四半期報告書-第96期第2四半期(2023/07/01-2023/09/30)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間において、世界経済は長引くロシア・ウクライナ情勢の影響継続や原油価格の高止まり等に伴うエネルギー価格の高騰、インフレ抑制に向けた各国の金融政策の引締めもあり、その先行きは依然として不透明な状況が続いています。
このような状況のもと、 当社グループを取り巻く事業環境においては、気候変動問題への対応としてカーボンニュートラルの実現と、エネルギーの安定供給との両立化が求められています。
当社では、中期経営計画「再生計画~再生と未来に向けたビジョン~」に基づき、リスク管理体制の高度化とEPC(設計・調達・建設)遂行管理力の進化を進め、安定的な収益基盤の拡大に取り組んでいます。
また、事業ポートフォリオ革新に向けて、エネルギーの安定供給とエネルギートランジションを支える資源となるLNG(液化天然ガス)を主体とする既存事業の深化に加え、再生可能エネルギー、水素、炭素循環、エネルギー運用最適化、ライフサイエンスなどの新規事業を強化しております。
中期経営計画の最終年度となる当年度においては、既存事業の着実な進捗と新規事業の強化により、事業ポートフォリオ革新を深化させ、収益構造の変革を実現し、「エンジニアリングの新たな価値を創出」することで、持続的な成長と企業価値の一層の向上を目指します。
当第2四半期連結累計期間の経営成績及び財政状態は、次のとおりです。
当第2四半期連結累計期間の連結受注工事高は1,348億19百万円(前年同四半期比192.6%増)、連結完成工事高は2,716億95百万円(同47.4%増)であった結果、連結受注残高は1兆1,172億99百万円(前連結会計年度末比2.7%減)となり、営業利益は107億97百万円(前年同四半期比76.7%増)、経常利益は141億22百万円(同113.4%増)となりました。また、法人税等の計上により、親会社株主に帰属する四半期純利益は86億34百万円(同62.2%増)となりました。
資産については、現金預金の増加266億60百万円の一方で、ジョイントベンチャー持分資産の減少171億46百万円、受取手形・完成工事未収入金及び契約資産の減少33億14百万円などにより、資産合計は前連結会計年度末に比べ78億65百万円減少しました。
負債については、支払手形・工事未払金の増加68億38百万円の一方で、契約負債の減少212億17百万円、工事損失引当金の減少23億37百万円などにより、負債合計は前連結会計年度末に比べ164億4百万円減少しました。
純資産については、その他の包括利益累計額が減少した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、純資産合計は308億49百万円となりました。
当社の報告セグメントであるエンジニアリング事業の概況は、次のとおりです。
[エネルギー分野]
(LNG・その他ガス関係)
海外では、カタール、アメリカ、インドネシアでLNGプラントのEPC業務を遂行中です。年産800万トンのLNGプラント4系列の増設案件であるカタールNorth Field East LNG輸出基地案件(NFEプロジェクト)及びアメリカのゴールデンパスLNGプロジェクトの建設工事がそれぞれ本格化し進捗しています。また、インドネシアのタングーLNG拡張プロジェクト(第3系列)は2023年8月に顧客へのプラントの引渡しを完了し、生産が開始されています。
その他ガス分野では、カタールで当社グループ会社がLNG・ガス処理プラントの改造・改修案件に係る複数
の設計業務を遂行中です。
国内では、当社グループが建設したLNG受入基地の改造・改修工事を遂行中です。
(石油・石油化学関係)
国内では、石油会社向けに、製油所の設備更新工事や省エネ、カーボンニュートラルに資する各種検討業務などを遂行中です。また、国内製油所や石油・石油化学事業所に対して、これまで培った高度解析技術(3次元流動解析やダイナミック・シミュレーション、構造解析、耐震)と最新のデジタル技術を組み合わせ、運転最適化と設備保全効率化ならびに運転・保全業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けたO&M(Operation & Maintenance)事業を展開しています。加えて、石油化学分野では機能材案件のEPC業務を完工しました。
