半期報告書-第19期(2024/04/01-2025/03/31)
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、一部では弱さも見られるものの、企業収益の改善や設備投資に持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調にあります。しかしながら、資源価格の上昇や急激な為替変動のほか、米国や中国の経済成長鈍化による世界的な景気後退懸念や地政学リスクの拡大など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
物流業界におきましては、賃上げの定着及び、政府の経済対策の効果発現などが個人消費を下支えすることにより、荷動きが回復すると期待されております。当中間連結会計期間におきましては、実質賃金のプラス基調は定着しておらず、消費者マインドの改善にも足踏みが見られます。これを背景に、宅配便の需要については、全体的な回復には至っておらず、競争環境の激化も見られます。また、2024年4月から適用された自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制への対応、継続的な物価・人件費等のコスト上昇など、不安定な事業環境が継続しております。国際物流市場では、紅海・スエズ運河通航回避による海上輸送から航空輸送へのシフト等の地政学リスクなど、海上・航空貨物の需要及び運賃の動向については不確実性が高まっております。
当社グループにおきましては、2023年3月期から2025年3月期までの中期経営計画「SGH Story 2024」の最終年度として、引き続き、総合物流ソリューションの高度化を推し進め、グループ横断の先進的ロジスティクスプロジェクトチーム「GOAL(GO Advanced Logistics)」(以下「GOAL」という)を中心に、宅配便以外の付加価値を提供するソリューション「TMS(Transportation Management System)」(以下「TMS」という)など、提案営業を積極的に行ってまいりました。また、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、再生可能エネルギーの活用や環境に配慮した物流施設の開発等、当社グループのGHG排出量を削減することにとどまらず、お客さまのサプライチェーン全体の環境負荷低減に貢献する物流サービスの提供も進めております。当連結会計年度におきましては、持続的な成長に向けて、特に①成長領域への進出や新規事業拡大など成長基盤の構築、②パートナー企業への委託単価の引き上げなどの社内外リソースの維持・確保、③省人化・自動化投資や適正運賃収受の取組みの継続など事業を持続的に支えるコスト構造の再構築、の3点を強化ポイントとして各種施策に取り組んでおります。こうした成長戦略の一環として、2024年7月に低温物流に強みを持つ株式会社C&Fロジホールディングス(以下「C&F社」という)株式の過半数を、株式公開買付けを通じて取得いたしました。C&F社が当社グループの傘下に入ることにより、当社グループが持つラストワンマイルの機能と、C&F社が持つサプライチェーンの上流から中流の低温物流機能を組み合わせた、国内屈指のコールドチェーンを創出することが可能となります。また、両社はすでにPMI体制を構築し、双方トップが参画するステアリングコミッティーを中心に検討テーマごとのキーパーソン同士でシナジー創出に向けて活動を開始しております。両社の強みを掛け合わせてシナジーを創出し、総合物流ソリューションの高度化を図ってまいります。
このような状況のもと、当社グループの中核事業であるデリバリー事業におきましては、物価高を背景に消費者マインドの改善に足踏みが見られることや、競争環境が激しくなっていること等の影響を受け、宅配便の取扱個数は減少いたしました。一方で、2024年4月からの届出運賃の改定や、取引ごとの適正運賃収受の取組みにより、平均単価は上昇いたしました。ロジスティクス事業におきましては、紅海・スエズ運河の通航回避による海上輸送の混乱やそれに伴う航空輸送へのシフトに加え、北米東岸の港湾労使交渉の難航懸念に起因する海上輸送の出荷前倒し等を背景に、海上・航空運賃は上昇いたしました。海上・航空貨物の取扱量は、上記の影響や新規顧客の獲得等により好調に推移いたしました。また、2024年9月には、当社の連結子会社であり、スリランカの物流企業であるEXPOLANKA HOLDINGS PLC(現:EXPOLANKA HOLDINGS Limited)の非上場化手続が完了いたしました。今後、国際輸送ビジネスにおける最適なガバナンス体制の構築やグループ間連携の一層の強化等に向けて取組みを行ってまいります。
この結果、当中間連結会計期間の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
イ.財政状態
資産及び負債は、当中間連結会計期間においてC&F社を新たに連結子会社としたことによる影響でそれぞれ大幅に増加しております。
