有価証券報告書-第78期(2025/04/01-2026/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
(単位:百万円)
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)における景況は、国内は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に緩やかな回復が期待される一方で、中東情勢の緊迫化や米国の通商政策の動向、金融資本市場の変動等により先行き不透明な状況となりました。海外においては、米国は景気の拡大基調が緩やかに継続したものの、エネルギー価格の高騰や供給制約に伴う物価上昇リスクなどを背景に、足元では個人消費の鈍化が見られるなど、景気の拡大ペースが低下しました。欧州は、輸出関連分野を中心に持ち直しの動きが見られたものの、エネルギー価格の高騰が逆風となり、その動きは緩やかなものに留まりました。中国では、政策効果により一部で回復の動きが見られるものの、個人消費はやや回復が遅れています。このように、当社グループを取り巻く経済状況は地域ごとにばらつきがありました。
このような環境において、当社グループは、引き続き「収益力の改善に向けたビジネスモデル改革」、「“VISION2030”達成に向けた成長戦略」、「ROICマネジメントの導入」、「アセットライト化の推進」に取り組みました。国内では、中核ブランドの「WACOAL(ワコール)」は一部施策の効果が発現し下期以降に回復基調に転じたほか、高価格帯ブランドの「Salute(サルート)」は顧客投票によって選ばれた復刻ラインが好調に推移する等、前期を大幅に上回り、商品戦略やプロモーション戦略の成果が見え始めました。また、コンディショニングウェアの「CW-X(シーダブリュー・エックス)」は、大谷翔平選手の着用による露出拡大が奏功し、アームサポーターが大きく伸長する等、好調を維持しました。また、顧客戦略の一環として2025年7月に自社EC上で提供を開始した「わたしに合うブラ診断」の利用者は2026年3月末時点で累計50万人を突破し、多くのお客様へのパーソナライズされた購買体験の提供を実現しております。海外では、2025年6月に発生した物流倉庫火災の影響を受けた英国のBravissimo Group Limited(以下、Bravissimo Group)において、物流体制の早期復旧に努め、2025年9月に自社ECにおける出荷を順次再開し、2026年2月には当該物流倉庫を完全復旧しました。また、米国における売上拡大と大きいサイズ市場のシェア獲得及び収益性の改善を目指し、2026年3月30日にワコールインターナショナル(米国)の子会社Wacoal Direct Corp.を通じGlamorise Foundations, Inc.(以下、Glamorise社)の買収を決定しました。Glamorise社はプラスサイズ領域に特化したブランドであり、ワコールインターナショナル(米国)とは異なるポジションを有します。また、売上の大部分をECチャネルが占めており、米国におけるEC事業の加速を実現します。なお、本件買収が当期の連結業績に与える影響は軽微であります。そのほか、新京都ビルの売却や自己株式の取得等、継続的に資産効率の向上に取り組みました。
売上収益については、主要国におけるレディスインナーウェア等の販売の伸び悩みに加え、前期から当期にかけて事業ポートフォリオを見直し、一部の不採算事業を売却した結果、当期への減収影響が生じました。利益面については、不採算事業の対処やBravissimo Groupの買収に伴う小売売上比率の上昇により売上総利益率が改善したほか、各社においてコストコントロールを実施しました。なお、営業利益については、前述の新京都ビル等の固定資産売却益(195億45百万円)が寄与した一方、主力チャネルの成長鈍化、米国関税やインフレによる販管費の増加に伴う利益率の圧迫を踏まえ、ワコールヨーロッパに係るのれんの使用価値を再評価し、減損損失(10億6百万円)を計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の連結売上収益は1,715億10百万円(前期比1.4%減)、事業利益は4億61百万円の事業損失(前期は34億37百万円の事業損失)、営業利益は198億77百万円(前期比504.5%増)、税引前利益は196億53百万円(前期比246.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は131億24百万円(前期比81.8%増)となりました。
なお、当該期間の為替換算レートは、1米ドル=150.77円(前期152.58円)、1英ポンド=202.10円(同194.61円)、1中国元=21.25円(同21.10円)です。
報告セグメントの経営成績を示すと次のとおりであります。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
① ワコール事業(国内)
当連結会計年度は、ブランドや事業、チャネルごとに強弱が入り混じる結果となりました。中核事業会社である㈱ワコールにおいては実店舗の閉店や来店客数の減少などの影響を受けたものの、EC事業の伸長や、一部のブランドの商品・プロモーション戦略等の奏功により売上収益は前期を上回りました。一方、販売会社である㈱ウンナナクールや㈱ランジェノエルの低調が響き、セグメント全体では前期を下回る結果となりました。