また、マイクロ波化学㈱、三井化学㈱とマイクロ波加熱を利用した革新的ナフサクラッキング技術の開発を開始しました。本事業は国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム 重点課題推進スキーム」に採択されました。本技術の確立により、従前の化学業界の重要課題である「ナフサの熱分解で排出されるCO2の大幅な削減」に貢献いたします。
[地球環境分野]
(医薬・生化学・一般化学関係)
医薬・生化学分野では、製薬会社向けに、バイオ医薬品原薬製造設備の他、複数の医薬品製造設備のEPC業務を遂行中です。
当社は、シオノギファーマ㈱が設立したPharmira㈱に出資参画しており、医薬品原薬・中間体製造に関する革新的な連続生産技術を実装化する役割を担っています。また、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)助成事業にて、産学連携で「植物による高度修飾タンパク質の大量生産技術の開発」を進めています。
(環境・新エネルギー・インフラ関係)
環境分野では、インドにおける環境規制強化により石炭火力発電所への排煙脱硫設備の導入が進む中、当社のCT-121排煙脱硫プロセスが複数の案件に活用されています。
新エネルギー分野では、再生可能エネルギーの効率的な活用に資する蓄エネルギー活用や地域分散型のエネルギー供給システムへの取組みを強化しています。加えて、洋上風力分野に関する各種ソフト業務を遂行しております。
インフラ分野では、インドネシアで単一製造ラインとして世界最大規模となる銅製錬工場のEPC業務を遂行中です。
また、国内では、先端素材工場のEPCに向けた先行業務を遂行中です。加えて、主に電気自動車(EV)における航続距離拡大・充電時間の短縮・安全性向上が期待される次世代電池に関して、無機電池材料の実証プラントプロジェクトを受注し、 遂行中である他、新たに㈱クレハよりフッ化ビニリデン樹脂生産設備モノマー工程のEPC業務を受注しました。
≪脱炭素ビジネスの取組み≫
水素・アンモニア、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)/CCU(Carbon dioxide Capture and
Utilization)、エネルギーマネジメントの取組みは以下のとおりです。
(水素・アンモニア)
水素分野では、当社の独自技術であるSPERA水素™技術の優位性を生かした水素サプライチェーンの構築に向けて、シンガポール、欧州で具体的な案件や検討を進めています。
シンガポールでは、商用規模のクリーン水素サプライチェーン事業の実現に向けて、同国有数の総合ユーティリティで政府系コングロマリットであるSembcorp Industries社及び三菱商事㈱と概念設計を遂行中で、2026年に商業水素供給開始を目標としています。
欧州では、イギリス・スコットランドからオランダ・ロッテルダム港への水素海上輸送プロジェクト(LHyTS(ライツ)プロジェクト)に参画、事業化調査を実施中です。
国内では、水素バリューチェーン推進協議会の理事会社として、社会実装プロジェクトの創出と政策支援の実現に向けて活動しています。また、2023年4月に中部電力㈱及び豪州Hazer社と、HAZER®Processによる水素製造に係る覚書を締結し、中部圏でのカーボンフリー水素と副生固体炭素(カーボングラファイト)の製造拠点プロジェクトの開発計画の検討を開始しました。
アンモニア関連分野では、当社が主幹事会社となり、NEDOのグリーンイノベーション基金事業として、産学官連携で製造コストの低減を実現する新規アンモニア合成技術の開発を進めています。さらに、㈱JERA、㈱日本触媒と共同で既存の技術より競争力のあるアンモニア分解技術の開発を進めており、NEDOの技術開発事業に採択されています。その他、国内におけるアンモニア受入設備や水素燃料供給に関する複数の検討業務を遂行中です。
(CCS/CCU)
大規模な天然ガス火力発電所で発生する排ガスから固体吸収材を用いてCO2を分離・回収する技術開発をNEDOのグリーンイノベーション基金事業として進めています。加えて、CO2の回収・CCSシステム設計におけるグローバルリーダーであるPace CCS社とCCS分野での協業に関する覚書を締結、CCSプロジェクトのFS(Feasibility Study)やコンセプトデザインからFEED/EPCまで幅広く展開していきます。
東南アジアでは、インドネシア国営石油会社プルタミナ社と脱炭素循環技術の共同検討業務契約を、タイ発電公社EGAT社とクリーン水素・アンモニア バリューチェーン検討覚書をそれぞれ締結し、 両国におけるカーボンニュートラル社会への早期移行に貢献していきます。
