有価証券報告書-第69期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/27 15:19
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文中の将来に関する事項は、当社が当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)業績等の概要
当連結会計年度は、世界情勢の不透明感の高まりやインフレの進展に加え、各国での利上げや大幅な円安の進行等、不安定な経済環境が継続し、景気減速感が高まりました。当社の主要市場においては、スマートフォン市場での需要が減速したことに加え、これまで堅調に推移してきた半導体関連市場においても汎用品を中心に調整感が強まりました。
このような経営環境の中、当社の売上高は、スマートフォン向け部品の需要減の影響を受けたものの、高水準の需要が継続した先端半導体向け部品の増産に加え、ドキュメントソリューション事業及び機械工具事業等での販売の増加、並びに円安による効果もあり、かねてより目標としてきた売上高2兆円を達成しました。
一方、利益は、増収及び円安による効果はあったものの、原材料及びエネルギーの価格や物流コスト等の高騰及びコミュニケーション事業の大幅な売上減を主因に減少しました。加えて、一時的な費用として、訴訟関連費用、年金債務に係る追加費用、並びに構造改革費用等の合計約190億円を計上したこともあり、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益のいずれも減少しました。
(百万円)

前連結会計年度
(自 2021年 4月 1日
至 2022年 3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年 4月 1日
至 2023年 3月31日)
増 減
金 額売上高比
(%)
金 額売上高比
(%)
増減金額増減率
(%)
売上高1,838,938100.02,025,332100.0186,39410.1
営業利益148,9108.1128,5176.3△20,393△13.7
税引前利益198,94710.8176,1928.7△22,755△11.4
親会社の所有者に帰属する当期利益148,4148.1127,9886.3△20,426△13.8
米ドル平均為替レート (円)112-135---
ユーロ平均為替レート (円)131-141---

(2)財政状態及び経営成績の状況
a.売上高
当連結会計年度の売上高は2,025,332百万円となり、前連結会計年度の1,838,938百万円と比較し、186,394百万円(10.1%)増加しました。
スマートフォン向け部品の需要減の影響を受けたものの、高水準の需要が継続した先端半導体向け部品の増産に加え、ドキュメントソリューション事業及び機械工具事業等での販売の増加、並びに円安による効果もあり、前連結会計年度に比べ増収となりました。
b.売上原価及び売上総利益
当連結会計年度の売上原価は1,460,388百万円となり、前連結会計年度の1,325,295百万円と比較し、135,093百万円(10.2%)増加しました。
売上原価の主な内訳は、原材料費が前連結会計年度の490,831百万円から25,341百万円(5.2%)増加の516,172百万円となり全体の35.3%を占め、人件費が前連結会計年度の278,422百万円から16,658百万円(6.0%)増加の295,080百万円となり全体の20.2%を占めています。また、減価償却費は前連結会計年度の80,256百万円から15,375百万円(19.2%)増加の95,631百万円となり全体の6.5%を占めています。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は564,944百万円となり、前連結会計年度の513,643百万円と比較し、51,301百万円(10.0%)増加しました。当連結会計年度の売上総利益率は前連結会計年度と横ばいの27.9%となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は436,427百万円となり、前連結会計年度の364,733百万円と比較し、71,694百万円(19.7%)増加しました。これは主に、円安の影響や人件費の増加、並びに旅費等の諸経費の増加に加え、一時的な費用として訴訟関連費用、年金債務に係る追加費用を計上したことによるものです。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費の主な内訳は、人件費が前連結会計年度の207,411百万円から32,047百万円(15.5%)増加の239,458百万円となり全体の54.9%を占め、販売費及び広告宣伝費が前連結会計年度の42,554百万円から7,101百万円(16.7%)増加の49,655百万円となり全体の11.4%を占めています。また、減価償却費は前連結会計年度の37,420百万円から8,512百万円(22.7%)増加の45,932百万円となり全体の10.5%を占めています。