ブランド別では、プロモーションを強化し展開店舗を拡大した「CW-X」や、ノンワイヤーブラを中心に据える「GOCOCi(ゴコチ)」、シンクロブラトップが好調を維持する「Wing(ウイング)」に加え、高価格帯ブランドの「Salute」が前期を超える水準で推移し、前期にリブランディングを実施した「WACOAL」についても、下期以降に回復基調に転じました。さらに、スパイラル事業においても、新規出店の好調が寄与し売上が伸長しました。一方、直営店を中心に展開する「AMPHI(アンフィ)」、㈱ウンナナクール、㈱ランジェノエルに加え、百貨店を中心に展開するナイトウェア類については店舗閉店や売場縮小、来店客数減少の影響を受けて販売が伸び悩みました。
チャネル別では、実店舗については、得意先の閉店影響は縮小傾向にあるものの、来店客数減少の影響が大きく、低調に推移しました。他方、ECについては、自社EC・他社ECともに堅調な成長を継続しており、実店舗の苦戦を補っております。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は877億23百万円(前期比0.1%減)となりました。営業利益は、新京都ビル等の固定資産売却益の計上が寄与したことから、187億91百万円(前期比532.7%増)と大幅な増益となりました。
② ワコール事業(海外)
ワコールインターナショナル(米国)は、実店舗の市場縮小に加え、EC事業の成長が想定を下回り、売上収益は前期を下回りました。チャネル別では、百貨店において大手得意先の閉店影響により厳しい状況が継続しました。ECについては、消費者への販売自体は堅調であったものの、主要ECプラットフォームにおいて厳しい仕入抑制を受け、納品は低調に推移しました。なお、主要生産拠点であるドミニカからのブラジャーの輸入に係る関税率が2026年2月末以降に0%へと変更されたため、関税による原価高騰の影響は2月末以降縮小傾向となりました。
ワコールヨーロッパは、2024年9月に買収したBravissimo Groupの売上が寄与し、売上収益は前期を上回りました。なお、2025年6月に発生した物流倉庫における火災により、収益へのマイナス影響がありましたが、当該倉庫には火災保険を付保しており、在庫や建物等の現物損失に加え、出荷停止や在庫不足に伴う逸失利益等についても保険金により大部分が補填されました。
中国ワコールは、消費者の価格感応度の高まりにより、実店舗・ECともに依然として厳しい状況が継続しました。店舗イメージの刷新に向けた改装や、利益率の改善及びブランド価値訴求を目的としたプロパー販売の推進などに取り組み、一部成果が見られたものの、施策効果の発現には至らず、売上は前期を下回りました。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は684億68百万円(前期比1.8%増)となりました。営業利益は、Glamorise社の買収に係る一時費用及びワコールヨーロッパに係るのれんの減損損失を計上し、4億88百万円(前期比16.5%増)となりました。
③ ピーチ・ジョン事業
当連結会計年度は、前期に引き続き新規顧客の獲得強化に重点を置いたコミュニケーション施策や商品戦略が奏功し、ECを中心に全てのチャネルで売上が伸長しました。商品面では、定番商品の「ナイスバディブラ」シリーズが全体をけん引したほか、秋冬シーズンにタレントを起用した「リボンモチーフブラ」やナイトウェア等も堅調に拡大しました。また、セール販売についても好調に推移し、全体を下支えしました。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は111億44百万円(前期比6.4%増)となりました。営業利益は、1億49百万円(前期は2億66百万円の営業損失)となりました。
④ その他
当連結会計年度における当該セグメントの売上収益は、七彩、ルシアンの連結除外が影響し、41億75百万円(前期比50.1%減)となりました。一方、連結子会社における一部事業の譲渡益が寄与し、営業利益は、4億49百万円(前期比172.1%増)と大幅な増益となりました。
(参考)主要子会社の売上収益・営業利益(△損失)
(単位:百万円)
※外部売上収益のみを記載しております。
(単位:百万円)
(2)財政状態
当連結会計年度末における総資産は、現金及び現金同等物が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して195億70百万円増加し、2,923億15百万円となりました。
負債は、借入金や営業債務及びその他の債務が減少したものの、未払法人所得税や繰延税金負債が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して22億45百万円増加し、798億70百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、新京都ビルの売却により利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して175億51百万円増加し、2,095億98百万円となりました。
以上の結果により、当連結会計年度末における親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比して1.3ポイント増加し、71.7%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比して207億51百万円増加し、441億70百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、当期利益129億41百万円に減価償却費及び償却費や法人所得税費用などによる調整を加えた金額に対して、資産及び負債の増減などによる調整を行った結果、84億87百万円の収入(前期に比し35億22百万円の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産等の売却などにより、360億97百万円の収入(前期に比し267億15百万円の収入増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得などにより、262億86百万円の支出(前期に比し33億34百万円の支出増)となりました。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、ピーチ・ジョン事業については、すべて販売会社のため該当事項はありません。また、その他のセグメントについては、生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.生産実績の金額は製造原価によっております。