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は3,907億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ66億7百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金が156億68百万円、販売用不動産が96億69百万円それぞれ減少した一方で、受取手形、営業未収金及び契約資産が179億28百万円増加したことによるものであります。固定資産は6,401億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,405億17百万円増加いたしました。主な要因は、のれんが636億52百万円、建物及び構築物が271億93百万円、土地が212億3百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、総資産は1兆309億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,339億10百万円増加いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は3,409億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,226億94百万円増加いたしました。主な要因は、短期借入金が1,119億56百万円増加したことによるものであります。固定負債は1,187億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ302億94百万円増加いたしました。主な要因は、有利子負債が206億36百万円、退職給付に係る負債が64億75百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は4,597億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,529億89百万円増加いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は5,711億82百万円となり、前連結会計年度末に比べ190億79百万円減少いたしました。主な要因は、子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS Limited株式の追加取得に伴う利益剰余金239億49百万円の減少の他、為替換算調整勘定40億48百万円の減少に加え、剰余金の配当156億36百万円を実施した一方で、親会社株主に帰属する中間純利益を254億91百万円計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は54.3%となり、前連結会計年度末に比べ10.1ポイント低下いたしました。
ロ.経営成績
前第3四半期連結会計期間において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前年同中間期との比較・分析に当たっては、当該見直し反映後の金額によっております。
また、新規連結いたしましたC&F社の連結業績への影響は、第3四半期連結会計期間以降となります。
(営業収益)
デリバリー事業におきましては、物価高を背景に消費者マインドの改善に足踏みが見られることや、競争環境が激しくなっていること等の影響を受け、宅配便の取扱個数は減少したものの、届出運賃の改定や適正運賃収受の取組みにより、平均単価は上昇いたしました。ロジスティクス事業におきましては、紅海・スエズ運河の通航回避による海上輸送の混乱やそれに伴う航空輸送へのシフトに加え、北米東岸の港湾労使交渉の難航懸念に起因する海上輸送の出荷前倒し等を背景に、海上・航空運賃は上昇いたしました。海上・航空貨物の取扱量は、上記の影響や新規顧客の獲得等により好調に推移いたしました。さらに、不動産事業において、保有不動産を売却いたしました。
この結果、営業収益は7,080億29百万円となり、前年同中間期に比べ10.0%の増加となりました。
(営業原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
デリバリー事業の営業費用におきましては、期初からパートナー企業への委託単価の引き上げを実施した一方、宅配便の取扱個数減少に応じたコストコントロールにより、全体では減少いたしました。また、ロジスティクス事業におきましては、営業収益の増加に伴い営業費用が増加いたしました。さらに、不動産事業において、保有不動産の売却に伴い不動産販売原価が増加いたしました。
この結果、営業原価は6,354億55百万円(前年同中間期比10.8%増)、販売費及び一般管理費は334億46百万円(同7.2%増)、営業利益は391億27百万円(同0.7%増)となり、営業利益率は5.5%となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、受取利息の計上等により13億96百万円(前年同中間期比4.9%減)となりました。営業外費用は、支払利息の計上等により17億83百万円(同98.7%増)となりました。
この結果、経常利益は387億40百万円となり、前年同中間期に比べ1.8%の減少となりました。
(特別損益、税金等調整前中間純利益)
特別利益は、固定資産売却益の計上により4億19百万円(前年同中間期比202.9%増)となりました。特別損失は、固定資産売却損の計上等により1億4百万円(同39.3%増)となりました。
この結果、税金等調整前中間純利益は390億55百万円となり、前年同中間期に比べ1.1%の減少となりました。
(親会社株主に帰属する中間純利益)
法人税等135億91百万円(前年同中間期比6.6%減)、非支配株主に帰属する中間純損失27百万円(前年同中間期は非支配株主に帰属する中間純損失5億34百万円)を計上した結果、親会社株主に帰属する中間純利益は254億91百万円となり、前年同中間期に比べ9百万円増加となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・デリバリー事業
主要な商品の取扱個数は、次のとおりであります。
(注)1.取扱個数は、当社グループの主要商品の取扱個数であります。
