有価証券報告書-第154期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、周辺国での軍事的緊張の高まりや米国の保護主義政策などいくつかの懸念材料を抱えつつも、企業収益や雇用環境の改善は進展し、設備投資も持ち直すなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
国内新設橋梁の発注量は僅かな回復に止まりましたものの、建設需要全体は公共投資・民間投資とも拡大傾向となりましたため、建設業全般は活況を呈しました。
このような状況のもと、当連結会計年度の受注高は過去最高の1,487億4千万円(前年同期比350億円増)となりました。業績についても売上高は1,310億6千万円(同176億円増)、営業利益は137億3千万円(同57億1千万円増)、経常利益は138億6千万円(同57億3千万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は93億8千万円(同50億7千万円増)となり、それぞれ過去最高を更新することができました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。
(橋梁事業)
橋梁事業の事業環境については、前連結会計年度に過去最低水準まで落ち込みました国内新設橋梁の発注量は、東海環状道路関連の発注などに支えられ、若干ですが回復しました。一方、高速道路会社の大規模更新・大規模修繕事業につきましては、大型工事の発注が次第に本格化してまいりました。
このような状況のもと、当社グループは総合評価落札方式において技術評価点の獲得に注力した結果、国土交通省を中心に新設橋梁の受注を大幅に伸ばすことができました。配置予定技術者が逼迫し、保全工事については応札案件の選別を余儀なくされましたが、橋梁事業全体の受注高は過去最高の832億円(前年同期比209億9千万円増)となりました。主な受注工事としましては、国内新設工事は、東北地方整備局・気仙沼湾横断橋川口地区、関東地方整備局・舞浜立体海側、北陸地方整備局・猪谷橋、中部地方整備局・南大社1高架橋、春田6高架橋、加納第1高架橋、中国地方整備局・倉敷立体高梁川大橋、西日本高速道路・日高川橋他3橋、首都高速道路・高速大師橋更新、鉄道・運輸機構・北陸新幹線幸町橋りょう、宮城県・佐沼工区1号橋、川崎市・羽田連絡道路橋など、保全工事は、中日本高速道路・裾野インターチェンジ~沼津インターチェンジ間床版取替、首都高速道路・構造物改良工29-2-3、東京都・豊海橋改良などです。
売上高については、豊富な受注残高と好調な受注により過去最高を更新する739億5千万円(同88億8千万円増)となりました。また損益についても、複数の大型工事で竣工時精算による増額の獲得が重なったことに加え、稼働率の安定が全体的な採算性の向上につながりましたため、営業利益は85億1千万円(同46億6千万円増)と過去最高を更新しました。主な売上工事としましては、国内新設工事は、中部地方整備局・杭瀬川橋、霞4号幹線5-1工区、東日本高速道路・高畠深沼橋、中日本高速道路・高森第二高架橋他4橋、下糟屋第三高架橋、西日本高速道路・箕面インターチェンジ、首都高速道路・板橋熊野町ジャンクション間改良、HM11~13工区、阪神高速道路・西船場ジャンクション、茨城県・幸久大橋など、保全工事は、東日本高速道路・小仁熊橋床版取替、西日本高速道路・熊本地震応急復旧その1、名古屋高速道路公社・寺部工区床版等修繕などが売上に立ちました。
(エンジニアリング関連事業)
エンジニアリング関連事業については、工場や物流倉庫などの旺盛な需要が継続しましたため、システム建築事業の受注が大幅に拡大しました。加えて建築機鉄事業についても超高層建築などの受注により前連結会計年度の実績を大きく上回ったため、エンジニアリング関連事業全体の受注高は過去最高となる603億9千万円(前年同期比140億7千万円増)となりました。業績についても受注の増加に伴い増収増益となり、売上高は509億3千万円(同80億7千万円増)、営業利益は48億8千万円(同8億円増)と、それぞれ過去最高を更新しました。
(先端技術事業)
先端技術事業については、精密機器製造事業の受注が好調に推移しましたため、受注高は前連結会計年度実績並みの51億3千万円(前年同期比6千万円減)となりました。業績については、売上高は53億9千万円(同6億4千万円増)、営業利益は9億9千万円(同2億円増)と、それぞれ過去最高となりました。
(不動産事業)
不動産事業については、売上高は前連結会計年度とほぼ同額の7億7千万円、営業利益は増益の3億6千万円(前年同期比4千万円増)となり、当連結会計年度も安定的な収入と利益を確保しました。
b.財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ168億4千万円増加し、1,449億9千万円となりました。流動資産は921億7千万円となり、80億3千万円増加しました。その主な要因は、売上高の増加により「現金預金」が増加したためです。固定資産については、528億2千万円となり、88億円増加しました。その主な内訳は、大阪工場近隣用地の取得・船橋市の事務所棟建替などによる有形固定資産の増加が53億2千万円、株価上昇等による投資その他の資産の増加が33億3千万円です。