この結果、当連結会計年度の営業利益は128,517百万円となり、前連結会計年度の148,910百万円と比較し、20,393百万円(13.7%)減少しました。当連結会計年度の営業利益率は前連結会計年度の8.1%から1.8ポイント減少し、6.3%となりました。
d.金融収益
当連結会計年度の金融収益は52,289百万円となり、前連結会計年度の45,208百万円と比較し、7,081百万円(15.7%)増加しました。これは主に、KDDI㈱からの受取配当金及び当社の受取利息が増加したことによるものです。
e.金融費用
当連結会計年度の金融費用は3,594百万円となり、前連結会計年度の2,750百万円と比較し、844百万円(30.7%)増加しました。
f.為替換算差損益
当連結会計年度の平均為替レートは、対米ドルは前連結会計年度に比べ23円(20.5%)円安の135円、対ユーロは10円(7.6%)円安の141円となりました。また、当連結会計年度末の為替レートは、対米ドルは前連結会計年度末に比べ12円(9.8%)円安の134円、対ユーロは9円(6.6%)円安の146円となりました。なお、当連結会計年度の為替換算差損益は4,651百万円の損失となりました。
当社では、外貨建の債権債務に係る為替変動リスクの低減を図るために、主に先物為替予約を利用しています。当社は、先物為替予約については、外国為替レートの変動をヘッジする目的に限定して利用しており、トレーディング目的のための先物為替予約は行っていません。
g.持分法による投資損益
当連結会計年度の持分法による投資損益は695百万円の利益となり、前連結会計年度の807百万円の損失と比較し、1,502百万円増加しました。
h.税引前利益
当連結会計年度の税引前利益は176,192百万円となり、前連結会計年度の198,947百万円と比較し、22,755百万円(11.4%)減少しました。当連結会計年度の税引前利益率は前連結会計年度の10.8%から2.1ポイント減少し、8.7%となりました。
増収及び円安による効果はあったものの、原材料及びエネルギー価格や物流コスト等の高騰及びコミュニケーション事業の大幅な売上減を主因に減少しました。加えて、一時的な費用として、訴訟関連費用、年金債務に係る追加費用、並びに構造改革費用等の合計約190億円を計上したこともあり、前連結会計年度に比べ減益となりました。
i.法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用は45,227百万円(実効税率25.7%)となり、前連結会計年度の46,911百万円(実効税率23.6%)と比較し、1,684百万円(3.6%)減少しました。法人所得税費用は、税引前利益の減少を主因に前連結会計年度に比べ減少しました。一方、実効税率は、前連結会計年度に認識した、当社の米国子会社が過去に計上した一時的な税金費用に対する還付の影響がなくなったことを主因に、前連結会計年度に比べ2.1ポイントの上昇となりました。
j.非支配持分に帰属する当期利益
当連結会計年度の非支配持分に帰属する当期利益は2,977百万円となり、前連結会計年度の3,622百万円と比較し、645百万円(17.8%)減少しました。
k.レポーティングセグメント別営業概況
コアコンポーネント
当連結会計年度の売上高は592,376百万円となり、前連結会計年度の527,933百万円と比較し、64,443百万円(12.2%)増加しました。半導体関連部品事業における情報通信インフラ市場向け有機基板及び産業・車載用部品事業における半導体製造装置用ファインセラミック部品等の高付加価値製品の売上増を主因に増収となりました。
事業利益は89,475百万円となり、前連結会計年度の61,640百万円に比べ27,835百万円(45.2%)増加し、事業利益率は15.1%となりました。継続的に実施しているセラミックパッケージ及び有機基板等の生産能力増強を目的とした設備投資に伴い、減価償却費は9,222百万円増加したものの、増収に加え円安の効果もあり、大幅な増益となりました。
電子部品
当連結会計年度の売上高は378,536百万円となり、前連結会計年度の339,102百万円と比較し、39,434百万円(11.6%)増加しました。産業機器市場及び自動車関連市場向けを中心にセラミックコンデンサ等の需要が増加したことに加え、円安の効果もあり増収となりました。
事業利益は44,064百万円となり、前連結会計年度の47,896百万円に比べ3,832百万円(8.0%)減少し、事業利益率は11.6%となりました。原材料等の価格高騰の影響やスマートフォン向け部品の需要が減速したことに加え、KAVXにおいて年金債務に係る追加費用等約30億円を計上したことから減益となりました。
ソリューション
