有価証券報告書-第98期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/18 16:24
【資料】
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【項目】
183項目
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月18日)現在において判断したものです。
<経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容>当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当社グループでは、LNG/石油・石油化学分野をはじめとして、現在複数のEPC(設計・調達・建設)案件を遂行中です。米国のGolden Pass LNG(GPX)プロジェクトは、Joint Venture(JV)パートナーであったZachry社の離脱後、新たにMcDermott社との2社JVを組成し、2024年11月にTrain1にかかるEPC契約改定につき顧客であるGolden Pass LNG LLC (GPX社)と合意し、工事を遂行してきました。Train2及びTrain3にかかるEPC契約については、2025年6月に将来のコスト負担に関する責任分担の基本合意後、交渉を継続しておりましたが、2025年11月にGPX社との間で正式に改定EPC契約を締結しました。これにより、Train1~3の全系列を通して工事を遂行する体制を確立しました。なお、Train1においては2026年3月に建設及び試運転を完了し、1st LNG※の生産を達成しました。
カタールでは、年産800万トンのLNGプラント4系列の増設案件であるカタールNorth Field East LNG輸出基地案件(NFE)の建設工事を遂行中です。当連結会計年度においては、中東情勢の緊迫化を受け、工事の一時的な停止などによる影響が生じています。詳細は、連結財務諸表「注記事項(重要な後発事象)(中東情勢)」をご参照ください。その他、金属・先端素材分野及びライフサイエンス分野では、国内において複数のEPC案件を遂行中です。
受注面では、海外においては、LNG/石油・石油化学分野で、世界的に各種設備投資計画が動き始めています。当社は、「経営計画2025」の重点取組みの一つである海外プロジェクト取組み改革を踏まえ、リスク管理を徹底しつつ受注獲得に向けた活動を進めてきました。その結果、当連結会計年度においては、中東にて石油・石油化学関係のEPC案件を受注しました。
国内においては、脱炭素やライフサイエンス関連分野を中心に、引き続き受注獲得に向けた活動を行っています。当連結会計年度においては、出光興産㈱より、電気自動車向けの次世代型電池として本命視されている全固体リチウムイオン二次電池の実用化に向けた、固体電解質大型パイロット装置のEPC業務を受注しました。
※安定的な商業生産・出荷が始まる前の初期段階の稼働
当連結会計年度における業績は、次のとおりです。
(受注工事高)
受注工事高は、前連結会計年度比41.1%増の2,980億24百万円となりました。なお、当連結会計年度末受注残高は
6,130億56百万円となりました。分野別の受注工事高は、「(2) 生産、受注及び販売の実績」に記載のとおりです。
(完成工事高)
完成工事高は、前連結会計年度比8.1%増の4,939億42百万円となりました。分野別の完成工事高は、「(2) 生産、受注及び販売の実績」に記載のとおりです。
(完成工事総利益)
完成工事総利益は、GPXプロジェクトの採算見直しや国内外で遂行中の主要案件の順調な進捗により前連結会計年度の完成工事総利益423億19百万円に対し、1,005億19百万円となりました。完成工事総利益率は前連結会計年度の9.3%から11.1ポイント増加し20.4%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、物価上昇に対応するためのベースアップや成長戦略推進の継続等により、前連結会計年度に比べ5億20百万円増加し184億17百万円となりました。販売費及び一般管理費比率は前連結会計年度の3.9%から0.2ポイント減少し3.7%となりました。
(営業利益)
営業利益は、完成工事総利益と同様の理由により、前連結会計年度に比べ576億80百万円増加し821億02百万円となりました。
(営業外収益・営業外費用)