②受注実績
当社グループは、主として販売計画に基づいた生産を行っております。一部の商品では受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性がないため、記載を省略しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.その他の販売実績が減少したのは、主に㈱ルシアン株式の譲渡により同社を連結の範囲から除外したことによるものであります。
3.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入によります。営業活動による純現金収入により、外部からの多額の借入や、その他の資金調達手段に頼らずに、大部分の運転資金の確保や設備投資、配当金の支払が可能となっております。ただし、金融機関に借入枠は設けており、2026年3月31日現在の借入枠の合計は521億円、借入枠を設けている借入金の残高は119億22百万円となっており、主な残高の内訳としては当社が77億80百万円、WACOAL EUROPE LTD.が33億88百万円となっております。
これらの借入枠の期限は、ほとんどが自動的に更新されるものであり、現状更新を妨げるような事象は発生していないと考えております。仮にいずれかの子会社において借入が不可能になったとしても、グループの各社から資金を供給することが可能であると考えております。また、資金需要について大きな季節変動はありません。
また、子会社からの親会社への配当に係る規制は特に無いと考えております。
今後も目的や収益性を厳格に見積もることで、資金の流動性を確保していきます。
①設備投資
「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載しております。
②キャッシュ・フロー
「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に準拠して作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。
なお、重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
(単位:百万円)
| 2025年3月期 実績 | 2026年3月期 実績 | 前期比 | |||
| 増減額 | 増減率 | ||||
| 売上収益 | 173,896 | 171,510 | △2,386 | △1.4% | |
| 売上原価 | 76,452 | 73,279 | △3,173 | △4.2% | |
| 売上総利益 | 97,444 | 98,231 | +787 | +0.8% | |
| 販売費及び一般管理費 | 100,881 | 98,692 | △2,189 | △2.2% | |
| 事業損失(△) | △3,437 | △461 | +2,976 | - | |
| その他の収益 | 11,211 | 24,080 | +12,869 | +114.8% | |
| その他の費用 | 4,486 | 3,742 | △744 | △16.6% | |
| 営業利益 | 3,288 | 19,877 | +16,589 | +504.5% | |
| 金融収益 | 2,170 | 2,075 | △95 | △4.4% | |
| 金融費用 | 591 | 785 | +194 | +32.8% | |
| 持分法による投資損益(△損失) | 813 | △1,514 | △2,327 | - | |
| 税引前利益 | 5,680 | 19,653 | +13,973 | +246.0% | |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 7,218 | 13,124 | +5,906 | +81.8% | |
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)における景況は、国内は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に緩やかな回復が期待される一方で、中東情勢の緊迫化や米国の通商政策の動向、金融資本市場の変動等により先行き不透明な状況となりました。海外においては、米国は景気の拡大基調が緩やかに継続したものの、エネルギー価格の高騰や供給制約に伴う物価上昇リスクなどを背景に、足元では個人消費の鈍化が見られるなど、景気の拡大ペースが低下しました。欧州は、輸出関連分野を中心に持ち直しの動きが見られたものの、エネルギー価格の高騰が逆風となり、その動きは緩やかなものに留まりました。中国では、政策効果により一部で回復の動きが見られるものの、個人消費はやや回復が遅れています。このように、当社グループを取り巻く経済状況は地域ごとにばらつきがありました。