当連結会計年度の売上高は1,068,597百万円となり、前連結会計年度の983,689百万円と比較し、84,908百万円(8.6%)増加しました。ドキュメントソリューション事業及び機械工具事業における主要製品の販売増加や円安の効果もあり、増収となりました。
事業利益は42,239百万円となり、前連結会計年度の68,730百万円に比べ26,491百万円(38.5%)減少し、事業利益率は4.0%となりました。コミュニケーション事業における携帯電話端末の販売台数の大幅な減少に加え、構造改革に伴う在庫評価減等約80億円の一時的な費用の計上並びに各事業における原材料及びエネルギーの価格や物流コスト等の高騰の影響を受けたことから、減益となりました。
レポーティングセグメント別売上高(百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増 減
金 額構成比
(%)
金 額構成比
(%)
増減金額増減率
(%)
コアコンポーネント527,93328.7592,37629.264,44312.2
産業・車載用部品172,9089.4199,1949.826,28615.2
半導体関連部品327,74617.8364,57918.036,83311.2
その他27,2791.528,6031.41,3244.9
電子部品339,10218.4378,53618.739,43411.6
ソリューション983,68953.51,068,59752.884,9088.6
機械工具251,06213.7308,40615.257,34422.8
ドキュメントソリューション366,69119.9434,91421.568,22318.6
コミュニケーション262,30614.3207,79310.3△54,513△20.8
その他103,6305.6117,4845.813,85413.4
その他の事業17,8171.023,4031.25,58631.4
調整及び消去△29,603△1.6△37,580△1.9△7,977-
売上高1,838,938100.02,025,332100.0186,39410.1

レポーティングセグメント別税引前利益(△損失)(百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増 減
金 額売上高比
(%)
金 額売上高比
(%)
増減金額増減率
(%)
コアコンポーネント61,64011.789,47515.127,83545.2
産業・車載用部品19,87211.524,74312.44,87124.5
半導体関連部品44,23913.567,70218.623,46353.0
その他△2,471-△2,970-△499-
電子部品47,89614.144,06411.6△3,832△8.0
ソリューション68,7307.042,2394.0△26,491△38.5
機械工具27,21110.823,2797.5△3,932△14.5
ドキュメントソリューション33,3349.133,7067.83721.1
コミュニケーション15,2885.8△11,729-△27,017-
その他△7,103-△3,017-4,086-
その他の事業△14,649-△28,795-△14,146-
事業利益計163,6178.9146,9837.3△16,634△10.2
本社部門損益等35,330-29,209-△6,121△17.3
税引前利益198,94710.8176,1928.7△22,755△11.4

l.本社部門損益等
本社部門損益は、金融資産に係る収益や、各セグメントに対して本社部門から提供される経営管理サービスに伴う収入等から構成されます。
当連結会計年度は29,209百万円の収益となり、前連結会計年度の35,330百万円の収益と比較し、6,121百万円(17.3%)減少しました。KDDI㈱からの受取配当金が増加した一方で、一時的な費用として、訴訟関連費用を計上したことことに加え、前連結会計年度に計上した関係会社の清算に伴う収益の影響がなくなったこともあり、減益となりました。
m.生産、受注及び販売の実績
レポーティングセグメント別受注高(百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減率
(%)
金 額構成比
(%)
金 額構成比
(%)
コアコンポーネント529,41828.4569,81828.77.6
産業・車載用部品181,7809.8202,83410.211.6
半導体関連部品320,36017.2338,40017.15.6
その他27,2781.428,5841.44.8
電子部品360,84819.4364,50818.41.0
ソリューション981,60852.81,065,52453.78.5
機械工具254,06813.7309,69515.621.9
ドキュメントソリューション365,98619.7433,59921.818.5
コミュニケーション253,88013.6209,83810.6△17.3
その他107,6745.8112,3925.74.4
