四半期報告書-第103期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)
以下の分析には、当社及び連結子会社の将来に関する記述が含まれています。こうした将来に関する記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた現時点における仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスク、不確実性並びにその他の要素を内包するものです。かかるリスク、不確実性及びその他の要素によって、当社の実際の連結財政状態、連結経営成績及び連結キャッシュ・フローが、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。
特に断りのない限り、将来に関する記述は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営環境
当第2四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大に加えて半導体や自動車部品などの調達難により米国や中国などの景気回復テンポが鈍化したものの、全体としては持ち直しの動きが継続しました。
米国では、デルタ株の感染拡大や供給網のボトルネックにより、消費を始め国内需要の回復の勢いが鈍化したものの、大勢としては持ち直しの動きが続きました。インフレ高進等の懸念材料はあるものの、今後、感染拡大が落ち着くにつれ、抑制されてきた消費の回復や供給網の問題の改善による景気の押し上げ効果が期待されます。欧州では、経済活動の正常化に伴い、サービス消費を中心に個人消費の回復がみられました。今後も欧州復興基金からの配分による下支え効果もあり、景気回復の動きが強まると見込まれます。日本では、東南アジアからの部品供給の停滞による自動車減産が輸出の下振れにつながった他、デルタ株による感染急拡大などを背景に消費は弱い動きとなりましたが、設備投資は堅調であり、今後は個人消費も経済活動の再開とともに回復に向かい、景気は持ち直していくものとみられます。中国では、活動制限の再強化による個人消費の回復鈍化や政府による不動産投資の抑制策などにより、景気回復がスローダウンしましたが、今後は活動制限の緩和などにより再び持ち直していくと見込まれます。ロシアやブラジルでは、資源・エネルギーや食料の価格上昇を背景に輸出の増加が続くとみられます。
先行きは、米国と中国の成長ペースは再び勢いを取り戻して世界経済の回復をリードし、欧州や日本でも景気回復の動きが強まることが見込まれます。
(2)経営成績の分析
① 連結損益計算書
(*)四捨五入差異により縦計・横計が合わないことがあります(以下同様)。
収益
・収益は5兆4,162億円となり前年同期の3兆7,051億円から1兆7,111億円の増加となりました。
なお、前年同期の数値を当期の表示にあわせる目的で修正再表示しております。この見直しによる売上総利益、四半期利益(親会社の所有者に帰属)、親会社の所有者に帰属する持分に影響はありません。詳しくは、第4「経理の状況」 1.要約四半期連結財務諸表 (2) 要約四半期連結損益計算書及び要約四半期連結包括利益計算書をご参照ください。
売上総利益
・主に金属資源セグメント、化学品セグメント、機械・インフラセグメントで増益となりましたが、エネルギーセグメント、次世代・機能推進セグメントは減益となりました。
販売費及び一般管理費
・主に金属資源セグメントで減少しましたが、化学品セグメントは増加となりました。費目別に見ると以下のとおりです。
(*)△は負担増
その他の収益・費用
有価証券損益:
・機械・インフラセグメントにおいて、前年同期は有価証券売却益を計上した一方、当期は減損損失を計上しました。
固定資産評価損益:
・前年同期は、主に機械・インフラセグメントにおいて固定資産評価損を計上しました。
・当期は、主にエネルギーセグメントにおいて固定資産評価損を計上しました。
雑損益:
・主に、金属資源セグメントで為替関連損益に関する増益がありましたが、エネルギーセグメントで減益になりました。
金融収益・費用
受取配当金:
・主に、金属資源セグメント、エネルギーセグメントで増加しました。
持分法による投資損益
・主に、金属資源セグメント、機械・インフラセグメント、生活産業セグメント、鉄鋼製品セグメント、エネルギーセグメントで増益となりました。
法人所得税
・法人所得税は1,231億円の負担となり、前年同期の674億円から557億円の負担増となりました。また、当期の実効税率は22.8%となり、前年同期の36.5%から、13.7ポイント減少しました。持分法による投資損益は増益となりましたが、その一部について税効果を認識しないことや、エネルギーセグメントにおける高税率の資源関連税負担の割合が減少したことにより、法人所得税の負担割合が減少しました。
四半期利益(親会社の所有者に帰属)
・上記の結果、前年同期から2,946億円増益の4,046億円となりました。
② オペレーティング・セグメント情報
オペレーティング・セグメント別の経営成績に係る変動要因の分析は以下のとおりです。
なお、当期より報告セグメントの記載順序を変更しております。これに伴い、前年同期の報告セグメントの記載順序を同様に変更しております。
金属資源
・売上総利益の増益の主因は以下のとおりです。
- 豪州鉄鉱石事業は、販売価格の上昇を主因に904億円の増益
- 豪州石炭事業は、販売価格の上昇を主因に162億円の増益
・持分法による投資損益の増益の主因は以下のとおりです。
- 豪州鉄鉱石事業は、販売価格の上昇を主因に146億円の増益
- チリの銅鉱山事業会社Compañía Minera Doña Inés de Collahuasiは、販売価格の上昇を主因に104億円の増益
- チリの銅鉱山事業会社Anglo American Surに投資を行うInversiones Mineras Becruxは、販売価格の上昇を主因に62億円の増益
- オルドス電力冶金は、中国内需拡大に因る合金鉄、化学品事業の好業績を主因に38億円の増益
・受取配当金は、Vale、豪州鉄鉱石事業からの受取配当金を主因に増加しました。
・販売費及び一般管理費の減少の主因は以下のとおりです。
- 前年同期において、モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業における各種前提を見直した結果、融資に係る減損損失197億円を計上
・上記のほか、以下要因がありました。
- 当期において、チリの銅鉱山事業会社Compañía Minera Doña Inés de Collahuasiへの投資を行うJapan Collahuasi Resourcesの再編に伴い繰延税金負債を取り崩した結果、62億円の利益を法人所得税に計上
- 当期において、豪州鉄鉱石事業は為替関連損益等において47億円の増益
- 当期において、豪州石炭事業は為替関連損益等において35億円の増益
エネルギー
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 本店事業部にてLNGトレーディング関連の収益減少を主因に減益
- 三井石油開発は、生産量減少を主因に86億円の減益
- Mitsui & Co. Energy Trading Singaporeは、前期トレーディング好調反動を主因に70億円の減益
- Mitsui E&P Australiaは、原油価格の上昇を主因に69億円の増益
- Mitsui E&P USAは、ガス価格の上昇を主因に67億円の増益
- MOEX North Americaは、原油価格の上昇を主因に36億円の増益
・持分法による投資損益の増益の主因は以下のとおりです。
- Mitsui & Co. LNG Investment USAは、キャメロン全3系列の商業生産開始に伴い36億円増益
