四半期報告書-第96期第1四半期(2023/04/01-2023/06/30)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間において、世界経済は回復基調であった一方、未だロシア・ウクライナ情勢の影響継続等もあり、その先行きは依然として不透明な状況が続いています。
このような状況のもと、当社グループを取り巻く事業環境においては、気候変動問題への対応としてカーボン
ニュートラルの実現と、エネルギーの安定供給との両立化が求められています。
中期経営計画「再生計画~再生と未来に向けたビジョン~」に基づき、リスク管理体制の高度化とEPC(設計・調達・建設)遂行管理力の進化を進め、安定的な収益基盤の拡大に取り組んでいます。
また、事業ポートフォリオ革新に向けて、エネルギーの安定供給とエネルギートランジションを支える資源となるLNG(液化天然ガス)を主体とする既存事業の深化に加え、再生可能エネルギー、水素、炭素循環、エネルギー運用最適化、ライフサイエンスなどの新規事業を強化しております。
中期経営計画の最終年度となる当年度においては、既存事業の着実な進捗と新規事業の強化により、事業ポート
フォリオ革新を深化させ、収益構造の変革を実現し、「エンジニアリングの新たな価値を創出」することで、持続
的な成長と企業価値の一層の向上を目指します。
当第1四半期連結累計期間の経営成績及び財政状態は、次のとおりです。
当第1四半期連結累計期間の連結受注工事高は344億48百万円(前年同四半期比67.2%増)、連結完成工事高は1,293億92百万円(同70.8%増)であった結果、連結受注残高は1兆1,285億85百万円(前連結会計年度末比1.8%減)となり、営業利益は50億99百万円(前年同四半期比35.3%増)、経常利益は64億64百万円(同83.3%増)となりました。また、法人税等の計上により、親会社株主に帰属する四半期純利益は48億84百万円(同123.0%増)となりました。
ロシア・ウクライナ情勢の影響については、当社の想定を超えて情勢が悪化する場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性がありますので、今後も注視、対処していきます。なお、当第1四半期連結累計期間の連結財務諸表においては、同作成時点で見込まれる合理的な影響額を積算し、工事進捗度計算の基礎となる工事原価総額に織り込んだうえで、完成工事高及び完成工事原価を計上しています。
資産については、現金預金の増加92億94百万円、受取手形・完成工事未収入金及び契約資産の増加65億54百万円、ジョイントベンチャー持分資産の増加28億42百万円の一方で、未成工事支出金の減少3億6百万円、流動資産その他の減少220億28百万円などにより、資産合計は前連結会計年度末に比べ38億45百万円減少しました。
負債については、契約負債の減少79億円、1年内返済予定の長期借入金の減少50億33百万円などにより、負債合計は前連結会計年度末に比べ132億13百万円減少しました。
純資産については、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加、繰延ヘッジ損益の計上によるその他の包括利益累計額の増加などにより、純資産合計は316億78百万円となりました。
当社の報告セグメントであるエンジニアリング事業の概況は、次のとおりです。
[エネルギー分野]
(LNG・その他ガス関係)
海外では、カタール、アメリカ、インドネシアでLNGプラントのEPC業務を遂行中です。年産800万トンの
LNGプラント4系列の増設案件であるカタールNorth Field East LNG輸出基地案件(NFEプロジェクト)及びア
メリカのゴールデンパスLNGプロジェクトの建設工事がそれぞれ本格化し進捗しています。また、インドネシ
アのタングーLNG拡張プロジェクト(第3系列)は完工に向けて最終盤を迎えています。その他ガス分野では、カタールで当社グループ会社がLNG・ガス処理プラントの改造・改修案件に係る複数の設計業務を遂行中で
す。
国内では、当社グループが建設したLNG受入基地の改造・改修工事を遂行中です。
(石油・石油化学関係)
国内では、石油会社向けに、製油所の設備更新工事や省エネ、カーボンニュートラルに資する各種検討
業務などを遂行中です。また、国内製油所や石油・石油化学事業所に対して、これまで培った高度解析技
術(3次元流動解析やダイナミック・シミュレーション、構造解析、耐震)と最新のデジタル技術を組み
合わせ、運転最適化と設備保全効率化ならびに運転・保全業務のDX(デジタルトランスフォーメーション
)推進に向けたO&M(Operation & Maintenance)事業を展開しています。加えて、石油化学分野では機能