このような環境において、当社グループは、引き続き「収益力の改善に向けたビジネスモデル改革」、「“VISION2030”達成に向けた成長戦略」、「ROICマネジメントの導入」、「アセットライト化の推進」に取り組みました。国内では、中核ブランドの「WACOAL(ワコール)」は一部施策の効果が発現し下期以降に回復基調に転じたほか、高価格帯ブランドの「Salute(サルート)」は顧客投票によって選ばれた復刻ラインが好調に推移する等、前期を大幅に上回り、商品戦略やプロモーション戦略の成果が見え始めました。また、コンディショニングウェアの「CW-X(シーダブリュー・エックス)」は、大谷翔平選手の着用による露出拡大が奏功し、アームサポーターが大きく伸長する等、好調を維持しました。また、顧客戦略の一環として2025年7月に自社EC上で提供を開始した「わたしに合うブラ診断」の利用者は2026年3月末時点で累計50万人を突破し、多くのお客様へのパーソナライズされた購買体験の提供を実現しております。海外では、2025年6月に発生した物流倉庫火災の影響を受けた英国のBravissimo Group Limited(以下、Bravissimo Group)において、物流体制の早期復旧に努め、2025年9月に自社ECにおける出荷を順次再開し、2026年2月には当該物流倉庫を完全復旧しました。また、米国における売上拡大と大きいサイズ市場のシェア獲得及び収益性の改善を目指し、2026年3月30日にワコールインターナショナル(米国)の子会社Wacoal Direct Corp.を通じGlamorise Foundations, Inc.(以下、Glamorise社)の買収を決定しました。Glamorise社はプラスサイズ領域に特化したブランドであり、ワコールインターナショナル(米国)とは異なるポジションを有します。また、売上の大部分をECチャネルが占めており、米国におけるEC事業の加速を実現します。なお、本件買収が当期の連結業績に与える影響は軽微であります。そのほか、新京都ビルの売却や自己株式の取得等、継続的に資産効率の向上に取り組みました。
売上収益については、主要国におけるレディスインナーウェア等の販売の伸び悩みに加え、前期から当期にかけて事業ポートフォリオを見直し、一部の不採算事業を売却した結果、当期への減収影響が生じました。利益面については、不採算事業の対処やBravissimo Groupの買収に伴う小売売上比率の上昇により売上総利益率が改善したほか、各社においてコストコントロールを実施しました。なお、営業利益については、前述の新京都ビル等の固定資産売却益(195億45百万円)が寄与した一方、主力チャネルの成長鈍化、米国関税やインフレによる販管費の増加に伴う利益率の圧迫を踏まえ、ワコールヨーロッパに係るのれんの使用価値を再評価し、減損損失(10億6百万円)を計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の連結売上収益は1,715億10百万円(前期比1.4%減)、事業利益は4億61百万円の事業損失(前期は34億37百万円の事業損失)、営業利益は198億77百万円(前期比504.5%増)、税引前利益は196億53百万円(前期比246.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は131億24百万円(前期比81.8%増)となりました。
なお、当該期間の為替換算レートは、1米ドル=150.77円(前期152.58円)、1英ポンド=202.10円(同194.61円)、1中国元=21.25円(同21.10円)です。
報告セグメントの経営成績を示すと次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 | |||||
| 実績 | 構成比 | 実績 | 構成比 | 増減額 | 増減率 | ||
| 売上収益合計 | 173,896 | 100.0% | 171,510 | 100.0% | △2,386 | △1.4% | |
| ワコール事業(国内) | 87,828 | 50.5% | 87,723 | 51.2% | △105 | △0.1% | |
| ワコール事業(海外) | 67,237 | 38.7% | 68,468 | 39.9% | +1,231 | +1.8% | |
| ピーチ・ジョン事業 | 10,469 | 6.0% | 11,144 | 6.5% | +675 | +6.4% | |
| その他 | 8,362 | 4.8% | 4,175 | 2.4% | △4,187 | △50.1% | |
(単位:百万円)
| 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 | |||||
| 実績 | 売上比 | 実績 | 売上比 | 増減額 | 増減率 | ||
| 営業利益(△損失) | 3,288 | 1.9% | 19,877 | 11.6% | +16,589 | +504.5% | |
| ワコール事業(国内) | 2,970 | 3.4% | 18,791 | 21.4% | +15,821 | +532.7% | |
| ワコール事業(海外) | 419 | 0.6% | 488 | 0.7% | +69 | +16.5% | |
| ピーチ・ジョン事業 | △266 | - | 149 | 1.3% | +415 | - | |
| その他 | 165 | 2.0% | 449 | 10.8% | +284 | +172.1% | |
① ワコール事業(国内)
当連結会計年度は、ブランドや事業、チャネルごとに強弱が入り混じる結果となりました。中核事業会社である㈱ワコールにおいては実店舗の閉店や来店客数の減少などの影響を受けたものの、EC事業の伸長や、一部のブランドの商品・プロモーション戦略等の奏功により売上収益は前期を上回りました。一方、販売会社である㈱ウンナナクールや㈱ランジェノエルの低調が響き、セグメント全体では前期を下回る結果となりました。