・LNGプロジェクト6案件(サハリンⅡ、アブダビ、カタールガス1、オマーン、カタールガス3及び赤道ギニア)からの受取配当金は164億円となり、前年同期から125億円の増加となりました。
・上記のほか、以下要因がありました。
- 当期において、三井石油開発がBlock M-3探鉱事業について評価損73億円及び海外投資等損失準備金の取崩に係る利益27億円を計上
- MOEX North Americaにおいてデリバティブ関連損益を主因に44億円減益
機械・インフラ
・売上総利益の増益の主因は以下のとおりです。
- Toyota Chileは販売堅調等で34億円の増益
・持分法による投資損益の増益の主因は以下のとおりです。
- MBK USA Commercial Vehiclesはトラックリース・レンタル事業の好調により132億円の増益
- Penske Automotive Groupは販売堅調等で78億円の増益
- タンカー保有関連会社は市況低迷により減益
・販売費及び一般管理費では、前年同期に以下の要因がありました。
- 前年同期において、モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業における各種前提を見直した結果、融資に関わる減損損失49億円を計上
・上記のほか、以下要因がありました。
- 前年同期において、北米発電事業の売却に伴う有価証券売却益を計上
- 当期においてMT Falcon Holdingsの株式売買契約を締結した結果、減損損失97億円を計上
- 前年同期において、鉄道車両リース事業会社における評価損47億円を計上
化学品
・売上総利益の増益の主因は以下のとおりです。
- 当期より欧州農薬販社Belchim Crop Protectionの連結化に伴い増益
- MMTXは、メタノール市況の上昇を主因に39億円の増益
・販売費及び一般管理費の増加の主因は以下のとおりです。
- 当期より欧州農薬販社Belchim Crop Protectionの連結化に伴い販売費及び一般管理費が増加
鉄鋼製品
・持分法による投資損益の増益の主因は以下のとおりです。
- Gestamp事業会社は、自動車生産の回復による操業率の改善、コスト構造改革によるコスト削減効果を主因に74億円の増益
- Steel Technologiesへの投資を行うNumitは米国自動車生産の回復に因る操業率の改善、鋼材価格の上昇を主因に53億円の増益
生活産業
・持分法による投資損益の増益の主因は以下のとおりです。
- IHH Healthcareは、前年同期における新型コロナウイルス感染症の影響及びインド子会社の暖簾減損の反動と、当期における新型コロナウイルス関連収益の増加及びオペレーションの改善により、103億円の増益
- WILSEY FOODSは、出資先である米国加工油脂食品製造Ventura Foodsの大豆油相場上昇及び外食向け需要回復による好業績を受け、41億円の増益
- PHCホールディングスは、当期における新型コロナウイルス関連商品の販売好調及び保有する転換社債の評価益を主因に増益
次世代・機能推進
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 前年同期において、米国OSIsoft株式売却契約締結に伴い、持株会社で公正価値評価益124億円を計上
- 前年同期において中国の医薬品開発会社Hutchison China MediTech株式の公正価値評価益60億円を計上した一方、当期において全量売却に伴う売却益11億円を計上
- 当期において、米国Kalturaの株式上場に伴う公正価値評価益40億円を計上
- 当期において、米国Spireの株式上場に伴う公正価値評価益30億円を計上
(3)財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
① 資産及び負債並びに資本
(*)当社は「ネット有利子負債」を株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)で除した比率を「ネットDER」と呼んでいます。当社は「ネット有利子負債」を以下のとおり定義して算出しています。
・有利子負債は長短債務からリース負債を除外して計算。
・有利子負債から現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)を控除した金額を「ネット有利子負債」とする。
資産
流動資産:
・現金及び現金同等物は2,029億円減少しました。
・営業債権及びその他の債権は702億円増加しました。
- 化学品セグメント、エネルギーセグメントにおける市況上昇及び取扱数量増加、化学品セグメントにおける欧州農薬販社Belchim Crop Protectionの連結化に伴う増加を主因に、売掛金が1,192億円増加
- 銅事業における貸付金回収576億円を主因に、貸付金が515億円減少
・その他の金融資産は、次世代・機能推進セグメントにおけるデリバティブ取引に係る市況変動及び取扱数量増加、生活産業セグメントにおける取扱商品の市況上昇を主因に、3,588億円増加しました。
・棚卸資産は、生活産業セグメント、エネルギーセグメントにおける市況上昇及び取扱数量増加、化学品セグメントにおける欧州農薬販社Belchim Crop Protectionの連結化を主因に、1,266億円増加しました。
・前渡金は、機械・インフラセグメントにおける取扱数量増加を主因に、248億円増加しました。
非流動資産:
・持分法適用会社に対する投資は799億円増加しました。
- 当期における持分法による投資損益の見合いで2,070億円増加した一方、持分法適用会社からの受取配当金受領により1,668億円減少
- 為替変動の影響により200億円増加
- モザンビークLNGプロジェクトMitsui E&P Mozambique Area 1への出資により165億円増加
・その他の投資は519億円増加しました。
- CT Corpの持株会社PT CT Corporaの転換社債引受により670億円増加
- 公正価値評価によりFVTPLの金融資産が205億円増加した一方、FVTOCIの金融資産が397億円減少
・有形固定資産は1,078億円の減少となりました。
- 石油・ガス生産事業で554億円減少(為替変動の影響による24億円の増加を含む)
- XINGU AGRIで保有農地リース契約締結に伴う投資不動産への振替により277億円減少
- 日本マイクロバイオファーマの医薬品製造受託事業の売却により140億円減少
- 三井食品にて、物流センターを新設したことを主因に168億円増加
・投資不動産は430億円の増加となりました。
- XINGU AGRIで保有農地リース契約締結に伴う有形固定資産からの振替により277億円増加
- 三井物産都市開発における日比谷フォートタワービル竣工により113億円増加
・無形資産は、当期に欧州農薬販社Belchim Crop Protectionを連結化したことを主因に235億円の増加となりました。
負債
流動負債:
・短期債務は、生活産業セグメントにおける取扱商品の市況上昇に伴う資金需要及び当期に欧州農薬販社Belchim Crop Protectionを連結化したことを主因に、244億円増加しました。
・営業債務及びその他の債務は、営業債権及びその他の債権の増加に対応し840億円増加しました。
・その他の金融負債は、デリバティブ取引に伴うその他の金融資産の増加に対応し、2,275億円増加しました。
・前受金は、前渡金の増加に対応し、187億円増加しました。
非流動負債:
・長期債務(1年以内返済予定分を除く)は、1,190億円減少しました。
親会社の所有者に帰属する持分合計
・利益剰余金は、1,728億円の増加となりました。
