四半期報告書-第102期第1四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)
以下の分析には、当社及び連結子会社の将来に関する記述が含まれています。こうした将来に関する記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた現時点における仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスク、不確実性並びにその他の要素を内包するものです。かかるリスク、不確実性及びその他の要素によって、当社の実際の連結財政状態、連結経営成績及び連結キャッシュ・フローが、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。
特に断りのない限り、将来に関する記述は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営環境
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、中国では持ち直しの動きがみられた一方で、米国など主要先進国、中国を除く新興国・途上国では新型コロナウイルスの感染拡大により、内外需ともに急速に落ち込み、成長率は大幅に低下しました。但し、最悪期は脱しつつあり、経済活動の再開とともに景気が下げ止まり、回復に向かう動きもみられました。
米国では期初の外出制限で大きな打撃を受けた個人消費がその後の経済活動再開や経済対策などにより下げ止まりの動きが出ており、雇用も徐々に改善しつつある一方、感染の再拡大がみられ、その影響が懸念される状況です。欧州でも外出制限緩和により経済活動は再開し、経済対策の効果も徐々に表れるとみられますが、持ち直しのペースは緩慢になるとみられます。日本でも緊急事態宣言の解除や経済対策で個人消費は下げ止まりつつあり、先行き、景気は持ち直しに向かうことが期待されますが、そのペースは緩やかになることが見込まれます。新興国については、中国では生産活動の再開が進み、消費、投資も持ち直しの動きがみられるなど景気は回復に向かっています。他方、ロシアやブラジルでは原油価格の低迷に加えて、特にブラジルは感染拡大が深刻化しており、景気の先行きが懸念される状況です。
なお、国・地域によっては感染拡大が続いており、世界経済が再び悪化する可能性に注意が必要です。
(2)経営成績の分析
① 連結損益計算書
(*)四捨五入差異により縦計が合わないことがあります(以下同様)。
収益
・収益は1兆5,218億円となり前年同期の1兆6,331億円から1,113億円の減少となりました。
売上総利益
・主に金属資源セグメント、生活産業セグメント及びエネルギーセグメントで減益となった一方、次世代・機能推進セグメントで増益となりました。
販売費及び一般管理費
・金属資源セグメントでは負担増となりましたが、販売費及び一般管理費は前年同期から65億円の負担減となりました。
その他の収益・費用
有価証券損益:
・当期は、主に機械・インフラセグメントにおいて有価証券売却益を計上しました。
雑損益:
・当期は、主にエネルギーセグメントにおいて、デリバティブ関連損益と為替関連損益を計上した他、化学品セグメントの北米の事業において保険金収入を計上しました。前年同期は、主に次世代・機能推進セグメントにおいて、保有株式のプットオプションに関わるデリバティブ評価益を計上しました。
金融収益・費用
受取配当金:
・主に、エネルギーセグメントで減少しました。
持分法による投資損益
・主に、エネルギーセグメント、機械・インフラセグメント、生活産業セグメント及び鉄鋼製品セグメントで減益となりました。
法人所得税
・法人所得税は353億円の負担となり、前年同期の375億円の負担から22億円の負担減となりました。当期の実効税率は34.6%となり、前年同期の21.8%から、12.8ポイント増加しました。繰延税金資産に対する評価性引当金の増加及びエネルギーセグメントにおける高税率の資源関連税により、法人所得税の負担割合が増加しました。
四半期利益(親会社の所有者に帰属)
・新型コロナウイルスの感染拡大に端を発した需要の減退や商品価格の変動による業績への影響が含まれております。これらの結果、前年同期から624億円減益の626億円となりました。
② オペレーティング・セグメント情報
オペレーティング・セグメント別の経営成績に係る変動要因の分析は以下のとおりです。
なお、当期より機械・インフラセグメントの新世代電力事業をエネルギーセグメントへ移管しております。この変更に伴い、前年同期のオペレーティング・セグメント情報を修正再表示しております。
鉄鋼製品
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、自動車向け鋼材加工・販売を行う関連会社にて、鋼材需要減少に伴う操業率の低下と販売不調、及び為替変動の影響を主因に減益
金属資源
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 豪州石炭事業は、石炭価格の下落を主因に139億円の減益
・販売費及び一般管理費の増加の主因は以下のとおりです。
- 当期において、モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業における各種前提を見直した結果、融資に係る減損損失41億円を計上
エネルギー
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 三井石油開発は、原油ガス価格の下落と生産量減少を主因に160億円減益
- Mitsui E&P USA は、ガス価格の下落を主因に34億円減益
