有価証券報告書-第73期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/22 15:00
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の長期化により、依然として厳しい状況が続いており、公的資金の投入により個人消費が回復し一時的な景気の持ち直しが見られたものの、同感染症の再拡大による緊急事態宣言の再発令もあり大幅に下押しされています。今後は、ワクチン接種の普及とともに緩やかな回復に向かっていくことが期待されますが、未だ時間を要するものと見込まれます。
当社グループが属する建設業においては、防災・減災対策や老朽化対策などインフラ整備等の建設投資は底堅い状況ですが、民間設備投資はコロナ禍で停滞しており、加えて深刻な建設産業就労人口の減少、働き方改革への対応や週休二日制推進は喫緊の解決すべき命題となっており、建設業界の見通しも大変不透明な状況にあります。
このような経済状況下において、当社は「中期経営計画2019(2019年度~2021年度)」の基本方針に基づき、収益基盤の強化と事業領域の拡大を目指してまいりました。土木事業においては、成長分野である大規模更新・修繕工事を新設橋梁工事と並ぶ主力事業として積算精度の向上や施工技術の改善を進め、建築事業においては、PC技術を核とした元請、設計施工案件の拡大、あるいは効率的なエリア展開を進めることで、受注の強化や収益力の向上に取り組んでまいりました。
また、収益源の多様化に向けた不動産事業への展開強化や、IoT、ICTの活用により働き方改革を進め、業務効率を高めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は1,172億19百万円(前年同期比10.9%増)、営業利益83億96百万円(同72.0%増)、経常利益84億22百万円(同72.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益55億92百万円(同74.0%増)となりました。
なお、個別の業績は、 売 上 高 1,059億19百万円 営業利益 70億4百万円
経常利益 73億60百万円 当期純利益 50億38百万円 であります。
セグメント業績は、以下のとおりであります。
土木事業は、売上高は749億23百万円(前年同期比15.4%増)、セグメント利益は128億13百万円(前年同期比34.5%増)となりました。繰越高が前期に比べ増加し、新設橋梁での設計変更獲得による改善要因があったこと、大規模更新・メンテナンス工事についても、開発中のシステムの試行運用により生産性向上に着手したこと等により売上高、利益ともに増加しました。大規模更新・メンテナンス工事について、大手総合建設会社による参入により受注環境は競争が激しくなってきており、その様な環境での受注確保が課題のひとつであると認識しています。技術提案点、積算精度の向上とともに、全国を視野に市場のある地域への入札参加により受注確保に取組んでまいります。また、新設橋梁に比べ大規模更新・メンテナンス工事は工期が長期化する傾向があることから、要員の確保も今後の課題のひとつであると認識しており、課題克服のため更なる工事部門間の積極的なローテーション施策を実施してまいります。技術者の大規模更新・メンテナンス工事経験率向上と共に、工事単位や支店単位だけではなく、全社的に情報提供を実施しております。各工事で実施したICT技術や施工計画等の情報の全社的な集約と発信により、また技術開発を通じて関係会社と共に、ICT関連企業、製造設備関連企業との連携により、更なる生産性向上を目指してまいります。
建築事業は、売上高は411億45百万円(前年同期比4.0%増)、セグメント利益は39億98百万円(前年同期比0.1%増)となりました。繰越高が前期に比べ増加したことが主な要因と判断しております。前期は受注が下期に偏ったことから当期は早期受注を目指した施策を実践しました。当期も同様の結果となったことから売上高・利益ともに満足のいく成果には繋がりませんでした。売上利益については、原価低減による工事採算の改善により微増となりました。新型コロナウイルス感染症の影響は2021年度においても続いており、当社グループが新規顧客獲得を目指していた市場において設備投資の延期や見直しが多く見受けられております。また、大型案件の受注強化の施策を実施しましたが、当社がターゲットとする案件規模に大手総合建設会社が参入しつつあり、競争が更に激しくなってきております。今後も、受注環境はかなり不透明な状況になると想定していますが、PCaPC工事による建築構造物の付加価値提案による受注活動により、建築元請工事に代表される当社の強みを更に強化し、他社との差別化や事業領域の拡大を図り安定した受注・収益を確保できるよう取り組んでまいります。
製造事業は、売上高は83億86百万円(前年同期比12.2%減)、セグメント利益は4億90百万円(前年同期比17.8%増)となりました。前期に比べ大型案件の減少が売上高の減少要因と判断しております。利益については、個別案件の利益の積み増しにより増加したと判断しております。現在、工場設備改修により生産体制強化も進んでおり、今後も安定した生産量の確保とコスト低減による価格競争力向上に取り組んでまいります。
その他兼業事業は、売上高は40億49百万円(前年同期比1.5%減)、セグメント利益は2億67百万円(前年同期比21.7%減)となりました。新型コロナウイルス感染症等の影響により売上高・利益ともに減少しました。
なお、セグメントの業績は、報告セグメントの売上高、セグメント利益を記載しております。
(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末の総資産は、954億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ71億41百万円増加となりました。
流動資産は737億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ58億43百万円増加しております。主な要因としまして現金預金が50億27百万円減少しましたが、受取手形・完成工事未収入金等が99億25百万円、電子記録債権が8億46百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は217億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億97百万円増加しております。主な要因としまして退職給付に係る資産が7億66百万円増加したことによるものであります。
負債合計は532億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億57百万円増加しております。
流動負債合計は433億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億97百万円減少しております。主な要因としまして、未払法人税等が19億68百万円、その他流動負債が13億57百万円、預り金が7億44百万円それぞれ増加しましたが、1年内返済予定の長期借入金が35億円減少したことによるものであります。
固定負債合計は98億28百万円となり前連結会計年度末に比べ26億55百万円増加しております。主な要因といたしまして、退職給付に係る負債が14億40百万円減少しましたが、長期借入金が40億円増加したことによるものであります。
純資産の部は、主に親会社株主に帰属する当期純利益55億92百万円の計上により422億16百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益82億27百万円、長短借入金の増減額4億13百万円等の増加要因、売上債権の増減△108億1百万円、仕入債務の増減△6億97百万円、未成工事受入金の増減△7億57百万円、有形固定資産の取得7億22百万円、法人税の支払10億1百万円、配当金の支払9億47百万円等の減少要因により、前連結会計年度末に比べ50億27百万円減少し、当連結会計年度末には104億56百万円となりました。
当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は36億84百万円(前年同期は46億30百万円の獲得)となりました。これは主に土木事業について、売上債権のうち大型工事の入金が翌連結会計年度にずれ込んだため、支出超過になったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロ-)
投資活動の結果、使用した資金は6億75百万円(前年同期比66.5%減)となりました。これは主に工場施設の更新及び工事用機械器具の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロ-)
財務活動の結果、使用した資金は6億64百万円(前年同期比65.6%減)となりました。これは主に長期借入金の借換及び配当金の支払によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(1)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
土木事業(百万円)80,2219.9%
建築事業(百万円)43,8876.2%
製造事業(百万円)1,529△18.5%
その他兼業事業(百万円)768△5.4%
合計(百万円)126,4078.0%