その他の事業18,6381.019,3261.03.7
調整及び消去△30,214△1.6△35,909△1.8-
受注高1,860,298100.01,983,267100.06.6

(注)当社は、需要の増加や顧客の要求、市場の変化等に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産実績は販売実績に類似しています。このため、生産及び販売の実績は「k.レポーティングセグメント別営業概況」に関連付けて示しています。
(3)流動性及び資金の源泉
a.資金の源泉
<当連結会計年度末の資金の状況>当社の主な資金の源泉は、営業活動によって獲得した現金です。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは179,212百万円であり、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を373,500百万円保有しています。うち海外の連結子会社の保有する現金及び現金同等物は、当連結会計年度末において221,874百万円になりますが、当社での使用を目的として、これらを当社へ還流することは現時点において想定していません。
また、当社は将来の更なる成長に向けた投資のために金融機関からの借入も実施しています。当連結会計年度末の借入金残高は136,786百万円(総資産に対し3.3%)であり、主として円建です。
当連結会計年度末の運転資本(流動資産から流動負債を控除した金額)は896,238百万円であり、自己資本比率(親会社の所有者に帰属する持分比率)は73.9%と、引き続き強固な財務体質を保っています。
このように強固な財務体質を維持していることに加え、一部の借入には資金調達コストの引き下げを目的として、当社が保有するKDDI㈱の株式の一部を担保に設定していることから、比較的低いコストで資金を調達しています。なお、借入金の詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記19. 借入金」を参照ください。
<当連結会計年度の資金需要>当社の当連結会計年度における主な資金需要は、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金、並びに配当金の支払等となりました。
当連結会計年度の設備投資額は、前連結会計年度の151,771百万円と比較し、22,130百万円(14.6%)増加し、173,901百万円となりました。主にコアコンポーネントセグメント及び電子部品セグメントにおいて生産能力拡大のため積極的な設備投資を進めたことに加え、研究開発体制の強化を目的に新たな研究開発施設を開設したことに伴い、設備投資額が前連結会計年度に比べ増加しました。研究開発費は、前連結会計年度の84,123百万円と比較し、10,154百万円(12.1%)増加し、94,277百万円となりました。
また、当社は、当連結会計年度において1株当たり190円、総額68,192百万円の配当金の支払いを行いました。
当社は、当連結会計年度においてこれらの設備投資、研究開発並びに配当金の支払等の原資について、自己資金及び金融機関からの借入で賄いました。
<翌連結会計年度の資金需要>当社は、翌連結会計年度における主な資金需要として、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当金の支払、自己株式の取得等を見込んでいます。
翌連結会計年度においては、275,000百万円の設備投資と115,000百万円の研究開発費を予定しており、これらの売上高に対する割合については、当連結会計年度に比べて増加する見通しです。設備投資額は、5Gや半導体関連市場向け部品等の高需要部品への増産投資を中心として、当連結会計年度に比べて大幅に増加する見通しです。また、研究開発費についても、事業拡大に向けて新技術・新製品開発の強化を継続する考えであり、当連結会計年度に比べて増加する見通しです。なお、設備の発注契約を含め、当社の契約債務の詳細については後述の「d.契約債務」を参照ください。
配当金の支払については、2023年6月27日に開催された当社の定時株主総会において承認されており、1株当たり100円、総額35,891百万円の期末配当を実施します。
また当社は、2023年5月15日に開催された取締役会において、株主還元の一環並びに機動的な資本戦略への準備として、自己株式の取得に係る事項について決議しました。詳細は、「第4 提出会社の状況 2 自己株式の取得等の状況(2)取締役会決議による取得の状況」を参照ください。
当社は、これらの資金需要については、営業活動等で獲得した自己資金に加え、金融機関からの借入にて対応する予定です。ただし、現時点では格付機関による信用格付に影響を与えるような外部からの資金調達を行う予定はありません。当社は、主要な取引先金融機関と良好な関係を構築していることから、今後の事業資金の調達に関して問題はないと認識しています。