- 本店営業部にてLNGトレーディングの好調を主因に増益
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- Mitsui E&P Mozambique Area 1は、前年同期における最終投資決断に伴う繰延税金資産計上を主因に119億円減益
- Japan Australia LNG (MIMI)は、原油ガス価格の下落を主因に減益
・LNGプロジェクト6案件(カタールガス1、オマーン、カタールガス3、サハリンⅡ、アブダビ及び赤道ギニア)からの受取配当金は21億円となり、前年同期から103億円の減少となりました。
・上記のほか、以下要因がありました。
- 三井石油開発は、海外子会社におけるデリバティブ関連損益と為替関連損益等により51億円増益
機械・インフラ
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- 前年同期において、ブラジルのガス配給事業で仲裁決着に伴う支払サービス税回収に伴う利益を計上
・上記のほか、以下要因がありました。
- 当期において、北米発電事業の売却に伴い有価証券売却益を計上
化学品
・その他として以下要因がありました。
- 当期において、北米の事業における保険金収入を計上
生活産業
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、緊急事態宣言及び外出規制による店舗閉鎖及び外食産業向けの業務用食材の需要減により、ファッション、食品及び流通関連の子会社において減益
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、外出規制や自粛等の影響による需要減により、食品、ファッション、サービス事業関連の関連会社において減益
次世代・機能推進
・売上総利益の増益の主因は以下のとおりです。
- 前年同期において、中国の医薬品開発会社Hutchison China MediTech株式の公正価値評価損46億円を計上した一方、当期において公正価値評価益41億円を計上
- Mitsui Bussan Commoditiesは、堅調なエネルギートレーディングを主因に43億円の増益
・上記のほか、以下要因がありました。
- 前年同期において保有株式のプットオプションに関わるデリバティブ評価益39億円を計上したことを主因に減益
(3)財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
① 資産及び負債並びに資本
(*)当社は「ネット有利子負債」を株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)で除した比率を「ネットDER」と呼んでいます。当社は「ネット有利子負債」を以下のとおり定義して算出しています。
・有利子負債は長短債務からリース負債を除外して計算。
・有利子負債から現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)を控除した金額を「ネット有利子負債」とする。
資産
流動資産:
・現金及び現金同等物は173億円減少しました。
・営業債権及びその他の債権は、エネルギーセグメント、化学品セグメントにおける市況下落及び取扱数量減少を主因に、1,624億円減少しました。
・その他の金融資産は、エネルギーセグメント、次世代・機能推進セグメントにおけるデリバティブ取引に係る市況変動及び取扱数量減少を主因に、1,377億円減少しました。
非流動資産:
・持分法適用会社に対する投資は546億円減少しました。
- 当期における持分法による投資損益の見合いで340億円増加した一方、持分法適用会社からの受取配当金受領により590億円減少
- Japan Arctic LNGを通じたロシアArctic LNG2プロジェクトの持分公正価値評価により減少
・その他の投資は924億円増加しました。
- 株価上昇を主因に、FVTOCIの金融資産の公正価値評価が971億円増加
・有形固定資産は307億円の増加となりました。
- 豪州鉄鉱石事業で405億円増加(為替変動の影響による323億円の増加を含む)
- 米国シェールガス・オイル事業以外の石油・ガス生産事業で147億円減少(為替変動の影響による17億円の減少を含む)
負債
流動負債:
・1年以内に返済予定の長期債務は、短期化による増加を主因に362億円増加しました。
・営業債務及びその他の債務は、営業債権及びその他の債権の減少に対応し1,114億円減少しました。
・その他の金融負債は、その他の金融資産の減少に対応する減少、大手町一丁目2番地区の複合開発事業に関する未払金の支払、次世代・機能推進セグメントの貴金属リース取引の減少を主因に2,774億円減少しました。
非流動負債:
・長期債務(1年以内返済予定分を除く)は276億円減少しました。
親会社の所有者に帰属する持分合計
・利益剰余金は、518億円の減少となりました。
・その他の資本の構成要素は、970億円の増加となりました。
- FVTOCIの金融資産が700億円増加
- 米ドル安、伯レアル安の一方、対円での豪ドル高を主因に、外貨換算調整勘定が589億円増加
・自己株式の取得を391億円実施した一方、467億円の自己株式を消却したことを主因として、株主資本の減算項目となる自己株式は77億円減少しました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー
・営業活動に係る資産・負債(Working Capital)の増減によるキャッシュ・フローは374億円の資金獲得、リース負債の返済は158億円の資金支出となり、これらを除いた基礎営業キャッシュ・フローは、1,108億円となりました。なお、当期より、営業活動からの定常的な現金創出力をより適切に反映させるため、リース負債の返済による支出額を減算しております。これに伴い、前年同期の基礎営業キャッシュ・フローを修正再表示しております。
- 持分法適用会社からの配当金を含む配当金の受取額は493億円となり、前年同期の757億円から264億円減少
- 減価償却費及び無形資産等償却費は630億円となり、前年同期の605億円から25億円増加
基礎営業キャッシュ・フローのオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
・持分法適用会社に対する投資の取得及び売却・回収の純額は、22億円の資金支出となりました。主な取得及び売却・回収は以下のとおりです。
- 北米発電事業の売却に伴う資金獲得
・有形固定資産等の取得及び売却の純額は、788億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。
- 大手町一丁目2番地区の複合開発事業による366億円の資金支出
- 豪州鉄鉱石事業で111億円の資金支出
・投資不動産の取得及び売却の純額は、346億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。
- 大手町一丁目2番地区の複合開発事業による306億円の資金支出
財務活動によるキャッシュ・フロー
・短期債務の増減は26億円の資金獲得、長期債務の増加及び返済の純額は326億円の資金獲得、リース負債の返済による支出は158億円の資金支出となりました。
・自己株式の取得による391億円の資金支出がありました。
・配当金支払いによる683億円の資金支出がありました。
(4)対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社及び連結子会社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当連結累計年度の連結業績予想は、第101期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の有価証券報告書において当期利益(親会社の所有者に帰属)を1,800億円、基礎営業キャッシュ・フローを4,000億円と記載しています。当第1四半期連結累計期間においては、連結業績予想の見直しを行っていません。
(5)研究開発活動
特に記載すべき事項はありません。
特に断りのない限り、将来に関する記述は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営環境
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、中国では持ち直しの動きがみられた一方で、米国など主要先進国、中国を除く新興国・途上国では新型コロナウイルスの感染拡大により、内外需ともに急速に落ち込み、成長率は大幅に低下しました。但し、最悪期は脱しつつあり、経済活動の再開とともに景気が下げ止まり、回復に向かう動きもみられました。
米国では期初の外出制限で大きな打撃を受けた個人消費がその後の経済活動再開や経済対策などにより下げ止まりの動きが出ており、雇用も徐々に改善しつつある一方、感染の再拡大がみられ、その影響が懸念される状況です。欧州でも外出制限緩和により経済活動は再開し、経済対策の効果も徐々に表れるとみられますが、持ち直しのペースは緩慢になるとみられます。日本でも緊急事態宣言の解除や経済対策で個人消費は下げ止まりつつあり、先行き、景気は持ち直しに向かうことが期待されますが、そのペースは緩やかになることが見込まれます。新興国については、中国では生産活動の再開が進み、消費、投資も持ち直しの動きがみられるなど景気は回復に向かっています。他方、ロシアやブラジルでは原油価格の低迷に加えて、特にブラジルは感染拡大が深刻化しており、景気の先行きが懸念される状況です。
なお、国・地域によっては感染拡大が続いており、世界経済が再び悪化する可能性に注意が必要です。
(2)経営成績の分析
① 連結損益計算書
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
収益 | 15,218 | 16,331 | △1,113 | |
売上総利益 | 1,897 | 2,092 | △195 | |
販売費及び一般管理費 | △1,347 | △1,412 | +65 | |
その他の 収益・費用 | 有価証券損益 | 84 | 63 | +21 |
固定資産評価損益 | △3 | △17 | +14 | |
固定資産処分損益 | △1 | 14 | △15 | |
雑損益 | 3 | 78 | △75 | |
金融 収益・費用 | 受取利息 | 62 | 112 | △50 |
受取配当金 | 139 | 248 | △109 | |
支払利息 | △154 | △238 | +84 | |
持分法による投資損益 | 340 | 785 | △445 | |
法人所得税 | △353 | △375 | +22 | |
四半期利益 | 667 | 1,349 | △682 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 626 | 1,250 | △624 |
(*)四捨五入差異により縦計が合わないことがあります(以下同様)。
収益
・収益は1兆5,218億円となり前年同期の1兆6,331億円から1,113億円の減少となりました。
売上総利益
・主に金属資源セグメント、生活産業セグメント及びエネルギーセグメントで減益となった一方、次世代・機能推進セグメントで増益となりました。