CCU分野では、 産学官連携で、 CO2の回収・資源化やCO2を原料とするパラキシレン製造の研究開発に取り組んでいます。また、アメリカBlue Planet社、三菱商事㈱との協業で、 排ガス等に含まれるCO2を原料にしてコンクリート原料である骨材を製造する技術開発を推進しています。
e-fuel分野ではドイツのINERATEC社とe-fuel製造による脱炭素化促進に向けた戦略的協業に関する覚書を締結し、同社の最先端PtXテクノロジー活用を進めていきます。加えて、CO2と水素を用いた合成燃料製造に関し、㈱INPEX向けの400Nm3-CO2/h メタネーション(合成メタン(e-methane))試験設備工事及びENEOS㈱向けの1BD(1 Barrel per day)合成燃料実証試験設備建設工事を遂行中です。
(エネルギーマネジメント)
2023年3月に完工した北海道北部風力送電㈱向け世界最大級の大型蓄電池システムの20年間に亘る保守業務を遂行中です。また、蓄電池事業においては㈱ENEOS向け系統用蓄電池建設に関する複数の工事を遂行中です。
その他、スタートアップ企業と連携して国内向けにVPP(Virtual Power Plant)事業などの取組みを強化しています。
≪DXの取組み≫
全社DXの基盤となるデジタル人財の育成やDX意識・文化の醸成等を図るとともに、プロジェクトデジタル変革、コーポレートデジタル変革、デジタル変革ビジネスの取組みを進めています。
プロジェクトデジタル変革では、EPC遂行管理力の進化に向けて、AWP(Advanced Work Packaging)を大型プロジェクトに順次適用しています。また、㈱Arent及び当社が共同出資した㈱PlantStreamが開発した革新的な空間設計システムは、当社グループの設計業務を改革するとともに、国内外のプラントオーナーやEPCコントラクターでの導入が進んでいます。
コーポレートデジタル変革では、デジタル技術を活用したリモートワーク環境の更なる整備、リソース計画・人財管理の高度化、ロボティックスプロセスオートメーション導入による管理業務の効率化を推進しています。
デジタル変革ビジネスでは、プラント運転・保守ソリューションとDX事業を再編・統合し、顧客のプラント運転・保全業務の変革を支援するソリューション事業を展開しております。このため、新たなO&Mトータルソリューションサービスとして「plantOSTM」の提供を開始しました。plantOSTMは、千代田エクスワンエンジニアリング㈱はじめ当社グループがこれまで提供してきた産業/プラント向けメンテナンス分野におけるフィジカルサポートと当社が長年培ってきた高度解析・診断、IOT、AI等のデジタル技術を、ハイブリッドに融合したO&M向けサービスです。また、提供ソリューションの一つである3D Digital Twin事業の促進のため、「デジタルツインコンソーシアム®(マサチューセッツ州、以下DTC)」に加盟しました。 DTCへの加盟により、ユースケースや概念実証などの国際的な取り組みに参画しデジタルツインを様々な産業エリアで普及展開することを目指します。
≪その他≫
2023年4月1日付で千代田エクスワンエンジニアリング㈱が事業を開始しております。
受注高、完成工事高、受注残高の実績は、次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)受注残高を算出するに当たっては、前連結会計年度以前に受注した工事の契約変更等による減額及び外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額の合計を加味しています。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は1,277億88百万円となり、前連結会計年度末より211億6百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前四半期純利益の計上に加え、工事進捗に伴う売上債権の回収などにより、営業活動による資金収支は228億47百万円のプラスとなりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