材案件のEPC業務を遂行中です。
[地球環境分野]
(医薬・生化学・一般化学関係)
医薬・生化学分野では、製薬会社向けに、バイオ医薬品原薬製造設備の他、複数の医薬品製造設備のEPC
業務を遂行中です。
当社は、シオノギファーマ㈱が設立したPharmira㈱に出資参画しており、医薬品原薬・中間体製造に関
する革新的な連続生産技術を実装化する役割を担っています。また、国立研究開発法人 新エネルギー・産
業技術総合開発機構(NEDO)助成事業にて、産学連携で「植物による高度修飾タンパク質の大量生産技術の
開発」を進めています。
一般化学分野では、高機能製品製造プラントの受注に向け取組み中です。
(環境・新エネルギー・インフラ関係)
環境分野では、インドにおける環境規制強化により石炭火力発電所への排煙脱硫設備の導入が進む中、当社のCT-121排煙脱硫プロセスが複数の案件に活用されています。
新エネルギー分野では、木質ペレットを燃料とする国内最大級のバイオマス発電所建設に係るEPC業務を
遂行中です。また、再生可能エネルギーの効率的な活用に資する蓄エネルギー活用や地域分散型のエネル
ギー供給システムへの取組みを強化しています。加えて、洋上風力分野に関する各種ソフト業務を遂行し
ております。
インフラ分野では、インドネシアで単一製造ラインとして世界最大規模となる銅製錬工場のEPC業務を遂行
中で、建設工事が本格化しています。
また、先端素材分野では、主に電気自動車(EV)における航続距離拡大・充電時間の短縮・安全性向上が
期待される次世代電池に関して、無機電池材料の実証プラントプロジェクトを受注し、遂行中です。加え
て国内では、先端素材工場のEPCに向けた先行業務を遂行中です。
≪脱炭素ビジネスの取組み≫
水素・アンモニア、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)/CCU(Carbon dioxide Capture and
Utilization)、エネルギーマネジメントの取組みは以下のとおりです。
(水素・アンモニア)
水素分野では、当社の独自技術であるSPERA水素™技術の優位性を生かした水素サプライチェーンの構築
に向けて、シンガポール、欧州で具体的な案件や検討を進めています。
シンガポールでは、商用規模のクリーン水素サプライチェーン事業の実現に向けて、同国有数の総合
ユーティリティで政府系コングロマリットであるSembcorp Industries社及び三菱商事㈱と概念設計を遂行中
で、2026年に商業水素供給開始を目標としています。
欧州では、イギリス・スコットランドからオランダ・ロッテルダム港への水素海上輸送プロジェクト
(LHyTS(ライツ)プロジェクト)に参画、事業化調査を実施中です。
国内では、水素バリューチェーン推進協議会の理事会社として、社会実装プロジェクトの創出と政策支援
の実現に向けて活動しています。また、2023年4月に中部電力㈱及び豪州Hazer社と、HAZER®Processによる
水素製造に係る覚書を締結し、中部圏でのカーボンフリー水素と副生固体炭素(カーボングラファイト)の製
造拠点プロジェクトの開発計画の検討を開始しました。
アンモニア関連分野では、当社が主幹事会社となり、NEDOのグリーンイノベーション基金事業として、産
学官連携で製造コストの低減を実現する新規アンモニア合成技術の開発を進めています。さらに、㈱JERA、㈱日本触媒と共同で既存の技術より競争力のあるアンモニア分解技術の開発を進めており、NEDOの技術開発
事業に採択されています。その他、国内におけるアンモニア受入設備や水素燃料供給に関する複数の検討業
務を遂行中です。
(CCS/CCU)
大規模な天然ガス火力発電所で発生する排ガスから固体吸収材を用いてCO2を分離・回収する技術開発を
NEDOのグリーンイノベーション基金事業として進めています。加えて、CO2の回収・CCSシステム設計における
グローバルリーダーであるPace CCS社とCCS分野での協業に関する覚書を締結、CCSプロジェクトの
FS(Feasibility Study)やコンセプトデザインからFEED/EPCまで幅広く展開していきます。
東南アジアでは、インドネシア国営石油会社プルタミナ社と脱炭素循環技術の共同検討業務契約を、タイ
発電公社EGAT社とクリーン水素・アンモニア バリューチェーン検討覚書をそれぞれ締結し、両国における
カーボンニュートラル社会への早期移行に貢献していきます。
CCU分野では、産学官連携で、CO2の回収・資源化やCO2を原料とするパラキシレン製造の研究開発に取り
組んでいます。また、アメリカBlue Planet社、三菱商事㈱との協業で、排ガス等に含まれるCO2を原料にして
コンクリート原料である骨材を製造する技術開発を推進しています。