販売費及び一般管理費
・金属資源セグメントでは負担増となりましたが、販売費及び一般管理費は前年同期から65億円の負担減となりました。
その他の収益・費用
有価証券損益:
・当期は、主に機械・インフラセグメントにおいて有価証券売却益を計上しました。
雑損益:
・当期は、主にエネルギーセグメントにおいて、デリバティブ関連損益と為替関連損益を計上した他、化学品セグメントの北米の事業において保険金収入を計上しました。前年同期は、主に次世代・機能推進セグメントにおいて、保有株式のプットオプションに関わるデリバティブ評価益を計上しました。
金融収益・費用
受取配当金:
・主に、エネルギーセグメントで減少しました。
持分法による投資損益
・主に、エネルギーセグメント、機械・インフラセグメント、生活産業セグメント及び鉄鋼製品セグメントで減益となりました。
法人所得税
・法人所得税は353億円の負担となり、前年同期の375億円の負担から22億円の負担減となりました。当期の実効税率は34.6%となり、前年同期の21.8%から、12.8ポイント増加しました。繰延税金資産に対する評価性引当金の増加及びエネルギーセグメントにおける高税率の資源関連税により、法人所得税の負担割合が増加しました。
四半期利益(親会社の所有者に帰属)
・新型コロナウイルスの感染拡大に端を発した需要の減退や商品価格の変動による業績への影響が含まれております。これらの結果、前年同期から624億円減益の626億円となりました。
② オペレーティング・セグメント情報
オペレーティング・セグメント別の経営成績に係る変動要因の分析は以下のとおりです。
なお、当期より機械・インフラセグメントの新世代電力事業をエネルギーセグメントへ移管しております。この変更に伴い、前年同期のオペレーティング・セグメント情報を修正再表示しております。
鉄鋼製品
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | △13 | 15 | △28 | |
売上総利益 | 54 | 64 | △10 | |
持分法による投資損益 | △19 | 29 | △48 | |
受取配当金 | 7 | 10 | △3 | |
販売費及び一般管理費 | △56 | △67 | +11 | |
その他 | 1 | △21 | +22 |
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、自動車向け鋼材加工・販売を行う関連会社にて、鋼材需要減少に伴う操業率の低下と販売不調、及び為替変動の影響を主因に減益
金属資源
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 322 | 490 | △168 | |
売上総利益 | 503 | 618 | △115 | |
持分法による投資損益 | 134 | 163 | △29 | |
受取配当金 | 25 | 22 | +3 | |
販売費及び一般管理費 | △104 | △81 | △23 | |
その他 | △236 | △232 | △4 |
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 豪州石炭事業は、石炭価格の下落を主因に139億円の減益
・販売費及び一般管理費の増加の主因は以下のとおりです。
- 当期において、モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業における各種前提を見直した結果、融資に係る減損損失41億円を計上
エネルギー
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 35 | 404 | △369 | |
売上総利益 | 256 | 343 | △87 | |
持分法による投資損益 | 57 | 221 | △164 | |
受取配当金 | 21 | 129 | △108 | |
販売費及び一般管理費 | △111 | △110 | △1 | |
その他 | △188 | △179 | △9 |
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 三井石油開発は、原油ガス価格の下落と生産量減少を主因に160億円減益
- Mitsui E&P USA は、ガス価格の下落を主因に34億円減益
- 本店営業部にてLNGトレーディングの好調を主因に増益
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- Mitsui E&P Mozambique Area 1は、前年同期における最終投資決断に伴う繰延税金資産計上を主因に119億円減益
- Japan Australia LNG (MIMI)は、原油ガス価格の下落を主因に減益
・LNGプロジェクト6案件(カタールガス1、オマーン、カタールガス3、サハリンⅡ、アブダビ及び赤道ギニア)からの受取配当金は21億円となり、前年同期から103億円の減少となりました。
・上記のほか、以下要因がありました。
- 三井石油開発は、海外子会社におけるデリバティブ関連損益と為替関連損益等により51億円増益
機械・インフラ
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 185 | 173 | +12 | |
売上総利益 | 267 | 301 | △34 | |
持分法による投資損益 | 173 | 258 | △85 | |
受取配当金 | 16 | 17 | △1 | |
販売費及び一般管理費 | △292 | △317 | +25 | |