無形固定資産及び有形固定資産の取得などにより、投資活動における資金収支は15億49百万円のマイナスとなりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済などにより、財務活動による資金収支は51億54百万円のマイナスとなりました。
(3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、9億14百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間において、世界経済は長引くロシア・ウクライナ情勢の影響継続や原油価格の高止まり等に伴うエネルギー価格の高騰、インフレ抑制に向けた各国の金融政策の引締めもあり、その先行きは依然として不透明な状況が続いています。
このような状況のもと、 当社グループを取り巻く事業環境においては、気候変動問題への対応としてカーボンニュートラルの実現と、エネルギーの安定供給との両立化が求められています。
当社では、中期経営計画「再生計画~再生と未来に向けたビジョン~」に基づき、リスク管理体制の高度化とEPC(設計・調達・建設)遂行管理力の進化を進め、安定的な収益基盤の拡大に取り組んでいます。
また、事業ポートフォリオ革新に向けて、エネルギーの安定供給とエネルギートランジションを支える資源となるLNG(液化天然ガス)を主体とする既存事業の深化に加え、再生可能エネルギー、水素、炭素循環、エネルギー運用最適化、ライフサイエンスなどの新規事業を強化しております。
中期経営計画の最終年度となる当年度においては、既存事業の着実な進捗と新規事業の強化により、事業ポートフォリオ革新を深化させ、収益構造の変革を実現し、「エンジニアリングの新たな価値を創出」することで、持続的な成長と企業価値の一層の向上を目指します。
当第2四半期連結累計期間の経営成績及び財政状態は、次のとおりです。
当第2四半期連結累計期間の連結受注工事高は1,348億19百万円(前年同四半期比192.6%増)、連結完成工事高は2,716億95百万円(同47.4%増)であった結果、連結受注残高は1兆1,172億99百万円(前連結会計年度末比2.7%減)となり、営業利益は107億97百万円(前年同四半期比76.7%増)、経常利益は141億22百万円(同113.4%増)となりました。また、法人税等の計上により、親会社株主に帰属する四半期純利益は86億34百万円(同62.2%増)となりました。
資産については、現金預金の増加266億60百万円の一方で、ジョイントベンチャー持分資産の減少171億46百万円、受取手形・完成工事未収入金及び契約資産の減少33億14百万円などにより、資産合計は前連結会計年度末に比べ78億65百万円減少しました。
負債については、支払手形・工事未払金の増加68億38百万円の一方で、契約負債の減少212億17百万円、工事損失引当金の減少23億37百万円などにより、負債合計は前連結会計年度末に比べ164億4百万円減少しました。
純資産については、その他の包括利益累計額が減少した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、純資産合計は308億49百万円となりました。
当社の報告セグメントであるエンジニアリング事業の概況は、次のとおりです。
[エネルギー分野]
(LNG・その他ガス関係)
海外では、カタール、アメリカ、インドネシアでLNGプラントのEPC業務を遂行中です。年産800万トンのLNGプラント4系列の増設案件であるカタールNorth Field East LNG輸出基地案件(NFEプロジェクト)及びアメリカのゴールデンパスLNGプロジェクトの建設工事がそれぞれ本格化し進捗しています。また、インドネシアのタングーLNG拡張プロジェクト(第3系列)は2023年8月に顧客へのプラントの引渡しを完了し、生産が開始されています。
その他ガス分野では、カタールで当社グループ会社がLNG・ガス処理プラントの改造・改修案件に係る複数
の設計業務を遂行中です。
国内では、当社グループが建設したLNG受入基地の改造・改修工事を遂行中です。
(石油・石油化学関係)
国内では、石油会社向けに、製油所の設備更新工事や省エネ、カーボンニュートラルに資する各種検討業務などを遂行中です。また、国内製油所や石油・石油化学事業所に対して、これまで培った高度解析技術(3次元流動解析やダイナミック・シミュレーション、構造解析、耐震)と最新のデジタル技術を組み合わせ、運転最適化と設備保全効率化ならびに運転・保全業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けたO&M(Operation & Maintenance)事業を展開しています。加えて、石油化学分野では機能材案件のEPC業務を完工しました。