(2)売上実績
当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
土木事業(百万円)73,91616.2%
建築事業(百万円)41,0054.0%
製造事業(百万円)1,529△18.5%
その他兼業事業(百万円)768△3.9%
合計(百万円)117,21910.9%

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当社グループ(当社及び連結子会社)では、生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載しておりません。
3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
前連結会計年度
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%を占める相手先がないため、記載を省略しております。
当連結会計年度
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%を占める相手先がないため、記載を省略しております。
なお、参考のため当社単独の事業の状況は次のとおりであります。
①受注高、売上高、繰越高及び施工高
期別種類別前 期繰越高
(百万円)
当 期受注高
(百万円)

(百万円)
当 期売上高
(百万円)
次期繰越高当 期施工高
(百万円)
手持高
(百万円)
うち施工高
(百万円)
%
前事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
土木工事70,72960,792131,52251,02480,4973.72,97451,009
建築工事36,51440,97077,48538,42139,0633.21,23738,540
工事計107,244101,763209,00789,445119,5613.54,21289,549
製品4,2401,5635,8042,9712,83365.51,8542,862
不動産事業322222621016--210
兼業計4,2441,7866,0303,1812,84965.11,8543,072
合計111,488103,549215,03892,627122,4115.06,06792,621
当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
土木工事80,49770,047150,54562,85587,6904.94,31564,195
建築工事39,06343,58482,64740,53542,1123.01,27340,570
工事計119,561113,631233,193103,390129,8024.35,588104,766
製品2,8336643,4972,2781,21850.16101,033
不動産事業1625026725016--250
兼業計2,8499143,7642,5291,23549.46101,284
合計122,411114,546236,957105,919131,0384.76,198106,050