その他 | 21 | △86 | +107 |
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- 前年同期において、ブラジルのガス配給事業で仲裁決着に伴う支払サービス税回収に伴う利益を計上
・上記のほか、以下要因がありました。
- 当期において、北米発電事業の売却に伴い有価証券売却益を計上
化学品
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 63 | 41 | +22 | |
売上総利益 | 299 | 318 | △19 | |
持分法による投資損益 | 9 | 35 | △26 | |
受取配当金 | 11 | 14 | △3 | |
販売費及び一般管理費 | △234 | △258 | +24 | |
その他 | △22 | △68 | +46 |
・その他として以下要因がありました。
- 当期において、北米の事業における保険金収入を計上
生活産業
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | △56 | 76 | △132 | |
売上総利益 | 278 | 366 | △88 | |
持分法による投資損益 | △38 | 45 | △83 | |
受取配当金 | 22 | 23 | △1 | |
販売費及び一般管理費 | △317 | △364 | +47 | |
その他 | △1 | 6 | △7 |
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、緊急事態宣言及び外出規制による店舗閉鎖及び外食産業向けの業務用食材の需要減により、ファッション、食品及び流通関連の子会社において減益
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、外出規制や自粛等の影響による需要減により、食品、ファッション、サービス事業関連の関連会社において減益
次世代・機能推進
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 105 | 21 | +84 | |
売上総利益 | 232 | 84 | +148 | |
持分法による投資損益 | 23 | 35 | △12 | |
受取配当金 | 31 | 25 | +6 | |
販売費及び一般管理費 | △161 | △165 | +4 | |
その他 | △20 | 42 | △62 |
・売上総利益の増益の主因は以下のとおりです。
- 前年同期において、中国の医薬品開発会社Hutchison China MediTech株式の公正価値評価損46億円を計上した一方、当期において公正価値評価益41億円を計上
- Mitsui Bussan Commoditiesは、堅調なエネルギートレーディングを主因に43億円の増益
・上記のほか、以下要因がありました。
- 前年同期において保有株式のプットオプションに関わるデリバティブ評価益39億円を計上したことを主因に減益
(3)財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
① 資産及び負債並びに資本
(単位:億円) | 2020年6月末 | 2020年3月末 | 増減 | |
総資産 | 114,860 | 118,063 | △3,203 | |
流動資産 | 37,681 | 41,244 | △3,563 | |
非流動資産 | 77,179 | 76,819 | +360 | |
流動負債 | 23,425 | 27,011 | △3,586 | |
非流動負債 | 50,194 | 50,443 | △249 | |
ネット有利子負債 | 35,349 | 34,867 | +482 | |
親会社の所有者に帰属する持分合計 | 38,707 | 38,177 | +530 | |
ネットDER | 0.91倍 | 0.91倍 | 0.00 |
(*)当社は「ネット有利子負債」を株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)で除した比率を「ネットDER」と呼んでいます。当社は「ネット有利子負債」を以下のとおり定義して算出しています。
・有利子負債は長短債務からリース負債を除外して計算。
・有利子負債から現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)を控除した金額を「ネット有利子負債」とする。
資産
流動資産:
・現金及び現金同等物は173億円減少しました。
・営業債権及びその他の債権は、エネルギーセグメント、化学品セグメントにおける市況下落及び取扱数量減少を主因に、1,624億円減少しました。
・その他の金融資産は、エネルギーセグメント、次世代・機能推進セグメントにおけるデリバティブ取引に係る市況変動及び取扱数量減少を主因に、1,377億円減少しました。
非流動資産:
・持分法適用会社に対する投資は546億円減少しました。
- 当期における持分法による投資損益の見合いで340億円増加した一方、持分法適用会社からの受取配当金受領により590億円減少
- Japan Arctic LNGを通じたロシアArctic LNG2プロジェクトの持分公正価値評価により減少
・その他の投資は924億円増加しました。
- 株価上昇を主因に、FVTOCIの金融資産の公正価値評価が971億円増加
・有形固定資産は307億円の増加となりました。
- 豪州鉄鉱石事業で405億円増加(為替変動の影響による323億円の増加を含む)
