四半期報告書-第95期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間において、新型コロナウイルス感染症拡大についていまだ収束の目途が立っていない中、ロシアによるウクライナ侵攻といった地政学的リスク顕在化や原油をはじめとする資源価格の高騰やインフレ進行、急激な円安の進行など、世界情勢は今後も不透明な状況が続くことが見込まれます。
このような状況のもと、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しており、気候変動問題への対応としてカーボンニュートラルや脱炭素化社会への移行の動きが加速する一方、ロシア・ウクライナ情勢を背景にエネル
ギーの安定供給との両立が改めて課題となっています。
中期経営計画「再生計画~再生と未来に向けたビジョン」ではこうした事業環境の変化を先取りし、エネルギーの安定供給とエネルギートランジションを支える資源として重要性が高まっているLNG(液化天然ガス)を主体とする既存事業の深化と、成長分野と位置付ける再生可能エネルギー、水素、炭素循環、エネルギー運用最適化、ライフサイエンスなどの新規事業の強化、デジタルトランスフォーメーションを通じたビジネスモデルの付加価値向上を進めてきています。
再生と未来に向けたビジョンの取り組みを加速するために、本年4月1日付けでカーボンニュートラル宣言を公表しました。エンジニアリングの総合力にデジタル革新技術を活用して「2050年ネットゼロ」社会の実現に貢献していきます。
引き続き既存事業の深化と新規事業の加速により「エンジニアリングの新たな価値」を創出し、事業ポートフォリオの革新を進め、安定的な収益基盤を確立することで、持続的な成長と企業価値の一層の向上を目指します。
当第1四半期連結累計期間の経営成績及び財政状態は、次のとおりです。
連結受注工事高は206億2百万円(前年同四半期比3.5%減)、連結完成工事高は757億41百万円(同5.9%減)であった結果、連結受注残高は1兆3,676億74百万円(前連結会計年度末比2.8%増)となり、営業利益は37億69百万円(前年同四半期比7.5%増)、経常利益は35億26百万円(同0.3%減)となりました。また、法人税等の増加等により、親会社株主に帰属する四半期純利益は21億90百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失172億11百万円)となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、遂行中案件全般に影響が出ているというわけではなく、案件毎に異なる状況です。一部案件では進捗等に影響が見られるものの、大半の案件は想定内で遂行中であり、コスト削減や増益を達成できている案件もあります。また、ロシア・ウクライナ情勢の影響については、紛争が長期化し当社の想定を超えて情勢が悪化する場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性がありますので、今後も注視、対処していきます。なお、当第1四半期連結累計期間の四半期連結財務諸表においては、同作成時点で見込まれる合理的な影響額を積算し、工事進捗度計算の基礎となる工事原価総額に織り込んだうえで、完成工事高及び完成工事原価を計上しています。
資産については、未成工事支出金の増加59億63百万円、受取手形・完成工事未収入金及び契約資産の増加35億84百万円、現金預金の増加28億27百万円、ジョイントベンチャー持分資産の増加19億74百万円の一方で、未収入金の減少505億35百万円などにより、資産合計は前連結会計年度末に比べ299億83百万円減少しました。
負債については、契約負債の増加51億28百万円の一方で、未払金の減少267億71百万円、支払手形・工事未払金の減少54億67百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少50億32百万円などにより、負債合計は前連結会計年度末に比べ337億51百万円減少しました。
純資産については、繰延ヘッジ損益の計上によるその他の包括利益累計額の増加、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、純資産合計は195億29百万円となりました。
当社の報告セグメントであるエンジニアリング事業の概況は、次のとおりです。
[エネルギー分野]
(LNG・その他ガス関係)
海外では、カタール、アメリカ、インドネシアでLNGプラントのEPC(設計・調達・建設)業務を遂行中です。カタールでは、年産800万トンのLNGプラント4系列の増設案件であるNorth Field East LNG輸出基地案件(NFEプロジェクト)のEPC業務を遂行中であり、本設プラントの工事が開始されました。アメリカでEPC業務を遂行中のゴールデンパスLNGプロジェクトは現場工事が本格化しています。インドネシアでは、タングーLNG拡張プロジェクト(第3系列)の建設工事が終盤に差し掛かっており、完工に向けて遂行中です。その他ガス分野では、カタールの当社グループ会社がLNG・ガス処理プラントの改造・改修案件に係る複数の設計業務を遂行中です。