・その他の資本の構成要素は、559億円の減少となりました。
- FVTOCIの金融資産が157億円減少
- 米ドル高、伯レアル高の一方、対円での豪ドル安を主因に、外貨換算調整勘定が106億円減少
・自己株式の取得を1,073億円実施した一方、1,567億円の自己株式を消却したことを主因として、株主資本の減算項目となる自己株式は499億円減少しました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー
・営業活動に係る資産・負債(Working Capital)の増減によるキャッシュ・フローは2,476億円の資金支出、リース負債の返済は279億円の資金支出となり、これらを除いた基礎営業キャッシュ・フローは、5,269億円となりました。
- 持分法適用会社からの配当金を含む配当金の受取額は2,384億円となり、前年同期の1,144億円から1,240億円増加
- 減価償却費及び無形資産等償却費は1,469億円となり、前年同期の1,331億円から138億円増加
基礎営業キャッシュ・フローのオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
・持分法適用会社に対する投資の取得及び売却・回収の純額は、197億円の資金支出となりました。主な取得及び売却・回収は以下のとおりです。
- モザンビークLNGプロジェクトMitsui E&P Mozambique Area 1への出資による165億円の資金支出
・その他の投資の取得及び売却・償還の純額は、470億円の資金支出となりました。主な取得及び売却・償還は以下のとおりです。
- CT Corpの持株会社PT CT Corporaの転換社債引受により670億円の資金支出(1,000億円の転換社債引受と330億円の普通社債償還の純額)
- 日本マイクロバイオファーマの医薬品製造受託事業の売却による資金回収
・貸付金の増加及び回収の純額は、銅事業における貸付金576億円の回収を主因に、610億円の資金回収となりました。
・有形固定資産等の取得及び売却の純額は、750億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。
- 豪州鉄鉱石事業で219億円の資金支出
- 石油・ガス生産事業で183億円の資金支出
- 豪州石炭事業で100億円の資金支出
・投資不動産の取得及び売却の純額は、176億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。
- 三井物産都市開発における日比谷フォートタワービル工事代金等により126億円の資金支出
財務活動によるキャッシュ・フロー
・短期債務の増減は54億円の資金支出、長期債務の増加及び返済の純額は1,218億円の資金支出、リース負債の返済による支出は279億円の資金支出となりました。
・自己株式の取得による1,073億円の資金支出がありました。
・配当金支払いによる751億円の資金支出がありました。
(4)対処すべき課題
①投融資(*)計画の進捗及び見通し
当期において、CT Corp持株会社の転換社債引受、石油・ガス生産事業、開発中LNG案件、豪州鉄鉱石・石炭事業を中心に、約2,350億円の投融資を実行しました。一方、資産リサイクルとして、銅事業における貸付金の回収や、日本マイクロバイオファーマの医薬品製造受託事業の売却を中心に約1,350億円を回収しました。
引き続きキャッシュ・フロー・アロケーションの枠組みの中で、投資機会と事業環境を総合的に勘案、投資規律を徹底し、中期経営計画2023のCorporate Strategyの一つとして掲げた財務戦略とポートフォリオ経営の進化の実現を目指します。
(*) 定期預金の増減を除く
② 2022年3月期連結業績予想
・新型コロナウイルス感染症拡大の影響から世界経済が持ち直す中、グローバルに需要の回復が継続したことを受け、機械・インフラセグメントにおいて200億円、エネルギーセグメント、化学品セグメント、鉄鋼製品セグメントのそれぞれにおいて100億円の当期利益(親会社の所有者に帰属)を上方修正しました。また、生活産業セグメントでは、これらの需要の回復とPHCホールディングスの一部売却に伴う利益約69億円をあわせ200億円、次世代・機能推進セグメントにおいてFVTPL銘柄の上場に伴う利益を計上したことを主因に100億円の当期利益(親会社の所有者に帰属)を上方修正しております。
・為替レートは第2四半期連結累計期間(上半期)の110.10円/米ドル、82.33円/豪ドル及び21.19円/伯レアルに対し、下半期はそれぞれ109円/米ドル、79円/豪ドル及び20円/伯レアルを想定しています。また、下半期の原油価格(JCC)を72米ドル/バレルと仮定し、期ずれを考慮した当社の通期業績予想に適用される原油価格の平均を66米ドル/バレル(期首予想比7米ドル/バレル上昇)と想定します。
オペレーティング・セグメント別での業績予想(当期利益(親会社の所有者に帰属))は以下のとおりです。
オペレーティング・セグメント別での基礎営業キャッシュ・フロー予想は以下のとおりです。
③ 2022年3月期連結業績予想における前提条件
2022年3月期連結業績予想における商品市況及び為替の前提と価格及び為替変動による当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は以下のとおりです。
(*1) 原油価格は0~6ヶ月遅れで当社連結業績に反映されるため、この期ずれを考慮した連結業績に反映される原油価格を連結油価として推計している。2022年3月期には約35%が4~6ヵ月遅れで、約60%が1~3ヵ月遅れで、約5%が遅れ無しで反映されると想定される。上記感応度は、連結油価に対する年間インパクト。
(*2) 当社が米国で取り扱う天然ガスはその多くがHenry Hub(HH)に連動しない為、上記感応度はHH価格の変動に対するものではなく、加重平均ガス販売価格に対するインパクト。
(*3) 米国ガスの2022年3月期上半期実績欄には、2021年1月~6月のNYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの直近限月終値のdaily平均値を記載。
(*4) Valeからの受取配当金に対する影響は含まない。
(*5) 鉄鉱石・石炭の前提価格は非開示。
(*6) 鉄鉱石の2022年3月期上半期実績欄には、2021年4月~9月の複数業界紙によるスポット価格指標Fe 62% CFR North Chinaのdaily平均値(参考値)を記載。
(*7) 石炭の2022年3月期上半期実績欄には、対日代表銘柄石炭価格(US$/MT)の四半期価格の平均値を記載。
(*8) 銅価格は3ヶ月遅れで当社連結業績に反映される為、上記感応度は2021年3月~12月のLME cash settlement price平均価格がUS$100/トン変動した場合に対するインパクト。
(*9) 銅の2022年3月期上半期実績欄には、2021年1月~6月のLME cash settlement priceのmonthly averageの平均値を記載。
(*10)上記感応度は、各国所在の関係会社が報告する機能通貨建て当期利益に対するインパクト及び一部海外出資先からの受取配当金の影響。円安は機能通貨建て当期利益の円貨換算を通じて増益要因となる。関係会社における販売契約上の通貨である米ドルと機能通貨の豪ドル・伯レアルの為替変動、及び為替ヘッジによる影響を含まない。
④ 利益配分に関する基本方針
当社の利益配分に関する基本方針は以下のとおりです:
・企業価値向上・株主価値極大化を図るべく、内部留保を通じて重点分野・成長分野での資金需要に対応する一方で、業績の一部について配当を通じて株主に直接還元していくことを基本方針とする