なお、既存事業の拡大及び新規事業の創出のための投資に多額の資金需要が生じる場合には、金融機関からの借入に加え、社債、株式の発行といった資金調達手段を有しています。
ただし、今後主要市場での需要動向が悪化した場合や、製品価格が当社の予想を大きく超えて下落した場合等においては、当社の資金の流動性に悪影響を及ぼす可能性があります。
b.キャッシュ・フローの状況(百万円)

前連結会計年度当連結会計年度増減金額
営業活動によるキャッシュ・フロー201,957179,212△22,745
投資活動によるキャッシュ・フロー△79,457△168,833△89,376
財務活動によるキャッシュ・フロー△111,473△61,25750,216
現金及び現金同等物に係る換算差額16,37510,249△6,126
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)27,402△40,629△68,031
現金及び現金同等物の期首残高386,727414,12927,402
現金及び現金同等物の期末残高414,129373,500△40,629

営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・インは、前連結会計年度の201,957百万円に比べ22,745百万円(11.3%)減少し、179,212百万円となりました。これは主に前連結会計年度に増加した営業債権の回収が進んだ一方、営業債務及び法人所得税の支払が増加したことに加え、京セラドキュメントソリューションズ㈱の連結子会社TA Triumph-Adler GmbHの退職給付に係る負債を現金等で第三者に引き渡したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・アウトは、前連結会計年度の79,457百万円に比べ89,376百万円(112.5%)増加し、168,833百万円となりました。これは主に設備投資が増加したことに加え、有価証券の償還による収入が減少したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・アウトは、前連結会計年度の111,473百万円に比べ50,216百万円(45.0%)減少し、61,257百万円となりました。これは主に配当金の支払が増加した一方、借入金の調達が返済を上回ったことに加え、自己株式の取得による支出が減少したことによるものです。
なお、当連結会計年度において現金及び現金同等物は、換算により10,249百万円増加しました。これは主に、前連結会計年度末に比べ当連結会計年度末は欧米通貨に対し円安となったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末の414,129百万円から40,629百万円(9.8%)減少し、373,500百万円となりました。当社の保有する現金及び現金同等物は主に円建ですが、海外の連結子会社では、主として米ドルを含む外貨建の現金及び現金同等物を保有しています。
c.資産、負債及び資本
当連結会計年度末における当社の資産合計は、前連結会計年度末の3,917,265百万円から176,663百万円(4.5%)増加し、4,093,928百万円となりました。
現金及び現金同等物は、事業利益の獲得による収入及び借入金による調達を上回る設備投資、及び配当金支払による支出があったことを主因として、前連結会計年度末から40,629百万円(9.8%)減少し、373,500百万円となりました。
短期投資は、定期預金の解約を行ったことを主因として、前連結会計年度末から20,673百万円(81.2%)減少し、4,787百万円となりました。
営業債権及びその他の債権は、前連結会計年度末から1,906百万円(0.5%)増加し、380,972百万円となりました。年度末の売上が拡大したことを主因として微増となりました。
棚卸資産は、需要の増加を主因として、前連結会計年度末から86,935百万円(19.2%)増加し、539,441百万円となりました。
資本性証券及び負債性証券は、KDDI㈱株式を含む保有株式の株価上昇に伴う時価総額の増加等により、前連結会計年度末に比べて39,125百万円(2.7%)増加し、1,508,258百万円となりました。
有形固定資産は、前連結会計年度末から75,303百万円(14.7%)増加し、587,478百万円となりました。なお、当連結会計年度の設備投資額は173,901百万円、減価償却費は108,757百万円でした。
使用権資産は、東京都三田に移転予定である当社東京事業所の新規賃貸借契約締結を主因として、前連結会計年度末に比べて21,917百万円(53.8%)増加し、62,620百万円となりました。
当連結会計年度末における当社の負債合計は、前連結会計年度末の1,018,992百万円から26,101百万円(2.6%)増加し、1,045,093百万円となりました。