国内では、当社が建設したLNG受入基地の増強・改造・改修や火力発電所向けガス供給設備の新設等のEPC業務を遂行中です。
(石油・石油化学関係)
国内では、石油会社向けに、製油所の競争力強化、設備更新の工事、省エネやカーボンニュートラルに資する各種検討及び耐震補強等の国土強靭化基本法対応の検討業務などを遂行中です。また、石油化学分野では機能材案件を遂行中です。
[地球環境分野]
(医薬・生化学・一般化学関係)
医薬・生化学分野では、塩野義製薬㈱向け遺伝子組換えタンパク質によるワクチン原薬製造設備の増設及び付帯設備並びにバイオ医薬品原薬製造工場のEPC業務を遂行中です。EPC事業分野以外では、シオノギ
ファーマ㈱が設立し、当社が参画した合弁会社「Pharmira㈱」(当社連続フロー合成技術を実装することを目的とし、医薬品原薬・中間体の連続生産技術を用いた開発製造の受託事業会社)が本年4月1日より事業を開始しています。同社は、医薬品原薬の製法開発、治験原薬製造から商用生産に至るフルレンジ・ワンストップの医薬品原薬・中間体製造を提供し、当社はその中でも革新的な連続生産技術を実装化する役割を担い、今後、当該技術の水平展開によりライフサイエンス分野の強化を図ります。
一般化学分野では、カーボンリサイクル技術の確立に向けて、産学官連携でCO2の回収・資源化やCO2を原料とするパラキシレン製造についての研究開発に取り組んでいます。さらに、顧客の廃プラスチックのリサイクル事業について基本設計業務を遂行しています。
植物工場分野では、引き続き商業設備の導入推進に取り組んでいます。
(環境・新エネルギー・インフラ関係)
環境分野では、インドにおける環境規制強化により石炭火力発電所への排煙脱硫設備の導入が進む中、当社のCT-121排煙脱硫プロセスが複数の案件に活用されています。
国内では、火力発電所の燃焼廃ガスからCO2を分離・回収・貯蔵する(CCS)実証設備の運転支援業務及び一部改造工事を遂行中です。また、石炭火力発電所向けの排煙脱硫設備のEPC業務を遂行中です。
CO2利用・回収(CCU)分野では、アメリカBlue Planet社、三菱商事㈱との協業で、排ガス等に含まれるCO2を原料にしてコンクリート原料である骨材を製造する技術の開発とその事業化を推進しています。
また、大規模な天然ガス火力発電所排ガス向けに固体吸収材を用いたCO2分離・回収の技術開発をNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業として進めています。
新エネルギー分野では、太陽光発電設備(メガソーラー)建設、木質ペレットを燃料とする国内最大級のバイオマス発電所建設に係るEPC業務を遂行中です。世界最大級の蓄電池システムについてはEPC業務の遂行に加え、保守業務を新たに受注する等、再生可能エネルギーの効率的な活用に資する蓄エネルギー設備やVPP(バーチャル・パワープラント)事業などのエネルギーマネジメント分野への取組みを強化しています。
インフラ分野では、インドネシアで単一製造ラインとして世界最大規模となる銅製錬工場のEPC業務を当社単独にて遂行中であり、現場工事が本格化しています。国内では、ポリプロピレン重合用触媒製造工場のEPC業務を遂行中です。
水素事業(水素・アンモニア)の取り組み状況は次のとおりです。
SPERA水素™技術の優位性を生かした水素バリューチェーンの構築に向けて、複数の具体的な検討や協議を進めています。欧州では、オランダのロッテルダム港湾公社、Koole Terminals、三菱商事㈱とともに、商業規模の水素輸入による国際間水素サプライチェーン構築の検討を進めています。シンガポールでは、ク
リーン水素サプライチェーン事業の実現に向けて、総合ユーティリティや都市開発を事業とするSembcorp Industries社をはじめとする現地民間各社、三菱商事㈱とともに具体的な検討を進めています。また、シンガポール政府の助成金の交付を受けて、当社独自技術であるSPERA水素™を活用した産学連携プログラムを推進しています。国内では、ENEOS㈱が推進する技術実証支援事業において、当社が組合員企業として参画する次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(AHEAD)が、NEDO助成事業にてブルネイで製造したメチルシクロヘキサン(MCH)を既存のケミカルタンカーで供給しています。また、水素バリューチェーン推進協議会(JH2A)の理事会社として、社会実装プロジェクトの創出と政策支援の実現などに向けて活動しています。