(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更あるものについては、当期受注高にその増減を含んでおります。
2.次期繰越高の施工高は手持高のうち工事及び製品の支出金より推定したものであります。
3.当期施工高は、(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。
なお、不動産事業の当期施工高は当期売上高と一致しております。
②受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
期別区分特命(%)競争(%)計(%)
前事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
土木工事8.891.2100.0
建築工事30.869.2100.0
当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
土木工事9.290.8100.0
建築工事25.374.7100.0

③完成工事高
期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)合計(百万円)
前事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
土木工事25,95425,07051,024
建築工事67037,75138,421
26,62462,82189,445
当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
土木工事28,02834,82662,855
建築工事1,91338,62140,535
29,94273,448103,390

(注)1.完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度請負金額10億円以上の主なもの
中日本高速道路株式会社新名神高速道路 鈴鹿高架橋他1橋(PC上部工)工事
西日本高速道路株式会社長崎自動車道 日見夢大橋(PC上部工)工事
学校法人国際医療福祉大学国際医療福祉大学大川キャンパス薬学部新築工事
社会福祉法人平成記念会(仮称)介護老人福祉施設ケアホーム葛飾新築工事
株式会社錦糸町プラザ錦糸町駅前プラザビル建替プロジェクト

当事業年度請負金額10億円以上の主なもの
西日本高速道路株式会社阪和自動車道 みなべ高架橋他2橋(PC上部工)工事
中日本高速道路株式会社新東名高速道路 杉名沢第二高架橋他1橋(PC上部工)工事
東日本高速道路株式会社常磐自動車道 仁井田川橋(PC上部工)工事
九州三菱自動車販売株式会社九州三菱自動車販売本社ビル新築工事
泉陽興業株式会社YRP横浜ロープウェイ建設工事

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
外部顧客への売上高のうち、損益計算書の売上高の10%を占める相手先がないため、記載を省略しております。
当事業年度
外部顧客への売上高のうち、損益計算書の売上高の10%を占める相手先がないため、記載を省略しております。
④手持工事高
(2021年3月31日現在)

区分官公庁(百万円)民間(百万円)合計(百万円)
土木工事16,90570,78587,690
建築工事4,25937,85342,112
21,164108,638129,802

(注)手持工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
西日本高速道路株式会社新名神高速道路 信楽川橋(PC上部工)工事2025年3月完成予定
中日本高速道路株式会社北陸自動車道(特定更新等)新手取川橋(上部工)工事2026年7月完成予定
コートジボワール国 道路管理公社第二次日本・コートジボワール友好交差点改善計画2023年8月完成予定
医療法人社団大和会 大内病院(仮称)大内病院 増築工事2025年5月完成予定
名古屋市南陽工場焼却設備等更新にかかる工場棟改修その他工事2023年6月完成予定