2.飛脚宅配便は、佐川急便株式会社が国土交通省に届け出ている宅配便の個数であります。
3.その他は、佐川急便株式会社の提供する飛脚ラージサイズ宅配便及びその他の会社の取扱個数であります。
デリバリー事業におきましては、物価高を背景に消費者マインドの改善に足踏みが見られることや、競争環境が激しくなっていること等の影響を受け、BtoB・BtoCともに取扱個数が減少いたしました。平均単価は、2024年4月からの届出運賃の改定や、取引ごとの適正運賃収受の取組みを継続したことにより上昇いたしました。「TMS」については、「GOAL」による提案営業の活動等により、前年同中間期を上回って推移いたしました。費用面に関しては、取扱個数に応じてコストコントロールを行っておりますが、期初からのパートナー企業への委託単価の引き上げなど、持続的・安定的なサービス提供のためのリソース確保に係る費用が増加傾向にあります。このような中、2024年9月から、従来の「指定場所配送サービス」の内容を拡大し、お客さまが当社Webサービスのスマートクラブ及び当社LINE公式アカウントを通じて、荷物の受取方法として置き配を選択できるサービスを開始するなど、利便性や、生産性の向上への取組みも継続して行ってまいりました。
この結果、当中間連結会計期間における当セグメントの営業収益は5,004億2百万円(前年同中間期比0.9%減)、営業利益は294億76百万円(同14.6%減)となりました。
・ロジスティクス事業
ロジスティクス事業におきましては、紅海・スエズ運河の通航回避による海上輸送の混乱やそれに伴う航空輸送へのシフトに加え、北米東岸の港湾労使交渉の難航懸念に起因する海上輸送の出荷前倒し等を背景に、海上・航空運賃は上昇いたしました。また、海上・航空貨物の取扱量は、上記の影響や新規顧客の獲得等により好調に推移いたしました。
この結果、当中間連結会計期間における当セグメントの営業収益は1,661億93百万円(前年同中間期比56.3%増)、営業利益は34億57百万円(前年同中間期は営業損失14億39百万円)となりました。
・不動産事業
不動産事業におきましては、保有不動産を売却いたしました。
この結果、当中間連結会計期間における当セグメントの営業収益は161億23百万円(前年同中間期比322.7%増)、営業利益は53億73百万円(同132.6%増)となりました。
・その他
その他の事業におきましては、BPO案件の減少のほか、大型トラック等の新車販売が減少いたしました。
この結果、当中間連結会計期間における当セグメントの営業収益は253億9百万円(前年同中間期比10.6%減)、営業利益は11億28百万円(同51.3%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より156億68百万円減少し、1,315億98百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得た資金は519億91百万円(前年同中間期比105.4%増)となりました。
主な要因は、収入要因として税金等調整前中間純利益390億55百万円、減価償却費178億55百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は1,092億6百万円(前年同中間期は255億13百万円の支出)となりました。
主な要因は、支出要因としてC&F社株式の取得に係る連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出925億92百万円、有形固定資産の取得による支出141億40百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得た資金は425億82百万円(前年同中間期は469億72百万円の支出)となりました。
主な要因は、収入要因として短期借入金の純増額1,113億51百万円を、支出要因としてEXPOLANKA HOLDINGS Limited株式の取得に係る連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出334億58百万円、配当金の支払額156億36百万円、長期借入金の返済による支出154億89百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動における運転資金については、原則として手持資金(利益等の内部留保資金)で賄っております。設備資金等については、手持資金とのバランスを勘案し、必要に応じて外部から長期借入金で調達しております。
当社グループは、当社及び国内子会社を対象に、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を利用し、グループ内資金の包括的管理を実施しており、国内子会社において、設備投資等に伴う大規模な資金が必要となる場合は、当社が国内各子会社に長期貸付を行っております。
海外子会社においては、当社が、投資計画・資金計画に基づいて貸付又は増資引き受けを行い、地域に所在する海外各子会社の資金を管理する体制としております。また、外貨資金需要への機動的な対応と調達手段の多様化を目的として、金融機関との間に外貨建の借入枠を設定しております。なお、当社の連結子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS Limited及び上海虹迪物流科技有限公司においては、資金調達の一部を金融機関から直接行っております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、一部では弱さも見られるものの、企業収益の改善や設備投資に持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調にあります。しかしながら、資源価格の上昇や急激な為替変動のほか、米国や中国の経済成長鈍化による世界的な景気後退懸念や地政学リスクの拡大など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
