有価証券報告書-第50期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 13:17
【資料】
PDFをみる
【項目】
145項目
(1) 経営成績等の業績の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
a. 財政状態
(資産)
資産合計は、前連結会計年度末比1,028億87百万円減の1兆6,253億40百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金が692億56百万円減少したことが主な要因です。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末比804億3百万円減の1,801億94百万円となりました。これは、未払法人税等が314億59百万円、退職給付に係る負債が254億65百万円減少したことが主な要因です。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末比224億84百万円減の1兆4,451億46百万円となりました。これは、利益剰余金が185億38百万円減少したことが主な要因です。
b. 経営成績
当期における当社グループを取り巻く事業環境につきましては、期の初めは需要が概ね堅調に推移したものの、米中貿易摩擦の影響と前年度活発だった中国のIT関係の一時的な需要がなくなったことなどから、期の後半を中心に極めて厳しい状況となりました。
このようななか当社グループは、「one FANUC」、「壊れない」「壊れる前に知らせる」「壊れてもすぐ直せる」および「サービス ファースト」をスローガンに掲げ、当社商品およびサービスを通じて、信頼性が高く効率的・先進的な生産体制をお客様が安心して構築・維持できるようにするための取り組みをグループ一丸となって推進しました。またIoTへの対応として、様々な企業が参加できるオープンプラットフォームであるFIELD system(FANUC Intelligent Edge Link and Drive system)の機能拡張およびアプリケーション(パートナー企業製を含む)の充実を図り、FIELD systemの普及に努めるとともに、AI技術の当社商品への適用を進めました。
2018年度における連結業績は、売上高が6,355億68百万円(前期比12.5%減)、経常利益が1,834億59百万円(前期比26.5%減)、当期純利益が1,541億63百万円(前期比15.3%減)となりました。なお、特別利益として厚生年金基金代行返上益250億81百万円を計上しております。
(注) [事業の状況]における「当期純利益」は、連結損益計算書における「親会社株主に帰属する当期純利益」
を指します。
当期におきまして、製造現場のダウンタイムをゼロにする実用的なIoT商品「ZDT(ゼロダウンタイム)」が、「第8回ロボット大賞 経済産業大臣賞/総務大臣賞」を受賞いたしました。また、安定した超精密加工を実現する超精密加工機「ファナック ロボナノ α-NMiA」が「2018年日刊工業新聞十大新製品賞 本賞」および「2018年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞 日経産業新聞賞」を受賞いたしました。
なお、当社グループは、CNCシステムとその応用商品を提供する企業グループとして、単一セグメントの事業を営んでおりますが、商品部門別の状況は以下のとおりです。
[FA部門]
CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、国内、欧州で高い水準が続き、インドでも堅調に推移しました。しかしながら、米中貿易摩擦の影響により中国、台湾において期の途中から需要が急激に落ち込んだほか、韓国でも内需の減速を受け低調に推移しました。これらの結果、当社グループのCNCシステムの売上高は前年度に比べ減少しました。
レーザにつきましては、国内、海外で引き続きファイバレーザ発振器の拡販に努めました。
FA部門の連結売上高は、2,110億88百万円(前期比5.0%減)、全連結売上高に対する構成比は33.2%となりました。
[ロボット部門]
ロボット部門につきましては、国内および欧州で堅調に推移したものの、米州の自動車産業において設備投資の谷間が続いたほか、中国で特に一般産業向けが弱い動きとなりました。これらの結果、ロボット部門全体の売上高は前年度に比べ減少しました。
ロボット部門の連結売上高は、2,175億26百万円(前期比4.5%減)、全連結売上高に対する構成比は34.2%となりました。
[ロボマシン部門]
ロボドリル(小型切削加工機)は、前年度活発だった中国のIT関係の一時的需要がなくなったため、大きく減少しました。しかし、自動車部品などIT関係以外の市場では総じて堅調で、特に国内、欧州、インドで販売が伸びました。ロボショット(電動射出成形機)については、前年に引き続き堅調に売上が推移しましたが、ロボカット(ワイヤカット放電加工機)はやや減少しました。
ロボマシン部門の連結売上高は、1,150億56百万円(前期比39.5%減)、全連結売上高に対する構成比は18.1%となりました。
[サービス部門]
サービスにつきましては、「サービス ファースト」のスローガンのもと、サービス体制の強化、サービス技術の向上、サービスツールの充実、IT技術の積極的な導入による効率アップなどを進めました。世界中に263ヶ所のサービス拠点を置き、108ヶ国をカバーする体制を構築し、お客様の工場でのダウンタイムを最小限にするための迅速な保守サービス活動を行っております。(注:サービス拠点と対象国数は2019年3月末現在)
サービス部門の連結売上高は、918億98百万円(前期比6.4%増)、全連結売上高に対する構成比は14.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年度末比1,181億89百万円減の6,077億14百万円となりました。
(各キャッシュ・フローの状況)
営業活動の結果得られた資金は、前年同期比17億48百万円増の1,777億38百万円であり、これは主に売上債権が減少したことによるものです。
投資活動の結果使用した資金は、前年同期比69億14百万円減の1,233億43百万円であり、これは有形固定資産の取得による支出は増加したものの、主に定期預金の払戻による収入が定期預金の預入による支出を上回ったためです。
財務活動の結果使用した資金は、前年同期比797億71百万円増の1,728億68百万円であり、これは主に配当金の支払額が増加したことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
(当連結会計年度)
生産高(百万円)前期比(%)
544,897△15.5