e-fuel分野ではドイツのINERATEC社とe-fuel製造による脱炭素化促進に向けた戦略的協業に関する覚書を
締結し、同社の最先端PtXテクノロジー活用を進めていきます。加えて、CO2と水素を用いた合成燃料製造の
実証プラント建設工事を受注し、遂行中です。
(エネルギーマネジメント)
2023年3月に完工した北海道北部風力送電㈱向け世界最大級の大型蓄電池システム建設工事の20年間に亘
る保守業務を開始しました。また、蓄電池事業においては系統用蓄電池建設に関する複数の工事を遂行中で
す。その他、スタートアップ企業と連携して国内向けにVPP(Virtual Power Plant)事業などの取組みを強化
しています。
≪DXの取組み≫
全社DXの基盤となるデジタル人財の育成やDX意識・文化の醸成等を図るとともに、プロジェクトデジタ
ル変革、コーポレートデジタル変革、デジタル変革ビジネスの取組みを進めています。
プロジェクトデジタル変革では、EPC遂行管理力の進化に向けて、AWP(Advanced Work Packaging)を大型
プロジェクトに順次適用しています。また、㈱Arent及び当社が共同出資した㈱PlantStreamが開発した革新
的な空間設計システムは、当社グループの設計業務を改革するとともに、国内外のプラントオーナーやEPC
コントラクターでの導入が進んでいます。
コーポレートデジタル変革では、デジタル技術を活用したリモートワーク環境の更なる整備、リソース計
画・人財管理の高度化、ロボティックスプロセスオートメーション導入による管理業務の効率化を推進して
います。
デジタル変革ビジネスでは、プラント運転・保守ソリューションとDX事業を再編・統合し、顧客のプラント
運転・保全業務の変革を支援するソリューション事業を展開しております。また、提供ソリューションの開
発・運用基盤を強化するため日本ビジネスシステムズ㈱と産業設備/プラント業界向けのクラウドサービス構
築/提供に関する協業を開始しております。加えて、中山水熱工業㈱と協業のうえ、同社が保有する無線振動
センサーと当社ソリューションを組み合わせた回転機診断ソリューション開発に着手しております。
≪その他≫
2023年4月1日付で千代田エクスワンエンジニアリング㈱が事業を開始しております。
受注高、完成工事高、受注残高の実績は、次のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 受注残高を算出するに当たっては、前連結会計年度以前に受注した工事の契約変更等による減額及び外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額の合計を加味しております。
(2) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3億87百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間において、世界経済は回復基調であった一方、未だロシア・ウクライナ情勢の影響継続等もあり、その先行きは依然として不透明な状況が続いています。
このような状況のもと、当社グループを取り巻く事業環境においては、気候変動問題への対応としてカーボン
ニュートラルの実現と、エネルギーの安定供給との両立化が求められています。
中期経営計画「再生計画~再生と未来に向けたビジョン~」に基づき、リスク管理体制の高度化とEPC(設計・調達・建設)遂行管理力の進化を進め、安定的な収益基盤の拡大に取り組んでいます。
また、事業ポートフォリオ革新に向けて、エネルギーの安定供給とエネルギートランジションを支える資源となるLNG(液化天然ガス)を主体とする既存事業の深化に加え、再生可能エネルギー、水素、炭素循環、エネルギー運用最適化、ライフサイエンスなどの新規事業を強化しております。
中期経営計画の最終年度となる当年度においては、既存事業の着実な進捗と新規事業の強化により、事業ポート
フォリオ革新を深化させ、収益構造の変革を実現し、「エンジニアリングの新たな価値を創出」することで、持続
的な成長と企業価値の一層の向上を目指します。
当第1四半期連結累計期間の経営成績及び財政状態は、次のとおりです。
当第1四半期連結累計期間の連結受注工事高は344億48百万円(前年同四半期比67.2%増)、連結完成工事高は1,293億92百万円(同70.8%増)であった結果、連結受注残高は1兆1,285億85百万円(前連結会計年度末比1.8%減)となり、営業利益は50億99百万円(前年同四半期比35.3%増)、経常利益は64億64百万円(同83.3%増)となりました。また、法人税等の計上により、親会社株主に帰属する四半期純利益は48億84百万円(同123.0%増)となりました。