・上記に加え、資本効率向上等を目的とする自己株式取得につき、引続き投資需要の将来動向、フリー・キャッシュ・フロー水準、有利子負債及び株主資本利益率等、経営を取り巻く諸環境を勘案し、その金額、時期も含め都度機動的に決定する
当期は、2021年2月24日公表の自己株式取得に係る事項に基き、2021年4月1日から4月26日にわたり246億円、また2021年4月30日公表の自己株式取得に係る事項に基く500億円、2021年8月3日公表の自己株式取得に係る事項に基く500億円の買い付け(2021年10月1日から10月29日買付分を含む)をそれぞれ実施しました。
引き続き中期経営計画期間中の業績に応じて、成長投資と追加株主還元(追加配当・自己株式取得)への柔軟で戦略的な資金配分を実行します。
2022年3月期の年間配当金額に関しては、本日公表した連結業績予想における基礎営業キャッシュ・フロー及び当期利益(親会社の所有者に帰属)並びに配当金の安定性・継続性を総合的に勘案し、従来の予想から5円上方修正し、1株当たり95円(前期比10円増)を予定することにいたしました。また、2022年3月期の中間配当は1株につき45円(前年同期比5円増)と決定しました。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目の詳細は、「要約四半期連結財務諸表注記事項 2. 要約四半期連結財務諸表の基本事項(2)見積り及び判断の利用」を参照ください。
(6)研究開発活動
特に記載すべき事項はありません。
特に断りのない限り、将来に関する記述は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営環境
当第2四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大に加えて半導体や自動車部品などの調達難により米国や中国などの景気回復テンポが鈍化したものの、全体としては持ち直しの動きが継続しました。
米国では、デルタ株の感染拡大や供給網のボトルネックにより、消費を始め国内需要の回復の勢いが鈍化したものの、大勢としては持ち直しの動きが続きました。インフレ高進等の懸念材料はあるものの、今後、感染拡大が落ち着くにつれ、抑制されてきた消費の回復や供給網の問題の改善による景気の押し上げ効果が期待されます。欧州では、経済活動の正常化に伴い、サービス消費を中心に個人消費の回復がみられました。今後も欧州復興基金からの配分による下支え効果もあり、景気回復の動きが強まると見込まれます。日本では、東南アジアからの部品供給の停滞による自動車減産が輸出の下振れにつながった他、デルタ株による感染急拡大などを背景に消費は弱い動きとなりましたが、設備投資は堅調であり、今後は個人消費も経済活動の再開とともに回復に向かい、景気は持ち直していくものとみられます。中国では、活動制限の再強化による個人消費の回復鈍化や政府による不動産投資の抑制策などにより、景気回復がスローダウンしましたが、今後は活動制限の緩和などにより再び持ち直していくと見込まれます。ロシアやブラジルでは、資源・エネルギーや食料の価格上昇を背景に輸出の増加が続くとみられます。
先行きは、米国と中国の成長ペースは再び勢いを取り戻して世界経済の回復をリードし、欧州や日本でも景気回復の動きが強まることが見込まれます。
(2)経営成績の分析
① 連結損益計算書
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
収益 | 54,162 | 37,051 | +17,111 | |
売上総利益 | 5,274 | 3,678 | +1,596 | |
販売費及び一般管理費 | △2,793 | △2,868 | +75 | |
その他の 収益・費用 | 有価証券損益 | △146 | 90 | △236 |
固定資産評価損益 | △127 | △53 | △74 | |
固定資産処分損益 | 60 | △2 | +62 | |
雑損益 | 153 | △10 | +163 | |
金融 収益・費用 | 受取利息 | 95 | 123 | △28 |
受取配当金 | 1,079 | 351 | +728 | |
支払利息 | △258 | △284 | +26 | |
持分法による投資損益 | 2,070 | 820 | +1,250 | |
法人所得税 | △1,231 | △674 | △557 | |
四半期利益 | 4,175 | 1,173 | +3,002 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 4,046 | 1,100 | +2,946 |
(*)四捨五入差異により縦計・横計が合わないことがあります(以下同様)。
収益
・収益は5兆4,162億円となり前年同期の3兆7,051億円から1兆7,111億円の増加となりました。
なお、前年同期の数値を当期の表示にあわせる目的で修正再表示しております。この見直しによる売上総利益、四半期利益(親会社の所有者に帰属)、親会社の所有者に帰属する持分に影響はありません。詳しくは、第4「経理の状況」 1.要約四半期連結財務諸表 (2) 要約四半期連結損益計算書及び要約四半期連結包括利益計算書をご参照ください。
売上総利益
・主に金属資源セグメント、化学品セグメント、機械・インフラセグメントで増益となりましたが、エネルギーセグメント、次世代・機能推進セグメントは減益となりました。
販売費及び一般管理費
・主に金属資源セグメントで減少しましたが、化学品セグメントは増加となりました。費目別に見ると以下のとおりです。
(単位:億円) | ||||||
費目別内訳 | 人件費 | 福利費 | 旅費 交通費 | 交際費 会議費 | 通信情報費 | |
当期 | △1,552 | △56 | △45 | △12 | △236 | |
前年同期 | △1,450 | △44 | △31 | △7 | △230 | |
増減額(*) | △102 | △12 | △14 | △5 | △6 | |
費目別内訳 | 借地借家料 | 減価償却費 | 租税公課 | 損失評価 引当金繰入額 | 諸雑費 | 合計 |
当期 | △47 | △168 | △52 | △94 | △531 | △2,793 |
前年同期 | △51 | △189 | △45 | △331 | △490 | △2,868 |
増減額(*) | +4 | +21 | △7 | +237 | △41 | +75 |
(*)△は負担増
その他の収益・費用
有価証券損益:
・機械・インフラセグメントにおいて、前年同期は有価証券売却益を計上した一方、当期は減損損失を計上しました。
固定資産評価損益:
・前年同期は、主に機械・インフラセグメントにおいて固定資産評価損を計上しました。
・当期は、主にエネルギーセグメントにおいて固定資産評価損を計上しました。
雑損益:
・主に、金属資源セグメントで為替関連損益に関する増益がありましたが、エネルギーセグメントで減益になりました。
金融収益・費用
受取配当金:
・主に、金属資源セグメント、エネルギーセグメントで増加しました。
持分法による投資損益
・主に、金属資源セグメント、機械・インフラセグメント、生活産業セグメント、鉄鋼製品セグメント、エネルギーセグメントで増益となりました。
法人所得税
・法人所得税は1,231億円の負担となり、前年同期の674億円から557億円の負担増となりました。また、当期の実効税率は22.8%となり、前年同期の36.5%から、13.7ポイント減少しました。持分法による投資損益は増益となりましたが、その一部について税効果を認識しないことや、エネルギーセグメントにおける高税率の資源関連税負担の割合が減少したことにより、法人所得税の負担割合が減少しました。
四半期利益(親会社の所有者に帰属)
・上記の結果、前年同期から2,946億円増益の4,046億円となりました。
② オペレーティング・セグメント情報