物流業界におきましては、賃上げの定着及び、政府の経済対策の効果発現などが個人消費を下支えすることにより、荷動きが回復すると期待されております。当中間連結会計期間におきましては、実質賃金のプラス基調は定着しておらず、消費者マインドの改善にも足踏みが見られます。これを背景に、宅配便の需要については、全体的な回復には至っておらず、競争環境の激化も見られます。また、2024年4月から適用された自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制への対応、継続的な物価・人件費等のコスト上昇など、不安定な事業環境が継続しております。国際物流市場では、紅海・スエズ運河通航回避による海上輸送から航空輸送へのシフト等の地政学リスクなど、海上・航空貨物の需要及び運賃の動向については不確実性が高まっております。
当社グループにおきましては、2023年3月期から2025年3月期までの中期経営計画「SGH Story 2024」の最終年度として、引き続き、総合物流ソリューションの高度化を推し進め、グループ横断の先進的ロジスティクスプロジェクトチーム「GOAL(GO Advanced Logistics)」(以下「GOAL」という)を中心に、宅配便以外の付加価値を提供するソリューション「TMS(Transportation Management System)」(以下「TMS」という)など、提案営業を積極的に行ってまいりました。また、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、再生可能エネルギーの活用や環境に配慮した物流施設の開発等、当社グループのGHG排出量を削減することにとどまらず、お客さまのサプライチェーン全体の環境負荷低減に貢献する物流サービスの提供も進めております。当連結会計年度におきましては、持続的な成長に向けて、特に①成長領域への進出や新規事業拡大など成長基盤の構築、②パートナー企業への委託単価の引き上げなどの社内外リソースの維持・確保、③省人化・自動化投資や適正運賃収受の取組みの継続など事業を持続的に支えるコスト構造の再構築、の3点を強化ポイントとして各種施策に取り組んでおります。こうした成長戦略の一環として、2024年7月に低温物流に強みを持つ株式会社C&Fロジホールディングス(以下「C&F社」という)株式の過半数を、株式公開買付けを通じて取得いたしました。C&F社が当社グループの傘下に入ることにより、当社グループが持つラストワンマイルの機能と、C&F社が持つサプライチェーンの上流から中流の低温物流機能を組み合わせた、国内屈指のコールドチェーンを創出することが可能となります。また、両社はすでにPMI体制を構築し、双方トップが参画するステアリングコミッティーを中心に検討テーマごとのキーパーソン同士でシナジー創出に向けて活動を開始しております。両社の強みを掛け合わせてシナジーを創出し、総合物流ソリューションの高度化を図ってまいります。
このような状況のもと、当社グループの中核事業であるデリバリー事業におきましては、物価高を背景に消費者マインドの改善に足踏みが見られることや、競争環境が激しくなっていること等の影響を受け、宅配便の取扱個数は減少いたしました。一方で、2024年4月からの届出運賃の改定や、取引ごとの適正運賃収受の取組みにより、平均単価は上昇いたしました。ロジスティクス事業におきましては、紅海・スエズ運河の通航回避による海上輸送の混乱やそれに伴う航空輸送へのシフトに加え、北米東岸の港湾労使交渉の難航懸念に起因する海上輸送の出荷前倒し等を背景に、海上・航空運賃は上昇いたしました。海上・航空貨物の取扱量は、上記の影響や新規顧客の獲得等により好調に推移いたしました。また、2024年9月には、当社の連結子会社であり、スリランカの物流企業であるEXPOLANKA HOLDINGS PLC(現:EXPOLANKA HOLDINGS Limited)の非上場化手続が完了いたしました。今後、国際輸送ビジネスにおける最適なガバナンス体制の構築やグループ間連携の一層の強化等に向けて取組みを行ってまいります。
この結果、当中間連結会計期間の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
イ.財政状態
資産及び負債は、当中間連結会計期間においてC&F社を新たに連結子会社としたことによる影響でそれぞれ大幅に増加しております。
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は3,907億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ66億7百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金が156億68百万円、販売用不動産が96億69百万円それぞれ減少した一方で、受取手形、営業未収金及び契約資産が179億28百万円増加したことによるものであります。固定資産は6,401億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,405億17百万円増加いたしました。