ロシア・ウクライナ情勢の影響については、当社の想定を超えて情勢が悪化する場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性がありますので、今後も注視、対処していきます。なお、当第1四半期連結累計期間の連結財務諸表においては、同作成時点で見込まれる合理的な影響額を積算し、工事進捗度計算の基礎となる工事原価総額に織り込んだうえで、完成工事高及び完成工事原価を計上しています。
資産については、現金預金の増加92億94百万円、受取手形・完成工事未収入金及び契約資産の増加65億54百万円、ジョイントベンチャー持分資産の増加28億42百万円の一方で、未成工事支出金の減少3億6百万円、流動資産その他の減少220億28百万円などにより、資産合計は前連結会計年度末に比べ38億45百万円減少しました。
負債については、契約負債の減少79億円、1年内返済予定の長期借入金の減少50億33百万円などにより、負債合計は前連結会計年度末に比べ132億13百万円減少しました。
純資産については、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加、繰延ヘッジ損益の計上によるその他の包括利益累計額の増加などにより、純資産合計は316億78百万円となりました。
当社の報告セグメントであるエンジニアリング事業の概況は、次のとおりです。
[エネルギー分野]
(LNG・その他ガス関係)
海外では、カタール、アメリカ、インドネシアでLNGプラントのEPC業務を遂行中です。年産800万トンの
LNGプラント4系列の増設案件であるカタールNorth Field East LNG輸出基地案件(NFEプロジェクト)及びア
メリカのゴールデンパスLNGプロジェクトの建設工事がそれぞれ本格化し進捗しています。また、インドネシ
アのタングーLNG拡張プロジェクト(第3系列)は完工に向けて最終盤を迎えています。その他ガス分野では、カタールで当社グループ会社がLNG・ガス処理プラントの改造・改修案件に係る複数の設計業務を遂行中で
す。
国内では、当社グループが建設したLNG受入基地の改造・改修工事を遂行中です。
(石油・石油化学関係)
国内では、石油会社向けに、製油所の設備更新工事や省エネ、カーボンニュートラルに資する各種検討
業務などを遂行中です。また、国内製油所や石油・石油化学事業所に対して、これまで培った高度解析技
術(3次元流動解析やダイナミック・シミュレーション、構造解析、耐震)と最新のデジタル技術を組み
合わせ、運転最適化と設備保全効率化ならびに運転・保全業務のDX(デジタルトランスフォーメーション
)推進に向けたO&M(Operation & Maintenance)事業を展開しています。加えて、石油化学分野では機能
材案件のEPC業務を遂行中です。
[地球環境分野]
(医薬・生化学・一般化学関係)
医薬・生化学分野では、製薬会社向けに、バイオ医薬品原薬製造設備の他、複数の医薬品製造設備のEPC
業務を遂行中です。
当社は、シオノギファーマ㈱が設立したPharmira㈱に出資参画しており、医薬品原薬・中間体製造に関
する革新的な連続生産技術を実装化する役割を担っています。また、国立研究開発法人 新エネルギー・産
業技術総合開発機構(NEDO)助成事業にて、産学連携で「植物による高度修飾タンパク質の大量生産技術の
開発」を進めています。
一般化学分野では、高機能製品製造プラントの受注に向け取組み中です。
(環境・新エネルギー・インフラ関係)
環境分野では、インドにおける環境規制強化により石炭火力発電所への排煙脱硫設備の導入が進む中、当社のCT-121排煙脱硫プロセスが複数の案件に活用されています。
新エネルギー分野では、木質ペレットを燃料とする国内最大級のバイオマス発電所建設に係るEPC業務を
遂行中です。また、再生可能エネルギーの効率的な活用に資する蓄エネルギー活用や地域分散型のエネル
ギー供給システムへの取組みを強化しています。加えて、洋上風力分野に関する各種ソフト業務を遂行し
ております。
インフラ分野では、インドネシアで単一製造ラインとして世界最大規模となる銅製錬工場のEPC業務を遂行
中で、建設工事が本格化しています。
また、先端素材分野では、主に電気自動車(EV)における航続距離拡大・充電時間の短縮・安全性向上が
期待される次世代電池に関して、無機電池材料の実証プラントプロジェクトを受注し、遂行中です。加え
て国内では、先端素材工場のEPCに向けた先行業務を遂行中です。
≪脱炭素ビジネスの取組み≫
水素・アンモニア、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)/CCU(Carbon dioxide Capture and
Utilization)、エネルギーマネジメントの取組みは以下のとおりです。
