有価証券報告書-第90期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/21 14:43
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128項目
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月21日)現在において当社グループが判断したものです。
<経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容>当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の経済情勢は、朝鮮半島や中東の地政学的な不安定要因に加え、主要国の間で広がりを見せつつある保護主義的な動きなどの懸念はあるものの、アジア、欧米のいずれにおいても比較的堅調であり、原油価格は1バレル50ドルから60ドル台の水準で安定的に推移しました。LNG(液化天然ガス)の新規大型案件についても、堅調な需要増を背景として顧客の最終投資決定に向けた動きが徐々に進展を見せ始めました。
このような状況のもと、当社グループは、コア事業であるLNG分野で、世界各地の大型プロジェクト建設工事を引き続き鋭意遂行しているほか、カタールで計画されている拡張案件のFEED(基本設計)業務を新たに受注しました。また、平成29年8月に発表した中期経営計画「未来エンジニアリングへの挑戦」で掲げた構造改革と成長戦略を着実に進めており、再生可能エネルギー分野やライフサイエンス分野等の事業拡大のほか、Big Data・AI技術の活用といった将来の新ビジネスモデル構築に向けた取り組みも行っています。
当連結会計年度における業績は、次のとおりです。
(受注工事高)
受注工事高は、前連結会計年度比 14.4%減の 3,012億14百万円となりました。なお、当連結会計年度末受注残高は6,535億16百万円となりました。受注工事高の概要は、「主たる事業セグメントであるエンジニアリング事業の概況」に記載のとおりです。
(完成工事高)
完成工事高は、前連結会計年度比 15.4%減の 5,108億73百万円となりました。完成工事高の概要は、「主たる事業セグメントであるエンジニアリング事業の概況」に記載のとおりです。
(完成工事総利益)
完成工事総利益は、米国にて遂行中のLNG案件において建設工事費用を改めて精査し、大幅なコスト増加を見込んだため、前連結会計年度比 77.5%減の 86億18百万円となりました。また、完成工事総利益率は前連結会計年度の6.3%から4.6ポイント減少し1.7%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、構造改革の推進により、前連結会計年度に比べ 15億94百万円減少し 209億48百万円となりました。また、販売費及び一般管理費比率は前連結会計年度の3.7%から0.4ポイント増加し4.1%となりました。
(営業損益)
営業損益は、完成工事総利益と同様の理由により、前連結会計年度に比べ 280億10百万円減少し 123億30百万円の営業損失となりました。
(営業外収益・営業外費用)
営業外収益及び営業外費用は、前連結会計年度の 187億60百万円の費用超過に対し、22億30百万円の収益超過となりました。
為替差損益については、前連結会計年度では 34億55百万円の為替差損を計上したのに対し、当連結会計年度は 6億67百万円の為替差損を計上しました。
また、受取利息・受取配当金から支払利息を差し引いた金融収支は、当連結会計年度は 23億73百万円の入金超過となり、前連結会計年度に比べ 95百万円増加しました。持分法による投資損益は、前連結会計年度の 171億6百万円の投資損失に対し、当連結会計年度は 6億80百万円の投資利益となりました。
(経常損失)
経常損失は、完成工事総利益と同様の理由及び営業外損益が収益超過となったことにより、前連結会計年度に比べ損失が 70億19百万円増加し 101億円の経常損失となりました。
(特別利益・特別損失)
特別利益及び特別損失は、前連結会計年度が 232億88百万円の損失超過であったのに対し、当連結会計年度は関係会社事業損失引当金戻入額等により、149億67百万円の収益超過となりました。
(法人税、住民税及び事業税・法人税等調整額)
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ 312億36百万円増加し 48億67百万円となりました。
法人税、住民税及び事業税は、米国子会社において税務上の欠損金の繰戻しによる連邦法人税の還付見込額を計上したことにより、54億75百万円の還付となり、法人税等調整額は 37億41百万円のプラスとなったことから、税金費用負担額(純額)は 17億34百万円の還付となり、前連結会計年度に比べ 166億17百万円の減少となりました。
(親会社に帰属する当期純利益)
親会社に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ 475億62百万円増加し 64億45百万円となりました。
主たる事業セグメントであるエンジニアリング事業の概況は、次のとおりです。
(LNG・その他ガス分野)