アンモニア関連分野では、当社が主幹事会社となり、産学官連携で製造コストの低減を実現する新規アンモニア合成技術の開発をNEDOのグリーンイノベーション基金事業として進めています。
また、国内におけるアンモニア受入設備や水素燃料供給に関する複数の検討業務を遂行中です。
デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組み状況は、次のとおりです。
全社DXを加速し、全社DXの基盤となるデジタル人財の育成やDX意識・文化の醸成等を図るとともに、プロ
ジェクトデジタル変革、コーポレートデジタル変革、デジタル変革ビジネスへの取り組みを進めています。
プロジェクトデジタル変革では、EPC遂行管理力の進化に向けて、AWP(Advanced Work Packaging)適用のためのシステムを大型プロジェクトに順次適用しています。また、当社及び㈱Arentが共同出資した㈱PlantStreamが開発した“プラントの基本設計業務のうち空間設計にかかる工数を大幅に削減、高速度で三次元モデルを作成出来る革新的な設計システム”は、当社の設計業務を改革するとともに、世界中のプラントオーナーやEPCコントラクターでの導入が進んでいます。
コーポレートデジタル変革では、デジタル技術を活用したリモートワーク環境の更なる整備、リソース計画・人財管理の高度化、ロボティックスプロセスオートメーション(RPA)導入による管理業務の効率化を推進しています。
デジタル変革ビジネスでは、国内外の顧客に対し、エンジニアリングの知見とデジタルAI技術を融合させたプラント操業の最適化ソリューションであるEFEXIS®及びCognite㈱、三菱商事㈱とともに進める、産業設備・プラント向けデジタルプラットフォームソリューション Mirai Fusionの提供を拡大しています。EFEXIS®では、当社が提供してきた高度診断及び解析技術にIoT・AI・クラウド技術を組み合わせ設備保守の効率化を実現する「O&M Mother」を開発し、そのラインアップを拡充しています。
受注高、完成工事高、受注残高の実績は、次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1 受注残高を算出するに当たっては、前連結会計年度以前に受注した工事の契約変更等による減額及び外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額の合計を加味しております。
2 前第2四半期連結会計期間より、エンジニアリング事業のうちエネルギー分野及び地球環境分野の内訳について一部名称及び区分定義を変更しており、前第1四半期連結累計期間についても変更後の区分に基づき開示しております。なお、報告セグメントの取扱いに変更はありません。
(2) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1億円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間において、新型コロナウイルス感染症拡大についていまだ収束の目途が立っていない中、ロシアによるウクライナ侵攻といった地政学的リスク顕在化や原油をはじめとする資源価格の高騰やインフレ進行、急激な円安の進行など、世界情勢は今後も不透明な状況が続くことが見込まれます。
このような状況のもと、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しており、気候変動問題への対応としてカーボンニュートラルや脱炭素化社会への移行の動きが加速する一方、ロシア・ウクライナ情勢を背景にエネル
ギーの安定供給との両立が改めて課題となっています。
中期経営計画「再生計画~再生と未来に向けたビジョン」ではこうした事業環境の変化を先取りし、エネルギーの安定供給とエネルギートランジションを支える資源として重要性が高まっているLNG(液化天然ガス)を主体とする既存事業の深化と、成長分野と位置付ける再生可能エネルギー、水素、炭素循環、エネルギー運用最適化、ライフサイエンスなどの新規事業の強化、デジタルトランスフォーメーションを通じたビジネスモデルの付加価値向上を進めてきています。
再生と未来に向けたビジョンの取り組みを加速するために、本年4月1日付けでカーボンニュートラル宣言を公表しました。エンジニアリングの総合力にデジタル革新技術を活用して「2050年ネットゼロ」社会の実現に貢献していきます。
引き続き既存事業の深化と新規事業の加速により「エンジニアリングの新たな価値」を創出し、事業ポートフォリオの革新を進め、安定的な収益基盤を確立することで、持続的な成長と企業価値の一層の向上を目指します。
当第1四半期連結累計期間の経営成績及び財政状態は、次のとおりです。