営業外収益は、受取配当金や海外プロジェクト資金の運用利益により、前連結会計年度に比べ16億34百万円増加し131億51百万円となりました。また、営業外費用は、為替差損等により、前連結会計年度に比べ9億63百万円減少し27億79百万円となりました。この結果、営業外収支は103億72百万円の収益となりました。
(経常利益)
経常利益は、完成工事総利益と同様の理由により、前連結会計年度に比べ602億78百万円増加し924億74百万円となりました。
(特別利益・特別損失)
特別利益及び特別損失は、前連結会計年度が1億89百万円の収益超過であったのに対し、当連結会計年度は、退職給付制度終了損の計上により0百万円の損失超過となりました。
(法人税、住民税及び事業税・法人税等調整額)
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ600億87百万円増加し924億74百万円の収益となりました。
法人税、住民税及び事業税は71億40百万円、法人税等調整額は2億1百万円となり、前連結会計年度に比べ25億81百万円の増加となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ576億76百万円増加し846億63百万円となりました。
経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項、および、それらへの対応については、3.事業等のリスクに記載しています。
大型プロジェクトであるGPXプロジェクト及びNFEプロジェクトのほか、手持ちEPC案件を着実に遂行していくことに加え、当社を取り巻く事業環境と当社グループの強みを掛け合わせ、顧客にとっての良き事業共創パートナーを目指し、事業・技術の開発から操業まで広範囲に伴走し、多様で柔軟な事業ポートフォリオの確立に努めていきます。
また、当社グループのパーパス「社会の“かなえたい”を共創(エンジニアリング)する」を実現するための重要な基盤は、当社グループの最大の資産である人財です。組織風土と人財開発の両面から組織と人財のWell-Beingを高め、社会とステークホルダーとの価値の循環を持続し、双方の価値を高めていきながら、人的資本経営を推進していきます。収益性向上やガバナンスの強化のみならず、人的資本経営を推進することで、中長期的な企業価値の向上に努めていきます。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 受注実績
事業部門の名称前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
受注高受注残高受注高受注残高
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
⦅前年同期比⦆
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
1 エンジニアリング事業210,63799.7739,857100.0297,35799.8613,056100.0
(△8,312)⦅41.2%増⦆(69,116)
エネルギー
分野
(1) LNGプラント関係34,43716.3486,61665.840,02013.4316,78351.8
(△6,542)⦅16.2%増⦆(78,540)
(2) その他ガス関係34,92616.534,2994.61,2900.426,0854.2
(△31)⦅96.3%減⦆(△1,444)
(3) 石油・石油化学関係38,18518.137,0145.0154,27951.8126,52020.6
(△135)⦅304.0%増⦆(1,048)
地球環境
分野
(4) 医薬・生化学
・一般化学関係
26,47712.587,57511.913,0514.436,6056.0
(△1,224)⦅50.7%減⦆(△4)
(5) 環境・新エネルギー
・インフラ関係
70,12133.288,26711.982,17227.6100,65716.4
(△254)⦅17.2%増⦆(△9,148)
(6) その他6,4883.16,0840.86,5422.26,4031.0
(△123)⦅0.8%増⦆(123)
2 その他の事業6220.3--6670.2--
( -)⦅7.2%増⦆( -)
総 合 計211,260100.0739,857100.0298,024100.0613,056100.0
(△8,312)⦅41.1%増⦆(69,116)