また、マイクロ波化学㈱、三井化学㈱とマイクロ波加熱を利用した革新的ナフサクラッキング技術の開発を開始しました。本事業は国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム 重点課題推進スキーム」に採択されました。本技術の確立により、従前の化学業界の重要課題である「ナフサの熱分解で排出されるCO2の大幅な削減」に貢献いたします。
[地球環境分野]
(医薬・生化学・一般化学関係)
医薬・生化学分野では、製薬会社向けに、バイオ医薬品原薬製造設備の他、複数の医薬品製造設備のEPC業務を遂行中です。
当社は、シオノギファーマ㈱が設立したPharmira㈱に出資参画しており、医薬品原薬・中間体製造に関する革新的な連続生産技術を実装化する役割を担っています。また、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)助成事業にて、産学連携で「植物による高度修飾タンパク質の大量生産技術の開発」を進めています。
(環境・新エネルギー・インフラ関係)
環境分野では、インドにおける環境規制強化により石炭火力発電所への排煙脱硫設備の導入が進む中、当社のCT-121排煙脱硫プロセスが複数の案件に活用されています。
新エネルギー分野では、再生可能エネルギーの効率的な活用に資する蓄エネルギー活用や地域分散型のエネルギー供給システムへの取組みを強化しています。加えて、洋上風力分野に関する各種ソフト業務を遂行しております。
インフラ分野では、インドネシアで単一製造ラインとして世界最大規模となる銅製錬工場のEPC業務を遂行中です。
また、国内では、先端素材工場のEPCに向けた先行業務を遂行中です。加えて、主に電気自動車(EV)における航続距離拡大・充電時間の短縮・安全性向上が期待される次世代電池に関して、無機電池材料の実証プラントプロジェクトを受注し、 遂行中である他、新たに㈱クレハよりフッ化ビニリデン樹脂生産設備モノマー工程のEPC業務を受注しました。
≪脱炭素ビジネスの取組み≫
水素・アンモニア、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)/CCU(Carbon dioxide Capture and
Utilization)、エネルギーマネジメントの取組みは以下のとおりです。
(水素・アンモニア)
水素分野では、当社の独自技術であるSPERA水素™技術の優位性を生かした水素サプライチェーンの構築に向けて、シンガポール、欧州で具体的な案件や検討を進めています。
シンガポールでは、商用規模のクリーン水素サプライチェーン事業の実現に向けて、同国有数の総合ユーティリティで政府系コングロマリットであるSembcorp Industries社及び三菱商事㈱と概念設計を遂行中で、2026年に商業水素供給開始を目標としています。
欧州では、イギリス・スコットランドからオランダ・ロッテルダム港への水素海上輸送プロジェクト(LHyTS(ライツ)プロジェクト)に参画、事業化調査を実施中です。
国内では、水素バリューチェーン推進協議会の理事会社として、社会実装プロジェクトの創出と政策支援の実現に向けて活動しています。また、2023年4月に中部電力㈱及び豪州Hazer社と、HAZER®Processによる水素製造に係る覚書を締結し、中部圏でのカーボンフリー水素と副生固体炭素(カーボングラファイト)の製造拠点プロジェクトの開発計画の検討を開始しました。
アンモニア関連分野では、当社が主幹事会社となり、NEDOのグリーンイノベーション基金事業として、産学官連携で製造コストの低減を実現する新規アンモニア合成技術の開発を進めています。さらに、㈱JERA、㈱日本触媒と共同で既存の技術より競争力のあるアンモニア分解技術の開発を進めており、NEDOの技術開発事業に採択されています。その他、国内におけるアンモニア受入設備や水素燃料供給に関する複数の検討業務を遂行中です。
(CCS/CCU)
大規模な天然ガス火力発電所で発生する排ガスから固体吸収材を用いてCO2を分離・回収する技術開発をNEDOのグリーンイノベーション基金事業として進めています。加えて、CO2の回収・CCSシステム設計におけるグローバルリーダーであるPace CCS社とCCS分野での協業に関する覚書を締結、CCSプロジェクトのFS(Feasibility Study)やコンセプトデザインからFEED/EPCまで幅広く展開していきます。