流動負債における借入金は、借り換えに伴う非流動負債における借入金への振替を主因として、前連結会計年度末に比べて50,322百万円(63.4%)減少し、29,060百万円となりました。
営業債務及びその他の債務は、主に買掛金及び未払金を決済したことを主因として、前連結会計年度末に比べて19,098百万円(8.6%)減少し、203,864百万円となりました。
非流動負債における借入金は、借り換えを含む追加の銀行借入を主因として、前連結会計年度末に比べて90,563百万円(527.7%)増加し、107,726百万円となりました。
非流動負債におけるリース負債は、東京都三田に移転予定である当社東京事業所の新規賃貸借契約締結を主因として、前連結会計年度末に比べて17,274百万円(48.8%)増加し、52,664百万円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末の2,898,273百万円から150,562百万円(5.2%)増加し、3,048,835百万円となりました。
利益剰余金は、親会社の所有者に帰属する当期利益127,988百万円及び支払配当金68,192百万円を計上したことに加え、年金資産の時価評価損益等6,474百万円を計上したことにより、前連結会計年度末の1,846,102百万円から66,270百万円(3.6%)増加し、1,912,372百万円となりました。
その他の資本の構成要素は、KDDI㈱株式を含む保有株式の株価上昇及び円安に伴う為替換算調整勘定の増加を主因として、前連結会計年度末に比べて89,504百万円(10.2%)増加し、969,801百万円となりました。
当連結会計年度末の親会社の所有者に帰属する持分比率は、前連結会計年度末の73.3%から0.6ポイント増加し、73.9%となりました。
d.契約債務
当社の予定決済日ごとの契約債務は次のとおりです。
(百万円)

2024年3月期2025年3月期-
2026年3月期
2027年3月期-
2028年3月期
2029年3月期
以降
合 計
短期借入金20,000---20,000
支払利息(短期借入金)(注)7---7
長期借入金
(1年以内返済予定分を含む)
9,06011,89193,8641,971116,786
支払利息(長期借入金)
(1年以内返済予定分を含む)
(注)
1,0321,1304035343,099
リース負債20,37325,73313,74317,13576,984
設備の発注契約104,37816,08022663120,747
合 計154,85054,834108,23619,703337,623

(注)変動金利による借入金の支払利息については、当連結会計年度末の実質利率を使用して、将来見込まれる支払利息を算出しています。
当社は翌連結会計年度において、確定給付制度に対し10,430百万円を拠出する予定です。また、当社は、当連結会計年度末において不確実な税務ポジションとして負債を2,130百万円計上していますが、将来の解決時期を合理的に見積ることができないため、上記の表には含めていません。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。これらの連結財務諸表を作成する際には、見積り、判断及び仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債の金額、及び開示期間の収益・費用の金額に影響を与えます。ただし、これらの見積り、判断及び仮定は実際の結果とは異なる場合があります。
当社の連結財務諸表における見積りは、次の場合において会計上非常に重要な見積りとなります。すなわち、当社が見積りを行った時点では、その対象となった事象が非常に不確実な状況にも関わらず見積りを行う必要があった場合、また、当該期間において当社が実際に採用したものとは異なるが、当社が採用することができた見積りがある、もしくは複数の会計年度にわたって変更が発生すると予想される見積りがあり、その見積りが当社の財政状態及び経営成績の開示に重要な影響を及ぼす場合です。当社は会計情報の開示を行う上で、下記の項目を重要な会計上の見積りとして認識しています。各項目の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」を参照ください。
a.棚卸資産の評価
当社は、棚卸資産が適正な価値で評価されるように評価損の金額を見積っています。過剰、滞留、並びに陳腐化した棚卸資産に対して評価損を計上しています。また、棚卸資産は正味実現可能価額まで評価損を計上しています。当社は通常、一定の保有期間を超える棚卸資産を滞留もしくは陳腐化していると見なします。また、当社では、将来の需要予測や市況、そして関与する経営者の判断のもとに、一定の保有期間に満たない棚卸資産についても評価損を計上することがあります。今後も市場の状況や製品の需要が当社の想定を下回れば、棚卸資産の評価損を計上しなければならない可能性があります。
b.有形固定資産及び無形資産の耐用年数