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結貸借対照表上の資産、負債の計上額、および連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える見積り、仮定を使用する必要があります。当社グループの重要な会計方針のうち、見積りおよび仮定の重要度が高いものは以下であります。
a.工事進行基準による完成工事高
b.工事損失引当金
c.固定資産の減損
d.退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債
e.繰延税金資産の回収可能性
なお、詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a.経営成績等
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は、前連結会計年度に比べ114億75百万円(10.9%増)増加し、1,172億19百万円となりました。
土木事業は、前期繰越工事の増加、大型案件での設計変更及び追加契約の獲得、大規模更新・メンテナンス工事の生産性向上から売上高は前連結会計年度と比べ102億79百万円増加し、739億16百万円となりました。建築事業は、前期繰越工事が増加したことから売上高は前連結会計年度と比べ15億73百万円増加し、410億5百万円となりました。製造事業は、前連結会計年度と比べ3億46百万円減少し、15億29百万円となりました。その他兼業事業につきましては、新型コロナ感染症の影響から前連結会計年度に比べ31百万円減少し、7億68百万円となりました。
売上原価は、前連結会計年度に比べ82億20百万円(9.0%増)増加し、995億86百万円となりました。売上原価の増加率と売上高との増加率の差については、省力化、合理化により原価低減に努めたことによるものであります。売上総利益率は、売上原価率の減少により前連結会計年度の13.6%から1.4ポイント上昇し15.0%となっております。
販売費及び一般管理費は従業員の処遇改善等により人件費の増加がありましたが、新型コロナ感染症により旅費交通費やその他経費が減少したことにより、前連結会計年度に比べ2億59百万円(2.7%減)減少し、92億36百万円となりました。
営業外収益は、前連結会計年度に比べ物品売却益が64百万円減少しましたが、保険金が1億6百万円増加したことにより57百万円増加の2億60百万円となりました。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ持分法による投資損失が6百万円減少しましたが、土木事業の受注増加に伴う支払保証料が20百万円、資金の調達による支払利息が12百万円増加したことにより、46百万円増加の2億34百万円となりました。
特別利益は、固定資産売却益12百万円の計上により20百万円となりました。
特別損失は、固定資産除売却損1億14百万円、減損損失50百万円等の計上により2億15百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、主に売上高、売上総利益率の増加に伴う売上総利益の増加等により、前連結会計年度に比べ23億78百万円(74.0%増)増加、55億92百万円となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大および長期化により、一層混迷を深めており、今後も厳しい状況が予想されます。
建設業界においては、一部で施工の中断などがあったものの感染予防対策を徹底しながら施工を継続しておりますが、受注では、特に民間部門で設備投資の延期や見直しなどによる減速感が出ております。一方、土木事業は国土強靭化政策による公共投資は高水準を維持しており、当社の事業に関連の強い高速道路の大規模更新・修繕工事や4車線化・6車線化工事の発注が本格化を迎えております。大規模更新・修繕工事については、工事規模の大型化や工期の長期化の傾向が見られ、スーパーゼネコンや大手ゼネコンの市場参入で受注競争が激しくなっております。また、新設橋梁工事に比べると生産性が低いことから、IoTやICTの活用による施工技術の開発・改善により採算性を高めることが急務となっております。建築事業においては、同感染症の影響により先送りされていた設備投資が、業績回復の顕著な企業から再開されていく一方で、さらに厳しい受注環境が想定され、選別受注や積算精度の向上が必須となっております。
建設産業の課題として、少子高齢化による建設技術者・技能労働者不足が深刻な状況にある中、働き方改革における長時間労働の見直しや週休二日制の実現は働き手不足をさらに鮮明にしており、業務効率化や生産性向上による省人化・省力化がメインテーマとなっております。
当社グループでは、このような社会情勢の変化や社会的要請を見据え、PC業界のトップカンパニーとして、2019年5月に「10年後の目指す姿(長期ビジョン)」を明示し、その実現に向けた「中期経営計画2019(2019年度~2021年度)」に取り組んでおります。2020年度においては、徹底した感染症対策や大型案件の受注強化、顧客基盤の拡大などの追加施策を実行したことにより、停滞することなく事業規模の拡大を図り、受注・売上高いずれも計画値を達成しました。利益については、土木工事の設計変更及び追加契約の獲得に加え、現場での原価低減の取り組みが功を奏し、計画値を大幅に上回る結果となりました。本計画最終年度においても、社会情勢の変化に合わせた施策の追加と軌道修正を加えながら、基本方針・基本戦略を着実に実行し、「さらなる収益基盤の強化と変革による成長分野の拡大」の実現に向けて取り組みを強化し、事業領域を拡大すると共に、技術開発・人財・設備投資を充実させ他社との差別化を図ってまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、従来から工事売上等の営業活動により多くのキャッシュ・フローを得ており、現在及び将来にわたって必要な営業活動及び債務の返済などに備えるために、自己資金のほか金融機関からの借入により資金調達を図っております。当社は、国内金融機関からの借入れについて相対での借入枠を十分確保しており、かつ合計173億円を借入極度額とするコミットメントラインを設定し、長期・短期のバランスを考慮して安定的に資金調達しております。なお、国内グループ会社の資金については当社にて一元管理しており、必要に応じて当社より資金を融通しております。また、海外事業で必要な資金については当社の判断によりグループ会社に直接投資を行っている他、グループ会社の金融機関からの借入れについて当社が債務保証を行っております。
これら営業活動及び財務活動により調達した資金については、事業運営上必要な流動性を確保することに努め、機動的かつ効率的に使用することで金融負債の極小化を図っております。今後の投資についてはICT関連投資、老朽化した工場設備への計画的な更新、機械化施工に向けた設備投資、人財確保を見据えた福利厚生設備の更新等を進める方針でありますが、これら投資資金については自己資金及び金融機関からの借入れにより調達する予定であり、不要な有利子負債の圧縮のため、投資計画の妥当性を考慮して資金の使用時期と金額を判断しております。
今後とも入出金の厳格な管理により「営業活動によるキャッシュ・フロー」の獲得を実現し、財務体質の向上に努めていく所存であります。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中期経営計画において収益力・資本効率向上について指標を定めております。
(1) 注力事業(大規模更新事業、メンテナンス、PC建築)への投資を実施しつつ、生産性の向上等により主軸事業(PC新設橋梁、一般建築)の収益を安定させ、連結営業利益率4.2%以上を実現する。
(2) 健全な経営基盤を維持するために財務体質の強化と資本効率の向上を図り、ROE(自己資本当期純利益率)9.0%以上、ROA(総資産経常利益率)5.0%以上、D/Eレシオ(有利子負債÷株主資本)0.30倍以下を目指す。
経営上の目標の達成状況は下表に記載した計画対比のとおりです。
2020年度
数値目標
2020年度
実績
対比
受注高 (百万円)116,000126,407+10,407
売上高 (百万円)114,000117,219+3,219
営業利益 (百万円)4,1008,396+4,296
営業利益率 (%)3.67.2+3.6
ROE (%)7.614.2+6.6
ROA (%)4.49.2+4.8
D/Eレシオ (倍)0.300.27△0.03
配当性向 (%)25~3021.6-