なお、国内及び海外の受注高並びに受注残高の内訳は、次のとおりです。
国内外内訳前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
受注高受注残高受注高受注残高
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
⦅前年同期比⦆
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
国 内131,53862.3192,40426.0151,95551.0199,03732.5
(△1,570)⦅15.5%増⦆(△2,389)
海 外79,72137.7547,45374.0146,06949.0414,01867.5
(△6,741)⦅83.2%増⦆(71,505)
合 計211,260100.0739,857100.0298,024100.0613,056100.0
(△8,312)⦅41.1%増⦆(69,116)

(注) 受注残高の( )内の数字は、前連結会計年度以前に受注した工事の契約変更等による減額及び外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額の合計を加味しています。
② 売上実績
事業部門の名称前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)
⦅前年同期比⦆
構成比(%)
1 エンジニアリング事業456,34699.9493,27599.9
⦅8.1%増⦆
エネルギー
分野
(1) LNGプラント関係250,23954.8288,39458.4
⦅15.2%増⦆
(2) その他ガス関係4,7541.08,0601.6
⦅69.5%増⦆
(3) 石油・石油化学関係33,2507.365,82213.3
⦅98.0%増⦆
地球環境
分野
(4) 医薬・生化学
・一般化学関係
35,6997.864,01613.0
⦅79.3%増⦆
(5) 環境・新エネルギー
・インフラ関係
126,65327.760,63412.3
⦅52.1%減⦆
(6) その他5,7481.36,3471.3
⦅10.4%増⦆
2 その他の事業6220.16670.1
⦅7.2%増⦆
総 合 計456,969100.0493,942100.0
⦅8.1%増⦆

なお、国内及び海外の売上実績の内訳は、次のとおりです。
国内外内訳前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)
⦅前年同期比⦆
構成比(%)
国 内101,80222.3142,93228.9
⦅40.4%増⦆
海 外355,16677.7351,00971.1
⦅1.2%減⦆
合 計456,969100.0493,942100.0
⦅8.1%増⦆

(注) 1 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していません。
2 主な相手先別の売上実績及び総売上高に対する割合は次のとおりです。
前連結会計年度当連結会計年度
相手先金額
(百万円)
割合
(%)
相手先金額
(百万円)
割合
(%)
カタールエナジー207,15445.3カタールエナジー151,88630.7
ピーティー・フリーポート・インドネシア101,28622.2ゴールデンパス・エルエヌジー・エルエルシー123,03624.9

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は2,423億76百万円となり、前連結会計年度末残高より211億38
百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
営業活動による資金収支
税金等調整前当期純利益の計上に加え、未収入金の減少などにより、当連結会計年度における営業活動による資金収支は261億32百万円のプラスとなりました。
投資活動による資金収支
無形固定資産及び有形固定資産の取得などにより、当連結会計年度における投資活動による資金収支は32億79百万円のマイナスとなりました。
財務活動による資金収支
長期借入金の返済による支出などにより、当連結会計年度における財務活動による資金収支は16億52百万円のマイナスとなりました。
② 資金需要
当社グループの資金需要のうち主な内訳は、当社が受注した国内外のプラント建設に関わる費用、販売費及び一般管理費のほか、今後の成長戦略を支えるための投資です。販売費及び一般管理費のうち主な内訳は、従業員給与手当等の人件費のほか、業務委託費等です。当社の研究開発費は、研究開発に携わる従業員の人件費が過半を占めています。
エネルギー、素材、ライフサイエンス分野における事業の拡充を図るとともに、収益の安定化および多様化に向け、事業共創等のNon‑EPC領域の拡大に係る投資を推進していきます。
③ 財務政策
当社グループは、資金需要に対して、内部資金還流または外部借入により資金調達する方針です。外部借入に関しては、三菱商事株式会社の子会社である三菱商事フィナンシャルサービス株式会社との間で総額100億円の借入枠を確保することで、流動性を維持しています。
上記財源を適切かつ効果的に活用し、事業ポートフォリオの革新と高収益体質への変革、サステナブルな社会の実現への貢献を進め、当社グループを安定的に運営する資金を継続して創出していきます。
(4) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。一般に公正妥当と認められる連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産及び負債の報告額や、報告対象期間中の収益及び費用の報告額に影響する判断及び見積りを行うことが要求されます。当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づいて判断及び見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合もあります。
当社グループの見積りや判断を含む重要な会計方針は、連結財務諸表注記の「4 会計方針に関する事項」に記載しています。また、会計方針の適用において使用される当社の判断と見積りのうち、当社グループの連結財務諸表の報告額に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるものについては、連結財務諸表注記の「4 会計方針に関する事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。

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