オペレーティング・セグメント別の経営成績に係る変動要因の分析は以下のとおりです。
なお、当期より報告セグメントの記載順序を変更しております。これに伴い、前年同期の報告セグメントの記載順序を同様に変更しております。
金属資源
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 2,710 | 713 | +1,997 | |
売上総利益 | 2,106 | 1,006 | +1,100 | |
持分法による投資損益 | 675 | 302 | +373 | |
受取配当金 | 807 | 202 | +605 | |
販売費及び一般管理費 | △151 | △332 | +181 | |
その他 | △727 | △465 | △262 |
・売上総利益の増益の主因は以下のとおりです。
- 豪州鉄鉱石事業は、販売価格の上昇を主因に904億円の増益
- 豪州石炭事業は、販売価格の上昇を主因に162億円の増益
・持分法による投資損益の増益の主因は以下のとおりです。
- 豪州鉄鉱石事業は、販売価格の上昇を主因に146億円の増益
- チリの銅鉱山事業会社Compañía Minera Doña Inés de Collahuasiは、販売価格の上昇を主因に104億円の増益
- チリの銅鉱山事業会社Anglo American Surに投資を行うInversiones Mineras Becruxは、販売価格の上昇を主因に62億円の増益
- オルドス電力冶金は、中国内需拡大に因る合金鉄、化学品事業の好業績を主因に38億円の増益
・受取配当金は、Vale、豪州鉄鉱石事業からの受取配当金を主因に増加しました。
・販売費及び一般管理費の減少の主因は以下のとおりです。
- 前年同期において、モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業における各種前提を見直した結果、融資に係る減損損失197億円を計上
・上記のほか、以下要因がありました。
- 当期において、チリの銅鉱山事業会社Compañía Minera Doña Inés de Collahuasiへの投資を行うJapan Collahuasi Resourcesの再編に伴い繰延税金負債を取り崩した結果、62億円の利益を法人所得税に計上
- 当期において、豪州鉄鉱石事業は為替関連損益等において47億円の増益
- 当期において、豪州石炭事業は為替関連損益等において35億円の増益
エネルギー
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | △48 | △37 | △11 | |
売上総利益 | 239 | 333 | △94 | |
持分法による投資損益 | 144 | 110 | +34 | |
受取配当金 | 168 | 43 | +125 | |
販売費及び一般管理費 | △250 | △235 | △15 | |
その他 | △349 | △288 | △61 |
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 本店事業部にてLNGトレーディング関連の収益減少を主因に減益
- 三井石油開発は、生産量減少を主因に86億円の減益
- Mitsui & Co. Energy Trading Singaporeは、前期トレーディング好調反動を主因に70億円の減益
- Mitsui E&P Australiaは、原油価格の上昇を主因に69億円の増益
- Mitsui E&P USAは、ガス価格の上昇を主因に67億円の増益
- MOEX North Americaは、原油価格の上昇を主因に36億円の増益
・持分法による投資損益の増益の主因は以下のとおりです。
- Mitsui & Co. LNG Investment USAは、キャメロン全3系列の商業生産開始に伴い36億円増益
・LNGプロジェクト6案件(サハリンⅡ、アブダビ、カタールガス1、オマーン、カタールガス3及び赤道ギニア)からの受取配当金は164億円となり、前年同期から125億円の増加となりました。
・上記のほか、以下要因がありました。
- 当期において、三井石油開発がBlock M-3探鉱事業について評価損73億円及び海外投資等損失準備金の取崩に係る利益27億円を計上
- MOEX North Americaにおいてデリバティブ関連損益を主因に44億円減益
機械・インフラ
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 529 | 234 | +295 | |
売上総利益 | 669 | 483 | +186 | |
持分法による投資損益 | 680 | 418 | +262 | |
受取配当金 | 28 | 22 | +6 | |
販売費及び一般管理費 | △613 | △613 | 0 | |
その他 | △235 | △76 | △159 |
・売上総利益の増益の主因は以下のとおりです。
- Toyota Chileは販売堅調等で34億円の増益
・持分法による投資損益の増益の主因は以下のとおりです。
- MBK USA Commercial Vehiclesはトラックリース・レンタル事業の好調により132億円の増益
- Penske Automotive Groupは販売堅調等で78億円の増益
- タンカー保有関連会社は市況低迷により減益
・販売費及び一般管理費では、前年同期に以下の要因がありました。
- 前年同期において、モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業における各種前提を見直した結果、融資に関わる減損損失49億円を計上
・上記のほか、以下要因がありました。
- 前年同期において、北米発電事業の売却に伴う有価証券売却益を計上
- 当期においてMT Falcon Holdingsの株式売買契約を締結した結果、減損損失97億円を計上
- 前年同期において、鉄道車両リース事業会社における評価損47億円を計上
化学品
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 276 | 107 | +169 | |
売上総利益 | 860 | 585 | +275 | |
持分法による投資損益 | 102 | 26 | +76 | |
受取配当金 | 16 | 13 | +3 | |
販売費及び一般管理費 | △572 | △477 | △95 | |
その他 | △130 | △40 | △90 |
・売上総利益の増益の主因は以下のとおりです。
- 当期より欧州農薬販社Belchim Crop Protectionの連結化に伴い増益
- MMTXは、メタノール市況の上昇を主因に39億円の増益
・販売費及び一般管理費の増加の主因は以下のとおりです。
- 当期より欧州農薬販社Belchim Crop Protectionの連結化に伴い販売費及び一般管理費が増加
鉄鋼製品
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 122 | △58 | +180 | |
売上総利益 | 162 | 96 | +66 | |
持分法による投資損益 | 128 | △45 | +173 | |
受取配当金 | 8 | 8 | 0 | |
販売費及び一般管理費 | △121 | △116 | △5 | |
その他 | △55 | △1 | △54 |
・持分法による投資損益の増益の主因は以下のとおりです。
- Gestamp事業会社は、自動車生産の回復による操業率の改善、コスト構造改革によるコスト削減効果を主因に74億円の増益
- Steel Technologiesへの投資を行うNumitは米国自動車生産の回復に因る操業率の改善、鋼材価格の上昇を主因に53億円の増益