東南アジアでは、インドネシア国営石油会社プルタミナ社と脱炭素循環技術の共同検討業務契約を、タイ発電公社EGAT社とクリーン水素・アンモニア バリューチェーン検討覚書をそれぞれ締結し、 両国におけるカーボンニュートラル社会への早期移行に貢献していきます。
CCU分野では、 産学官連携で、 CO2の回収・資源化やCO2を原料とするパラキシレン製造の研究開発に取り組んでいます。また、アメリカBlue Planet社、三菱商事㈱との協業で、 排ガス等に含まれるCO2を原料にしてコンクリート原料である骨材を製造する技術開発を推進しています。
e-fuel分野ではドイツのINERATEC社とe-fuel製造による脱炭素化促進に向けた戦略的協業に関する覚書を締結し、同社の最先端PtXテクノロジー活用を進めていきます。加えて、CO2と水素を用いた合成燃料製造に関し、㈱INPEX向けの400Nm3-CO2/h メタネーション(合成メタン(e-methane))試験設備工事及びENEOS㈱向けの1BD(1 Barrel per day)合成燃料実証試験設備建設工事を遂行中です。
(エネルギーマネジメント)
2023年3月に完工した北海道北部風力送電㈱向け世界最大級の大型蓄電池システムの20年間に亘る保守業務を遂行中です。また、蓄電池事業においては㈱ENEOS向け系統用蓄電池建設に関する複数の工事を遂行中です。
その他、スタートアップ企業と連携して国内向けにVPP(Virtual Power Plant)事業などの取組みを強化しています。
≪DXの取組み≫
全社DXの基盤となるデジタル人財の育成やDX意識・文化の醸成等を図るとともに、プロジェクトデジタル変革、コーポレートデジタル変革、デジタル変革ビジネスの取組みを進めています。
プロジェクトデジタル変革では、EPC遂行管理力の進化に向けて、AWP(Advanced Work Packaging)を大型プロジェクトに順次適用しています。また、㈱Arent及び当社が共同出資した㈱PlantStreamが開発した革新的な空間設計システムは、当社グループの設計業務を改革するとともに、国内外のプラントオーナーやEPCコントラクターでの導入が進んでいます。
コーポレートデジタル変革では、デジタル技術を活用したリモートワーク環境の更なる整備、リソース計画・人財管理の高度化、ロボティックスプロセスオートメーション導入による管理業務の効率化を推進しています。
デジタル変革ビジネスでは、プラント運転・保守ソリューションとDX事業を再編・統合し、顧客のプラント運転・保全業務の変革を支援するソリューション事業を展開しております。このため、新たなO&Mトータルソリューションサービスとして「plantOSTM」の提供を開始しました。plantOSTMは、千代田エクスワンエンジニアリング㈱はじめ当社グループがこれまで提供してきた産業/プラント向けメンテナンス分野におけるフィジカルサポートと当社が長年培ってきた高度解析・診断、IOT、AI等のデジタル技術を、ハイブリッドに融合したO&M向けサービスです。また、提供ソリューションの一つである3D Digital Twin事業の促進のため、「デジタルツインコンソーシアム®(マサチューセッツ州、以下DTC)」に加盟しました。 DTCへの加盟により、ユースケースや概念実証などの国際的な取り組みに参画しデジタルツインを様々な産業エリアで普及展開することを目指します。
≪その他≫
2023年4月1日付で千代田エクスワンエンジニアリング㈱が事業を開始しております。
受注高、完成工事高、受注残高の実績は、次のとおりです。
(単位:百万円)
セグメントの名称 | 前第2四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年9月30日) | 当第2四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) | |||||
受注高 (構成比) | 完成工事高 (構成比) | 受注残高 (構成比) | 受注高 (構成比) | 完成工事高 (構成比) | 受注残高 (構成比) | ||
1 エンジニアリング事業 | 45,753 | 183,991 | 1,359,771 | 134,555 | 271,431 | 1,117,299 | |
( 99.3%) | ( 99.8%) | (100.0%) | ( 99.8%) | ( 99.9%) | (100.0%) | ||
