軟調に推移した一方で、「GOAL」での包括的なソリューション提案活動により新規案件を受託するなど、堅調に推移いたしました。
この結果、営業収益は7,513億12百万円となり、前年同四半期に比べ3.5%の増加となりました。
(営業原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
デリバリー事業を中心に、各種デジタライゼーションの推進など、品質や生産性の向上に向けた取組みを継続して行ってまいりました。
この結果、営業原価は6,566億11百万円(前年同四半期比2.2%増)、販売費及び一般管理費は305億55百万円(同24.3%増)、営業利益は641億44百万円(同9.0%増)となり、営業利益率は8.5%となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、為替差益の計上等により32億76百万円(前年同四半期比191.8%増)となりました。営業外費用は、支払利息の計上等により8億77百万円(同23.5%減)となりました。
この結果、経常利益は665億44百万円となり、前年同四半期に比べ13.1%の増加となりました。
(特別損益、税金等調整前四半期純利益)
特別利益は、投資有価証券売却益の計上等により116億79百万円(前年同四半期比526.8%増)となりました。特別損失は、固定資産除却損の計上等により1億35百万円(同67.7%減)となりました。
この結果、税金等調整前四半期純利益は780億88百万円となり、前年同四半期に比べ29.6%の増加となりました。
(親会社株主に帰属する四半期純利益)
法人税等233億17百万円(前年同四半期比30.5%増)、非支配株主に帰属する四半期純利益28億25百万円(同9.2%増)を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は519億44百万円となり、前年同四半期に比べ30.4%の増加となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・デリバリー事業
主要な商品の取扱個数は、次のとおりであります。
商品の名称前第2四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年9月30日)
当第2四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年9月30日)
増減増減率
(%)
取扱個数(百万個)69169981.2
飛脚宅配便(百万個)66367391.5
その他(百万個)2725△1△5.4

(注)1.取扱個数は、当社グループの主要商品の取扱個数であります。
2.飛脚宅配便は、佐川急便株式会社が国土交通省に届け出ている宅配便の個数であります。
3.その他は、佐川急便株式会社の提供する飛脚ラージサイズ宅配便及びその他の会社の取扱個数であります。
デリバリー事業におきましては、経済社会活動の制限緩和やEC市場規模の拡大等を背景に、BtoB・BtoCの荷物はともに堅調に推移いたしました。平均単価は、適正運賃収受の取組みを継続しているものの、大型荷物の取扱いが減少した影響により、わずかに低下いたしました。また、「TMS」は「GOAL」による提案営業の成果として、引き続き堅調に推移いたしました。さらに、各種デジタライゼーションの推進など、生産性向上の取組みも継続して行ってまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間における当セグメントの営業収益は5,174億77百万円(前年同四半期比2.0%増)、営業利益は438億66百万円(同15.5%増)となりました。
・ロジスティクス事業
ロジスティクス事業の国際輸送におきましては、海上・航空運賃ともに前第3四半期連結会計期間をピークに正常化しつつあります。海上・航空貨物の取扱量につきましては、物価上昇や金融引き締めなどを背景とした景気後退懸念、米国での消費財を中心とした在庫過多等の影響もあり軟調に推移いたしました。一方、国内におきましては、「GOAL」による包括的なソリューション提案等により、新規案件を受託するなど堅調に推移いたしました。
この結果、当第2四半期連結累計期間における当セグメントの営業収益は2,045億42百万円(前年同四半期比10.3%増)、営業利益は145億16百万円(同1.6%減)となりました。
・不動産事業
不動産事業におきましては、前連結会計年度に実施した物件売却の影響もあり賃貸料収入は減少いたしましたが、計画どおり進捗しております。
この結果、当第2四半期連結累計期間における当セグメントの営業収益は36億72百万円(前年同四半期比3.3%減)、営業利益は20億9百万円(同19.6%減)となりました。
・その他
その他の事業におきましては、「GOAL」でのトータルロジスティクス提案による物流IT案件の取引が増加したものの、半導体不足等の影響により新車販売が減少いたしました。
この結果、当第2四半期連結累計期間における当セグメントの営業収益は256億20百万円(前年同四半期比13.2%減)、営業利益は25億22百万円(同2.9%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より64億29百万円増加し、938億27百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得た資金は651億27百万円(前年同四半期は30億41百万円の支出)となりました。
主な要因は、収入要因として税金等調整前四半期純利益780億88百万円、売上債権の減少額338億38百万円をそれぞれ計上した一方で、支出要因として法人税等の支払額316億36百万円、仕入債務の減少額169億72百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得た資金は28億52百万円(前年同四半期は91億96百万円の支出)となりました。
主な要因は、収入要因として投資有価証券の売却による収入170億74百万円を計上した一方で、支出要因として有形固定資産の取得による支出102億56百万円、無形固定資産の取得による支出35億17百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は655億43百万円(前年同四半期は38億9百万円の収入)となりました。
主な要因は、支出要因として短期借入金の純減額223億83百万円、配当金の支払額190億58百万円、長期借入金の返済による支出118億54百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動における運転資金については、原則として手持資金(利益等の内部留保資金)で賄っております。設備資金等については、手持資金とのバランスを勘案し、必要に応じて長期借入金で調達しております。
当社グループは、当社及び国内子会社を対象に、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を利用し、グループ内資金の包括的管理を実施しており、国内子会社において、設備投資等に伴う大規模な資金が必要となる場合は、当社が国内各子会社に長期貸付を行っております。
海外子会社においては、当社が、投資計画・資金計画に基づいて貸付又は増資引受けを行い、地域に所在する海外各子会社の資金を管理する体制としております。また、各種外貨への対応として、金融機関からの外貨建貸越極度枠を設定しております。なお、当社の連結子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS PLC及び上海虹迪物流科技有限公司においては、資金調達の一部を金融機関から直接行っております。