ブランド別では、プロモーションを強化し展開店舗を拡大した「CW-X」や、ノンワイヤーブラを中心に据える「GOCOCi(ゴコチ)」、シンクロブラトップが好調を維持する「Wing(ウイング)」に加え、高価格帯ブランドの「Salute」が前期を超える水準で推移し、前期にリブランディングを実施した「WACOAL」についても、下期以降に回復基調に転じました。さらに、スパイラル事業においても、新規出店の好調が寄与し売上が伸長しました。一方、直営店を中心に展開する「AMPHI(アンフィ)」、㈱ウンナナクール、㈱ランジェノエルに加え、百貨店を中心に展開するナイトウェア類については店舗閉店や売場縮小、来店客数減少の影響を受けて販売が伸び悩みました。
チャネル別では、実店舗については、得意先の閉店影響は縮小傾向にあるものの、来店客数減少の影響が大きく、低調に推移しました。他方、ECについては、自社EC・他社ECともに堅調な成長を継続しており、実店舗の苦戦を補っております。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は877億23百万円(前期比0.1%減)となりました。営業利益は、新京都ビル等の固定資産売却益の計上が寄与したことから、187億91百万円(前期比532.7%増)と大幅な増益となりました。
② ワコール事業(海外)
ワコールインターナショナル(米国)は、実店舗の市場縮小に加え、EC事業の成長が想定を下回り、売上収益は前期を下回りました。チャネル別では、百貨店において大手得意先の閉店影響により厳しい状況が継続しました。ECについては、消費者への販売自体は堅調であったものの、主要ECプラットフォームにおいて厳しい仕入抑制を受け、納品は低調に推移しました。なお、主要生産拠点であるドミニカからのブラジャーの輸入に係る関税率が2026年2月末以降に0%へと変更されたため、関税による原価高騰の影響は2月末以降縮小傾向となりました。
ワコールヨーロッパは、2024年9月に買収したBravissimo Groupの売上が寄与し、売上収益は前期を上回りました。なお、2025年6月に発生した物流倉庫における火災により、収益へのマイナス影響がありましたが、当該倉庫には火災保険を付保しており、在庫や建物等の現物損失に加え、出荷停止や在庫不足に伴う逸失利益等についても保険金により大部分が補填されました。
中国ワコールは、消費者の価格感応度の高まりにより、実店舗・ECともに依然として厳しい状況が継続しました。店舗イメージの刷新に向けた改装や、利益率の改善及びブランド価値訴求を目的としたプロパー販売の推進などに取り組み、一部成果が見られたものの、施策効果の発現には至らず、売上は前期を下回りました。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は684億68百万円(前期比1.8%増)となりました。営業利益は、Glamorise社の買収に係る一時費用及びワコールヨーロッパに係るのれんの減損損失を計上し、4億88百万円(前期比16.5%増)となりました。
③ ピーチ・ジョン事業
当連結会計年度は、前期に引き続き新規顧客の獲得強化に重点を置いたコミュニケーション施策や商品戦略が奏功し、ECを中心に全てのチャネルで売上が伸長しました。商品面では、定番商品の「ナイスバディブラ」シリーズが全体をけん引したほか、秋冬シーズンにタレントを起用した「リボンモチーフブラ」やナイトウェア等も堅調に拡大しました。また、セール販売についても好調に推移し、全体を下支えしました。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は111億44百万円(前期比6.4%増)となりました。営業利益は、1億49百万円(前期は2億66百万円の営業損失)となりました。
④ その他
当連結会計年度における当該セグメントの売上収益は、七彩、ルシアンの連結除外が影響し、41億75百万円(前期比50.1%減)となりました。一方、連結子会社における一部事業の譲渡益が寄与し、営業利益は、4億49百万円(前期比172.1%増)と大幅な増益となりました。
(参考)主要子会社の売上収益・営業利益(△損失)
(単位:百万円)
| 売上収益 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 | ||||
| 実績 | 構成比 | 実績 | 構成比 | 増減額 | 増減率 | ||
| ワコール | 82,369 | 47.4% | 82,998 | 48.4% | +629 | +0.8% | |
| ワコールインターナショナル(米国) | 24,917 | 14.3% | 22,952 | 13.4% | △1,965 | △7.9% | |
| ワコールヨーロッパ | 25,201 | 14.5% | 30,829 | 18.0% | +5,628 | +22.3% | |
| 中国ワコール | 9,085 | 5.2% | 7,481 | 4.4% | △1,604 | △17.7% | |
| ピーチ・ジョン | 10,469 | 6.0% | 11,144 | 6.5% | +675 | +6.4% | |
※外部売上収益のみを記載しております。
(単位:百万円)
| 営業利益(△損失) | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 | ||||
| 実績 | 売上比 | 実績 | 売上比 | 増減額 | 増減率 | ||
| ワコール | 6,180 | 7.5% | 18,549 | 22.3% | +12,369 | +200.1% | |
| ワコールインターナショナル(米国) | 681 | 2.7% | △335 | - | △1,016 | - | |
| ワコールヨーロッパ | 857 | 3.4% | 2,180 | 7.1% | +1,323 | +154.4% | |
| 中国ワコール | △1,844 | - | △853 | - | +991 | - | |