エネルギー 分野 | (1) LNGプラント関係 | 15,075 | 111,172 | 947,155 | 21,061 | 137,803 | 770,876 |
( 32.7%) | ( 60.3%) | ( 69.7%) | ( 15.6%) | ( 50.7%) | ( 69.0%) | ||
(2) その他ガス関係 | 3,169 | 1,306 | 4,870 | 1,214 | 1,703 | 4,642 | |
( 6.9%) | ( 0.7%) | ( 0.4%) | ( 0.9%) | ( 0.6%) | ( 0.4%) | ||
(3) 石油・石油化学関係 | 12,273 | 16,944 | 24,190 | 12,842 | 13,553 | 25,126 | |
( 26.6%) | ( 9.2%) | ( 1.8%) | ( 9.5%) | ( 5.0%) | ( 2.2%) | ||
地球環境 分野 | (4) 医薬・生化学 ・一般化学関係 | 6,588 | 14,212 | 42,449 | 59,931 | 16,324 | 83,592 |
( 14.3%) | ( 7.7%) | ( 3.1%) | ( 44.5%) | ( 6.0%) | ( 7.5%) | ||
(5) 環境・新エネルギー ・インフラ関係 | 6,678 | 38,672 | 337,948 | 36,887 | 100,251 | 228,619 | |
( 14.5%) | ( 21.0%) | ( 24.8%) | ( 27.4%) | ( 36.9%) | ( 20.5%) | ||
(6) その他 | 1,967 | 1,683 | 3,157 | 2,616 | 1,795 | 4,443 | |
( 4.3%) | ( 0.9%) | ( 0.2%) | ( 1.9%) | ( 0.7%) | ( 0.4%) | ||
2 その他の事業 | 320 | 320 | - | 263 | 263 | - | |
( 0.7%) | ( 0.2%) | ( -) | ( 0.2%) | ( 0.1%) | ( -) | ||
合 計 | 46,074 | 184,312 | 1,359,771 | 134,819 | 271,695 | 1,117,299 | |
(100.0%) | (100.0%) | (100.0%) | (100.0%) | (100.0%) | (100.0%) | ||
国 内 | 31,373 | 36,269 | 91,766 | 101,406 | 36,143 | 155,318 | |
( 68.1%) | ( 19.7%) | ( 6.7%) | ( 75.2%) | ( 13.3%) | ( 13.9%) | ||
海 外 | 14,700 | 148,042 | 1,268,005 | 33,412 | 235,552 | 961,981 | |
( 31.9%) | ( 80.3%) | ( 93.3%) | ( 24.8%) | ( 86.7%) | ( 86.1%) |
(注)受注残高を算出するに当たっては、前連結会計年度以前に受注した工事の契約変更等による減額及び外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額の合計を加味しています。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は1,277億88百万円となり、前連結会計年度末より211億6百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前四半期純利益の計上に加え、工事進捗に伴う売上債権の回収などにより、営業活動による資金収支は228億47百万円のプラスとなりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
無形固定資産及び有形固定資産の取得などにより、投資活動における資金収支は15億49百万円のマイナスとなりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済などにより、財務活動による資金収支は51億54百万円のマイナスとなりました。
(3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、9億14百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。