主な要因は、のれんが636億52百万円、建物及び構築物が271億93百万円、土地が212億3百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、総資産は1兆309億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,339億10百万円増加いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は3,409億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,226億94百万円増加いたしました。主な要因は、短期借入金が1,119億56百万円増加したことによるものであります。固定負債は1,187億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ302億94百万円増加いたしました。主な要因は、有利子負債が206億36百万円、退職給付に係る負債が64億75百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は4,597億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,529億89百万円増加いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は5,711億82百万円となり、前連結会計年度末に比べ190億79百万円減少いたしました。主な要因は、子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS Limited株式の追加取得に伴う利益剰余金239億49百万円の減少の他、為替換算調整勘定40億48百万円の減少に加え、剰余金の配当156億36百万円を実施した一方で、親会社株主に帰属する中間純利益を254億91百万円計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は54.3%となり、前連結会計年度末に比べ10.1ポイント低下いたしました。
ロ.経営成績
前第3四半期連結会計期間において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前年同中間期との比較・分析に当たっては、当該見直し反映後の金額によっております。
また、新規連結いたしましたC&F社の連結業績への影響は、第3四半期連結会計期間以降となります。
(営業収益)
デリバリー事業におきましては、物価高を背景に消費者マインドの改善に足踏みが見られることや、競争環境が激しくなっていること等の影響を受け、宅配便の取扱個数は減少したものの、届出運賃の改定や適正運賃収受の取組みにより、平均単価は上昇いたしました。ロジスティクス事業におきましては、紅海・スエズ運河の通航回避による海上輸送の混乱やそれに伴う航空輸送へのシフトに加え、北米東岸の港湾労使交渉の難航懸念に起因する海上輸送の出荷前倒し等を背景に、海上・航空運賃は上昇いたしました。海上・航空貨物の取扱量は、上記の影響や新規顧客の獲得等により好調に推移いたしました。さらに、不動産事業において、保有不動産を売却いたしました。
この結果、営業収益は7,080億29百万円となり、前年同中間期に比べ10.0%の増加となりました。
(営業原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
デリバリー事業の営業費用におきましては、期初からパートナー企業への委託単価の引き上げを実施した一方、宅配便の取扱個数減少に応じたコストコントロールにより、全体では減少いたしました。また、ロジスティクス事業におきましては、営業収益の増加に伴い営業費用が増加いたしました。さらに、不動産事業において、保有不動産の売却に伴い不動産販売原価が増加いたしました。
この結果、営業原価は6,354億55百万円(前年同中間期比10.8%増)、販売費及び一般管理費は334億46百万円(同7.2%増)、営業利益は391億27百万円(同0.7%増)となり、営業利益率は5.5%となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、受取利息の計上等により13億96百万円(前年同中間期比4.9%減)となりました。営業外費用は、支払利息の計上等により17億83百万円(同98.7%増)となりました。
この結果、経常利益は387億40百万円となり、前年同中間期に比べ1.8%の減少となりました。
(特別損益、税金等調整前中間純利益)
特別利益は、固定資産売却益の計上により4億19百万円(前年同中間期比202.9%増)となりました。特別損失は、固定資産売却損の計上等により1億4百万円(同39.3%増)となりました。
この結果、税金等調整前中間純利益は390億55百万円となり、前年同中間期に比べ1.1%の減少となりました。
(親会社株主に帰属する中間純利益)
法人税等135億91百万円(前年同中間期比6.6%減)、非支配株主に帰属する中間純損失27百万円(前年同中間期は非支配株主に帰属する中間純損失5億34百万円)を計上した結果、親会社株主に帰属する中間純利益は254億91百万円となり、前年同中間期に比べ9百万円増加となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・デリバリー事業
主要な商品の取扱個数は、次のとおりであります。
商品の名称 | 前中間連結会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) | 当中間連結会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) | 増減 | 増減率 (%) | ||
取扱個数 | (百万個) | 679 | 652 | △26 | △3.9 | |
