四半期報告書-第16期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

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2021/08/06 15:07
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37項目
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。当該会計基準等の適用が財政状態及び経営成績に与える影響は軽微であります。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)及び(セグメント情報等)」をご参照ください。
また、前第1四半期連結累計期間の経営成績については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載の暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の金額により開示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という)の収束が未だ見えないなか、4月以降大都市圏を中心に3度目の緊急事態宣言の発出や、まん延防止等重点措置の適用がなされ、小売業や飲食業を中心に営業活動が制限されたことにより厳しい状況が続いております。一方で、医療従事者等への先行接種を皮切りにワクチン接種が進んでおり、経済活動の再開に持ち直しの兆しが見られるものの、変異ウイルスによる感染症拡大が危惧されており、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
物流業界におきましては、感染症拡大の中で起きた消費行動の変化により、幅広い年齢層でeコマースなど通信販売による購入が浸透しており、宅配便に対するニーズが高まっております。
当社グループにおきましては、2020年3月期から2022年3月期までの中期経営計画「Second Stage 2021」の最終年度として、輸送インフラの持続的な強化を推進するとともに、進化する物流ソリューションの提供を目的としたグループ横断の先進的ロジスティクスプロジェクトチーム「GOAL(GO Advanced Logistics)」(以下「GOAL」という)による提案領域の拡大及び宅配便以外の付加価値を提供するソリューション「TMS(Transportation Management System)」(以下「TMS」という)の強化を図ってまいりました。
このような状況のもと、当社グループの中核事業であるデリバリー事業におきましては、積極的な営業活動が結実し、BtoBの荷物は取扱個数が増加いたしました。BtoCの荷物は、新たな生活様式の浸透により、底堅く推移いたしました。また、2021年3月から全面稼働となった次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」(以下「Xフロンティア」という)は安定したパフォーマンスを発揮しており、高品質なサービスの提供に寄与しております。ロジスティクス事業におきましては、世界的に海上コンテナ需給がひっ迫するなか、既存及び新規顧客の旺盛な需要を取り込みました。不動産事業におきましては、前連結会計年度の第1四半期に実施しておりました保有不動産の売却を、当連結会計年度は下期に予定しております。その他の事業におきましては、BPO(Business Process Outsourcing)取引が増加したものの、自動車販売が減少いたしました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
イ.財政状態
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は2,959億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ76億26百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金が98億17百万円減少した一方で、営業収益の増加により受取手形、営業未収金及び契約資産が20億24百万円増加(前連結会計年度末の受取手形及び営業未収金との比較)したことによるものであります。固定資産は4,795億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ70億52百万円減少いたしました。主な要因は、株式会社日立物流株式の一部売却等により投資有価証券が95億97百万円減少した一方で、車両運搬具が24億93百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は7,755億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ146億79百万円減少いたしました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は2,292億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ229億45百万円減少いたしました。主な要因は、未払法人税等が141億39百万円、未払費用及び未払消費税等の減少によりその他流動負債が105億55百万円、支払手形及び営業未払金が90億22百万円、短期借入金が25億26百万円それぞれ減少した一方で、賞与引当金が138億69百万円増加したことによるものであります。固定負債は1,306億51百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億92百万円減少いたしました。主な要因は、長期借入金の返済等により有利子負債が44億66百万円減少した一方で、繰延税金負債の増加によりその他固定負債が15億円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は3,598億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ255億38百万円減少いたしました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は4,157億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ108億58百万円増加いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益が206億52百万円、その他有価証券評価差額金が18億77百万円増加となった一方で、剰余金の配当107億98百万円を実施したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は52.7%となり、前連結会計年度末に比べ2.3ポイント上昇いたしました。
