四半期報告書-第87期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/09 14:00
【資料】
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【項目】
36項目
(1)財政状態及び経営成績の状況
(a)財政状態に関する分析
当第3四半期連結会計期間末の資産の残高は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べ83,561百万円増加の1,098,479百万円となりました。
負債の残高は、仕入債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ23,586百万円増加の302,977百万円となりました。
純資産の残高は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ59,974百万円増加の795,502百万円となりました。
(b)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間における日本経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中、消費者マインドの持ち直しが見られ、経済社会活動の正常化が緩やかに進みました。世界経済は、米国や欧州各国においては経済対策等により個人消費が堅調に推移、中国においては不動産市場の低迷が続いていますが、堅調な輸出や電力制限の緩和を受け、企業の生産活動は回復基調となりました。一方で、各国地域における新型コロナウイルス変異株の急速な感染拡大による国内外経済への影響や、物流及び供給制約等の動向を引き続き注視する必要があります。
このような環境のもと、当社グループの当第3四半期連結累計期間における売上高は前年同四半期比23.7%増の592,984百万円、営業利益は前年同四半期比155.0%増の50,666百万円、経常利益は前年同四半期比136.3%増の52,711百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同四半期比201.3%増の36,402百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
第1四半期連結会計期間において当社グループは、当社の機械製造事業の一部を当社の完全子会社であるYKK AP株式会社に承継させる吸収分割を実施するとともに、工機技術本部をファスニング事業とAP事業にそれぞれ融合しました。当該組織再編に伴い、前連結会計年度において「その他」に含めていたファスニング加工用機械・建材加工用機械・金型及び機械部品の製造・販売等を、ファスニング・APの両事業セグメントに含めております。
以下の前年同四半期比較は、当該組織再編を反映した組替後の数値で比較しております。
(ファスニング)
当第3四半期連結累計期間のファスニング事業を取り巻く事業環境は、新型コロナウイルスワクチンの普及とそれに伴う活動制限緩和により、欧米を中心とした消費市場の回復基調が持続、アパレル小売市場でも前四半期に続き回復傾向が見られました。しかし、世界的なコンテナ不足によるサプライチェーン混乱や半導体供給不足など依然先行きは不透明な環境であることに加え、各地で繰り返される変異株による感染再拡大もあり、当社でも一部拠点における操業制限を実施しながら生産活動を行っております。
このような事業環境のもと、中国・ASEAN地域を筆頭に、物流遅延やコスト高への懸念から秋冬物向けの受注時期が前倒しとなった影響等により引き続き販売が好調に推移し、売上高(セグメント間の内部売上を含む)は前年同四半期比45.5%増の255,774百万円となりました。営業利益は、前四半期に続き、原材料価格高騰や輸送運賃の上昇等の減益要因があったものの、販売ボリュームの増加及び操業度の向上に加え、継続的なコスト削減及び販管費抑制の取組による増益影響が大きく、34,199百万円(前年同四半期は営業利益1,024百万円)となりました。
(AP)
当第3四半期連結累計期間のAP事業を取り巻く事業環境は、日本国内では、新型コロナウイルスワクチンの普及が進み新規感染者が減少する中、新設住宅着工戸数は前年を上回りました。海外では、北米を中心に市場の回復がみられるものの、中国では不動産規制の強化等により、引き続き厳しい状況にあります。
このような事業環境のもと、国内においては、首都圏を中心に樹脂窓・アルミ樹脂複合窓の販売が好調に推移しました。また、業界初となる顔認証キーによる施開錠が可能で、利便性とセキュリティ性を高めた「新スマートドア」を10月に発売するとともに、業界初となる奥行4尺サイズで、自宅で過ごす“おうち時間”を充実させられる「ルシアスバルコニー」を12月に発売しました。海外においては、市場が回復している北米、アジア地域での販売が好調に推移しましたが、中国内需向けの販売は前年を下回りました。
この結果、売上高(セグメント間の内部売上を含む)は前年同四半期比11.1%増の334,526百万円、営業利益は、販売ボリュームの増加や製造コストダウンがあったものの、資材価格高騰影響を吸収できず、前年同四半期比9.7%減の16,767百万円となりました。
(その他)
その他事業につきましては、不動産、アルミ製錬事業等を行っております。
当第3四半期連結累計期間におけるその他事業の売上高(セグメント間の内部売上を含む)は、前年同四半期比11.7%増の18,362百万円、営業利益は前年同四半期比23.6%増の1,094百万円となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は15,974百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、前年同四半期比で、ファスニング事業における販売実績に著しい増加がありました。その内容については、「(b)経営成績の分析」に記載しております。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、新たに経営成績に重要な影響を与える事象は発生しておりません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第3四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。