負債は、前連結会計年度末に比べ60億円増加し、643億円となりました。その主な要因は、「短期借入金」を返済したものの、「支払手形・工事未払金等」および「未払法人税等」などが増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ108億3千万円増加し、806億9千万円となりました。これは主に、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上および株価の上昇により「その他有価証券評価差額金」が増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は54.4%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて67億7千万円増加し、232億2千万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は192億5千万円(前連結会計年度は51億6千万円の使用)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は66億2千万円(前連結会計年度は6千万円の使用)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は58億4千万円(前連結会計年度は31億6千万円の獲得)となりました。これは、主に借入れの返済によるものです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
※ 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
a.いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
b.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しています。
c.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
d.平成27年3月期および平成29年3月期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」および「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載していません。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しています。
2.金額は、消費税等を除いて記載しています。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。
2.金額は、消費税等を除いて記載しています。
3.輸出について特記すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。
2.金額は、消費税等を除いて記載しています。
3.輸出について特記すべき事項はありません。
4.前連結会計年度および当連結会計年度において、主要な販売先に該当するものはありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。詳細は、第5『経理の状況』をご参照下さい。前連結会計年度からの変更はありません。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、大幅な増収増益となり、受注高、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益について、それぞれを過去最高とすることができました。なかでも経常利益は初めて100億円を超え、昭和63年3月期から30年ぶりの更新となりました。好業績の要因としては新設橋梁の受注が好調であったこと、長期大型工事の竣工が集中した年度でありそれら工事の最終変更契約において追加工事費を想定以上に獲得することができたこと、システム建築事業の業績がさらに拡大したこと、などです。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は重大事故の発生です。その再発防止が最も重要であり、二年前に発生した重大事故を決して風化させず、工事の安全が何よりも優先するということを常に強く認識し、全国すべての現場において安全施工を徹底します。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当連結会計年度は工事代金の回収が進み、営業キャッシュ・フローは大きく増加しました。そのため設備投資が拡大するなかにあっても新たな事業用資金の借入れは不要となりました。次期の設備投資はさらに拡大する見込みですが、当面の資金は自己資金と短期借入金で賄う予定です。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
橋梁事業については国内新設橋梁の発注量は前期から若干回復し、第1四半期に大型工事の発注が続いたことが特徴です。当社グループは年度当初からそれらの大型工事を連続的に受注し、その後も1年を通じて総合評価方式における技術評価点を高い状態で維持することができたため、新設橋梁の受注は大幅増となりました。また4~5年前に受注した長期大型工事の竣工が集中し、それら工事の最終変更契約において、追加工事費を想定以上に獲得することができました。