ロ.経営成績
(営業収益)
デリバリー事業におきましては、相対的にサイズの大きいBtoBの取扱個数が増加したことに加え、継続的な適正運賃収受の取組みにより平均単価が上昇し、ロジスティクス事業におきましては、世界的に海上コンテナ需給がひっ迫するなか、既存及び新規顧客の旺盛な需要を取り込み、物量が増加いたしました。
この結果、営業収益は3,475億43百万円となり、前年同四半期に比べ9.4%の増加となりました。
(営業原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
デリバリー事業を中心に、「Xフロンティア」に代表される輸送ネットワーク全般の整備による品質の向上や、デジタライゼーション等による生産性向上への継続的な取組みにより、安定した品質でサービスを提供することができました。
この結果、営業原価は3,066億20百万円(前年同四半期比9.8%増)、販売費及び一般管理費は120億10百万円(同12.6%増)、営業利益は289億12百万円(同4.4%増)となり、営業利益率は8.3%となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、受取配当金の計上等により10億3百万円(前年同四半期比36.6%減)となりました。営業外費用は、支払利息の計上等により3億5百万円(同40.1%減)となりました。
この結果、経常利益は296億11百万円となり、前年同四半期に比べ2.9%の増加となりました。
(特別損益、税金等調整前四半期純利益)
特別利益は、投資有価証券売却益の計上等により18億4百万円(前年同四半期は12百万円)となりました。特別損失は、投資有価証券評価損の計上等により1億8百万円(前年同四半期比62.8%減)となりました。
この結果、税金等調整前四半期純利益は313億7百万円となり、前年同四半期に比べ9.8%の増加となりました。
(親会社株主に帰属する四半期純利益)
法人税等97億26百万円(前年同四半期比6.6%増)、非支配株主に帰属する四半期純利益9億28百万円(同56.9%減)を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は206億52百万円となり、前年同四半期に比べ19.9%の増加となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・デリバリー事業
主要な商品の取扱個数は、次のとおりであります。
商品の名称前第1四半期連結累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年6月30日)
当第1四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年6月30日)
増減増減率
(%)
取扱個数(百万個)34234751.5
飛脚宅配便(百万個)32933341.4
その他(百万個)121305.9

(注)1.取扱個数は、当社グループの主要商品の取扱個数であります。
2.飛脚宅配便は、佐川急便株式会社が国土交通省に届け出ている宅配便の個数であります。
3.その他は、佐川急便株式会社の提供する飛脚ラージサイズ宅配便及びその他の会社の取扱個数であります。
デリバリー事業におきましては、BtoCの高い需要が継続しているとともに、積極的な営業活動によりBtoBの荷物を中心に受託が進み、取扱個数が増加いたしました。また、相対的にサイズの大きいBtoBの増加及び適正運賃収受の取組みの継続により、平均単価が上昇いたしました。さらに、「GOAL」による提案営業の成果として、「TMS」の受注が増加いたしました。加えて、「Xフロンティア」に代表される輸送ネットワーク全般の整備による品質の向上や、デジタライゼーション等による生産性向上の取組みも継続して行ってまいりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間における当セグメントの営業収益は2,543億87百万円(前年同四半期比4.6%増)、営業利益は202億26百万円(同29.4%増)となりました。
・ロジスティクス事業
ロジスティクス事業におきましては、コンテナ需給ひっ迫による海上・航空運賃の高騰が継続するなか、既存顧客の物量の増加に対応するとともに、海上輸送の新規案件を受託いたしました。
この結果、当第1四半期連結累計期間における当セグメントの営業収益は770億77百万円(前年同四半期比89.1%増)、営業利益は57億24百万円(同180.1%増)となりました。
・不動産事業
不動産事業におきましては、前連結会計年度は第1四半期に保有不動産を売却いたしましたが、当連結会計年度は下期に売却を予定しております。
この結果、当第1四半期連結累計期間における当セグメントの営業収益は19億87百万円(前年同四半期比88.5%減)、営業利益は14億2百万円(同83.3%減)となりました。
・その他
その他の事業におきましては、BPO取引は増加いたしましたが、自動車販売が減少いたしました。
この結果、当第1四半期連結累計期間における当セグメントの営業収益は140億90百万円(前年同四半期比13.7%減)、営業利益は9億47百万円(同1.5%増)となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動における運転資金については、原則として手持資金(利益等の内部留保資金)で賄っております。設備資金等については、手持資金とのバランスを勘案し、必要に応じて長期借入金で調達しております。
当社グループは、当社及び国内子会社を対象に、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を利用し、グループ内資金の包括的管理を実施しており、国内子会社において、設備投資等に伴う大規模な資金が必要となる場合は、当社が国内各子会社に貸付又は増資引受けを行っております。
また、海外子会社においては、当社が、投資計画・資金計画に基づいて貸付又は増資引受けを行い、地域に所在する海外各子会社の資金を管理する体制としております。なお、EXPOLANKA HOLDINGS PLC及び上海虹迪物流科技有限公司においては、資金調達の一部を金融機関から直接行っております。
当連結会計年度も感染症拡大による経済への影響を考慮し、財務安全性確保を目的として、金融機関より総額500億円の当座貸越及びコミットメントラインを継続し、機動的に資金調達ができる環境を整えております。