(水素・アンモニア)
水素分野では、当社の独自技術であるSPERA水素™技術の優位性を生かした水素サプライチェーンの構築
に向けて、シンガポール、欧州で具体的な案件や検討を進めています。
シンガポールでは、商用規模のクリーン水素サプライチェーン事業の実現に向けて、同国有数の総合
ユーティリティで政府系コングロマリットであるSembcorp Industries社及び三菱商事㈱と概念設計を遂行中
で、2026年に商業水素供給開始を目標としています。
欧州では、イギリス・スコットランドからオランダ・ロッテルダム港への水素海上輸送プロジェクト
(LHyTS(ライツ)プロジェクト)に参画、事業化調査を実施中です。
国内では、水素バリューチェーン推進協議会の理事会社として、社会実装プロジェクトの創出と政策支援
の実現に向けて活動しています。また、2023年4月に中部電力㈱及び豪州Hazer社と、HAZER®Processによる
水素製造に係る覚書を締結し、中部圏でのカーボンフリー水素と副生固体炭素(カーボングラファイト)の製
造拠点プロジェクトの開発計画の検討を開始しました。
アンモニア関連分野では、当社が主幹事会社となり、NEDOのグリーンイノベーション基金事業として、産
学官連携で製造コストの低減を実現する新規アンモニア合成技術の開発を進めています。さらに、㈱JERA、㈱日本触媒と共同で既存の技術より競争力のあるアンモニア分解技術の開発を進めており、NEDOの技術開発
事業に採択されています。その他、国内におけるアンモニア受入設備や水素燃料供給に関する複数の検討業
務を遂行中です。
(CCS/CCU)
大規模な天然ガス火力発電所で発生する排ガスから固体吸収材を用いてCO2を分離・回収する技術開発を
NEDOのグリーンイノベーション基金事業として進めています。加えて、CO2の回収・CCSシステム設計における
グローバルリーダーであるPace CCS社とCCS分野での協業に関する覚書を締結、CCSプロジェクトの
FS(Feasibility Study)やコンセプトデザインからFEED/EPCまで幅広く展開していきます。
東南アジアでは、インドネシア国営石油会社プルタミナ社と脱炭素循環技術の共同検討業務契約を、タイ
発電公社EGAT社とクリーン水素・アンモニア バリューチェーン検討覚書をそれぞれ締結し、両国における
カーボンニュートラル社会への早期移行に貢献していきます。
CCU分野では、産学官連携で、CO2の回収・資源化やCO2を原料とするパラキシレン製造の研究開発に取り
組んでいます。また、アメリカBlue Planet社、三菱商事㈱との協業で、排ガス等に含まれるCO2を原料にして
コンクリート原料である骨材を製造する技術開発を推進しています。
e-fuel分野ではドイツのINERATEC社とe-fuel製造による脱炭素化促進に向けた戦略的協業に関する覚書を
締結し、同社の最先端PtXテクノロジー活用を進めていきます。加えて、CO2と水素を用いた合成燃料製造の
実証プラント建設工事を受注し、遂行中です。
(エネルギーマネジメント)
2023年3月に完工した北海道北部風力送電㈱向け世界最大級の大型蓄電池システム建設工事の20年間に亘
る保守業務を開始しました。また、蓄電池事業においては系統用蓄電池建設に関する複数の工事を遂行中で
す。その他、スタートアップ企業と連携して国内向けにVPP(Virtual Power Plant)事業などの取組みを強化
しています。
≪DXの取組み≫
全社DXの基盤となるデジタル人財の育成やDX意識・文化の醸成等を図るとともに、プロジェクトデジタ
ル変革、コーポレートデジタル変革、デジタル変革ビジネスの取組みを進めています。
プロジェクトデジタル変革では、EPC遂行管理力の進化に向けて、AWP(Advanced Work Packaging)を大型
プロジェクトに順次適用しています。また、㈱Arent及び当社が共同出資した㈱PlantStreamが開発した革新
的な空間設計システムは、当社グループの設計業務を改革するとともに、国内外のプラントオーナーやEPC
コントラクターでの導入が進んでいます。
コーポレートデジタル変革では、デジタル技術を活用したリモートワーク環境の更なる整備、リソース計
画・人財管理の高度化、ロボティックスプロセスオートメーション導入による管理業務の効率化を推進して
います。
デジタル変革ビジネスでは、プラント運転・保守ソリューションとDX事業を再編・統合し、顧客のプラント
運転・保全業務の変革を支援するソリューション事業を展開しております。また、提供ソリューションの開
発・運用基盤を強化するため日本ビジネスシステムズ㈱と産業設備/プラント業界向けのクラウドサービス構
築/提供に関する協業を開始しております。加えて、中山水熱工業㈱と協業のうえ、同社が保有する無線振動