飛脚宅配便 | (百万個) | 655 | 630 | △25 | △3.9 | |
その他 | (百万個) | 23 | 22 | △0 | △3.6 |
(注)1.取扱個数は、当社グループの主要商品の取扱個数であります。
2.飛脚宅配便は、佐川急便株式会社が国土交通省に届け出ている宅配便の個数であります。
3.その他は、佐川急便株式会社の提供する飛脚ラージサイズ宅配便及びその他の会社の取扱個数であります。
デリバリー事業におきましては、物価高を背景に消費者マインドの改善に足踏みが見られることや、競争環境が激しくなっていること等の影響を受け、BtoB・BtoCともに取扱個数が減少いたしました。平均単価は、2024年4月からの届出運賃の改定や、取引ごとの適正運賃収受の取組みを継続したことにより上昇いたしました。「TMS」については、「GOAL」による提案営業の活動等により、前年同中間期を上回って推移いたしました。費用面に関しては、取扱個数に応じてコストコントロールを行っておりますが、期初からのパートナー企業への委託単価の引き上げなど、持続的・安定的なサービス提供のためのリソース確保に係る費用が増加傾向にあります。このような中、2024年9月から、従来の「指定場所配送サービス」の内容を拡大し、お客さまが当社Webサービスのスマートクラブ及び当社LINE公式アカウントを通じて、荷物の受取方法として置き配を選択できるサービスを開始するなど、利便性や、生産性の向上への取組みも継続して行ってまいりました。
この結果、当中間連結会計期間における当セグメントの営業収益は5,004億2百万円(前年同中間期比0.9%減)、営業利益は294億76百万円(同14.6%減)となりました。
・ロジスティクス事業
ロジスティクス事業におきましては、紅海・スエズ運河の通航回避による海上輸送の混乱やそれに伴う航空輸送へのシフトに加え、北米東岸の港湾労使交渉の難航懸念に起因する海上輸送の出荷前倒し等を背景に、海上・航空運賃は上昇いたしました。また、海上・航空貨物の取扱量は、上記の影響や新規顧客の獲得等により好調に推移いたしました。
この結果、当中間連結会計期間における当セグメントの営業収益は1,661億93百万円(前年同中間期比56.3%増)、営業利益は34億57百万円(前年同中間期は営業損失14億39百万円)となりました。
・不動産事業
不動産事業におきましては、保有不動産を売却いたしました。
この結果、当中間連結会計期間における当セグメントの営業収益は161億23百万円(前年同中間期比322.7%増)、営業利益は53億73百万円(同132.6%増)となりました。
・その他
その他の事業におきましては、BPO案件の減少のほか、大型トラック等の新車販売が減少いたしました。
この結果、当中間連結会計期間における当セグメントの営業収益は253億9百万円(前年同中間期比10.6%減)、営業利益は11億28百万円(同51.3%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より156億68百万円減少し、1,315億98百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得た資金は519億91百万円(前年同中間期比105.4%増)となりました。
主な要因は、収入要因として税金等調整前中間純利益390億55百万円、減価償却費178億55百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は1,092億6百万円(前年同中間期は255億13百万円の支出)となりました。
主な要因は、支出要因としてC&F社株式の取得に係る連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出925億92百万円、有形固定資産の取得による支出141億40百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得た資金は425億82百万円(前年同中間期は469億72百万円の支出)となりました。
主な要因は、収入要因として短期借入金の純増額1,113億51百万円を、支出要因としてEXPOLANKA HOLDINGS Limited株式の取得に係る連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出334億58百万円、配当金の支払額156億36百万円、長期借入金の返済による支出154億89百万円をそれぞれ計上したことによるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動における運転資金については、原則として手持資金(利益等の内部留保資金)で賄っております。設備資金等については、手持資金とのバランスを勘案し、必要に応じて外部から長期借入金で調達しております。
当社グループは、当社及び国内子会社を対象に、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を利用し、グループ内資金の包括的管理を実施しており、国内子会社において、設備投資等に伴う大規模な資金が必要となる場合は、当社が国内各子会社に長期貸付を行っております。
海外子会社においては、当社が、投資計画・資金計画に基づいて貸付又は増資引き受けを行い、地域に所在する海外各子会社の資金を管理する体制としております。また、外貨資金需要への機動的な対応と調達手段の多様化を目的として、金融機関との間に外貨建の借入枠を設定しております。なお、当社の連結子会社であるEXPOLANKA HOLDINGS Limited及び上海虹迪物流科技有限公司においては、資金調達の一部を金融機関から直接行っております。