連結受注工事高は206億2百万円(前年同四半期比3.5%減)、連結完成工事高は757億41百万円(同5.9%減)であった結果、連結受注残高は1兆3,676億74百万円(前連結会計年度末比2.8%増)となり、営業利益は37億69百万円(前年同四半期比7.5%増)、経常利益は35億26百万円(同0.3%減)となりました。また、法人税等の増加等により、親会社株主に帰属する四半期純利益は21億90百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失172億11百万円)となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、遂行中案件全般に影響が出ているというわけではなく、案件毎に異なる状況です。一部案件では進捗等に影響が見られるものの、大半の案件は想定内で遂行中であり、コスト削減や増益を達成できている案件もあります。また、ロシア・ウクライナ情勢の影響については、紛争が長期化し当社の想定を超えて情勢が悪化する場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性がありますので、今後も注視、対処していきます。なお、当第1四半期連結累計期間の四半期連結財務諸表においては、同作成時点で見込まれる合理的な影響額を積算し、工事進捗度計算の基礎となる工事原価総額に織り込んだうえで、完成工事高及び完成工事原価を計上しています。
資産については、未成工事支出金の増加59億63百万円、受取手形・完成工事未収入金及び契約資産の増加35億84百万円、現金預金の増加28億27百万円、ジョイントベンチャー持分資産の増加19億74百万円の一方で、未収入金の減少505億35百万円などにより、資産合計は前連結会計年度末に比べ299億83百万円減少しました。
負債については、契約負債の増加51億28百万円の一方で、未払金の減少267億71百万円、支払手形・工事未払金の減少54億67百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少50億32百万円などにより、負債合計は前連結会計年度末に比べ337億51百万円減少しました。
純資産については、繰延ヘッジ損益の計上によるその他の包括利益累計額の増加、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、純資産合計は195億29百万円となりました。
当社の報告セグメントであるエンジニアリング事業の概況は、次のとおりです。
[エネルギー分野]
(LNG・その他ガス関係)
海外では、カタール、アメリカ、インドネシアでLNGプラントのEPC(設計・調達・建設)業務を遂行中です。カタールでは、年産800万トンのLNGプラント4系列の増設案件であるNorth Field East LNG輸出基地案件(NFEプロジェクト)のEPC業務を遂行中であり、本設プラントの工事が開始されました。アメリカでEPC業務を遂行中のゴールデンパスLNGプロジェクトは現場工事が本格化しています。インドネシアでは、タングーLNG拡張プロジェクト(第3系列)の建設工事が終盤に差し掛かっており、完工に向けて遂行中です。その他ガス分野では、カタールの当社グループ会社がLNG・ガス処理プラントの改造・改修案件に係る複数の設計業務を遂行中です。
国内では、当社が建設したLNG受入基地の増強・改造・改修や火力発電所向けガス供給設備の新設等のEPC業務を遂行中です。
(石油・石油化学関係)
国内では、石油会社向けに、製油所の競争力強化、設備更新の工事、省エネやカーボンニュートラルに資する各種検討及び耐震補強等の国土強靭化基本法対応の検討業務などを遂行中です。また、石油化学分野では機能材案件を遂行中です。
[地球環境分野]
(医薬・生化学・一般化学関係)
医薬・生化学分野では、塩野義製薬㈱向け遺伝子組換えタンパク質によるワクチン原薬製造設備の増設及び付帯設備並びにバイオ医薬品原薬製造工場のEPC業務を遂行中です。EPC事業分野以外では、シオノギ
ファーマ㈱が設立し、当社が参画した合弁会社「Pharmira㈱」(当社連続フロー合成技術を実装することを目的とし、医薬品原薬・中間体の連続生産技術を用いた開発製造の受託事業会社)が本年4月1日より事業を開始しています。同社は、医薬品原薬の製法開発、治験原薬製造から商用生産に至るフルレンジ・ワンストップの医薬品原薬・中間体製造を提供し、当社はその中でも革新的な連続生産技術を実装化する役割を担い、今後、当該技術の水平展開によりライフサイエンス分野の強化を図ります。
一般化学分野では、カーボンリサイクル技術の確立に向けて、産学官連携でCO2の回収・資源化やCO2を原料とするパラキシレン製造についての研究開発に取り組んでいます。さらに、顧客の廃プラスチックのリサイクル事業について基本設計業務を遂行しています。