有形固定資産は、事業ごとの実態に応じた見積利用可能年数または見積投資回収期間に基づき、定額法で償却しています。償却性無形資産は、資産の将来の経済的便益が消費されると予測される期間に基づき、定額法で償却しています。
将来、技術革新等による設備の陳腐化や用途変更並びに事業環境の変化等による利用可能期間の見直しの結果、耐用年数を変更する場合には、翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
c.有形固定資産、のれん及び無形資産の減損
当社は、有形固定資産及び償却性無形資産について、帳簿価額を回収できない可能性を示す事象が発生した時点、もしくは状況が変化した時点で、減損テストを行っています。また、のれん及び耐用年数が確定できない無形資産は償却をせず、年1回及び減損の可能性を示す事象が発生または状況が変化した時点で減損テストを行っています。減損損失は、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回った場合に認識しています。
資産または資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としています。使用価値は、マネジメントが承認した事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率により、現在価値に割り引いて算定しています。
使用価値は様々な仮定に基づき算定されているため、使用価値の減少をもたらすような予測不能な事業環境の変化等が生じた場合には、減損損失が発生するリスクがあります。
d.償却原価で測定する金融資産の減損
当社は、主に営業債権等の償却原価で測定される金融資産について、回収可能性や信用リスクの著しい増加等を考慮のうえ将来の予想信用損失を測定していますが、実際の損失が予想信用損失より過大または過少になる可能性があります。
e.金融商品の公正価値
当社は、特定の金融商品の公正価値を評価する際に、市場で観察可能ではないインプットを利用する評価技法を用いています。観察可能ではないインプットは、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
f.法人所得税費用
当社は、繰延税金資産について、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りと税務上、実現可能と見込まれる計画に依拠します。仮に将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。
当連結会計年度末においては、繰延税金資産を116,519百万円認識しています。当社は、当連結会計年度の税引前利益及び法人所得税費用と比較し、当該繰延税金資産が将来において合理的に実現するものと考えます。
また当社は、税務調査を受けることを前提に税務上認識された不確実な税務ポジションについて発生の可能性が高いと判断した場合、当該部分を不確実な税務ポジションとして負債に計上しています。なお、法人所得税における不確実性に関する会計処理の金額と税務当局との解決による金額は異なる可能性があります。
当連結会計年度末においては、不確実な税務ポジションを総額で2,130百万円計上しています。当社は、法人所得税の不確実性に関する最終的な解決が将来の連結損益計算書へ重要な影響を及ぼすことはないと考えています。
g.確定給付制度
確定給付制度において、確定給付負債または資産の純額は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定されます。
確定給付制度債務の現在価値は数理計算上の仮定に基づき算定されます。数理計算上の仮定には割引率、昇給率等の基礎率についての見積り及び判断が求められます。
当社は、優良社債の利回り等を参考に割引率を決定します。昇給率は主に過去の実績、近い将来の見通し、物価変動等により決定されます。当社は毎年、数理計算の基礎となる前提条件を見直しており、必要に応じてその時点の市場環境をもとに調整を行っています。
日本及び世界的な経済の停滞により当社が割引率を引き下げる場合には、確定給付制度債務及び関連する勤務費用等が増加します。
h.引当金及び偶発債務
当社は、通常の事業活動を営む上で、様々な訴訟や賠償要求を受ける可能性があります。当社は、法律専門家と相談の上、こうした偶発債務が重要な結果を引き起こす可能性を予測しています。当社は、不利益な結果を引き起こす可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には当該債務を計上します。見積りを行う際当社は、受けている訴訟の進捗、及び他の会社が受けている同種の訴訟やその他関連する事項を考慮します。発生した負債は見積りに基づいており、将来における偶発債務の発展や解決に大きく影響されます。
i.収益認識
当社は、情報通信、自動車関連等の市場における販売を主な収益源としています。当社におけるレポーティングセグメントは、「コアコンポーネント」、「電子部品」、「ソリューション」で構成されており、事業単位並びに主要事業及び子会社は次のとおりです。