センサーと当社ソリューションを組み合わせた回転機診断ソリューション開発に着手しております。
≪その他≫
2023年4月1日付で千代田エクスワンエンジニアリング㈱が事業を開始しております。
受注高、完成工事高、受注残高の実績は、次のとおりです。
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 前第1四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) | |||||
| 受注高 (構成比) | 完成工事高 (構成比) | 受注残高 (構成比) | 受注高 (構成比) | 完成工事高 (構成比) | 受注残高 (構成比) | ||
| 1 エンジニアリング事業 | 20,446 | 75,585 | 1,367,674 | 34,320 | 129,264 | 1,128,585 | |
| ( 99.3%) | ( 99.8%) | (100.0%) | ( 99.6%) | ( 99.9%) | (100.0%) | ||
| エネルギー 分野 | (1) LNGプラント関係 | 2,468 | 42,444 | 951,202 | 1,107 | 71,518 | 795,173 |
| ( 12.0%) | ( 56.1%) | ( 69.6%) | ( 3.2%) | ( 55.3%) | ( 70.5%) | ||
| (2) その他ガス関係 | 127 | 1,053 | 2,081 | 863 | 287 | 5,743 | |
| ( 0.6%) | ( 1.4%) | ( 0.2%) | ( 2.5%) | ( 0.2%) | ( 0.5%) | ||
| (3) 石油・石油化学関係 | 6,773 | 5,765 | 29,168 | 7,109 | 6,496 | 26,368 | |
| ( 32.9%) | ( 7.6%) | ( 2.1%) | ( 20.6%) | ( 5.0%) | ( 2.3%) | ||
| 地球環境 分野 | (4) 医薬・生化学 ・一般化学関係 | 4,501 | 6,747 | 48,017 | 3,603 | 7,590 | 36,062 |
| ( 21.8%) | ( 8.9%) | ( 3.5%) | ( 10.5%) | ( 5.9%) | ( 3.2%) | ||
| (5) 環境・新エネルギー ・インフラ関係 | 5,266 | 18,645 | 334,215 | 20,664 | 42,347 | 261,674 | |
| ( 25.6%) | ( 24.6%) | ( 24.4%) | ( 60.0%) | ( 32.7%) | ( 23.2%) | ||
| (6) その他 | 1,309 | 928 | 2,989 | 972 | 1,024 | 3,562 | |
| ( 6.4%) | ( 1.2%) | ( 0.2%) | ( 2.8%) | ( 0.8%) | ( 0.3%) | ||
| 2 その他の事業 | 155 | 155 | - | 128 | 128 | - | |
| ( 0.7%) | ( 0.2%) | ( -) | ( 0.4%) | ( 0.1%) | ( -) | ||
| 合 計 | 20,602 | 75,741 | 1,367,674 | 34,448 | 129,392 | 1,128,585 | |
| (100.0%) | (100.0%) | (100.0%) | (100.0%) | (100.0%) | (100.0%) | ||
| 国 内 | 16,968 | 16,186 | 100,700 | 29,721 | 16,367 | 102,912 | |
| ( 82.4%) | ( 21.4%) | ( 7.4%) | ( 86.3%) | ( 12.6%) | ( 9.1%) | ||
| 海 外 | 3,633 | 59,554 | 1,266,974 | 4,726 | 113,025 | 1,025,673 | |
| ( 17.6%) | ( 78.6%) | ( 92.6%) | ( 13.7%) | ( 87.4%) | ( 90.9%) | ||
(注) 受注残高を算出するに当たっては、前連結会計年度以前に受注した工事の契約変更等による減額及び外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額の合計を加味しております。
(2) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3億87百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。