(注) 1 生産高は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
(当連結会計年度)
受注高(百万円)前期比(%)
594,877△21.3

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
(当連結会計年度)
販売高(百万円)前期比(%)
635,568△12.5

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
当該割合が10%未満のため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産、負債および偶発債務ならびに会計期間における収益、費用に影響を与える見積りを必要としておりますが、実際の結果と異なる場合があります。
中でも連結財務諸表に与える影響が最も大きいと考えられるものは、以下の退職給付債務であります。
(退職給付債務)
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。長期金利の低下や運用利回りの悪化は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
2018年度における連結業績は、売上高が6,355億68百万円(前期比12.5%減)、経常利益が1,834億59百万円 (前期比26.5%減)、当期純利益が1,541億63百万円(前期比15.3%減)となりました。
当期における当社グループを取り巻く事業環境につきましては、期の初めは需要が概ね堅調に推移したものの、米中貿易摩擦の影響と前年度活発だった中国のIT関係の一時的な需要がなくなったことなどから、期の後半を中心に極めて厳しい状況となりました。
このようななか当社グループは、「one FANUC」、「壊れない」「壊れる前に知らせる」「壊れてもすぐ直せる」および「サービス ファースト」をスローガンに掲げ、当社商品およびサービスを通じて、信頼性が高く効率的・先進的な生産体制をお客様が安心して構築・維持できるようにするための取り組みをグループ一丸となって推進しました。またIoTへの対応として、様々な企業が参加できるオープンプラットフォームであるFIELD system(FANUC Intelligent Edge Link and Drive system)の機能拡張およびアプリケーション(パートナー企業製を含む)の充実を図り、FIELD systemの普及に努めるとともに、AI技術の当社商品への適用を進めました。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(財政状態)
(資産)
資産合計は、前連結会計年度末比1,028億87百万円減の1兆6,253億40百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金が692億56百万円減少したことが主な要因です。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末比804億3百万円減の1,801億94百万円となりました。これは、未払法人税等が314億59百万円、退職給付に係る負債が254億65百万円減少したことが主な要因です。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末比224億84百万円減の1兆4,451億46百万円となりました。これは、利益剰余金が185億38百万円減少したことが主な要因です。
(キャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,777億38百万円と、前連結会計年度に比べ17億48百万円増加しました。これは主に売上債権が減少したことによるものです。
投資活動の結果使用した資金は、1,233億43百万円であり、前連結会計年度に比べ69億14百万円減少しました。これは有形固定資産取得による支出は増加したものの、主に定期預金の払戻による収入が定期預金の預入による支出を上回ったためです。
財務活動の結果使用した資金は、1,728億68百万円であり、前連結会計年度に比べ797億71百万円増加しました。これは、主に配当金の支払額が増加したことによるものです。
以上のキャッシュフローの増減に現金及び現金同等物に係る換算差額△5億80百万円を加算し、連結キャッシュ・フローは、△1,190億53百万円となりました。
(資本の財源)
当期の所要資金は全て自己資金により充当し、外部からの調達は行っておりません。