エンジニアリング関連事業については、システム建築事業の受注高と売上高が初めて300億円を超えました。大型の工場向け案件が増えるなど在来工法からの切り替えが確実に進展していることが業績拡大に繋がっています。ここ数年、生産ラインの増設でシステム建築事業の生産能力を増強してきましたが、更なる成長を図るため第二工場の建設を予定しております。現在は建設予定地の取得手続きを進めている段階ですが、平成30年夏の着工、平成31年夏の稼働開始を目指します。
先端技術事業についても精密製造事業の好調が続いており、平成30年度に新工場の建設を予定しております。
平成31年3月期は3ヵ年計画である第4次中期経営計画(以下、中期経営計画を中計といいます)の最終年度になります。本中計の数値目標とした売上高1,250億円、営業利益75億円については、当連結会計年度にそれを大幅に上回る実績で達成しました。平成31年3月期は次の新中計の策定と並行して、その新中計の前提となる設備等の準備を進めます。その準備で最大のものは、システム建築第二工場の新設になりますが、その新しい拠点の人員確保が必要です。積極的な新規採用・中途採用とグループ内の人員再配置で対応しますが、同時にIT投資による間接業務部門の生産性向上も推進していきます。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、周辺国での軍事的緊張の高まりや米国の保護主義政策などいくつかの懸念材料を抱えつつも、企業収益や雇用環境の改善は進展し、設備投資も持ち直すなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
国内新設橋梁の発注量は僅かな回復に止まりましたものの、建設需要全体は公共投資・民間投資とも拡大傾向となりましたため、建設業全般は活況を呈しました。
このような状況のもと、当連結会計年度の受注高は過去最高の1,487億4千万円(前年同期比350億円増)となりました。業績についても売上高は1,310億6千万円(同176億円増)、営業利益は137億3千万円(同57億1千万円増)、経常利益は138億6千万円(同57億3千万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は93億8千万円(同50億7千万円増)となり、それぞれ過去最高を更新することができました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。
(橋梁事業)
橋梁事業の事業環境については、前連結会計年度に過去最低水準まで落ち込みました国内新設橋梁の発注量は、東海環状道路関連の発注などに支えられ、若干ですが回復しました。一方、高速道路会社の大規模更新・大規模修繕事業につきましては、大型工事の発注が次第に本格化してまいりました。
このような状況のもと、当社グループは総合評価落札方式において技術評価点の獲得に注力した結果、国土交通省を中心に新設橋梁の受注を大幅に伸ばすことができました。配置予定技術者が逼迫し、保全工事については応札案件の選別を余儀なくされましたが、橋梁事業全体の受注高は過去最高の832億円(前年同期比209億9千万円増)となりました。主な受注工事としましては、国内新設工事は、東北地方整備局・気仙沼湾横断橋川口地区、関東地方整備局・舞浜立体海側、北陸地方整備局・猪谷橋、中部地方整備局・南大社1高架橋、春田6高架橋、加納第1高架橋、中国地方整備局・倉敷立体高梁川大橋、西日本高速道路・日高川橋他3橋、首都高速道路・高速大師橋更新、鉄道・運輸機構・北陸新幹線幸町橋りょう、宮城県・佐沼工区1号橋、川崎市・羽田連絡道路橋など、保全工事は、中日本高速道路・裾野インターチェンジ~沼津インターチェンジ間床版取替、首都高速道路・構造物改良工29-2-3、東京都・豊海橋改良などです。
売上高については、豊富な受注残高と好調な受注により過去最高を更新する739億5千万円(同88億8千万円増)となりました。また損益についても、複数の大型工事で竣工時精算による増額の獲得が重なったことに加え、稼働率の安定が全体的な採算性の向上につながりましたため、営業利益は85億1千万円(同46億6千万円増)と過去最高を更新しました。主な売上工事としましては、国内新設工事は、中部地方整備局・杭瀬川橋、霞4号幹線5-1工区、東日本高速道路・高畠深沼橋、中日本高速道路・高森第二高架橋他4橋、下糟屋第三高架橋、西日本高速道路・箕面インターチェンジ、首都高速道路・板橋熊野町ジャンクション間改良、HM11~13工区、阪神高速道路・西船場ジャンクション、茨城県・幸久大橋など、保全工事は、東日本高速道路・小仁熊橋床版取替、西日本高速道路・熊本地震応急復旧その1、名古屋高速道路公社・寺部工区床版等修繕などが売上に立ちました。
(エンジニアリング関連事業)
エンジニアリング関連事業については、工場や物流倉庫などの旺盛な需要が継続しましたため、システム建築事業の受注が大幅に拡大しました。加えて建築機鉄事業についても超高層建築などの受注により前連結会計年度の実績を大きく上回ったため、エンジニアリング関連事業全体の受注高は過去最高となる603億9千万円(前年同期比140億7千万円増)となりました。業績についても受注の増加に伴い増収増益となり、売上高は509億3千万円(同80億7千万円増)、営業利益は48億8千万円(同8億円増)と、それぞれ過去最高を更新しました。