| ピーチ・ジョン | △266 | - | 149 | 1.3% | +415 | - | |
(2)財政状態
当連結会計年度末における総資産は、現金及び現金同等物が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して195億70百万円増加し、2,923億15百万円となりました。
負債は、借入金や営業債務及びその他の債務が減少したものの、未払法人所得税や繰延税金負債が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して22億45百万円増加し、798億70百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、新京都ビルの売却により利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して175億51百万円増加し、2,095億98百万円となりました。
以上の結果により、当連結会計年度末における親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比して1.3ポイント増加し、71.7%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比して207億51百万円増加し、441億70百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、当期利益129億41百万円に減価償却費及び償却費や法人所得税費用などによる調整を加えた金額に対して、資産及び負債の増減などによる調整を行った結果、84億87百万円の収入(前期に比し35億22百万円の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産等の売却などにより、360億97百万円の収入(前期に比し267億15百万円の収入増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得などにより、262億86百万円の支出(前期に比し33億34百万円の支出増)となりました。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、ピーチ・ジョン事業については、すべて販売会社のため該当事項はありません。また、その他のセグメントについては、生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。
| 報告セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| ワコール事業(国内) | 33,374 | 94.4 |
| ワコール事業(海外) | 17,423 | 95.9 |
| 合計 | 50,797 | 94.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.生産実績の金額は製造原価によっております。
②受注実績
当社グループは、主として販売計画に基づいた生産を行っております。一部の商品では受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性がないため、記載を省略しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 報告セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| ワコール事業(国内) | 87,723 | 99.9 |
| ワコール事業(海外) | 68,468 | 101.8 |
| ピーチ・ジョン事業 | 11,144 | 106.4 |
| その他 | 4,175 | 49.9 |
| 合計 | 171,510 | 98.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.その他の販売実績が減少したのは、主に㈱ルシアン株式の譲渡により同社を連結の範囲から除外したことによるものであります。
3.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入によります。営業活動による純現金収入により、外部からの多額の借入や、その他の資金調達手段に頼らずに、大部分の運転資金の確保や設備投資、配当金の支払が可能となっております。ただし、金融機関に借入枠は設けており、2026年3月31日現在の借入枠の合計は521億円、借入枠を設けている借入金の残高は119億22百万円となっており、主な残高の内訳としては当社が77億80百万円、WACOAL EUROPE LTD.が33億88百万円となっております。
これらの借入枠の期限は、ほとんどが自動的に更新されるものであり、現状更新を妨げるような事象は発生していないと考えております。仮にいずれかの子会社において借入が不可能になったとしても、グループの各社から資金を供給することが可能であると考えております。また、資金需要について大きな季節変動はありません。
また、子会社からの親会社への配当に係る規制は特に無いと考えております。
今後も目的や収益性を厳格に見積もることで、資金の流動性を確保していきます。
①設備投資
「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載しております。
②キャッシュ・フロー
「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に準拠して作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。
なお、重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。