生活産業
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 209 | △119 | +328 | |
売上総利益 | 690 | 587 | +103 | |
持分法による投資損益 | 229 | △31 | +260 | |
受取配当金 | 23 | 25 | △2 | |
販売費及び一般管理費 | △656 | △656 | 0 | |
その他 | △77 | △44 | △33 |
・持分法による投資損益の増益の主因は以下のとおりです。
- IHH Healthcareは、前年同期における新型コロナウイルス感染症の影響及びインド子会社の暖簾減損の反動と、当期における新型コロナウイルス関連収益の増加及びオペレーションの改善により、103億円の増益
- WILSEY FOODSは、出資先である米国加工油脂食品製造Ventura Foodsの大豆油相場上昇及び外食向け需要回復による好業績を受け、41億円の増益
- PHCホールディングスは、当期における新型コロナウイルス関連商品の販売好調及び保有する転換社債の評価益を主因に増益
次世代・機能推進
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 308 | 240 | +68 | |
売上総利益 | 536 | 575 | △39 | |
持分法による投資損益 | 111 | 40 | +71 | |
受取配当金 | 24 | 31 | △7 | |
販売費及び一般管理費 | △340 | △321 | △19 | |
その他 | △23 | △85 | +62 |
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 前年同期において、米国OSIsoft株式売却契約締結に伴い、持株会社で公正価値評価益124億円を計上
- 前年同期において中国の医薬品開発会社Hutchison China MediTech株式の公正価値評価益60億円を計上した一方、当期において全量売却に伴う売却益11億円を計上
- 当期において、米国Kalturaの株式上場に伴う公正価値評価益40億円を計上
- 当期において、米国Spireの株式上場に伴う公正価値評価益30億円を計上
(3)財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
① 資産及び負債並びに資本
(単位:億円) | 2021年9月末 | 2021年3月末 | 増減 | |
総資産 | 129,541 | 125,158 | +4,383 | |
流動資産 | 45,886 | 42,075 | +3,811 | |
非流動資産 | 83,655 | 83,084 | +571 | |
流動負債 | 30,965 | 27,017 | +3,948 | |
非流動負債 | 48,661 | 49,912 | △1,251 | |
ネット有利子負債 | 33,642 | 32,998 | +644 | |
親会社の所有者に帰属する持分合計 | 47,386 | 45,704 | +1,682 | |
ネットDER | 0.71倍 | 0.72倍 | △0.01 |
(*)当社は「ネット有利子負債」を株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)で除した比率を「ネットDER」と呼んでいます。当社は「ネット有利子負債」を以下のとおり定義して算出しています。
・有利子負債は長短債務からリース負債を除外して計算。
・有利子負債から現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)を控除した金額を「ネット有利子負債」とする。
資産
流動資産:
・現金及び現金同等物は2,029億円減少しました。
・営業債権及びその他の債権は702億円増加しました。
- 化学品セグメント、エネルギーセグメントにおける市況上昇及び取扱数量増加、化学品セグメントにおける欧州農薬販社Belchim Crop Protectionの連結化に伴う増加を主因に、売掛金が1,192億円増加
- 銅事業における貸付金回収576億円を主因に、貸付金が515億円減少
・その他の金融資産は、次世代・機能推進セグメントにおけるデリバティブ取引に係る市況変動及び取扱数量増加、生活産業セグメントにおける取扱商品の市況上昇を主因に、3,588億円増加しました。
・棚卸資産は、生活産業セグメント、エネルギーセグメントにおける市況上昇及び取扱数量増加、化学品セグメントにおける欧州農薬販社Belchim Crop Protectionの連結化を主因に、1,266億円増加しました。
・前渡金は、機械・インフラセグメントにおける取扱数量増加を主因に、248億円増加しました。
非流動資産:
・持分法適用会社に対する投資は799億円増加しました。
- 当期における持分法による投資損益の見合いで2,070億円増加した一方、持分法適用会社からの受取配当金受領により1,668億円減少
- 為替変動の影響により200億円増加
- モザンビークLNGプロジェクトMitsui E&P Mozambique Area 1への出資により165億円増加
・その他の投資は519億円増加しました。
- CT Corpの持株会社PT CT Corporaの転換社債引受により670億円増加
- 公正価値評価によりFVTPLの金融資産が205億円増加した一方、FVTOCIの金融資産が397億円減少
・有形固定資産は1,078億円の減少となりました。
- 石油・ガス生産事業で554億円減少(為替変動の影響による24億円の増加を含む)
- XINGU AGRIで保有農地リース契約締結に伴う投資不動産への振替により277億円減少
- 日本マイクロバイオファーマの医薬品製造受託事業の売却により140億円減少
- 三井食品にて、物流センターを新設したことを主因に168億円増加
・投資不動産は430億円の増加となりました。
- XINGU AGRIで保有農地リース契約締結に伴う有形固定資産からの振替により277億円増加
- 三井物産都市開発における日比谷フォートタワービル竣工により113億円増加
・無形資産は、当期に欧州農薬販社Belchim Crop Protectionを連結化したことを主因に235億円の増加となりました。
負債
流動負債:
・短期債務は、生活産業セグメントにおける取扱商品の市況上昇に伴う資金需要及び当期に欧州農薬販社Belchim Crop Protectionを連結化したことを主因に、244億円増加しました。
・営業債務及びその他の債務は、営業債権及びその他の債権の増加に対応し840億円増加しました。
・その他の金融負債は、デリバティブ取引に伴うその他の金融資産の増加に対応し、2,275億円増加しました。
・前受金は、前渡金の増加に対応し、187億円増加しました。
非流動負債:
・長期債務(1年以内返済予定分を除く)は、1,190億円減少しました。
親会社の所有者に帰属する持分合計
・利益剰余金は、1,728億円の増加となりました。
・その他の資本の構成要素は、559億円の減少となりました。
- FVTOCIの金融資産が157億円減少
- 米ドル高、伯レアル高の一方、対円での豪ドル安を主因に、外貨換算調整勘定が106億円減少
・自己株式の取得を1,073億円実施した一方、1,567億円の自己株式を消却したことを主因として、株主資本の減算項目となる自己株式は499億円減少しました。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 3,072 | 3,808 | △736 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,488 | △2,242 | +754 |