植物工場分野では、引き続き商業設備の導入推進に取り組んでいます。
(環境・新エネルギー・インフラ関係)
環境分野では、インドにおける環境規制強化により石炭火力発電所への排煙脱硫設備の導入が進む中、当社のCT-121排煙脱硫プロセスが複数の案件に活用されています。
国内では、火力発電所の燃焼廃ガスからCO2を分離・回収・貯蔵する(CCS)実証設備の運転支援業務及び一部改造工事を遂行中です。また、石炭火力発電所向けの排煙脱硫設備のEPC業務を遂行中です。
CO2利用・回収(CCU)分野では、アメリカBlue Planet社、三菱商事㈱との協業で、排ガス等に含まれるCO2を原料にしてコンクリート原料である骨材を製造する技術の開発とその事業化を推進しています。
また、大規模な天然ガス火力発電所排ガス向けに固体吸収材を用いたCO2分離・回収の技術開発をNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業として進めています。
新エネルギー分野では、太陽光発電設備(メガソーラー)建設、木質ペレットを燃料とする国内最大級のバイオマス発電所建設に係るEPC業務を遂行中です。世界最大級の蓄電池システムについてはEPC業務の遂行に加え、保守業務を新たに受注する等、再生可能エネルギーの効率的な活用に資する蓄エネルギー設備やVPP(バーチャル・パワープラント)事業などのエネルギーマネジメント分野への取組みを強化しています。
インフラ分野では、インドネシアで単一製造ラインとして世界最大規模となる銅製錬工場のEPC業務を当社単独にて遂行中であり、現場工事が本格化しています。国内では、ポリプロピレン重合用触媒製造工場のEPC業務を遂行中です。
水素事業(水素・アンモニア)の取り組み状況は次のとおりです。
SPERA水素™技術の優位性を生かした水素バリューチェーンの構築に向けて、複数の具体的な検討や協議を進めています。欧州では、オランダのロッテルダム港湾公社、Koole Terminals、三菱商事㈱とともに、商業規模の水素輸入による国際間水素サプライチェーン構築の検討を進めています。シンガポールでは、ク
リーン水素サプライチェーン事業の実現に向けて、総合ユーティリティや都市開発を事業とするSembcorp Industries社をはじめとする現地民間各社、三菱商事㈱とともに具体的な検討を進めています。また、シンガポール政府の助成金の交付を受けて、当社独自技術であるSPERA水素™を活用した産学連携プログラムを推進しています。国内では、ENEOS㈱が推進する技術実証支援事業において、当社が組合員企業として参画する次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(AHEAD)が、NEDO助成事業にてブルネイで製造したメチルシクロヘキサン(MCH)を既存のケミカルタンカーで供給しています。また、水素バリューチェーン推進協議会(JH2A)の理事会社として、社会実装プロジェクトの創出と政策支援の実現などに向けて活動しています。
アンモニア関連分野では、当社が主幹事会社となり、産学官連携で製造コストの低減を実現する新規アンモニア合成技術の開発をNEDOのグリーンイノベーション基金事業として進めています。
また、国内におけるアンモニア受入設備や水素燃料供給に関する複数の検討業務を遂行中です。
デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組み状況は、次のとおりです。
全社DXを加速し、全社DXの基盤となるデジタル人財の育成やDX意識・文化の醸成等を図るとともに、プロ
ジェクトデジタル変革、コーポレートデジタル変革、デジタル変革ビジネスへの取り組みを進めています。
プロジェクトデジタル変革では、EPC遂行管理力の進化に向けて、AWP(Advanced Work Packaging)適用のためのシステムを大型プロジェクトに順次適用しています。また、当社及び㈱Arentが共同出資した㈱PlantStreamが開発した“プラントの基本設計業務のうち空間設計にかかる工数を大幅に削減、高速度で三次元モデルを作成出来る革新的な設計システム”は、当社の設計業務を改革するとともに、世界中のプラントオーナーやEPCコントラクターでの導入が進んでいます。
コーポレートデジタル変革では、デジタル技術を活用したリモートワーク環境の更なる整備、リソース計画・人財管理の高度化、ロボティックスプロセスオートメーション(RPA)導入による管理業務の効率化を推進しています。
デジタル変革ビジネスでは、国内外の顧客に対し、エンジニアリングの知見とデジタルAI技術を融合させたプラント操業の最適化ソリューションであるEFEXIS®及びCognite㈱、三菱商事㈱とともに進める、産業設備・プラント向けデジタルプラットフォームソリューション Mirai Fusionの提供を拡大しています。EFEXIS®では、当社が提供してきた高度診断及び解析技術にIoT・AI・クラウド技術を組み合わせ設備保守の効率化を実現する「O&M Mother」を開発し、そのラインアップを拡充しています。