受注高・営業利益・営業利益率・経常利益・経常利益率・ROE・ROA・D/Eレシオについて、中期経営計画の数値目標を上振れする結果となりました。受注については、土木事業において大規模更新工事とともに、メンテナンス工事の発注が本格化しており、それらの案件を受注できたことが主な要因であります。利益に関する数値目標達成の主な要因は、土木事業の設計変更及び追加契約の獲得による利益改善、大規模更新やメンテナンス工事の生産性向上による原価低減により計画値を大幅に上回りました。売上高についても、土木工事の新設橋梁の設計変更及び追加契約の獲得が主な要因であると判断しております。D/Eレシオにつきましても、土木事業の利益貢献により株主資本が増加したことにより目標値より改善しました。各部門についての分析・検討は以下のとおりです。
土木事業については、受注は北陸新幹線関連、高速道路会社の大規模案件の設計変更及び追加契約の獲得、大規模更新・メンテナンス工事により目標を大幅に上振れしました。売上高についても新型コロナ感染症の影響もほとんどなく北陸新幹線関連、高速道路会社の大規模案件の設計変更及び追加契約の獲得により大幅に上振れしました。利益については売上高上振れの要因とともに大規模更新・メンテナンス工事の生産性が向上してきていることにより目標を大幅に上振れしました。
建築事業については、前期の反省を踏まえ早期受注の取組みを強化しましたが、成約に至った件数は十分でなかったことから受注及び売上に大きな貢献はできませんでした。下期には大型案件の受注獲得となりましたが、前期と同様に下期に受注が偏る結果となり、受注高について中期経営計画の目標数値は未達となりました。売上高・利益についても原価低減を懸命に実施しましたが、受注高減少による影響額をカバーすることができず、中期経営計画の売上高・利益目標についても未達となりました。
セグメントごとの経営成績および財政状態の状況に関する認識および分析・検討内容は(1)経営成績等の状況の概要、①財政状態および経営成績の状況に記載のとおりであります。

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