フリー・キャッシュ・フロー | 1,584 | 1,566 | +18 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △3,506 | △1,323 | △2,183 |
現金及び現金同等物の為替相場変動の影響額等 | △107 | 162 | △269 |
現金及び現金同等物の増減 | △2,029 | 405 | △2,434 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | a | 3,072 | 3,808 | △736 |
営業活動に係る資産・負債の増減 | b | △2,476 | 759 | △3,235 |
リース負債の返済による支出 | c | △279 | △308 | +29 |
基礎営業キャッシュ・フロー | a-b+c | 5,269 | 2,741 | +2,528 |
・営業活動に係る資産・負債(Working Capital)の増減によるキャッシュ・フローは2,476億円の資金支出、リース負債の返済は279億円の資金支出となり、これらを除いた基礎営業キャッシュ・フローは、5,269億円となりました。
- 持分法適用会社からの配当金を含む配当金の受取額は2,384億円となり、前年同期の1,144億円から1,240億円増加
- 減価償却費及び無形資産等償却費は1,469億円となり、前年同期の1,331億円から138億円増加
基礎営業キャッシュ・フローのオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 |
金属資源 | 2,406 | 972 | +1,434 |
エネルギー | 871 | 602 | +269 |
機械・インフラ | 771 | 263 | +508 |
化学品 | 435 | 227 | +208 |
鉄鋼製品 | 54 | △5 | +59 |
生活産業 | 221 | 13 | +208 |
次世代・機能推進 | 266 | 309 | △43 |
その他/調整・消去 | 245 | 360 | △115 |
連結合計 | 5,269 | 2,741 | +2,528 |
投資活動によるキャッシュ・フロー
・持分法適用会社に対する投資の取得及び売却・回収の純額は、197億円の資金支出となりました。主な取得及び売却・回収は以下のとおりです。
- モザンビークLNGプロジェクトMitsui E&P Mozambique Area 1への出資による165億円の資金支出
・その他の投資の取得及び売却・償還の純額は、470億円の資金支出となりました。主な取得及び売却・償還は以下のとおりです。
- CT Corpの持株会社PT CT Corporaの転換社債引受により670億円の資金支出(1,000億円の転換社債引受と330億円の普通社債償還の純額)
- 日本マイクロバイオファーマの医薬品製造受託事業の売却による資金回収
・貸付金の増加及び回収の純額は、銅事業における貸付金576億円の回収を主因に、610億円の資金回収となりました。
・有形固定資産等の取得及び売却の純額は、750億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。
- 豪州鉄鉱石事業で219億円の資金支出
- 石油・ガス生産事業で183億円の資金支出
- 豪州石炭事業で100億円の資金支出
・投資不動産の取得及び売却の純額は、176億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。
- 三井物産都市開発における日比谷フォートタワービル工事代金等により126億円の資金支出
財務活動によるキャッシュ・フロー
・短期債務の増減は54億円の資金支出、長期債務の増加及び返済の純額は1,218億円の資金支出、リース負債の返済による支出は279億円の資金支出となりました。
・自己株式の取得による1,073億円の資金支出がありました。
・配当金支払いによる751億円の資金支出がありました。
(4)対処すべき課題
①投融資(*)計画の進捗及び見通し
当期において、CT Corp持株会社の転換社債引受、石油・ガス生産事業、開発中LNG案件、豪州鉄鉱石・石炭事業を中心に、約2,350億円の投融資を実行しました。一方、資産リサイクルとして、銅事業における貸付金の回収や、日本マイクロバイオファーマの医薬品製造受託事業の売却を中心に約1,350億円を回収しました。
引き続きキャッシュ・フロー・アロケーションの枠組みの中で、投資機会と事業環境を総合的に勘案、投資規律を徹底し、中期経営計画2023のCorporate Strategyの一つとして掲げた財務戦略とポートフォリオ経営の進化の実現を目指します。
(*) 定期預金の増減を除く
② 2022年3月期連結業績予想
<業績予想の前提条件> | 上半期実績 | 下半期予想 | 年間予想 (11月公表) | 期首予想 |
期中平均米ドル為替レート | 110.10 | 109.00 | 109.55 | 105.00 |
原油価格(JCC) | 70ドル | 72ドル | 71ドル | 61ドル |
期ずれを考慮した当社連結決算に反映される原油価格 | 61ドル | 71ドル | 66ドル | 59ドル |
単位:億円 | 2022年3月期 業績予想 (11月公表) | 2022年3月期 業績予想 (8月公表) | 増減 | 増減要因 |
売上総利益 | 9,800 | 9,800 | - | |
販売費及び一般管理費 | △5,900 | △5,900 | - | |
有価証券・固定資産 関係損益等 | 100 | 0 | +100 | 生活産業 |
利息収支 | △300 | △300 | - | |
受取配当金 | 1,800 | 1,600 | +200 | エネルギー、小口集積 |
持分法による投資損益 | 3,800 | 3,100 | +700 | 機械・インフラ、鉄鋼製品、 金属資源、化学品、生活産業 |
法人所得税前利益 | 9,300 | 8,300 | +1,000 | |
法人所得税 | △1,900 | △1,700 | △200 | |
非支配持分 | △200 | △200 | - | |
当期利益 (親会社の所有者に帰属) | 7,200 | 6,400 | +800 | 増減率:+12.5% |
減価償却費・無形資産等償却費 | 3,000 | 3,000 | - | |
基礎営業キャッシュ・フロー | 9,200 | 9,000 | +200 |
・新型コロナウイルス感染症拡大の影響から世界経済が持ち直す中、グローバルに需要の回復が継続したことを受け、機械・インフラセグメントにおいて200億円、エネルギーセグメント、化学品セグメント、鉄鋼製品セグメントのそれぞれにおいて100億円の当期利益(親会社の所有者に帰属)を上方修正しました。また、生活産業セグメントでは、これらの需要の回復とPHCホールディングスの一部売却に伴う利益約69億円をあわせ200億円、次世代・機能推進セグメントにおいてFVTPL銘柄の上場に伴う利益を計上したことを主因に100億円の当期利益(親会社の所有者に帰属)を上方修正しております。
・為替レートは第2四半期連結累計期間(上半期)の110.10円/米ドル、82.33円/豪ドル及び21.19円/伯レアルに対し、下半期はそれぞれ109円/米ドル、79円/豪ドル及び20円/伯レアルを想定しています。また、下半期の原油価格(JCC)を72米ドル/バレルと仮定し、期ずれを考慮した当社の通期業績予想に適用される原油価格の平均を66米ドル/バレル(期首予想比7米ドル/バレル上昇)と想定します。
オペレーティング・セグメント別での業績予想(当期利益(親会社の所有者に帰属))は以下のとおりです。