海外では、オーストラリア、米国、ロシア、インドネシアでLNGプラントのEPC(設計・調達・建設)業務を遂行中です。このうち、ロシアで遂行中のヤマルLNG案件の第1系列は平成29年12月に生産を開始しました。今後のEPC業務に向けては、既にコントラクターに選定されているモザンビークで、EPC準備作業を継続遂行中です。さらに、カタールではLNGプラントのデボトルネッキング(能力増強)に関するスタディ業務を完了し、平成30年3月には年産780万トンのLNGプラントを3系列増設する計画のFEED(基本設計)業務を受注したほか、米国でも新設LNGプラント案件の見積もりに対応しています。その他ガス分野では、カタールのグループ会社がヘリウム生産設備のEPC業務に加え、当社が建設したLNG・ガス処理プラントの改造・改修案件のEPCm(設計・調達・建設管理)業務を、顧客との長期包括契約のもとで遂行中です。
国内では、当社が建設したLNG受入基地の改造・改修案件のEPC業務を遂行しています。
当連結会計年度の受注工事高は 1,259億49百万円(前連結会計年度比 36.1%減)となり、完成工事高は 3,727億97百万円(同 13.2%減)となりました。
(石油・石油化学・金属分野)
海外では、米国向け石油化学案件のFEED業務を予定どおりに完了させたほか、マレーシアで残油流動接触分解装置のEPCC(設計・調達・建設・試運転)業務を順調に進めています。また、東南アジアのグループ会社が、マレーシアで石油化学製品用タンクターミナル施設のEPC業務や、アジア地域の石油・化学等ダウンストリーム案件に関わるプロジェクトマネジメント業務を遂行中です。金属分野においては、サウジアラビアでスポンジチタン製造設備のEPC業務を平成29年5月に完工しました。
国内では、石油会社向けに設備の最適化を目的としたコンビナート各社間の燃料融通案件のEPC業務のほか、国土強靭化基本法に関連する既設設備改造工事や石油化学製品製造装置、既設諸装置の省エネ対応工事及び老朽化対応工事などを継続して遂行中です。
当連結会計年度の受注工事高は 526億23百万円(同 8.2%減)となり、完成工事高は 527億41百万円(同 47.8%減)となりました。
(医薬・生化学・一般化学・環境・インフラ分野)
海外では、交通インフラ分野として、モンゴル新国際空港及びフィリピン新ボホール空港のEPC業務を遂行中です。さらに環境分野では、インドにおいて環境規制の強化によって石炭火力発電所に排煙脱硫設備の導入が見込まれている中、当社のCT-121排煙脱硫プロセスの採用に向けて営業活動中です。また、UAE国ドバイでは完全人工光型植物工場の実証設備案件が平成29年12月に完工し、今後も中東・ロシア等を中心として商業設備の導入推進に努めていきます。
国内では、石炭火力発電所向けの排煙脱硫設備、CO2分離回収実証設備や太陽光発電設備(メガソーラー)のEPC業務を遂行中です。その他の食品・医薬・生化学などの分野においては、平成30年3月にバイオ医薬品製造設備を完工したほか、最新の食品安全衛生基準に適合した食品工場及び研究所、高薬理活性物質に対応した最先端の注射剤製造設備や中分子医薬品原薬製造設備などのEPC業務を遂行しています。また、日本初のバイオ
ジェット・ディーゼル燃料製造実証設備を平成30年10月の完成に向け建設中です。
当連結会計年度の受注工事高は 1,193億41百万円(同 27.1%増)となり、完成工事高は 820億34百万円(同 17.9%増)となりました。
(新分野)
オフショア及びアップストリーム分野では、平成29年6月のイーマス・千代田・サブシー・リミテッド(以下「ECS社」)及び同社子会社の再建計画承認を受け、当社は、ECS社の完全親会社となったSubsea 7 S.A.社(以下「Subsea7社」)と協業について議論を継続してきました。
協業の一環として、平成30年3月にグループ会社である英国のエクソダスグループ社(以下「エクソダス社」)の当社所有株式の一部(議決権比率約60%相当)をSubsea7社に売却しました。エクソダス社は、当社とSubsea7社によるジョイントベンチャーとして、資源開発会社等に対し、権益取得時の助言、原油・ガス田生産設備の建設、保守や老朽化した設備の安全な撤去等に関する計画・設計・コンサルティング他のサービスを引き続き提供していきます。当社は、エクソダス社をSubsea7社と共同保有することで同社との協業関係を更に強化するとともに、エクソダス社が提供する原油・ガス田開発の初期段階のコンサルティングから展開させ、後続のEPC業務受注に向けた営業活動を行っていきます。
新エネルギー関連では、三菱商事㈱、三井物産㈱、日本郵船㈱とともに「次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合」を設立し、水素サプライチェーンの事業化に向けた実証プロジェクトを遂行中です。
デジタルイノベーション関連では、国内有数のAIベンチャー企業であるGRID社との業務提携に基づき、AI技術を活用したプラント生産性向上に向けた活動を開始しています。
経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項、及び、それらに対する対応については、2.事業等のリスクに記載しています。
現在は6,500億円程度の受注残高を抱えており、オーストラリア、米国、ロシア、インドネシアで遂行中のLNGプロジェクトのほか、手持ち工事を着実に遂行していきます。また、LNG市況の回復等に伴う大型案件の動向を捉えること、2017年8月に発表した中期経営計画で注力する方針としている、医薬・生化学・一般化学と環境・新エネル
ギー・インフラ等を合わせた「地球環境エンジニアリング」分野、及び構造改革の推進にも引き続き注力していきます。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 受注実績