レポーティングセグメント及び事業単位主要事業及び子会社
コアコンポーネント
産業・車載用部品ファインセラミック部品、自動車部品、光学部品
半導体関連部品セラミック材料、有機材料
その他医療機器、宝飾・応用商品
電子部品電子部品、Kyocera AVX Components Corporation
ソリューション
機械工具機械工具
ドキュメントソリューション情報機器(京セラドキュメントソリューションズ㈱)
コミュニケーション通信機器、情報通信サービス(京セラコミュニケーションシステム㈱)
その他スマートエナジー、ディスプレイ、プリンティングデバイス

なお、当社において、顧客への販売は、顧客と締結した取引基本契約書及び注文書に記載された条件に基づいて行われます。当該契約書及び注文書には、価格、数量、並びに所有権の移転時期が記載されています。
(a) 販売奨励金
「電子部品」セグメントにおいて、各種電子部品を販売する代理店への販売については、以下の様々な販促活動が定められており、顧客との契約において約束された対価から販売奨励金を控除した金額で収益を測定しています。
ⅰ.ストック・ローテーション・プログラム
ストック・ローテーション・プログラムとは、品質に問題のない在庫について、直近6ヵ月の売上高に対して特定の比率を乗じ算出される金額分を、代理店が半年毎に返品することが可能な制度です。売上高に対するストック・ローテーション・プログラムの引当金は、現時点までの推移、現在の価格と流通量の情報、市場の特定の情報や売上情報、マーケティングやその他主要な経営手段を用いて算出した代理店の売上高に対する比率に基づき収益認識時点で算定し、計上されており、これらの手続きには重要な判断を必要とします。当社は、ストック・ローテーション・プログラムによる将来の返品について妥当な算定ができていると考えており、これまでの実際の結果と算定額に重要な乖離はありません。なお、製品が返品され、検収された時点で、代理店に対する売掛金を減額しています。
ⅱ.シップ・フロム・ストック・アンド・デビット・プログラム
シップ・フロム・ストック・アンド・デビット・プログラム(以下、シップ・アンド・デビット)は、代理店が顧客への販売活動における市場での価格競争に対して代理店を補助する仕組みです。シップ・アンド・デビットが適用されるためには、代理店が在庫から顧客へ販売する特定部分についての価格調整を代理店が要求する必要があります。シップ・アンド・デビットは、現在及び将来の代理販売において、代理店が顧客へ販売する特定部分について適用されることがあります。IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に準拠し、当社は代理店に対して収益を認識した時点で、その代理店への売上高にシップ・アンド・デビットが適用される可能性を考慮して、その売上高に関連する代理店の将来の活動に対して変動対価を見積り、計上しています。当社は、当該期間における売上高、代理店に対する売掛金の残額、代理店の在庫水準、現時点までの推移、市場状況、設備製造業やその他顧客に対する直接的な販売活動に基づく価格変動の傾向、売上情報、マーケティングやその他主要な経営手段を用いて売上高に対する変動対価を見積り、計上しています。これらの手続きは慎重な判断のもとで行われており、またその結果、当社はシップ・アンド・デビットにおける変動対価について妥当な算定、計上ができていると考えています。これまでの当社の実際の結果と算定額に重要な乖離はありません。
(b) リベート
「機械工具」事業及び「ドキュメントソリューション」事業における代理店への販売において、当社は、定められた期間内に予め定めた売上目標を達成した代理店に対し、現金でリベートを支払っています。このリベートについては、収益を認識した時点で見積った各代理店の予想販売額に基づき、リベート額を算定して、これを収益から控除しています。
(c) 返品
当社は、収益を認識した時点で過去の実績に基づいて返品による損失額を見積り、収益から控除しています。
(d) 製品保証
当社は、主に「ドキュメントソリューション」事業において、製品に対して通常1年間の製品保証を提供しています。また、最終消費者への販売において、1年間の保証期間終了後、延長保証契約を締結する場合があります。この延長保証契約については別個の履行義務として識別し、取引価格の一部を当該履行義務に配分した上で延長保証期間にわたり収益を認識しています。
また、製品販売、製品保証など複数の財またはサービスを提供する複数要素取引に係る契約については、契約に含まれる履行義務を識別し、契約の対価を配分する必要がある場合には、取引価格を独立販売価格に基づき配分しています。独立販売価格は、類似する製品またはサービスの販売価格やその他の合理的に利用可能な情報を参照して算定しています。

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