(先端技術事業)
先端技術事業については、精密機器製造事業の受注が好調に推移しましたため、受注高は前連結会計年度実績並みの51億3千万円(前年同期比6千万円減)となりました。業績については、売上高は53億9千万円(同6億4千万円増)、営業利益は9億9千万円(同2億円増)と、それぞれ過去最高となりました。
(不動産事業)
不動産事業については、売上高は前連結会計年度とほぼ同額の7億7千万円、営業利益は増益の3億6千万円(前年同期比4千万円増)となり、当連結会計年度も安定的な収入と利益を確保しました。
b.財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ168億4千万円増加し、1,449億9千万円となりました。流動資産は921億7千万円となり、80億3千万円増加しました。その主な要因は、売上高の増加により「現金預金」が増加したためです。固定資産については、528億2千万円となり、88億円増加しました。その主な内訳は、大阪工場近隣用地の取得・船橋市の事務所棟建替などによる有形固定資産の増加が53億2千万円、株価上昇等による投資その他の資産の増加が33億3千万円です。
負債は、前連結会計年度末に比べ60億円増加し、643億円となりました。その主な要因は、「短期借入金」を返済したものの、「支払手形・工事未払金等」および「未払法人税等」などが増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ108億3千万円増加し、806億9千万円となりました。これは主に、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上および株価の上昇により「その他有価証券評価差額金」が増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は54.4%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて67億7千万円増加し、232億2千万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は192億5千万円(前連結会計年度は51億6千万円の使用)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は66億2千万円(前連結会計年度は6千万円の使用)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は58億4千万円(前連結会計年度は31億6千万円の獲得)となりました。これは、主に借入れの返済によるものです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
回次 | 第150期 | 第151期 | 第152期 | 第153期 | 第154期 |
決算年月 | 平成26年3月期 | 平成27年3月期 | 平成28年3月期 | 平成29年3月期 | 平成30年3月期 |
自己資本比率 | 56.5% | 54.1% | 56.0% | 53.3% | 54.4% |
時価ベースの 自己資本比率 | 46.9% | 47.1% | 44.2% | 41.7% | 64.2% |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 1.7年 | -年 | 1.2年 | -年 | 0.5年 |
インタレスト・ カバレッジ・レシオ | 46.8倍 | -倍 | 86.4倍 | -倍 | 263.9倍 |
※ 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
a.いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
b.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しています。
c.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
d.平成27年3月期および平成29年3月期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」および「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載していません。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称 | 数 量 (トン) | 前年同期比 (%) | 金 額 (百万円) | 前年同期比 (%) |
橋梁事業 | 51,885 | 102.1 | 73,957 | 113.7 |
エンジニアリング関連事業 | 85,466 | 133.9 | 50,934 | 118.8 |
先端技術事業 | - | - | 5,396 | 113.5 |
不動産事業 | - | - | 775 | 100.1 |
合計 | 137,352 | 119.8 | 131,063 | 115.5 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しています。