セグメントの名称前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
受注高受注残高受注高受注残高
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
⦅前年同期比⦆
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
1 エンジニアリング事業348,27999.0876,819100.0297,91498.9653,516100.0
(△36,207)⦅14.5%減⦆(△13,643)
(1) LNGプラント関係190,25254.1605,27469.0123,28340.9352,16453.9
(△30,083)⦅35.2%減⦆(△14,834)
(2) その他ガス関係6,8251.911,7391.42,6660.94,4060.7
(△471)⦅60.9%減⦆(1,238)
(3) 石油・石油化学・
金属関係
57,31616.3153,54817.552,62317.5155,03123.7
(△1,257)⦅8.2%減⦆(1,601)
(4) 医薬・生化学・
一般化学関係
35,70510.235,3124.035,07511.636,1175.5
(△3,106)⦅1.8%減⦆(△599)
(5) 環境・新エネルギー
・インフラ関係
47,26813.463,4027.269,77323.296,51014.8
(△1,129)⦅47.6%増⦆(△548)
(6) その他10,9103.17,5400.914,4914.89,2861.4
(△158)⦅32.8%増⦆(△500)
2 その他の事業3,5011.0--3,3001.1--
(-)⦅5.7%減⦆(-)
総 合 計351,780100.0876,819100.0301,214100.0653,516100.0
(△36,207)⦅14.4%減⦆(△13,643)

なお、国内及び海外の受注高並びに受注残高の内訳は、次のとおりです。
国内外内訳前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
受注高受注残高受注高受注残高
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
⦅前年同期比⦆
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
国 内130,49237.1122,04613.9151,73350.4163,21025.0
(△2,115)⦅16.3%増⦆(△775)
海 外221,28762.9754,77286.1149,48049.6490,30675.0
(△34,091)⦅32.4%減⦆(△12,867)
合 計351,780100.0876,819100.0301,214100.0653,516100.0
(△36,207)⦅14.4%減⦆(△13,643)

(注) 受注残高の( )内の数字は、前連結会計年度以前に受注した工事の契約変更等による減額及び外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額の合計を加味しています。
② 売上実績
セグメントの名称前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)
⦅前年同期比⦆
構成比(%)
1 エンジニアリング事業600,24499.4507,57399.4
⦅15.4%減⦆
(1) LNGプラント関係415,19968.8361,55970.8
⦅12.9%減⦆
(2) その他ガス関係14,3532.411,2382.2
⦅21.7%減⦆
(3) 石油・石油化学・
金属関係
101,13316.752,74110.3
⦅47.8%減⦆
(4) 医薬・生化学・
一般化学関係
29,6634.933,6716.6
⦅13.5%増⦆
(5) 環境・新エネルギー
・インフラ関係
33,5925.636,1177.1
⦅7.5%増⦆
(6) その他6,3011.012,2452.4
⦅94.3%増⦆
2 その他の事業3,5010.63,3000.6
⦅5.7%減⦆
総 合 計603,745100.0510,873100.0
⦅15.4%減⦆

なお、国内及び海外の売上実績の内訳は、次のとおりです。
国内外内訳前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)
⦅前年同期比⦆
構成比(%)
国 内102,43417.0109,79521.5
⦅7.2%増⦆
海 外501,31183.0401,07878.5
⦅20.0%減⦆
合 計603,745100.0510,873100.0
⦅15.4%減⦆

(注) 1 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していません。
2 主な相手先別の売上実績及び総売上高に対する割合は次のとおりです。
前連結会計年度当連結会計年度
相手先金額
(百万円)
割合
(%)
相手先金額
(百万円)
割合
(%)
オージェイエスシー・ヤマル・エルエヌジー145,86824.2イクシス・エルエヌジー・ピーティーワイ・リミテッド106,37120.8