受注高、完成工事高、受注残高の実績は、次のとおりです。
(単位:百万円)
セグメントの名称 | 前第1四半期連結累計期間 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日) | |||||
受注高 (構成比) | 完成工事高 (構成比) | 受注残高 (構成比) | 受注高 (構成比) | 完成工事高 (構成比) | 受注残高 (構成比) | ||
1 エンジニアリング事業 | 21,192 | 80,315 | 1,072,981 | 20,446 | 75,585 | 1,367,674 | |
( 99.2%) | ( 99.8%) | (100.0%) | ( 99.3%) | ( 99.8%) | (100.0%) | ||
エネルギー 分野 | (1) LNGプラント関係 | 4,962 | 47,504 | 919,635 | 2,468 | 42,444 | 951,202 |
( 23.2%) | ( 59.0%) | ( 85.7%) | ( 12.0%) | ( 56.1%) | ( 69.6%) | ||
(2) その他ガス関係 | 205 | 1,068 | 4,972 | 127 | 1,053 | 2,081 | |
( 1.0%) | ( 1.3%) | ( 0.4%) | ( 0.6%) | ( 1.4%) | ( 0.2%) | ||
(3) 石油・石油化学関係 | 10,490 | 16,409 | 44,917 | 6,773 | 5,765 | 29,168 | |
( 49.1%) | ( 20.4%) | ( 4.2%) | ( 32.9%) | ( 7.6%) | ( 2.1%) | ||
地球環境 分野 | (4) 医薬・生化学 ・一般化学関係 | 3,400 | 7,358 | 39,303 | 4,501 | 6,747 | 48,017 |
( 15.9%) | ( 9.2%) | ( 3.7%) | ( 21.8%) | ( 8.9%) | ( 3.5%) | ||
(5) 環境・新エネルギー ・インフラ関係 | 1,434 | 7,187 | 62,033 | 5,266 | 18,645 | 334,215 | |
( 6.7%) | ( 8.9%) | ( 5.8%) | ( 25.6%) | ( 24.6%) | ( 24.4%) | ||
(6) その他 | 698 | 786 | 2,118 | 1,309 | 928 | 2,989 | |
( 3.3%) | ( 1.0%) | ( 0.2%) | ( 6.4%) | ( 1.2%) | ( 0.2%) | ||
2 その他の事業 | 163 | 163 | - | 155 | 155 | - | |
( 0.8%) | ( 0.2%) | ( -) | ( 0.7%) | ( 0.2%) | ( -) | ||
合 計 | 21,356 | 80,479 | 1,072,981 | 20,602 | 75,741 | 1,367,674 | |
(100.0%) | (100.0%) | (100.0%) | (100.0%) | (100.0%) | (100.0%) | ||
国 内 | 15,647 | 23,129 | 126,753 | 16,968 | 16,186 | 100,700 | |
( 73.3%) | ( 28.7%) | ( 11.8%) | ( 82.4%) | ( 21.4%) | ( 7.4%) | ||
海 外 | 5,708 | 57,349 | 946,228 | 3,633 | 59,554 | 1,266,974 | |
( 26.7%) | ( 71.3%) | ( 88.2%) | ( 17.6%) | ( 78.6%) | ( 92.6%) |
(注)1 受注残高を算出するに当たっては、前連結会計年度以前に受注した工事の契約変更等による減額及び外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額の合計を加味しております。
2 前第2四半期連結会計期間より、エンジニアリング事業のうちエネルギー分野及び地球環境分野の内訳について一部名称及び区分定義を変更しており、前第1四半期連結累計期間についても変更後の区分に基づき開示しております。なお、報告セグメントの取扱いに変更はありません。
(2) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1億円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。