2.金額は、消費税等を除いて記載しています。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称 | 受注高 | 受注残高 | ||||
数量 (トン) | 前年同期比 (%) | 金額 (百万円) | 前年同期比(%) | 金額 (百万円) | 前年同期比 (%) | |
橋梁事業 | 55,959 | 131.3 | 83,209 | 133.7 | 95,020 | 110.8 |
エンジニアリング関連事業 | 89,559 | 124.1 | 60,396 | 130.4 | 51,646 | 122.4 |
先端技術事業 | - | - | 5,137 | 98.7 | 1,291 | 83.3 |
合計 | 145,519 | 126.8 | 148,743 | 130.8 | 147,959 | 114.3 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。
2.金額は、消費税等を除いて記載しています。
3.輸出について特記すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称 | 金 額 (百万円) | 前年同期比 (%) |
橋梁事業 | 73,957 | 113.7 |
エンジニアリング関連事業 | 50,934 | 118.8 |
先端技術事業 | 5,396 | 113.5 |
不動産事業 | 775 | 100.1 |
合計 | 131,063 | 115.5 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。
2.金額は、消費税等を除いて記載しています。
3.輸出について特記すべき事項はありません。
4.前連結会計年度および当連結会計年度において、主要な販売先に該当するものはありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。詳細は、第5『経理の状況』をご参照下さい。前連結会計年度からの変更はありません。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、大幅な増収増益となり、受注高、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益について、それぞれを過去最高とすることができました。なかでも経常利益は初めて100億円を超え、昭和63年3月期から30年ぶりの更新となりました。好業績の要因としては新設橋梁の受注が好調であったこと、長期大型工事の竣工が集中した年度でありそれら工事の最終変更契約において追加工事費を想定以上に獲得することができたこと、システム建築事業の業績がさらに拡大したこと、などです。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は重大事故の発生です。その再発防止が最も重要であり、二年前に発生した重大事故を決して風化させず、工事の安全が何よりも優先するということを常に強く認識し、全国すべての現場において安全施工を徹底します。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当連結会計年度は工事代金の回収が進み、営業キャッシュ・フローは大きく増加しました。そのため設備投資が拡大するなかにあっても新たな事業用資金の借入れは不要となりました。次期の設備投資はさらに拡大する見込みですが、当面の資金は自己資金と短期借入金で賄う予定です。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
橋梁事業については国内新設橋梁の発注量は前期から若干回復し、第1四半期に大型工事の発注が続いたことが特徴です。当社グループは年度当初からそれらの大型工事を連続的に受注し、その後も1年を通じて総合評価方式における技術評価点を高い状態で維持することができたため、新設橋梁の受注は大幅増となりました。また4~5年前に受注した長期大型工事の竣工が集中し、それら工事の最終変更契約において、追加工事費を想定以上に獲得することができました。
エンジニアリング関連事業については、システム建築事業の受注高と売上高が初めて300億円を超えました。大型の工場向け案件が増えるなど在来工法からの切り替えが確実に進展していることが業績拡大に繋がっています。ここ数年、生産ラインの増設でシステム建築事業の生産能力を増強してきましたが、更なる成長を図るため第二工場の建設を予定しております。現在は建設予定地の取得手続きを進めている段階ですが、平成30年夏の着工、平成31年夏の稼働開始を目指します。
先端技術事業についても精密製造事業の好調が続いており、平成30年度に新工場の建設を予定しております。
平成31年3月期は3ヵ年計画である第4次中期経営計画(以下、中期経営計画を中計といいます)の最終年度になります。本中計の数値目標とした売上高1,250億円、営業利益75億円については、当連結会計年度にそれを大幅に上回る実績で達成しました。平成31年3月期は次の新中計の策定と並行して、その新中計の前提となる設備等の準備を進めます。その準備で最大のものは、システム建築第二工場の新設になりますが、その新しい拠点の人員確保が必要です。積極的な新規採用・中途採用とグループ内の人員再配置で対応しますが、同時にIT投資による間接業務部門の生産性向上も推進していきます。