(単位:億円) | 2022年3月期 業績予想 (11月公表) | 2022年3月期 業績予想 (8月公表) | 増減 | 増減要因 |
金属資源 | 4,200 | 4,200 | - | |
エネルギー | 800 | 700 | +100 | ガス価格上昇 |
機械・インフラ | 1,000 | 800 | +200 | 自動車・船舶事業好調 |
化学品 | 500 | 400 | +100 | 化学品市況好調 |
鉄鋼製品 | 200 | 100 | +100 | 鋼材市況堅調 |
生活産業 | 400 | 200 | +200 | 食料事業好調、PHC一部売却 |
次世代・機能推進 | 400 | 300 | +100 | FVTPL銘柄上場益 |
その他/調整・消去 | △300 | △300 | - | |
連結合計 | 7,200 | 6,400 | +800 |
オペレーティング・セグメント別での基礎営業キャッシュ・フロー予想は以下のとおりです。
(単位:億円) | 2022年3月期 業績予想 (11月公表) | 2022年3月期 業績予想 (8月公表) | 増減 | 増減要因 |
金属資源 | 4,400 | 4,800 | △400 | 鉄鉱石事業 |
エネルギー | 2,000 | 2,000 | - | |
機械・インフラ | 1,200 | 1,000 | +200 | 自動車事業好調 |
化学品 | 800 | 550 | +250 | 化学品市況好調 |
鉄鋼製品 | 100 | 50 | +50 | 鋼材市況堅調 |
生活産業 | 300 | 300 | - | |
次世代・機能推進 | 400 | 300 | +100 | FVTPL銘柄上場益 |
その他/調整・消去 | 0 | 0 | - | |
連結合計 | 9,200 | 9,000 | +200 |
③ 2022年3月期連結業績予想における前提条件
2022年3月期連結業績予想における商品市況及び為替の前提と価格及び為替変動による当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は以下のとおりです。
価格・為替変動による2022年3月期 当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額 (2021年4月公表) | 期首予想 (2021年4月公表) | 2022年3月期 | 業績予想 (上半期・ 下半期平均値) (2021年11月公表) | ||||||
上半期 (実績) | 下半期 (前提) | ||||||||
市 況 商 品 | 原油/JCC | - | 61 | → | 70 | 72 | → | 71 | |
連結油価(*1) | 25億円(US$1/バレル) | 59 | 61 | 71 | 66 | ||||
米国ガス(*2) | 11億円(US$0.1/mmBtu) | 2.74 | 2.85(*3) | 4.66 | 3.76 | ||||
鉄鉱石(*4) | 22億円(US$1/トン) | (*5) | 181(*6) | (*5) | (*5) | ||||
石炭 | 原料炭 | 4億円(US$1/トン) | (*5) | 160(*7) | (*5) | (*5) | |||
一般炭 | 1億円(US$1/トン) | (*5) | 110(*7) | (*5) | (*5) | ||||
銅(*8) | 7億円(US$100/トン) | 7,650 | 9,095(*9) | 9,186 | 9,140 | ||||
為 替 (*10) | 米ドル | 26億円(\1/米ドル) | 105.00 | 110.10 | 109.00 | 109.55 | |||
豪ドル | 24億円(\1/豪ドル) | 80.00 | 82.33 | 79.00 | 80.67 | ||||
伯レアル | 2億円(\1/伯レアル) | 19.00 | 21.19 | 20.00 | 20.60 |
(*1) 原油価格は0~6ヶ月遅れで当社連結業績に反映されるため、この期ずれを考慮した連結業績に反映される原油価格を連結油価として推計している。2022年3月期には約35%が4~6ヵ月遅れで、約60%が1~3ヵ月遅れで、約5%が遅れ無しで反映されると想定される。上記感応度は、連結油価に対する年間インパクト。
(*2) 当社が米国で取り扱う天然ガスはその多くがHenry Hub(HH)に連動しない為、上記感応度はHH価格の変動に対するものではなく、加重平均ガス販売価格に対するインパクト。
(*3) 米国ガスの2022年3月期上半期実績欄には、2021年1月~6月のNYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの直近限月終値のdaily平均値を記載。
(*4) Valeからの受取配当金に対する影響は含まない。
(*5) 鉄鉱石・石炭の前提価格は非開示。
(*6) 鉄鉱石の2022年3月期上半期実績欄には、2021年4月~9月の複数業界紙によるスポット価格指標Fe 62% CFR North Chinaのdaily平均値(参考値)を記載。
(*7) 石炭の2022年3月期上半期実績欄には、対日代表銘柄石炭価格(US$/MT)の四半期価格の平均値を記載。
(*8) 銅価格は3ヶ月遅れで当社連結業績に反映される為、上記感応度は2021年3月~12月のLME cash settlement price平均価格がUS$100/トン変動した場合に対するインパクト。
(*9) 銅の2022年3月期上半期実績欄には、2021年1月~6月のLME cash settlement priceのmonthly averageの平均値を記載。
(*10)上記感応度は、各国所在の関係会社が報告する機能通貨建て当期利益に対するインパクト及び一部海外出資先からの受取配当金の影響。円安は機能通貨建て当期利益の円貨換算を通じて増益要因となる。関係会社における販売契約上の通貨である米ドルと機能通貨の豪ドル・伯レアルの為替変動、及び為替ヘッジによる影響を含まない。
④ 利益配分に関する基本方針
当社の利益配分に関する基本方針は以下のとおりです:
・企業価値向上・株主価値極大化を図るべく、内部留保を通じて重点分野・成長分野での資金需要に対応する一方で、業績の一部について配当を通じて株主に直接還元していくことを基本方針とする
・上記に加え、資本効率向上等を目的とする自己株式取得につき、引続き投資需要の将来動向、フリー・キャッシュ・フロー水準、有利子負債及び株主資本利益率等、経営を取り巻く諸環境を勘案し、その金額、時期も含め都度機動的に決定する
当期は、2021年2月24日公表の自己株式取得に係る事項に基き、2021年4月1日から4月26日にわたり246億円、また2021年4月30日公表の自己株式取得に係る事項に基く500億円、2021年8月3日公表の自己株式取得に係る事項に基く500億円の買い付け(2021年10月1日から10月29日買付分を含む)をそれぞれ実施しました。
引き続き中期経営計画期間中の業績に応じて、成長投資と追加株主還元(追加配当・自己株式取得)への柔軟で戦略的な資金配分を実行します。
2022年3月期の年間配当金額に関しては、本日公表した連結業績予想における基礎営業キャッシュ・フロー及び当期利益(親会社の所有者に帰属)並びに配当金の安定性・継続性を総合的に勘案し、従来の予想から5円上方修正し、1株当たり95円(前期比10円増)を予定することにいたしました。また、2022年3月期の中間配当は1株につき45円(前年同期比5円増)と決定しました。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目の詳細は、「要約四半期連結財務諸表注記事項 2. 要約四半期連結財務諸表の基本事項(2)見積り及び判断の利用」を参照ください。
(6)研究開発活動
特に記載すべき事項はありません。