キャメロン・エルエヌジー・エルエルシー130,50921.6オージェイエスシー・ヤマル・エルエヌジー100,94619.8
イクシス・エルエヌジー・ピーティーワイ・リミテッド88,95014.7キャメロン・エルエヌジー・エルエルシー87,05917.0

3 本表の金額には消費税等は含まれていません。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は 1,017億67百万円となり、前連結会計年度末残高より 371億21百万円減少しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益 48億67百万円の計上に加え、ジョイントベンチャー持分資産の減少 319億20百万円によるプラスの一方で、運転資金収支(売上債権、未成工事支出金、仕入債務、未成工事受入金の増減額合計) 296億97百万円及び未収入金の増加 269億92百万円によるマイナスなどにより、341億15百万円のマイナスとなりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
定期預金の純増減額が 20億28百万円のプラスとなった一方で、貸付けによる支出 42億29百万円などにより、14億28百万円のマイナスとなりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払 15億52百万円などにより、14億68百万円のマイナスとなりました。
② 資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社が受注した国内外のプラント建設に関わる費用、販売費及び一般管理費のほか、今後の成長戦略を支えるための投資です。販売費及び一般管理費のうち主なものは、従業員給与手当等の人件費のほか、業務委託費等です。当社の研究開発費は、研究開発に携わる従業員の人件費が過半を占めています。
③ 財務政策
現在、当社グループは、運転資金及び投資向け資金等の必要資金については、内部資金又は借入により資金調達することとしています。このうち、当社の運転資金については、将来の資金需要に備えて、200億円の貸出コミットメント枠を設定しています。
また、今後の投資資金については、コア事業の強化、ビジネス・ポートフォリオの多様化・拡大を目指した成長のための戦略投資、競争力強化並びに業務効率化のためのITやオフィスを始めとした経営基盤強化投資及び当社技術力の更なる強化、早期のビジネス化を目指した研究開発投資などを想定しており、手元資金を充当していきます。
当社グループは、現時点での受注実績、財政状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力と、貸出コミットメントの未使用枠により、当社グループを安定的に運営するのに充分な資金調達が可能と考えています。

(4) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。一般に公正妥当と認められる連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産及び負債の報告額や、報告対象期間中の収益及び費用の報告額に影響する判断及び見積りを行うことが要求されます。当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づいて判断及び見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合もあります。
当社は、特に以下の重要な会計方針の適用において使用される当社の判断と見積りが、当社グループの連結財務諸表の報告額に重要な影響を及ぼすと考えています。
(貸倒引当金)
当社グループでは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、貸倒懸念債権等特定の債権については、保守的に見積もった回収不能見込額を貸倒引当金として計上しています。
(完成工事補償引当金)
当社グループでは、主として、過去の経験割合に基づく一定の算定基準により、完成工事に係わる瑕疵担保等の費用を見積もり、完成工事補償引当金を計上しています。
(工事損失引当金)
当社グループでは、当連結会計年度末において損失の発生が見込まれる未引渡工事に係る将来の損失に備えるため、合理的に見積もった損失見込額を工事損失引当金として計上しています。
(退職給付に係る負債)
当社グループでは、従業員の退職給付に備えるため、見積りを反映した各種の仮定に基づく数理計算により算出された退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、退職給付に係る負債の計上を行っています。
(収益の認識)
当社グループでは、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については、工事進行基準(工事進捗率の見積りは原価比例法)により完成工事高を計上しています。
(工事原価の見積り)
当社グループでは、工事契約において定められている目的物の引渡しを行った連結会計年度末において確定していない費用については、次期以降に発生する費用を見積もり、工事原価として計上しています。
(繰延税金資産)
当社グループでは、繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたり、将来の課税所得を合理的に見積もり、将来の税金負担を軽減する効果を有すると判断した繰延税金資産を計上しています。