- 米国シェールガス・オイル事業以外の石油・ガス生産事業で147億円減少(為替変動の影響による17億円の減少を含む)
負債
流動負債:
・1年以内に返済予定の長期債務は、短期化による増加を主因に362億円増加しました。
・営業債務及びその他の債務は、営業債権及びその他の債権の減少に対応し1,114億円減少しました。
・その他の金融負債は、その他の金融資産の減少に対応する減少、大手町一丁目2番地区の複合開発事業に関する未払金の支払、次世代・機能推進セグメントの貴金属リース取引の減少を主因に2,774億円減少しました。
非流動負債:
・長期債務(1年以内返済予定分を除く)は276億円減少しました。
親会社の所有者に帰属する持分合計
・利益剰余金は、518億円の減少となりました。
・その他の資本の構成要素は、970億円の増加となりました。
- FVTOCIの金融資産が700億円増加
- 米ドル安、伯レアル安の一方、対円での豪ドル高を主因に、外貨換算調整勘定が589億円増加
・自己株式の取得を391億円実施した一方、467億円の自己株式を消却したことを主因として、株主資本の減算項目となる自己株式は77億円減少しました。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,640 | 1,279 | +361 | |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,085 | △1,105 | +20 | |
フリーキャッシュ・フロー | 555 | 174 | +381 | |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △882 | 221 | △1,103 | |
現金及び現金同等物の為替相場変動の影響額等 | 154 | △79 | +233 | |
現金及び現金同等物の増減 | △173 | 316 | △489 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | a | 1,640 | 1,279 | +361 |
営業活動に係る資産・負債の増減 | b | 374 | △280 | +654 |
リース負債の返済による支出 | c | △158 | △135 | △23 |
基礎営業キャッシュ・フロー | a-b+c | 1,108 | 1,424 | △316 |
・営業活動に係る資産・負債(Working Capital)の増減によるキャッシュ・フローは374億円の資金獲得、リース負債の返済は158億円の資金支出となり、これらを除いた基礎営業キャッシュ・フローは、1,108億円となりました。なお、当期より、営業活動からの定常的な現金創出力をより適切に反映させるため、リース負債の返済による支出額を減算しております。これに伴い、前年同期の基礎営業キャッシュ・フローを修正再表示しております。
- 持分法適用会社からの配当金を含む配当金の受取額は493億円となり、前年同期の757億円から264億円減少
- 減価償却費及び無形資産等償却費は630億円となり、前年同期の605億円から25億円増加
基礎営業キャッシュ・フローのオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 |
鉄鋼製品 | 16 | 2 | +14 |
金属資源 | 419 | 577 | △158 |
エネルギー | 364 | 587 | △223 |
機械・インフラ | 129 | 182 | △53 |
化学品 | 157 | 65 | +92 |
生活産業 | 36 | 74 | △38 |
次世代・機能推進 | 127 | △21 | +148 |
その他/調整・消去 | △140 | △42 | △98 |
連結合計 | 1,108 | 1,424 | △316 |
投資活動によるキャッシュ・フロー
・持分法適用会社に対する投資の取得及び売却・回収の純額は、22億円の資金支出となりました。主な取得及び売却・回収は以下のとおりです。
- 北米発電事業の売却に伴う資金獲得
・有形固定資産等の取得及び売却の純額は、788億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。
- 大手町一丁目2番地区の複合開発事業による366億円の資金支出
- 豪州鉄鉱石事業で111億円の資金支出
・投資不動産の取得及び売却の純額は、346億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。
- 大手町一丁目2番地区の複合開発事業による306億円の資金支出
財務活動によるキャッシュ・フロー
・短期債務の増減は26億円の資金獲得、長期債務の増加及び返済の純額は326億円の資金獲得、リース負債の返済による支出は158億円の資金支出となりました。
・自己株式の取得による391億円の資金支出がありました。
・配当金支払いによる683億円の資金支出がありました。
(4)対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社及び連結子会社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当連結累計年度の連結業績予想は、第101期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の有価証券報告書において当期利益(親会社の所有者に帰属)を1,800億円、基礎営業キャッシュ・フローを4,000億円と記載しています。当第1四半期連結累計期間においては、連結業績予想の見直しを行っていません。
(5)研究開発活動
特に記載すべき事項はありません。